JPH0560836U

JPH0560836U - 建築用木製積層板材

Info

Publication number: JPH0560836U
Application number: JP010574U
Authority: JP
Inventors: 利幸田島
Original assignee: 田島産業株式会社
Priority date: 1992-01-31
Filing date: 1992-01-31
Publication date: 1993-08-10

Abstract

(57)【要約】【目的】ひのき、まき等の木材を有効に使用し、外観は
良好で、乾湿、寒暖等の変化に強く、変形しなくて耐久
力があるようにする。【構成】節がある等の適当厚さの数枚の板を横方向に並
列し耐水接着剤により接着して台板を形成し、数枚の上
記台板及び表面部の適当厚さの無垢で無節の薄表面板を
それらの毛細管の方向が交互に縦横になるクロス式に重
ね合わせ耐水接着剤により接着して建築用木製積層板材
を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築物の浴室等の壁板、天井板、床板、梁、浴槽蓋、戸、窓枠、外壁、塀、垣根板等に用いる建築用木製積層板材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の板材には、木材から直接所定寸法に製材して作製した一枚厚板、あるいはベニヤ板を用いている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の一枚厚板は、一枚板で厚さが厚いため、使用中に板が湿つたり乾いたりすることにより変化して板に伸び、縮み、割れ、反り等を生じる。

【０００４】従来のベニヤ板中のラワンベニヤ板は、弱くて早く腐る。

【０００５】一方、針葉樹ベニヤ板は、木材を煮て、その木材を機械で回して刃物で削つた極薄板により作製するので、板に刃物の削りにより裏割れを生じる。また、その数枚の極薄板を接着剤で接着して合板した板であるから、ベニヤ板の表面には裏割れが並んでいて取扱中に手にそぎが刺さることが多くて安全上問題がある上に、使用中に板が湿つたり乾いたりすることにより変化して反り、剥離等を生じ、弱くて耐久力が無い点である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ひのき、まき等の木材を有効に使用し、外観は良好で、乾湿、寒暖等の変化に強く、変形しなくて耐久力があるようにするために、節がある等の適当厚さの数枚の板を横方向に並列し耐水接着剤により接着して台板を形成し、数枚の上記台板及び表面部の適当厚さの無垢で無節の薄表面板をそれらの毛細管の方向が交互に縦横になるクロス式に重ね合わせ耐水接着剤により接着して建築用木製積層板材を構成し、外観は良好で、乾湿、寒暖等の変化に強くて耐久力がある目的を、適当厚さの数枚の板を並列して成る数枚の台板及び薄表面板をクロス式に重ね合わせ耐水接着剤により接着して作製することにより実現した。

【０００７】

【実施例】

図１及び図２は、本考案の一実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（ａ）は建築用木製積層板材を示し、（１）は板材（ａ）の台板で、３〜１２ｍｍの厚さに作製して節がある等の数枚の長板（２）を横方向に並列し耐水接着剤により接着して形成する。（３）は薄表面板で、木材の赤味により３〜６ｍｍの厚さに作製した無垢で無節の数枚の長板（４）を横方向に並列し耐水接着剤により接着して形成する。

【０００８】そして、図１に示すように二枚の台板（１）と薄表面板（３）をそれらの毛細管の方向が交互に縦横になるクロス式に重ね合わせ耐水接着剤により接着してクロス式の三層の板材（ａ）を構成する。

【０００９】表裏両面が表面になるものにおいては、上記の外側台板（１）に代えて薄表面板（３）を用い、台板（１）の両面に薄表面板（３）、（３）を上記と同様に重ね合わせ耐水接着剤により接着して板材（ａ）を構成する。

【００１０】図３及び図４は、本考案の木製積層板材を壁板に用いた実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（ａ１）は壁板で、二枚の台板（１）と薄表面板（３）を、その中央台板（１）が一側へ突出（５）するように重ね合わせ耐水接着剤により接着してクロス式の三層に構成する。（６）は壁板（ａ１）の他側の中央位置に形成された溝条である。

【００１１】そして、図４に示すように、順次壁板（ａ１）の突出片（５）をその一側に隣接する壁板（ａ１）の溝条（６）内に嵌合し壁板（ａ１）を並設して壁を構成する。

【００１２】図５及び図６は、本考案の木製積層板材を天井板に用いた実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（ａ２）は天井板で、二枚の台板（１）と薄表面板（３）を重ね合わせ耐水接着剤により接着してクロス式の三層に構成し、その一側縁上部及び他側縁下部を切欠し一側縁下部と他側縁上部に突縁（７）、（８）を設けて成る。（９）は天井回り縁、（１０）は天井竿、（１１）は壁板である。

【００１３】そして、図６に示すように、順次天井板（ａ２）の他側突縁（８）をその他側に隣接する天井板（ａ２）の一側突縁（７）上に重ね合わせ、図５に示すように天井板（ａ２）を天井回り縁（９）、天井竿（１０）の各間にわたし架設して天井を構成する。

【００１４】図７及び図８は、本考案の木製積層板材を浴槽蓋に用いた実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（ａ３）は浴槽蓋板で、３ｍｍの厚さの台板（１）の両面に３ｍｍの厚さの薄表面板（３）、（３）を重ね合わせ耐水接着剤により接着してクロス式の三層に構成する。

【００１５】そして、図７に示すように蓋板（ａ３）上の両側部に横桟（１２）を固着し、その両横桟（１２）の中央部間に握り手（１３）を設けて浴槽蓋を構成する。

【００１６】図９及び図１０は、本考案の木製積層板材を浴室の床板に用いた実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（ａ４）は浴室の床板で、５ｍｍの厚さの三枚の台板（１）と薄表面板（３）を重ね合わせ耐水接着剤により接着してクロス式の四層に構成し、その床板（ａ４）の下面両側部には三個づつの脚片（１４）を適当間隔になし若干外方へ突出させて固着する。（１５）は一端部の床板（ａ４）の一端中央部に穿つた手掛け穴である。

【００１７】（１６）は浴室のコンクリート床、（１７）、（１８）は床（１６）の洗い場上に適当間隔に並設する両側及び中間の木製受台で、その両側受台（１７）はＬ形断面に、中間受台（１８）は⊥形断面に形成する。

【００１８】そして、図９に示すように受台（１７）、（１８）の各間において、数枚づつの脚片（１４）付床板（ａ４）を受台（１７）、（１８）の間に嵌合すると共に互いに接触させ、その受台（１７）、（１８）の横片上に載置して床を構成する。

【００１９】図１１は、本考案の木製積層板材を出窓の窓枠に用いた実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（ａ５）は窓枠の上下及び両側の枠片で、三枚の台板（１）と薄表面板（３）を重ね合わせ耐水接着剤により接着してクロス式の四層に形成し、四枚の枠片（ａ５）を組合わせて窓枠を構成する。

【００２０】（１９）は上方枠片（ａ５）の下面に取付けた鴨居、（２０）は下方枠片（ａ５）上に設けたアルミ製レール、（２１）は両側枠片（ａ５）の内面中間部に取付けたシール片である。

【００２１】台板（１）の厚さ及び組合わせ枚数は、その使用する物品に応じて適宜に決定する。

【００２２】室外等の部品においては、表面部に塗装をすることもある。

【００２３】

【考案の効果】

本考案の建築用木製積層板材は、下記のような利点がある。

【００２４】（１）節がある等の板は台板に使用し、表面部に無垢で無節の表面板を用いて構成するから、木材を有効に用いて外観は良好である上に、工場で安価に多量生産できる。

【００２５】（２）適当厚さの数枚の板を並列して台板を形成し、数枚の上記台板及び適当厚さの無垢で無節の薄表面板をそれらの毛細管の方向が交互に縦横になるクロス式に重ね合わせ耐水接着剤により接着して構成するから、表面板が薄板であるため、その表面板が水分を吸収して伸びたり、また乾いて縮む力が弱く、且つ、表面板の芯材への耐水接着剤による接着の力で表面板の上記伸び縮みが充分に止められて表面板は伸び縮みしない。

【００２６】（３）耐水接着剤の層により水分が表面板から台板に至るのを防止されて水分の侵入は薄い表面板だけであるから、浴室等で水にさらされても狂いを生じて反つたり、割れたりしなくて品質が安定している。

【００２７】（４）濡れたり湿つたりしても、それは薄表面板だけであるから、乾きが早くてかびやぬめりが発生しなく、手入れが簡単で耐久力は大である。

【００２８】（５）凹所、溝、穴等を加工しても反つたり変形しないから、浴室等の戸のかまち、窓枠等に従来のアルミ製のものに替えて同じ仕様ができ、木の良さとアルミニウムの良さの両方の良さが加味された木製品を作製し得られ、戸、窓においては最高の密封性を保つことができ、気品があつて実用上有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る建築用木製積層板材の
斜面図である。

【図２】同上分解斜面図である。

【図３】同上板材を用いて構成した壁の一部の斜面図で
ある。

【図４】その壁板の拡大平面図である。

【図５】同上板材を用いて構成した天井の一部の斜面図
である。

【図６】その天井板の拡大正面図である。

【図７】同上板材を用いて構成した浴槽蓋の斜面図であ
る。

【図８】その一部の拡大斜面図である。

【図９】同上板材を用いて構成した浴室の床の斜面図で
ある。

【図１０】その一端床板の拡大斜面図である。

【図１１】同上板材を用いて構成した窓枠の一部の斜面
図である。

【符号の説明】

ａ建築用木製積層板材１台板２長板３薄表面板４長板ａ１壁板５突出片６溝条ａ２天井板７一側突縁８他側突縁９天井回り縁１０天井竿１１壁板ａ３浴槽蓋板１２横桟１３握り手ａ４床板１４脚片１５手掛け穴１６コンクリート床１７両側受台１８中間受台ａ５窓枠の枠片１９鴨居２０レール２１シール片

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】節がある等の適当厚さの数枚の板を横方
向に並列し耐水接着剤により接着して台板を形成し、数
枚の上記台板及び表面部の適当厚さの無垢で無節の薄表
面板をそれらの毛細管の方向が交互に縦横になるクロス
式に重ね合わせ耐水接着剤により接着してなる建築用木
製積層板材。