JPH0559200U

JPH0559200U - 溶融金属処理容器の付着地金の加熱・溶融除去用ランス

Info

Publication number: JPH0559200U
Application number: JP434492U
Authority: JP
Inventors: 億春田中; 文雄林; 和明斉藤
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1992-01-13
Filing date: 1992-01-13
Publication date: 1993-08-06

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案の目的は、一つのランスで溶融金属処
理容器内に付着して冷却した地金の加熱と溶融除去の両
作業を行うことが可能となり、作業が簡単になり、加熱
と溶融装置の設置スペースが小さくてよいランスを提供
することである。【構成】溶融金属処理容器の上部からランスを挿入
し、内部に付着した地金を加熱・溶融し除去する。ラン
スは多重管ランスとし下部中央部に失火検出機と該失火
検出機を冷却する冷却ガス供給路を設け、その外周に燃
料ガス供給路、燃焼用エアー又は酸素富化ガス供給路、
酸素ガス供給路、冷却媒体給・排路を順次外周に向かっ
て設けてなる。更に、該ランスには酸素ガス供給路と連
通する噴射口を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、溶鋼を処理する溶融金属処理容器（転炉，ＲＨ，ＤＨ等）の容器内に付着した地金を溶融除去するランスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、真空脱ガス装置の脱ガス槽は溶鋼処理時において、該溶鋼の飛散によりその内壁に地金が付着して成長することが多い。この地金は処理に対し、真空排気能力の低下，溶鋼成分の汚染，また溶鋼の冷却等の悪影響を発生させることがあるため、従来から該地金の除去対策が提案されている。例えば、（１）特開平１−３１９６２５号公報で提案されているように脱ガス槽の上部からバーナーを挿入し、該バーナーから流出するコークス炉ガス（ＣＯＧ）等の燃焼ガスの燃焼熱により地金を溶融除去する方法がある。また、（２）実開昭６２−１３２１５４号公報で提案されているように脱ガス槽の上部からランスを挿入し、該ランスから酸素を吐出することにより地金を溶断除去する方法がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記（１）のランスでは酸素ガスを供給する通路がなく、燃焼ガス通路から供給された燃焼ガスのみの燃焼熱により地金を溶融せしめて除去するものであり、除去作業に長時間を有するものであった。又、前記（２）のランスでは燃焼ガスを供給する通路がなく、酸素ガス通路から供給された酸素ガスのみでは脱ガス槽に付着した冷えた状態の地金を溶断除去することが出来ず、該脱ガス槽内壁の地金を加熱するための加熱装置を別途必要とし、設備費用が高価となるものであった。そこで、本考案の目的は、一つのランスで溶融金属処理容器内に付着して冷却した地金の加熱と溶融除去の両作業を安全に行うことが可能となり、作業が簡単になり、加熱と溶融装置の設置スペースが小さくてよいランスを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために本考案はなされたものであり、その手段は、溶融金属処理容器の上部から挿入して、該容器内に付着した地金を除去するランスに於いて、該ランス下部中央部に失火検出器と該失火検出器を冷却する冷却ガス供給路を設け、その外周に燃料ガス供給路，燃焼用エアー又は酸素富化ガス供給路，酸素ガス供給路，冷却媒体給・排路を順次外周部に向かって設け、更に、酸素ガス供給路と連通する噴射口を形成したものである。

【０００５】

【作用】

地金Ｈが冷却している場合について説明する。この冷却した地金Ｈを加熱するには図１に示す状態のランス４において、 (１) 先ず、給排ターミナル７から冷却水供給配管８を通してランス４の冷却水供給路２０に冷却水を供給し、ランス４の冷却水排出路２１から冷却水排出
配管９を通して給排ターミナル７に戻してランス４を冷却する。 (２) ランス昇降用電動機５を動作してワイヤー６を送出して、ランス４を脱ガス槽１頂部の開口２上約１ｍの位置に停止させる。 (３）給排ターミナル７から失火検出器冷却用ガスとしての窒素ガスを窒素ガス供給配管１３を通してランス４の窒素ガス通路２５に供給し、ランス４外に噴射し、また、給排ターミナル７から燃料ガスとしてのＣＯＧ（コークス炉ガス）を燃料ガス供給配管１２を通してランス４の燃料ガス通路２４に供給し、上記窒素ガスと同様にランス４外に噴射し、更に、給排ターミナル７から燃焼用エ
アー（又は酸素富化ガス）供給配管１１を通してランス４の燃焼用エアー（又は酸素富化ガス）通路２３に供給して噴射することにより、着火燃焼せしめる。

【０００６】 (４) 再度、ランス昇降用電動機５を動作してワイヤー６を送出して、ランス４を脱ガス槽１頂部の開口２から挿入する。 (５）そして、ランス４先端が所定位置に到達すると前記ランス昇降用電動機５の動作を停止してランス４の降下を止め、この位置で、燃料ガス及び燃焼用エアー（又は酸素富化ガス）を増量し、燃焼を増大する。（図２の火炎Ｊの状
態） (６) 燃焼中にランス昇降用電動機５を動作してランス４を上下動して脱ガス槽１の内壁に付着した地金Ｈ全体を加熱する。

【０００７】 (７）この際、給排ターミナル７から窒素ガス供給配管１３を通して窒素ガスをランス４の窒素ガス通路２５に供給して、該ランス４内に設けた失火検出器２６を冷却して、ＣＯＧの燃焼熱から該失火検出器２６を保護する。そして、
この失火検出器２６によりＣＯＧの燃焼時に発生する紫外線を検出して、その検出信号を配線路１４，給排ターミナル７を介してＣＯＧ燃焼の有無を検知し、失火すると再度ガスに着火せしめる。これは、加熱中に失火した場合、可燃ガスが容器内に充満し爆発の危険性が生ずるので、これを防ぐためにランス内に失火
検出器を設けるのである。 (８）このようにして脱ガス槽１の内壁に付着した冷却地金Ｈを所定時間加熱した後、給排ターミナル７から燃焼ガス，燃焼用エアー（又は酸素富化ガス）の供給を停止する。

【０００８】次に、この加熱した地金Ｈを酸素ガスにより溶断除去する作業について説明する。 (１) ランス４を脱ガス槽１内の所定位置に停止した状態で給排ターミナル７から地金Ｈの溶断除去用ガスとして酸素ガスを酸素ガス供給配管１０を通して
ランス４の酸素ガス通路２２に供給してこれに連通するランス４の先端の放射状噴出口２７より酸素を前記脱ガス槽１の内壁に付着した加熱地金Ｈに噴射して
加熱地金Ｈを溶断除去する。（図２のＫの状態） (２）酸素ガスを噴射中に、ランス昇降用電動機５を動作してランス４を上下動して脱ガス槽１の内壁に付着した地金Ｈ全体を除去する。 (３) 脱ガス槽１内の地金Ｈの溶断除去が完了すると給排ターミナル７からの酸素ガスの供給を停止する。

【０００９】 (４）次にランス昇降用電動機５を動作してワイヤ６を巻き上げて、ランス４を脱ガス槽１内より出して、所定位置で停止する。 (５）更に、給排ターミナル７から冷却水の供給を停止し、ランス４の冷却を中止する。尚、本実施例においては、ランス４の中央部に失火検出器２６を設け、その外側周囲に窒素ガス通路２５を設けて、該ガス通路２５から噴射した窒素ガスにより、前記失火検出器２６を冷却して保護したが本考案はこれに限ることなく、他のガスでも良い。又、脱ガス槽１内壁に付着した地金Ｈの温度が高く加熱の必要がない場合には、ランス４を該脱ガス槽１内に挿入し、加熱作業を削除して酸素ガスによる該地金Ｈの溶融除去を行えば良い。本実施例は、ＲＨ及びＤＨ真空脱ガス装置，転炉等にも適用可能である。

【００１０】

【実施例】

本考案の一実施例を図１〜２を参照して説明する。図２は脱ガス槽内に付着した地金を除去するランスの全体側断面図であり、図１は図２中の点線Ａの縦断面拡大図である。図中、１は頂部に開口２を有し、上側部に排気ダクト３、底部に浸漬管１５を有する脱ガス槽、４は脱ガス槽１の側壁に付着した地金Ｈを除去するランス、５はランス４の頂部とワイヤ６を介して連結したランス昇降用電動機、７は冷却水、酸素ガス、燃焼用エアー（又は酸素富化ガス），燃焼ガス（コークス炉ガス：ＣＯＧ）等の給排ターミナル、８はランス４の冷却水供給路２０に給排ターミナル７から冷却水を供給する冷却水供給配管、９はランス４の上記冷却水供給路２０を通って冷却水排出路２１から流出した冷却水を前記ターミナル７に戻す冷却水排出配管、１０はランス４の酸素ガス供給路２２に該ターミナル７から酸素ガスを供給する酸素ガス供給配管、１１はランス４の燃焼用エアー（又は酸素富化ガス）供給路２３に該ターミナル７から燃焼用エアー（又は酸素富化ガス）を供給する燃焼用エアー（又は酸素富化ガス）供配配管、１２はランス４の燃料ガス通路２４に該ターミナル７から燃料ガスを供給する燃料ガス供給配管、１３はランス４の窒素ガス通路２５に該ターミナル７から窒素ガスを供給する窒素ガス供給配管、１４はランス４の中央に設けた失火検出器２６の信号を前記ターミナル７側に取出す配線路であり、この失火検出器２６としては紫外線センサー，紫外線センサー等が用いられる。又２７は酸素ガス供給路２２に連通する噴射口を示す。このようにして構成されたランス４で脱ガス槽１の内壁に付着した地金Ｈを加熱・溶融除去するものである。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、一つのランスで溶融金属処理容器内に付着して冷却した地金の加熱と溶融除去の両作業を行うことが可能となり、作業が簡単となり、更に、加熱装置と地金溶融装置の両装置を、溶融金属処理容器の近傍に設ける必要がなく、不要なスペースが必要なくなると共に設備費が安価となる等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ランス先端の拡大側断面図。

【図２】脱ガス槽内壁付着地金を加熱・溶断除去するラ
ンス全体側断面図。

【符号の説明】

１脱ガス槽４ランスＨ地金２０冷却水供給路２１冷却水排水路２２酸素ガス供給路２３燃焼用エアー又は酸素富化ガス供給路２４燃料ガス供給路２５窒素ガス通路２６失火検出器２７噴射口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】溶融金属処理容器の上部から挿入して、
該容器内に付着した地金を除去するランスにおいて、該
ランス下部中央部に失火検出器と該失火検出器を冷却す
る冷却ガス供給路を設け、その外周に燃料ガス供給路，
燃焼用エアー又は酸素富化ガス供給路，酸素ガス供給
路，冷却媒体給・排路を順次外周側に向かって設け、更
に、酸素ガス供給路と連通する噴射口を有することを特
徴とする溶融金属処理容器の付着地金の加熱・溶融除去
用ランス。