JPH0559865U - 焦電型センサ - Google Patents
焦電型センサInfo
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ドレイン、ソース及びゲートの各電極とSi
半導体とを備えたMOS型素子のドレイン電極上に、P
bTiO3等の焦電体を直接成膜する際の成膜温度を低
下させる。 【構成】 ドレイン電極4においては、Si半導体2へ
の接続側を、Si又はSiO2とオーミックコンタクト
の良好なAl等の材料で構成する一方、PbTiO3等
の成膜される部分を、これらと格子定数の差が3%以内
となるようなPt等の材料で構成する。また焦電体又は
強誘電体が酸化物系のものである場合に、これらの成膜
される部分を、これらと同じ結晶構造の酸化物超電導体
等で構成する。
半導体とを備えたMOS型素子のドレイン電極上に、P
bTiO3等の焦電体を直接成膜する際の成膜温度を低
下させる。 【構成】 ドレイン電極4においては、Si半導体2へ
の接続側を、Si又はSiO2とオーミックコンタクト
の良好なAl等の材料で構成する一方、PbTiO3等
の成膜される部分を、これらと格子定数の差が3%以内
となるようなPt等の材料で構成する。また焦電体又は
強誘電体が酸化物系のものである場合に、これらの成膜
される部分を、これらと同じ結晶構造の酸化物超電導体
等で構成する。
Description
【0001】
この考案はMOS型素子を利用した焦電型センサに関するものである。
【0002】
金属、酸化物絶縁膜、半導体を組合わせたMOS型の電界効果トランジスタ( FET)を利用した表示素子の一例を図5に示す。同図において、31は石英、 ガラス等の透明基板、32はP型Si半導体、33はSiO2、34はドレイン 電極、35はソース電極、36はゲート電極をそれぞれ示している。この場合、 ドレイン電極34は、アモルファスITO(錫をドープした酸化インジウム)に よって形成されると共に、その上に液晶37等が配置され、これらによって表示 素子が構成されている。
【0003】 ところで上記のような素子構造を利用して焦電型イメージセンサを構成しよう とする場合、図4に示すように、上記液晶37に代えてPbTiO3のような焦 電体27を、ドレイン電極34上に直接成膜することが考えられる。なお成膜法 を用いてイメージセンサを製造する点は、特開平2−280373号公報に開示 されている。なお図4及び図5における36aは、絶縁用のSiO2を示すもの である。
【0004】
しかしながら上記のようにドレイン電極34上に焦電体を直接成膜する場合に は、次のような間題の生ずることが予想される。それはSi半導体にドープした 物質の熱拡散を防止したり、Al製の配線部分の溶損を防止するため、かなり低 温での成膜を行う必要がある反面、このような低温では、アモルファスITO3 4上へ成膜した焦電体27の結晶化が困難であるということである。
【0005】 この考案は上記した従来の欠点を解決するためになされたものであって、その 目的は、結晶化した焦電体等を低温で成膜することを可能にし、そのため高能率 かつ安価に製造可能な焦電型センサを提供することにある。
【0006】
そこで請求項1の焦電型センサは、ドレイン、ソース及びゲートの各電極と、 Si半導体とを備えたMOS型素子の上記ドレイン電極上に、強誘電体又は焦電 体を成膜して成る焦電型センサであって、上記ドレイン電極は、Si又はSiO2 とオーミックコンタクトが良好で、かつ強誘電体又は焦電体と格子定数の近接 した材料にて構成されていることを特徴としている。
【0007】 また請求項2の焦電型センサは、上記ドレイン電極は、少なくとも2種類の材 質によって構成され、Si半導体への接続側が、Si又はSiO2とオーミック コンタクトの良好なAl等の材料で、またPbTiO3等の強誘電体又は焦電体 の成膜される部分がこれらと格子定数の近接したPt等の材料にてそれぞれ構成 されていることを特徴としている。
【0008】 さらに請求項3の焦電型センサは、上記ドレイン電極における強誘電体又は焦 電体の成膜される部分の格子定数と、上記強誘電体又は焦電体と格子定数との差 が、10%以内、好ましくは3%以内であることを特徴としている。
【0009】 請求項4の焦電型センサは、上記ドレイン電極は、少なくとも2種類の材質に よって構成され、Si半導体への接続側が、Si又はSiO2とオーミックコン タクトの良好なAl等の材料で、またPbTiO3等の酸化物系の強誘電体又は 焦電体の成膜される部分が、これらと格子定数が近接すると共に、これらと同じ 結晶構造を有する酸化物超電導体又は酸化物半導体にてそれぞれ構成されている ことを特徴としている。
【0010】
上記請求項1及び請求項2の焦電型センサにおいては、強誘電体又は焦電体と 格子定数の近接したドレイン電極上に成膜する構成であることから、例えば40 0℃以下の低温においても結晶化した成膜が可能である。またドレイン電極とし て、Si又はSiO2とのオーミックコンタクトを考慮した材質選択を行ってい るので、MOS型素子としての機能を維持し得る。
【0011】 また請求項3の焦電型センサでは、より低温での条件において、結晶化した成 膜が可能である。
【0012】 さらに請求項4の焦電型センサでは、格子定数を近接させると共に、結晶構造 を合致させてあるので、成膜時に強誘電体又は焦電体がエピタキシャル成長し易 くなり、この点においても低温条件での結晶化した成膜が可能である。
【0013】
図1において、1は基板、2はP型(あるいはn型)Si半導体、3はSiO2 、4はドレイン電極、5はソース電極、6はゲート電極、7は焦電体膜をそれ ぞれ示している。この場合、上記ドレイン電極4は、Si半導体2への接続部近 傍4aがAlで形成される一方、それ以外の部分4bがPtで形成され、このP tで形成された部分4bの上にPbTiO3より成る焦電体膜7が成膜されてい る。このようにSi半導体2への接続部近傍4aをAlで形成してあるのは、S i又はSiO2へのオーミックコンタクト(非整流性接触)を確保するためであ り、またそれ以外の部分4bをPtで形成してあるのは、Alとの電気的接合が 良好でかつPtの格子定数が焦電体膜7(PbTiO3)の格子定数と近接して あるためである。ちなみにPtの格子定数が3.90Åであるのに対し、PbT iO3の格子定数は3.91Åである。なお同図における6aは、絶縁用のSi O2を示している。
【0014】 この成膜は、真空チャンバー内に配置したターゲットに、レーザビーム(Ar Fエキシマレーザ〔波長193nm〕)を照射し、このターゲットから生成する 励起種を、ターゲットと相対向して同チャンバー内に配置した上記ドレイン電極 4に蒸着させることによって行うが、その際の具体的な成膜条件は、以下の通り である。
【0015】 レーザ強度 :1〜3J/cm2 繰返し周波数 :5〜30Hz 電極温度 :400℃ 雰囲気酸素分圧:約0.1Torr ターゲット :PbTiO3
【0016】 上記において成膜したPbTiO3膜のアズ・デポ状態でのX線回折パターン を図2に示すが、同図のように、C軸配向を示す指数(001)のX線強度が高 く、これにより充分にC軸配向した結晶化膜の成膜が行われていることを確認で きた。なおこの場合、ドレイン電極4及びPbTiO3膜7の厚さは、共に数μ mであった。
【0017】 これに対し、従来のアモルファスITO上に、上記同様の条件で成膜したPb TiO3膜は、図3にX線回折パターンを示すように、結晶化がなされておらず 、このことから結晶化のためには、さらに成膜温度を上昇させる必要のあること が明らかである。
【0018】 上記ドレイン電極4において、Si半導体2への接続部近傍4aをAlで形成 しているが、この部分はAuであってもよい。またそれ以外の部分4bは、Pt 以外にも、Pd、Ag、SnO2、PbO、ニオブをドープしたSrTiO3、 Pb、In、V2O3、Fe2O3、Nb2O5、RuO2、ReO3、IrO2 、TiO2、Bi2O3+Wドープ等で形成してもよい。さらに焦電体膜7は 、強誘電体の膜であってもよいし、しかもPbTiO3以外のもの、例えばBa TiO3、LiTaO3、LiNbO3等であってもよく、要はドレイン電極4 における成膜部4bとの格子定数が近接しているもの、例えば格子定数の差が1 0%以下、好ましくは3%以下のものであればよい。さらに上記実施例では、ド レイン電極4を2つの金属にて形成しているが、場合によっては単一金属にて形 成することも可能である。
【0019】 さらに上記実施例ではMOS型FETでの適用例を示しているが、MOS型C CDにおいても略同様に実施可能である。
【0020】 上記焦電体又は強誘電体の薄膜7が酸化物系のもの(例えば、PbTiO3) である場合、ドレイン電極4における成膜部4bとしては、格子定数が近接する と共に、同一の結晶構造(例えばペレブスカイト構造)を有する酸化物超電導体 (例えば、YBa2Cu3O7)又は酸化物半導体を使用できる。このような材 料選択を行った場合には、成膜部4bが金属である場合に比して、次のような利 点が生じる。
【0021】 それは格子定数が近接しているのに加えて結晶構造が合致しているので、薄膜 7がエピタキシャル成長し易く、そのため良好な結晶化薄膜7を低温で得られる ということである。またレーザアブレーション法によって平滑な成膜部4bを形 成し得るという利点もある。さらに成膜部4bと薄膜7との熱膨張率を近接させ 得ることから、薄膜7の成膜時にクラック等の欠陥を防止し得ることにもなる。 しかも上記酸化物超電導体等においては、その材料特性を調節して、充分な電気 伝導性を維持しながらも、熱伝導性を小さくしてセンサ感度を向上させることが 可能である。
【0022】 なお酸化物超電導体等を赤外線透過層を兼ねた上部電極として使用すれば、輻 射率が金属よりも大であることから、センサの出力電荷を向上させることが可能 になる。
【0023】 上記において用いる酸化物超電導体としては、具体的には次の(1)〜(5) を例示できる。 (1)Ln(ランタニド)を含む複合酸化物 (Ln1−xMx)2CuO4 (0≦x≦1) Ln1M2Cu3O7−y (0≦y≦1) Ln=La、Nd、Sm、Eu、Gd、Y、Dy、Ho、Er、Tm、Yb M=Ba、Sr、Ca等 (2)Biを含む複合酸化物 Bi2Sr2Can−1CunO2n+4 (n=1〜5) Ba1−xKxBiO3 (0≦x≦1) Bi1−xPbxBaO3 (3)Tlを含む複合酸化物 Tl2Ba2Can−1CunO2n+4 (n=1〜3) TlBa2Can−1CunO2n+3 (n=1〜4) (4)Srを含む複合酸化物 SrCuO2 (Sr1−xCax)CuO2 (5)その他のCuを含む複合酸化物 Pb2Sr2RCu3O8 R:希土類元素
【0024】 また酸化物半導体としては、NiO、Cr2O3、Cu2O、MnO2、Zn O、V2O5、Fe2O3、TiO2を例示し得る。
【0025】
上記請求項1及び請求項2の焦電型センサでは、MOS型素子としての機能を 維持しつつも、結晶化した強誘電体又は焦電体を低温にて成膜し得るので、高能 率かつ安価に製造可能な焦電型センサを提供できる。
【0026】 また請求項3及び請求項4の焦電型センサでは、結晶化膜の成膜条件をさらに 低温化し得るので、製造能率を一段と向上できる。
【図1】この考案の焦電型センサの一実施例を示す中央
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】Pt製ドレイン電極上に成膜されたPbTiO
3のX線回折パターンを示すグラフである。
3のX線回折パターンを示すグラフである。
【図3】アモルファスITO製ドレイン電極上に成膜さ
れたPbTiO3のX線回折パターンを示すグラフであ
る。
れたPbTiO3のX線回折パターンを示すグラフであ
る。
【図4】従来のMOS型素子を用いたときの焦電型セン
サの一例の中央縦断面図である。
サの一例の中央縦断面図である。
【図5】従来のMOS型表示素子を液晶ディスプレイと
して用いたときの一例の中央縦断面図である。
して用いたときの一例の中央縦断面図である。
2 Si半導体 4 ドレイン電極 5 ソース電極 6 ゲート電極 7 焦電体膜
フロントページの続き (72)考案者 藤岡 順三 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)考案者 南方 俊一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)考案者 川合 知二 大阪府箕面市小野原2494−615 (72)考案者 河合 七雄 大阪府吹田市千里山西五丁目47−20
Claims (4)
- 【請求項1】 ドレイン、ソース及びゲートの各電極
と、Si半導体とを備えたMOS型素子の上記ドレイン
電極上に、強誘電体又は焦電体を成膜して成る焦電型セ
ンサであって、上記ドレイン電極は、Si又はSiO2
とオーミックコンタクトが良好で、かつ強誘電体又は焦
電体と格子定数の近接した材料にて構成されていること
を特徴とする焦電型センサ。 - 【請求項2】 上記ドレイン電極は、少なくとも2種類
の材質によって構成され、Si半導体への接続側が、S
i又はSiO2とオーミックコンタクトの良好なAl等
の材料で、またPbTiO3等の強誘電体又は焦電体の
成膜される部分が、これらと格子定数の近接したPt等
の材料にてそれぞれ構成されていることを特徴とする請
求項1の焦電型センサ。 - 【請求項3】 上記ドレイン電極における強誘電体又は
焦電体の成膜される部分の格子定数と、上記強誘電体又
は焦電体と格子定数との差が、10%以内、好ましくは
3%以内であることを特徴とする請求項1又は請求項2
の焦電型センサ。 - 【請求項4】 上記ドレイン電極は、少なくとも2種類
の材質によって構成され、Si半導体への接続側が、S
i又はSiO2とオーミックコンタクトの良好なAl等
の材料で、またPbTiO3等の酸化物系の強誘電体又
は焦電体の成膜される部分が、これらと格子定数が近接
すると共に、これらと同じ結晶構造を有する酸化物超電
導体又は酸化物半導体にてそれぞれ構成されていること
を特徴とする請求項1の焦電型センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991114490U JP2531222Y2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-12-27 | 焦電型センサ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7724291 | 1991-06-18 | ||
JP3-77242 | 1991-06-18 | ||
JP1991114490U JP2531222Y2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-12-27 | 焦電型センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559865U true JPH0559865U (ja) | 1993-08-06 |
JP2531222Y2 JP2531222Y2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=26418345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991114490U Expired - Lifetime JP2531222Y2 (ja) | 1991-06-18 | 1991-12-27 | 焦電型センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2531222Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0972783A (ja) * | 1995-09-01 | 1997-03-18 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 薄膜焦電型赤外線検出素子及びその作製方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62822A (ja) * | 1985-06-27 | 1987-01-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 赤外線検出素子 |
JPS6355450U (ja) * | 1986-09-29 | 1988-04-13 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP1991114490U patent/JP2531222Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62822A (ja) * | 1985-06-27 | 1987-01-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 赤外線検出素子 |
JPS6355450U (ja) * | 1986-09-29 | 1988-04-13 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0972783A (ja) * | 1995-09-01 | 1997-03-18 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 薄膜焦電型赤外線検出素子及びその作製方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2531222Y2 (ja) | 1997-04-02 |
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