JPH0559655A - 不織布 - Google Patents

不織布

Info

Publication number
JPH0559655A
JPH0559655A JP3213904A JP21390491A JPH0559655A JP H0559655 A JPH0559655 A JP H0559655A JP 3213904 A JP3213904 A JP 3213904A JP 21390491 A JP21390491 A JP 21390491A JP H0559655 A JPH0559655 A JP H0559655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
elongation
woven fabric
bulky
spunbonded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3213904A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kaneko
明 金子
Korenori Kobayashi
是則 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP3213904A priority Critical patent/JPH0559655A/ja
Publication of JPH0559655A publication Critical patent/JPH0559655A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 横方向の伸度が大きくて、弾性が小さく、し
かも縦方向の引張強度が大きくて、生産性が高いスパン
ボンド不織布、かさ高化可能な複合不織布、およびかさ
高複合不織布を得る。 【構成】 捲縮数10個/25mm以上の長繊維からな
り、横方向の伸度が100%以上で、横方向100%伸
長時の伸長弾性率が65%以下であるスパンボンド不織
布。この不織布を弾性材料にポイント接着後、横方向に
引張り不織布にたるみを形成したかさ高複合不織布。 【効果】 横方向の伸度が大きくて、弾性がないかまた
は小さく、しかも縦方向の引張強度が大きくて、生産性
が高く、かさ高複合不織布に好適に利用できるスパンボ
ンド不織布が得られる。この不織布を利用することによ
り、縦方向の引張強度が大きく、生産性が高く、さらに
かさ高度が大きいかさ高複合不織布が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不織布に関し、さらに詳
しくは一方向(横方向)の伸度が大きく、しかも弾性が
ないかまたは小さいスパンボンド不織布、ならびにこの
スパンボンド不織布を用いたかさ高化可能な複合不織布
およびかさ高複合不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】スパンボンド不織布は、短繊維を経るこ
となく、紡糸した長繊維(連続繊維)から構成されてい
るので、引張強度が大きく、生産性がよいなどの点で優
れており、このため各種日用雑貨品や産業資材などの分
野で広く使用されている。
【0003】しかし、従来のスパンボンド不織布は伸度
が小さいため、伸度が100%以上の大きいものは得ら
れないのが現状である。
【0004】ところで、米国特許第4446189号に
は、短繊維から構成された不織布が記載されている。こ
こではポリエステル、ポリ(アリーレンスルフィド)、
アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリアミドからなる不
織布が例示されているが、これらの不織布は短繊維をア
ットランダムに配置し接合して構成されているため、引
張強度および伸度が小さく、特に縦方向の引張強度が小
さく、また生産性が悪いなどの問題点がある。またこの
米国特許に記載されているポリエステル、ポリ(アリー
レンスルフィド)、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポ
リアミドからなる長繊維から単にスパンボンド不織布を
製造しても伸度100%以上のものは得られない。
【0005】また上記米国特許には、上記のような短繊
維から構成された不織布と弾性材料とを積層してなるか
さ高な不織布が開示されている。このかさ高な不織布
は、不織布と弾性材料とを積層し、次に弾性材料の弾性
限界内で引張った後緩め、不織布にたるみを形成するこ
とにより製造される。しかし、このようなかさ高な不織
布の引張強度は、不織布に依存するため小さいという問
題点がある。
【0006】一方特開昭62−33889号には、弾性
材料を引張り、この伸びた状態の弾性材料にひだ形成可
能な非弾性不織布を接着し、次に負荷を取除いて非弾性
不織布にひだを形成したかさ高な不織布が開示されてい
る。しかし、このかさ高な不織布は、弾性材料を引張っ
たままの状態で非弾性不織布を接着するため、製造装置
が複雑になり、また負荷を取除いた不織布の幅に比べて
接着装置の幅を広くする必要があり、さらに不織布の耳
部引張しろが無駄になるなどの欠点があるため、コスト
高なものになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、横方向の伸度が大きくて、弾性
がないかまたは小さく、しかも縦方向の引張強度が大き
くて、生産性が高く、かさ高複合不織布の素材として好
適に利用できるスパンボンド不織布を提供することであ
る。
【0008】本発明の他の目的は、上記スパンボンド不
織布と弾性材料とからなるものであって、横方向に引張
るだけで容易にかさ高にすることができるかさ高化可能
な複合不織布を提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、上記かさ高化可能な
複合不織布を横方向に引張ってかさ高にしたものであっ
て、縦方向の引張強度が大きく、しかも生産性が高く、
さらにかさ高度が大きいかさ高複合不織布を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は次の不織布であ
る。 (1)捲縮数10個/25mm以上の長繊維からなり、
一方向の伸度が100%以上であり、前記方向に100
%伸長時の伸長弾性率が65%以下であることを特徴と
するスパンボンド不織布。 (2)弾性材料の少なくとも片面に、上記(1)記載の
スパンボンド不織布がポイント接着されていることを特
徴とする複合不織布。 (3)上記(2)記載の複合不織布を、スパンボンド不
織布の伸度の大きい方向に引張った後負荷を除去し、ス
パンボンド不織布にたるみを形成したことを特徴とする
かさ高複合不織布。
【0011】本発明のスパンボンド不織布は、JIS
L1074による捲縮数が10個/25mm以上、好ま
しくは30個/25mm以上の長繊維からなり、一方向
(横方向)の伸度が100%以上、好ましくは120〜
250%と大きく、しかも前記方向(横方向)に100
%伸長時の伸長弾性率が65%以下、好ましくは60%
以下で、弾性がないかまたは小さいスパンボンド不織布
である。
【0012】ここで伸度は、初期荷重0、サンプル幅5
cm、チャック間距離10cm、引張速度30cm/分
の条件で引張試験を行った際の最大荷重時の伸びとす
る。また100%伸長時の伸長弾性率は、JIS L1
079に準じて測定したものである。すなわち、初期荷
重0、サンプル幅5cm、チャック間距離10cm、引
張速度30cm/分の条件でサンプルを引張り、伸度が
100%(チャック間距離が20cm)に達した時、こ
の状態を1分間保ち、次に引張りを止めて負荷を除去し
た状態を3分間保ち、次に再び引張った際の荷重0の時
の最大チャック間距離を(10+m)cmとした場合、
伸長弾性率(%)は〔(10−m)/10〕×100で
示される。
【0013】なお本発明において、スパンボンド不織布
の縦横とは、スパンボンド法で不織布を製造する方法に
おいて、流れ方向を縦、流れ方向に直角の方向を横とす
る。またかさ高化可能な複合不織布およびかさ高複合不
織布の縦横は、スパンボンド不織布の縦横と一致する。
【0014】本発明のスパンボンド不織布を構成する長
繊維は前記捲縮数を有するものであれば特に制限はな
く、本発明の目的を達成することができるものであれば
どのような素材からなるものでも使用できるが、好まし
いものとしては、 (A):(a)DSC主ピークより求めた融点が110
〜150℃、MFR〔ASTM D−1238(L)〕
が10g/10分以下のプロピレン・エチレンランダム
共重合体3〜40重量%、および(b)MFR〔AST
M D−1238(E)〕が15g/10分以上、密度
0.935g/cm3以下のポリエチレン97〜60重
量%からなる第1成分と、 (B):MFR〔ASTM D−1238(L)〕が1
0g/10分以上の結晶性ポリプロピレンを主成分とす
る第2成分とから構成される前記捲縮数を有する並列形
複合長繊維をあげることができる。
【0015】上記第1成分に使用するプロピレン・エチ
レンランダム共重合体(a)は、DSC(示差走査熱量
計)の主ピークより求めた融点が110〜150℃、好
ましくは130〜145℃、MFR〔メルトフローレー
ト:ASTM D−1238(L)〕が10g/10分
以下、好ましくは2〜7g/10分のプロピレンとエチ
レンとのランダム共重合体である。そのエチレン含量は
上記融点により決まるが、約2〜10モル%、好ましく
は3〜5モル%である。場合によっては炭素数4〜8の
α−オレフィン、例えば1−ブテンを約0〜10モル%
含んでいてもよい。
【0016】プロピレン・エチレンランダム共重合体
(a)の融点が上記範囲であることにより、素材として
柔軟性を有し、またMFRが上記範囲であることによ
り、ポリエチレン(b)との混合が良好となり、紡糸性
が向上する。プロピレン・エチレンランダム共重合体
(a)の第1成分に対する配合量は3〜40重量%、好
ましくは10〜30重量%であり、この範囲とすること
により、混合が良好となり、紡糸に適した粘度となって
紡糸性が向上する。
【0017】前記第1成分に使用するポリエチレン
(b)は、MFR〔ASTMD−1238(E)〕が1
5g/10分以上、好ましくは20g/10分以上、密
度0.935g/cm3以下、好ましくは0.915〜
0.930g/cm3のものである。このようなポリエ
チレンとしては低密度ポリエチレンおよび線状低密度ポ
リエチレンがあげられるが、前者が好ましい。
【0018】低密度ポリエチレンは、高圧法によって製
造されるエチレンの単独重合体、またはエチレンと炭素
数3以上、好ましくは4〜20のα−オレフィン20モ
ル%以下、好ましくは10モル%以下との共重合体であ
る。
【0019】線状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭
素数4以上、好ましくは4〜20のα−オレフィン0.
5〜40モル%、好ましくは0.5〜30モル%との共
重合体であり、0〜100気圧(ゲージ圧)で配位触媒
を用いて合成する中低圧法により製造される線状低密度
ポリエチレンである。
【0020】ポリエチレン(b)はMFRおよび密度が
上記範囲であることにより、高速引取速度で安定した紡
糸が可能となる。ポリエチレン(b)は第1成分に対し
て97〜60重量%、好ましくは90〜70重量%配合
される。
【0021】前記第1成分はプロピレン・エチレンラン
ダム共重合体(a)とポリエチレン(b)とを混合した
組成物である。プロピレン・エチレンランダム共重合体
(a)とポリエチレン(b)との混合はバンバリミキサ
ー、熱ロール、押出機など、常用されている混合手段、
あるいは単なる紡糸押出機でのペレットブレンドなどが
採用でき、緊密な混合が可能であれば、混合方式に制限
はない。
【0022】前記第2成分の結晶性ポリプロピレンはM
FR〔ASTM D−1238(L)〕が10g/10
分以上、好ましくは12〜40g/10分のものであ
る。この結晶性ポリプロピレンは、X線回折法により測
定した結晶化度が40%以上、好ましくは55%以上の
ものが好ましい。結晶性ポリプロピレンは、プロピレン
の単独重合体、あるいはプロピレンと炭素数2または4
〜20のα−オレフィン20モル%以下、好ましくは1
0モル%以下との高結晶性共重合体である。
【0023】第2成分はこのような結晶性ポリプロピレ
ンを主成分とするものであり、ポリエチレン、ポリブテ
ン等の他のポリオレフィンを約30モル%以下含んでい
てもよい。
【0024】図1の(a),(b),(c)はそれぞれ
本発明のスパンボンド不織布を構成する長繊維の断面図
であり、長繊維1は、前記第1成分2と第2成分3の並
列複合体からなる長繊維である。長繊維1を構成する第
1成分2と第2成分3は、図1の(a)に示すように完
全な並列状態でもよく、また(b),(c)に示すよう
に一方が他方を部分的に覆う形状のものでもよい。
【0025】長繊維1は、このような並列複合体が捲縮
したものであるが、第1成分2と第2成分3を並列形に
紡糸して複合体とすることにより、両成分の収縮率の差
により捲縮が生じる。
【0026】このような捲縮した長繊維1を、例えば高
速同伴気流によって引取る高速気流牽引により2000
〜4000m/分の速度で引取り、そのまま不織状ウェ
ブを形成するスパンボンド法により、本発明のスパンボ
ンド不織布が製造される。
【0027】図2はスパンボンド法により本発明のスパ
ンボンド不織布を製造する方法を示す正面図である。ス
パンボンド不織布の製造は、まず第1成分2および第2
成分3の溶融ポリマーを並進形ノズル4から並進状態で
噴出して、長繊維1を紡糸し、この長繊維1を高速気流
牽引装置5から噴出される空気流に載せて、分散板6に
より縦方向に並ぶように分散させながら移動捕集面7に
集積する。移動捕集面7により送出された長繊維1は、
加熱されたエンボスロールと円筒状ロール間に送込むこ
とにより、長繊維1同士を加熱融着してスパンボンド不
織布が製造される。このほか長繊維1を加熱室に通して
長繊維1同士を融着したり、接着剤により接着したり、
あるいはニードルパンチ等により長繊維1同士をからま
せたりして製造することもできる。
【0028】こうして製造されるスパンボンド不織布
は、織度1〜20デニール、好ましくは1.5〜4デニ
ール、目付10〜200g/m2、好ましくは15〜1
20g/m2とするのが好ましい。
【0029】本発明のスパンボンド不織布を構成する長
繊維としては、上記のものの他にも、MFR〔ASTM
D−1238(L)〕が5〜200g/10分、好ま
しくは10〜100g/10分のポリプロピレンで、2
成分のMFR比を1.5以上、好ましくは2以上とする
組合せC、D成分から構成される前記捲縮数を有する並
列形複合長繊維などをあげることができる。
【0030】このようなC成分とD成分とを用いた場合
も、前記第1成分と第2成分を用いた場合と同様にして
スパンボンド不織布を製造することができる。
【0031】本発明のスパンボンド不織布は、縦方向の
引張強度が大きく、目付25g/m 2では通常1〜8k
g/5cm、好ましくは1.2〜6.5kg/5cmで
ある。また横方向の引張強度は通常0.1〜3kg/5
cm、好ましくは0.15〜1.5kg/5cmであ
り、縦方向の伸度は通常20〜100%、好ましくは3
0〜85%である。
【0032】さらに本発明のスパンボンド不織布は長繊
維を用いてスパンボンド法により製造できるので、短繊
維から構成される不織布に比べ、繊維を切断する工程が
不要となり、また縦方向の引張強度が大きいため高速な
製造が可能になるので、生産性が高い。
【0033】図3は本発明のスパンボンド不織布の一部
を模式的に示す平面図、図4はこれを横方向に引張った
状態を示す平面図である。図3において、スパンボンド
不織布11は、大部分の繊維が縦方向に並ぶように分散
された縦方向の繊維12と、この縦方向の繊維12から
部分的に横または斜め方向に伸びる横方向の繊維13お
よび斜め方向の繊維14とがエンボス15によりポイン
ト接着されている。
【0034】縦方向の繊維12は捲縮が伸ばされた状態
にあるが、横方向および斜め方向の繊維13、14は捲
縮を有している。これは、スパンボンド法によりスパン
ボンド不織布11が製造される際、気流により長繊維は
縦方向に並ぶように分散され、気流の張力により縦方向
の繊維12の捲縮は伸ばされた状態となるが、横方向お
よび斜め方向には気流の張力が掛っていないため、横方
向および斜め方向の繊維13、14では捲縮が保たれる
からである。
【0035】このようなスパンボンド不織布11を横方
向に引張ると、図4に示すように横方向および斜め方向
の繊維13、14の捲縮は伸ばされる。このため、本発
明のスパンボンド不織布11は横方向の伸度が大きく、
また縦方向は伸度が小さくて、引張強度が大きいものと
推定される。
【0036】このようなスパンボンド不織布11は、横
方向の伸度が大きく、しかも弾性がないかまたは小さい
という性質を利用して、このスパンボンド不織布11を
弾性材料の少なくとも片面にポイント接着することによ
り、かさ高化可能な複合不織布が形成でき、またこの複
合不織布を引張った後、負荷を除去することにより、か
さ高複合不織布が形成できる。
【0037】本発明のかさ高化可能な複合不織布は、弾
性材料と前記スパンボンド不織布とを重ね、エンボスロ
ール、平面ロールまたは超音波接着などでポイント接着
を行うことにより製造できる。またかさ高複合不織布
は、このかさ高化可能な複合不織布を横方向に引張るこ
とにより製造することができる。なお引張りの操作は必
ずしもかさ高化可能な複合不織布を製造した直後に行う
必要はなく、かさ高にする必要が生じた時点で引張りの
操作を行ってかさ高にすればよい。
【0038】かさ高化可能な複合不織布またはかさ高複
合不織布の生産速度を上げるためには、スパンボンド不
織布を高速供給する必要があるが、この場合スパンボン
ド不織布を縦方向で供給すると、スパンボンド不織布の
縦方向の伸びは小さいので、生産性および寸法安定性か
ら見て好ましい。
【0039】図5は本発明のかさ高化可能な複合不織布
の例を示す平面図、図6はそのA−A断面を模式的に示
す断面図である。図において、21はかさ高化可能な複
合不織布であり、弾性材料22の両面にスパンボンド不
織布23がエンボス24によりポイント接着されてい
る。この複合不織布21のスパンボンド不織布23とし
て、横方向の伸度が大きく、しかも弾性がないかまたは
小さい前記スパンボンド不織布11が利用されている。
【0040】本発明のかさ高化可能な複合不織布21
は、前記スパンボンド不織布23を弾性材料22の少な
くとも片面に、エンボス24等によりポイント接着する
ことにより製造され、横方向に引張った後負荷を除去す
ることにより、かさ高にすることができる。
【0041】本発明のかさ高複合不織布は、上記かさ高
化可能な複合不織布21を横方向に引張って伸ばした後
負荷を除去し、スパンボンド不織布23の接着点間にた
るみを形成してかさ高にしたものである。
【0042】図7は本発明のかさ高複合不織布の例を示
す平面図、図8はそのB−B断面を模式的に示す断面図
である。図において、25はかさ高複合不織布であり、
弾性材料22の両面にスパンボンド不織布23がエンボ
ス24によりポイント接着されており、スパンボンド不
織布23にはたるみが形成されている。このようなかさ
高複合不織布25は、図5に示したかさ高化可能な複合
不織布21をC方向(横方向)に引張り、スパンボンド
不織布23にたるみを形成することにより製造すること
ができる。
【0043】かさ高化可能な複合不織布21を横方向に
引張ると、スパンボンド不織布23および弾性材料22
はともに伸びるが、引張りを止めて負荷を取除くと、弾
性材料22は引張る前の状態に回復する。ところがスパ
ンボンド不織布23は弾性がないかまたは小さいため、
引張る前の状態には完全には回復せず、このため接着点
間にたるみが生じてかさ高になる。またかさ高複合不織
布25には弾性材料22が用いられているため、伸縮性
(弾性)もある。
【0044】スパンボンド不織布23がポイント接着さ
れる弾性材料22としては、弾性を有しているものであ
れば不織布または不織布以外のいずれのものでもよく、
例えば伸縮性不織布、ウレタンフォームなどをあげるこ
とができる。
【0045】本発明のかさ高複合不織布25は、横方向
の伸度が大きく、しかも弾性がないかまたは小さく、か
つ縦方向の引張強度が大きい前記スパンボンド不織布1
1をポイント接着しているので、かさ高度が大きく、し
かも縦方向の引張強度が大きい。さらにスパンボンド不
織布23と弾性材料22とをポイント接着した後に引張
って製造しているため、弾性材料22を引張ったままの
状態で不織布を接着したものに比べ、接着装置の構造は
簡単で、しかも負荷を取除いた複合不織布の幅と同じ接
着幅の装置が使用でき、さらに耳部引張しろが無駄にな
らないので、生産性が高く、生産コストが低い。
【0046】本発明のかさ高複合不織布は、かさ高度が
大きく、しかも弾性を有しているので、紙おむつの伸縮
性を必要とする部分、例えばパンツタイプ紙おむつのサ
イドベルトなどに利用できる。
【0047】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、一方向
(横方向)の伸度が大きくて、弾性がないかまたは小さ
く、しかも縦方向の引張強度が大きくて、生産性が高
く、かさ高複合不織布の素材として好適に利用できるス
パンボンド不織布が得られる。
【0048】また本発明によれば、上記スパンボンド不
織布を弾性材料の少なくとも片面にポイント接着したの
で、横方向に引張るだけで容易にかさ高化することが可
能な複合不織布が得られる。
【0049】さらに本発明によれば、上記かさ高化可能
な複合不織布を横方向に引張るだけで、縦方向の引張強
度が大きく、しかも生産性が高く、さらにかさ高度が大
きいかさ高複合不織布が得られる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 DSC(Perkin Elmer DSC−7)によ
り昇温速度10℃/分で測定した主ピークより求めた融
点が138℃、MFR〔ASTM D−1238
(L)〕が6g/10分のポリプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体17重量%と、MFR〔ASTM D−
1238(E)〕が30g/10分、密度が0.92g
/cm3の低密度ポリエチレン83重量%のブレンド品
を第1成分とし、MFR〔ASTM D−1238
(L)〕が35g/10分、結晶化度が63%の結晶性
ポリプロピレンを第2成分とし、並進形ノズルを用い、
第1成分と第2成分の重量比が1:1になるように押出
し、高速気流牽引装置で引取り、分散板で分散させなが
ら移動するコンベアに受けた長繊維群を、加熱したエン
ボスロールと円筒状ロール間で加熱下に加圧してスパン
ボンド不織布を製造した。
【0051】次に上記スパンボンド不織布を70g/m
2の伸縮性不織布の片面に重ねて、エンボスで接着し、
横方向に伸長100%となるように引張った後負荷を除
去し、かさ高複合不織布を得た。
【0052】前記スパンボンド不織布およびかさ高複合
不織布の特性を表1に示す。なお各特性の測定条件は次
の通りである。 繊維の捲縮数:JIS L1074による。 伸度:前記の通り。 100%伸長時の伸長弾性率:前記の通り。 引張強度:前記伸度測定時の最大荷重値。
【0053】実施例2 目付を30g/m2とした以外は実施例1と同様にして
スパンボンド不織布を製造した。上記スパンボンド不織
布を用いて実施例1と同様にしてかさ高複合不織布を得
た。結果を表1に示す。
【0054】実施例3 第1成分と第2成分の重量比が3:7になるようにした
以外は実施例1と同様にしてスパンボンド不織布を製造
した。70g/m2の伸縮性不織布の両面に上記スパン
ボンド不織布を重ね、超音波接着を行った後、横方向に
伸長100%となるように引張った後負荷を除去し、か
さ高複合不織布を得た。結果を表1に示す。
【0055】実施例4 MFR〔ASTM D−1238(L)〕が35g/1
0分のC成分と、MFR〔ASTM D−1238
(L)〕が15g/10分のD成分とを用い、実施例1
と同様にしてスパンボンド不織布を製造した。上記スパ
ンボンド不織布を用いて実施例1と同様にしてかさ高複
合不織布を得た。結果を表1に示す。
【0056】比較例1 ポリプロピレン単独からなるスパンボンド不織布の特性
を表1に示す。70g/m2の伸縮性不織布の片面に上
記スパンボンド不織布を重ね、エンボスで接着し、次に
スパンボンド不織布の伸度の大きい方向に引張ったとこ
ろ、伸度57%でスパンボンド不織布が破断した。
【0057】比較例2 横方向を伸縮系〔スパンデックス、デュポン社製、Ly
cra、商標〕でステッチボンドしたポリエステル不織
布の特性を表1に示す。上記ポリエステル不織布に実施
例1と同様な方法で伸縮性不織布を接着してかさ高な不
織布を得ようと試みたが、100%伸長後のステッチボ
ンド不織布の伸長回復が高いため、たるみが形成され
ず、かさ高にはならなかった。
【0058】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明のスパンボン
ド不織布を構成する長繊維の断面図である。
【図2】本発明のスパンボンド不織布の製造方法を示す
正面図である。
【図3】本発明のスパンボンド不織布の一部を模式的に
示す平面図である。
【図4】図3のスパンボンド不織布を横方向に引張った
状態を示す平面図である。
【図5】本発明のかさ高化可能な複合不織布の例を示す
平面図である。
【図6】図5の複合不織布のA−A断面を模式的に示す
断面図である。
【図7】本発明のかさ高複合不織布の例を示す平面図で
ある。
【図8】図7のかさ高複合不織布のB−B断面を模式的
に示す断面図である。
【符号の説明】
1 長繊維 2 第1成分 3 第2成分 4 並進形ノズル 5 高速気流牽引装置 6 分散板 7 移動捕集面 11、23 スパンボンド不織布 12 縦方向の繊維 13 横方向の繊維 14 斜め方向の繊維 15、24 エンボス 21 複合不織布 22 弾性材料 25 かさ高複合不織布

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捲縮数10個/25mm以上の長繊維か
    らなり、一方向の伸度が100%以上であり、前記方向
    に100%伸長時の伸長弾性率が65%以下であること
    を特徴とするスパンボンド不織布。
  2. 【請求項2】 弾性材料の少なくとも片面に、請求項1
    記載のスパンボンド不織布がポイント接着されているこ
    とを特徴とする複合不織布。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の複合不織布を、スパンボ
    ンド不織布の伸度の大きい方向に引張った後負荷を除去
    し、スパンボンド不織布にたるみを形成したことを特徴
    とするかさ高複合不織布。
JP3213904A 1991-08-26 1991-08-26 不織布 Pending JPH0559655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3213904A JPH0559655A (ja) 1991-08-26 1991-08-26 不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3213904A JPH0559655A (ja) 1991-08-26 1991-08-26 不織布

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0559655A true JPH0559655A (ja) 1993-03-09

Family

ID=16646953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3213904A Pending JPH0559655A (ja) 1991-08-26 1991-08-26 不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0559655A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0860512A (ja) * 1994-07-18 1996-03-05 Kimberly Clark Corp ニット状不織布複合体
JPH1088457A (ja) * 1996-09-13 1998-04-07 Unitika Ltd 伸縮性ポリエステル系不織布及びその製造方法
JP2007130819A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Kao Corp 複合シート及びその製造方法
US7468114B2 (en) 2002-11-13 2008-12-23 Kao Corporation Composite sheet and process and apparatus for producing the same
JP2017118973A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 ユニ・チャーム株式会社 使い捨ておむつ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6425125U (ja) * 1987-08-05 1989-02-10
JPH02289159A (ja) * 1989-04-25 1990-11-29 Mitsui Petrochem Ind Ltd 柔軟な長繊維不織布

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6425125U (ja) * 1987-08-05 1989-02-10
JPH02289159A (ja) * 1989-04-25 1990-11-29 Mitsui Petrochem Ind Ltd 柔軟な長繊維不織布

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0860512A (ja) * 1994-07-18 1996-03-05 Kimberly Clark Corp ニット状不織布複合体
JPH1088457A (ja) * 1996-09-13 1998-04-07 Unitika Ltd 伸縮性ポリエステル系不織布及びその製造方法
US7468114B2 (en) 2002-11-13 2008-12-23 Kao Corporation Composite sheet and process and apparatus for producing the same
US7851047B2 (en) 2002-11-13 2010-12-14 Kao Corporation Composite sheet and process and apparatus for producing the same
US8393374B2 (en) 2002-11-13 2013-03-12 Kao Corporation Apparatus for producing a composite sheet
JP2007130819A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Kao Corp 複合シート及びその製造方法
JP2017118973A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 ユニ・チャーム株式会社 使い捨ておむつ
WO2017115499A1 (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 ユニ・チャーム株式会社 使い捨ておむつ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR920007992B1 (ko) 유연한 장섬유 부직포(nonwoven fabric of filaments)
JP5289459B2 (ja) 捲縮複合繊維、及び当該繊維からなる不織布
JP3261728B2 (ja) 熱接着性繊維シート
JPH09316765A (ja) 一方向伸縮性不織布及びその製造方法
KR100890322B1 (ko) 신축성 다성분 부직포 및 이의 제조방법
JPH0874128A (ja) 熱融着性複合繊維およびその繊維を用いた不織布
JP2009062667A (ja) 弾性不織布及びこれを用いた繊維製品
JP4315663B2 (ja) 芯鞘状複合長繊維よりなる不織布の製造方法
JP6715056B2 (ja) スパンボンド不織布および衛生材料
JPH10251960A (ja) 積層不織布
KR101837204B1 (ko) 우수한 벌키성을 갖는 폴리프로필렌 복합방사 스펀본드 부직포 및 그 제조방법
JP4587410B2 (ja) 複合化不織布、その製造方法及び前記不織布を用いた吸収性物品ならびにワイピングクロス
KR102500062B1 (ko) 스펀본드 부직포, 위생 재료, 및 스펀본드 부직포의 제조 방법
JPH0559655A (ja) 不織布
JP2000355866A (ja) 複合長繊維不織布及びそれを用いた吸収性物品
JP3124017B2 (ja) 熱接着性繊維および不織布
JP2009120975A (ja) 混繊長繊維不織布
JPH0643660B2 (ja) 熱接着長繊維からなる不織布
CN116981804A (zh) 纺粘无纺布及层叠无纺布、它们的制造方法以及卫生材料
JP3946867B2 (ja) 高伸長性不織布の製造方法
JP2971919B2 (ja) 熱接着性繊維
JP4379127B2 (ja) 熱接着性複合繊維、その製造方法及び該複合繊維を用いた繊維成形体
JPH0288056A (ja) 衛生用品の表面材及びその製造方法
JP2856474B2 (ja) 高伸度不織布
JP3107626B2 (ja) 熱接着長繊維不織布