JP5247025B2 - 油圧式走行車両の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は油圧式走行車両の走行制御装置に係わり、特に、走行用の駆動手段として油圧ポンプから供給される圧油により駆動される可変容量型の油圧走行モータを有し、この油圧走行モータの容量を変えることで走行トルクの制御を行うホイール式油圧ショベル等の油圧式走行車両の走行制御装置に関する。
ホイール式油圧ショベル等の油圧式走行車両の走行制御装置は、一般に、油圧により駆動される走行モータを可変容量型とし、加速時、登坂走行時等において、走行モータの負荷圧力(走行負荷圧力)が高くなると走行モータの容量を増加させ、必要なトルクを発生させている。また、減速時は、走行用の油圧駆動回路内に設けられたオーバーロードリリーフ弁により回路圧力(ブレーキ圧力)を調整し、そのブレーキ圧力により走行モータにブレーキ力を発生させ、車体を制動させている。このような構成の走行制御装置において、降坂動作時に車体の勾配に対する重量成分の進行方向のベクトルが前記ブレーキ力を超過した場合は、車体が自重により増速し、予め定められた車体の最高速度を超過し、使用機器の寿命に影響を与える。
特許文献1に記載された走行制御装置においては、降坂動作時に車体の勾配に対する重量成分の進行方向のベクトルが上記ブレーキ力を超過しやすい状態においては、走行ペダルの中立を検出し、走行モータの容量を外部指令により増加させ、ブレーキ力を増量することで降坂時の最高速度が予め定められた速度を超過しないようにしている。
また、特許文献2に記載された走行制御装置においては、予め車速を監視し、車両の走行速度が予め定められた速度よりも高くなった場合は走行モータの容量を外部指令により増加させることで、同じく降坂時の最高速が予め定められた速度を超過しないようにしている。
特開平8−270788号公報 特許第3631620号公報
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
例えば、運転者が、走行ペダルを踏んだまま減速操作を行わずに平坦路走行から降坂動作に入り、降坂動作を続ける場合がある。このような場合、特許文献1記載の技術では、走行ペダルが踏まれているため走行モータの容量は増加せず、 車両は増速し、安定して降坂動作を行うことが難しい。特許文献2記載の技術では、走行速度が平坦路での最高速度と同等又はこれ以上に予め定められた速度よりも高くなってから走行モータの容量を増加させるため、車両は予め定められた速度よりも加速する。
降坂動作時の車両の加速を抑制するためには、走行モータの容量又は走行モータにつながるトランスミッションの減速比を十分に大きくとることが考えられる。しかしながら、走行モータの容量又は走行モータにつながるトランスミッションの減速比を大きくすると、最高速走行時、走行モータを回転させるための走行系の必要流量が大きくなり、走行系の管路で発生する油圧圧損が大きくるため、高速走行時のエネルギーロスが大きくなり、燃費が悪化する等の不具合が発生する。また、これを防ぐために、走行系の配管の圧損を下げるために管路の断面積を大きくとると、必要な車体の配管スペースが増加し、車体が大型化してしまう等の欠点がある。
本発明の目的は、走行状態に応じてポンプ流量とモータ容量を制御することにより、燃費を悪化させることなく良好な走行性能を確保することができる油圧式走行車両の走行制御装置を提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、原動機により駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給される圧油により駆動される可変容量型の油圧走行モータと、この油圧走行モータの出力軸に連結されたトランスミッションを介して、前記油圧走行モータの駆動力が伝達される車輪とを備え、走行操作指令に基づいて前記油圧走行モータを駆動する油圧式走行車両の走行制御装置において、前記油圧式走行車両の走行状態に関する複数のパラメータを検出する検出手段と、前記走行状態に関する前記複数のパラメータに基づいて前記油圧式走行車両が少なくとも加速動作、登坂状態、降坂状態及び通常走行状態のいずれの走行状態にあるかを判定する走行状態判定手段と、前記油圧走行モータの容量制御および前記トランスミッションの減速比制御のいずれかによって制御可能な前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量と、前記原動機の回転数制御および前記油圧ポンプの容量制御のいずれかによって制御可能な前記油圧走行モータに供給される最大流量とを、前記走行状態判定手段により判定された走行状態に応じてそれぞれ制御する制御手段とを備えるものとする。
このように走行状態判定手段により判定された走行状態に応じて油圧走行モータを含む走行系の等価容量と油圧ポンプの吐出流量とを制御することにより、燃費を悪化させることなく良好な走行性能を確保することができる。
例えば、減速が必要な状態では予め走行モータの容量を大きくし、十分なブレーキ力を確保することで、良好な操作フィーリングを得ることができる。
また、単純に走行モータの容量を大きくするだけでは降坂状態で最高速度を確保することができなくなるが、走行モータの容量を大きくすると同時に油圧ポンプの吐出流量を制御して走行系の最大流量を大きくすることにより、安定した速度で坂道を降坂することができる。
更に、最高速度に至るまでの加速動作中においても、走行モータの容量を大きくとることにより加速に必要な駆動圧が低くなり、油圧モータを含む走行系からの漏れ流量が減少し、加速動作中の全体効率が上がるとともに、加速感を向上させることができる。
また、減速が必要ない状態及び加速が必要ない状態では、走行モータの容量を通常必要となる容量よりも下げることにより、速度を維持するために必要な流量をより小さくし、走行系の配管で生じる圧力損失を低く抑え、燃費を改善するとともに、圧力損失で生じる発熱も低くなるため、車体に必要な冷却装置も小型化することができる。
)また、上記(1)において、更に、前記油圧ポンプと前記油圧走行モータとの間に方向切換弁を備え、前記制御手段は、前記方向切換弁により、前記油圧走行モータに供給される最大流量を制御してもよい。
(3)また、上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記通常走行状態にあると判定されたときは前記油圧走行モータに供給される最大流量を予め定められた第1流量とし、かつ前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を、前記第1流量において予め設定された走行最高速度を確保できる等価容量である第1容量とし、前記走行状態が前記降坂状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を、前記第2容量において予め設定された最高速度を確保できる第2流量とするよう制御する。
(4)更に、上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記通常走行状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を第1容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を第1流量とし、前記走行状態が前記加速状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量より大きい第2流量とするよう制御する。
(5)また、上記(1)において、好ましくは、前記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記通常走行状態であると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を第1容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を第1流量とし、前記走行状態が前記登坂状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量より大きい第2流量とするよう制御する。
(6)また、上記(3)〜(5)において、好ましくは、前記走行状態判定手段は、更に、前記走行状態が減速状態にあるかを判定し、前記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記減速状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量とするよう制御する。
)更に、上記(1)〜()において、前記検出手段は、前記油圧式走行車両の走行状態として、少なくとも、前記油圧式走行車両の走行速度と、前記走行操作指令と、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する。
本発明によれば、走行状態に応じてポンプ流量とモータ容量を制御することにより、燃費を悪化させることなく良好な走行性能を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明が適用されるホイール式油圧ショベルを示す図である。このホイール式油圧ショベルは、下部走行体101と、下部走行体101の上部に旋回可能に搭載された上部旋回体102とを有し、上部旋回体102には運転室103と作業用フロントアタッチメント104が設けられている。フロントアタッチメント104は上部旋回体102の本体に上下方向に回動可能に連結されたブーム104aと、ブーム104aに上下・前後方向に回動可能に連結されたアーム104bと、アーム104bに上下・前後方向に回動可能に連結されたバケット104cとを有し、ブーム104aはブームシリンダ104dにより駆動され、アーム104bはアームシリンダ104eにより駆動され、バケット104cはバケットシリンダ104fにより駆動される。下部走行体101には、油圧走行モータ105、トランスミッション106及びプロペラシャフト107f,107rが設けられ、プロペラシャフト107f,107rにより前タイヤ108F及び後タイヤ108Rが駆動される。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる走行制御装置の全体構成図である。この走行制御装置は、原動機であるディーゼルエンジン(以下単にエンジンという)1と、このエンジン1により駆動される油圧ポンプ10と、油圧ポンプ10の容量(押しのけ容積)を調整するポンプレギュレータ11と、油圧ポンプ10の吐出油の流量と方向を制御する走行制御弁(方向切換弁)12と、この走行制御弁12を操作する走行指令圧を生成する走行パイロット操作回路20と、走行制御弁12に1対のアクチュエータライン13a,13bを介して接続され、走行制御弁12で制御された圧油により駆動される可変容量型の油圧走行モータ14(図1の油圧走行モータ105に相当)を含む走行駆動回路30と、油圧走行モータ14の出力軸に連結され、図示しない油圧シリンダの動作により高速段と低速段とに切換可能なトランスミッション15(図1のトランスミッション106に相当)と、パイロット油圧源16の圧油をトランスミッション15の油圧シリンダに選択的に導き、トランスミッション15を高速段と低速段のいずれかに切換えるトランスミッション切換装置40と、油圧ポンプ10の最大吐出圧を制限するメインリリーフ弁17とを備えている。
ポンプレギュレータ11は、油圧ポンプ10の吸収トルクが予め設定した最大トルクを超えないよう油圧ポンプ10の容量を制御することで、油圧ポンプ10の吐出流量を制御し、油圧ポンプ10の最大馬力を制御する(図11)。
走行パイロット操作回路20は、アクセルペダル21の踏み込み量(操作量)と踏み込み方向に応じて前進又は後進の走行指令圧を生成する走行パイロット弁22a,22bを有し、前進の走行指令圧はパイロットライン23aを介して走行制御弁12の前進側受圧部12aに導かれ、走行制御弁12を図示左方にストロークさせ、後進の走行指令圧はパイロットライン23bを介して走行制御弁12の前進側受圧部12bに導かれ、走行制御弁12を図示右方にストロークさせる。
走行駆動回路30は、アクチュエータライン13a,13bを介して油圧走行モータ14を走行制御弁12に接続するメイン管路31a,31bと、走行制御弁12と油圧走行モータ14の間に介装されたカウンタバランス弁32と、油圧走行モータ14の容量(押しのけ容積)を調整するモータレギュレータ33と、アクチュエータライン13a,13b及びメイン管路31a,31bの最高圧力を規制するクロスオーバーロードリリーフ弁34a,34bと、アクチュエータライン13a,13bの高圧側の圧力を選択して取り出すシャトル弁35とを備えている。アクチュエータライン13a,13bには補給用のチェック弁18a,18bが設けられている。
カウンタバランス弁32はブレーキ弁とも呼ばれるものであり、中立位置と左右の開位置とを有するバルブ本体36と、このバルブ本体36に並列に設けられた絞り37a,37b及びチェック弁38a,38bを有し、降坂走行時等、油圧走行モータ14がポンプ作用をするような運転状態ではバルブ本体36の排出側ポートが閉じ、絞り37aとオーバーロードリリーフ弁34aの作用により油圧走行モータ14の吐出側となるメイン管路31bに背圧(ブレーキ圧)を発生させる。
トランスミッション切換装置40は、電源41と、変速切換スイッチ42と、変速切換スイッチ42が開のL位置にあり、スイッチ42が操作されて閉のH位置に切り換えられると励磁され、図示の位置から切換えられる電磁弁43とを有している。電磁弁43が図示の位置にあるときにはトランスミッション15内の図示しないギヤ切換用の油圧シリンダをタンクに連絡し、トランスミッション15は高速段に切換えられ、変速切換スイッチ42が操作され電磁弁43が図示の位置から切換えられると、パイロット油圧源16の圧油がトランスミッション15内のギヤ切換え用の油圧シリンダに送られ、トランスミッション15が低速段に切換えられる。
また、本実施の形態の走行制御装置は、その特徴的構成として、トランスミッション15に装着され、トランスミッション15の出力ギヤの回転数を検出する走行速度検出手段としての回転数ピックアップ71と、走行パイロット操作回路20の前進側パイロットライン23aに設けられ、前進の走行指令圧を検出する走行操作検出手段としての油圧センサ72と、油圧ポンプ10の吐出圧力を検出する駆動状況検出手段としての油圧センサ73と、トランスミッション切換装置40の低速ギヤ選択スイッチ42bと電磁弁43の間に接続され、低速ギヤ選択スイッチ42の信号を検出するT/M速度段検出手段としての電圧センサ74と、エンジンコントロールダイヤル75と、シャトル弁35で取り出された高圧側の圧力を検出する油圧センサ76と、走行位置と作業位置とに切替え可能な走行/作業選択スイッチ77と、回転数ピックアップ71、油圧センサ72、油圧センサ73、電圧センサ74、エンジンコントロールダイヤル75、油圧センサ76、走行/作業選択スイッチ77の信号を入力し、所定の演算処理を行うコントロールユニット80と、コントロールユニット80から出力された信号によって駆動する電磁比例弁81と、コントロールユニット80から出力された信号によってエンジン1の燃料噴射量を制御するエンジン制御装置82とを備えている。
電磁比例弁81は、パイロット油圧源16の圧油に基づいてコントロールユニット80の出力信号に応じた制御圧力を生成し、この制御圧力を信号ライン83を介して外部信号としてモータレギュレータ33へと出力する。
図3は、モータレギュレータ33の詳細を示す走行駆動回路30の拡大図である。
モータレギュレータ33はコントロールピストンとしての油圧シリンダ51と、サーボ弁52と、油圧シリンダ51のピストンロッドを油圧走行モータ14の斜板14aに作動的に連結する作動ロッド53とを有している。油圧シリンダ51はピストンロッドを出し入れすることにより作動ロッド53を移動させて油圧走行モータ14の斜板14aを駆動し、その容量を制御する。油圧シリンダ51のロッド室51aは、第1制御管路54a,54bを介してアクチュエータライン13a,13bの高圧側の圧力を選択するシャトル弁35に接続されている。油圧シリンダ51のボトム室51bは、管路55を介してサーボ弁52に接続されている。
サーボ弁52は、サーボ弁スプール52sを図示右方に付勢する第1及び第2受圧部52a,52bと、サーボ弁スプール52sを図示左方に付勢する第1スプリング52c及び第2スプリング52dを有し、第1受圧部52aに第1制御管路54a,54bの圧力(走行負荷圧力)が導かれ、第2受圧部52bに第2制御管路56の圧力(外部信号)が導かれる。
サーボ弁52のスプール52sが図示のP1位置にあるときは、油圧シリンダ51のボトム室51bは管路55、サーボ弁52、管路57aを介して油圧走行モータ14のドレン回路58に連通し、ボトム室51bの圧力はタンク圧となる。このとき、油圧シリンダ51はロッド側51aの圧油の圧力により図示の如く収縮し、油圧走行モータ14を最小容量に制御する。
サーボ弁52のスプール52sが図示左側のP2位置に移動したときは、油圧シリンダ51のボトム室51bは管路55、サーボ弁52、管路57b及び第1制御管路54a,54bを介してシャトル弁35に連通し、ボトム室51bの圧力はシャトル弁35により取り出された走行負荷圧力となる。これにより油圧シリンダ51は最大に伸長し、作動ロッド53を図示左方へと移動して油圧走行モータ14を最大容量に制御する。
サーボ弁52のスプール52sがP1位置とP2位置の間の位置にあるときは、油圧シリンダ51のボトム室51bは管路55、サーボ弁52を介して管路57aと管路57bの両方に連通し、ボトム室51bの圧力はタンク圧と走行負荷圧力の中間圧となる。これにより油圧シリンダ51は中間位置に伸長し、作動ロッド53を図示左方へと移動して油圧走行モータ14を中間容量に制御する。
サーボ弁52のスプール52sの位置は、作動ロッド53に設けられたフィードバックロッド59と第1スプリング52c及び第2スプリング52dの作用により、第1及び第2受圧部52a,52bに導かれる第1制御管路54a,54bの圧力(走行負荷圧力)と第2制御管路56の圧力(外部信号)に応じて制御され、これに応じて油圧走行モータ14の容量が制御される。
ここで、油圧走行モータ14の最小容量を「小」、最大容量を「大」、最小容量と最大容量の間のある容量を「中」と定義した場合、第1受圧部52aに導かれる走行負荷圧力は、サーボ弁52を動作させることで、油圧走行モータ14の容量を「小」、「中」、「大」を含む全範囲に制御可能であり、第2受圧部52bに導かれる第2制御管路56の圧力(外部信号)は、サーボ弁52を動作させることで、油圧走行モータ14の容量を「小」(第1容量)又は「中」(第2容量)に制御可能である。また、第1受圧部52aの受圧面積と第2受圧部52bの受圧面積は予め定められた受圧面積差を有し(第1受圧部52aの受圧面積<第2受圧部52bの受圧面積)、それぞれ別々の制御特性を有している。油圧走行モータ14の容量、は第1受圧部52aに導かれる第1制御管路54a,54bの圧力(走行負荷圧力)により指示される容量と、第2受圧部52bに導かれる第2制御管路56の圧力(外部信号)により指示される容量のうちの大きい方の容量に制御される。
コントロールユニット80の処理機能を説明する。
図4は、コントロールユニット80の処理機能のうち、モータ容量・ポンプ流量制御演算部の処理機能の全体概要を示すフローチャートである。まず、コントロールユニット80はホイール式油圧ショベルの走行状態に関する各種データを入力する(ステップS100)。走行状態に関する各種データは、回転数ピックアップ71により検出されるトランスミッション15の出力ギヤの回転数、油圧センサ72により検出される前進の走行指令圧、油圧センサ73により検出される油圧ポンプ10の吐出圧力(以下適宜ポンプ圧という)、電圧センサ74により検出される低速ギヤ選択スイッチ42の指示信号(以下適宜T/M速度段という)、油圧センサ76により検出される走行負荷圧力等を含む。回転数ピックアップ71により検出されるトランスミッション15の出力ギヤの回転数は、ホイール式油圧ショベルの走行速度に変換され、走行速度として用いられる。
次いで、コントロールユニット80は、走行状態に関する各種データを用いてホイール式油圧ショベルの運転状態を判定し(ステップS120)、その運転状態に基づいて油圧走行モータ14の必要容量(モータ容量)と油圧ポンプ10の必要流量(ポンプ流量)を選択する(ステップS130)。
図5は、ステップS120及びS130における判断及び選択処理の詳細を示す図である。ステップS120及びS130では次のように運転状態を判定し、モータ容量及びポンプ流量を選択する。
<走行状態1>
走行速度(Km/h) 問わず
走行指令圧 >最高指令圧力Ptmaxの2/3(以下同)
ポンプ圧(Mpa) >20
T/M速度段 問わず
この場合は加速動作と判定し、モータ容量及びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 大(第2流量)
<走行状態2>
走行速度(Km/h) >10
走行指令圧 >2/3
ポンプ圧(Mpa) >25
T/M速度段 問わず
この場合は登坂状態と判定し、モータ容量及びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 大(第2流量)
<走行状態3>
走行速度(Km/h) >10
走行指令圧 <1/3
ポンプ圧(Mpa) 問わず
T/M速度段 Hi
この場合は減速動作と判定し、モータ容量及びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 小(第1流量)
<走行状態4>
走行速度(Km/h) >10
走行指令圧 >2/3
ポンプ圧(Mpa) <3
T/M速度段 Hi
この場合は降坂状態と判定し、モータ容量及びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 中(第2容量)
ポンプ流量 大(第2流量)
<走行状態5>
上記組み合わせ以外の状態
この場合は加速、登坂、減速、降坂以外の運転状態にあると判定し、モータ容量及びポンプ流量を下記のように選択する。
モータ容量 小(第1容量)
ポンプ流量 小(第1流量)
図4に戻り、コントロールユニット80は、油圧走行モータ14を必要流量となるよう制御するとともに(ステップS140)、油圧ポンプ10を必要流量となるよう制御する(ステップS150)。
図6は、ステップS140における油圧走行モータ14の制御処理の詳細を示すフローチャートである。コントロールユニット80は、ステップS130で選択した油圧走行モータ14の必要容量が「中」かどうかを判断し(ステップS142)、「中」でなければ何もせず、その判断処理を繰り返す。このとき、電磁比例弁81は図示のOFF位置にあり、モータレギュレータ33のサーボ弁52の第2受圧部52bには外部信号としてタンク圧が導かれる。これによりシャトル弁35により検出され第2受圧部52aに印加される走行負荷圧がモータ容量小に対応する圧力より低い場合は、サーボ弁52は図示のP1位置にて作動し、油圧走行モータ14を小容量に切り換える。ステップS130で選択した油圧走行モータ14の必要容量が「中」であれば、油圧走行モータ14の容量を「中」に制御するのに必要な電磁比例弁81から出力される制御圧力(外部信号)の目標値を計算し、その目標値に対応する駆動信号(モータ容量指令信号;電圧信号)Emを出力する(ステップS144)。
ここで、サーボ弁52の第1及び第2受圧部52a,52bは、上述したようにそれぞれ受圧面積に応じた別々の制御特性を有しており、第1受圧部52aには走行負荷圧力が導かれ、サーボ弁52のスプール52sを制御している。そこで、電磁比例弁81から出力される制御圧力(外部信号)の目標値の計算に際しては、第1受圧部52aにおける走行負荷圧力分を補正するため、次のように制御圧力の目標値を求める。
制御圧力の目標値をPcとし、電磁比例弁81から出力される制御信号のみで目標容量「中」を得るための制御圧力をPo、走行負荷圧力の制御圧力への換算値をPtとすると、
Po=Pt+Pc
よって、
Pc=Po−Pt (1)
ここで、Poは事前に計算した値であり、Ptは油圧センサ35により検出した走行負荷圧力から求めることができる。
電磁比例弁81は、上記のようにして求めた制御圧力の目標値に対応する駆動信号EmによりPc相当の制御圧力を生成し、この制御圧力は外部信号としてモータレギュレータ33のサーボ弁52の第2受圧部52bに導かれる。これによりサーボ弁52は図示の位置からP1位置からP2位置側に作動し、油圧走行モータ14を中容量に切り換える。
図7は、ステップS150におけるポンプ流量制御の制御処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS150におけるポンプ流量制御は、エンジン1の最高回転数を増加させることにより油圧ポンプ10の吐出流量を増加させるものである。
まず、コントロールユニット80は、ステップS130で選択した油圧ポンプ10の必要流量(ポンプ流量)が「大」であるかどうかを判断し(ステップS152)、「大」でなければ何もせず、その判断処理を繰り返す。ステップS130で選択したポンプ流量が「大」であれば、そのときの走行指令圧をメモリに記憶してあるテーブルに参照してエンジン回転数増分ΔNを演算する(ステップS154)。
図8はエンジン回転数増分ΔNの計算に用いる走行指令圧とエンジン回転数増分ΔNとの関係を示す図である。走行指令圧がフルペダル操作時の最高指令圧力Ptmaxの2/3の値より低いときは、エンジン回転数増分ΔNは0であり、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3以上(高速走行指令領域)になると、あるパイロット圧力(例えばPtmaxの5/6)までは、走行指令圧の上昇に従ってエンジン回転数増分ΔNが増加し、その後走行指令圧の上昇に従ってエンジン回転数増分ΔNが減少するように、走行指令圧とエンジン回転数増分ΔNとの関係が設定されている。
次いで、コントロールユニット80は、ステップS154において演算したエンジン回転数増分ΔNをコントロールユニット80のエンジン制御演算部に出力する(ステップS156)。
図9は、エンジン制御演算部の概要を示す機能ブロック図である。エンジン制御演算部は、走行目標回転数演算部90、作業目標回転数演算部91、基準目標回転数演算部92、切換部97、最大値選択部98、目標回転数補正部99の各機能を有している。
走行目標回転数演算部90は走行指令圧(アクセルペダル踏み込み量)に比例した走行用目標エンジン回転数Ntを出力し、作業目標回転数演算部91は走行指令圧(アクセルペダル踏み込み量)に比例した作業用目標エンジン回転数Nwを出力し、基準目標回転数演算部92はエンジンコントロールダイヤル75の操作量に比例した目標エンジン回転数Ncを出力する。
すなわち、走行目標回転数演算部90及び作業目標回転数演算部91は、圧力センサ72で検出される走行指令圧Ptとエンジン1の目標回転数を対応付けた関数(回転数特性)L1,L2によって定まる走行目標回転数Ntと作業目標回転数Nwを出力する。基準目標回転数演算部92は、エンジンコントロールダイヤル75aの操作量に依存した信号Fcとエンジン1の目標回転数を対応づけた関数(回転数特性)L3によって定まる基準目標回転数Ncを出力する。
選択部97は、走行/作業選択スイッチ77の選択指令に応じて、走行目標回転数演算部90から出力される特性L1に基づく走行目標回転数Ntと、作業目標回転数演算部91から出力される特性L2に基づく作業目標回転数Nwの一方を選択し、出力する。すなわち、走行/作業選択スイッチ77が走行位置に切換えられているときは特性L1を選択し、作業位置に切換えられているときは特性L2を選択する。選択部97で選択された目標回転数Nf1は最大値選択部98に入力され、最大値選択部98はその目標回転数Nf1と基準目標回転数演算部92から出力される特性L3に基づく目標回転数Ncのうち大きい方を選択し、出力する。
目標回転数補正部99は最大値選択部98から出力された目標回転数Nf2に図7のステップS156において出力されたエンジン回転数増分ΔNを加算して最終的な目標回転数Nf3を求め、これをエンジン制御装置82に出力する。
図10は、特性L1〜L3とエンジン回転数増分ΔNとの関係を示す図である。
特性L1はアクセルペダル21の踏み込み量に依存する走行に適した走行用目標回転数特性であり、特性L2はアクセルペダル21の踏み込み量に依存する作業に適した作業用目標回転数特性である。作業とは、作業用アタッチメントを使用する掘削作業などをいう。特性L1は特性L2よりも目標回転数の増加率、すなわち特性の傾きが急峻となっている。特性L3はエンジンコントロールダイヤル75の操作量に依存する作業に適した基準回転数特性である。特性L2,L3は、その傾き、すなわち操作量に対するエンジン回転数の変化量を等しくするとともに、アイドル回転数Ncidと、フル操作に対する目標回転数Ncmaxも等しくされている。
また、走行時、走行HPモードが選択されたときの上記ポンプ流量制御演算処理(図のステップS120,S130,S150)においてエンジン回転数増分ΔNが出力されると、走行HPモード目標回転数補正部99において、最大値選択部98から出力された目標回転数Nf2にその増分ΔNが加算される。その結果、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3以上(高速走行指令領域)になると、走行用目標回転数特性L1の対応する部分の特性はL1AからL1Bに切り換わる。すなわち、ステップS130においてポンプ流量「小」が選択されたとき、高速走行指令領域の走行用目標回転数特性として特性L1Aが設定され、ポンプ流量「大」が選択されたときは、高速走行指令領域の走行用目標回転数特性として特性L1Bが設定される。
ここで、特性L1Bは特性L1Aよりも目標回転数の増加率、すなわち特性の傾きが急峻となっており、かつ特性L1Bの最高回転数Ntmax2は特性L1Aの最高回転数Ntmax1よりも高く設定されている。例えば、最高回転数Ntmax1は1650rpmであり、最高回転数Ntmax2は2000rpmである。また、特性L1Bの傾きが急峻である結果、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxに達する前に(例えばPtmaxの5/6で)最高回転数Ntmax2達する。この特性L1Bの特性L1Aに対する目標回転数の変化(増加)は図8に示した走行指令圧Ptとエンジン回転数増分ΔNとの関係に対応している。
図11はポンプレギュレータ11のトルク制御特性を示す図である。横軸は油圧ポンプ10の吐出圧力(ポンプ圧)であり、縦軸は油圧ポンプ10の容量(押しのけ容積或いは斜板の傾転)である。
油圧ポンプ10の吐出圧力がP0〜P1の範囲内にあるときはポンプレギュレータ11は吸収トルク制御を行わず、油圧ポンプ10の容量は最大の一定値qmaxである。油圧ポンプ10の吐出圧力がP1を超えるとポンプレギュレータ11は吸収トルク制御を行い、油圧ポンプ10の容量は特性線Aに沿って減少する。これにより油圧ポンプ10の吸収トルクはトルク一定曲線TAで示される規定トルク(最大トルク)を超えないよう制御される。油圧ポンプ10の吐出圧力がPmaxまで上昇すると、メインリリーフ弁17が作動し、それ以上のポンプ吐出圧力の上昇は制限される。
図12は、上記のようにポンプレギュレータ11により油圧ポンプ10の容量が制限制御される結果得られるポンプ圧とポンプ流量の関係を示す図(PQ線図)である。横軸は油圧ポンプ10の吐出圧力(ポンプ圧)であり、縦軸は油圧ポンプ10の吐出流量(ポンプ流量)である。
油圧ポンプの吐出流量は油圧ポンプの容量と回転数の積の関数であり、ポンプ容量が同じでも、エンジン回転数が増加すると、それに応じてポンプ流量も増加する。図9において、実線は、エンジン回転数が最高回転数Ntmax1にあるときのPQ線図であり、破線は、エンジン回転数が最高回転数Ntmax2にあるときのPQ線図である。エンジン回転数が最高回転数Ntmax1にあるとき、油圧ポンプ10の吐出圧力がP0〜P1の範囲内にあるときは、ポンプ流量は油圧ポンプ10の最大容量qmaxに対応した最大流量Qmax1であり、油圧ポンプ10の吐出圧力がP1を超えるとポンプ流量は、ポンプ容量の減少に応じて特性線A1に沿って減少する。これにより油圧ポンプ10の吸収馬力はンジン回転数が最高回転数Ntmax1にあるときの割り当て馬力を超えないよう制御される。エンジン回転数が最高回転数Ntmax2にあるときは、油圧ポンプ10の吐出圧力がP0〜P1の範囲内にあるときは、ポンプ流量は油圧ポンプ10の最大容量qmaxに対応した最大流量Qmax2(>Qmax1)であり、油圧ポンプ10の吐出圧力がP2を超えるとポンプ流量は、ポンプ容量の減少に応じて特性線A2に沿って減少する。これにより油圧ポンプ10の吸収馬力はエンジン回転数が最高回転数Ntmax2にあるときの割り当て馬力を超えないよう制御される。また、エンジン回転数が最高回転数Ntmax2にあるときは、エンジン回転数が最高回転数Ntmax1にあるときに比べ、最高回転数の増加分に応じて流量ΔQだけ全体的にポンプ流量が増加し、最大流量Qmax2も最大流量Qmax1よりもΔQだけ増えている。
このように本実施の形態では、ポンプ流量制御演算処理において、ポンプ流量「小」が選択されると、高速指令領域の走行用目標回転数特性として特性L1Aが設定され、このときのエンジン1の最高回転数はNtmax1となり、かつ油圧ポンプ10の最大流量はその最高回転数Ntmax1に対応するQmax1となり、ポンプ流量「大」が選択されると、高速指令領域の走行用目標回転数特性として特性L1Bが設定され、このときのエンジン1の最高回転数はNtmax2に増加し、かつ油圧ポンプ10の最大流量を最高回転数Ntmax2に対応するQmax2へと増加させる。
ここで、本実施の形態では、モータ容量「小」が選択されたときに車両が設定された最高速度で走行するのに必要な油圧走行モータ14の流量が、ポンプ流量「小」が選択されたときの油圧ポンプ10の最大流量Qmax1に等しくなる(適合する)ように、油圧走行モータ14のモータ容量「小」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax1との関係が設定されるとともに、モータ容量「中」が選択されたときに車両が設定された最高速度で走行するのに必要な油圧走行モータ14の流量が、ポンプ流量「大」が選択されたときの油圧ポンプ10の最大流量Qmax2に等しくなる(適合する)ように、油圧走行モータ14のモータ容量「中」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax2との関係が設定されている。言い換えれば、油圧走行モータ14がモータ容量「小」に制御され、油圧ポンプ10の最大吐出流量がポンプ流量「小」に制御されたときの車両の最高走行速度が設定された最高速度となるように、油圧走行モータ14のモータ容量「小」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax1との関係が設定されるとともに、油圧走行モータ14がモータ容量「中」に制御され、油圧ポンプ10の最大吐出流量がポンプ流量「大」に制御されたときの車両の最高走行速度が設定された最高速度となるように、油圧走行モータ14のモータ容量「中」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax2との関係が設定されている。
そしてその結果、モータ容量「小」を選択しポンプ流量「小」を選択したときの車両の最高走行速度と、モータ容量「中」を選択しポンプ流量「大」を選択したときの車両の最高走行速度がほぼ等しくなるように、油圧走行モータ14の容量「小」及び「大」と油圧ポンプ10の最大流量Qmax1,Qmax2との関係が設定されている。
以上において、回転数ピックアップ71(走行速度検出手段)、油圧センサ72(走行操作検出手段)、油圧センサ73(駆動状況検出手段)、電圧センサ74(T/M速度段検出手段)は、油圧式走行車両の走行状態を検出する検出手段を構成し、コントロールユニット80、電磁比例弁81、エンジン制御装置82、モータレギュレータ33は、検出手段が検出する走行状態に基づいて油圧走行モータ14を含む走行系の等価容量と前記油圧走行モータ14に供給される最大流量とを制御する制御手段を構成する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
<加速時>
まず、車体が停止状態から運転者の操作により加速を行う場合を説明する。
車体の加速時、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3を超え、油圧ポンプ10の吐出圧力が20Mpaより高い状態では、コントロールユニット80は加速動作と判定し、モータ容量「中」(第2容量)及びポンプ流量「大」(第2流量)を選択し、油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の吐出流量(エンジン回転数)をそれぞれその選択した容量及び流量となるように制御する。このとき、前述した(1)式において、走行負荷圧力の制御圧力への換算値Ptが電磁比例弁81から出力される制御信号のみで目標容量「中」を得るための制御圧力Poより高くなるような急加速時は、制御圧力の目標値Pcはマイナスの値となるため、電磁比例弁81に駆動信号は出力されず、サーボ弁52は第1受圧部52aに導かれる走行負荷圧力のみにより制御される。これにより油圧走行モータ14の容量は走行負荷圧力に応じた「中」よりも大きな容量に制御される。
これにより油圧走行モータ14の容量は、予め定められた容量である「中」かそれよりも大きな容量に制御されるため、加速に必要な駆動圧が低くなり、油圧走行モータ14を含む走行系からの漏れ流量が減少し、加速動作中の全体効率が上がるとともに、加速感を向上させることができる。
また、油圧走行モータ14の容量が増加することにより最高速度に必要となる走行系の必要流量が一時的に大きくなるが、エンジン回転数の増加によりエンジン出力が増加するとともにポンプ流量が増加し、設定した最高速度までスムーズに加速することができる。
更に、加速動作が終了し、油圧ポンプ10の吐出圧力が低下すると、コントロールユニット80は「通常」と判定し、モータ容量及びポンプ流量をそれぞれ「小」に切り換えようとする。このとき、仮に制御の遅れで、油圧ポンプ10の吐出圧力が低下したときにモータ容量及びポンプ流量が切り換え前の状態(ポンプ流量「大」でモータ容量「中」)が維持されたとしても、ポンプ流量「大」でモータ容量「中」のときの最高走行速度が設定された最高速度に等しくなるように最大流量Qmax2とモータ容量「中」との関係を設定した(つまり、油圧走行モータ14を含む走行系の等価容量を第2容量(モータ容量「中」)に制御したときに車両が設定最高速度で走行するのに必要な流量が油圧ポンプ10の第2流量(ポンプ流量「大」時の最大流量Qmax2)に合うように設定した)ので、設定された最高速度以上の車速の増加を防ぎながら高馬力により良好な車体加速性能を確保することができる。
<登坂>
次に車体が登坂状態に入った場合を説明する。
登坂走行時、走行速度が10Km/hよりも速く、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3を超え、油圧ポンプ10の吐出圧力が25Mpaより高くなると、コントロールユニット80は登坂状態と判定し、モータ容量「中」(第2容量)及びポンプ流量「大」(第2流量)を選択し、油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の吐出流量(エンジン回転数)をそれぞれその選択した容量及び流量となるように制御する。この場合も、急勾配の坂道の登坂時のように走行負荷圧力が高いときは、サーボ弁52の第1受圧部52aに導かれる走行負荷圧力により油圧走行モータ14の容量は「中」よりも大きな容量に制御される。
これにより油圧走行モータ14の容量は、少なくとも予め定められた容量である「中」に増加するとともに、エンジン回転数が増加し、エンジン出力が増加するとともにポンプ流量が増加するため、高馬力により良好な登坂時の車速を確保することができる。
また、登坂動作が終了し、油圧ポンプ10の吐出圧力が低下すると、コントロールユニット80は「通常」と判定し、モータ容量及びポンプ流量をそれぞれ「小」に切り換えようとする。このとき、仮に制御の遅れで、油圧ポンプ10の吐出圧力が低下したときにモータ容量及びポンプ流量が切り換え前の状態(ポンプ流量「大」でモータ容量「中」)が維持されたとしても、ポンプ流量「大」でモータ容量「中」のときの最高走行速度が設定された最高速度に等しくなるように最大流量Qmax2とモータ容量「中」との関係を設定した(つまり、油圧走行モータ14を含む走行系の等価容量を第2容量(モータ容量「中」)に制御したときに車両が設定最高速度で走行するのに必要な流量が油圧ポンプ10の第2流量(ポンプ流量「大」時の最大流量Qmax2)に合うように設定した)ので、高馬力により良好な登坂時の車速を確保するととともに、設定された最高速度以上の車速の増加を防止することができる。
<減速>
次に、平坦路の走行時或いは降坂時に減速した場合を説明する。
減速時、走行速度が10Km/hよりも高く、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの1/3より低下し、かつT/M速度段がHi(高速段)にあるときは、コントロールユニット80は減速状態と判定し、モータ容量「中」(第2容量)及びポンプ流量「小」(第1流量)を選択し、油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の吐出流量(エンジン回転数)をそれぞれその選択した容量及び流量となるように制御する。
このようにコントロールユニット80は走行減速状態を検出すると直ちに走行モータの容量を予め定められた容量である「中」に増加させる。これにより車体は降坂状況であっても十分な油圧ブレーキ力を得ることができる。また、車両の走行速度及びT/M速度段に応じ、必要時のみ、走行系の等価容量を増加させることにより、十分な油圧ブレーキ力を確保するとともに、ブレーキ力過大による減速ショック等、操作性能の悪化を防止することができる。
<降坂>
次に、運転者が減速操作を行わないまま降坂動作に入った場合を説明する。
降坂時、走行速度が10Km/hよりも速く、走行指令圧が最高指令圧力Ptmaxの2/3より高く、油圧ポンプ10の吐出圧力が3Mpaより低く、かつT/M速度段がHi(高速段)にあるときは、コントロールユニット80は降坂状態と判定し、モータ容量「中」(第2容量)及びポンプ流量「大」(第2流量)を選択し、油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の吐出流量(エンジン回転数)をそれぞれその選択した容量及び流量となるように制御する。
これにより降坂動作が検出されると走行モータ14の容量を予め定められた容量である「中」まで増加させるととともに、エンジン回転数が増加して油圧ポンプ10の吐出流量も予め定められた値「大」まで増加する。これにより最高速度を維持したまま降坂動作を行うことができるとともに、油圧ブレーキ力が増大することにより車体が自重により予め定められた最高速度を超えて加速するのを防止することができる。
<効果>
以上のように本実施の形態によれば、車両の走行状態を検出して車両の運転状態を判定し、その判定結果に応じて油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の吐出流量とを制御するので、燃費を悪化させることなく良好な走行性能を確保することができる。
すなわち、減速が必要な状態では予め油圧走行モータ14の容量を「中」と大きくし、車両が予め定められた最高速度を超過することを防止することができる。
また、単純に油圧走行モータ14の容量を大きくするだけでは降坂状態で最高速度を確保することができなくなるが、油圧走行モータ14の容量を大きくすると同時に油圧ポンプ10の吐出流量を「大」に制御して走行系の最大流量を大きくすることにより、安定した速度で坂道を降坂することができる。
更に、最高速度に至るまでの加速動作中においても、油圧走行モータ14の容量を大きくとることにより加速に必要な駆動圧が低くなり、油圧走行モータ14を含む走行系からの漏れ流量が減少し、加速動作中の全体効率が上がるとともに、加速感を向上させることができる。
また、減速が必要ない状態及び加速が必要ない状態では、油圧走行モータ14の容量を通常必要となる容量よりも「小」に下げることにより、速度を維持するために必要な流量をより小さくし、走行系の配管で生じる圧力損失を低く抑え、燃費を改善するとともに、圧力損失で生じる発熱も低くなるため、車体に必要な冷却装置も小型化することができる。
また、本実施の形態によれば、油圧走行モータ14の容量を「中」に制御したときに車両が設定最高速度で走行するのに必要な流量を油圧ポンプ10の流量「大」に合わせることにより、エンジン1の最高回転数を増加させたときの車速の増加を簡単かつ確実に防止することができる。
また、エンジン1の最高回転数を増加させる制御を行い、かつ油圧走行モータ14の容量と油圧ポンプ10の容量をそれぞれ制御することにより、高馬力により良好な走行性能を確保することができる。
本発明の他の実施の形態を図13〜図17を用いて説明する。本実施の形態は、加速動作以外の運転状態は、第1の実施の形態と同様、図5に示す判断選択機能を用いてモータ容量とポンプ流量を制御し、加速動作時については、車速偏差を用いてモータ容量とポンプ流量を制御するものである。
まず、車速偏差を用いた加速動作におけるポンプ流量制御について説明する。本実施の形態においても、ポンプ流量制御は、エンジンの最高回転数を変えることにより行うものとする。
図13は、車速偏差を用いて加速動作時にポンプ流量を制御するための機能を組み込んだエンジン制御演算部の概要を示す機能ブロック図である。図中、図9に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
本実施の形態におけるエンジン制御演算部は、図9に示した走行目標回転数演算部90、作業目標回転数演算部91、基準目標回転数演算部92、切換部97、最大値選択部98、目標回転数補正部99に加え、目標車速演算部93、車速偏差演算部94、加速回転数増分演算部95、加速目標回転数補正部96の各機能を有している。
目標車速演算部93は走行指令圧(アクセルペダル踏み込み量)に応じた目標車速Vtを出力し、車速偏差演算部94はその目標車速Vtから実際の走行速度Vrを減算して車速偏差ΔVを演算し、加速回転数増分演算部95はその車速偏差ΔVに応じた加速用補正回転数増分ΔNsを演算し、加速目標回転数補正部96はその増分ΔNsを走行目標回転数Ntに加算して補正し、走行目標回転数Nt1を出力する。
図14は、目標車速演算部93に設定された走行指令圧(アクセルペダル踏み込み量)Ptと目標車速Vtとの関係を示す図である。走行指令圧Ptが上昇するに従って目標車速Vtが増加する。
図15は、加速回転数増分演算部95に設定された車速偏差ΔVと加速用補正回転数増分ΔNsとの関係を示す図である。速度偏差ΔVが第1の値ΔV1に達するまでは、エンジン回転数増分ΔNsは0であり、第1の値ΔV1を超えると、加速動作であると判定し、速度偏差ΔVの増加に比例して増分ΔNsを急峻に増加させ、速度偏差ΔVが第2の値ΔV2を超えると、増分ΔNsを最大ΔNsmaxとする。
図16は車速偏差ΔVと加速用補正回転数増分ΔNsとの関係の変形例を示す図である。速度偏差ΔVが値ΔV3に達するまでは、増分ΔNsは最小値Nsminであり、値ΔV3を超えると、増分ΔNsをステップ的に最大ΔNsmaxまで増加させる。
増分ΔNsは、上記のように加速目標回転数補正部96において走行目標回転数Ntに加算され、その分、最終的な目標回転数Nf3は増大する。これにより第1の実施の形態と同様、増分ΔNsを出力したときは、エンジン1の最高回転数はNtmax1からNtmax2に上昇して、油圧ポンプ10の最大吐出流量はQmax1からQmax2に増加し、増分ΔNsの出力を停止すると、エンジン1の最高回転数はNtmax1に戻り、油圧ポンプ10の最大吐出流量はQmax2に減少する。
次に、車速偏差を用いた加速動作におけるモータ容量制御について説明する。
図17は車速偏差ΔVとモータ容量指令との関係を示す図である。速度偏差ΔVが第2の値ΔV2に達するまでは、モータ容量指令は「小」であり、第2の値ΔV1を超えると、加速動作であると判定し、モータ容量指令を「中」に切り換える。また、モータ容量指令の切り換えにはヒステリシスを持たせてあり、速度偏差ΔVの減少時は、速度偏差ΔVが第1の値ΔV1に達するまでは、モータ容量指令は「中」であり、第1の値ΔV1より小さくなると、加速動作が終了したと判定し、モータ容量指令を「小」に切り換える。
モータ容量指令を「中」に切り換えたとき、図6のステップS144の処理と同様、電磁比例弁81に対応する駆動信号(モータ容量指令信号;電圧信号)Emを出力する。これによりモータ容量指令は「中」に切り換えたときは油圧走行モータ14の容量は「中」に増加し、モータ容量指令は「小」に切り換えたときは油圧走行モータ14の容量は「小」に減少する。
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
本発明の更に他の実施の形態を図18〜図20を用いて説明する。本実施の形態は、登坂動作以外の運転状態は、第1の実施の形態と同様、図5に示す判断選択機能を用いてモータ容量とポンプ流量を制御し、登坂動作時については、油圧ポンプ10の吐出圧力(ポンプ圧)のみを用いてモータ容量とポンプ流量を制御するものである。
まず、ポンプ圧を用いた登坂動作におけるポンプ流量制御について説明する。本実施の形態においても、ポンプ流量制御は、エンジンの最高回転数を変えることにより行うものとする。
図18は、ポンプ圧を用いて登坂動作時にポンプ流量を制御するための機能を組み込んだエンジン制御演算部の概要を示す機能ブロック図である。図中、図9に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
本実施の形態におけるエンジン制御演算部は、図9に示した走行目標回転数演算部90、作業目標回転数演算部91、基準目標回転数演算部92、切換部97、最大値選択部98、目標回転数補正部99に加え、登坂回転数増分演算部95A及び登坂目標回転数補正部96Aの各機能を有している。
登坂回転数増分演算部95Aは圧力センサ73により検出した油圧ポンプ10の吐出圧力(ポンプ圧)Ppに応じた登坂用補正回転数増分ΔNsを演算し、登坂目標回転数補正部96Aはその増分ΔNsを走行目標回転数Ntに加算して補正し、走行目標回転数Nt1を出力する。
図18は、登坂回転数増分演算部95Aに設定されたポンプ圧Ppと登坂用補正回転数増分ΔNsとの関係を示す図である。油圧ポンプ10の吐出圧力(ポンプ圧)Ppが第1の値Paに達するまでは、エンジン回転数増分ΔNsは0であり、第1の値Paを超えると、登坂動作であると判定し、ポンプ圧Ppの増加に比例して増分ΔNsを急峻に増加させ、ポンプ圧Ppが第2の値Pbを超えると、増分ΔNsを最大ΔNsmaxとする。
増分ΔNsは、上記のように登坂目標回転数補正部96Aにおいて走行目標回転数Ntに加算され、その分、最終的な目標回転数Nf3は増大する。これにより第1の実施の形態と同様、増分ΔNsを出力したときは、エンジン1の最高回転数はNtmax1からNtmax2に上昇して、油圧ポンプ10の最大吐出流量はQmax1からQmax2に増加し、増分ΔNsの出力を停止すると、エンジン1の最高回転数はNtmax1に戻り、油圧ポンプ10の最大吐出流量はQmax2に減少する。
次に、ポンプ圧を用いた登坂動作におけるモータ容量制御について説明する。
図20はポンプ圧Ppとモータ容量指令との関係を示す図である。ポンプ圧Ppが第2の値Pbに達するまでは、モータ容量指令は「小」であり、第2の値Pbを超えると、登坂動作であると判定し、モータ容量指令を「中」に切り換える。また、モータ容量指令の切り換えにはヒステリシスを持たせてあり、ポンプ圧Ppの低下時は、ポンプ圧Ppが第1の値Paに達するまでは、モータ容量指令は「中」であり、第1の値Paより低くなると、登坂動作が終了したと判定し、モータ容量指令を「小」に切り換える。
モータ容量指令を「中」に切り換えたとき、図6のステップS144の処理と同様、電磁比例弁81に対応する駆動信号(モータ容量指令信号;電圧信号)Emを出力する。これによりモータ容量指令は「中」に切り換えたときは油圧走行モータ14の容量は「中」に増加し、モータ容量指令は「小」に切り換えたときは油圧走行モータ14の容量は「小」に減少する。
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
以上において、本発明の幾つかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は本発明の精神の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、油圧ポンプ10と油圧走行モータ14を接続する走行系の油圧回路を開回路式で説明したが、閉回路式の走行系油圧回路にも同様の構成にて本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態では、油圧走行モータ14の容量を外部指令により増加させたが、走行系のトランスミッション15等の変速機を切り換えて減速比を増加させることにより走行系の等価容量(油圧走行モータ14を含む走行系の等価容量)を増加させるようにしてもよく、これによっても同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、エンジン1の回転数を増加させることでポンプ流量を増加させ、走行系の最大流量(走行流量)を増加させたが、使用する油圧ポンプに余裕があれば油圧ポンプの最大容量を増加させる構成としてもよい。また、開回路式の走行系を有する車両でロードセンシング式の方向切換弁を使用する場合は、LS差圧(方向切換弁の前後差圧)を切り換えることにより走行系の最大流量を切り換えてもよい。
更に、複数の油圧ポンプを用い、それらの吐出油を合流させることで最大流量(走行流量)を得る場合は、合流させる油圧ポンプの数を切り換えることでもよい。
また、変速機の減速比によって各速度段での本発明の制御実施の有無、又は油圧走行モータの容量を切り換えることで、車両の走行性能を向上させることができる。
例えば3段の変速機を有する車両において、容量が著しく減少する3速では本発明の制御を適用するとともに、切替後の油圧走行モータの容量を大きく設定する。これにより十分な油圧ブレーキ力を確保することができる。逆に、等価容量が十分に大きくなる1速では、本発明の制御の適用を中止することで、減速時にブレーキ力が著しく大きくなり減速操作時に大きなショックが発生することを避けることができる。
また、この中間に位置する2速では、本発明の制御を適用するとともに、切替後のモータ容量を3速よりも小さくとることで、十分なブレーキ力と良好な減速時のフィーリングを確保することができる。
また、上記実施の形態では、油圧パイロット式の方向切換弁の場合を説明したが、電気レバー等を利用しコントローラで方向切換弁を操作するフライバイワイヤー式の車両においても適用することができる。
更に、上記実施の形態では、油圧ポンプ10が走行駆動回路のみに使用される例を説明したが、多連式の方向切換弁により走行以外のアクチュエータを駆動する場合でも、ポンプ圧及び他のアクチュエータの操作信号より走行単独動作か複合操作かを判断することにより、最適に実施することができる。
本発明が適用されるホイール式油圧ショベルを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係わる走行制御装置の全体構成図である。 図2に示したモータレギュレータの詳細を示す走行駆動回路の拡大図である。 コントロールユニットの処理機能のうち、モータ容量・ポンプ流量制御演算部の処理機能の全体概要を示すフローチャートである。 図4のステップS120及びS130における判断及び選択処理の詳細を示す図である。 図4のステップS140における油圧モータの制御処理の詳細を示すフローチャートである。 図4のステップS150におけるポンプ流量制御の制御処理の詳細を示すフローチャートである。 エンジン回転数増分ΔNの計算に用いる走行指令圧とエンジン回転数増分ΔNとの関係を示す図である。 コントロールユニットの処理機能のうち、エンジン制御演算部の概要を示す機能ブロック図である。 走行用目標回転数特性L1、作業用目標回転数特性L2、基準回転数特性L3との関係及び走行用目標回転数特性L1とエンジン回転数増分ΔNとの関係を示す図である。 ポンプレギュレータのトルク制御特性を示す図である。 ポンプレギュレータにより油圧ポンプの容量が制限制御される結果得られるポンプ圧とポンプ流量の関係を示す図(PQ線図)である。 本発明の他の実施の形態におけるコントロールユニットの処理機能のうち、エンジン制御演算部の概要を示す機能ブロック図である。 目標車速演算部に設定された走行指令圧(アクセルペダル踏み込み量)Ptと目標車速Vtとの関係を示す図である。 加速回転数増分演算部に設定された車速偏差ΔVと加速用補正回転数増分ΔNsとの関係を示す図である。 車速偏差ΔVと加速用補正回転数増分ΔNsとの関係の変形例を示す図である。 速度偏差ΔVを用いて加速動作を判定し、モータ容量を制御する場合の速度偏差ΔVとモータ容量制御指令との関係を示す図である。 本発明の更に他の実施の形態におけるコントロールユニットの処理機能のうち、エンジン制御演算部の概要を示す機能ブロック図である。 登坂回転数増分演算部に設定されたポンプ圧とエンジン回転数増分ΔNsとの関係を示す図である。 ポンプ圧を用いて登坂動作を判定し、モータ容量を制御する場合のポンプ圧とモータ容量制御指令の関係を示す図である。
符号の説明
1 エンジン(原動機)
10 油圧ポンプ
11 ポンプレギュレータ
12 走行制御弁(方向切換弁)
14 油圧走行モータ
15 トランスミッション
16 パイロット油圧源
20 走行パイロット操作回路
21 アクセルペダル
22a,22b 走行パイロット弁
23a,23b パイロットライン
30 走行駆動回路
31a,31b メイン管路
32 カウンタバランス弁
33 モータレギュレータ
34a,34b クロスオーバーロードリリーフ弁
35 シャトル弁
36 バルブ本体
37a,37b 絞り
38a,38b チェック弁
40 トランスミッション切換装置
41 電源
42 変速切換スイッチ
43 電磁弁
51 油圧シリンダ
52 サーボ弁
52a,52b 第1及び第2受圧部
52c,52d 第1及び第2スプリング
52s サーボ弁スプール
53 作動ロッド
54a,54b 第1制御管路
55 管路
71 回転数ピックアップ(走行速度検出手段)
72 油圧センサ(走行操作検出手段)
73 油圧センサ(駆動状況検出手段)
74 電圧センサ(T/M速度段検出手段)
75 エンジンコントロールダイヤル
76 油圧センサ(走行負荷圧力検出手段)
77 走行/作業選択スイッチ
80 コントロールユニット
81 電磁比例弁
82 エンジン制御装置
83 信号ライン
90 走行目標回転数演算部
91 作業目標回転数演算部
92 基準目標回転数演算部
93 目標車速演算部
94 車速偏差演算部
95 加速回転数増分演算部
96 加速目標回転数補正部
97 切換部
98 最大値選択部
99 目標回転数補正部

Claims (7)

  1. 原動機により駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給される圧油により駆動される可変容量型の油圧走行モータと、この油圧走行モータの出力軸に連結されたトランスミッションを介して、前記油圧走行モータの駆動力が伝達される車輪とを備え、走行操作指令に基づいて前記油圧走行モータを駆動する油圧式走行車両の走行制御装置において、
    前記油圧式走行車両の走行状態に関する複数のパラメータを検出する検出手段と、
    前記走行状態に関する前記複数のパラメータに基づいて前記油圧式走行車両が少なくとも加速動作、登坂状態、降坂状態及び通常走行状態のいずれの走行状態にあるかを判定する走行状態判定手段と、
    前記油圧走行モータの容量制御および前記トランスミッションの減速比制御のいずれかによって制御可能な前記油圧走行モータを含む走行系の等価容量と、前記原動機の回転数制御および前記油圧ポンプの容量制御のいずれかによって制御可能な前記油圧走行モータに供給される最大流量とを、前記走行状態判定手段により判定された前記油圧式走行車両の走行状態に応じてそれぞれ制御する制御手段とを備えることを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
  2. 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
    更に、前記油圧ポンプと前記油圧走行モータとの間に方向切換弁を備え、
    前記制御手段は、前記方向切換弁により、前記油圧走行モータに供給される最大流量を制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
  3. 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において
    記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記通常走行状態にあると判定されたときは前記油圧走行モータに供給される最大流量を予め定められた第1流量とし、かつ前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を、前記第1流量において予め設定された走行最高速度を確保できる等価容量である第1容量とし、前記走行状態が前記降坂状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を、前記第2容量において予め設定された最高速度を確保できる第2流量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
  4. 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において
    記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記通常走行状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を第1容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を第1流量とし、前記走行状態が前記加速状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量より大きい第2流量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
  5. 請求項1記載の油圧式走行車両の走行制御装置において
    記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記通常走行状態であると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を第1容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を第1流量とし、前記走行状態が前記登坂状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第1容量より大きい第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量より大きい第2流量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
    前記走行状態判定手段は、更に、前記走行状態が減速状態にあるかを判定し、
    前記制御手段は、前記走行状態判定手段により前記走行状態が前記減速状態にあると判定されたときは、前記油圧走行モータを含む走行系の前記等価容量を前記第2容量としかつ前記油圧走行モータに供給される最大流量を前記第1流量とするよう制御することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の油圧式走行車両の走行制御装置において、
    前記検出手段は、前記油圧式走行車両の走行状態として、少なくとも、前記油圧式走行車両の走行速度と、前記走行操作指令と、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出することを特徴とする油圧式走行車両の走行制御装置。
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