JPH0560844U - インクジェットプリンターヘッド - Google Patents

インクジェットプリンターヘッド

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JPH0560844U
JPH0560844U JP911392U JP911392U JPH0560844U JP H0560844 U JPH0560844 U JP H0560844U JP 911392 U JP911392 U JP 911392U JP 911392 U JP911392 U JP 911392U JP H0560844 U JPH0560844 U JP H0560844U
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JP
Japan
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film
flow path
ink
printer head
inkjet printer
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Pending
Application number
JP911392U
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English (en)
Inventor
吉野  信幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
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Publication of JPH0560844U publication Critical patent/JPH0560844U/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】圧電駆動型インクジェットプリンタヘッドのイ
ンク流路内面に形成されている駆動用電極膜の表面に被
覆するパリレン膜の密着性を向上させること。 【構成】インク流路内面に、圧電性基板側から順次電極
膜、炭化水素ガスあるいは有機ケイ素化合物を主成分と
する雰囲気中におけるプラズマ重合によるプラズマ重合
膜を積層し、次に酸素ガスあるいはアルゴンガスを含む
雰囲気中におけるプラズマ処理によりプラズマ重合膜表
面を処理し、その後気相合成法によりパリレン膜を積層
する構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は圧電駆動式インクジェツトプリンターのヘッド部の構造に関し、特に 駆動用電極膜の表面に被覆する絶縁膜の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ出力等の応用分野におけるノンインパクトプリンターの一方式で あるインクジェットプリンターヘッドにおいて、圧電体の圧電作用をインク吐出 の駆動力に応用した方式が特開昭63−247051等に提案されている。その 製造方法および構造は圧電性基板にインク流路のための微細な貫通した溝の加工 を施した後、電極膜を形成、表面を研磨加工し、溝内部に電極膜を残す、さらに 溝内面に絶縁膜として気相合成法による有機高分子のポリパラキシリレン樹脂か らなるパリレン膜を形成する。この絶縁膜はインクの不安定吐出の原因となるイ ンクの電気分解による気泡発生およびインクの変質を防ぐための重要な構成体と して位置づけられている。パリレン膜の製法は原料であるジパラキシリレン固体 ダイマーを気化、熱分解し、発生した安定なジラジカルパラキシリレンモノマー が基材上において吸着と重合の同時反応を起こすことによって形成される。この コーティング膜は従来の液状コーティングや粉末コーティングでは不可能な精密 コーティングを可能とするものであり、被着物の形状、材質を選ばず、室温での コーティングが可能であるなど、他に類の無い数々の優れた特質を有する。従っ て超精密部品のコーティングをはじめ、汎用品のコーティングに至るまで最適な コンフォーマル(同型)コーティング被膜として注目されている。
【0003】 このようにして作製した圧電性基板の溝を有する面どうしを対向させて接着、 あるいは溝を有する面上にガラス、セラミックあるいはプラスチック製の平板を 接着することによってインク流路を形成する。さらにインク流路の一方の端部に インク吐出孔を有し、表面にテフロンに代表される撥液性膜をコーティングした ノズル板を接着し、その後駆動回路を実装することによって構成される。この時 溝内部に形成されるパリレン膜は極めて高い撥液性を示すためインク注入時にイ ンクとパリレン膜間に気泡が混入され、駆動源となる圧電体の変位による圧力が 緩和されてしまう。これはインクの不安定吐出の大きな要因であり、この対策と してパリレン膜表面をグラフト重合、プラズマ処理、カップリング反応あるいは クロム酸混液への浸漬等の各種表面改質法によってインクに対して親液性とする ことが提案されている。
【0004】 このインクジェットプリンターヘッドの駆動原理は各溝中に形成された電極に 電圧を印加すると溝を形成する隔壁がその圧電作用のために傾斜する。この変位 によって生じた圧力が溝内部に充填されたインクに伝播し、ノズル孔からインク 滴として吐出するものである。このような圧電駆動方式によるインクジェットプ リンターヘッドをシェアモード型ヘッドと呼んでいる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のインクジェットプリンターヘッドの構造において用いら れる絶縁膜であるパリレン膜は組立工程中、例えばインクに対して親液性にする ための液相グラフト重合法によって表面改質する場合に剥離を生じ易く、歩留ま りの低下の大きな原因となる。またインク吐出駆動中に剥離を生じ、インクの目 詰まりあるいは気泡発生の原因となる。これはパリレン膜と電極膜(主に金であ る)との間の密着性が著しく劣るためである。パリレン膜の密着性向上の対策と して現在一般的に行われているのはパリレン膜形成前に前処理として脱脂洗浄後 、シラン処理を施すことである。すなわちパリレン膜コーティング前の金電極膜 を形成した圧電体平板をオルガノシランカップリング剤を溶解したアルコール溶 液に浸漬、乾燥し、圧電性平板表面にシラン処理層を形成し、その後、パリレン 膜を形成する方法である。しかし、このようなシラン処理を施してもシラン処理 層は金電極膜およびパリレン膜に対して化学吸着によって結合しているだけであ るため充分な密着性を得ることは不可能であり、やはり上述の欠陥を生じてしま う。そこで本考案の目的は電極膜の上に被覆するパリレン膜の密着性を改善する ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的のため本考案においては、圧電性セラミックからなる貫通した溝を有 する圧電性基板においてこの溝内部に電極膜を形成後、その上に炭化水素ガスあ るいは有機ケイ素化合物を主成分とする雰囲気中におけるプラズマ重合によって プラズマ重合膜を積層、次に酸素ガスあるいはアルゴンガスを含む雰囲気中にお けるプラズマ処理によりプラズマ重合膜表面を処理し、表面の汚染物の除去さら にはプラズマ重合膜表面および膜中に存在するパリレン膜とプラズマ重合膜間の 炭素−炭素共有結合形成を阻害するカルボニル基や水酸基を分解し、その後気相 合成法によりパリレン膜を積層する構成とした。
【0007】
【実施例】
以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。第1図は本考案によるインク ジェットプリンターヘッドの外観図である。また第2図はこのインクジェットプ リンターヘッドに用いられる圧電性基板1の断面模式図である。ダイヤモンドブ レードカッターによって微細溝加工を施した圧電性基板1にスパッタリング法に よって下層をクロム、上層を金とする電極膜10を形成する。この圧電性基板1 の表面を研磨することによって溝内部に電極膜10を残す。次に圧電性基板1の 表面および溝内部にエチレンガスを原料とするプラズマ重合膜12を約0.5μ m形成する。形成条件を以下に示す。 原料ガス:エチレン 励起法 :高周波(13.56MHz) 励起出力:100W ガス流量:30cm3 /min. ガス圧 :1Torr 処理温度:≦150℃ 処理時間:1時間
【0008】 以上の条件で得られたプラズマ重合エチレン膜12はその生成機構から電極膜 上に密着性良く形成される。さらにその構造は通常のポリエチレンとは異なり、 枝分かれや高密度の架橋構造を有しており、不飽和二重結合や芳香族化合物の酸 化によって生じるカルボニル基や水酸基が付随している。このことはプラズマ重 合膜とパリレン膜の密着性を阻害する大きな要因となっている。また重合反応中 にプラズマ空間中で生成した粉末状重合物が膜表面に付着することもパリレン膜 との密着性を妨げる要因としてあげられる。この対策として、同一処理槽内にお いて連続してプラズマ処理を行う。その代表条件を以下に示す。 原料ガス:アルゴン 励起法 :高周波(13.56MHz) 励起出力:20W ガス流量:50cm3 /min. ガス圧 :0.2Torr 処理温度:≦150℃ 処理時間:3分間 この処理によって膜表面が約20nmエッチングされ、阻害原因となるプラズマ 重合エチレン膜12表面上のカルボニル基および水酸基が破壊され、汚染物質も 除去される。
【0009】 以上の処理を施したプラズマ重合エチレン膜12上に気相合成法によってパリ レン膜14を約2μm形成する。プラズマ重合エチレン膜12表面および膜中に は、ESR(電子スピン共鳴)分析の結果から残存ラジカルが存在することが確 認されており、このラジカルとパリレン膜14形成時に生じたジラジカルパラキ シリレンモノマーが反応し、強固な共有結合を形成する。このためプラズマ重合 エチレン膜12とパリレン膜14は優れた密着性を示す。この工程も同一反応器 中で連続してパリレン膜を形成することが望ましい。そしてこのパリレン膜14 を各種の表面改質法、例えば液相グラフト重合によってインクに対して親液性と する。この時従来のヘッド構造ではしばしばパリレン膜の剥離が生じたが、本考 案の構成によって作成されたヘッドではパリレン膜はまったく剥離しない。この 様にして加工した圧電性基板1上に厚さ約1mmのガラス蓋2を接着することに よってインク流路4が形成される。そして表面にテフロン膜をコーティグしたニ ッケル製のノズル板3をインク流路4端部に接着し、さらに駆動回路を実装する ことによってインクジェットプリンターヘッドが構成される。
【0010】 本考案の実施例の効果を確認するために比較用ヘッドとして上記のヘッド構造 においてプラズマ重合膜を積層せず、さらにその後のプラズマ処理工程を省略し たヘッドと本考案によって得られたヘッドを温度80℃、湿度75%という環境 下でインクの連続吐出試験を行った結果、比較用ヘッドは約200時間でインク の吐出が不可能となってしまったが、本考案によるヘッドは1000時間後も安 定な吐出が可能であった。またこの時の試験後の比較用ヘッドを調べた結果、イ ンク流路内に形成したパリレン膜が剥離しノズル孔に詰まる現象が確認された。
【0011】
【考案の効果】
以上の実施例から明らかなように、本考案によればその製造工程において歩留 まりが高く、またインク吐出特性が安定した高度の信頼性を有するインクジェッ トプリンターヘッドの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッドの外観図である。
【図2】本考案の実施例におけるインクジェットプリン
ターヘッドに用いられる圧電性基板1の断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1 圧電性基板 2 ガラス蓋 3 ノズル板 4 インク流路 5 インク吐出孔 10 電極膜 12 プラズマ重合エチレン膜 14 パリレン膜

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性セラミックからなる圧電性基板に
    形成されている互いに平行な多数の溝とこの溝の上部に
    接着されている平板状の蓋とにより規定されるインク流
    路と、このインク流路の一方の端部に接着されているイ
    ンク吐出孔を有するノズル板とによって構成され、イン
    ク流路内面に駆動用電極膜を有する圧電駆動式インクジ
    ェットプリンターヘッドにおいて、前記電極膜の表面に
    炭化水素化合物あるいは有機ケイ素化合物を主成分とす
    るプラズマ重合膜を介して気相合成法によるパリレン膜
    が積層されていることを特徴とするインクジェットプリ
    ンターヘッド。
JP911392U 1992-01-31 1992-01-31 インクジェットプリンターヘッド Pending JPH0560844U (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006310500A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Konica Minolta Holdings Inc 配線基板、圧電性セラミック素子及びそれらの製造方法
JP2008523627A (ja) * 2004-12-07 2008-07-03 マルティ−ファインライン エレクトロニクス インコーポレイテッド 小型回路、誘導部品、及びそれらの製造方法
JP2010036396A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Mimaki Engineering Co Ltd インクジェットヘッドの処理方法
JPWO2015190409A1 (ja) * 2014-06-12 2017-04-20 コニカミノルタ株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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