JPH0560088A - 二重通路同時送風装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内外通路間の気体の漏れがなく、また、必要
に応じて送風方向を逆にしうる二重通路同時送風装置を
提供する。 【構成】 同軸的に置かれた一対の内側通路形成部材と
その外側に同心的に置かれた外側通路形成部材とから二
重通路を形成し、内側通路内に送風機を置き、同送付機
の羽根の外縁に前記一対の内側通路形成部材の間の環状
間隔部を外側通路へ貫通する環状の結合部材を取付け、
その外側通路内に露出している部分に前記とは別の送付
羽根を取付け、前記環状間隔部にラビリンスシールを構
成し、必要に応じて送風機を逆転可能にし、送風羽根を
正逆両方向送風可能形状とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は二重通路同時送風装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】二重通路同時送風装置は、円筒形の一対
の内側通路形成部材を間隔を置いて同軸的に設け、その
外側に同心的に円筒形の外側通路形成部材を配置し、内
側と外側の空気通路を形成し、内側通路内に内側送風羽
根を備えた回転送風機を設置し、前記一対の内側通路形
成部材の間に形成された環状の間隔部において、前記内
側送風羽根の外側に、適当な結合部材を介して、外側通
路内に設けられた外側送風羽根を結合し、内側通路と外
側通路のそれぞれにおいて、同時に送風させるものであ
る。

【０００３】この種の二重通路同時送風装置の例として
は、実公昭４７−２５１５６、および特開昭６０−４８
４３２に示されているものが知られている。これらの概
要は次の通りである。なお、以下の説明においては、後
述の本出願発明の実施例の構成部材に対応する部材につ
いては、同実施例に用いている符号及び名称を用いて説
明を行っている。

【０００４】図９は上記従来技術の第１の例（実公昭４
７−２５１５６）の主要部の縦断面図である。図におい
て、１および２は互いに間隔を置いて同軸的に設けられ
た一対の内側通路形成部材、３は同内側通路部材の外側
に同心的に設けられた外側通路形成部材、４は内側通路
部材の内側に形成される内側通路、５は内側通路部材と
外側通路部材の間に形成される外側通路、６は内側通路
形成部材１に取付けられた支持部材、８は同支持部材を
介して内側通路４内に保持されている駆動軸、９は同駆
動軸の先端に取付けられている後述の送風羽根のボス、
１０は同ボスに取付けられている内側送風羽根、１１は
内側通路部材１，２の互いに向き合う端部の間に形成さ
れている環状の間隔部において同内側送風羽根の外側に
取付けられている環状の結合部材である。これはその長
さがその直径に比してはるかに短い円筒体から構成され
ている。１２は同結合部材の外側に取付けられている外
側送風羽根である。結合部材１１は内側通路部材１，２
と共に内側通路と外側通路の境界を形成する。以上の各
部分によって二重通路同時送風装置が構成されている。
以下の各部分は、エアカーテン形成の目的で上記二重通
路同時送風装置に付加されている部分である。１３は内
側通路部材２の下部に連る内側フード、１４は外側通路
部材３の下部に連る外側フード、１５は上記両フードの
間に形成される末広がり通路である。

【０００５】本装置は、全体としては換気装置である
が、その一部として二重通路同時送風装置が使用されて
いるものである。駆動軸８の一方向回転により送気方向
を互いに異にする内側送風羽根１０と外側送風羽根１２
とを同軸回転させ、外側通路５内の外側送風羽根１２に
よって上方から吸引された新鮮な空気を、外側通路５の
下部に連る末広がり通路１５より下方へ噴出させて円錐
状のエアカーテンを形成し、同エアカーテンによって包
まれた下方空間内の汚染空気を内側送風羽根１０によっ
て、内側通路４を経由して上方へ排出する。

【０００６】図１０は従来技術の第２の例（特開昭６０
−４８４３２）の主要部の縦断面図である。図におい
て、前記従来の第１の例と同じ作用の部分には、図９と
同一の符号が付してある。本例も、前記第１の例と同様
な目的の換気装置である。本例においては、内側通路形
成部材１と同２との間の環状の間隔部と、その部分を貫
通する内側送風羽根１０と外側送風羽根１２の結合部と
の構造上の相互関係についての詳細が不明である点を除
けば、二重通路同時送風装置の部分の目的、構造、およ
び作用は、従来の第１の例とほぼ同じである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、いずれも、一対の内側通路形成部材の間に形成さて
いる環状の間隔部において、固定されている内側通路形
成部材の端部と、回転する内側送風羽根と外側送風羽根
の結合部との間の気密保持技術については、述べられて
いないので不明である。また上記従来技術における二重
通路同時送風装置は、その使用目的が限定されており、
換気装置としての目的に沿うように、その送風方向は所
定方向に定められたままであり、逆方向に送風すること
は考えられてしないので、一般的利用を目的とした二重
通路同時送風装置とはなっていない。

【０００８】本発明は上記の内側通路形成部材の間隔部
における、固定部と回転部との間の気密保持が十分行わ
れるようにして効率を向上し、かつ正逆回転両用可能翼
を備えて吸気と排気とを入れ替えて使用することができ
るようにして一般性を付与した、二重通路同時送風装置
を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
したものであって、次の特徴を有する二重通路同時送風
装置に関するものである。 （１）軸方向に間隔を置いて設けられ内側通路を形成す
る一対の円筒形の内側通路形成部材と、同内側通路の外
周に外側通路を形成する円筒形の外側通路形成部材とか
ら二重通路を形成し、前記内側通路内に同通路内の流体
を圧送する送風機を設置し、同送風機の送風羽根の外縁
に前記一対の内側通路形成部材の間に形成された環状の
間隔部を外側通路側へ貫通する環状の結合部材を取付
け、同結合部材の外側通路内に露出している部分に外側
通路内の流体を圧送する送風羽根を取付けたこと。 （２）前記（１）項の二重通路同時送風装置において、
前記環状の結合部材の内周部および外周部に、円筒部を
形成したこと。 （３）前記（１）項の二重通路同時送風装置おにいて、
前記環状の間隔部における内側通路形成部材の端部と前
記環状の結合部材との間にラビリンスシールを構成した
こと。 （４）前記（１）項の二重通路同時送風装置において、
前記送風機を正逆回転駆動を可能とすると共に、前記内
側および外側の送風羽根をそれぞれ正逆両方向に流体を
圧送できる羽根形状としたこと。

【００１０】

【作用】

（１）内側通路形成部材は、外側通路形成部材の内側に
おいて、内側と外側の通路を仕切ると共に、同部材の間
に設けられた環状の間隔部は、内側送風羽根と外側送風
羽根との接続機能をはたす環状の結合部材の、内外両通
路をまたいで行われる回転を可能にする。これによって
内側と外側の通路でそれぞれ送風が行われる。 （２）環状の結合部材の内周部と外周部に形成された円
筒部は、内側と外側の送風羽根を取付けるために用いら
れる。さらに次項に述べるラビリンスの構成する際にも
用いられる。 （３）環状の間隔部における内側通路形成部材の端部と
環状の結合部材との間にラビリンスシールを構成したこ
とによって内外通路間の気密が保持され、送風装置の効
率が向上する。 （４）正逆両方向に送風できることによって、広い利用
範囲に適用できる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の二重通路同時送風装置の第１
実施例の縦断面図、図２は図１のＡ−Ａ断面図である。
図において、１および２は一対の円筒形の内側通路形成
部材であり、これらは同一直径で、互いに同軸上に間隔
を置いて設けられているものである。３は上記内側通路
形成部材の外側に同心的に設けられている円筒形の外側
通路形成部材である。４は前記内側通路形成部材１およ
び２の内側に形成される内側通路、５は前記内側通路形
成部材１，２と外側通路形成部材３との間に形成される
外側通路である。６は内側通路形成部材１の内側に取付
けられている支持部材、７は同支持部材に支持されてい
る駆動装置、８は同駆動装置の駆動軸、９は同駆動軸の
先端に取付けられている後述の送風羽根のボスである。
１０は同ボスの外周に取付けられ前記内側通路４の中で
回転する内側送風羽根、１１は前記内側通路形成部材１
と２との間の環状の間隔部において、内側通路４と外側
通路５とにまたがって設けられ、前記内側送風羽根１０
の先端部に固定されている環状の結合部材、１２は同結
合部材の外周部に取付けられ前記外側通路内において回
転する外側送風羽根である。

【００１２】図１のＢ部分は簡略化した作図で示してあ
るが、図３はその部分の拡大詳細図である。図におい
て、１および２は内側通路部材、４は内側通路、５は外
側通路、１０は内側送風羽根、１２は外側送風羽根、１
１は内側送風羽根１０と外側送風羽根１２とを結合する
結合部材である。２１は内側通路形成部材１および２の
端部に互いに対向して取付けられている環状ラビリンス
部材である。２７はその対向面側において対向方向に突
出するよう設けられている同心円状の複数の、環状に連
なる絞り片である。符号２４，２５，２６を付した部分
は結合部材１１を構成する３個の部分であって、２４は
内側円筒部、２５は外側円筒部、２６は上記両円筒部２
４，２５の間に設けられている板状部、２８は同板状部
に設けられ前記環状ラビリンス部材２１に設けられてい
る環状の絞り片２７がゆるやかに挿入される同心円状の
複数の環状凹部である。

【００１３】以上述べた装置において、駆動装置７が運
転されると駆動軸８の先端に取付けられているボス９、
内側送風羽根１０、結合部材１１、および外側送風羽根
１２が一体となって回転し、内側通路４と外側通路５と
において、内外の送風羽根１０，１２の取付角に応じた
方向へ、それぞれ送風が行われる。この時、羽根の取付
角は自由であり、内外通路で同方向に送風されてもよい
し、互いに逆方向に送風されてもよい。また、内外の羽
根１０，１２において、正逆回転可能な翼型を採用して
あれば、必要に応じて駆動装置７の回転方向を変更する
ことによって、送風方向を反対向きに変えることができ
る。また、内側通路形成部材１，２の間の間隔部におい
ては、環状ラビリンス部材２１と結合部材の板状部２６
との間においてラビリンスシールが構成され、環状の絞
り片２７と環状凹部２８とによって形成されるラビリン
ス通路の作用によって、内外通路間での空気の漏れが防
がれ、十分な気密の保持がなされるので、前述の内外通
路のそれぞれにおける送風は効率的に行われる。

【００１４】図４、図５および図６は、それぞれ本発明
の第２、第３および第４実施例の結合部材周辺の縦断面
図である。これらの各実施例において、図示の部分以外
の部分は第１実施例と同じであり、また、これらの図に
おいて、第１実施例と同じ機能の部分には同じ符号が付
してある。

【００１５】図４に示す第２実施例は、結合部材１１の
内側円筒部２４が外側円筒部２５とは軸方向反対向きに
伸びる形に作られ、かつ同結合部材の板状部に第１実施
例に設けられていた環状凹部が設けられていない例であ
る。内側円筒部と外側円筒部の相互位置関係は、送風機
の作用に関係しないものであるからどちらでもよい。ま
た、内外通路の圧力差が低い場合は、環状凹部を省略す
ることによって、加工コストの低減の効果がある。

【００１６】図５に示す第３実施例において、２２は内
側通路形成部材１の内側の、結合部材の内側円筒部２４
に対向する位置に設けられた内側筒状ラビリンス部材、
２３は内側通路形成部材２の外側の、結合部材の外側円
筒部２５に対向する位置に設けられた外側筒状ラビリン
ス部材である。内側筒状ラビリンス部材２２には、上記
内側円筒部２４に対向する内側方向に突出する複数列の
環状に連なる絞り片２７が設けられている。また、外側
筒状ラビリンス部材２３には、上記外側円筒部２５に対
向する外側方向に突出する複数列の環状に連なる絞り片
２７が設けられている。本実施例においても前記実施例
と同様な作用および効果がもたらされる。

【００１７】図６に示す第４実施例は、前述の第２実施
例と第３実施例とを融合したものである。すなわち、前
述の各実施例に用いられている環状ラビリンス部材２
１、内側筒状ラビリンス部材２２、および外側ラビリン
ス部材２３がいずれも使用されている。本実施例におい
ても前記各実施例と同様な作用および効果がもたらされ
る。なお、各ラビリンス部材の対向側に、絞り片２７が
ゆるやかに挿入される環状凹部（第１実施例に示したよ
うなもの）を設けていない実施例においても、そのよう
な環状凹部を設けることによって、内外通路の圧力差が
大きい場合の気密性を十分に保つようにすることができ
る。

【００１８】上記各実施例で詳細を説明した本発明の二
重通路同時送風装置は、従来技術で述べた換気装置に適
用できることは勿論であるが、次に述べるようなその他
の利用分野がある。

【００１９】図７は本発明の第１の利用例の系統図であ
る。図において、３０は本発明の二重通路同時送風装
置、３４は同送風装置を支えている仕切壁、３５は屋内
空間、３６は屋外空間、３１は屋外空間に設置された全
熱交換器、３２および３３は同全熱交換器３１のそれぞ
れ独立な流体通路である。上記送風装置３０の羽根は、
内側通路４において屋外方向へ、外側通路５において屋
内へ送風するように設けられている。３７Ａ，３７Ｂは
屋内から屋外へ排出される空気流の方向、３８Ａ，３８
Ｂは屋外から屋内へ取入れられる空気流の方向である。

【００２０】本例は、屋内外の換気装置における空気流
の経路に全熱交換器３１を介在させることによって、排
出空気と取入れ空気との間で熱交換を行わせるもので、
例えば屋内が冷房され、屋内空気が屋外空気に比して低
温になっている場合には、排出空気によって取入れ空気
を冷却し、侵入熱量を抑制し、冷房に要する消費電力を
低減させるものである。

【００２１】図８は本発明の第２の利用例の系統図であ
る。図において、３０は本発明の二重通路同時送風装
置、４０は除塵器、４１は同除塵器の吸入口、４２は同
除塵器の排気口である。本例の送風装置３０においては
内側通路４が除塵器の吸入口４１に連通し、外側通路５
が除塵器の排気口４２に連通している。またこの送風装
置３０の羽根は、内側通路において空気を除塵器４０へ
送り、外側通路において除塵器４０から空気を環流させ
るように設けられている。矢印４３は含塵空気、矢印４
４は除塵器から送出された清浄空気である。本例は内外
通路の送風羽根によって強制的に含塵空気４３の送り込
みと除塵後の清浄空気４４の環流を行わせるものであっ
て、空気の循環が強力に行われるという効果がある。

【００２２】

【発明の効果】本発明の二重通路同時送風装置は、軸方
向に間隔を置いて設けられた一対の内側通路形成部材
と、その外側に設けられた外側通路形成部材とから二重
通路を形成し、内側通路内に送風機を設置し、同送風機
の送風羽根の外縁に前記一対の内側通路形成部材の間に
形成された環状間隔部を外側通路側へ貫通する環状の結
合部材を取付け、同結合部材の外側通路側に前記とは別
の送風羽根を取付け、また、前記結合部材の内周部と外
周部に円筒部を形成して羽根の取付けに用い、また前記
環状間隔部にラビリンスを構成し、また、必要に応じて
送風機を逆転可能にし送付羽根を逆方向送風可能の形状
としたので、内外通路の気密を保持しつつ二重通路にお
いて同時に送風が可能であり、さらに必要に応じて正逆
両方向に送風を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の縦断面図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】図１のＢ部分の拡大詳細図。

【図４】本発明の第２実施例の要部縦断面図。

【図５】本発明の第３実施例の要部縦断面図。

【図６】本発明の第４実施例の要部縦断面図。

【図７】本発明の第１の利用例の系統図。

【図８】本発明の第２の利用例の系統図。

【図９】従来の二重通路同時送風装置の第１の例の縦断
面図。

【図１０】従来の二重通路同時送風装置の第２の例の縦
断面図。

【符号の説明】

１ 内側通路形成部材 ２ 内側通路形成部材 ３ 外側通路形成部材 ４ 内側通路 ５ 外側通路 ６ 支持部材 ７ 駆動装置 ８ 駆動軸 ９ ボス １０ 内側送風羽根 １１ 結合部材 １２ 外側送風羽根 １３ 内側フード １４ 外側フード １５ 末広がり通路 ２１ 環状ラビリンス部材 ２２ 内側筒状ラビリンス部材 ２３ 外側筒状ラビリンス部材 ２４ 内側円筒部 ２５ 外側円筒部 ２６ 板状部 ２７ 絞り片 ２８ 環状凹部 ３０ 二重通路同時送風装置 ３１ 全熱交換器 ３２ 流体通路 ３３ 流体通路 ３４ 仕切壁 ３５ 屋内空間 ３６ 屋外空間 ３７Ａ，３７Ｂ 排出空気 ３８Ａ，３８Ｂ 取入れ空気 ４０ 除塵器 ４１ 吸入口 ４２ 排出口 ４３ 含塵空気 ４４ 清浄空気

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に間隔を置いて設けられ内側通路
   を形成する一対の円筒形の内側通路形成部材と、同内側
   通路の外周に外側通路を形成する円筒形の外側通路形成
   部材とから二重通路を形成し、前記内側通路内に同通路
   内の流体を圧送する送風機を設置し、同送風機の送風羽
   根の外縁に前記一対の内側通路形成部材の間に形成され
   た環状の間隔部を外側通路側へ貫通する環状の結合部材
   を取付け、同結合部材の外側通路内に露出している部分
   に外側通路内の流体を圧送する送風羽根を取付けたこと
   を特徴とする二重通路同時送風装置。
2. 【請求項２】 前記環状の結合部材の内周部および外周
   部に、円筒部を形成したことを特徴とする請求項１の二
   重通路同時送風装置。
3. 【請求項３】 前記環状の間隔部における内側通路形成
   部材の端部と前記環状の結合部材との間にラビリンスシ
   ールを構成したことを特徴とする請求項１の二重通路同
   時送風装置。
4. 【請求項４】 前記送風機を正逆回転駆動を可能とする
   と共に、前記内側および外側の送風羽根をそれぞれ正逆
   両方向に流体を圧送できる羽根形状としたことを特徴と
   する請求項１の二重通路同時送風装置。