JPH05604B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は車両用暖房装置に供される燃焼器に関
するものである。

［従来の技術］ 特願昭59−199362号に開示される暖房装置で
は、内燃機関の排熱を利用する暖房装置とは異な
り、燃料燃焼器を使用して車室を急速に暖房する
ために、燃焼室にセラミツクスフアイバなどを利
用した板状のウイツクを配設し、着火グロープラ
グをウイツクに接触するように配置している。し
かし、上述の燃焼器では、燃焼停止時、燃料の供
給を停止してもウイツクに未気化燃料が残留する
ため、すぐに消火せず、多量の白煙を発生する。
白煙は未気化燃料が高温の雰囲気中で炭化して生
じる。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は上述の問題に鑑み、ウイツクに
相当する気化部材に未気化燃料が残留するのを抑
え、燃焼停止時の白煙の発生を防止する燃焼器を
提供することにある。

［問題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の構成はカ
ツプ形の燃焼筒の周壁に複数の空気流入孔を、内
部に燃焼室を、開放端部に燃焼ガス出口をそれぞ
れ備え、燃焼筒の端壁内面に、電熱線を埋め込ん
だ燃料加熱板を挟んで、多数の細孔を有する多孔
質セラミツクスからなる気化壁板を重合せ結合
し、気化壁板の燃料加熱板との重合せ面に放射状
の燃料流入溝を設け、燃焼筒の端壁に前記燃料流
入溝を連通する燃料供給管を接続したものであ
る。

［作用］ 多数の細孔を有する気化壁板は、燃焼室の端壁
に燃料加熱板を挟んで配設される。燃料は気化壁
板の放射状の燃料流入溝へ入り、燃料加熱板によ
り加熱気化され、気化壁板の多数の細孔から燃焼
室へ供給される。

燃焼停止時、燃料の供給を停止し、燃料加熱板
への通電を停止すると、気化壁板の燃料流入溝の
燃料は気化しないで残留するが、気化壁板の細孔
の燃料は微量であるから未気化状態で残らず、完
全に気化して燃焼するので、白煙を発生しない。

［発明の実施例］ 第１図に示すように、燃焼器はカツプ形のハウ
ジング１６の内部に、セラミツクスからなるカツ
プ形の燃焼筒１４を、端壁１４ａを端壁１６ａに
重ね合せて結合され、ハウジング１６の内周壁と
燃焼筒１４との間に環状の空気予熱室３を区画さ
れる。燃焼用空気は空気ダクト１２から空気予熱
室３へ送られる。燃焼筒１４の端部に燃焼ガス出
口１５が設けられ、燃焼室９からの燃焼ガスは図
示してない熱交換器を経て機関の吸気ポートへ送
られる。燃焼筒１４の出口１５を備える壁部は、
ハウジング１６の開口端部の縁曲げ部に重合せ結
合される。

燃焼筒１４の端壁１４ａは、燃料加熱板１とセ
ラミツクスからなる気化壁板２とを重ね合せて結
合される。着火用グロープラグ４は燃焼筒１４の
周壁に取り付けられ、かつ気化壁板２に隣接する
部分へ突出される。空気予熱室３の空気を燃焼室
９へ導くために、多数の空気流入孔１０が燃焼筒
１４の周壁に設けられる。

燃料加熱板１は耐熱性に優れるセラミツクスか
らなり、例えば渦巻き状の電熱線２１を埋め込ん
で構成され、電熱線２１の両端部は電源端子６，
７を取り付けられ、ハウジング１６の外部へ引き
出される。

第３図に示すように、気化壁板２は多孔質のセ
ラミツクスから成形されるもので、燃料加熱板１
との重合せ面に、燃料入口５ａに連なる放射状の
燃料流入溝８を設けられる。燃料入口５ａは端壁
１６ａ，１４ａと燃料加熱板１を貫通する燃料供
給管５の端部に接続される。

次に、本発明による燃焼器の作動について説明
する。燃焼器は燃焼開始と同時に、燃料が燃料供
給管５から気化壁板２の燃料流入溝８へ供給さ
れ、燃料加熱板１と着火用グロープラグ４が通電
され、燃料加熱板１が加熱される。気化壁板２の
燃料流入溝８へ送られた燃料は、燃料加熱板１に
より加熱され、気化壁板２の多数の細孔から燃焼
室９へ噴出され、燃焼室９で完全に気化される。
燃料は燃焼室９で、空気ダクト１２から空気予熱
室３、空気流入孔１０を経て燃焼室９へ送られた
空気と混合し、着火用グロープラグ４により着火
される。

燃料が着火すると、着火用グロープラグ４は通
電を停止される。気化壁板２は燃焼ガスにより加
熱されるので、燃料は気化壁板２の燃料流入溝８
から細孔へ流れる内に加熱され、燃焼室９で気化
を促進される。燃焼筒１４の温度が高くなると、
空気予熱室３の空気も加熱される。こうして、燃
焼室９における燃料の安定した燃焼が継続され、
燃焼ガスは出口１５から図示してないダクトを経
て熱交換器へ送られる。

燃焼器の燃焼を停止する時、燃料加熱板１の通
電が停止され、燃料供給管５から気化壁板２の燃
料流入溝８への燃料の供給が停止される。燃料加
熱板１による燃料の加熱が停止されるので、気化
壁板２の燃料流入溝８の燃料は、未気化の状態で
残るが、気化壁板２の細孔の燃料は極く微量であ
り、燃焼室９の熱により気化され燃え尽くして消
火する。

［発明の効果］ 本発明は上述のように、カツプ形の燃焼筒の周
壁に複数の空気流入孔を、内部に燃焼室を、開放
端部に燃焼ガス出口をそれぞれ備え、燃焼筒の端
壁内面に、電熱線を埋め込んだ燃料加熱板を挟ん
で、多数の細孔を有する多孔質セラミツクスから
なる気化壁板を重合せ結合し、気化壁板の燃料加
熱板との重合せ面に放射状の燃料流入溝を設け、
燃焼筒の端壁に前記燃料流入溝に連通する燃料供
給管を接続したものであり、特に気化壁板の燃料
加熱板との重合せ面に、燃料供給管と連通する燃
料流入溝を設けたから、燃焼器の燃焼開始と同時
に、燃料は燃料流入溝から気化壁板の細孔を経て
気化壁板の全面に迅速に供給され、気化された燃
料が気化壁板の全面から燃焼室へ供給され、迅速
な着火が得られる。

燃焼器の燃焼停止時、燃料加熱板の通電停止に
伴い、気化壁板の燃料流入溝の燃料は未気化の状
態で残るが、気化壁板の細孔の燃料は微量である
ので、燃焼室の熱により気化され、燃焼室へ吸引
されて燃え尽くす。したがつて、従来例のよう
に、未気化燃料が燃焼室の熱により炭化され、白
煙を発生することはなく、気化壁板は目づまりが
なく、長期にわたり性能を維持する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る燃焼器の側面断面図、第
２図は燃料加熱板の正面図、第３図は気化壁板の
正面図である。 １：燃料加熱板、２：気化壁板、５：燃料供給
管、８：燃料流入溝、９：燃焼室、１０：空気流
入孔、１４：燃焼筒、１５：燃焼ガス出口、１
６：ハウジング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カツプ形の燃焼筒の周壁に複数の空気流入孔
   を、内部に燃焼室を、開放端部に燃焼ガス出口を
   それぞれ備え、燃焼筒の端壁内面に、電熱線を埋
   め込んだ燃料加熱板を挟んで、多数の細孔を有す
   る多孔質セラミツクスからなる気化壁板を重合せ
   結合し、気化壁板の燃料加熱板との重合せ面に放
   射状の燃料流入溝を設け、燃焼筒の端壁に前記燃
   料流入溝に連通する燃料供給管を接続したことを
   特徴とする燃焼器。