JPH0525462U - 現像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】マグネットロールのセッティング角度に多少の
誤差があっても安定した現像画像が得られる現像装置を
提供せんとするものである。 【構成】外表面に複数磁極を着磁させたマグネットロー
ルに円筒状スリーブを回転自在に外装し、前記スリーブ
の全幅にわたる範囲にスリーブ表面との間に現像剤通過
間隙を設けてドクターブレードを配設した現像装置にお
いて、ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにした
ことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は複写機やファクシミリ、更にはレーザープリンタ等の電子写真方式の 現像装置に関し、更に詳しくは、マグネットロールのセッティング角度に多少の 誤差があっても安定した現像画像が得られる現像装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

複写機やファクシミリ等の電子写真方式の現像装置は、図５（イ),（ロ）に示 す如く円筒状又は円柱状のマグネットロール１にスリーブ２を外装し、スリーブ 全幅にわたってスリーブ表面との間に現像剤通過間隙を設けた状態で現像剤通過 量規制板３（以下、ドクターブレード３と称す）を配設した現像装置が用いられ ている。そして、この装置はスリーブ２をマグネットロール１に対して回転させ ることで、スリーブ２表面にボックス４内の現像剤を磁力により拾い上げ、次い でスリーブ２表面の現像剤をドクターブレード３との間を通過させて現像剤の付 着量を規制した後、この現像剤を静電潜像が形成された感光ドラム上に搬送して いる。

【０００３】 図６はこのような現像装置に用いられるマグネットロールの着磁態様とドクタ ーブレードに対するセッティング位置を示し、図例の如く、マグネットロール１ は、隣接する強磁極の境界近傍にドクターブレード３が位置づけられるように、 その取りつけ角度を調整して現像装置に組み込んでいる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような態様の現像装置は、ドクターブレードが位置づけら れる部分におけるマグネットロールの中心角変化に対する磁力変化（Ｇ／°）が 例えば３０Ｇ／°程度と比較的大きく、この為、マグネットロールのセッティン グ角度が所定の設定角度に対してわずかにずれただけでも、ドクターブレードを 通過する現像剤の量が大きく変化し、現像画像にハケ目やカブリ現象、濃度変化 等が発生する問題があった。したがってマグネットロールの組み込みに際しては セッティング角度を厳密に管理する必要があり、組み立て作業の効率が低下する 問題がある。本考案はかかる現況に鑑みてなされたものであり、マグネットロー ルのセッティング角度に多少の誤差があっても安定した現像画像が得られる現像 装置を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決した本考案の要旨は、マグネットロールの磁界強度分布を工 夫することにより、ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにしたことを特徴 としている。 ドクターブレード近傍の磁力変化を１５Ｇ／°以下となすことが好ましい。

【０００６】

【作用】

このような構成の現像装置は、ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかなも のとしているから、マグネットロールのセッティング角度に多少の誤差があって もドクターブレードに作用する磁界強度に大きな変化はなく、ドクターブレード を通過する現像剤の量が大きく変動することはない。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の詳細を図示した実施例にもとづき説明する。図１は本考案の現像 装置に用いるマグネットロールの着磁態様と磁界強度分布及びドクターブレード の配置関係を示した説明図であり、図中１がマグネットロールであり、図中３が ドクターブレードである。尚、図は説明を簡略化する為にスリーブを省略してい る。マグネットロール１の外周面にはＮ極であるＮ１，Ｎ２と、Ｓ極であるＳ１ ，Ｓ２，Ｓ３が形成されている。

【０００８】 本考案はこのような構成のマグネットロールにおいて、ドクターブレード３近 傍の磁力変化を緩やかにしたことを特徴としている。図中５として示す部分が磁 力変化を緩やかにした緩慢部であり、ドクターブレード３はこの緩慢部５内に位 置づけられる。ドクターブレード近傍の磁力変化は１５Ｇ／°以下となすことが 好ましい。磁力変化を緩やかにする為の具体的手段としては、例えば図２から図 ４で示す手段等が採用できる。

【０００９】 図２として示すものは、マグネットロール表面におけるドクターブレード３に 近接した部分だけ減磁した場合であり、二点鎖線が減磁前の磁界強度分布を表し 、実線が減磁後の磁界強度分布を表している。減磁を行うには当該部分に逆磁界 を印加することや、特にマグネットロールが樹脂結合磁石である場合には該当部 分のみ磁性粉の配合比率を下げることなどが考慮される。

【００１０】 図３はマグネットロール表面におけるドクターブレード３に近設した部分に凹 部６を設け、磁石体積を減少させることによりドクターブレード近傍の磁力変化 を緩やかにした場合である。

【００１１】 図４はマグネットロール表面におけるドクターブレード３に近設した部分に、 逆磁極のマグネット７を埋め込み状態で貼りつけることによりドクターブレード 近傍の磁力変化を緩やかにした場合である。

【００１２】 このような構成の現像装置は、ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにし ているので、マグネットロールのセッティング角度に多少の誤差があってもドク ターブレード付近の磁界強度に大きな変化はなく、ドクターブレードを通過する 現像剤量のばらつきを少なくできるので、安定した現像画像を得ることができる 。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の現像装置は、ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにしているの で、マグネットロールのセッティング角度に多少の誤差があってもドクターブレ ード付近の磁界強度に大きな変化はない。したがって、ドクターブレードを通過 する現像剤の量をほぼ一定にすることが可能で、現像画像にハケ目やかぶり現象 が発生することもなく、又、現像画像に濃淡ムラが発生することもなく良好な現 像画像を得ることができるとともにマグネットロールのセッティング角度に厳密 性が要求されなくなるから組み込み作業も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の現像装置の１実施例であり、マグネッ
トロールの磁界強度分布とドクターブレードの配置関係
を示す簡略説明図

【図２】ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにす
る方法を示す要部拡大説明図

【図３】ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにす
る他の方法を示す要部拡大説明図

【図４】ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やかにす
る他の方法を示す要部拡大説明図

【図５】現像装置の概要を示し、（イ）は軸方向断面説
明図、（ロ）は径方向断面説明図

【図６】従来の現像装置におけるマグネットロールの磁
界強度分布とドクターブレードの配置関係を示す簡略説
明図

【符号の説明】

１ マグネットロール ２ スリーブ ３ ドクターブレード ４ 現像剤ボックス ５ 緩慢部 ６ 凹部 ７ マグネット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外表面に複数磁極を着磁させたマグネッ
   トロールに円筒状スリーブを回転自在に外装し、前記ス
   リーブの全幅にわたる範囲にスリーブ表面との間に現像
   剤通過間隙を設けてドクターブレードを配設した現像装
   置において、ドクターブレード近傍の磁力変化を緩やか
   にしたことを特徴とする現像装置。
2. 【請求項２】 ドクターブレード近傍の磁力変化を１５
   Ｇ／°以下となした請求項１記載の現像装置。