JPH056052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、研磨ブラシを用いて製品外周のバリ
を除去する外周バリ取り装置に関する。

〔従来の技術〕

従来から、防振ゴムの外周面に残るバリを除去
する場合などに、回転しているオズボーンブラシ
等の研磨ブラシを回転する被処理物の外周面に押
付けることによりバリ取りする装置が使用されて
いる。

かかるバリ取り装置は被処理物の外周が円形で
あれば問題ないが、外周が楕円形であつたり若し
くは外周の一部に凹凸があるような場合には、研
磨ブラシの押付圧が弱くなる個所があるため、そ
の個所のバリを完全に除去することが困難であつ
た。そこで、従来は回転する被処理物の外周に沿
つて研磨ブラシの軸が移動するように、カムを介
して研磨ブラシを被処理物に押付けていた。

しかしカムを用いるため装置が複雑になるばか
りか、使用するカムを被処理物ごとにその外周に
対応したカムに変更する必要があり、バリ取り作
業が煩雑で極めて能率が悪かつた。又、カムによ
つて研磨ブラシの軸は回転する被処理物の外周に
沿つて接近したり離れたりできるが、研磨ブラシ
が摩耗したりしてくると、摩耗による研磨ブラシ
外径の減少を補償することができないので、バリ
の除去が不完全になるという欠点があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案はかゝる従来の事情に鑑み、被処理物の
外周形状に拘らず、しかも研磨ブラシが摩耗した
場合でも、常に完全にバリを除去することができ
る外周バリ取り装置を提供することを目的とする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の外周バリ取り装置は、基台に対してバ
ネで押上げた状態に懸架して支持され一端に回転
可能な被処理物の受部を有する受軸と、受軸の一
端に軸心を一致させて対向せしめた被処理物との
係合部を有する被処理物回転装置と、被処理物回
転装置を受軸と平行に移動させる送り装置と、受
軸と直交する方向に回転するように配置された研
磨ブラシと、研磨ブラシを支持し回転させるブラ
シ駆動装置と、ブラシ駆動装置を研磨ブラシが受
軸中心方向に接近し又は離れる方向に駆動する基
台に取付けた押付用シリンダと、押付用シリンダ
への加圧流体供給路に設けた研磨ブラシの受軸中
心方向への押付圧を一定に保持する制御弁とを具
えている。

〔実施例〕

本考案装置の一具体例を図面により説明する。

この外周バリ取り装置では、受軸３が基台２に
垂直に固定した支持筒６に挿入され、受軸３と支
持筒６の間に介装されたスプリング５により基台
２から押上げた状態で懸架して支持されている。
受軸３の上端には防振ゴム等の被処理物１を装着
して載置する受部４を回転可能に設けてある。
又、受軸３の上方には回転用モーター８が送り用
シリンダ９により上下移動できるように２本の支
柱１０に支持され、回転用モーター８の下端には
受軸３と軸心が一致するように被処理物１との係
合部７が取付けてある。

一方、基台２上には受軸３と対称に２組のレー
ル１４が受軸３と直交方向に設けてあり、図面で
は対象な片方について省略してあるが、このレー
ル１４に夫々ブラシ駆動モーター１２が取付けて
あり、基台２下に固定した各押付用シリンダ１３
により受軸３の方向に接近し又は離れるようにな
つている。各ブラシ駆動モーター１２の受軸３側
のロツド先端には研磨ブラシ１１が夫々回転面を
受軸３に対して直角にして取付けてあり、互いに
矢印の如く水平方向逆向きに回転するようになつ
ている。更に、押付用シリンダ１３への加圧流体
供給管路には、起動用の電磁弁１５の他に、研磨
ブラシ１１の受軸３の中心方向への押付圧を一定
に保持するリリーフ弁付減圧弁１４が設けてあ
る。

〔作用〕

防振ゴムのような被処理物１を受軸３の受部４
に載せると、送り用シリンダ９により回転用モー
ター８が下降して下端の係合部７が被処理物１に
係合し、係合部７と受部４とで被処理物１を確実
に挾持する。そこで回転用モーター８が回転し、
係合部７と受部４とで挾持した被処理物１を一定
のゆつくりした速度で回転させながら、送り用シ
リンダー８により被処理物１を一定速度で更に下
降させる。

同時に、ブラシ駆動モーター１２により研磨ブ
ラシ１１を回転させ、押付用シリンダ１３により
ブラシ駆動モーター１２をレール１４に沿い受軸
３に所定距離まで接近させる。そうすると、回転
している研磨ブラシ１１がゆつくり自転しながら
下降してくる被処理物１の外周に一定の押付圧で
接触し、外周のバリを研磨して除去する。

研磨ブラシ１１を被処理物１の外周に押付ける
押付用シリンダ１３の加圧流体供給管路にはリリ
ーフ弁付減圧弁１４が設けてあるので、被処理物
１の外周が楕円形状であつたり若しくは外周に凹
凸が存在する場合など外周形状が変化しても、又
研磨ブラシ１１が摩耗してきても、研磨ブラシ１
１の押付圧を常に一定にすることができる。従つ
て、研磨ブラシ１１は常に被処理物１の外周形状
にならつて移動するので、被処理物１の外周形状
に拘らず又摩耗による研磨ブラシ１１の外径減少
に拘らず、バリを完全に除去することが可能であ
る。

バリ取りが終了すると、押付用シリンダ１３に
より研磨ブラシ１１が離れ、送り用シリンダ９と
スプリング５の反発力で被処理物１が上昇する。
被処理物１が最上端まで上昇すると係合部７が離
れ、被処理物１の回転が停止するので、被処理物
１をオートハンド等で取り出す。

尚、上記実施例では２本の研磨ブラシを具えた
例を示したが、研磨ブラシの数は１本でもよく又
３本以上とすることもできる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、回転する研磨ブラシが常に一
定の押付圧で自転する被処理物の外周に沿つて動
くので、被処理物の品種や外周形状に拘らず、し
かも研磨ブラシが摩耗してブラシ外径が減少した
場合でも、１台の装置で防振ゴム等の外周のバリ
を常に完全に且つ簡単に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の具体例を示す一部切欠側面
図である。 １……被処理物、２……基台、３……受軸、４
……受部、５……スプリング、７……係合部、８
……回転用モーター、９……送り用シリンダ、１
１……研磨ブラシ、１２……ブラシ駆動モータ
ー、１３……押付用シリンダ、１４……リリーフ
弁付減圧弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台に対してバネで押上げた状態に懸架して支
   持され一端に回転可能な被処理物の受部を有する
   受軸と、受軸の一端に軸心を一致させて対向せし
   めた被処理物との係合部を有する被処理物回転装
   置と、被処理物回転装置を受軸と平行に移動させ
   る送り装置と、受軸と直交する方向に回転するよ
   うに配置された研磨ブラシと、研磨ブラシを支持
   し回転させるブラシ駆動装置と、ブラシ駆動装置
   を研磨ブラシが受軸中心方向に接近し又は離れる
   方向に駆動する基台に取付けた押付用シリンダ
   と、押付用シリンダへの加圧流体供給路に設けた
   研磨ブラシの受軸中心方向への押付圧を一定に保
   持する制御弁とを具えた外周バリ取り装置。