JPH1088457A - 伸縮性ポリエステル系不織布及びその製造方法 - Google Patents

伸縮性ポリエステル系不織布及びその製造方法

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JPH1088457A
JPH1088457A JP8265215A JP26521596A JPH1088457A JP H1088457 A JPH1088457 A JP H1088457A JP 8265215 A JP8265215 A JP 8265215A JP 26521596 A JP26521596 A JP 26521596A JP H1088457 A JPH1088457 A JP H1088457A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向における伸縮性に優れたポリエステル
系不織布を提供する。 【解決手段】 この不織布は、略同心芯鞘型複合長繊維
が集積されてなる。芯成分は高融点ポリエステル、鞘成
分は低融点ポリエステルよりなる。不織布中には、長繊
維相互間が鞘成分の軟化又は溶融によって融着された区
域が、散点状に設けられている。この不織布は、(i)
不織布の幅方向の破断伸度が150%である、(ii)不
織布の縦方向の破断伸度に対する幅方向の破断伸度の比
が5以上である、(iii)不織布を幅方向に50%伸長
した時の伸長回復率が60%以上である、(iv)不織布
を幅方向に100%伸長した時の伸長回復率が50%以
上である、の条件を同時に満足する。略同心芯鞘型複合
長繊維を集積した繊維ウェブに、部分的に熱を与えて繊
維フリースを得る。この繊維フリースを、幅方向に拡幅
して、10〜80%の延伸比で熱延伸を施した後、熱固
定して不織布を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向に優れた伸
縮性を持つポリエステル系不織布及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、不織布は、衣料用、産業資材
用、土木資材用、農芸園芸資材用、生活関連資材用、医
療衛生資材用等の種々の用途に使用されている。この中
でも、特に、紙おむつの表面材、パップ材の基布、スポ
ーツ用サポーター或いは包帯等の医療衛生資材用に使用
される不織布には、人体の動きに追随し易いこと及び人
体になじみ易いこと等の理由で伸縮性が要求されてい
る。不織布に伸縮性を付与するためには、不織布を構成
する繊維として、良好な伸縮性能を持つ捲縮繊維を使用
する方法、或いは素材自体が伸縮性能を有するポリウレ
タン繊維等を使用する方法が知られている。
【0003】前者に属する技術としては、以下のような
ものが挙げられる。例えば、特開昭63−28960号
公報には、潜在捲縮性短繊維ウェブに水流交絡を施した
後、熱処理を施し潜在捲縮を顕在化させた伸縮性不織布
が開示されている。特開平2−91217号公報には、
顕在捲縮性短繊維ウェブにニードルパンチを施した後、
熱処理を施して潜在捲縮を顕在化させた伸縮性不織布が
開示されている。また、特公平4−46145号公報に
は、紡糸工程において、異形断面の紡出糸条に片面冷却
を施し、冷却歪みを付与し、この歪みを利用して顕在或
いは潜在捲縮を長繊維に付与し、この長繊維を構成繊維
とする伸縮性不織布が開示されている。特公平4−46
147号公報には、熱収縮性の異なる二種の重合体を、
並列型又は偏心芯鞘型に複合した複合長繊維を集積して
なる繊維ウェブに、熱処理を施して、異なる熱収縮性に
よって長繊維に捲縮を発現させた伸縮性不織布が開示さ
れている。また、後者に属する技術としては、特開昭5
9−223347号公報に、熱可塑性ポリウレタン弾性
繊維を構成繊維とする伸縮性不織布が開示されている。
これらの技術は、いずれも、不織布を構成する繊維とし
て、伸縮性繊維を使用したものである。
【0004】一方、構成繊維として伸縮性繊維を使用せ
ずに、主として不織布の構造に起因する伸縮性を発揮さ
せた不織布も知られている。例えば、短繊維を主として
一方向(縦方向)に配列させた繊維ウェブに、ゴム系結
合剤を付与した不織布も知られている。即ち、この不織
布は、短繊維の配列とゴム系結合剤との共働作用によっ
て、ある程度、幅方向への伸縮性を発揮するものであ
る。このような短繊維の配列は、カード法による開繊集
積によって容易に得られるものである。しかしながら、
この不織布は、短繊維で構成されているため、破断強力
が低いという欠点があった。
【0005】このため、スパンボンド法等によって得ら
れる長繊維不織布において、長繊維を縦方向に配列させ
ることも考えられる。しかしながら、一般のスパンボン
ド法で長繊維を縦方向に配列させようとすると、溶融紡
糸における引き取り速度と、捕集コンベアの移動速度と
を近似させなければならず、工程上困難である。即ち、
溶融紡糸における引き取り速度は数千m/分程度である
が、捕集コンベアの移動速度は速くしてもせいぜい数百
m/分であり、これを近似させることは困難である。ま
た、一旦、溶融紡糸によって長繊維を得た後、これを集
束してトウとなし、このトウを開繊させる方法において
は、長繊維が縦方向に配列した不織布を得ることは可能
である。しかしながら、この方法は不織布の製造が煩雑
となって、不合理である。更に、短繊維又は長繊維をコ
ンベア上に堆積させる際、これらの繊維を縦方向に配列
させると、無作為な繊維配列の場合に比較して、繊維相
互間の接触点(接着点)が少なく、幅方向における破断
強度が不十分になるという欠点があった。
【0006】更に、主としてメルトブローン法で得られ
た、構成繊維が無作為に配列している繊維フリースに、
熱延伸を施して、構成繊維を縦方向に配列せしめるよう
に配列変えを行い、幅方向に伸縮性を持たせた不織布を
製造する方法も知られている(米国特許第524448
2号明細書)。しかしながら、ここで使用されている構
成繊維は、単一成分よりなる繊維であるため、構成繊維
相互間を熱融着すると、融着部分で繊維形態が崩壊し、
破断強力(引張強力)の大きい伸縮性不織布を得にくい
ということがあった。また、メルトブローン法で構成繊
維を得るために、繊維径の小さい(繊度の小さい)構成
繊維しか得られず、このことによっても破断強力の大き
い伸縮性不織布を得にくいものであった。また、この方
法で得られた不織布は、幅方向に良好な伸縮性を持って
いるが、構成繊維相互間の空隙の大きさが減少してお
り、繊維密度の高いもの(空隙率の小さいもの)であ
る。即ち、米国特許第5244482号明細書による
と、繊維フリース中における構成繊維相互間の空隙の大
きさに対して、得られた伸縮性不織布中における構成繊
維相互間の空隙の大きさは、80%以下になると説明さ
れている。伸縮性不織布の用途によっては、このような
空隙の減少、即ち空隙率が低下しており、しかも破断強
力が低くても差し支えない場合もある。例えば、微小塵
埃を瀘過するための瀘過材等として用いるのには、差し
支えない。しかしながら、他の用途、特に人体に適用さ
れる紙おむつの表面材,パップ材の基布,スポーツ用サ
ポーター,包帯等の医療衛生資材用に用いられる場合に
は、空隙率の低下や低引張強力は好ましくない結果を与
える。即ち、空隙率の小さい伸縮性不織布は、通気性が
低いために、スポーツ用サポーター等として使用する
と、汗蒸れが生じやすく、使用者に不快感を与えるとい
う欠点がある。また、通液性も低いため、紙おむつの表
面材として使用すると、体液が紙おむつ本体の吸収体へ
透過しにくく、体液が漏れるという欠点がある。更に、
破断強力が低いと、使用中に破れてしまうという欠点も
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、一
般のスパンボンド法で形成された、長繊維が比較的無作
為に集積されてなる繊維フリースであって、この長繊維
は略同心芯鞘型複合長繊維よりなり且つ熱融着区域が散
在している繊維フリースに、特定の方法で熱延伸を付与
することによって、特に一方向に伸縮性を発揮しやすい
構造を持つと共に、所望の空隙率や引張強力を持つ長繊
維不織布を得ることに成功し、本発明に到ったのであ
る。
【0008】一般のスパンボンド法で形成された、熱融
着区域を持つ繊維フリースに、熱延伸を付与する方法と
しては、特公昭57−54583号公報や特開平2−3
3369号公報に記載の技術が知られているが、本発明
の如き伸縮性を発揮させることを目的としないものであ
る点で決定的に相違する。即ち、前者の技術は、風合が
良好でドレープ性に優れた不織布を得ることを目的とす
るものであり、繊維フリースに熱延伸を付与することに
よって、構成繊維を一部切断するというものである。ま
た、後者の技術は、毛羽立ちが少なく、引張強伸度特性
及び風合に優れた不織布を得ることを目的とするもので
あり、低結晶性且つ低配向性の未延伸長繊維で繊維フリ
ースを形成し、この繊維フリースに熱延伸を付与するこ
とによって、未延伸長繊維を高結晶性且つ高配向性の長
繊維に変換させるというものである。換言すれば、繊維
フリースを得た後に、繊維フリース中の繊維を物性の良
好な長繊維に変換するという技術である。また、前二者
の技術は、いずれも単一成分よりなる非複合型の長繊維
を用いたものであるため、繊維フリース形成時における
熱融着の温度制御が困難である。即ち、熱融着時の温度
が高いと、熱融着区域において長繊維形態が完全に崩壊
し、熱延伸によって孔が開いたり、切断したりする。ま
た、熱融着時の温度が低いと、融着が不完全で、熱延伸
時に不織布形態そのものが崩壊する。
【0009】本発明は、前二者の技術と同様に、繊維フ
リースに熱延伸を施すものであるが、伸縮性に優れた不
織布を得ることを目的としている点、略同心芯鞘型複合
長繊維を採用している点で相違し、また製造方法として
は、熱延伸前に繊維フリースを所望により幅方向に拡幅
する点、熱延伸後に熱固定する点で相違するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような本発明は、高
融点ポリエステル系芯成分と低融点ポリエステル系鞘成
分とで形成された略同心芯鞘型複合長繊維が集積されて
なり、該略同心芯鞘型複合長繊維相互間が該鞘成分の軟
化又は溶融によって融着された融着区域が、散点状に設
けられてなる伸縮性ポリエステル系不織布であって、こ
のポリエステル系不織布の幅方向(横方向とも言う)の
破断伸度は150%以上であり、縦方向(機械方向とも
言う。)の破断伸度に対する幅方向の破断伸度の比は、
5以上であり、且つ、このポリエステル系不織布を幅方
向に50%伸長した時の伸長回復率は60%以上であ
り、更に幅方向に100%伸長した時の伸長回復率は5
0%以上であることを特徴とする伸縮性ポリエステル系
不織布に関するものである。
【0011】また、本発明は、高融点ポリエステル系芯
成分と低融点ポリエステル系鞘成分とで形成された略同
心芯鞘型複合長繊維を、捕集コンベア上に堆積させて繊
維ウェブを形成し、該繊維ウェブに部分的に熱を与え
て、該略同心芯鞘型複合長繊維相互間が該鞘成分の軟化
又は溶融によって融着された融着区域を、該繊維ウェブ
中に散点状に設けてなる繊維フリースを得た後、該繊維
フリースを幅方向に拡幅率0〜50%となるように拡幅
した状態で、縦方向に該繊維フリースを10〜80%の
延伸比で熱延伸し、その後、該鞘成分の融点以下の温度
で熱固定することを特徴とする伸縮性ポリエステル系不
織布の製造方法に関するものである。
【0012】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布
は、略同心芯鞘型複合長繊維を構成繊維とするものであ
る。この略同心芯鞘型複合長繊維は、芯成分として高融
点ポリエステル系重合体が採用されており、鞘成分とし
て低融点ポリエステル系重合体が採用されているもので
ある。また、略同心芯鞘型とは、芯成分と鞘成分とがほ
ぼ同心となっていることを意味し、偏心芯鞘型ではない
ことを意味している。偏心芯鞘型複合長繊維は、熱が与
えられると、高融点ポリエステル系重合体と低融点ポリ
エステル系重合体との熱収縮率の差によって、捲縮が発
現しやすいものであるため、本発明において使用するの
は好ましくない。従って、熱収縮率の異なる高融点ポリ
エステル系重合体と低融点ポリエステル系重合体とを採
用しても、熱処理時に捲縮の発現しないものであれば、
若干心が偏心していても略同心という意味に包含される
ものである。なお、本発明に係る伸縮性ポリエステル系
不織布中には、略同心芯鞘型複合長繊維以外の他の長繊
維又は短繊維等、例えば、ポリエステル系外の長繊維若
しくは短繊維、又は非複合型若しくは別種の複合型の長
繊維若しくは短繊維等が若干量混入していても差し支え
ない。
【0013】高融点ポリエステル系重合体としては、ポ
リエチレンテレフタレートが採用され、又は主たる繰り
返し単位がエチレンテレフタレート単位であるポリエス
テルが採用される。後者のポリエステルの場合、エチレ
ンテレフタレート単位外の成分としては、従来公知の酸
成分及び/又はアルコール成分を採用することができ
る。このような共重合成分を添加してなる共重合ポリエ
ステルは、ポリエチレンテレフタレートよりも融点が低
くなるが、本発明で使用する低融点ポリエステル系重合
体の融点よりも低くならない限り、高融点ポリエステル
系重合体として使用しうるものである。従来公知の酸成
分としては、イソフタル酸やアジピン酸等を採用するこ
とができる。また、アルコール成分としては、プロピレ
ングリコールやジエチレングリコール等を採用すること
ができる。
【0014】低融点ポリエステル系重合体としては、主
たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート単位である
ポリエステルが採用される。特に、エチレンテレフタレ
ート単位が70〜95モル%であり、その他として従来
公知の酸成分及び/又はアルコール成分が共重合された
共重合ポリエステルを採用するのが好ましい。なお、酸
成分及びアルコール成分の具体例としては、上述したの
と同様のものを採用することができる。
【0015】高融点ポリエステル系重合体や低融点ポリ
エステル系重合体中には、必要に応じて、艶消し剤、顔
料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶化促進剤等
の各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加
してもよい。
【0016】略同心芯鞘型複合長繊維の繊度は、15デ
ニール以下であることが好ましい。繊度が15デニール
を超えると、長繊維の剛性が高くなり、伸縮性ポリエス
テル系不織布の粗硬感が強くなり、汎用的な用途に使用
しにくくなる。ここで言う略同心芯鞘型複合長繊維の繊
度は、得られた不織布中における長繊維の繊度を意味し
ており、延伸前の繊維フリース中における略同心芯鞘型
複合長繊維は、15デニールよりも多少大きくても良
い。しかしながら、繊維フリース中における略同心芯鞘
型複合長繊維の繊度が15デニールを大きく超えて太く
なると、溶融紡糸工程において、紡出糸条の冷却固化に
支障を来したり、繊維フリースの延伸工程においても操
業性に劣る傾向となる。
【0017】また、略同心芯鞘型複合長繊維中におけ
る、芯成分と鞘成分との重量比は、芯成分1重量部に対
して、鞘成分0.1〜5重量部であるのが好ましく、特
に0.2〜4重量部であるのが最も好ましい。鞘成分
は、融着区域において複合長繊維相互間を融着させる成
分であるため、その重量割合が0.1重量部未満になる
と、融着が不十分となり、不織布の引張強力が低くなる
恐れがある。また、繊維フリースに熱延伸を施す際に、
複合長繊維間の融着が剥離し、複合長繊維が素抜けてし
まう恐れもある。鞘成分が5重量部を超えると、融着区
域における融着が激しくなって、融着区域中において繊
維形態を維持している箇所の割合が少なくなり、熱延伸
時に、融着区域に孔が開く恐れがある。
【0018】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布
中には、略同心芯鞘型複合長繊維相互間が融着されてい
る融着区域が、散点状に多数設けられている。この融着
区域は、複合長繊維相互間が、鞘成分の軟化又は溶融に
よって融着しており、芯成分は軟化又は溶融せずに、一
般的に当初の繊維形態を維持したまま、或いは若干変形
した繊維形態で存在している。一個一個の融着区域の形
態は、丸形、楕円形、菱形,三角形,T形,井形,長方
形等の任意の形態が採用されるが、明瞭な形態ではな
く、ある程度不明瞭な形態となっている。これは、熱延
伸によって、その形態が歪むからである。また、一個一
個の融着区域の大きさは、0.2〜6.0mm2程度が
好ましい。更に、隣合う融着区域間の距離は、短い箇所
で0.3〜2mm程度であり、長い箇所で1〜10mm
程度である。また、融着区域の総面積は、不織布の表面
積に対して2〜50%程度が好ましく、特に5〜25%
であるのが好ましい。
【0019】以上のような構成を持つ伸縮性ポリエステ
ル系不織布は、特定の物性を持つものであり、以下の四
つの条件を同時に満足するものである。第一に、不織布
の幅方向の破断伸度は150%以上でなければならな
い。この破断伸度が150%未満であると、不織布の幅
方向への伸長性が不十分であり、良好な伸縮性が発揮で
きない。第二に、不織布の縦方向の破断伸度に対する、
不織布の幅方向の破断伸度の比が5以上でなければなら
ない。この比が5未満であると、幅方向における伸長性
が縦方向の伸長性と比較して顕著に高くならず、一方向
に良好な伸縮性を持つものとは言えなくなる。なお、破
断伸度(%)はJIS−L−1096Aに記載の方法に
準じて測定されるものである。即ち、試料幅5cmの短
冊状試料片10点を準備し、定速伸長型引張試験機(東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて、各試料片をチャック間距離5cm、引張
速度10cm/分で伸長し、各試料片が破断したときの
平均伸度を破断伸度(%)とした。従って、破断伸度
(%)={[(破断時のチャック間距離)−(5)]/
(5)}×100で計算されるものである。なお、不織
布の幅方向の破断伸度を測定するときは、短冊状試料片
の長手方向が不織布の幅方向となるようにして伸長させ
て測定し、不織布の縦方向の破断伸度を測定するとき
は、短冊状試料片の長手方向が不織布の縦方向となるよ
うにして伸長させて測定するものであることは、言うま
でもない。
【0020】第三に、不織布を幅方向に50%伸長した
時の伸長回復率は、60%以上でなければならない。こ
の伸長回復率が60%未満であると、外力を加えて不織
布を幅方向に伸長した後、この外力を解除したときの収
縮が不十分で、良好な伸縮性を発揮しないものである。
第四に、不織布を幅方向に100%伸長した時の伸長回
復率は、50%以上でなければならない。この伸長回復
率が50%未満であるときも、良好な伸縮性を発揮しな
い。なお、この伸長回復率はJIS−L−1096
6.13.1Aに記載の方法に準じて、以下の如き方法
で測定されるものである。まず、試料幅5cmの短冊状
試料片を5点準備する。この際、短冊状試料片の長手方
向が不織布の幅方向となるようにする。そして、定速伸
長型引張試験機(東洋ボールドウイン社製テンシロンU
TM−4−1−100)を用いて、チャック間距離5c
m、引張速度10cm/分で、各試料片を幅方向に伸長
させ、伸長率が50%となった時点(チャック間距離が
5×1.5cmとなった時点)又は100%となった時
点(チャック間距離が5×2cmとなった時点)で、引
っ張りを停止する。その後、各試料片を引張試験機から
外して放置し、各試料片が収縮した後の各試料片のチャ
ック間距離の長さLcmを測定する。そして、50%伸
長した時の伸長回復率(%)は、[(5×1.5−L)
/(5×1.5−5)]×100で計算される。また、
100%伸長した時の伸長回復率(%)は、[(5×2
−L)/(5×2−5)]×100で計算される。
【0021】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布
の空隙率は85%以上であるのが好ましく、特に90%
以上であるのが最も好ましい。本発明は、実質的に空隙
率を減少させることなく、伸縮性ポリエステル系不織布
を得ることが可能であり、例えば繊維フリース(伸縮性
ポリエステル系不織布を得る際の前駆体としての繊維集
積体)の空隙率が85%未満であっても、得られた伸縮
性ポリエステル系不織布は85%以上の空隙率を持つも
のである。伸縮性ポリエステル系不織布の空隙率が85
%未満であると、長繊維相互間で形成される空隙の大き
さが小さすぎて、汎用的な用途に適用できない傾向が生
じる。例えば、伸縮性ポリエステル系不織布を医療衛生
資材用として使用したときに、汗等が溜って蒸れたり、
体液透過性に劣る傾向となる。伸縮性ポリエステル系不
織布の空隙率(%)は、[1−(w/tSρ)]×10
0(%)なる式で算出されるものである。ここで、Sは
不織布の面積(cm2)を表し、tは不織布の厚み(c
m)を表し、ρは不織布を構成する長繊維の密度(g/
cm3)を表し、wは面積Sの不織布の重量(g/c
2)を表すものである。なお、厚みの測定方法は、不
織布に4.5g/cm2の荷重を負荷した状態で測定し
たものである。
【0022】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布
を構成している略同心芯鞘型複合長繊維の芯を形成する
繊維(芯成分)の複屈折(Δn)は、100×10-3
上であるのが好ましく、特に115×10-3以上である
のが好ましい。例えば、繊維フリースを構成する長繊維
の芯成分である高融点ポリエステルの複屈折Δn=90
×10-3程度であったとき、この繊維フリースを延伸す
ることにより、Δn=100〜120×10-3程度迄ア
ップする。そして、得られる伸縮性ポリエステル系不織
布の縦方向の引張強力は、繊維フリースの縦方向の引張
強力に対して1.4倍程度アップする。複屈折(Δn)
の測定法は、偏光顕微鏡を用いて、繊維軸に平行な屈折
率と繊維軸に直角な屈折率との差を読み取って求める。
複屈折(Δn)が100×10-3未満であると、芯成分
の軸方向における分子配向の程度が不十分で、伸縮性ポ
リエステル系不織布の引張強力が低下する傾向となる。
なお、鞘を形成する繊維(低融点ポリエステルよりなる
鞘成分)の複屈折は、どの程度であっても差し支えな
い。なぜなら、鞘成分は融着区域においてその形態が崩
壊しており、伸縮性ポリエステル系不織布の引張強力に
大きな影響を与えないからである。
【0023】伸縮性ポリエステル系不織布の引張強力
は、縦方向において35kg/5cm幅以上であるのが
好ましい。引張強力がこの値よりも低いと、比較的大き
な外力が負荷される用途に不織布を使用した場合、破断
する恐れがある。引張強力の測定方法は、破断伸度を測
定する方法と同一の方法を採用し、試料片が破断したと
きの荷重を測定し、その平均値を目付100g/m2
換算した値である。
【0024】また、本発明に係る伸縮性ポリエステル系
不織布のトータルハンド値は、2.5g/g/m2以下
であるのが好ましく、特に2.0g/g/m2以下であ
るのが最も好ましい。トータルハンド値が2.5g/g
/m2を超えると、柔軟性に欠けた伸縮性ポリエステル
系不織布となる。特に、本発明に係る伸縮性ポリエステ
ル系不織布を、人体に対して適用する医療衛生資材用と
して用いる場合には、トータルハンド値が2.5g/g
/m2以下の柔軟性に富むものを用いるのが好ましい。
トータルハンド値は、JIS L−1096のハンドル
オメーター法に記載の方法に準拠して測定された値を目
付にて除した値である。
【0025】本発明に係る良好な伸縮性を持つ不織布
は、以下の如き方法で製造することができる。まず、高
融点ポリエステル系重合体と低融点ポリエステル系重合
体を準備する。この二種の重合体は、各々複合溶融紡糸
装置に投入され、各々が溶融した状態で複合紡糸孔を具
えた紡糸口金に導入し吐出する。この際、複合紡糸孔の
芯部に溶融した高融点ポリエステル系重合体が導入され
るようにし、且つ複合紡糸孔の鞘部に溶融した低融点ポ
リエステル系重合体が導入されるようにする。そして、
紡糸口金から略同心芯鞘型複合長繊維を紡出する。この
後、紡出繊維は従来公知の冷却装置を用いて冷却され
る。次いで、エアーサッカー法又はドカン(Doca
n)法を用いて、目標繊度となるように牽引・細化され
る。この際、牽引速度は3000m/分以上が好まし
く、特に3500m/分であるのが最も好ましい。この
ような高速度牽引によって、特開平2−33369号公
報に記載のものに比べて、高結晶性,高配向性及び高複
屈折の芯成分を持つ略芯鞘型複合長繊維を得るのであ
る。例えば、芯成分の複屈折(Δn)は、50〜110
×10-3以上程度となっている。芯成分の複屈折がこれ
より低くなると、芯成分が構造的に不安定になるため、
この長繊維よりなる繊維ウェブに熱融着を施したり、或
いはその後の繊維フリースに熱延伸を施す際に温度制御
が極めて困難になり、しかも熱の影響による収縮が激し
く、得られる不織布の物性が著しく低下する。なお、こ
のような高速度牽引によって得られる長繊維の破断伸度
は、特開平2−33369号公報に記載のものに比べて
かなり低く、概ね150%以下程度である。
【0026】牽引・細化した略同心芯鞘型複合長繊維
は、コロナ放電法や摩擦帯電法等の従来公知の開繊方法
によって開繊せしめられた後、移動する金網製スクリー
ンコンベア等の捕集コンベア上に堆積され、繊維ウェブ
が形成される。この繊維ウェブに部分的に熱を与える。
そして、部分的に熱を与えた箇所において、略同心芯鞘
型複合長繊維の鞘成分のみを軟化又は溶融させ、略同心
芯鞘型複合長繊維相互間を融着させた融着区域を形成す
る。この融着区域は、繊維ウェブ中に散点状に設けら
れ、各融着区域間は所定の間隔を置いて配置されてい
る。ここで、繊維ウェブに熱を与える際の温度は、鞘成
分の融点以下で一定の範囲の温度であるのが好ましい。
この温度が鞘成分の融点を超えると、融着区域における
融着が激しく、繊維フリースを熱延伸する際に、融着区
域に孔が開く恐れがあり、また、得られる不織布の風合
が硬くなる。また、この温度が鞘成分の融点以下で一定
の範囲を超えてあまりにも低すぎると、略同心芯鞘型複
合長繊維相互間の融着が不十分で、繊維フリースを熱延
伸する際に、複合長繊維が素抜けてしまう恐れがある。
また、得られる不織布の破断強力が不十分になる。従っ
て、繊維ウェブに熱を与える際の温度は、(鞘成分の融
点−5℃)〜(鞘成分の融点−30℃)の範囲であるの
が好ましい。
【0027】繊維ウェブに部分的に熱を与える方法とし
ては、凹凸ロールと平滑ロールとよりなるエンボス装
置、或いは一対の凹凸ロールよりなるエンボス装置を使
用し、凹凸ロールを加熱して、繊維ウェブにその凸部を
押圧すればよい。なお、この凸部は凹凸ロール面に散点
状に配設されてなるものである。この際、凹凸ロール
は、前記したように鞘成分の融点以下で一定の範囲の温
度に加熱されているのが、好ましい。凹凸ロールの一個
一個の凸部の先端面形状は、丸形、楕円形、菱形,三角
形,T形,井形,長方形等の任意の形状を採用すること
ができる。また、融着区域は、超音波溶着装置を使用し
て形成してもよい。超音波溶着装置は、繊維ウェブの所
定の区域に超音波を照射することによって、その区域に
おける複合型長繊維の相互間の摩擦熱で鞘成分を溶融さ
せるものである。
【0028】以上のようにして、熱融着区域が散点状に
配置された繊維フリースを得た後、この繊維フリースを
所望により幅方向に拡幅する。この拡幅は、エキスパン
ダーロールやグリード状ギヤー等の装置を用いて行うこ
とができる。また、この拡幅は、加熱下で行うのが好ま
しく、40〜80℃の熱風を吹き込んだ雰囲気下で行う
のが好ましい。加熱下で略同心芯鞘型複合長繊維を若干
可塑化させることにより、所望の拡幅率で拡幅を行いや
すくなるからである。繊維フリースの幅方向への拡幅率
は、5〜50%程度であるのが好ましい。拡幅率が5%
未満になると、後の熱延伸処理後の不織布の目付増加が
大きく、低目付不織布が得られにくくなる。しかしなが
ら、延伸率を大きくする必要がないときには、拡幅率が
5%未満であっても良く、更には拡幅を施さなくても良
いことは言うまでもない。また、拡幅率が50%を超え
ると、繊維フリースが破断する恐れがある。なお、繊維
フリースの拡幅率(%)は、{[(拡幅後の幅)−(拡
幅前の幅)]/拡幅前の幅}×100で表されるもので
ある。
【0029】次いで、拡幅した繊維フリースに、その状
態を維持させたまま、繊維フリースの縦方向に熱延伸を
施す。延伸は公知の方法が用いられ、例えば、供給ロー
ルと、供給ロールよりも速い周速度で回転する延伸ロー
ル間で行われる。また、この延伸も加熱下で行われ、鞘
成分の融点以下の温度による加熱下で行うのが好まし
い。熱延伸の好ましい態様は、熱固定も兼ねて、以下の
とおりである。
【0030】(i)60〜80℃程度に加熱された供給
ロールと、供給ロールよりも10〜30℃程度高い温度
に加熱された延伸ロールとを用いる方法が挙げられる。
この方法においては、供給ロールから繊維フリースが導
出される際に熱延伸が施される。そして、この繊維フリ
ースが延伸ロールに導入される際に熱固定が行われる。
この場合において、供給ロールと延伸ロールとの間に加
熱域部を設けても良い。加熱域部は、供給ロールの加熱
温度と延伸ロールの加熱温度の中間程度の温度に、加熱
されているのが好ましい。また、この加熱域部は、供給
ロールと延伸ロールとの間ではなく、延伸ロールを通過
した後の工程中に設けられていても良い。加熱域部は、
繊維フリースが加熱されれば良いのであって、乾熱又は
湿熱等の任意の手段が採用される。例えば、乾熱として
は、オーブンによる加熱,赤外線による加熱,ヒートプ
レートに接触させることによる加熱等が好ましく、湿熱
としては温湯中や湿熱蒸気中に繊維フリースを通すのが
好ましい。
【0031】(ii)常温の供給ロールと、70〜110
℃程度に加熱された延伸ロールと、供給ロールと延伸ロ
ール間に設けられた、延伸ロールの加熱温度よりも低い
温度で加熱された加熱域部とを用いる方法が挙げられ
る。この方法においては、繊維フリースが加熱域部を通
過する際に熱延伸が施される。そして、この繊維フリー
スが延伸ロールに導入される際に熱固定が行われる。な
お、加熱域部については、前述した(i)の場合と同様
に、種々の手段を採用することができる。
【0032】(iii)60〜80℃程度に加熱された供
給ロールと、常温の延伸ロールと、延伸ロールの後方に
設置された供給ロールの加熱温度よりも10〜30℃高
い温度に加熱された加熱域部とを用いる方法が挙げられ
る。この方法においては、供給ロールから繊維フリース
が導出される際に熱延伸が施される。そして、この繊維
フリースが常温の延伸ロールに導入され、次いで、後方
に設置された加熱域部を通過する際に熱固定が行われ
る。なお、加熱域部については、前述した(i)の場合
と同様に、種々の手段を採用することができる。
【0033】(iv)常温の供給ロールと、常温の延伸ロ
ールと、供給ロールと延伸ロール間に設置された第一の
加熱域部Aと、延伸ロールの後方に設置された第二の加
熱域部Bとを用いる方法が挙げられる。そして、加熱域
部Bの方が、加熱域部Aよりも高い温度で加熱されてい
る。一般に、加熱域部Aの温度は60〜80℃程度が好
ましく、加熱域部Bの温度は加熱域部Aの温度よりも1
0〜30℃高いことが好ましい。この方法においては、
繊維フリースが加熱域部Aを通過する際に熱延伸が施さ
れる。そして、繊維フリースが常温の延伸ロールに導入
され、次いで、後方に設置された加熱域部Bを通過する
際に熱固定が行われる。なお、加熱域部A,Bについて
は、前述した(i)の場合と同様に、種々の手段を採用
することができる。
【0034】このような熱延伸によって、鞘成分及び芯
成分が可塑化され、両成分のずり変形による延伸が、複
合長繊維に施されるのである。また、融着区域における
長繊維相互間の融着をある程度維持しながら、繊維フリ
ース中における複合長繊維が機械方向に再配列されると
共にこの繊維フリースを構成する複合長繊維中の分子配
向が高められることにより、幅方向への伸縮性が発現す
るのである。複合長繊維中の分子配向については、特に
高融点ポリエステル系重合体よりなる芯成分の分子配向
が高められるのであり、芯成分の複屈折が大きくなる。
例えば、繊維フリース中のおける芯成分の複屈折が90
×10-3である場合、熱延伸した後には、芯成分の複屈
折が115〜140×10-3程度となる。なお、熱延伸
の程度が大きければ大きいほど、複屈折も大きくなるこ
とは言うまでもないことである。
【0035】熱延伸の程度は、繊維フリースの縦方向に
おける破断伸度に対して、10〜80%の延伸比とする
必要があり、好ましくは40〜75%程度の延伸比とす
るのが良い。ここで、延伸比とは、繊維フリースの縦方
向における破断伸度に対する延伸時の伸度の割合を百分
率で表したものを意味している。従って、繊維フリース
の縦方向における破断伸度をB%とすると、(0.1×
B〜0.8×B)%、繊維フリースを縦方向に伸ばすと
いうことである。延伸比が10%未満の場合には、繊維
フリース中の複合長繊維が、機械方向に十分に再配列し
ないので、幅方向における伸縮性が不十分となる。ま
た、複合長繊維(特に芯成分)に十分なずり変形が与え
られず、分子配向が進行しないので、引張強度が向上し
にくい。また、延伸比が80%を超えると、延伸が大き
すぎて、繊維フリース中の複合長繊維が破断する恐れが
ある。なお、繊維フリースの縦方向における破断伸度
(%)は、JIS−L−1096Aに記載の方法に準じ
て、前述した不織布の破断伸度を測定する場合と同様に
して測定されるものである。
【0036】以上のようにして熱延伸した繊維フリース
に、鞘成分の融点以下の温度で熱処理を施し、熱固定す
る。熱固定の温度は、延伸時の熱履歴を消去するため
に、延伸時に採用した温度よりも高くするのが好まし
い。この熱固定も、乾熱又は湿熱で行うことができる。
また、この熱固定は、繊維フリースを弛緩させて行って
も良いし、緊張させて又は定長で行っても良い。特に、
緊張又は定長で行う方が、得られた不織布に良好な伸縮
性を付与することができるため好ましい。このような熱
固定は、前記(i)〜(iv)の手段で行うことも可能で
ある。
【0037】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布
の製造方法をフロー図で示すと、図1に記載したとおり
である。即ち、所定の方法で繊維フリースを得た後(ス
テップ1)、この繊維フリースを加熱下で拡幅する(ス
テップ2)。次に、拡幅した状態の繊維フリースを、加
熱下で熱延伸する(ステップ3)。熱延伸した後、加熱
下で熱固定する(ステップ4)。そして、得られた不織
布を所望により巻き取れば良い(ステップ5)。これら
の各ステップは、一般的に、連続してオンラインで行わ
れる。しかし、ステップ1とステップ2以降とを切り離
し、繊維フリースを得る工程と、ステップ2以降の拡
幅,延伸,熱固定の工程とを別工程で行っても良い。本
発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布の製造方法にお
いては、後述する実施例の記載からも示唆されるよう
に、繊維フリースの空隙率よりも得られた伸縮性ポリエ
ステル系不織布の空隙率の方が大きくなるのが一般的で
ある。このような現象は、延伸処理した不織布に関する
米国特許第5244482号明細書の説明とは逆の現象
であり、全く予期できないことである。このような現象
の生じる理由は定かではないが、構成繊維として略芯鞘
型複合長繊維を使用したこと、繊維フリースとして融着
区域が散点状に配置されてなるものを使用したこと、及
び熱延伸前に所望により拡幅処理をしているためではな
いかと推定される。即ち、略芯鞘型複合長繊維の場合に
は、熱延伸によって芯成分と鞘成分とに負荷される応力
が異なるために、長繊維にたるみが生じて空隙が生じた
り、また、散点状の融着区域と非融着区域とでは実質的
に延伸の程度が異なるため、この差によって空隙が更に
生じると共に、熱延伸する前に拡幅することにより予め
空隙を大きくしておき、空隙の減少を防止しうるからで
はないかと推定されるのである。
【0038】以上のようにして得られた伸縮性ポリエス
テル系不織布は、そのままで従来公知の各種用途、特に
医療衛生資材用途に用いることもできるし、また、図2
に示す如く、弾性フィルム2と積層して各種用途に用い
ることもできる。更に、伸縮性ポリエステル系不織布1
の両面に弾性フィルム2,2を積層したり、又は弾性フ
ィルム2の両面に伸縮性ポリエステル系不織布1,1を
積層した三層積層体として、各種用途に使用することも
できる。また、本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織
布は、このような使用形態が限らず、どのような使用形
態で用いられても差し支えないことは、言うまでもな
い。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。また、実施例において使用する各物
性値等の測定方法は、次に示すとおりである。なお、破
断伸度(%)、伸長回復率(%),空隙率(%),拡幅
率(%),引張強力(kg/5cm幅)及びトータルハ
ンド値(g/g/m2)の測定方法については、前述し
たとおりである。 (1)融点(℃):パーキンエルマ社製示差装置型熱量
計DSC−2型を用い、試料重量5mg、昇温速度20
℃/分として測定して得た、融解吸熱曲線の最大値を与
える温度を融点とした。 (2)目付(g/m2):標準状態の試料から、縦10
cm×横10cmの試料片を10点準備し、平衡水分率
にした後、各試料片の重量(g)を秤量し、得られた値
の平均値を単位面積当りに換算し目付(g/m2)とし
た。
【0040】実施例1 芯成分として、融点256℃で極限粘度0.64のポリ
エチレンテレフタレートを準備した。また、鞘成分とし
て、融点232℃で極限粘度0.66の共重合ポリエス
テル(ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を8
モル%共重合したもの)を準備した。この二種の重合体
を、個別のエクストルーダー型溶融押出機を用いて、複
合紡糸孔(得られる複合繊維の断面が丸型となる複合紡
糸孔)を具えた紡糸口金に導入した。この際、複合紡糸
孔の芯部に溶融したポリエチレンテレフタレートが導入
されるようにし、鞘部に溶融した共重合ポリエステルが
導入されるようにして、芯成分と鞘成分の重量比が等量
となるようにして、単孔吐出量1.63g/分の条件下
で複合溶融紡糸を行った。紡糸口金から紡出した糸条群
を公知の冷却装置で冷却し、紡糸口金の下方に設置した
エアーサッカーを用いて牽引速度が4900m/分とな
るようにして引き取った。その後、エアーサッカーの出
口に設けた開繊装置で糸条群を開繊し、移動する金網製
のスクリーンコンベアー上に堆積させて、目付30g/
2の繊維ウェブを得た。この際、繊維ウェブを構成し
ている略同心芯鞘型複合長繊維の繊度は3デニールであ
った。
【0041】次いで、この繊維ウェブを、210℃に加
熱された凹凸ロールと210℃に加熱された平滑ロール
の間に導入した。この結果、凹凸ロールの凸部に当接し
た繊維ウェブの区域が、部分的に加熱され、略芯鞘型複
合長繊維の鞘成分が軟化又は溶融して、複合長繊維相互
間が融着された。そして、融着区域が散点状に配設され
た繊維フリースが得られた。各融着区域の面積は0.6
mm2であり、繊維フリース中における融着区域の密度
は20個/cm2であり、また融着区域の総面積は繊維
フリース表面積に対して15%であった。また、この繊
維フリースの縦方向の破断伸度は58%であった。更
に、繊維フリースを構成している複合長繊維の密度は、
1.295g/cm3であり、繊維フリースの空隙率は
86.1%であった。
【0042】この繊維フリースを、クリップテンター付
き加圧スチーム処理機に導入し、80℃の雰囲気下で幅
方向に15%拡幅した。そして、この拡幅した状態で、
繊維フリースを縦方向に熱延伸した。延伸条件として
は、1段延伸法を適用し、供給ロールに導入した後、次
いで延伸ロールに導入した。この際、供給ロールの温度
を90℃とし、延伸ロールの温度は145℃とし、延伸
比を48.3%とした。そして、熱延伸後の繊維フリー
スを、定長条件下で220℃のヒートドラムに導入し、
熱固定を行って、伸縮性ポリエステル系不織布を得た。
この伸縮性ポリエステル系不織布の物性を表1に示し
た。
【0043】
【表1】 なお、表1中、目付は不織布1m2当りの重量(g)で
あり、ECは不織布の幅方向の破断伸度(%)であり、
EMは不織布の縦方向の破断伸度(%)であり、EEC
(50)は不織布を幅方向に50%伸長した時の伸長回
復率(%)であり、EEC(100)は不織布を幅方向
に100%伸長した時の伸長回復率(%)であり、トー
タルハンド値は不織布の柔軟性を表すものである。
【0044】実施例2 延伸比を55.2%とする他は、実施例1と同一の条件
で伸縮性ポリエステル系不織布を得、この物性を表1に
示した。
【0045】実施例3 延伸比を74.1%とする他は、実施例1と同一の条件
で伸縮性ポリエステル系不織布を得、この物性を表1に
示した。
【0046】実施例4 芯成分として、実施例1で用いたのと同一のポリエチレ
ンテレフタレートを準備し、鞘成分として、 融点20
1℃で極限粘度0.65の共重合ポリエステル(ポリエ
チレンテレフタレートにイソフタル酸を16モル%共重
合したもの)を準備した。この二種の重合体を用いて、
単孔吐出量を1.57g/分となるようにする他は、実
施例1と同一の方法で、複合溶融紡糸を行った。紡糸口
金から紡出した糸条群を、牽引速度が4700m/分と
なるようにする他は、実施例1と同一の方法で引き取
り、その後も同様にして、目付30g/m2の繊維ウェ
ブを得た。この際、繊維ウェブを構成している略同心芯
鞘型複合長繊維の繊度は3デニールであった。
【0047】この繊維ウェブに、加熱温度を180℃と
する他は、実施例1と同一の方法で融着区域を設け、繊
維フリースを作成した。この繊維フリースの縦方向の破
断伸度は54%であった。また、繊維フリースを構成し
ている略同心芯鞘型複合長繊維の密度は、1.290g
/cm3であり、繊維フリースの空隙率は85.8%で
あった。そして、この繊維フリースを、供給ロールの温
度を80℃とし、延伸ロールの温度を115℃とし、延
伸比を55.6%とし、ヒートドラムによる熱固定温度
を190℃とする他は、実施例1と同様の方法で、拡幅
処理,熱延伸処理及び熱固定を行って、伸縮性ポリエス
テル系不織布を得た。この伸縮性ポリエステル系不織布
の物性を表1に示した。
【0048】実施例5 芯成分として、融点232℃で極限粘度0.66の共重
合ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートにイソフ
タル酸を8モル%共重合したもので、実施例1において
鞘成分として用いたもの)を準備した。一方、鞘成分と
して、融点201℃で極限粘度0.65の共重合ポリエ
ステル(ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を
16モル%共重合したもので、実施例4において鞘成分
として用いたもの)を準備した。この二種の重合体を用
いて、単孔吐出量を1.5g/分となるようにする他
は、実施例1と同一の方法で、複合溶融紡糸を行った。
紡糸口金から紡出した糸条群を、牽引速度が4500m
/分となるようにする他は、実施例1と同一の方法で引
き取り、その後も同様にして、目付30g/m2の繊維
ウェブを得た。この際、繊維ウェブを構成している略同
心芯鞘型複合長繊維の繊度は3デニールであった。
【0049】この繊維ウェブに、実施例4と同一の方法
で融着区域を設け、繊維フリースを作成した。この繊維
フリースの縦方向の破断伸度は50%であった。また、
繊維フリースを構成している略同心芯鞘型複合長繊維の
密度は、1.285g/cm3であり、繊維フリースの
空隙率は85.5%であった。そして、この繊維フリー
スを、延伸比を56.0%とする他は、実施例4と同一
の方法で、拡幅処理,熱延伸処理及び熱固定を行って、
伸縮性ポリエステル系不織布を得た。この伸縮性ポリエ
ステル系不織布の物性を表1に示した。
【0050】比較例1 繊維ウェブの目付を40g/m2とし、拡幅,熱延伸及
び熱固定を施していない他は、実施例1と同一の条件で
不織布を得た。この不織布の物性は表2に示したとおり
であった。
【0051】
【表2】 なお、表2中、各項目は表1の場合と同様である。
【0052】比較例2 融点160℃でメルトフローレート値(ASTM D1
238(L)に記載の方法に準拠して測定)30g/1
0分のポリプロピレンのみを準備した。そして、このポ
リプロピレンをエクストルーダー型溶融押出機を用い
て、繊維断面が単相丸型断面となる紡糸孔を具えた紡糸
口金に供給し、単孔吐出量が1.27g/分の条件下に
て溶融紡糸を行った。紡出糸条群を、牽引速度が380
0m/分とする他は、実施例1と同一の方法で引き取
り、その後も同様にして、目付30g/m2の繊維ウェ
ブを得た。この際、繊維ウェブを構成している単相丸型
断面長繊維の繊度は3デニールであった。
【0053】この繊維ウェブに、加熱温度を145℃と
する他は、実施例1と同一の方法で融着区域を設け、繊
維フリースを作成した。この繊維フリースの縦方向の破
断伸度は80%であった。また、繊維フリースを構成し
ている単相丸型断面のポリプロピレン長繊維の密度は、
0.86g/cm3であり、繊維フリースの空隙率は7
3.9%であった。そして、この繊維フリースを、供給
ロールの温度を90℃とし、延伸ロールの温度を135
℃とし、延伸比を57.5%とし、ヒートドラムによる
熱固定温度を150℃とする他は、実施例1と同様の方
法で、拡幅処理,熱延伸処理及び熱固定を行って、伸縮
性ポリプロピレン系不織布を得た。この伸縮性ポリプロ
ピレン系不織布の物性を表2に示した。
【0054】表1及び表2の結果から明らかなように、
実施例1〜5に係る方法で得られた伸縮性ポリエステル
系不織布は、いずれも幅方向の伸縮性に優れたものであ
った。そして、延伸倍率を大きくすればするほど、幅方
向の伸長性が大きくなり、また伸長回復性も大きくな
る。比較例1に係る方法においては、熱延伸及び熱固定
を施していないため、伸長性及び伸長回復性が不十分で
あり、伸縮性不織布というには程遠いものであった。ま
た、比較例2に係る方法においては、長繊維として非複
合型のポリプロピレン系単相長繊維を用いたため、目付
が実施例1〜5に比べて低くなっていることからも分か
るように、熱延伸時に単相長繊維が素抜ける傾向があっ
たり、熱固定が十分に施されない傾向がある。従って、
伸長性及び伸長回復性共に不十分であり、伸縮性不織布
というには程遠いものであった。更に、表1及び表2の
結果から明らかなように、実施例1〜5に係る方法で得
られた伸縮性不織布の空隙率は、拡幅及び延伸前の繊維
フリースの空隙率よりも大きくなっていることが分か
る。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織
布は、略同心芯鞘型複合長繊維で構成されると共に、鞘
成分の軟化又は溶融によって長繊維相互間が融着された
融着区域を、散点状に配置したものであり、且つ、以下
の四条件を同時に満足するものである。即ち、(i)不
織布の幅方向の破断伸度が150%であること、(ii)
不織布の縦方向の破断伸度に対する幅方向の破断伸度の
比が5以上であること、(iii)不織布を幅方向に50
%伸長した時の伸長回復率が60%以上であること、
(iv)不織布を幅方向に100%伸長した時の伸長回復
率が50%以上であることを満足するものである。従っ
て、幅方向に極めて大きな伸縮性を発揮し、縦方向には
伸縮性を殆ど発揮しない一方向性の伸縮性を持つという
効果を奏するものである。また、本発明に係る伸縮性ポ
リエステル系不織布を構成する繊維として、高融点ポリ
エステル系芯成分と低融点ポリエステル系鞘成分とから
なる略同心芯鞘型複合長繊維のみを採用した場合、ポリ
エステル外の他種重合体が存在しないので、本発明に係
る伸縮性不織布は、ポリエステル100%の布帛と同様
に扱うことができる。従って、人体等に対する悪影響を
及ぼす可能性があるため、使用素材が厳しく規制される
ような用途、例えば、医療衛生資材用途等に本発明に係
る伸縮性ポリエステル系不織布は好適に用いうるもので
ある。更に、本発明に係る伸縮性不織布の空隙率が、8
5%以上である場合には、通水性及び通液性に優れると
いう効果を奏する。
【0056】また、本発明に係る伸縮性ポリエステル系
不織布の製造方法は、略同心芯鞘型複合長繊維で構成さ
れ、且つ、該略同心芯鞘型複合長繊維相互間が鞘成分の
軟化又は溶融によって融着した融着区域が、散点状に配
置されてなる繊維フリースを用い、これに熱延伸を施す
というものである。従って、単一成分よりなる長繊維
(単相長繊維)で構成された、同様の融着区域を持つ繊
維フリースの場合のように、熱延伸時に、融着区域が崩
壊したり(単相長繊維相互間の融着が激しい場合)、長
繊維が素抜けたり(単相長繊維相互間の融着が不十分な
場合)することが少ない。即ち、略同心芯鞘型複合長繊
維の鞘成分による融着の場合は、融着区域においても芯
成分は繊維形態を保持したまま存在しているため、融着
区域が崩壊することを防止でき、また芯成分が繊維形態
を保持するために鞘成分を十分に軟化又は溶融すること
ができ、融着が不十分となることを防止しうるのであ
る。
【0057】また、本発明に係る伸縮性ポリエステル系
不織布の製造方法においては、熱延伸の前に、繊維フリ
ースを所望により幅方向に拡幅するので、繊維フリース
の縦方向に比較的高い倍率で延伸しても、得られる伸縮
性ポリエステル系不織布の幅入りを少なくすることがで
きると共に低目付化が可能であるいう効果も奏する。ま
た、この拡幅によって、得られた伸縮性ポリエステル系
不織布は、拡幅時の幅までは必然的に伸長しうるため、
高い伸長性及び伸長回復性を確保しうるという効果も奏
する。
【0058】更に、本発明に係る伸縮性ポリエステル系
不織布の製造方法においては、熱延伸後に、熱固定を行
うので、延伸時にずり変形の生じた芯鞘型複合長繊維
は、特にその芯成分の結晶化の促進が図られ、長繊維の
形態安定化が図れる。従って、延伸時に繊維フリースの
縦方向に再配列した芯鞘型複合長繊維は、再配列した形
態で安定化される。従って、伸縮性ポリエステル系不織
布を製造した後において、縦方向又は幅方向の寸法変化
が少ないという効果を奏すると共に、幅方向に伸長させ
た際に再配列した形態に戻り易く、伸長回復性に優れる
という効果をも奏する。
【0059】更に、本発明に係る伸縮性ポリエステル系
不織布の製造方法においては、繊維フリースの空隙率よ
りも伸縮性ポリエステル系不織布の空隙率を大きくする
ことが可能である。この理由は、前記したとおり、構成
繊維として略芯鞘型複合長繊維を使用していること、繊
維フリースに熱融着区域を散点状に設けていること、及
び所望により拡幅処理した後に熱延伸することという手
段によるものと考えられる。従って、比較的大きな空隙
率を持つ伸縮性ポリエステル系不織布を得ることがで
き、通水性や通液性に優れた伸縮性ポリエステル系不織
布を効率よく得られるという効果を奏する。依って、本
発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布或いは本発明に
係る方法で得られた伸縮性ポリエステル系不織布は、特
に医療衛生資材用に好適に使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布の一
製造例を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る伸縮性ポリエステル系不織布の一
使用例に係る積層体の断面図である。
【符号の説明】
1 伸縮性ポリエステル系不織布 2 弾性フィルム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高融点ポリエステル系芯成分と低融点ポ
    リエステル系鞘成分とで形成された略同心芯鞘型複合長
    繊維が集積されてなり、該略同心芯鞘型複合長繊維相互
    間が該鞘成分の軟化又は溶融によって融着された融着区
    域が、散点状に設けられてなり、且つ下記式(1)〜
    (4)を同時に満足することを特徴とする伸縮性ポリエ
    ステル系不織布。 記 EC≧150% ………(1) EC/EM≧5 ………(2) EEC(50)≧60% ………(3) EEC(100)≧50% ………(4) (但し、ECは不織布の幅方向の破断伸度であり、EM
    は不織布の縦方向の破断伸度であり、EEC(50)は
    不織布を幅方向に50%伸長した時の伸長回復率であ
    り、EEC(100)は不織布を幅方向に100%伸長
    した時の伸長回復率である。)
  2. 【請求項2】 略同心芯鞘型複合長繊維の繊度が15デ
    ニール以下であり、該略同心芯鞘型複合長繊維の芯成分
    と鞘成分の重量比が、芯成分:鞘成分=1:0.1〜5
    である請求項1記載の伸縮性ポリエステル系不織布。
  3. 【請求項3】 空隙率が85%以上である請求項1記載
    の伸縮性ポリエステル系不織布。
  4. 【請求項4】 高融点ポリエステル系芯成分と低融点ポ
    リエステル系鞘成分とで形成された略同心芯鞘型複合長
    繊維を、捕集コンベア上に堆積させて繊維ウェブを形成
    し、該繊維ウェブに部分的に熱を与えて、該略同心芯鞘
    型複合長繊維相互間が該鞘成分の軟化又は溶融によって
    融着された融着区域を、該繊維ウェブ中に散点状に設け
    てなる繊維フリースを得た後、該繊維フリースを幅方向
    に拡幅率0〜50%となるように拡幅した状態で、縦方
    向に該繊維フリースを10〜80%の延伸比で熱延伸
    し、その後、該鞘成分の融点以下の温度で熱固定するこ
    とを特徴とする伸縮性ポリエステル系不織布の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 繊維フリースの幅方向の拡幅率が5〜5
    0%である請求項3記載の伸縮性ポリエステル系不織布
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 繊維フリースの空隙率よりも伸縮性ポリ
    エステル系不織布の空隙率の方が大きい請求項4又は5
    記載の伸縮性ポリエステル系不織布の製造方法。
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JP2000119946A (ja) * 1998-10-16 2000-04-25 Kuraray Co Ltd 高伸度不織布及びその製造方法

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