JPH0822183A - 現像装置及びこれを用いた多色画像形成装置 - Google Patents

現像装置及びこれを用いた多色画像形成装置

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JPH0822183A
JPH0822183A JP5192876A JP19287693A JPH0822183A JP H0822183 A JPH0822183 A JP H0822183A JP 5192876 A JP5192876 A JP 5192876A JP 19287693 A JP19287693 A JP 19287693A JP H0822183 A JPH0822183 A JP H0822183A
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JP
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magnetic
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magnet
developing
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Application number
JP5192876A
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English (en)
Inventor
Takeshi Saikawa
健 済川
Nobumasa Furuya
信正 古谷
Hiroshi Hirata
啓 平田
Tomoyoshi Chihara
朋義 千原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置コストの低廉化を図りながら、現像に必
要な現像剤搬送量の確保と、潜像担持体とスリーブ間の
狭い間隙設定とを両立させ、しかも、実質的に現像性を
向上させる。 【構成】 回転可能な非磁性スリーブ2内に磁石ロール
3が固定設置される現像剤担持体1を有するタイプを前
提とし、上記現像剤担持体1の有効現像領域E及びこれ
に隣接する拡張領域Fを除く部位に対応した磁石ロール
3部位に現像剤移動用磁極5を設ける一方、現像剤担持
体1の有効現像領域E及びこれに隣接する拡張領域Fに
対応した磁石ロール3部位には複数組の異極性磁極6
a,6bが交互に配列される磁石シート6を取り付けた
ことを特徴とする。また、必要に応じて、磁石シート6
に影響する現像剤移動用磁極5からの磁界が遮断される
磁気シールド部材7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真を利用する
複写機、プリンタ等で用いられる現像装置に係り、特
に、潜像担持体上で複数色のトナーの重ね合わせを行い
カラー画像を形成する電子写真方式による多色画像形成
装置において有効な現像装置及びこれを用いた多色画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における電子写真方式を採用した多
色画像形成装置としては、感光ドラム等の潜像担持体上
で複数色のトナーの重ね合わせを行い、複数色のトナー
像を記録紙へ一括転写させることにより、カラー画像を
作成するものが知られている。この種の多色画像形成装
置は、所謂転写ドラム方式(転写ドラムに記録紙を保持
して一色毎に潜像担持体上のトナー像を写し取る方式)
に比べて、装置を安価で且つ小型化できるという利点を
有するが、先に潜像担持体上に現像されたトナー像が後
段の現像工程で乱される事態を回避するという観点か
ら、後段の現像装置として非接触型現像方式を採用する
ようにしたものがある。
【0003】従来この種の非接触型現像方式としては、
現像剤担持体にトナーのみからなる現像剤を磁気的ある
いは静電的に担持させて現像を行なう一成分現像方式
と、現像剤担持体にトナー及び磁性キャリアからなる現
像剤を磁気的に担持させて現像を行なう二成分現像方式
とがあるが、画質と維持性の点で総合的に優位に立つも
のとして、非接触二成分交番電界現像方式が注目されて
きている。この種の非接触二成分交番電界現像方式は、
回転可能な非磁性スリーブ内に磁石ロールが固定設置さ
れる現像剤担持体を有し、有効現像領域に対向した磁石
ロール部位に現像磁極を配置し、更に、振動電界を付与
しつつ電極となるスリーブと潜像担持体との間の間隙を
狭く設定することにより、スリーブと潜像担持体との間
に強い電界を作用させ、非接触現像において十分な現像
量を確保するようにしたものである(例えば特公平2−
4903号公報)。
【0004】ここでいう有効現像領域とは、現像剤担持
体上のトナーが潜像担持体側へ飛翔して潜像担持体上の
潜像を実質的に可視像化し得る領域を称し、より具体的
には、現像剤担持体及び潜像担持体が停止した状態で現
像時に印加される電界と同じ電界を作用させた条件で現
像剤担持体上のトナーが潜像担持体側に飛翔する領域を
指す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の現
像方式にあっては、現像に寄与する磁極(現像磁極)と
しては、有効現像領域に磁極が1つ存在するものである
か、あるいは、有効現像領域に同極反発磁極を一対設
け、スリーブ表面に対して垂直方向に2つの極大値磁界
を生成させ、その間に1つの極小値磁界を生成させるよ
うにしたものが提示されているが、このような現像磁極
構成にあっては、垂直方向の磁界成分に沿って現像剤の
穂立ちが高く立ち上がる状態になるので、現像剤を潜像
担持体に対して非接触に保とうとした場合、現像に必要
な現像剤搬送量の確保と、潜像担持体とスリーブと間の
狭い間隙設定を両立させることが困難であった。
【0006】このような技術的課題を解決する手段とし
ては、例えば非磁性スリーブ内の磁石ロールに対し、互
いに異なる極性の磁極を上記有効現像領域を挟みこむよ
うに固定したものが提案されている(例えば特公平4−
36383号公報)。このようなタイプにあっては、極
性の異なる磁極間で主として水平方向に沿った磁界が生
成されることから、有効現像領域で現像剤の穂立ちが寝
た状態になり、これに伴って、現像剤を感光体に対して
非接触に保ちながら、現像に必要な現像剤搬送量の確保
と、感光体とスリーブ間の狭い間隙設定を両立させるこ
とができる。
【0007】しかしながら、このような現像方式にあっ
ては、現像剤層の穂立ちが寝た状態になるため、現像剤
層のトナーが現像され難くなり、現像剤搬送量を稼いで
も結果的には現像性がそれほど大きくは上がらないとい
う技術的課題がある。
【0008】これに対し、直流電界を作用させる方式で
はあるが、有効現像領域内において磁石ロールの異極性
の現像磁極ピッチを小さくするようにしたものが提案さ
れている(特開平1−291268号公報)。
【0009】このタイプによれば、現像磁極ピッチを小
さくすることにより、現像剤の穂立ち量を抑えた状態
で、現像剤の穂立ちが立っている箇所を多くし、もっ
て、現像に必要な現像剤搬送量の確保と、潜像担持体と
スリーブ間の狭い間隙設定とを両立させるばかりでな
く、更に、有効現像領域における現像剤のトナー表面積
を増大させて現像性を上げることも可能になる。
【0010】しかしながら、上述したように、現像磁極
ピッチの小さな現像剤担持体を作成することは容易では
ない。すなわち、現像剤担持体では、現像剤搬送用の搬
送磁極を設けることはもとより、有効現像領域を通過し
てきた現像剤を剥離するための反発磁極を配置すること
が必要になる場合もあり、これらを考慮すれば、有効現
像領域内における現像磁極の配置には自ずと制限が加わ
る。例えば、着磁による製法で搬送性、剥離性を考慮し
て有効現像領域内の現像磁極数を増やそうとしたが、現
像磁極間の距離が5mm以下程度になると、磁石ロール
全体の磁界のバランスがくずれ搬送性、剥離性を満たす
ことが困難であることが判明した。一方、磁石ロール自
体に磁石板(フェライト焼結磁石等)を貼り合わせる方
法や、磁石ロールに磁石板を埋め込む方法について検討
したところ、現像磁極間の距離が5mm以下の磁石ロー
ルを作り出せる可能性は見出せたが、曲面状の磁石ロー
ルの特定領域に対して磁石板を狭い範囲で貼り合わせた
り、埋め込むという製造作業は極めて面倒であり、その
分、現像装置の製造コストが嵩み、実用的とは言えなか
った。
【0011】尚、このような技術的課題は、二成分接触
現像方式や一成分現像方式においても、程度の差こそあ
れ、同様に生ずるものである。
【0012】そこで、本発明者らは、現像剤の搬送性
(及び剥離性)に関する磁極位置と現像領域の磁極位置
とを簡便に独立に制御する方法について検討を重ねた結
果、本願発明を提案するに至ったのである。そして、こ
の発明は、以上の技術的課題を解決するために為された
ものであって、装置コストの低廉化を図りながら、現像
に必要な現像剤搬送量の確保と、潜像担持体とスリーブ
間の狭い間隙設定とを両立させ、しかも、実質的に現像
性を向上させることができる現像装置及びこれを用いた
多色画像形成装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
図1に示すように、回転可能な非磁性スリーブ2内に磁
石ロール3が固定設置される現像剤担持体1を有し、こ
の現像剤担持体1上に担持された現像剤Gにて潜像担持
体4上に形成された潜像Zを現像するようにした現像装
置を前提とし、上記現像剤担持体1の有効現像領域E及
びこれに隣接する拡張領域Fを除く部位に対応した磁石
ロール3部位に現像剤移動用磁極5を設ける一方、現像
剤担持体1の有効現像領域E及びこれに隣接する拡張領
域Fに対応した磁石ロール3部位には、有効現像領域E
に磁界分布のピーク値が複数存在するピッチ間隔で異極
性磁極6a,6bが交互に配列される磁石シート6を取
り付けたことを特徴とする。
【0014】このような技術的手段において、本願発明
は、二成分現像剤による二成分現像方式、一成分現像剤
による一成分現像方式の接触、非接触を問わず適用可能
であるが、特に、現像に必要な現像剤搬送量の確保と、
潜像担持体とスリーブ間の狭い間隙設定とを両立させる
点が重要である非接触二成分現像方式に対して効果的で
あり、中でも交番電界(交流バイアスVCB)印加型の現
像方式が現像性を高める上で特に有効である。また、現
像剤移動用磁極5は、通常現像剤担持体1の周囲で現像
剤Gを搬送する現像剤搬送用磁極を指すが、現像装置内
に現像剤を戻す上で、現像剤剥離用磁極(反発磁極)を
設けるタイプにあってはこれをも含む。
【0015】また、磁石シート6の長さ寸法(磁石ロー
ル3の周方向に沿う長さ寸法)については、有効現像領
域Eの両側に拡張領域Fを確保したものに対応して選定
されるが、ここでいう拡張領域Fとは、現像剤移動用磁
極5からの磁界が有効現像領域Eに影響しない範囲で拡
張した領域を意味し、特には、磁石シート6に隣接する
現像剤移動用磁極5の位置、磁界の強さ等に応じて適宜
選定される。そしてまた、磁石シート6の取付けに関し
ては、磁石ロール3の表面に貼り付けるようにしても差
し支えないが、非磁性スリーブ2との干渉を有効に防止
し、かつ、磁石シート6の取付位置を正確に規制すると
いう観点からすれば、磁石ロール3の取付部位に予め取
付凹部を設け、この取付凹部内に収容することが好まし
い。
【0016】更に、磁石シート6への異極性磁極6a,
6bの形成方法については、通常の磁化手段による着磁
方法以外に、磁石の貼り付けや磁石の埋め込み等でも差
し支えない。また、磁極間隔については通常均一な間隔
を採用するが、例えば有効現像領域Eと拡張領域Fとで
磁極間隔を可変設定するようにしても差し支えない。更
に、磁石シート6の磁極形成箇所については、通常潜像
担持体4側に配置される表面側に形成すればよいが、磁
石シート6の磁界をより増大させたいような場合には、
磁石シート6の表裏面に夫々磁極を形成するようにする
ことが好ましく、この場合には、磁石シート6の表裏面
を区別することなくどちらからでも使用することも可能
になる。
【0017】更にまた、磁石シート6の交互に並ぶ異極
性磁極6a,6b(S極,N極)間ピッチとしては、一
般的には同じ磁束密度での比較において磁極間ピッチが
狭くなると現像剤の穂立ちの高さは低くなり、現像剤担
持体1と潜像担持体4との間隔を狭くすることが可能で
あり、例えば非接触二成分交番電界現像方式にとっても
強い電界の作用を受ける上で有利になる。しかし、現在
実用化されている現像剤では、磁極間ピッチを狭くし過
ぎると、十分な搬送量を確保することができず、画像濃
度不足となり、また、同時に磁極の磁界の強さが不十分
となるためにキャリア飛散が発生してしまう。こうした
観点で0.5mm以下の磁極間ピッチは実用的ではなく
1mm以上の磁極間ピッチが望ましい。
【0018】一方、磁極間ピッチが広くなると、現像剤
Gの穂立ちの高さは高くなり、現像剤担持体1と潜像担
持体4との間隔は狭くならないので、強い電界の作用を
受けることができず、現像性を上げる上で不利になる
が、現像剤Gの搬送量は上げられるので、10mm程度
の磁極間ピッチまでは実用的である。但し、前記10m
mの磁極間ピッチの例は、潜像担持体4がベルトタイプ
で現像剤担持体4の径寸法も50mm以上の大型の画像
形成装置で実施可能となる場合である。これに対し、現
像剤担持体1の径寸法が30mm以下であり、潜像担持
体4も直径が200mm以下のドラムタイプである小型
の画像形成装置にあっては、前記磁極間ピッチは6mm
以下が望ましい。
【0019】また、磁石シート6としては、異極性磁極
6a,6bが交互に配列されたシート状のものであれ
ば、予め磁石ロール3の形状に沿って予め成形されたも
のでも差し支えないが、磁石ロール3への取り付け易さ
の点からすれば、可撓性を有するものが好ましい。可撓
性を有する磁石シート6としては、所謂ゴム磁石若しく
はプラスチック磁石のみならず、可撓性を有する程度に
薄い金属シートからなるものをも含む。より具体的に述
べると、例えば上記ゴム磁石は一般に市販されているも
のであり、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、クロロプレンゴム等のゴム材料からなる可撓
性シート素材にバリウム−フェライト粉末、ストロンチ
ウム−フェライト粉末、鉛−フェライト粉末等の永久磁
石材料粉末を混入させたものであり、平面で着磁を行え
ることからN極、S極を交互に帯状に且つ接近させて配
置することが極めて容易に行える利点がある。
【0020】また、磁石シート6として例えばゴム磁石
に関し、ゴム材料に対する永久材料粉末の含有量である
が、少ないと磁力が出せず、多すぎるともろくなってひ
び割れし易くなることから、ゴム材料に対する永久磁石
材料粉末の含有量は30wt%以上から80wt%未満
であることが望ましい。また、磁石シート6の厚さであ
るが、厚いと磁石ロール3に取り付けたときにひび割れ
が生じ易くなるために、5mm以下、できれば3mm以
下の厚みであることが望ましい。但し、薄くなると今度
は磁石シート6の磁力が出せなくなるため、実際には1
〜5mm、望ましくは1〜3mmの厚さの磁石シート6
を用いるのが実用的である。
【0021】また、磁石ロール3は通常磁性体にて構成
されることから、磁石ロール3の内部側から磁石シート
6の有効現像領域E部分に現像剤移動用磁極5の磁界成
分が影響することがあり得る。このような場合には、磁
石シート6に影響する現像剤移動用磁極5からの磁界が
遮断される磁気シールド部材7を設けることが好まし
い。尚、磁石ロール3の内部に非磁性部材からなる仕切
体を設ける等、磁石ロール3の内部を通じて現像剤移動
用磁極5からの磁界が伝搬されない構成を採用すれば、
上述した磁気シールド部材7は不要である。
【0022】上記磁気シールド部材7としては、磁石ロ
ール3内部から磁石シート6へ向かう現像剤移動用磁極
5から磁界をトラップし、磁石シート6側へ影響しない
ように機能するものであればよく、例えば、磁石シート
6と磁石ロールとの間に磁石ロール3よりも透磁率の高
い磁性体シートを介装させたり、磁石シート6の両端部
に対応した磁石ロール3部位に切り込み部を形成し、こ
の切り込み部に磁石ロールよりも透磁率の高い磁性体シ
ートを装着したり、磁石シート6の裏面側の透磁率を高
めることにより、磁石シート6の裏面部を磁気シールド
部材7として実質的に機能させる等適宜選定することが
できる。
【0023】また、上記磁石シート6と磁石ロール3と
の間に磁気シールド部材7を介在させるタイプにあって
は、磁石シート6の磁界をより強めるという観点からす
れば、磁気シールド部材7としての磁性体シートを磁石
シート6に密着させることが好ましく、その具体的態様
としては、例えば磁石シート6としての可撓性ゴム磁石
等の着磁前のものを用いることができる。
【0024】また、磁気シールド部材7としての磁性体
シートに磁気シールド効果を持たせるにはある程度の厚
さが必要であり、実際には1〜5mm、望ましくは1〜
3mmの厚さの磁性体シートを用いるのが実用的であ
る。
【0025】更に、現像剤担持体1の磁気特性に関して
は、現像性を高める上で好ましい微小径の二成分現像剤
G(キャリア平均粒径:20〜70μm,トナー平均粒
径:5〜15μm)を用いた場合、各磁極6a,6bか
らの垂直方向の磁界の強さ(磁束密度)の最大値が20
0ガウス未満であるとキャリア飛散を引起し、1000
ガウスを超えると現像剤の穂立ちが高過ぎて、現像剤担
持体1と潜像担持体4との間隔を狭くできなくなって実
用的でなくなる。従って、実用的な範囲は200ガウス
以上1000ガウス以下であることが実験的に確認され
た。
【0026】二成分現像剤Gのキャリアの諸特性に関し
ては、飽和磁化が20emu/g未満では潜像担持体4
へのキャリア付着を引起し易く、70emu/gを超え
ると現像剤担持体1上でキャリア同士の磁力による反発
が起こり表面積の大きい現像剤層を作ることが困難にな
る。従って、飽和磁化は20emu/g以上70emu
/g以下が望ましい。また、平均粒径(重量平均粒径)
については、20μm未満のキャリアでは一個のキャリ
アに働く磁力と静電気力の関係で潜像担持体4へのキャ
リア付着を引起し易く、70μmを越えるとキャリアの
表面積が減少し、現像剤層の表面積も減少するので、画
像濃度が不足してしまう。従って、平均粒径(重量平均
粒径)は20μm以上70μm以下が望ましい。
【0027】現像剤Gのトナーの諸特性に関しては、平
均粒径(重量平均粒径)が3μmを下回ると現像性が低
下するため、実用的には5μm以上のトナー平均粒径で
あることが望ましい。一方、トナーの平均粒径が15μ
mを越えると画像の細線鮮鋭度や低濃度領域での粒状性
が劣るようになる。例えば、一画素63.5μmの25
6階調のパルス幅変調でレーザ露光を行い、シャープな
細いライン像で構成された静電潜像を現像し、細線鮮鋭
度や低濃度領域での粒状性を良好に保つには、平均粒径
が15μm以下、より好ましくは10μm以下のトナー
であることが望ましい。
【0028】更に、前記キャリアとの摩擦帯電に関し、
トナーの帯電量を5〜50μc/gの範囲にすることが
必要である。5μc/gを下回ると、トナーとキャリア
との静電気的な結びつきが弱くなりトナー飛散を引き起
こすだけでなく、現像電界に対する応答も鈍くなり、細
線や低濃度の再現性が劣るようになる。また、トナーの
帯電量が高くなれば少ないトナー量で潜像担持体4の潜
像が静電的に飽和してしまい、画像濃度を確保するため
には非常に高い電圧の潜像が必要となる。画像濃度を確
保するための手段としては、トナーの着色力を上げる方
法があるが、画像濃度を上げる上で、既に色材分散等に
おいて最適化が終わっているトナーを再度調整すること
は好ましくないし、現に色材の量を2倍にしてあげても
単純に着色力が2倍になるものではなく、実際にはその
調整は難しい。そのため、50μc/gを超えると、初
期帯電電位を1000V以下で使うような凡用的な潜像
担持体4を用いることが困難になる。
【0029】現像剤担持体1のスリーブ2の表面粗さに
関しては、表面粗さが小さすぎると現像剤Gが層規制部
材を通過する際スリップを起こし易く、現像剤G中のト
ナー濃度によって搬送量が変化し易くなり、その結果、
画像濃度の安定性が悪くなる。また、表面粗さが大きす
ぎると現像剤担持体1の回転振れの管理が難しくなり、
現像剤担持体1の回転周期に合わせた画像濃度むらが出
易くなる。例えば、本発明者らが使おうと考える磁性キ
ャリアのうち最も平均粒径の小さな20μmのものを用
いた場合、表面粗さがRz=2μm(磁性キャリアの平
均粒径の10%)以上であれば層規制部材を通過する際
のスリップを実用上おさえることが確認された。また、
本発明者らが使おうと考える磁性キャリアのうち最も平
均粒径の大きな70μmのものを用いた場合、表面粗さ
がRz=50μm(磁性キャリアの平均粒径の70%)
を超えると画像濃度むらが発生し、実用的でないことが
判明した。すなわち、表面粗さは少なくとも磁性キャリ
アの平均粒径の10%以上で、かつ、Rz=50μm以
下(平均粒径70μmの約70%)が望ましい。
【0030】また、多色画像形成装置の第二以降の現像
装置について、本願発明が適用された非接触二成分現像
方式(特には交番電界印加型が有効)を用いるようにす
れば、潜像担持体4上の既存のトナー像を破壊すること
なく、第二以降の現像装置における現像性を高めること
が可能になる点で好ましい。
【0031】
【作用】上述したような技術的手段において、現像剤担
持体1のうち特に磁石ロール3を製造する際には、先
ず、磁石ロール3について現像剤の搬送性(及び剥離
性)に関係する現像剤移動用磁極5のみを公知の着磁手
段等にて設ける。次に、磁石ロール3上の有効現像領域
E及びこの有効現像領域Eに隣接する拡張領域Fに対応
する磁石ロール3部位に所望の磁極6a,6bピッチを
有する磁石シート6を取り付ける。このとき、磁石シー
ト6に配置されている磁極6a,6bは帯状で且つ隣接
する磁極6a,6bの極性が互いに異なるように配置さ
れ、磁石ロール3の径方向に沿う垂直磁界成分がある程
度大きく確保され、かつ、垂直磁界成分のピーク値が有
効現像領域Eに複数存在するように配置されている。こ
のため、現像剤担持体1の有効現像領域E内には薄層で
且つ穂立ちの立った領域を複数有する現像剤層が形成さ
れる。
【0032】また、磁石ロール3に設けられた現像剤移
動用磁極5からの磁界成分が磁石シート6側へ影響を及
ぼすが、その影響は磁石シート6の拡張領域F部分まで
であり、磁石シート3の有効現像領域Eには至らない。
よって、磁石シート3の有効現像領域Eの磁界分布は現
像剤移動用磁極5からの磁界成分にほとんど影響される
ことなく、現像性を上げる上で最適なものに選定され
る。
【0033】更に、磁石ロール3が通常磁性体であるこ
とから、現像剤移動用磁極5からの磁界が磁石ロール3
の内部を通じて磁石シート6側へ影響することがあり得
る。このような場合にあっては、磁石ロール3に磁気シ
ールド部材7を設けるようにすればよく、この磁気シー
ルド部材7にて現像剤移動用磁極5から磁石ロール3の
内部を通じて磁石シート6側へ影響する磁界をトラップ
することにより、磁石シート6が磁気的にシールドさ
れ、磁石シート6によって有効現像領域Eに所望の磁界
を生成し得る。
【0034】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの
発明を詳細に説明する。 ◎実施例1 図2はこの発明が適用される現像装置の実施例1が用い
られる多色画像形成装置の概要を示す説明図である。同
図において、11はドラム状の潜像担持体であり、この
潜像担持体11の周囲には、潜像担持体11表面を予め
帯電するスコロトロン等の帯電器12、帯電された潜像
担持体11表面に潜像を書き込むレーザ書き込みユニッ
ト13、潜像担持体11上に書き込まれた潜像を各色成
分(この実施例では、ブラック、イエロ、マゼンタ、シ
アン)トナーにて可視像化する四台の現像装置14(具
体的には14a,14b,14c,14d)、転写前に
潜像担持体11上の各色トナー像の帯電状態を調整(帯
電あるいは除電)する転写前帯電器15、潜像担持体1
1上の各色トナー像を記録紙17に転写させる転写帯電
器16、記録紙17を潜像担持体11から剥離する剥離
帯電器18、潜像担持体11上の残留トナーを除去する
クリーナ19及び潜像担持体11上の残留電荷を除去す
る除電器20を配設したものである。尚、符号21は記
録紙17を転写部位へ案内するペーパガイド、22は転
写終了後の記録紙17を図示外の定着器へ搬送する搬送
ベルトである。
【0035】この実施例において、上記レーザ書き込み
ユニット13は、各色成分毎に画像情報に応じたビーム
を照射する半導体レーザ131、半導体レーザ131か
らのビームを潜像担持体11の走査ライン方向に沿って
偏向するポリゴンミラー132及びポリゴンミラー13
2からのビームを潜像担持体11の走査ライン位置へ集
束させる結像レンズ133等を内蔵し、光路規制用のミ
ラー134を介して潜像担持体11の所定の走査ライン
に沿って潜像を書き込むものである。この実施例におい
ては、レーザ書き込みユニット13は、レーザビームに
て画像部を書き込むようになっており、帯電器12で帯
電された潜像担持体11の表面電位極性と同じ極性電荷
を持つトナーが潜像担持体11のビーム照射部に現像さ
れる。
【0036】また、この実施例において、各現像装置1
4のうち一段目のブラック用現像装置14aは接触二成
分交番電界現像方式を採用し、二段目以降の現像装置1
4b〜14dは本発明が適用された非接触二成分交番電
界現像方式を採用したものであるが、いずれも非磁性ト
ナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いてい
る。尚、二段目以降の現像装置14の詳細は後述する。
【0037】更に、クリーナ19はその全部または一部
がリトラクト可能な構成となっており、前記4色のトナ
ー像を作像中は潜像担持体11に対し非接触の状態とな
っており、潜像担持体11上のトナー像を乱さないよう
構成されている。潜像担持体11のクリーニングは転写
終了後のサイクルに行われ、直前の画像の転写終了後に
潜像担持体11と接触し、次に作成される画像がクリー
ナ19に到達する前に退避する。尚、クリーニングのた
めに潜像担持体11を1回転させるクリーニングサイク
ルを設けるタイプもある。
【0038】次に、この実施例に係る多色画像形成装置
の画像形成プロセスを説明する。先ず、1回目のサイク
ルとして、潜像担持体11は帯電器12で帯電され、レ
ーザ書き込みユニット13からのビームでブラック用の
画像に相当する潜像が潜像担持体11の所定の位置に形
成され、この潜像はブラック用現像装置14aにより現
像される。このとき、ブラック用現像装置14aでは、
ブラック現像剤を現像剤担持体32上に付着せしめ、図
示外の層形成部材で前記現像剤を薄層化する。その後、
潜像担持体11との対向部において、直流を重畳した交
流バイアスが印加され、前記現像剤のトナーにて潜像担
持体11の潜像が現像される。
【0039】次に、2回目のサイクルとして、潜像担持
体11は帯電器12により再帯電され、前(ブラック)
工程でレーザビームの照射を受け、電位が下がった潜像
担持体11の部分が再び元の電位近くまで回復する。そ
の後、レーザ書き込みユニット13からのレーザビーム
でイエロに相当する画像が潜像担持体11の所定の位置
に再度照射され、イエロ用現像装置14bは、帯電器1
2で帯電された潜像担持体11の表面電位極性と同じ極
性電荷を持つイエロトナーにて潜像担持体11のビーム
照射部を現像する。この現像装置14bは非接触二成分
交番電界現像方式であり、前工程において現像装置14
aにより現像された潜像担持体11上のトナー像が乱さ
れたり、潜像担持体11上の既設のトナー像が現像装置
14b側に逆転移されないように、現像剤穂立ち高さ,
潜像担持体11と現像剤担持体32との間隙、交番電界
条件等の最適化が施されている。
【0040】以後同様に、3回目のサイクルとして、帯
電器12による再帯電、レーザ書き込みユニット13か
らのレーザビームによるマゼンタ像の照射、マゼンタ用
現像装置14cによるマゼンタ像の現像、4回目のサイ
クルとして、帯電器12による再帯電、レーザ書き込み
ユニット13からのレーザビームによるシアン像の照
射、シアン用現像装置14dによるシアン像の現像の各
工程を経る。現像装置14c、14dは前工程の現像装
置14a,14bにより現像された潜像担持体11上の
各色のトナー像が乱されたり、潜像担持体11上のトナ
ー像が現像装置14c、14d側に逆転移されないよう
に現像装置14bと同様の工夫が施されている。
【0041】シアン用現像装置14dによるシアン像の
現像工程が終了した時点では、潜像担持体11上にはブ
ラック、イエロ、マゼンタ、シアンの各色トナー像が存
在する。これらの色トナー像と潜像担持体11は必要に
応じて転写前帯電器15の照射を受け、転写に最適な状
態に帯電または除電されたのち、転写帯電器16によ
り、ペーパガイド21に沿って進入してきた記録紙17
上に、潜像担持体11上のブラック、イエロ、マゼン
タ、シアンの各色トナー像が1回の工程で転写される。
転写終了後、記録紙17は剥離用帯電器18により除電
され、潜像担持体11から剥離されて搬送ベルト22に
より図示外の定着器側に搬送され定着工程が施される。
転写工程終了後、潜像担持体11上の残留トナーは、ク
リーナ19によりクリーニングされ、引続き除電器20
からの露光を受け、再び帯電器12による帯電工程には
いり、前述の全工程を繰り返し、複数枚の連続プリント
を出力する。
【0042】次に、二段目以降の現像装置14(具体的
には14b,14c,14d)の構成について説明す
る。図3において、現像装置14は、非磁性ハウジング
31の現像開口部に現像剤担持体32を設ける一方、こ
の現像剤担持体32上の現像剤Gの層厚が規制される非
磁性部材からなるトリミング部材33を配設し、更に、
ハウジング31内には現像剤供給用のオーガ34及び現
像剤攪拌用のパドル35を配設したものである。
【0043】本実施例に用いた現像剤Gは、重量平均粒
径40μmで飽和磁化が60emu/gである磁性キャ
リアに、重量平均粒径7μmのポリエステル系カラート
ナーを混合攪拌し、現像剤に占めるトナーの混合率がお
よそ10重量%で相対湿度30%から85%におけるト
ナー帯電量が12〜25μc/gに調整したものであ
る。
【0044】また、上記現像剤担持体32は、外側に非
磁性中空円筒状であって剛性のある硬質で導電性の回転
スリーブ41を有し、この回転スリーブ41内に複数の
磁極が設けられる磁石ロール42を固定設置したもので
ある。この実施例において、回転スリーブ41の外径は
25mmであり、その表面粗さはRz=20μmであ
る。一方、磁石ロール42は、図3及び図4に示すよう
に、非磁性シャフト43にロール状磁性支持体(この実
施例ではフェライト)44を固着し、このロール状磁性
支持体44の有効現像領域E及びこれに隣接する拡張領
域F以外の部位に対し現像剤搬送用磁極45と剥離用磁
極46を着磁した後に、有効現像領域E及び拡張領域F
に対応する部位に磁石シート47をロール状磁性支持体
44よりも透磁率の高い磁性体シート48を介して貼り
付けたものである。尚、図中、着磁による極性をS、N
で表示している。
【0045】ここで、現像剤搬送用磁極45の着磁につ
いては、パドル35でかきあげられた現像剤Gを磁石シ
ート47の境界まで搬送することと、現像剤Gを磁石シ
ート47の境界部から剥離用磁極46まで搬送すること
を考慮した着磁であり、図3中隣接する異極性の磁極相
互がいずれも現像剤搬送用磁極として機能し、一方、剥
離用磁極46の着磁については現像剤剥離のみを考慮し
た着磁であり、図3中、隣接する同極性の磁極相互(S
極)が剥離用磁極として機能している。従って、この実
施例に係る着磁工程は、現像極と搬送用磁極と剥離用磁
極とを同時に着磁する場合に比べて極めて簡単に行え
る。
【0046】次に、この実施例において、上記磁石ロー
ル42の有効現像領域E及び拡張領域Fに対応した箇所
にはシート取付用凹部49が予め設けられ、このシート
取付用凹部49内に磁石シート47及び磁性体シート4
8が収容され、回転スリーブ41との接触干渉が防止さ
れるようになっている。この実施例で用いられる磁石シ
ート47としては、クロロプレンゴムにストロンチウム
−フェライト粉末を70wt%含有させた厚さ3mmの
可撓性ゴム磁石を用い、この磁石シート47は、磁石ロ
ール42の周方向に沿って約2.5mm間隔かつ200
ガウスの磁束密度となるよう異極性の磁極51,52
(N極,S極)が交互に着磁されたものである。特に、
この実施例では、図5に示すように、磁石シート47の
厚さ方向の表裏面に夫々異極性の磁極51,52(N
極,S極)を着磁したものが用いられ、磁石シート47
の磁界分布の強化が図られている。
【0047】また、この実施例では、上記磁性体シート
48としては、クロロプレンゴムにストロンチウム−フ
ェライト粉末を70wt%含有させた未着磁の厚さ3m
mの(磁石シート47と同様な素材)ものが用いられ
る。尚、ストロンチウム−フェライト粉末の含有率がよ
り高いものを用いるようにすれば、磁石シート47へ影
響する磁界をより確実にトラップすることが可能にな
る。
【0048】また、潜像担持体11と回転スリーブ41
との間隙δは500μmに設定されており、回転スリー
ブ41上に形成される現像剤Gの層厚は350μmに設
定される。そして、潜像担持体11と回転スリーブ41
との間には直流バイアスが重畳された交流バイアスVCB
が印加されている。この実施例において、上記有効現像
領域Eの幅は前記電界条件に影響されるのは言うまでも
ないが、一般的には直流成分の電界が大きいほど、ま
た、交流成分の電界が大きいほど広くなる。一方、周波
数は高いほど狭くなる傾向にある。本実施例に用いる現
像剤に対する周波数の影響に関しては、10数キロHz
までの範囲では1〜3キロHzのあたりに最も有効現像
領域Eの幅が広くなるところがある。但し、これら電界
や周波数は、先に潜像担持体11上に現像されたトナー
像に与える影響と現像性を考慮して決められる。本実施
例では、先に潜像担持体11上に現像されたトナー像を
乱さないことを考慮して、潜像担持体11における暗電
位600V〜900V、明電位50〜200V、明電位
と回転スリーブ41に印加するバイアスの直流成分との
差が50〜150V、前記バイアスの交流成分のピーク
値間が1.5kv、周波数4〜10kHzの範囲で現像
を行うことが望ましく、これらを最適化した結果、有効
現像領域Eが10mmの幅になっている。
【0049】従って、有効現像領域Eでは、約2.5m
m間隔かつ200ガウスの磁束密度を保持した磁極5
1,52(N極,S極)交互に配列されることから、現
像剤の穂立ちの立っている箇所が実効現像領域内に4箇
所あることになり、極めてトナーが現像され易い状態と
なっている。現に、この現像条件にて現像を行ったとこ
ろ、既設のトナー像を乱したり、トナーの混色現象は見
られず、しかも、各色トナー像の現像性は極めて良好に
保たれ、高品質のカラー画像を得ることが確認された。
【0050】◎比較例 実施例1において、磁石シート47の着磁ピッチを変え
て、有効現像領域で200ガウスの磁界が5mm、8m
m、15mm間隔に発生するようにして現像性を比較し
てみたところ、着磁ピッチが広くなるほど現像性が下が
ることが確認された。特に、10mm、15mm間隔で
は実用的な画像濃度が得られなかった。また、回転スリ
ーブ41上の現像剤層の形成状態も着磁ピッチが小さく
なるほど薄層の安定した現像剤層が実現できるが、10
mm、15mm間隔では現像剤層のむらが発生するため
に500μm以下の穂立ちの現像剤層が形成できなくな
って現像剤層が潜像担持体11に接触してしまい、前段
の現像で潜像担持体11上に形成されたトナー像を乱し
てしまうことが確認された。
【0051】また、現像剤搬送用磁極45や剥離用磁極
46の磁界分布を調べたところ、磁石ロール42の周囲
磁界については、磁石シート47の拡張領域Fには確か
に影響を及ぼしていることが確認されるが、磁石シート
47の有効現像領域Eには全く影響していないことが確
認され、また、磁石ロール42の内部磁界については磁
石シート42に全く影響を及ぼしていないことが確認さ
れ、磁性体シート48が磁石シート47への磁界の影響
を遮断する磁気シールド部材として機能していることを
裏付けている。従って、この実施例によれば、磁界設計
の煩わしさにとらわれることなく所望の現像剤担持体3
2を入手でき、非常に優れた現像性を得、余裕をもって
画質設計を行うことが可能になる。
【0052】尚、この実施例においては、磁石シート4
7の表裏面に異極性の磁極51,52を着磁させるよう
にしているが、これに限られるものではなく、図6に示
すように、磁石シート47の表面側のみに異極性の磁極
51,52を設けるようにしてもよい。また、この実施
例においては、磁石シート47と磁石ロール42との間
に磁性体シート48を別個に設けているが、これに限ら
れるものではなく、例えば図7に示すように、磁石シー
ト47の裏面側の金属粉末の含有率を高めるようにすれ
ば、磁石シート47の裏面部層47aが磁気シールドと
して有効に機能することになり、磁石シート47との一
体化を実現することができ、また、図8に示すように、
磁石ロール42のシート取付用凹部49の両端部に対応
する磁性支持体44に非磁性シャフト43に到る切り込
み部55を設け、この切り込み部55に磁性体シート4
8を装着するようにしてもよい。
【0053】また、この実施例において、第一の現像装
置14aは二成分現像方式を採用しているが、磁性一成
分現像方式を採用してもよい。この場合、潜像担持体1
1上に現像されたトナーが磁性を有するために、後段の
現像装置14b,14c,14dの現像剤担持体32の
磁力によって乱される懸念があるが、この実施例では、
後段の現像剤担持体32の有効現像領域Eの磁極間隔が
狭いことから、磁力線が現像剤担持体32表面近傍で閉
じており、潜像担持体11上に現像された磁性トナーに
作用を及ぼし難いことから、磁性トナー像の乱れはほと
んど見られない。
【0054】◎実施例2 図9はこの発明が適用された現像装置の実施例2を示す
ものであり、基本的に実施例1と略同様であるが、実施
例1と異なり、磁石シート47と磁石ロール42との間
の磁性体シート48を取り除く一方、シート取付凹部4
9の両端部に位置する磁性支持体44に非磁性シャフト
43に到る切り込み部61を設け、この切り込み部61
には非磁性の仕切板62を装着したものである。この実
施例によれば、現像剤搬送用磁極45及び剥離用磁極4
6からの磁界のうち磁石ロール42の内部に向かうもの
は仕切板62でその伝搬が阻止されるため、現像剤搬送
用磁極45及び剥離用磁極46からの磁界は全て現像ロ
ール42の周囲に向けて形成される。従って、磁石シー
ト47の拡張領域Fには現像剤搬送用磁極45及び剥離
用磁極46からの磁界が実施例1よりも多く影響する
が、磁石シート47の有効現像領域Eには現像剤搬送用
磁極45等からの磁界はほとんど影響せず、磁石シート
47の有効現像領域Eでの磁界分布は磁石シート47の
磁極のみに基づいて最適化されることになり、実施例1
と同様に、現像性の高い高品質画像を得ることが確認さ
れた。
【0055】尚、この実施例において、上記非磁性の仕
切板62を取り除くと、磁石シート47により形成され
る有効現像領域Eの磁界が現像剤搬送用磁極45と剥離
用磁極46の影響で乱されることが確認された。具体的
には、本来は実施例1の如く、磁石シート47により形
成される有効現像領域Eには2.5mm間隔かつ200
ガウスの磁界が形成されるべきはずのところが、実際に
は間隔も不規則となり、磁束密度も100ガウスから4
00ガウスまでの振れ幅を持ってしまった。この場合、
当然、現像剤担持体32上の現像剤層の形成状態も安定
せず、画質は実施例2に比べて見劣りするものにはなっ
た。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の発明によれば、現像剤担持体の有効現像領域及びこれ
に隣接する拡張領域以外の磁石ロール部位に現像剤移動
用磁極を設け、現像剤担持体の有効現像領域及びこれに
隣接する拡張領域に対応する磁石ロール部位に複数組の
異極性磁極が交互に配列された磁石シートを取り付けた
ので、現像剤の移動性(搬送性や剥離性)に関する磁極
による磁界が現像剤担持体の有効現像領域に影響する事
態を有効に回避しながら、現像剤の移動性に関する磁極
配置と、磁石シートによる現像磁極配置とを別個独立に
簡便に制御することが可能になり、その分、装置コスト
の低廉化を図ることができる。更に、この発明によれ
ば、磁石シートに異極性磁極を交互に配列し、現像剤担
持体の有効現像領域には磁界分布のピーク値を複数存在
させるようになっているので、現像に必要な現像剤搬送
量の確保と、潜像担持体とスリーブ間の狭い間隙設定と
を両立させ、しかも、実質的に現像性を向上させること
ができる。
【0057】また、請求項2あるいは請求項3記載の発
明によれば、非接触現像方式あるいは交流バイアス印加
現像方式において、装置コストの低廉化を図りながら、
現像に必要な現像剤搬送量の確保と、潜像担持体とスリ
ーブ間の狭い間隙設定とを両立させ、しかも、実質的に
現像性を向上させることが可能になるので、更に、夫々
の現像方式の特徴を生かしながら現像性能を改善するこ
とができる。
【0058】更に、請求項4記載の発明によれば、磁石
シートを可撓性にすることにより、磁石ロールの曲面部
への磁石シートの取付け作業を簡略化することができ
る。そしてまた、請求項5記載の発明によれば、平面状
のシート素材に対して通常の着磁手段にて簡単に着磁す
ることができるので、磁石シートの製造を極めて簡単に
行うことができる。また、請求項6記載の発明によれ
ば、可撓性シート素材に対する金属粉末の含有量の最適
化を図ることにより、十分な磁力を確保し、かつ、ひび
割れを有効に防止することができる。また、請求項7記
載の発明によれば、磁石シートの厚みの最適化を図るこ
とにより、十分な磁力を確保し、かつ、ひび割れを有効
に防止することができる。また、請求項8記載の発明に
よれば、磁石シートの磁極間ピッチの最適化を図ること
により、現像剤の搬送量を確保しながら、実質的に現像
性を向上させることができる。更に、請求項9記載の発
明によれば、磁石シートの磁界の強さの最適化を図るこ
とにより、二成分現像剤におけるキャリア飛散を有効に
防止しながら、現像剤の穂立ち高さの最適化を図ること
ができる。
【0059】また、請求項10記載の発明によれば、磁
石シートに対する磁気シールド部材を設けることによ
り、現像剤移動用磁極から磁石ロール内部を通じて磁石
シートへ向かう磁界を遮断することができるので、現像
剤移動用磁極の磁界に影響されることなく、磁石シート
による磁界分布の最適化を確実且つ容易に実現すること
ができる。そしてまた、請求項11記載の発明によれ
ば、磁気シールド部材を簡単な構成で実現することがで
き、また、請求項12記載の発明によれば、厚みの最適
化を図ることにより、磁気シールド効果を確実に実現す
ることができる。
【0060】また、請求項13記載の発明によれば、現
像スリーブの表面粗さの最適化を図ることにより、現像
剤の層厚規制を正確に行うことができ、しかも、画像濃
度むらを確実に回避することができる。
【0061】請求項14記載の発明によれば、多色画像
形成装置において、既設のトナー像を乱すことなく、各
色成分毎の現像性を上げることが可能になるので、混色
のないカラー画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る現像装置の構成を示す説明図
である。
【図2】 この発明が適用された現像装置の実施例1を
含む多色画像形成装置の一例を示す説明図である。
【図3】 実施例1に係る現像装置の詳細を示す説明図
である。
【図4】 実施例1に係る磁石ロールの詳細を示す説明
図である。
【図5】 (a)は実施例1に係る磁石シートの着磁状
態を示す平面図、(b)はその正面説明図である。
【図6】 (a)は実施例1に係る磁石シートの着磁状
態の変形例を示す平面図、(b)はその正面説明図であ
る。
【図7】 磁石シートの他の変形例を示す説明図であ
る。
【図8】 実施例1に係る磁性体シートの変形例を示す
説明図である。
【図9】 実施例2に係る現像装置の詳細を示す説明図
である。
【符号の説明】
1…現像剤担持体,2…非磁性スリーブ,3…磁石ロー
ル,4…潜像担持体,5…現像剤移動用磁極,6…磁石
シート,6a,6b…異極性磁極,7…磁気シールド部
材,E…有効現像領域,F…拡張領域,G…現像剤,C
…磁性キャリア,T…トナー,Z…潜像
フロントページの続き (72)発明者 千原 朋義 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能な非磁性スリーブ(2)内に磁
    石ロール(3)が固定設置される現像剤担持体(1)を
    有し、この現像剤担持体(1)上に担持された現像剤
    (G)にて潜像担持体(4)上に形成された潜像(Z)
    を現像するようにした現像装置において、上記現像剤担
    持体(1)の有効現像領域(E)及びこれに隣接する拡
    張領域(F)を除く部位に対応した磁石ロール(3)部
    位に現像剤移動用磁極(5)を設ける一方、現像剤担持
    体(1)の有効現像領域(E)及びこれに隣接する拡張
    領域(F)に対応した磁石ロール(3)部位には、有効
    現像領域(E)に磁界分布のピーク値が複数存在するピ
    ッチ間隔で異極性磁極(6a,6b)が交互に配列され
    る磁石シート(6)を取り付けたことを特徴とする現像
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の現像装置において、現像
    剤担持体(1)の有効現像領域(E)内での現像剤
    (G)層厚が現像剤担持体(1)と潜像担持体(4)と
    の間のギャップ(δ)よりも小さいことを特徴とする現
    像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の現像装置において、潜像
    担持体(4)表面と非磁性スリーブ(2)との間に交流
    バイアス(VCB)を印加することを特徴とする現像装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の現像装置において、磁石
    シート(6)は可撓性を有するものであることを特徴と
    する現像装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の現像装置において、磁石
    シート(6)は可撓性シート素材に永久磁石材料粉末が
    混入された磁性体シートに対し異磁極(6a,6b)を
    交互に着磁したものであることを特徴とする現像装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の現像装置において、可撓
    性シート材料に対する永久磁石材料粉末の含有量は30
    重量%〜80重量%であることを特徴とする現像装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の現像装置において、磁石
    シート(6)の厚みは1.0mm〜5.0mmであるこ
    とを特徴とする現像装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の現像装置において、現像
    剤担持体(1)の径寸法が30mm以下のものに対し、
    磁石シート(6)の磁極(6a,6b)間ピッチを1.
    0mm〜6.0mmに設定することを特徴とする現像装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の現像装置において、磁石
    シート(6)の各磁極(6a,6b)からの垂直方向の
    磁界の強さは200〜1000ガウスであることを特徴
    とする現像装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の現像装置において、磁
    石ロール(3)には磁石シート(6)に影響する現像剤
    移動用磁極(5)からの磁界が遮断される磁気シールド
    部材(7)を設けたことを特徴とする現像装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の現像装置において、磁
    気シールド部材(7)は磁石シート(6)と磁石ロール
    (3)との間に介装される磁石ロール(3)よりも透磁
    率の高い磁性体シートであることを特徴とする現像装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の現像装置において、
    磁気シールド部材(7)としての磁性体シートの厚みは
    1.0〜5.0mmであることを特徴とする現像装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の現像装置のうち現像剤
    (G)としてトナー(T)及び磁性キャリア(C)から
    なる二成分現像剤を用いるものにおいて、非磁性スリー
    ブ(2)の表面粗さは、磁性キャリア(C)の平均粒径
    の10%以上で、かつ、70%以下であることを特徴と
    する現像装置。
  14. 【請求項14】 潜像担持体(4)上に複数の潜像
    (Z)を順次形成し、形成された各潜像(Z)を対応す
    る色系統のトナー(T)にて順次現像した後に、潜像担
    持体(4)に形成された複数の色系統のトナー像を転写
    媒体に一括転写するようにした多色画像形成装置におい
    て、少なくとも二番目以降の潜像を現像する現像装置と
    して請求項2記載のものを用い、かつ、現像剤(G)と
    してトナー及び磁性キャリアからなる二成分現像剤を用
    いたことを特徴とする多色画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002278284A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Ricoh Co Ltd 現像ローラ

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