JPH0559271A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0559271A
JPH0559271A JP21829091A JP21829091A JPH0559271A JP H0559271 A JPH0559271 A JP H0559271A JP 21829091 A JP21829091 A JP 21829091A JP 21829091 A JP21829091 A JP 21829091A JP H0559271 A JPH0559271 A JP H0559271A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
olefin resin
component
epoxy
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Application number
JP21829091A
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English (en)
Inventor
Yuusuke Araki
雄介 安良城
Shinichi Yamauchi
伸一 山内
Toru Tsukahara
徹 塚原
Hiromi Nishimura
寛美 西村
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(VII)で示される数平均重合度が25
〜400のポリヒドロキシフェニレンエーテル(A)
と、エポキシ基含有オレフィン樹脂(B)を含有する樹
脂組成物。 【化1】 [但し、0.2≦100P/(p+q)≦100であ
る。] 【効果】 (A)成分のポリヒドロキシフェニレンエー
テルはアルコール性水酸基を多数有するので、(B)成
分のオレフィン樹脂のエポキシ基と反応するので両者の
相溶性に優れ、耐衝撃性、曲げ弾性率に優れた成形体を
与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリヒドロキシフェニ
レンエーテルとエポキシ基含有オレフィン樹脂を含有す
る熱可塑性樹脂組成物である。このものは、コネクタ
ー、イグニッションマニフォールド、コイル封止材、歯
車、クランク等、耐溶剤性、耐熱剛性の優れた自動車部
材、電気部材等の工業材料を与えるエンジニアリングプ
ラスチックである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル(以下PPEと
いう。)は優れた耐熱性、寸法安定性、非吸湿性、及び
電気特性などを有するエンジニアリングプラスチックと
して知られているが、射出成形時、又は押し出し成形時
の溶融流動性が悪く成形加工が困難であり、かつ、その
成形体は、耐溶剤性、耐衝撃性が劣るという欠点があ
る。
【0003】かかるPPEの成形加工性、耐溶剤性を改
良する目的で、特公昭42−7069号公報には、オレ
フィン樹脂とポリフェニレンエーテルから成る組成物が
提案されているが、相溶性が不十分であるため機械的強
度は工業材料分野で要求される水準を満足していない。
【0004】PPEとオレフィン樹脂とからなる樹脂組
成物の相溶性を改良するために、互いに反応が期待でき
る官能基によって各々が変性された両樹脂成分を配合す
ることが試みられている。例えば、グリシジルメタクリ
レートグラフトオレフィン樹脂と、PPEとからなる樹
脂組成物が特開昭57−108153号公報に開示され
ている。また、脂肪族アルコール性水酸基が末端に付加
された変性PPEと、無水マレイン酸グラフト変性オレ
フィン樹脂とを混合することによって、相溶性の改良さ
れた樹脂組成物が特開昭63−128021号、同63
−130660号各公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の樹脂組成物は、
一応の相溶性改良の効果は認められるものの、耐衝撃
性、成形加工性が実用上満足出来る水準には到達してい
ない。
【0006】PPEとオレフィン樹脂の良好な性質を併
せ持ち、好ましくない性質を補う樹脂が得られれば、エ
ンジニアリングプラスチックとして利用分野の広く、そ
の工業的意義は非常に大きい。両樹脂の長所を保持しな
がら、欠点を相補った成形材料を提供するためには、本
質的に相溶性に乏しい両成分の成す二相構造界面の親和
性を増大させ、接着性を改良するとともに、この二相を
均一かつ微細な形態となして、射出成形などの成形加工
時の剪断応力を受けたとき生じ易い層状剥離(デラミネ
ーション)などを抑制する優れた親和性改良技術が望ま
れる。
【0007】本発明は、PPEとオレフィン樹脂とから
なる親和性の改良された、剛性、衝撃強度が優れた均一
微細分散混合状態の熱可塑性樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アルコール性
水素基を側鎖に任意の個数有するポリヒドロキシフェニ
レンエーテルと、エポキシ基含有オレフィン樹脂との組
成物が極めて良好な親和性を示すことを発見し、本発明
を完成した。
【0009】即ち、本発明は、下記の(A)成分のポリ
ヒドロキシフェニレンエーテル10〜90重量%と
(B)成分のエポキシ基含有オレフィン樹脂90〜10
重量%を含有する樹脂組成物を提供するものである。
【0010】(A)成分:下記の一般式(I)に示され
る構造単位がp個と、下記の一般式(II)で示される構
造単位q個とからなり、数平均重合度が25〜400で
あり、0.2≦100P/(p+q)≦100を満たす
ポリヒドロキシフェニレンエーテル
【0011】
【化3】
【0012】[式中、mは1〜4及びnは0〜3の整数
を表し、かつ、m+n≦4である。
【0013】また、Jは(HO)a −R1 −S−R2 − (ここでaは1から6までの整数を表し、R1 はハロゲ
ン原子で置換されているか、または、非置換の酸素原子
で中断されていてもよい炭素数1から20までの脂肪族
多価炭化水素基、或いは芳香族多価炭化水素基を表し、
2 は炭素数1から20のアルキレン基を表す)であ
り、mが2以上の場合置換基Jはそれぞれ異なっていて
もよい。
【0014】Kは、それぞれ独立してハロゲン原子、炭
素数1〜20の第一級もしくは第二級アルキル基、炭素
数1〜20アルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20
のアミノアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル
基、炭素数1〜20の炭化水素オキシ基又はハロ炭化水
素オキシ基、を表し、nが2以上のときは、Kは各々異
なっていてもよい。]
【0015】
【化4】
【0016】[式中、Q1 ,Q2 ,Q3 及びQ4 は各
々、独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20
の第一級もしくは第二級アルキル基、炭素数1〜20の
アルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアミノア
ルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1
〜20の炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシを表
す。] (B)成分:エポキシ基を有する不飽和モノマーをオレ
フィン系樹脂に共重合して得られるエポキシ基含有オレ
フィン系樹脂であって、エポキシ基単位が0.1〜20
モル%で占める樹脂。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】(A)ポリヒドロキシフェニレンエーテル 本発明の(A)成分のポリヒドロキシフェニレンエーテ
ルは一般式(III)に示す水酸基を有するフェノール誘導
体の一種ないし二種以上を0.2〜100モル%と一種
ないし二種以上の一般式(IV)に示すフェノール置換体
の99.8〜0モル%とを重合または共重合させて得ら
れるPPEを骨格とする樹脂である。
【0019】
【化5】
【0020】[式中のK,J,mおよびnの定義は式
(I)と同じである。]
【0021】
【化6】
【0022】[式中のQ1 ,Q2 ,Q3 及びQ4 の定義
は式中(II)と同じである。]一般式(III)で示される
水酸基を有するフェノール誘導体としては、2−[3−
(2−ヒドロキシエチルチオ)プロピル]−6−メチル
フェノール、2−[3−(2,3−ジヒドロキシプロピ
ルチオ)プロピル]−6−メチルフェノール、2−[3
−(2−ヒドロキシプロピルチオ)プロピル]−6−メ
チルフェノール、2−[3−(2−ヒドロキシ−1−メ
チルプロピルチオ)プロピル]−6−メチルフェノー
ル、2,6−ビス[3−(2−ヒドロキシエチルチオ)
プロピル]フェノール、2−[3−(2−ヒドロキシエ
チルチオ)プロピル]−6−エチルフェノール、2−
[3−(2−ヒドロキシチオ)プロピル]−6−フェニ
ルフェノールなどが挙げられる。
【0023】また、式(IV)で示されるフェノール誘導
体の好ましい具体例としては、2,6−ジメチルフェノ
ール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル
−6−エチルフェノール、2,6−ジプロピルフェノー
ル、2−アリル−6−メチルフェノール、2,6−ベン
ジルフェノール、2−クロロフェノール等が利用でき、
それらは、単独、または2種以上併用して用いられる。
【0024】ポリヒドロキシフェニレンエーテルの製造
は、通常のPPEの酸化重合と同様に行なうことがで
き、例えば米国特許第3422062号、米国特許第3
306874号、同第3306875号、同第3257
257号及び同第3257358号各明細書に記載され
ている。酸化重合に用いられる触媒は、特に限定される
物ではなく、所望の重合度が得られる如何なる触媒でも
よい。当分野では第1銅塩−アミン、第2銅塩−アミン
−アルカリ金属水酸化物、マンガン塩−第1アミンなど
よりなる多くの触媒系が公知である。
【0025】この(A)成分のポリヒドロキシフェニレ
ンエーテルは、単独重合体でも、ランダム重合体でも、
ブロック重合体であってもよい。数平均重合度は25〜
400である。25以下では組成物の機械的特性が良好
でなく、400を越えると、溶融粘度の増加による成形
加工性の低下など取扱いが容易でない。
【0026】中でも好ましいものは2−(3−(2−ヒ
ドロキシエチルチオ)プロピル)−6−メチルフェノー
ル0.5〜50モル%、好ましくは1〜40モル%と、
2,6−ジメチルフェノール99.5〜50モル%、好
ましくは99〜60モル%とのランダム共重合体であ
る。分子量は数平均分子量で3,000〜50,000
が好ましく、さらには5,000〜30,000がより
好ましい。このポリマーは、式(V)の構造単位数xと
式(VI)の構造単位数yとからなりx及びyは次式を満
たす。
【0027】0.5≦100x/(x+y)≦50
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】(B)エポキシ基含有オレフィン樹脂 (B)成分のエポキシ基含有オレフィン樹脂は、オレフ
ィン樹脂にエポキシ基を有する不飽和モノマーを、ラン
ダム、ブロック又はグラフト共重合させる方法などによ
り製造することができる。
【0031】オレフィン系樹脂は、炭素数2ないし10
のα−オレフィンの少なくとも一種とからなり、X線回
折による室温における結晶化度が10%以上が好まし
く、より好ましくは20%以上であり、40℃以上の融
点を有する。結晶化度の低下は最終組成物の弾性率の低
下をもたらす。また、このオレフィン系樹脂は、常温に
おいて樹脂といいうるのに充分な分子量をもつべきであ
る。例えば、プロピレンが、主成分である場合、JIS
−K−6758に準拠して測定したメルトフローレート
が、0.01〜500g/10分、好ましくは0.05
〜100g/10分に相当する分子量であり、JIS−
K−7203による弾性率が500kg/cm2 以上で
あるのが望ましい。
【0032】オレフィン系樹脂の構成成分である上記α
−オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブ
テン−1、4−メチルペンテン−1、3,3−ジメチル
ペンテン−1、3−メチルヘキセン−1、4−メチルヘ
キセン−1、4,4−ジメチルヘキセン−1、5−メチ
ルヘキセン−1、アリルシクロペンタン、アリルシクロ
ヘキサン、アリルベンゼン、3−シクロヘキシルブテン
−1、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロヘキサン、
2−ビニルビシクロー(2,2,1)−ヘプタン、ヘプ
テン−1、またはオクテン−1などが挙げられる。
【0033】これらのうち好ましい例として、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−
1、3−メチルヘキセン−1を挙げることができる。特
にエチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1が好ましい。これらα
−オレフィンの一種、または二種以上を重合成分として
用いることができる。
【0034】共重合において用いるエポキシ基を有する
不飽和モノマーとしては、例えばグリシジルメタクリレ
ート、ブチルグリシジルマレート、ブチルグリシジルフ
マレート、プロピルグリシジルマレート、グリシジルア
クリレート等が挙げられる。これらの中でも、特にグリ
シジルメタクリレートが好適である。
【0035】また、この共重合の際、上述のエポキシ基
を有する不飽和モノマー以外の他のモノマー、例えばア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル又は酢酸ビニル等
をモノマー量の過半量を越えない範囲で共重合させるこ
とも可能である。
【0036】更に、オレフィン系樹脂を上記エポキシ基
を有する不飽和モノマーと共にラジカル重合条件下に付
してグラフト共重合して得ることもできる。
【0037】ラジカル反応条件としては、上記オレフィ
ン系樹脂と上記重合性モノマーの共存下、γ−線、電子
線などの放射線を照射する方法、オレフィン系樹脂に放
射線を照射したのち、重合性モノマーを共存させる方
法、オレフィン重合体と重合性モノマーを共存させ、ラ
ジカル発生剤の存在下、または不存在下で加熱する方法
などいずれの方法を用いても良い。溶液状態、溶融状
態、懸濁状態のいずれの状態を採用しても良い。
【0038】ラジカル発生剤として、ベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブ
チルハイドルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシア
セテート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸
化水素などの有機および無機過酸化物、α、α′−アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などが用いら
れる。過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス系と
して使用することができる。たとえば、過酸化水素と第
一鉄塩との組合せがある。これらのラジカル発生剤は、
変性剤や反応形態との関連において適当に選択できる。
また二種以上を併用することができる。
【0039】ラジカル発生剤の使用量は、上記オレフィ
ン系樹脂100重量部に対して、0から100重量部、
好ましくは0から30重量部の範囲である。
【0040】グラフト共重合時の温度は、通常、30か
ら350℃、好ましくは50から300℃の範囲、変性
反応時間は、50時間以下、好ましくは1分から24時
間の範囲で行なう。
【0041】組成 本発明の樹脂組成物における(A)ポリヒドロキシフェ
ニレンエーテルと、(B)エポキシ基含有オレフィン樹
脂の組成比は、二成分系の場合、機械的強度、成形性、
耐溶剤性の調和の観点から、成分(A)と成分(B)の
重量比で10対90から90対10の範囲、好ましくは
20対80から80対20の範囲、さらに好ましくは3
0対70から70対30の範囲である。成分(A)ポリ
ヒドロキシフェニレンエーテルが10重量%未満では、
オレフィン樹脂にくらべて耐熱性、剛性の改良効果が小
さく、90重量%を越えるとポリフェニレンエーテル樹
脂にくらべて成形性、耐溶剤性の改良効果が小さい。
【0042】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の成
分(A)及び(B)以外の他の成分を含んでいても良
い。例えば、成分(A)のポリヒドロキシフェニレンエ
ーテルの一部(80重量%まで)を未変性のポリフェニ
レンエーテルに置代えてもよい。また、(B)成分のエ
ポキシ基含有オレフィン樹脂を未変性のオレフィン系樹
脂で一部(オレフィン樹脂中のエポキシ基含量が0.1
モル%以上となる割合なら85重量%まで)代えてもよ
い。
【0043】更に、酸化防止剤、耐候性改良剤、造核
剤、難燃剤、可塑剤、流動性改良剤等を樹脂組成物中に
20重量%以下含有させてもよい。更に、有機および無
機充填剤例えばガラス繊維、マイカ、タルク、ワラスト
ナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリカ等
を50重量%以下、及び着色剤の分散剤を5重量%以下
含有させることもできる。更に、耐衝撃強度向上剤の添
加、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム及びその
水素化物、エチレン−プロピレン−(ジエン)共重合体
ゴム、更にそれらのα,β−不飽和カルボン酸無水物変
性体等を5〜30重量%含有させてもよい。
【0044】組成物の調製法および成形法 本発明の熱可塑性樹脂組成物を得るための溶融混練の方
法としては、熱可塑性樹脂について一般に実用されてい
る混練方法が適用できる。例えば、粉状または、粒状の
各成分を、必要であれば、付加的成分の項に記載の添加
物等と共に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、
V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸または
多軸混練押し出し機、ロール、バンバリーミキサー等で
混練することができる。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工法
は特に限定されているものではなく、熱可塑性樹脂につ
いて一般に用いられている成形法、すなわち射出成形、
中空成形、押し出し成形、シート成形、熱成形、回転成
形、積層成形、プレス成形等の成形法が適用できる。
【0046】
【作用】ポリヒドロキシフェニレンエーテルのアルコー
ル性水酸基と、エポキシ変性オレフィン樹脂のエポキシ
基が反応し、相溶性に富んだ樹脂を与える。
【0047】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約される
ものではない。
【0048】なお、以下で部およびパーセントは重量に
よるものとする。
【0049】エポキシ基含有オレフィン樹脂: エポキシ基含有ポリプロピレンの合成 ポリプロピレンのホモポリマー粉末[ASTM D12
38に準拠して測定した230℃のメルトフローレート
(MFR)が1g/10分)]150gとグリシジルメ
タクリレート300gを、予め十分に窒素置換をした5
リットルの撹拌機付きのガラス製フラスコ内に投入し、
キシレン3リットルを加え130℃に加熱撹拌して完全
に溶解させた。
【0050】この溶液にキシレン150ミリリットルに
溶解したベンゾイルパーオキサイド7.5gを1時間か
けて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させた。
【0051】得られた反応物を10リットルのアセトン
中に注ぎ生成物を析出させて濾別洗浄する操作を3回実
施した後、減圧乾燥して目的のエポキシ基含有ポリプロ
ピレンを得た。
【0052】このエポキシ基含有ポリプロピレンのグリ
シジルメタクリレートに基く構成単位量は、赤外線分光
分析より1.6重量%であった。また、MFRは5.1
g/10分であった。これにより得られた樹脂をエポキ
シ変性PPとする。
【0053】エポキシ基含有ポリエチレン:住友化学工
業(株)製エチレン−グリシジルメタアクリレート共重
合体[商品名ボンドファーストレジスト−E]を用い
た。表中、エポキシ変性PEと略記する。
【0054】未変性オレフィン樹脂:三菱油化(株)
製、ポリプロピレン[商品名:三菱ポリプロ MA3、
230℃測定のMFRは10g/10分(表中、PPと
略記)]及び低密度ポリエチレン[商品名:三菱ポリエ
チ ZF−60、190℃測定のMFRは1g/10分
(表中、PEと略記)]を用いた。
【0055】ポリフェニレンエーテル:日本ポリエーテ
ル(株)製、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル)で、30℃におけるクロロホルム中で測
定した固有粘度0.31dl/gを用いた。(表中、P
PEと略記。)ポリヒドロキシフェニレンエーテル: 以下の参考例に示
す方法により合成したものを用いた。
【0056】(参考例1):水酸基を有するフェノール
誘導体の合成 フラスコ内を窒素ガス雰囲気下にし、この中で、エタノ
ール785部に2−アリル−6−メチルフェノール49
6部と2−メルカプトエタノール392部を溶かした。
還流温度下にて1.9%の2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリルのエタノール溶液1600部を滴下し10時
間反応した。
【0057】エタノールをエバポレーターにて除去した
後、真空下で110℃に昇温し、未反応の2−メルカプ
トエタノールや副生成物の2−ヒドロキシエチルジスル
フィドを除き、目的の2−[(2−ヒドロキシエチルチ
オ)プロピル]−6−メチル−フェノールを得た。
【0058】H−NMR分析にもとずくアリル基の反応
率は約100%、反応の選択率は約100%であった。
【0059】(参考例2):ポリヒドロキシフェニレン
エーテル(1)の合成 参考例1で得られた2−[(2−ヒドロキシエチルチ
オ)プロピル]−6−メチルフェノール111部、2,
6−キシレノール949部及び水酸化ナトリウム9.1
部をキシレン2890部、メタノール766部に溶かし
た。
【0060】次に、ジエタノールアミン20.5部、ジ
ブチルアミン12.6部および塩化マンガン4水和物
0.48部をメタノール316部に溶かしたものをこの
順に加えた。
【0061】重合反応は2段で行い、前段は温度を40
℃に保ち酸素ガスを流量0.8リットル/分の割合で導
入して反応を行い固体が析出するまでとした。後段は温
度を30℃に保ち酸素ガスを流量0.8リットル/分お
よび窒素ガス8リットル/分の割合で導入しポリマーの
析出が止まるところ迄とした。
【0062】ポリマーを塩酸酸性のメタノールで洗浄し
触媒を失活させた後、目的のポリヒドロキシフェニレン
エーテル樹脂を得た。
【0063】生成物の収率93%、水酸基含量は4.6
モル%、数平均分子量14,930、Q値;2.79で
あった。ここで、樹脂中の水酸基の含量は主鎖フェニレ
ン環の繰り返し数に対しモル%で示し、1 H−NMRに
より、3.6ppm付近の水酸基の結合したメチレン基
に由来するシグナルの積分強度より算定した。また、数
平均分子量および、Q値(分子量分布の指標であり、重
量平均分子量と数平均分子量の比である。)はGPC法
により測定したポリスチレン換算値である。
【0064】これにより得られた樹脂を変性PPE−1
とする。
【0065】(参考例3):ポリヒドロキシフェニレン
エーテル(2)の合成 参考例1で得られた2−[(2−ヒドロキシエチルチ
オ)プロピル]−6−メチルフェノールを55.5部、
2,6−キシレノールを970部、水酸化ナトリウムを
9.1部、ジエタノールアミンを20.5部および、塩
化マンガン4水和物を0.48部用いる他は参考例1と
同様の条件で実施した。
【0066】収率91%、水酸基含量1.5モル%、数
平均分子量10,300Q値1.81であった。
【0067】これにより得られた樹脂を変性PPE−2
とする。
【0068】(参考例4):ポリヒドロキシフェニレン
エーテル(3)の合成 参考例1で得られたフェノール置換体を148.3部、
2,6−キシレノールを921部を用いた他は参考例2
と同様の条件で実施した。
【0069】収率87%、水酸基含量4.9モル%、数
平均分子量5,620及びQ値1.84であった。
【0070】これにより得られた樹脂を変性PPE−3
とする。
【0071】実施例1〜7及び比較例1〜4 参考例2,3及び4で得たポリヒドロキシフェニレンエ
ーテル並びにエポキシ基含有オレフィン樹脂を用いて表
1に示す組成比に従って、各成分を、東洋精機製作所製
ラボプラストミル混練機を用い、280℃、180回転
にて5分間混練した後、粉砕して粒状の樹脂組成物を得
た。
【0072】得られた樹脂組成物の特性は、以下の方法
によって測定評価した。測定結果を表1に示した。
【0073】(1)曲げ弾性率:東洋精機製作所製油圧
式プレス成形機を用い、280℃にて加圧成形して熱さ
2mmのシートを得た後、幅15mm、長さ80mmの
試験片を切り出し、JIS K−7106に準拠して、
23℃、曲げ角度10°における片持ち梁曲げ弾性率を
測定した。
【0074】(2)耐衝撃強度:カスタム・サイエンテ
ィフィック(Custom Scientific )社製CS−183M
MXミニマックス射出成形機を用いて温度280℃で、
長さ31.5mm、幅6.2mm、厚さ3.2mmの試
験片を射出成形し、カスタム・サイエンティフィック社
製ミニマックスアイゾット衝撃試験機CS−138TI
型を用いて、23℃におけるノッチ無しのアイゾット衝
撃強度を測定した。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】成分(A)ポリヒドロキシフェニレンエ
ーテルおよび成分(B)エポキシ基含有オレフィン樹脂
とからなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物は、機
械的強度に加えて、耐衝撃強度が優れた成形品を与える
ので、自動車部品、電気部品等の広い用途分野で利用で
きる。
フロントページの続き (72)発明者 西村 寛美 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分のポリヒドロキシフェニ
    レンエーテル10〜90重量%と(B)成分のエポキシ
    基含有オレフィン樹脂90〜10重量%を含有する樹脂
    組成物。 (A)成分:下記の一般式(I)に示される構造単位が
    p個と、下記の一般式(II)で示される構造単位q個と
    からなり、数平均重合度が25〜400であり、0.2
    ≦100P/(p+q)≦100を満たすポリヒドロキ
    シフェニレンエーテル 【化1】 [式中、mは1〜4及びnは0〜3の整数を表し、か
    つ、m+n≦4である。 また、Jは(HO)a −R1 −S−R2 − (ここでaは1から6までの整数を表し、R1 はハロゲ
    ン原子で置換されているか、または、非置換の酸素原子
    で中断されていてもよい炭素数1から20までの脂肪族
    多価炭化水素基、或いは芳香族多価炭化水素基を表し、
    2 は炭素数1から20のアルキレン基を表す)であ
    り、mが2以上の場合置換基Jはそれぞれ異なっていて
    もよい。Kは、それぞれ独立してハロゲン原子、炭素数
    1〜20の第一級もしくは第二級アルキル基、炭素数1
    〜20アルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のア
    ミノアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭
    素数1〜20の炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキ
    シ基、を表し、nが2以上のときは、Kは各々異なって
    いてもよい。] 【化2】 [式中、Q1 ,Q2 ,Q3 及びQ4 は各々、独立して水
    素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の第一級もしく
    は第二級アルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、
    フェニル基、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素
    数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20の炭化水
    素オキシ基又はハロ炭化水素オキシを表す。] (B)成分:エポキシ基を有する不飽和モノマーをオレ
    フィン系樹脂に共重合して得られるエポキシ基含有オレ
    フィン系樹脂であって、エポキシ基単位が0.1〜20
    モル%で占める樹脂。
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