JPH0559288A - ポリマーと金属のアロイ - Google Patents

ポリマーと金属のアロイ

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JPH0559288A
JPH0559288A JP29860791A JP29860791A JPH0559288A JP H0559288 A JPH0559288 A JP H0559288A JP 29860791 A JP29860791 A JP 29860791A JP 29860791 A JP29860791 A JP 29860791A JP H0559288 A JPH0559288 A JP H0559288A
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JP
Japan
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thermoplastic polymer
alloy
acid
low
melting point
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Pending
Application number
JP29860791A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuramochi
浩 倉持
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POLYTEC DESIGN KK
Polytec Design KK
Original Assignee
POLYTEC DESIGN KK
Polytec Design KK
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Publication date
Application filed by POLYTEC DESIGN KK, Polytec Design KK filed Critical POLYTEC DESIGN KK
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は熱可塑性ポリマーと低融点金属のア
ロイである。分散状態が良好で、相分離しないアロイを
提供する。 【構成】 熱可塑性ポリマーは、熱可塑性プラスチッ
ク、熱可塑性エラストマーなど何でも良い。この中に1
0〜100%の割合で、酸変性した熱可塑性ポリマーを
混ぜる。低融点金属は融点が300℃以下の金属や合金
の中から選ぶことができる。熱可塑性ポリマー100容
量部に、低融点金属10〜100容量部を加え、両者が
溶融する温度でよく混ぜる。どちらも溶融しているの
で、熱可塑性ポリマーに低融点金属は極めて良く分散す
る。また、ミクロに分散した低融点金属と酸変性した熱
可塑性ポリマーが接着するので、このアロイは相分離し
ない。本発明のアロイを用いて、さまざまな成型物を作
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリマーと金属のアロイ
である。本発明のアロイを用いて作った成型物は、用途
がいくつかある。 例えば、比重の高い成型物、放射線
を遮ヘいする成型物、導電性成型物などとして利用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】導電性成型物は、コンピュータのICチ
ップなどを電磁シールドするのに用いられている。この
成型物は、内面に導電性塗料を塗ったり、金属繊維をポ
リマーに充てんしたりして作られている。前者はいった
ん成型したものに導電性塗料を塗り、乾燥して作られて
おり、工程数が多い。また、成型物の形が複雑だと、塗
料を塗りにくく、塗りにむらができたりする。後者は金
属繊維や金属フレークをポリマーに練り込んで成型す
る。練りかたが不足すると、金属繊維などが偏ることが
ある。すると導電性ではない部分がある成型物となる。
このように従来の導電性成型物は、導電性にむらのある
ものができることがあった。
【0003】この問題点を解決する方法の一つとして、
熱可塑性ポリマーに金属をよりミクロにかつ均一に分散
させることが考えられる。そうするには、溶融した熱可
塑性ポリマーに融点の低い金属を、溶融しながら練り込
むと良い。例えば、ポリプロピレンを混練しているとこ
ろへ、鉛合金を溶融しながら加える。両者が溶融してい
るので、混ざりが良い。このようにすると、混練直後は
熱可塑性ポリマーに金属が非常に良く分散したものがで
きる。しかし、一般的な熱可塑性ポリマーでは、熱可塑
性ポリマーと金属が、次第に相分離してしまう。ひどい
ものは、混練後の冷却中に相分離するものもある。一
方、放射線を遮へいする成型物は主に鉛を使用している
が、鉛では複雑な形のものが作りにくかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱可塑性ポ
リマーに低融点金属がミクロにかつ均一に分散し、長期
間相分離せず、製造工程が簡単なアロイを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアロイは、次の
ようにして作る。 熱可塑性ポリマーと、酸変性した熱可塑性ポリマー
と、低融点金属を選ぶ。 で選んだものを、これらの融点以上の温度で混ぜ
る。 以下にこれを詳述する。
【0006】熱可塑性ポリマーと、酸変性した熱可塑
性ポリマーと、低融点金属を選ぶ。本発明のアロイに用
いる熱可塑性ポリマーは、熱可塑性プラスチックや熱可
塑性エラストマーなどの中から選ぶことができる。具体
的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、含フッ
素ポリマーなどの熱可塑性プラスチック、スチレン系、
オレフィン系、エステル系、ウレタン系、イソプレン
系、ブタジエン系、塩化ビニル系などの熱可塑性エラス
トマーを挙げることができる。これらの中から2種類以
上を選んで、併せて用いても良い。
【0007】酸変性した熱可塑性ポリマーは、熱可塑性
ポリマーを酸変性したポリマーであれば、何でも使用で
きる。熱可塑性ポリマーの酸変性は、どのような酸で行
っても良いが、無水マレイン酸やカルボン酸などが熱可
塑性ポリマーを酸変性しやすい。具体的には低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性プラスチック、
スチレンエチレンブチレンスチレンなどの熱可塑性エラ
ストマーの、無水マレイン酸変性物が商品化されてい
る。これらの中から2種類以上を選んで、併せて用いて
も良い。
【0008】低融点金属は、約300℃、好ましくは2
50℃以下で溶融する金属や合金であれば、何でも良
い。環境問題を考慮すると、毒性が高くないものが好ま
しい。具体的には、亜鉛合金、鉛合金、すず合金、ビス
マス合金などの合金や、すず、ビスマスなどの金属を挙
げることができる。合金はさらに具体的には、亜鉛アル
ミニウム合金、ZDC合金、鉛アンチモン合金、鉛カル
シウム合金、鉛すず合金、すず鉛合金、すずアンチモン
合金などを挙げることができる。またガリウムやインジ
ウムなども、本発明に使用できる。これらの中から2種
類以上を選んで、併せて用いても良い。
【0009】で選んだものを、これらの融点以上の
温度で混ぜる。で選んだ熱可塑性ポリマー、酸変性し
た熱可塑性ポリマー、低融点金属を混ぜる割合を決め
る。熱可塑性ポリマーと酸変性した熱可塑性ポリマー
は、合わせて100容量部となるようにする。この内、
酸変性した熱可塑性ポリマーは10〜100%、好まし
くは30〜100%となるようにする。熱可塑性ポリマ
ーと酸変性した熱可塑性ポリマーは、混ざるものであれ
ば、どのように組み合わせても良い。熱可塑性ポリマー
と酸変性した熱可塑性ポリマー、合わせて100容量部
に対して、低融点金属は10〜100容量部、好ましく
は30〜80容量部とする。酸変性した熱可塑性ポリマ
ーと低融点金属の組み合わせは、特に選ばない。尚、加
える低融点金属の量(容量部)が増えるに従って、熱可
塑性ポリマーの中の酸変性した熱可塑性ポリマーの割合
(%)を増やすと良い。
【0010】決定した配合割合で、三者または二者を混
ぜる。混ぜる温度は、三者または二者の溶融温度の中で
一番高い温度とする。混ぜる際は、熱ロール、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、混練型押し出し機などの機械
を用いると、分散が速やかで良好になる。混ぜる順番
は、特に選ばない。しかし熱可塑性ポリマーと酸変性し
た熱可塑性ポリマーを混ぜておき、これに溶融した低融
点金属を加えると、低融点金属の分散はより良くなる。
混ぜている時間は、およそ5〜30分間が適当である。
【0011】
【作用】本発明のアロイは、融点が300℃以下の金属
を用いる。この温度は、熱可塑性ポリマーの溶融する温
度と近い。このため、どちらも溶融する温度で混練する
ことができる。混練中はどちらも溶融状態にする。従っ
て混練後は、熱可塑性ポリマーの中に低融点金属が、非
常に細かい粒となって分散する。しかも、どちらもが溶
融した状態で混ぜるので、分散状態がどの部分を取って
も均一なアロイをたやすく作ることができる。
【0012】酸変性した熱可塑性ポリマーの中で無水マ
レイン酸変性した熱可塑性ポリマーは、現在ラミネート
フィルムなどに使われている。極性の低いポリオレフィ
ンは、異種の材料とは接着しにくい。ヒートシール性の
良いポリオレフィンとガスバリア性の良いナイロンと
は、接着しようとしても接着しない。この間に無水マレ
イン酸変性ポリオレフィンをはさむと、無水マレイン酸
変性ポリオレフィンが両者と接着するので、ポリオレフ
ィンとナイロンのラミネートフィルムを作ることができ
る。これはポリオレフィンを酸変性すると、ポリオレフ
ィンの極性が高くなり、ナイロンと接着するためであ
る。従って、酸変性した熱可塑性ポリマーは金属との親
和性も非常に高い。本発明はポリマーのこの特徴を活用
したものである。
【0013】一般的な熱可塑性ポリマーは、金属と接着
しない。しかし酸変性した熱可塑性ポリマーは極性が高
いので、金属と接着する。酸変性した熱可塑性ポリマー
を必要量、すなわち加える低融点金属の量に合わせて熱
可塑性ポリマーの中に加えておく。この中にミクロに分
散した低融点金属は、酸変性した熱可塑性ポリマーと接
着する。混練後相分離しようとする低融点金属は、酸変
性した熱可塑性ポリマーと接着しているので相分離でき
ず、低融点金属が熱可塑性ポリマー中にミクロに分散し
た状態が保たれる。熱可塑性ポリマーに混ぜた酸変性熱
可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリマーとの相溶性が良い
ので、分離することが無い。酸変性した熱可塑性ポリマ
ーは、熱可塑性ポリマーと低融点金属の接着剤のような
役割をする。このようにして、長期に渡って、熱可塑性
ポリマーと低融点金属が相分離しないアロイとなる。熱
可塑性ポリマー中の酸変性した熱可塑性ポリマーの量
は、加える低融点金属との接着に必要な量以上あれば良
い。熱可塑性ポリマー中の酸変性した熱可塑性ポリマー
の割合(%)は、加える低融点金属の量(容量部)とほ
ぼ同じくらいの数字、またはそれ以上にするのが目安で
ある。
【0014】本発明のアロイを用いて、所望の形状をし
た成型物を作ることができる。先述したように、本発明
のアロイは熱可塑性ポリマーの中に低融点金属がミクロ
にかつ均一に分散している。従って、熱可塑性ポリマー
を成型する方法であればどのような方法でも成型するこ
とができる。
【0015】
【実施例】
例A)酸変性した熱可塑性ポリマーに無水マレイン酸変
性エチレン酢酸ビニル共重合体を、低融点金属に亜鉛ア
ルミニウム合金ZDC2を用いた例 無水マレイン酸変性エチレン酢酸ビニル共重合体は、ア
ドマーVF 500(三井石油化学工業(株))を使用
した。エチレン酢酸ビニル共重合体70容量部に対し
て、アドマーを30容量部加え、120℃の熱ロールで
混ぜる。これに、溶融したZDC2を25容量部加え
る。約10分間、混練する。このアロイを用いて、一辺
の長さが20cm、厚みが1mmの正方形のシートを射
出成型した。
【0016】例B)酸変性した熱可塑性ポリマーに無水
マレイン酸変性低密度ポリエチレンを、低融点金属に鉛
すず亜鉛合金を用いた例 無水マレイン酸変性低密度ポリエチレンは、アドマーL
B 010(三井石油化学工業(株))を使用した。低
密度ポリエチレン20容量部に対してアドマーを80容
量部加え、120℃のバンバリーミキサーで混練する。
温度を170℃に上げ、溶融した鉛すず亜鉛合金(すず
34%、亜鉛3%)を70容量部加えて20分間混練す
る。このアロイを用いて、例Aと同じ大きさのシートを
成型した。
【0017】例C)酸変性した熱可塑性ポリマーに無水
マレイン酸変性スチレンエチレンブチレンスチレンを、
低融点金属にビスマス系合金を用いた例 無水マレイン酸変性スチレンエチレンブチレンスチレン
は、タフテックM1913(旭化成工業(株))を使用
した。スチレンエチレンブチレンスチレン(シェル化学
(株)クレイトンを使用)40容量部に対して、タフテ
ックを60容量部加え、110℃のバンバリーミキサー
で混練する。湿度を140℃に上げ、溶融したビスマス
系合金(鉛11%、すず42%)を50容量部入れて1
5分間混練する。このアロイを用いて、例Aと同じ大き
さのシートを成型した。
【0018】(実験)例A〜例Cのシートを80℃の恒
温槽で放置し、劣化促進試験をした。1カ月後、このシ
ートを観察する。目視観察したシートの表面状態や、シ
ートの硬さは、室温で放置しておいた例A〜例Cのシー
トと変わらなかった。すなわち、熱可塑性ポリマーと低
融点金属が相分離して、ひびが入ったり部分的に硬くな
ったりしていることは無かった。本発明のアロイを用い
た成型物は、長期に渡って相分離しないと言える。
【0019】
【効果】本発明のアロイは、熱可塑性ポリマーと低融点
金属のアロイである。両者の融点が近いので、どちらも
が溶融した状態で混ぜることができる。従って、このア
ロイは、非常に細かい粒となった低融点金属が、全体に
均一に分散したものとなる。また、このアロイを用いて
成型物を作れば、ミクロにかつ均一に低融点金属が分散
した成型物となる。熱可塑性ポリマーの中に加えた酸変
性した熱可塑性ポリマーは、金属との接着性が高い。酸
変性した熱可塑性ポリマーが、低融点金属と熱可塑性ポ
リマーの接着剤となるので、本発明のアロイを用いて作
った成型物は、熱可塑性ポリマーと低融点金属が相分離
することが無い。
【0020】本発明のアロイで、金属に鉛合金を使え
ば、複雑な形をした放射線遮へい用成型物を、また亜鉛
アルミニウム合金を使えば、電磁シールド用成型物を、
簡単に作ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸変性した熱可塑性ポリマーを10〜1
    00%の割合で混ぜた熱可塑性ポリマー100容量部に
    対して、融点が300℃以下の金属10〜100容量部
    を、これらが溶融する温度で混練することを特徴とした
    アロイ。
JP29860791A 1991-08-29 1991-08-29 ポリマーと金属のアロイ Pending JPH0559288A (ja)

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JP29860791A JPH0559288A (ja) 1991-08-29 1991-08-29 ポリマーと金属のアロイ

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JPH0559288A true JPH0559288A (ja) 1993-03-09

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002117721A (ja) * 2000-10-12 2002-04-19 Sintokogio Ltd 導電性プラスチック

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002117721A (ja) * 2000-10-12 2002-04-19 Sintokogio Ltd 導電性プラスチック

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