JPH0560237A - 油圧駆動装置 - Google Patents

油圧駆動装置

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Publication number
JPH0560237A
JPH0560237A JP24505791A JP24505791A JPH0560237A JP H0560237 A JPH0560237 A JP H0560237A JP 24505791 A JP24505791 A JP 24505791A JP 24505791 A JP24505791 A JP 24505791A JP H0560237 A JPH0560237 A JP H0560237A
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JP
Japan
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hydraulic pump
differential pressure
force
discharge capacity
engine
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Application number
JP24505791A
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English (en)
Inventor
Hideyo Kato
英世 加藤
Takashi Kanai
隆史 金井
Masami Ochiai
正已 落合
Morio Oshina
守雄 大科
Mitsuo Sonoda
光夫 園田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通過流量に対する圧力損失が略一次比例する
差圧により可変容量油圧ポンプの吐出容量を制御するH
ST油圧駆動装置において、例えばHST回路以外の負
荷がエンジンに入力されてもエンジン回転数を低下させ
ないようにする。 【構成】 アクセルペダル21の踏込み量に応じた押圧
力を切換弁20に与える。差圧発生部8はエンジン回転
数に略1次比例する差圧を発生する。この差圧に応じた
受圧力を切換弁20に上記押圧力に対抗させるように与
える。切換弁20は、押圧力が受圧力よりも小さいとき
には、油圧ポンプ2の吐出容量を増大させ、押圧力が受
圧力よりも大きいときには、吐出容量を低減する。同一
エンジンで駆動される油圧ポンプ14の負荷が加わる
と、エンジン負荷が増加するが、上記切換弁の作用によ
り、油圧ポンプ2の吐出容量はポンプ14のポンプ吸収
トルクの増加分だけ低減し、これによりエンジン回転数
の低下が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変容量形油圧ポンプ
と油圧モータとを閉回路接続したHST式の油圧駆動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、本出願人が特願平2−2950
96号明細書で提案しているHST式油圧駆動装置を搭
載したホイルロ−ダの走行回路の一例を示す。図5にお
いて、ディーゼルエンジン(原動機)1によって駆動さ
れる可変容量形油圧ポンプ2には主管路3,4により油
圧モータ5が閉回路接続され、可変容量形油圧ポンプ2
の傾転量は、エンジン1の回転数に応じた流量の圧油を
吐出する固定容量形のチャ−ジ用油圧ポンプ6によって
制御される。すなわち、チャ−ジポンプ6の吐出管路7
には図6に詳細を示す差圧発生部8が設けられ、その上
流側管路7aと下流側管路7bとにチャ−ジポンプ6の
吐出量に応じた圧力差が生じ、この差圧によって、傾転
シリンダ9を駆動して油圧ポンプ2の傾転量(以下、吐
出容量とも呼ぶ)が制御される。
【0003】今、運転席に設けられたスイッチ(不図
示)の操作により前後進切換弁10を図示中立位置Nか
ら例えば前進位置Fに切換えると、傾転シリンダ9の一
方のシリンダ室9aが管路7aと、他方のシリンダ室9
bが管路7bとそれぞれ連通するので、管路7aと7b
との差圧、すなわち差圧発生部8で生じた差圧に応じた
量だけ傾転シリンダ9のピストン9cが下方に移動す
る。このピストン9cの移動量に応じて可変容量形油圧
ポンプ2の傾転量が決定され、油圧ポンプ2は、この傾
転量に応じた流量で圧油を主管路3に吐出し、この吐出
油により走行用の油圧モータ5が正転して車両が前進す
る。このように、油圧ポンプ2の傾転量はエンジン1の
回転数に依存する。
【0004】また、チャ−ジポンプ6からの吐出油は、
チャ−ジ管路7,11およびチェック弁12a,12b
を介して主管路3,4に供給され、これによりキャビテ
−ションの防止が図られる。さらに図5において、符号
14は、ホイルローダのフロント作業機(不図示)の油
圧アクチュエータを駆動する油圧ポンプであり、この油
圧ポンプ14は油圧ポンプ2と複合操作される。なお、
リリーフ弁13は、チャ−ジ管路11の最高圧力を設定
するものである。
【0005】ここで、図6によりこの差圧発生部8の構
成を説明する。この差圧発生弁8は、弁本体181と、
弁本体181の弁座部181aに着座するポペット弁1
82と、このポペット弁182のリフト運動を案内する
ガイドリング183と、ガイドリング183とポペット
弁182との間に設けられポペット弁182を弁座部1
81aに押圧するばね184とから成る。そして、弁本
体181の壁面181bの形状は、例えばポペット弁1
82と壁面181bとの間に形成される開口面積がポペ
ット弁182のリフト量xに対してα・x1/2(α:定
数)で示されるル−ト関数となる曲面形状に設定され
る。
【0006】このように構成される差圧発生弁8の特性
は次式で示される。まず、チャ−ジポンプ6の吐出流量
Qcは、 Qc=Ne×qc =K’・α・x1/2・ΔP1/2 …(1) ただし、Ne:エンジン回転数 qc :チャ−ジポンプ6の吐出容量 K’:比例定数
【0007】また、差圧発生弁8の前後圧力差ΔPによ
る差圧発生部8の力のバランスは、 AΔP=k・x …(2) ただし、A:受圧面積 k:ばね定数 x:ポペット弁の変位量 したがって、(2)式をxについて整理して(1)式に
代入すると、 Qc=K’・α(A/k)1/2 ・ΔP ∴ΔP=Qc/{K’・α(A/k)1/2} =K・Qc =K・qc・Ne …(3) ただし、K=1/{K’・α(A/k)1/2} となり、差圧はエンジン回転数に比例する。
【0008】この差圧により決定される油圧ポンプ2の
傾転量、つまり、油圧ポンプ2の吐出容量qpは、 qp=β・ΔP+α・Ps =β・K・qc・Ne+α・Ps …(4) ただし、α,β:定数 Ps:ポンプ1の自己吐出圧力 で示される。すなわち、この差圧発生弁8を使用する
と、入力回転数Neとポンプ傾転量qpは、図7に実線
で示すように正比例の関係になる。
【0009】このような傾転制御による油圧モータ3の
回転数Nmは、今、油圧モータ3を固定容量形としその
吐出容量をqmとすると、 Nm=(qp/qm)・Ne ={β・K・(qc/qm)・Ne2}+C…(5) ただし、C:回路圧力Psにより決る定数 で表わされる。すなわち、油圧モータ3の回転数Nmは
エンジン1の入力回転数Neの2乗に比例する。その結
果、低回転数域でのメ−タリング領域を確保して低速度
制御性を維持しつつ、かつ、高回転数域での俊敏なモー
タ回転数増減制御性を保持でき、ほぼ理想的な車速制御
特性が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな油圧駆動車両の走行油圧回路には次のような問題が
あることが判明した。図8に示すエンジン出力トルク特
性図により詳細に説明する。
【0011】図8において、2点鎖線T1はエンジン回
転数に対するエンジン出力トルクを示し、これはディー
ゼルエンジン1のガバナの性能により決定される。実線
T2はモータ負荷を一定とした場合のエンジン回転数に
対する油圧ポンプの吸収トルク(負荷トルク)を示す。
ポンプ吸収トルクは、上述したようにエンジン回転数に
応じて制御されるポンプ2の傾転量qpと回路圧力Ps
により決定される。
【0012】今、アクセルペダルの踏込み量が一定の場
合、アクセルペダルにより指示されるエンジン出力トル
クに対して負荷を駆動する油圧ポンプ2の吸収トルクが
小さい間は、エンジン回転数は増加し、ガバナにより出
力トルクが低減される。一方、エンジン回転数の増加に
伴い、油圧ポンプ2は油圧モータ5を加速するためにそ
の吐出容量qpが増加し、油圧ポンプ2の吸収トルクが
増加する。このような動作を繰り返し行ない、エンジン
出力トルクと油圧ポンプ2の吸収トルクが等しくなる点
でエンジンの回転数が整定する。
【0013】図8において、A点(トルクTa)でエン
ジン出力トルクとポンプ吸収トルクが平衡し、エンジン
回転数がNeaで整定しているとする。ここで、油圧ポン
プ14の吐出油によりフロント作業機が駆動され、図8
の区間ACで示すポンプ吸収トルクTacが負荷としてエ
ンジン1に加わったとする。
【0014】油圧ポンプ14の負荷が加わる前、エンジ
ンの出力トルクは回転数Neaで油圧ポンプ2の吸収トル
クと平衡しているから、油圧ポンプ2と14の合計トル
クTa+Tacに対してエンジン1の出力トルクは不足
し、エンジンは過負荷状態となり、エンジン回転数は低
下し始める。これにより、アクセルペダルの踏込み量と
エンジン回転数で制御されるガバナは出力トルクを増加
するように制御する。
【0015】一方、エンジン回転数の低下に伴い、チャ
ージポンプ6の吐出流量が減少し、差圧発生部8の前後
差圧も減少し、油圧ポンプ2の吐出容量、すなわちポン
プ吸収トルクが減少する。そして、このような動作を繰
り返して、エンジン回転数低下による出力トルクの増加
分と、エンジン回転数低下に伴う油圧ポンプ2の吸収ト
ルクの減少分とが、油圧ポンプ14の駆動する負荷によ
りトルク増加分に等しくなる点でエンジン回転数は整定
する。
【0016】これを図8で詳細に説明すると、エンジン
1の回転数がNeaからNebへ低下し、出力トルクがA点
のTaからD点のTdに増加する。一方、エンジン回転
数のNeaからNebへの低下にともない油圧ポンプ2の吸
収トルクがA点のTaからB点のTbに減少する。この
ような動作により、油圧ポンプ14の負荷分と等しい大
きさのエンジン出力トルク(BDの区間のトルクTb
d)が回転数Nebで確保される。
【0017】このように、図5に示す油圧駆動装置で
は、走行時に作業負荷が入力されるとエンジン回転数が
低下するから、油圧ポンプ14で駆動されるフロント作
業機の速度がその分遅くなり作業効率が低下する。この
エンジン回転数の低下分はフロント作業機の負荷に依存
するから、フロント作業機の負荷が大きいほどエンジン
回転数の減少は大きくなり、作業性が悪化する。
【0018】本発明の目的は、通過流量に対する圧力損
失が略一次比例する差圧により可変容量油圧ポンプの吐
出容量を制御するHST油圧駆動装置において、例えば
目標回転数が一定のときに負荷変動があっても実回転数
を目標回転数に保持する、いわゆるスピードセンシング
制御を簡単な構成で実現することのできる油圧駆動装置
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1によ
り本発明を説明すると、本発明は、原動機1に駆動され
る可変容量形の第1の油圧ポンプ2と、一対の主管路
3,4により可変容量形油圧ポンプ2に閉回路接続さ
れ、この可変容量形油圧ポンプ2からの吐出油により駆
動される油圧モータ5と、原動機1により駆動されこの
原動機1の回転数に応じた流量の圧油を吐出する固定容
量形の第2の油圧ポンプ6と、この固定容量形の第2の
油圧ポンプ6の吐出流量に略1次比例する差圧を生じせ
しめる差圧発生部8と、この差圧発生部8により発生す
る差圧によって駆動され、この差圧が大きいほど可変容
量形油圧ポンプ2の吐出容量が大きくなるように制御す
る吐出容量調節手段9と、原動機1に駆動される第3の
油圧ポンプ14と、原動機1の回転数を指令するエンジ
ン回転数指令部21とを備えた油圧駆動装置に適用され
る。そして、エンジン回転数指令部21による原動機回
転数指令値に応じて第1の力を発生させる力発生手段2
0cと、第1の力と差圧発生部8の前後差圧による第2
の力との大小関係により切換え制御され、第1の力が第
2の力よりも小さいときには、差圧を吐出容量調節手段
9に導いて吐出容量を増大させ、第1の力が第2の力よ
りも大きいときには、差圧が吐出容量調節手段9に導か
れないようにして吐出容量調節手段9により吐出容量が
低減されるようにする切換弁20とを具備することによ
り、上述の目的を達成する。
【0020】
【作用】エンジン回転数指令部21により原動機1の回
転数が制御される。力発生手段20cで発生した回転数
指令値に応じた第1の力が差圧による第2の力よりも小
さいときには、すなわち、指令する回転数よりも実回転
数が高い時は、差圧が吐出容量調節手段9に導かれて可
変容量形の第1の油圧ポンプの吐出容量が増大される。
第1の力が第2の力よりも大きいときには、すなわち、
実回転数が指令する回転数より低い時は、差圧が吐出容
量調節手段9に導かれなくなり、吐出容量が低減され
る。こうすることにより、例えば、第1の油圧ポンプ2
が所定の吸収トルクで駆動されている時に第3の油圧ポ
ンプ14の負荷トルクが増加すると、第1の油圧ポンプ
2の吐出容量を低下させてポンプ吸収トルクの合計値が
エンジンの出力トルクを越えないように制御する。その
ため、従来のように原動機1の回転数を低下させて出力
トルクを増加させるのではないから、第3の油圧ポンプ
14の吐出流量がその負荷により影響されることがな
く、第3の油圧ポンプ14による作業速度の低下が防止
される。
【0021】なお、本発明の構成を説明する課題を解決
するための手段および作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0022】
【実施例】図1〜図4により本発明をホイルローダの油
圧駆動装置に適用した場合の一実施例を説明する。図1
に示す実施例では、走行時にフロント作業機の負荷が発
生した時にエンジン回転数を低下させることなく、走行
用油圧ポンプおよびフロント作業機用油圧ポンプの吸収
トルクの和がエンジン出力トルクと等しくなるようにし
たもので、図5の例と異なるのは、前後進切換弁10の
入力側に新たに切換弁20を設けた点である。それ以外
の構成は図5に示したものと同様であり、同様な箇所に
は同一の符号を付して相違点を中心に説明する。
【0023】切換弁20はパイロットポート20a,2
0bを有し、一方のパイロットポート20aに差圧発生
部8の上流の管路7aの圧力が導かれ、他方のパイロッ
トポート20bに差圧発生部8の下流の管路7bの圧力
が導かれる。したがって、この切換弁20には、差圧発
生部8で発生するエンジン回転数に比例する差圧が働
き、切換弁20には常時、A位置に切換わるような力f
pが作用している。この力は、切換弁20のパイロット
ポート20a,20bの受圧面積をa、差圧をΔPとす
る時、a・ΔPで表される。本明細書ではこの差圧によ
る力fpを受圧力と呼ぶ。
【0024】パイロットポート20b側には可変ばね部
20cが設けられ、上記受圧力fpに対抗する力を切換
弁20に作用させる。可変ばね部20cはアクセルペダ
ル21の踏込み量に比例した力を切換弁20に与えるよ
うに構成され、アクセルペダル21と機械的に連結した
り、あるいはアクセルペダル21の踏込み量を電気的に
検出し、その検出結果に応じた力を与えるものでもよ
い。本明細書では、アクセルペダル21の踏込み量に比
例する力を押圧力fbと呼ぶ。
【0025】したがって、切換弁20は次のような条件
でその位置が切換わる。 (1)エンジン1の実回転数を示す差圧発生部8の差圧
による受圧力fpが可変ばね部20cで発生する押圧力
fbよりも大きい(fp>fb)時は、アクセルペダル
21の踏込み量で指示するエンジン回転数より実回転数
が高いため、油圧ポンプ2の吐出容量を増加させるよう
に、切換弁20はA位置に切換わる。これにより、油圧
ポンプ2の吸収トルクを大きくする。
【0026】(2)エンジン1の実回転数を示す上記差
圧による受圧力fpが可変ばね部20cで発生する押圧
力fbよりも小さい(fp<fb)時は、アクセルペダ
ル21の踏込み量で指示するエンジン回転数が実回転数
より大きいため、油圧ポンプ2の吐出容量を低減させる
ように、切換弁20はC位置に切換わる。これにより、
油圧ポンプ2の吸収トルクを小さくする。
【0027】(3)エンジン1の実回転数を示す差圧に
よる受圧力fpが可変ばね部20cで発生する押圧力f
bと等しい(fp=fb)時は、アクセルペダル21の
踏込み量で指示するエンジン回転数が実回転数と等しい
ため、油圧ポンプ2の吐出容量をその値に保持させるよ
うに、切換弁20はB位置に切換わる。
【0028】図2は(1)〜(3)をグラフで示すもの
で、可変ばね部20cの押圧力fbが差圧による受圧力
fpと等しい実線上では、油圧ポンプ2の傾転量は保持
され、たとえば、A点で押圧力fbに対して差圧による
受圧力fpが増える時は傾転量を増加させ、逆に押圧力
fbに対して差圧による受圧力fpが減る時は傾転量を
低減させることを図示している。
【0029】図3により可変ばね部20cによる力と差
圧発生部8で発生する差圧による受圧力との関係につい
てさらに詳細に説明する。図3の第2象限の横軸はトル
ク、縦軸はエンジン回転数である。実線および破線はそ
れぞれ設定しようとする負荷トルク特性の2例を示し、
可変ばね部20cによる押圧力fbを調整することによ
り、実線と破線との間で負荷トルクを任意に設定でき
る。たとえば、実線の負荷トルク特性Iを設定すると、
常にエンジン出力トルクの最大値で負荷を駆動できるパ
ワフルな装置が実現できる。一方、破線の負荷トルク特
性IIを設定すれば、走行モータの速度フィーリングが良
好な従来と同様の装置を実現できる。
【0030】図3の第1象限の横軸はアクセルペダル2
1の踏込み量を100分率で示し、縦軸はエンジン回転
数を示す。実線は、図3の第2象限に示した負荷トルク
特性Iを実現するアクセルペダル踏込み量に対するエン
ジン回転数の特性を示し、破線は負荷トルク特性IIを実
現するアクセルペダル踏込み量に対するエンジン回転数
の特性を示すグラフである。
【0031】図4の第1象限の横軸はアクセルペダル2
1の踏込み量を100分率で示し、縦軸はエンジン回転
数を示すグラフで、図3の第1象限に示したグラフと同
様のものである。第2象限の横軸は差圧発生部8の前後
差圧を示し、縦軸はチャージポンプ6の吐出流量を示
す。つまり、エンジン回転数に比例するチャージポンプ
6の吐出流量と差圧の関係を示すグラフである。上述し
た通り、差圧はエンジン回転数に比例する。
【0032】図4の第3象限の横軸は差圧、縦軸はこの
差圧により切換弁20に作用する受圧力fpを示し、差
圧と受圧力fpとの関係を示すグラフである。さらに、
第4象限の縦軸は可変ばね部20cで設定されたばね力
による切換弁押圧力fbを示し、横軸はアクセルペダル
21の踏込み量を100分率で示すものである。したが
って、図4の第4象限のグラフからアクセルペダル踏込
み量に対する可変ばね部20cによる押圧力fb力の設
定値が示される。図4において、破線は負荷トルク特性
IIに対応し、実線は負荷トルク特性Iに対応する。
【0033】次に、図1に示す駆動装置の動作を説明す
る。以下では、アクセルペダル21の50%踏込みによ
りエンジン回転数が図8のNeaになるような負荷トルク
特性IIを設定した場合について説明する。今、運転席に
設けられたスイッチ(不図示)の操作により前後進切換
弁10を図示中立位置Nから例えば前進位置Fに切換え
るとともに、アクセルペダル21をたとえば全踏み込み
量の50%踏込む。
【0034】ここで、アクセルペダル21の0%〜50
%の踏込みにより可変ばね部20cには図4に示すよう
にfb0〜fb50なる押圧力が発生し、切換弁20はこ
の押圧力fbでC位置に切換わる方向に付勢される。一
方、アクセルペダル21の踏込みによりエンジン1の回
転数が増加し、この増加に伴い、エンジン1に駆動され
る油圧ポンプ2、6、14が増速される。チャージポン
プ6からの吐出油により、差圧発生部8の上流管路7a
と下流管路7bとの間に圧力差が発生し、管路7aおよ
び7bの圧力は切換弁20の各パイロットポート20
a,20bにそれぞれ作用し、圧力差に応じた受圧力f
pが可変ばね部20cの押圧力fbと対抗する。アクセ
ルペダル踏込み開始直後は、エンジン1の実回転数Ne
が上記設定回転数Neaよりも低い。すなわち、受圧力f
pが押圧力fbよりも小さい。したがって、切換弁20
は位置Cのままであり、油圧ポンプ2の傾転シリンダ9
のシリンダ室9aと9bは互に連通し、油圧ポンプ2は
中立状態にある。このとき、ポンプ吸収トルクはゼロで
ある。
【0035】このため、エンジン出力には余裕があるか
らエンジン1は増速する。エンジン実回転数が設定回転
数と等しくなると受圧力fpが押圧力fbと等しくなる
から、切換弁20は位置Bに切換わる。位置Bではまだ
ポンプ2の傾転量はゼロであり、エンジン1はさらに増
速する。そして、エンジン実回転数Neが設定回転数N
eaより大きくなると、差圧により切換弁20に作用する
受圧力fpが可変ばね部20cによる押圧力fbよりも
大きくなるので、切換弁20は位置Aに切換わる。この
ため、油圧ポンプ2の傾転シリンダ9のシリンダ室9
a、9bはそれぞれ管路7a,7bに連通され、差圧発
生部8の上下流の圧力がそれぞれ導かれる。その結果、
油圧ポンプ2は、両シリンダ室の圧力差による受圧力
と、ばね9cによる付勢力と、油圧ポンプ2の自己吐出
圧に応じて中立位置に向う復帰モーメントとがバランス
する位置まで傾転し、その傾転量に応じた圧油を吐出
し、モータ5を正転駆動する。
【0036】このとき、ポンプ吸収トルクがエンジン出
力トルクを越えると、ガバナの働きによりエンジン回転
数が低減され、チャージポンプ6の吐出流量が減少す
る。これにともない、差圧発生部8で発生する差圧が減
少し、切換弁20に作用する受圧力fpも減少する。こ
のとき、アクセルペダル21の踏込みによる切換弁20
の押圧力fbが変動しないものとすると、切換弁20は
位置Cに切換えられ、油圧ポンプ2の傾転シリンダ9の
シリンダ室9aと9bが連通し、傾転量が減少してポン
プ吸収トルクが小さくなる。その結果、エンジン出力ト
ルクとポンプ吸収トルクとが再びバランスするようにガ
バナによりエンジン回転数が増速され、結局、このよう
な動作の繰り返しにより油圧ポンプ2の傾転量が増加し
ていくとともに、エンジン出力トルクとアクセルペダル
21で指令された負荷トルクであるポンプ吸収トルクと
が等しくなる点でエンジン回転数は整定する。すなわ
ち、エンジン1の実回転数はNe(=Nea)であり、こ
のとき、切換弁20に作用する差圧による受圧力fpと
可変ばね部20cによる押圧力fbとは等しく、切換弁
20は位置Bとなり、油圧ポンプ2の傾転量はその値で
保持され、エンジン回転数はNeaで整定する。この状態
を図8のA点とする。
【0037】ここで、アクセルペダル21の踏込み量を
50%のまま保持している時、フロント作業機が駆動さ
れ、油圧ポンプ14のポンプ吸収トルクが図8で示す区
間ACとして新たに加わったとする。この結果、エンジ
ン1は過負荷状態となりエンジン回転数が低下し始め
る。これによりチャージポンプ6の吐出量が減少し、差
圧発生部8の前後差圧も減少し、切換弁20に作用する
受圧力fpも減少する。このとき、切換弁20に作用す
る押圧力fbは減少しないから、切換弁20は位置Cに
切換わり、油圧ポンプ2の傾転量が低減されてポンプ吸
収トルクが低減される。一方、エンジン回転数の低減に
よりガバナの働きでエンジン出力トルクが増加制御さ
れ、このトルク増加分とポンプ2のトルク低下分でポン
プ14の負荷が駆動される。
【0038】このときエンジン回転数Neは設定回転数
Neaより小さく、切換弁20は位置Cにあるから、ポン
プ2の傾転量はさらに減少してポンプ吸収トルクはさら
に小さくなる。エンジン出力トルクは、油圧ポンプ2お
よび14の吸収トルクの和である負荷トルクよりも大き
く余裕がある(図3の負荷トルク特性IIと負荷トルク特
性Iの間のトルク分だけ余裕がある)ので、回転数が増
加し始める。そして、エンジン実回転数が設定回転数に
等しくなると、切換弁20に働く受圧力fpと押圧力f
bとが等しくなり、切換弁20は位置Bに切換わる。し
かし、このときはまだエンジン出力トルクに余裕がある
から、エンジン1はさらに増速される。
【0039】エンジン実回転数が設定回転数Neaより大
きくなると、切換弁20の受圧力fpが押圧力fbより
も大きくなり、切換弁20はA位置に切換わり、油圧ポ
ンプ2の傾転量は再び増加する。つまり、ポンプ吸収ト
ルクが増加する。これにより、ポンプ2と14の吸収ト
ルクの和である負荷トルクとエンジン出力トルクが等し
くなるように、 ポンプ傾転量が制御され、エンジン回
転数が調節される。
【0040】このような動作の繰り返しにより、アクセ
ルペダル21の踏込み量で指示された負荷トルク特性II
で与えられるポンプ2と14の吸収トルクの和である負
荷トルクとエンジン出力トルクとが等しくなる点、すな
わちエンジン実回転数がNeaになると、切換弁20に作
用する受圧力fpと押圧力fbとが等しくなり、切換弁
20は位置Bで保持され、ポンプ2の傾転量が保持され
る。したがって、エンジン回転数はフロント作業機が駆
動される前の回転数Neaで整定する。
【0041】図8で説明すると、エンジン回転数はNea
のまま、油圧ポンプ14の負荷分である区間ACのポン
プ吸収トルクTacが、区間AEで示す油圧ポンプ2の
ポンプ吸収トルクの低下分で確保され、フロント作業機
の作業速度を低下させることなく走行作業とフロント作
業との複合操作が可能となる。なお、フロント作業機駆
動時には走行トルクが低下しても走行性能に影響を与え
ることはない。また、走行作業とフロント作業の複合操
作以外でも、本実施例によりいわゆるスピードヤンシン
グ制御が行なわれる。例えば、アクセル全開で登坂する
とき、あるいはブレーキをかけたままアクセルを踏み込
む場合など、エンジンの出力トルクに対して負荷トルク
(入力トルク)が大きく過負荷状態となる場合のすべて
において、スピードセンシング制御が行なわれる。
【0042】なお、上述したように、負荷トルク特性I
を実現するためには、図4の第4象限に実線で示したよ
うにアクセルペダル踏込み量と押圧力fbを対応づけれ
ばよい。さらに、負荷トルク特性IIと負荷トルク特性I
の間で任意に負荷トルクを設定することも可能である。
【0043】以上では、ホイルローダを一例とし、走行
時にフロント作業が行なわれる場合に、エンジン回転数
を低下させずに複合動作を可能にして、フロント作業機
の作業効率を向上させる場合について説明したが、本発
明はホイルローダ以外の作業車両にも適用可能であり、
複合動作も走行とフロント作業に限定されない。また、
差圧発生部も、エンジン回転数にほぼ比例する差圧を発
生する構造であれば図示例に限定されない。
【0044】以上の実施例の構成において、油圧ポンプ
2が第1の油圧ポンプを、油圧ポンプ6が第2の油圧ポ
ンプを、油圧ポンプ14が第3の油圧ポンプを、傾転シ
リンダ9が吐出容量調節手段を、アクセルペダル21が
エンジン回転数指令手段をそれぞれ構成する。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、例えばHST閉回路に
より作業を行なっているとき、同一の原動機で駆動され
るHST閉回路以外の油圧回路が作動すると、HST閉
回路の可変容量油圧ポンプの吐出容量を低減してエンジ
ン出力トルクとポンプ吸収トルクとをバランスさせるよ
うにしたので、HST閉回路以外の油圧回路の作業速度
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である油圧駆動装置を示す回
路図
【図2】可変ばねによる押圧力と差圧による受圧力の関
係を示すグラフ
【図3】アクセルペダル踏込み量、エンジン回転数、負
荷トルクを関連づけて示す図
【図4】アクセルペダル踏込み量、エンジン回転数、チ
ャージポンプ吐出流量、差圧、受圧力、押圧力を関連づ
けて示す図
【図5】従来の油圧駆動装置を示す回路図
【図6】エンジン回転数に比例する差圧を発生する差圧
発生弁の断面図
【図7】入力回転数とポンプ傾転量との関係を示す図
【図8】エンジン出力トルクとポンプ吸収トルクを説明
する図
【符号の説明】
1:エンジン 2:可変容量形油圧ポンプ 5:油圧ポンプ 8:差圧発生弁 9:傾転シリンダ 10:前後進切換弁 20:切換弁 20a,20b:パイロットポート 20c:可変ばね部 21:アクセルペダル 181:弁本体 181b:ル−ト関数の壁面 181c:急激な開口面積の増加を得る壁面 182:ポペット弁 183:リングガイド
フロントページの続き (72)発明者 大科 守雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 園田 光夫 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機に駆動される可変容量形の第1の油
    圧ポンプと、 一対の主管路により前記可変容量形の第1の油圧ポンプ
    に閉回路接続され、この可変容量形の第1の油圧ポンプ
    からの吐出油により駆動される油圧モータと、 前記原動機により駆動されこの原動機の回転数に応じた
    流量の圧油を吐出する固定容量形の第2の油圧ポンプ
    と、 この固定容量形の第2の油圧ポンプの吐出流量に略一次
    比例する差圧を生じせしめる差圧発生部と、 この差圧発生部により発生する差圧によって駆動され、
    この差圧が大きいほど前記可変容量形の第1の油圧ポン
    プの吐出容量が大きくなるように制御する吐出容量調節
    手段と、 前記原動機に駆動される第3の油圧ポンプと、 前記原動機の回転数を指令するエンジン回転数指令部と
    を備えた油圧駆動装置において、 前記エンジン回転数指令部による原動機回転数指令値に
    応じて第1の力を発生させる力発生手段と、 前記第1の力と前記差圧発生部の前後差圧による第2の
    力との大小関係により切換え制御され、第1の力が第2
    の力よりも小さいときには、前記差圧を前記吐出容量調
    節手段に導いて前記吐出容量を増大させ、第1の力が第
    2の力よりも大きいときには、前記差圧が前記吐出容量
    調節手段に導かれないようにして前記吐出容量調節手段
    により吐出容量が低減されるようにする切換弁とを具備
    することを特徴とする油圧駆動装置。
JP24505791A 1991-08-30 1991-08-30 油圧駆動装置 Pending JPH0560237A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996030674A1 (fr) * 1995-03-24 1996-10-03 Komatsu Ltd. Regulateur de capacite pour pompe hydraulique volumetrique et reversible

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996030674A1 (fr) * 1995-03-24 1996-10-03 Komatsu Ltd. Regulateur de capacite pour pompe hydraulique volumetrique et reversible

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