JPH0560435B2 - - Google Patents
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- JPH0560435B2 JPH0560435B2 JP62087920A JP8792087A JPH0560435B2 JP H0560435 B2 JPH0560435 B2 JP H0560435B2 JP 62087920 A JP62087920 A JP 62087920A JP 8792087 A JP8792087 A JP 8792087A JP H0560435 B2 JPH0560435 B2 JP H0560435B2
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Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は書き換え可能な光メモリ用相変化型記
録膜材料に関し、更に詳しくは記録状態が安定
で、かつ記録を消去するに際してその消去時間が
短い書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜材
料に関する。 [従来の技術] 光メモリ装置はレーザー光等の記録用ビームに
よつて、所定の基板上に設けられた情報記録用薄
膜に情報を記録するものであり、非接触・高密度
記録ができるという利点を有するために開発が進
められている。 レーザー光によつて薄膜に記録を行なう原理は
種々あるが、記録材料を結晶状態(非記録状態)
から非晶質状態(記録状態)へ相変化させること
による記録は、膜の変形を殆んど伴わず、2枚の
デイスクを直接貼り合わせた画面デイスクができ
るという長所を有していること及び結晶状態と非
晶質状態との可逆的繰り返しを行なうことができ
れば記録の書き換えが可能であることから、研究
が進められており、例えば、アプライド フイジ
ツクス レターズ第46巻第8号第734〜736頁、
1985年4月15日発行(Appl.Phys.Lett.46(8)、
15April1985、p735〜736)には、Te87Ge8Sn5合
金やTe79Ge16Sn5合金からなる相変化型記録膜
が、また特開昭61−145738号公報には、Te−Se
−Sb合金からなる相変化型記録膜材料が開示さ
れている。 [発明が解決しようとする問題点] 情報の記録、消去を繰り返して行なうことがで
きる書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜に
おいては、記録状態が安定であるとともに、記録
情報を消去する場合に消去時間が短いことが要求
される。 しかしながら記録状態を安定化することと記録
の消去時間を短縮化することは二律背反のもので
あり、記録情報の長期安定保存のため記録材料の
結晶化温度(結晶化の活性化エネルギー)を高め
ると、記録材料の非晶質状態から結晶状態への相
変化が起りにくくなり、記録情報の消去時間が長
くなることが知られており、上掲の報文に開示さ
れたTe−Ge−Sn系合金からなる記録膜及び上掲
の公開公報に開示されたTe−Se−Sb合金からな
る記録膜においても、記録状態の安定化は可能で
あるかも知れないが、記録の消去時間はそれぞれ
30μsec以上及び最長で200μsecと長く、書き換え
型光メモリ用記録膜としては不十分であつた。 従つて本発明の目的は、記録状態が安定である
とともに記録の消去時間が短い書き換え可能な光
メモリ用相変化型記録膜材料を提供することにあ
る。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的達成のために鋭意検討
の結果、共晶組成を有するSi、Sn及びTeを含み、
更に場合により酸素を含む基礎ガラスにIr、Au
又はこれらの混合物を加えると、上記Ir、Au又
はこれらの混合物がTeの結晶化のための核とし
て作用し、Teの結晶化を促進して記録の消去時
間が短縮されること及び上記基礎ガラスに上記金
属元素を加えても結晶化の活性化エネルギーは十
分高く、記録状態の安定性が維持されることを見
い出し、本発明を完成させた。 従つて本発明は、共晶組成を有するSi、Sn及
びTeを含む基礎ガラスにIr、Au又はこれらの混
合物を加えたことを特徴とする書き換え可能な光
メモリ用相変化型記録膜材料である。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の光メモリ用記録膜材料として用いられ
基礎ガラスは、共晶組成を有するSi、Sn及びTe
を含むものである。基礎ガラスの構成元素が共晶
組成を有することを要件としたのは、本発明の光
メモリ用記録膜材料は書き換え可能型であり、そ
のために 「非晶質」「結晶」 の可逆的繰り返しが多数回(例えば106回程度)
行なわれなければならないが、共晶組成にある
と、繰り返し中に分相によりガラスの組成が変動
することなく多数回の繰り返しが可能であるから
である。 Si、Sn及びTeからなるガラスと共晶組成を具
体的に述べると、Siは原子%が下限、16原子%が
上限であり、Snは3原子%が下限、9原子%が
上限であり、Teは81原子%が下限、87原子%が
上限である。 本発明の光メモリ記録膜材料に用いられる基礎
ガラスは場合により酸素を含むことができる。酸
素の含有量はSi、Sn及びTeの合量100原子%に対
して、1.2原子%以下とするのが好ましい。基礎
ガラス中に酸素を導入する方法としては、Si、
Sn及びTeに含酸素化合物を酸素源として加え混
合した後溶融冷却する方法などが挙げられる。本
発明者らは、上述の含酸素化合物を酸素源として
用いる方法において、酸素源の含酸素化合物とし
てSiO2及び/又はGeO2を用い、Si、Sn及びTeの
合量100原子%に対して1.2原子%以下の酸素を導
入すると、結晶化の活性化エネルギーが大幅に上
昇することを見い出している。従つて、本発明の
光メモリ用記録膜材料において、記録の安定化の
ために、基礎ガラスとしては、上述のSiO2及
び/又はGeO2は酸素源として用いる方法により
酸素を導入させたものを用いるのが好ましい。 上述の基礎ガラス、特に酸素源としてSiO2及
び又はGeO2を用いて酸素を導入した基礎ガラス
は結晶化の活性化エネルギーが高く、記録の長期
安定保存性にすぐれているがその反面、記録の消
去時間が長くという欠点を有する。そこで本発明
の光メモリ用記録材料においては、上記基礎ガラ
スに、Ir.Au又はこれらの混合物が添加されてお
り、これらの金属成分は、多数の核となつて非晶
質相中に存在し、この核が中心となつてTeの結
晶化を促進するので、記録の消去時間の短縮化が
可能となる。この記録の消去時間の短縮化を更に
詳細に述べると、以下の通りである。すなわち、
レーザー光の照射後急冷することにより形成され
た、記録部に相当する非晶質相スポツト中に核が
存在しないと、Te自身が非晶質相スポツト中で
核を形成する速度は極めて緩慢であるため、非晶
質から結晶への相変化は、非晶質相スポツトを取
り囲む、非記録部に相当する結晶相がスポツト中
央部に向かつて求心的に徐々に侵入することによ
つてのみ行なわれるので、この相変化に長時間を
要し、記録の消去時間も当然長くなるが、これに
対して非晶質相スポツト中にIr、Au又はこれら
の混合物からなる多数の核が存在すると、結晶化
の活性化エネルギーのうちで核を形成させるため
の活性化エネルギーが不要となり、核を成長させ
るための活性化エネルギーのみを与えてやればよ
いことも相俟つて、これらの核の周囲で非晶質か
ら結晶への相変化が急速に起り非晶質相スポツト
の全体が短時間で結晶化するので、記録の消去時
間が短縮化されるのである。 本発明の光メモリ用記録材料において、Ir、
Au又はこれらの混合物は、記録の消去時間を
1μsec未満に低下させる必要な量だけ基礎ガラス
に添加されるが、特に好ましい添加量は、基礎ガ
ラス1gに対してIr単独の場合30〜200mg、Au単
独の場合12〜200mg、IrとAuの混合物の15〜200
mgである。 [実施例] 以下実施例を挙げて本発明を更に説明するが本
発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 (4〜5)ナイン(N)のSi、Sn及びTeを
Si10Sn5Te85となるように秤量し、次いでSi、Sn
およびTeの合量100原子%に対して酸素が1.0原
子%となるようにSiO2を秤量添加して
Si10Sn5Te85O1.0なる組成の混合物を得た。この
混合物1g当りIrを55mgの割合で添加した後、石
英ガラスアンプル中に封入し、揺らん炉を用いて
1000℃で28時間溶融した。次に同じ炉で2時間か
けて700〜600℃まで降温させて泡切りした後、石
英ガラスアンプルを炉より取り出し、水中に投入
して急冷し、しかる後、水中より引き上げた。石
英ガラスアンプル中から取り出された生成物(全
量250g)は、Si10Sn5Te85O1.0ガラス1g当りIr
が55mg導入された光メモリ用記録膜材料である。 上で得られた光メモリ用記録膜材料を真空グロ
ーブボツクス中で再溶融し、ステンレス製金型に
注入して、直径100mm、厚さ4〜5mmの円板を得
た。この円板をスパツタリングターゲツトとし
て、マグネトロンスパツタ装置でArガス圧
0.2Pa、高周波電力200w、スパツタ時間約5分の
条件下に記録膜材料をガラス基板上にスパツタリ
ングし、約800〜900Aの薄膜を得た。 次にこの薄膜の上に保護膜として3000AのSiO2
膜をスパツタリングで形成して、光メモリ用記録
膜を得た後、レーザー光を照射して記録膜を溶融
し、次いでより弱いレーザー光を照射して溶解し
た記録膜を結晶化させた。 次に出力10mW、波長820nmの半導体レーザ
ー光を集光して1μmφにし、これを記録膜に
150nsec照射すると、記録膜上の1μmφのスポツ
ト部分の結晶が溶解し、次いで急冷されて非晶質
になり情報の記録が行なわれる。このときの非晶
質状態の反射率は820nmにおいて41%であつた。
次いで同じ半導体レーザー光を出力6mWにして
0.8μsec照射すると記録膜は300℃附近に加熱さ
れ、Teが結晶化して記録が消去される。この状
態で反射率は62%になつた。更にこの結晶化部分
に出力10mWの半導体レーザー光を150nsecパル
ス状に照射すると非晶質になり、反射率は41%で
あつた。これに出力6mWのレーザー光を
0.8μsec照射すると結晶化し、反射率は62%であ
つた。これらの結果から、本実施例において得ら
れた記録膜は反射率41%の非晶質(記録)状態と
反射率62%の結晶(消去)状態が20%以上の反射
率差を維持しながら繰り返され、記録の消去時間
は08μsecと極めて短いことが明らかである。 また、この記録膜の結晶化開始温度を示差走査
熱量計で求めたところ、120℃と充分に高かつた。
また結晶化の活性化エネルギーは2.0eVと充分に
高く記録状態の安定性も維持されることが判明し
た。 実施例 2〜9 後掲の表−1に示した条件を除くこと実施例1
と同様にして光メモリ用記録膜材料を製造し、得
られた光メモリ用記録膜材料を実施例1と同様に
して基板上に薄膜として形成した後、その上に
SiO2保護膜を形成した。 得られた光メモリ用記録膜について実施例1と
同様に非晶質状態及び結晶状態の反射率、結晶化
温度、消去時間、結晶化の活性化エネルギーを測
定した。得られた結果は実施例1の結果とともに
表−1にまとめて示した。
録膜材料に関し、更に詳しくは記録状態が安定
で、かつ記録を消去するに際してその消去時間が
短い書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜材
料に関する。 [従来の技術] 光メモリ装置はレーザー光等の記録用ビームに
よつて、所定の基板上に設けられた情報記録用薄
膜に情報を記録するものであり、非接触・高密度
記録ができるという利点を有するために開発が進
められている。 レーザー光によつて薄膜に記録を行なう原理は
種々あるが、記録材料を結晶状態(非記録状態)
から非晶質状態(記録状態)へ相変化させること
による記録は、膜の変形を殆んど伴わず、2枚の
デイスクを直接貼り合わせた画面デイスクができ
るという長所を有していること及び結晶状態と非
晶質状態との可逆的繰り返しを行なうことができ
れば記録の書き換えが可能であることから、研究
が進められており、例えば、アプライド フイジ
ツクス レターズ第46巻第8号第734〜736頁、
1985年4月15日発行(Appl.Phys.Lett.46(8)、
15April1985、p735〜736)には、Te87Ge8Sn5合
金やTe79Ge16Sn5合金からなる相変化型記録膜
が、また特開昭61−145738号公報には、Te−Se
−Sb合金からなる相変化型記録膜材料が開示さ
れている。 [発明が解決しようとする問題点] 情報の記録、消去を繰り返して行なうことがで
きる書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜に
おいては、記録状態が安定であるとともに、記録
情報を消去する場合に消去時間が短いことが要求
される。 しかしながら記録状態を安定化することと記録
の消去時間を短縮化することは二律背反のもので
あり、記録情報の長期安定保存のため記録材料の
結晶化温度(結晶化の活性化エネルギー)を高め
ると、記録材料の非晶質状態から結晶状態への相
変化が起りにくくなり、記録情報の消去時間が長
くなることが知られており、上掲の報文に開示さ
れたTe−Ge−Sn系合金からなる記録膜及び上掲
の公開公報に開示されたTe−Se−Sb合金からな
る記録膜においても、記録状態の安定化は可能で
あるかも知れないが、記録の消去時間はそれぞれ
30μsec以上及び最長で200μsecと長く、書き換え
型光メモリ用記録膜としては不十分であつた。 従つて本発明の目的は、記録状態が安定である
とともに記録の消去時間が短い書き換え可能な光
メモリ用相変化型記録膜材料を提供することにあ
る。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的達成のために鋭意検討
の結果、共晶組成を有するSi、Sn及びTeを含み、
更に場合により酸素を含む基礎ガラスにIr、Au
又はこれらの混合物を加えると、上記Ir、Au又
はこれらの混合物がTeの結晶化のための核とし
て作用し、Teの結晶化を促進して記録の消去時
間が短縮されること及び上記基礎ガラスに上記金
属元素を加えても結晶化の活性化エネルギーは十
分高く、記録状態の安定性が維持されることを見
い出し、本発明を完成させた。 従つて本発明は、共晶組成を有するSi、Sn及
びTeを含む基礎ガラスにIr、Au又はこれらの混
合物を加えたことを特徴とする書き換え可能な光
メモリ用相変化型記録膜材料である。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の光メモリ用記録膜材料として用いられ
基礎ガラスは、共晶組成を有するSi、Sn及びTe
を含むものである。基礎ガラスの構成元素が共晶
組成を有することを要件としたのは、本発明の光
メモリ用記録膜材料は書き換え可能型であり、そ
のために 「非晶質」「結晶」 の可逆的繰り返しが多数回(例えば106回程度)
行なわれなければならないが、共晶組成にある
と、繰り返し中に分相によりガラスの組成が変動
することなく多数回の繰り返しが可能であるから
である。 Si、Sn及びTeからなるガラスと共晶組成を具
体的に述べると、Siは原子%が下限、16原子%が
上限であり、Snは3原子%が下限、9原子%が
上限であり、Teは81原子%が下限、87原子%が
上限である。 本発明の光メモリ記録膜材料に用いられる基礎
ガラスは場合により酸素を含むことができる。酸
素の含有量はSi、Sn及びTeの合量100原子%に対
して、1.2原子%以下とするのが好ましい。基礎
ガラス中に酸素を導入する方法としては、Si、
Sn及びTeに含酸素化合物を酸素源として加え混
合した後溶融冷却する方法などが挙げられる。本
発明者らは、上述の含酸素化合物を酸素源として
用いる方法において、酸素源の含酸素化合物とし
てSiO2及び/又はGeO2を用い、Si、Sn及びTeの
合量100原子%に対して1.2原子%以下の酸素を導
入すると、結晶化の活性化エネルギーが大幅に上
昇することを見い出している。従つて、本発明の
光メモリ用記録膜材料において、記録の安定化の
ために、基礎ガラスとしては、上述のSiO2及
び/又はGeO2は酸素源として用いる方法により
酸素を導入させたものを用いるのが好ましい。 上述の基礎ガラス、特に酸素源としてSiO2及
び又はGeO2を用いて酸素を導入した基礎ガラス
は結晶化の活性化エネルギーが高く、記録の長期
安定保存性にすぐれているがその反面、記録の消
去時間が長くという欠点を有する。そこで本発明
の光メモリ用記録材料においては、上記基礎ガラ
スに、Ir.Au又はこれらの混合物が添加されてお
り、これらの金属成分は、多数の核となつて非晶
質相中に存在し、この核が中心となつてTeの結
晶化を促進するので、記録の消去時間の短縮化が
可能となる。この記録の消去時間の短縮化を更に
詳細に述べると、以下の通りである。すなわち、
レーザー光の照射後急冷することにより形成され
た、記録部に相当する非晶質相スポツト中に核が
存在しないと、Te自身が非晶質相スポツト中で
核を形成する速度は極めて緩慢であるため、非晶
質から結晶への相変化は、非晶質相スポツトを取
り囲む、非記録部に相当する結晶相がスポツト中
央部に向かつて求心的に徐々に侵入することによ
つてのみ行なわれるので、この相変化に長時間を
要し、記録の消去時間も当然長くなるが、これに
対して非晶質相スポツト中にIr、Au又はこれら
の混合物からなる多数の核が存在すると、結晶化
の活性化エネルギーのうちで核を形成させるため
の活性化エネルギーが不要となり、核を成長させ
るための活性化エネルギーのみを与えてやればよ
いことも相俟つて、これらの核の周囲で非晶質か
ら結晶への相変化が急速に起り非晶質相スポツト
の全体が短時間で結晶化するので、記録の消去時
間が短縮化されるのである。 本発明の光メモリ用記録材料において、Ir、
Au又はこれらの混合物は、記録の消去時間を
1μsec未満に低下させる必要な量だけ基礎ガラス
に添加されるが、特に好ましい添加量は、基礎ガ
ラス1gに対してIr単独の場合30〜200mg、Au単
独の場合12〜200mg、IrとAuの混合物の15〜200
mgである。 [実施例] 以下実施例を挙げて本発明を更に説明するが本
発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例 1 (4〜5)ナイン(N)のSi、Sn及びTeを
Si10Sn5Te85となるように秤量し、次いでSi、Sn
およびTeの合量100原子%に対して酸素が1.0原
子%となるようにSiO2を秤量添加して
Si10Sn5Te85O1.0なる組成の混合物を得た。この
混合物1g当りIrを55mgの割合で添加した後、石
英ガラスアンプル中に封入し、揺らん炉を用いて
1000℃で28時間溶融した。次に同じ炉で2時間か
けて700〜600℃まで降温させて泡切りした後、石
英ガラスアンプルを炉より取り出し、水中に投入
して急冷し、しかる後、水中より引き上げた。石
英ガラスアンプル中から取り出された生成物(全
量250g)は、Si10Sn5Te85O1.0ガラス1g当りIr
が55mg導入された光メモリ用記録膜材料である。 上で得られた光メモリ用記録膜材料を真空グロ
ーブボツクス中で再溶融し、ステンレス製金型に
注入して、直径100mm、厚さ4〜5mmの円板を得
た。この円板をスパツタリングターゲツトとし
て、マグネトロンスパツタ装置でArガス圧
0.2Pa、高周波電力200w、スパツタ時間約5分の
条件下に記録膜材料をガラス基板上にスパツタリ
ングし、約800〜900Aの薄膜を得た。 次にこの薄膜の上に保護膜として3000AのSiO2
膜をスパツタリングで形成して、光メモリ用記録
膜を得た後、レーザー光を照射して記録膜を溶融
し、次いでより弱いレーザー光を照射して溶解し
た記録膜を結晶化させた。 次に出力10mW、波長820nmの半導体レーザ
ー光を集光して1μmφにし、これを記録膜に
150nsec照射すると、記録膜上の1μmφのスポツ
ト部分の結晶が溶解し、次いで急冷されて非晶質
になり情報の記録が行なわれる。このときの非晶
質状態の反射率は820nmにおいて41%であつた。
次いで同じ半導体レーザー光を出力6mWにして
0.8μsec照射すると記録膜は300℃附近に加熱さ
れ、Teが結晶化して記録が消去される。この状
態で反射率は62%になつた。更にこの結晶化部分
に出力10mWの半導体レーザー光を150nsecパル
ス状に照射すると非晶質になり、反射率は41%で
あつた。これに出力6mWのレーザー光を
0.8μsec照射すると結晶化し、反射率は62%であ
つた。これらの結果から、本実施例において得ら
れた記録膜は反射率41%の非晶質(記録)状態と
反射率62%の結晶(消去)状態が20%以上の反射
率差を維持しながら繰り返され、記録の消去時間
は08μsecと極めて短いことが明らかである。 また、この記録膜の結晶化開始温度を示差走査
熱量計で求めたところ、120℃と充分に高かつた。
また結晶化の活性化エネルギーは2.0eVと充分に
高く記録状態の安定性も維持されることが判明し
た。 実施例 2〜9 後掲の表−1に示した条件を除くこと実施例1
と同様にして光メモリ用記録膜材料を製造し、得
られた光メモリ用記録膜材料を実施例1と同様に
して基板上に薄膜として形成した後、その上に
SiO2保護膜を形成した。 得られた光メモリ用記録膜について実施例1と
同様に非晶質状態及び結晶状態の反射率、結晶化
温度、消去時間、結晶化の活性化エネルギーを測
定した。得られた結果は実施例1の結果とともに
表−1にまとめて示した。
【表】
【表】
表−1より実施例2〜9の光メモリ用記録膜も
実施例1と同様の諸物性値を有し、記録消去の迅
速性と記録状態の安定性が達成されることが明ら
かである。 なお、実施例1〜7の記録膜では基礎ガラスが
SiO2添加により導入された酸素を含むのに対し、
実施例8〜9の記録膜ではSlO2添加による酸素
導入を行なつておらず、Si、Sn及びTeが実施例
1〜7と同一組成では活性化エネルギーが低下す
ることが予想されたので、実施例1〜7の場合よ
りもTeの量を少なく、Si又はSnの量を多くして
活性化エネルギーを実施例1〜7の場合と同様の
値に保持している点に留意されたい。 また実施例1〜7の記録膜は、基礎ガラスとし
てSi10Sn5Te85O1.0のガラス用いるものであるが、
Siを7〜16原子%、Snを3〜9原子%、Teを81
〜87原子%とし、これらと合量100原子%に対し
て1.2原子%以下の酸素を導入した基礎ガラスを
用い、これに所定量のIr、Au又はこれらの混合
物を含有せしめた記録膜を基板上に形成した場合
にも実施例1〜7と同様の結果が得られている。 [発明の効果] 本発明の光メモリ用記録膜材料は、母材である
基礎ガラスにIr、Au又はこれらの混合物が添加
されており、これら添加金属元素はTeの結晶化
のための核として作用し、Teと結晶化を促進す
るので記録の消去時間が著しく短縮させる。 また本発明の光メモリ用記録膜材料は、結晶化
の活性化エネルギーが十分に高く、記録状態の安
定性も保持される。
実施例1と同様の諸物性値を有し、記録消去の迅
速性と記録状態の安定性が達成されることが明ら
かである。 なお、実施例1〜7の記録膜では基礎ガラスが
SiO2添加により導入された酸素を含むのに対し、
実施例8〜9の記録膜ではSlO2添加による酸素
導入を行なつておらず、Si、Sn及びTeが実施例
1〜7と同一組成では活性化エネルギーが低下す
ることが予想されたので、実施例1〜7の場合よ
りもTeの量を少なく、Si又はSnの量を多くして
活性化エネルギーを実施例1〜7の場合と同様の
値に保持している点に留意されたい。 また実施例1〜7の記録膜は、基礎ガラスとし
てSi10Sn5Te85O1.0のガラス用いるものであるが、
Siを7〜16原子%、Snを3〜9原子%、Teを81
〜87原子%とし、これらと合量100原子%に対し
て1.2原子%以下の酸素を導入した基礎ガラスを
用い、これに所定量のIr、Au又はこれらの混合
物を含有せしめた記録膜を基板上に形成した場合
にも実施例1〜7と同様の結果が得られている。 [発明の効果] 本発明の光メモリ用記録膜材料は、母材である
基礎ガラスにIr、Au又はこれらの混合物が添加
されており、これら添加金属元素はTeの結晶化
のための核として作用し、Teと結晶化を促進す
るので記録の消去時間が著しく短縮させる。 また本発明の光メモリ用記録膜材料は、結晶化
の活性化エネルギーが十分に高く、記録状態の安
定性も保持される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Siを7〜16原子%、Snを3〜9原子%、Te
を81〜87原子%含み共晶組成を有する基礎ガラス
にIr、Au又はこれらの混合物を加えたことを特
徴とする書き換え可能な光メモリ用相変化型記録
膜材料。 2 基礎ガラスが酸素を含むことを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の光メモリ用相変化型記
録膜材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087920A JPS63255842A (ja) | 1987-04-11 | 1987-04-11 | 書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62087920A JPS63255842A (ja) | 1987-04-11 | 1987-04-11 | 書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63255842A JPS63255842A (ja) | 1988-10-24 |
JPH0560435B2 true JPH0560435B2 (ja) | 1993-09-02 |
Family
ID=13928355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62087920A Granted JPS63255842A (ja) | 1987-04-11 | 1987-04-11 | 書き換え可能な光メモリ用相変化型記録膜材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63255842A (ja) |
-
1987
- 1987-04-11 JP JP62087920A patent/JPS63255842A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63255842A (ja) | 1988-10-24 |
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