JP2587697B2 - 複合固体潤滑剤 - Google Patents

複合固体潤滑剤

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JP2587697B2
JP2587697B2 JP1044092A JP4409289A JP2587697B2 JP 2587697 B2 JP2587697 B2 JP 2587697B2 JP 1044092 A JP1044092 A JP 1044092A JP 4409289 A JP4409289 A JP 4409289A JP 2587697 B2 JP2587697 B2 JP 2587697B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は粉末を焼結してなる摺動材に係り、特に黒鉛
もしくはMoS2、WS2等の固体潤滑剤を金属粉に添加して
焼結する摺動材に関する。
[従来の技術] 黒鉛、MoS2、WS2、BN等の固体潤滑剤を焼結体の中に
分散させて無給脂摺動材を製造する方法は従来から一般
的に知られている。この際1〜50μmの微細な固体潤滑
剤を50〜200μm程度の焼結用金属粉末と混合し成形・
焼結すると、固体潤滑剤が金属粉末と金属粉末との間に
はいり込み焼結を阻害するため、固体潤滑剤を造粒して
使用するのが好ましく、特願昭62−196351等にも造粒に
よる固体潤滑性複合材料について記載されている。
[発明が解決しようとする課題] 固体潤滑剤とマトリックスとして使用する金属との組
合せによっては、焼結時に固体潤滑剤が金属と反応して
分解することがあり、使用が限定されている。たとえば
Fe基と黒鉛、あるいはCu基、Fe基とMoS2、WS2等の組合
せは反応を起こす代表的な例であり、Fe基と黒鉛の組合
せについては本発明者らが特開平1−18905に述べてい
るように、黒鉛に無機系の結合剤を添加して造粒するこ
とにより反応を防止することが可能である。しかし、Mo
S2、WS2等についてはこの方法では反応を完全に防止す
ることができないという問題点があった。
本発明は上述した従来の問題点に着目し、固体潤滑剤
と金属粉末とを混合して焼結する際にMoS2、WS2等の固
体潤滑剤が分解しないような複合固体潤滑剤を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明に係る複合固体潤滑
剤は、焼結粉末と混合して焼結することにより焼結摺動
材を生成する複合固体潤滑剤において、前記焼結時に焼
結粉末と反応して分解する性質を有し、かつ前記複合固
体潤滑剤の核となる第1固体潤滑剤と、この第1固体潤
滑剤より前記焼結粉末と反応し難く、かつ前記第1固体
潤滑剤を被覆する第2固体潤滑剤とよりなる。
前記第1固体潤滑剤は二硫化モリブデンまたは二硫化
タングステンとすることができ、前記第2固体潤滑剤は
窒化硼素または黒鉛とすることができる。
前記第1固体潤滑剤の粒径は1〜1000μmとし、前記
第2固体潤滑剤の粒径は10〜2000μmとすることができ
る [作用] 上記構成によれば、第2固体潤滑剤が摩耗して第1固
体潤滑剤が第2固体潤滑剤から露出するまでの間は、第
2固体潤滑剤が焼結体の固体潤滑性を発揮するので、摩
耗初期から固体潤滑性の高い焼結体が得られる。
また、焼結体の表面だけでなく焼結体中にも複合固体
潤滑剤が含有されるため、複合固体潤滑剤が焼結金属粉
から剥離することなく、しかも焼結体が摩耗しても常時
固体潤滑性能が維持されるため、焼結体の潤滑性能が大
幅に向上する。
前記第1固体潤滑剤を二硫化モリブデンまたは二硫化
タングステンとすれば、固体潤滑剤として高い潤滑性の
ある焼結体が得られる。
前記第2固体潤滑剤を窒化硼素または黒鉛とすれば、
第1固体潤滑剤と焼結粉末との反応を防止する一方、比
較的高い固体潤滑性を有する焼結体が得られる。
[実施例] 以下に、本発明に係る複合固体潤滑剤の実施例につい
て図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明に係る複合固体潤滑剤の概念図で、Mo
S2等に結合剤を添加し造粒して核1とし、反応を起こし
にくい種類の固体潤滑剤を被覆材2として、核1を被覆
した状態を示している。
本発明の第1実施例として、平均粒径2μmのMoS2
PVA(ポリビニールアルコール)の10%希釈液を20wt%
添加し転動造粒し、平均粒径15μmのMoS2造粒粉を製造
した。このMoS2造粒粉に更にPVAを10wt%添加し、平均
粒径5μmの天然黒鉛を被覆して平均粒径300μmと
し、この複合固体潤滑剤を用いて下記の通り無給脂摺動
材を製作した。
Cu−10Snアトマイズ青銅粉(−100mesh)85wt%と上
記複合固体潤滑剤15wt%とを混合し、3ton/cm2で加圧し
て軸受に成形の上、アルゴンガス雰囲気の焼結炉に入れ
780℃で1時間焼結を行った。
上記方法で製作した焼結軸受はMoS2の分解がなく、良
好な潤滑特性を有している。
次に本発明の第2実施例について説明する。
鉄粉に黒鉛やMoS2を混合して焼結すると黒鉛は鉄中に
拡散し、またMoS2も完全に分解する。しかし本発明者ら
は特願昭63−190994に記述しているように、黒鉛を分解
させずに残すことを可能とした。これに本発明を組合せ
て、Fe基中に黒鉛と、摺動材が黒鉛より優れているMoS2
とを同時に残すようにしたのがこの実施例である。
すなわち平均粒径2μmのMoS2に、30%の水ガラスを
2倍に希釈した結合剤を20wt%添加して平均粒径200μ
mに転動造粒した後、平均粒径5μmの天然黒鉛を被覆
して平均粒径300〜500μmに造粒した。
軸受の製作に当たっては、アトマイズ4600鋼粉(−10
0mesh)79.28wt%と、天然黒鉛(−350mesh)0.72wt%
と、上記複合固体潤滑剤(300〜500μm)10wt%とを混
合し、5ton/cm2で軸受に成形の上、真空中で1100℃、1
時間の焼結を行った。この軸受と、300〜500μmに造粒
した黒鉛を10wt%添加して同一条件で製作した軸受と
を、面圧500kg/cm2、摺動速度0.05m/sの条件で、相手材
としてS53C焼入材を用いて摩耗試験を行ったところ、第
2図に示す結果が得られ、本発明品の優れた潤滑特性が
証明された。
固体潤滑剤の組合せはマトリックス材料によって異な
り、たとえばCu基の場合はMoS2の核に黒鉛、BN等を被覆
したものが良いが、Fe基の場合はMoS2の核にBN、もしく
は水ガラスを結合材とする黒鉛を被覆することが好まし
い。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、第2固体潤滑剤
が摩耗して第1固体潤滑剤が第2固体潤滑剤から露出す
るまでの間は、第2固体潤滑剤が焼結体の固体潤滑性を
発揮するので、摩耗初期から固体潤滑性の高い焼結体が
得られる。また、焼結体の表面だけでなく焼結体中にも
複合固体潤滑剤が含有されるため、複合固体潤滑剤が焼
結金属粉から剥離することなく、しかも焼結体が摩耗し
ても常時固体潤滑性能が維持されるため、焼結体の潤滑
性能が大幅に向上する。このように、従来から潤滑性に
おいて優れていることが確認されながら焼結時に分解す
るため、使用が限られていたMoS2、WS2等の焼結材への
添加が可能となり、潤滑性に優れた摺動材料を得ること
ができる。第2固体潤滑剤を窒化硼素または黒鉛とすれ
ば、第1固体潤滑剤と焼結粉末との反応を防止する一
方、比較的高い固体潤滑性を有する焼結体が得られる。
前記複合固体潤滑剤の粒径を10〜2000μmとすれば、
複合固体潤滑剤が焼結粉末の粒子間に入り込んで焼結を
阻害することなく、かつ複合固体潤滑剤間に発生する局
部的な焼付現象を防止する焼結体が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る複合固体潤滑剤の概念図、第2図
は本発明の第2実施例に述べた軸受と、同一条件で製作
した造粒黒鉛添加軸受の摩耗試験結果を示すグラフであ
る。 1……核 2……被覆材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:06 (56)参考文献 特開 昭59−215396(JP,A) 特開 昭53−70251(JP,A) 特開 昭58−59295(JP,A) 特開 平2−185901(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結粉末と混合して焼結することにより焼
    結摺動材を生成する複合固体潤滑剤において、前記焼結
    時に焼結粉末と反応して分解する性質を有し、かつ前記
    複合固体潤滑剤の核となる第1固体潤滑剤と、この第1
    固体潤滑剤より前記焼結粉末と反応し難く、かつ前記第
    1固体潤滑剤を被覆する第2固体潤滑剤とよりなること
    を特徴とする複合固体潤滑剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複合固体潤滑剤において、
    前記第1固体潤滑剤は二硫化モリブデンまたは二硫化タ
    ングステンであることを特徴とする複合固体潤滑剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の複合固体潤滑剤において、
    前記第2固体潤滑剤は窒化硼素または黒鉛であることを
    特徴とする複合固体潤滑剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれかに記載の複合固体潤
    滑剤において、前記第1固体潤滑剤の粒径は1〜1000μ
    mとし、前記第2固体潤滑剤の粒径は10〜2000μmとす
    ることを特徴とする複合固体潤滑剤。
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