JPH0559384A - グリース封入軸受 - Google Patents
グリース封入軸受Info
- Publication number
- JPH0559384A JPH0559384A JP21880991A JP21880991A JPH0559384A JP H0559384 A JPH0559384 A JP H0559384A JP 21880991 A JP21880991 A JP 21880991A JP 21880991 A JP21880991 A JP 21880991A JP H0559384 A JPH0559384 A JP H0559384A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- powder
- grease
- coating film
- rolling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軸受の高速化、高荷重化に伴い軸受転走面に
生じる剥離（フレーキング）を防止し、グリース封入軸
受の長寿命化を図ることである。 【構成】 軸受に封入されるグリースに、軸受使用の初
期段階で転走面に不活性面を形成する金属、酸化物、硫
化物等の粉末を混入したものである。
生じる剥離（フレーキング）を防止し、グリース封入軸
受の長寿命化を図ることである。 【構成】 軸受に封入されるグリースに、軸受使用の初
期段階で転走面に不活性面を形成する金属、酸化物、硫
化物等の粉末を混入したものである。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車電装部品（オ
ルタネータ、電磁クラッチ、アイドラプーリー等）及び
その他の補機部品用のグリース封入軸受に関する。
ルタネータ、電磁クラッチ、アイドラプーリー等）及び
その他の補機部品用のグリース封入軸受に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、自動車用電装部品は省資源、省エ
ネルギー指向、部品のコンパクト化の為、小型化・軽量
化と共に高性能・高出力化が求められており、小型化に
よる出力低下分は高速化することで補われている。上記
オルタネータや電磁クラッチを例にとれば、プーリーを
出来るだけ小型化すること、及び伝達効率の低下を防ぐ
為、プーリーに伝導ベルトの係合溝を多数連成し、更に
ベルトのテンション力を高くとる手段が採用されてい
る。その為プーリーを支持する軸受には高速回転と高荷
重とが共に加わることになる。
ネルギー指向、部品のコンパクト化の為、小型化・軽量
化と共に高性能・高出力化が求められており、小型化に
よる出力低下分は高速化することで補われている。上記
オルタネータや電磁クラッチを例にとれば、プーリーを
出来るだけ小型化すること、及び伝達効率の低下を防ぐ
為、プーリーに伝導ベルトの係合溝を多数連成し、更に
ベルトのテンション力を高くとる手段が採用されてい
る。その為プーリーを支持する軸受には高速回転と高荷
重とが共に加わることになる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のような高速化・
高荷重化に伴ない、転走面に剥離（フレーキング）が生
じやすくなる。この剥離は、金属疲労により生じる通常
の転走面表面ないし表層の剥離とは違い、相当内部の深
い部分から生じており、この剥離から生じる軸受寿命
は、通常のグリース封入軸受の計算寿命に比べて短寿命
を示す。
高荷重化に伴ない、転走面に剥離（フレーキング）が生
じやすくなる。この剥離は、金属疲労により生じる通常
の転走面表面ないし表層の剥離とは違い、相当内部の深
い部分から生じており、この剥離から生じる軸受寿命
は、通常のグリース封入軸受の計算寿命に比べて短寿命
を示す。
【０００４】本発明者等は、上記剥離の原因について鋭
意探究した結果、特開平２−１９０６１５号に開示した
通り、高速化による振動が転走面の鏡面摩耗を引き起こ
し、それによる新生面の形成が触媒作用をなしてグリー
スが分解し、その際に発生した水素が鋼中に侵入して水
素脆性を引起し、その水素脆性による剥離が原因となっ
て軸受寿命が低下することを知見した。
意探究した結果、特開平２−１９０６１５号に開示した
通り、高速化による振動が転走面の鏡面摩耗を引き起こ
し、それによる新生面の形成が触媒作用をなしてグリー
スが分解し、その際に発生した水素が鋼中に侵入して水
素脆性を引起し、その水素脆性による剥離が原因となっ
て軸受寿命が低下することを知見した。
【０００５】而して、上記先行出願では、剥離の発生を
防止する為、転走面に酸化皮膜を形成するようにした
が、本発明者等はグリースに酸化物粉末やＣｕ粉末等を
混入することによって剥離を起こさないものにすべく、
更に研究を深め、ここに本発明を完成するに至った。
防止する為、転走面に酸化皮膜を形成するようにした
が、本発明者等はグリースに酸化物粉末やＣｕ粉末等を
混入することによって剥離を起こさないものにすべく、
更に研究を深め、ここに本発明を完成するに至った。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のグリース封入軸受は、転走面に不活性皮膜を形成さ
せる粉末を混入したグリースを封入することからなる。
明のグリース封入軸受は、転走面に不活性皮膜を形成さ
せる粉末を混入したグリースを封入することからなる。
【０００７】上記の粉末としては、Ｃｕ、Ｚｎ等の金属
粉末、ＦｅＯ、Ｆｅ3 Ｏ4 、ＣｕＯ、ＣｕＯ2 等の酸化
物粉末、ＦｅＳＯ4 、Ｆｅ2 （ＳＯ4 ）3 、ＺｎＳＯ4
等の硫化物粉末等がある。
粉末、ＦｅＯ、Ｆｅ3 Ｏ4 、ＣｕＯ、ＣｕＯ2 等の酸化
物粉末、ＦｅＳＯ4 、Ｆｅ2 （ＳＯ4 ）3 、ＺｎＳＯ4
等の硫化物粉末等がある。
【０００８】
【作用】軸受に封入されるグリースに上記の粉末を混入
すると、軸受として使用される初期の段階で、内外輪の
転走面にＣｕ皮膜や酸化皮膜等の不活性皮膜が形成さ
れ、剥離の発生を防止する。
すると、軸受として使用される初期の段階で、内外輪の
転走面にＣｕ皮膜や酸化皮膜等の不活性皮膜が形成さ
れ、剥離の発生を防止する。
【０００９】
【実施例】グリース封入軸受の固定側輪（内輪もしくは
外輪）の転走面表層に生ずる既述の剥離（水素脆性に起
因するものと考えられる）をなくするために、オルタネ
ータのプーリー側玉軸受を使用し、その封入グリースに
Ｃｕ粉末、ＣｕＯ粉末及びＦｅ3 Ｏ4 粉末を混入し、実
機により寿命試験を行ったテスト結果を第１表に示す。
外輪）の転走面表層に生ずる既述の剥離（水素脆性に起
因するものと考えられる）をなくするために、オルタネ
ータのプーリー側玉軸受を使用し、その封入グリースに
Ｃｕ粉末、ＣｕＯ粉末及びＦｅ3 Ｏ4 粉末を混入し、実
機により寿命試験を行ったテスト結果を第１表に示す。
【００１０】試験温度は６０〜８０℃、回転数１８００
０ｒｐｍの下でテストし、テスト軸受５個の平均値を比
較例（無混入）と共に表示したものである。Ｃｕ粉末及
び酸化物粉末の粒度は１０μｍ以下を使用した。
０ｒｐｍの下でテストし、テスト軸受５個の平均値を比
較例（無混入）と共に表示したものである。Ｃｕ粉末及
び酸化物粉末の粒度は１０μｍ以下を使用した。
【００１１】
【表１】
【００１２】第１表の結果から、Ｆｅ3 Ｏ4 粉末で混入
量０．０１ｗ％のものは転走面に剥離が認められたが、
０．０５ｗ％以上及びＣｕ粉末、ＣｕＯ粉末のものは長
寿命を達成することができた。
量０．０１ｗ％のものは転走面に剥離が認められたが、
０．０５ｗ％以上及びＣｕ粉末、ＣｕＯ粉末のものは長
寿命を達成することができた。
【００１３】この結果から、Ｃｕ粉末、ＣｕＯ粉末及び
Ｆｅ3 Ｏ4 粉末混入グリースは剥離の防止に効果がある
ことは明らかである。
Ｆｅ3 Ｏ4 粉末混入グリースは剥離の防止に効果がある
ことは明らかである。
【００１４】この結果は、封入グリースにＣｕ粉末や酸
化粉末を混入することにより、軸受使用の初期段階で、
内外輪の転走面にＣｕ皮膜や酸化物皮膜を形成し、転走
面を不活性にして、水素脆性による亀裂の発生が防止さ
れるとする考えと一致する。
化粉末を混入することにより、軸受使用の初期段階で、
内外輪の転走面にＣｕ皮膜や酸化物皮膜を形成し、転走
面を不活性にして、水素脆性による亀裂の発生が防止さ
れるとする考えと一致する。
【００１５】上記の実施例に基づき、その他の粉末、例
えばＺｎ等の金属粉末、ＦｅＯ、ＣｕＯ2 等の酸化物粉
末、ＦｅＳＯ4 、Ｆｅ2 （ＳＯ4 ）3 、ＺｎＳＯ4 等の
硫化物粉末等も同様の効果を有するものと考えられる。
えばＺｎ等の金属粉末、ＦｅＯ、ＣｕＯ2 等の酸化物粉
末、ＦｅＳＯ4 、Ｆｅ2 （ＳＯ4 ）3 、ＺｎＳＯ4 等の
硫化物粉末等も同様の効果を有するものと考えられる。
【００１６】
【効果】以上のように、この発明は軸受使用の初期段階
で不活性皮膜を形成する粉末を封入グリースに混入した
ことにより、軸受の転走面に生じる剥離を防止し、軸受
の長寿命化を図る効果がある。
で不活性皮膜を形成する粉末を封入グリースに混入した
ことにより、軸受の転走面に生じる剥離を防止し、軸受
の長寿命化を図る効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｎ 10:04 10:16 40:02 50:10
Claims (1)
- 【請求項１】 軸受内にグリースを封入したグリース封
入軸受において、転走面に不活性皮膜を形成させる粉末
を混入したグリースを封入してなるグリース封入軸受。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21880991A JPH0559384A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | グリース封入軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21880991A JPH0559384A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | グリース封入軸受 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0559384A true JPH0559384A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=16725686
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21880991A Pending JPH0559384A (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | グリース封入軸受 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0559384A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5741762A (en) * | 1996-03-07 | 1998-04-21 | Skf Nova Ab | Lubricated rolling contact devices, a method for lubricating rolling contact devices, and a composition for lubricating rolling contact devices |
| JP2009121689A (ja) * | 2009-03-05 | 2009-06-04 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
-
1991
- 1991-08-29 JP JP21880991A patent/JPH0559384A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5741762A (en) * | 1996-03-07 | 1998-04-21 | Skf Nova Ab | Lubricated rolling contact devices, a method for lubricating rolling contact devices, and a composition for lubricating rolling contact devices |
| JP2009121689A (ja) * | 2009-03-05 | 2009-06-04 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
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