JPH0559137A - ポリカプロラクトンをグラフトした新規な共重合体 - Google Patents
ポリカプロラクトンをグラフトした新規な共重合体Info
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- JPH0559137A JPH0559137A JP3219712A JP21971291A JPH0559137A JP H0559137 A JPH0559137 A JP H0559137A JP 3219712 A JP3219712 A JP 3219712A JP 21971291 A JP21971291 A JP 21971291A JP H0559137 A JPH0559137 A JP H0559137A
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】ポリカプロラクトンと相溶性を有する熱可塑性
樹脂とエンジニアリングプラスチックとのポリマ−ブレ
ンドにおいて相溶化剤として効果的な脂環式エポキシ基
を有するポリカプロラクトンをグラフトした新規な共重
合体の提供。 【構成】一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式エポ
キシ基を末端に有する変性ポリカプロラクトン(A)
と、少なくとも一種以上の芳香族ビニル系単量体
(B)、およびこれらと他の共重合可能な一種以上のビ
ニル系単量体(C)を共重合したポリカプロラクトンを
グラフトした新規な共重合体。 【効果】機械的性能等の諸性能を低下しないばかりか高
い耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂を得るための相溶化剤
として有効である。またポリマ−ブレンド系だけでな
く、ポリカプロラクトンと相溶性を有する熱可塑性樹脂
の流動性改良、可とう性付与などの改質剤としても有効
である。
樹脂とエンジニアリングプラスチックとのポリマ−ブレ
ンドにおいて相溶化剤として効果的な脂環式エポキシ基
を有するポリカプロラクトンをグラフトした新規な共重
合体の提供。 【構成】一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式エポ
キシ基を末端に有する変性ポリカプロラクトン(A)
と、少なくとも一種以上の芳香族ビニル系単量体
(B)、およびこれらと他の共重合可能な一種以上のビ
ニル系単量体(C)を共重合したポリカプロラクトンを
グラフトした新規な共重合体。 【効果】機械的性能等の諸性能を低下しないばかりか高
い耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂を得るための相溶化剤
として有効である。またポリマ−ブレンド系だけでな
く、ポリカプロラクトンと相溶性を有する熱可塑性樹脂
の流動性改良、可とう性付与などの改質剤としても有効
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエポキシ基を有す
る変性ポリカプロラクトンをグラフトした共重合体に関
する。詳しくはポリカプロラクトンと相溶性を有する熱
可塑性樹脂とエンジニアリングプラスチックとのポリマ
−ブレンドにおいて成形時に生じる層状剥離を効果的に
防止し、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂を提供するのに
相容化剤として効果的なポリカプロラクトンをグラフト
した新規な共重合体に関する。
る変性ポリカプロラクトンをグラフトした共重合体に関
する。詳しくはポリカプロラクトンと相溶性を有する熱
可塑性樹脂とエンジニアリングプラスチックとのポリマ
−ブレンドにおいて成形時に生じる層状剥離を効果的に
防止し、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂を提供するのに
相容化剤として効果的なポリカプロラクトンをグラフト
した新規な共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエ−
テル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ
−ト系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ABS系樹
脂、ポリアリ−レンサルフィド系樹脂およびポリアリレ
−ト系樹脂等は優れた機械的特性、耐薬品性、耐熱性等
が認められ多くの分野で使用されている。
テル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ
−ト系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ABS系樹
脂、ポリアリ−レンサルフィド系樹脂およびポリアリレ
−ト系樹脂等は優れた機械的特性、耐薬品性、耐熱性等
が認められ多くの分野で使用されている。
【0003】近年、製品の機能の高度化、低価格化など
を求め、さまざまな研究が行われているが、なかでもよ
り多くの機能を付加するために複数のプラスチックの各
々の特徴を生かすことが試みられている。
を求め、さまざまな研究が行われているが、なかでもよ
り多くの機能を付加するために複数のプラスチックの各
々の特徴を生かすことが試みられている。
【0004】ポリアミド系樹脂は成形加工性、熱安定
性、耐摩耗性、耐溶剤性などに優れた性質を有しており
各種の成形品に広く用いられている。しかし、吸湿性が
高いために寸法安定性などに問題があり用途が制約され
る場合があった。
性、耐摩耗性、耐溶剤性などに優れた性質を有しており
各種の成形品に広く用いられている。しかし、吸湿性が
高いために寸法安定性などに問題があり用途が制約され
る場合があった。
【0005】一方、ポリフェニレンエ−テル系樹脂は、
機械的性質、電気的性質、耐熱性が優れており、しかも
寸法安定性がよいなどの性質を備えているため、成形材
料樹脂として有用であるが、加工性、耐油性および耐衝
撃性が劣ることが欠点である。
機械的性質、電気的性質、耐熱性が優れており、しかも
寸法安定性がよいなどの性質を備えているため、成形材
料樹脂として有用であるが、加工性、耐油性および耐衝
撃性が劣ることが欠点である。
【0006】また、芳香族ポリエステル系樹脂は機械的
性質、剛性、強度に優れるが、耐衝撃性、耐熱性に劣
り、ポリカ−ボネ−ト系樹脂は機械的性質、耐熱性、耐
衝撃性に優れるが、耐薬品性に劣り、ポリオキシメチレ
ン系樹脂は寸法安定性、機械的強度に優れるが耐衝撃性
に乏しく、ABS系樹脂は耐衝撃性に優れるが、耐薬品
性に劣り、ポリアリ−レンサルフィド系樹脂は耐熱性、
難燃性に優れるが延性に乏しく脆弱であり、そしてポリ
アリレ−ト系樹脂は耐熱性に優れるが、耐衝撃性に劣る
という欠点を有している。
性質、剛性、強度に優れるが、耐衝撃性、耐熱性に劣
り、ポリカ−ボネ−ト系樹脂は機械的性質、耐熱性、耐
衝撃性に優れるが、耐薬品性に劣り、ポリオキシメチレ
ン系樹脂は寸法安定性、機械的強度に優れるが耐衝撃性
に乏しく、ABS系樹脂は耐衝撃性に優れるが、耐薬品
性に劣り、ポリアリ−レンサルフィド系樹脂は耐熱性、
難燃性に優れるが延性に乏しく脆弱であり、そしてポリ
アリレ−ト系樹脂は耐熱性に優れるが、耐衝撃性に劣る
という欠点を有している。
【0007】そこでポリアミド系樹脂にポリフェニレン
エ−テル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカ−
ボネ−ト系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ABS系
樹脂、ポリアリ−レンサルフィド系樹脂およびポリアリ
レ−ト系樹脂から成る群から選択された1種または2種
以上の樹脂をブレンドすることにより、元来ポリアミド
系樹脂の有している長所を維持しつつ、欠点を改善し、
さらに他樹脂の長所を付与した優れた樹脂組成物が得ら
れると考えられる。
エ−テル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリカ−
ボネ−ト系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ABS系
樹脂、ポリアリ−レンサルフィド系樹脂およびポリアリ
レ−ト系樹脂から成る群から選択された1種または2種
以上の樹脂をブレンドすることにより、元来ポリアミド
系樹脂の有している長所を維持しつつ、欠点を改善し、
さらに他樹脂の長所を付与した優れた樹脂組成物が得ら
れると考えられる。
【0008】例えば、ポリフェニレンエ−テル系樹脂の
耐油性および加工性を向上差せるため、ポリアミド系樹
脂を配合することが特公昭45−997号に提案されて
いるが、ポリフェニレンエ−テル系樹脂とポリアミド系
樹脂とは相溶性が極めて悪く、得られる樹脂組成物は機
械的特性に劣り(とくにポリアミド含有量が20%を越
えると著しく劣る)、射出成形により得た成形品は層状
剥離現象を示し、好ましい成形品が得られない。
耐油性および加工性を向上差せるため、ポリアミド系樹
脂を配合することが特公昭45−997号に提案されて
いるが、ポリフェニレンエ−テル系樹脂とポリアミド系
樹脂とは相溶性が極めて悪く、得られる樹脂組成物は機
械的特性に劣り(とくにポリアミド含有量が20%を越
えると著しく劣る)、射出成形により得た成形品は層状
剥離現象を示し、好ましい成形品が得られない。
【0009】また上記の層状剥離現象を防止する方法と
して、特開昭60−36150号公報に示されるスチレ
ン化合物とα,β−不飽和ジカルボン酸無水物からなる
共重合体を相溶化剤として配合する方法、特開昭60−
260649号公報および特開昭62−27456号公
報に記載のエチレン、あるいはスチレン化合物とエポキ
シ基含有不飽和化合物からなる共重合体を相溶化剤とし
て配合する方法、特開昭64−48846号公報に記載
のエポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)
重合体からなる多相構造熱可塑性樹脂を相溶化剤として
配合する方法などが比較的優れているが、一つ目は加熱
成形時に、ジカルボン酸の分解に起因すると思われる発
泡が生ずる場合があり好ましくなく、二つ目および三つ
目は耐衝撃性の改良効果が未だ不十分である。
して、特開昭60−36150号公報に示されるスチレ
ン化合物とα,β−不飽和ジカルボン酸無水物からなる
共重合体を相溶化剤として配合する方法、特開昭60−
260649号公報および特開昭62−27456号公
報に記載のエチレン、あるいはスチレン化合物とエポキ
シ基含有不飽和化合物からなる共重合体を相溶化剤とし
て配合する方法、特開昭64−48846号公報に記載
のエポキシ基含有オレフィン共重合体とビニル系(共)
重合体からなる多相構造熱可塑性樹脂を相溶化剤として
配合する方法などが比較的優れているが、一つ目は加熱
成形時に、ジカルボン酸の分解に起因すると思われる発
泡が生ずる場合があり好ましくなく、二つ目および三つ
目は耐衝撃性の改良効果が未だ不十分である。
【0010】また、特公昭47−19101号公報、特
公昭47−24465号公報、特公昭48−56742
号公報、特公昭47−114661号公報、特開昭56
−34756号公報、特開昭57−49657号公報な
どはそれぞれ目的に応じてポリアミド系樹脂とポリエス
テル系樹脂の配合組成を変えたり、添加剤として繊維状
補強材や無機質充填剤を併用することにより、ポリアミ
ド系樹脂とポリエステル系樹脂とを組み合わせた場合の
問題点を改善する試みがなされているが、成形品が層状
剥離現象を起こすなど機械的性質等が不十分である。
公昭47−24465号公報、特公昭48−56742
号公報、特公昭47−114661号公報、特開昭56
−34756号公報、特開昭57−49657号公報な
どはそれぞれ目的に応じてポリアミド系樹脂とポリエス
テル系樹脂の配合組成を変えたり、添加剤として繊維状
補強材や無機質充填剤を併用することにより、ポリアミ
ド系樹脂とポリエステル系樹脂とを組み合わせた場合の
問題点を改善する試みがなされているが、成形品が層状
剥離現象を起こすなど機械的性質等が不十分である。
【0011】さらに、ポリアミド系樹脂とポリアリレ−
ト系樹脂の親和性を向上させるために、特開昭62−2
77462号公報、特開昭62−283146号公報に
はエポキシ基含有エチレン系共重合体と酸無水物含有エ
チレン系共重合体を併用する方法が開示されている。こ
れらの重合体は衝撃強度付与のためには効果的である
が、組成物の剛性や耐熱性が低下し易い欠点がある。
ト系樹脂の親和性を向上させるために、特開昭62−2
77462号公報、特開昭62−283146号公報に
はエポキシ基含有エチレン系共重合体と酸無水物含有エ
チレン系共重合体を併用する方法が開示されている。こ
れらの重合体は衝撃強度付与のためには効果的である
が、組成物の剛性や耐熱性が低下し易い欠点がある。
【0012】その他の樹脂もポリアミド系樹脂と組み合
わせることにより物性の向上を図る試みはされているも
のの、それぞれの化学的構造が異なるために親和性がな
く、それぞれの長所を生かすことはほとんどできなかっ
た。
わせることにより物性の向上を図る試みはされているも
のの、それぞれの化学的構造が異なるために親和性がな
く、それぞれの長所を生かすことはほとんどできなかっ
た。
【0013】
【発明の目的】本発明は、ポリカプロラクトンと相溶性
を有する熱可塑性樹脂とエンジニアリングプラスチック
とのポリマ−ブレンドにおいて成形時に生じる層状剥離
を防止し、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂を提供するの
に相溶化剤として効果的なポリカプロラクトンをグラフ
トした新規な共重合体を提供することにある。
を有する熱可塑性樹脂とエンジニアリングプラスチック
とのポリマ−ブレンドにおいて成形時に生じる層状剥離
を防止し、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂を提供するの
に相溶化剤として効果的なポリカプロラクトンをグラフ
トした新規な共重合体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に鑑み鋭意検討の結果、ポリカプロラクトンと相溶性を
有する熱可塑性樹脂とエンジニアリングプラスチックと
のポリマ−ブレンドにおいて相溶化剤として効果的な脂
環式エポキシ基を有するポリカプロラクトンをグラフト
した新規な共重合体を見出し、本発明に想到した。
に鑑み鋭意検討の結果、ポリカプロラクトンと相溶性を
有する熱可塑性樹脂とエンジニアリングプラスチックと
のポリマ−ブレンドにおいて相溶化剤として効果的な脂
環式エポキシ基を有するポリカプロラクトンをグラフト
した新規な共重合体を見出し、本発明に想到した。
【0015】すなわち、本発明は、一分子中に一個のビ
ニル基と一個の脂環式エポキシ基を末端に有する変性ポ
リカプロラクトン(A)と、少なくとも一種以上の芳香
族ビニル系単量体(B)、およびこれらと他の共重合可
能な一種以上のビニル系単量体(C)を共重合したポリ
カプロラクトンをグラフトした新規な共重合体を提供す
るものである。
ニル基と一個の脂環式エポキシ基を末端に有する変性ポ
リカプロラクトン(A)と、少なくとも一種以上の芳香
族ビニル系単量体(B)、およびこれらと他の共重合可
能な一種以上のビニル系単量体(C)を共重合したポリ
カプロラクトンをグラフトした新規な共重合体を提供す
るものである。
【0016】本発明を以下詳細に説明する。
【0017】本発明において用いる一分子中に一個のビ
ニル基と一個の脂環式エポキシ基を末端に有する変性ポ
リカプロラクトンは、前記化1で表され、例えば特願平
2−320255に述べられている方法により合成する
ことができる。また、これらの市販品としては、たとえ
ば、ダイセル化学工業社製CYCLOMER M−10
1などが有り、それらを使用することができる。
ニル基と一個の脂環式エポキシ基を末端に有する変性ポ
リカプロラクトンは、前記化1で表され、例えば特願平
2−320255に述べられている方法により合成する
ことができる。また、これらの市販品としては、たとえ
ば、ダイセル化学工業社製CYCLOMER M−10
1などが有り、それらを使用することができる。
【0018】芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ブチル
スチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルキシレン等より
選ばれる一種又はに二種以上が挙げられる。
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ブチル
スチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルキシレン等より
選ばれる一種又はに二種以上が挙げられる。
【0019】他の共重合可能なビニル系単量体としては
アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7のアル
キルエステル、例えば(メタ)アクリル酸のメチル、エ
チル、イソプロピル、プロピル、ブチル、グリシジルエ
ステルなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メ
タ)アクリロニトリル単量体;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなどのビニルエステル単量体;(メタ)アクリ
ルアミド単量体;無水マレイン酸、マレイン酸のモノエ
ステル、ジエステルなどのビニル系単量体等より選ばれ
る一種又はに二種以上が挙げられる。中でも特に(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリロニト
リル単量体及びビニルエステル単量体が好ましく用いら
れる。
アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7のアル
キルエステル、例えば(メタ)アクリル酸のメチル、エ
チル、イソプロピル、プロピル、ブチル、グリシジルエ
ステルなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メ
タ)アクリロニトリル単量体;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなどのビニルエステル単量体;(メタ)アクリ
ルアミド単量体;無水マレイン酸、マレイン酸のモノエ
ステル、ジエステルなどのビニル系単量体等より選ばれ
る一種又はに二種以上が挙げられる。中でも特に(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリロニト
リル単量体及びビニルエステル単量体が好ましく用いら
れる。
【0020】本発明における共重合体は、一分子中に一
個のビニル基と一個の脂環式エポキシ基を末端に有する
変性ポリカプロラクトンと芳香族ビニル系単量体を必須
成分とし、一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式エ
ポキシ基を有する変性ポリカプロラクトン含有量が1〜
70モル%、好ましくは2〜50モル%からなるもので
ある。
個のビニル基と一個の脂環式エポキシ基を末端に有する
変性ポリカプロラクトンと芳香族ビニル系単量体を必須
成分とし、一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式エ
ポキシ基を有する変性ポリカプロラクトン含有量が1〜
70モル%、好ましくは2〜50モル%からなるもので
ある。
【0021】一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式
エポキシ基を末端に有する変性ポリカプロラクトンが1
モル%未満であると、耐衝撃性改良効果、および層状剥
離防止効果が不充分であり好ましくない。また一分子中
に一個のビニル基と一個の脂環式エポキシ基を有する変
性ポリカプロラクトンが70モル%を越えると、耐衝撃
性改良効果は充分に得られるが、耐熱性が低下するので
好ましくない。
エポキシ基を末端に有する変性ポリカプロラクトンが1
モル%未満であると、耐衝撃性改良効果、および層状剥
離防止効果が不充分であり好ましくない。また一分子中
に一個のビニル基と一個の脂環式エポキシ基を有する変
性ポリカプロラクトンが70モル%を越えると、耐衝撃
性改良効果は充分に得られるが、耐熱性が低下するので
好ましくない。
【0022】またビニル芳香族単量体を50重量%以上
含むビニル系(共)重合体がポリアミド系樹脂の吸湿性
改良のために最も好ましい態様である。
含むビニル系(共)重合体がポリアミド系樹脂の吸湿性
改良のために最も好ましい態様である。
【0023】本発明の共重合体を得るための重合方法と
しては、いわゆる公知のラジカル共重合が用いられる。
このラジカル共重合の具体的な方法としては、さらに溶
液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等から適宜選ば
れる。
しては、いわゆる公知のラジカル共重合が用いられる。
このラジカル共重合の具体的な方法としては、さらに溶
液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等から適宜選ば
れる。
【0024】本発明の共重合体はグラフト鎖を有するた
め、その分子量を正確に測定することは難しいが、ゲル
パ−ミションクロマトグラフィ−(GPC)法により求
められる標準ポリスチレンに換算した分子量としては数
平均分子量5000〜200000が好ましい。
め、その分子量を正確に測定することは難しいが、ゲル
パ−ミションクロマトグラフィ−(GPC)法により求
められる標準ポリスチレンに換算した分子量としては数
平均分子量5000〜200000が好ましい。
【0025】このようにして得られた本発明の共重合体
は、ポリエステル樹脂、芳香族ポリカ−ボネ−ト、スチ
レン系樹脂、ABS樹脂および/またはAS樹脂または
ポリ塩化ビニルの如きポリカプロラクトンと相溶性を有
する熱可塑性樹脂とポリアミド樹脂等のエンジニアリン
グプラスチックとの相溶化剤として良好であり、一般に
両者の樹脂合計100重量部当り1〜30重量部の割合
で添加する。
は、ポリエステル樹脂、芳香族ポリカ−ボネ−ト、スチ
レン系樹脂、ABS樹脂および/またはAS樹脂または
ポリ塩化ビニルの如きポリカプロラクトンと相溶性を有
する熱可塑性樹脂とポリアミド樹脂等のエンジニアリン
グプラスチックとの相溶化剤として良好であり、一般に
両者の樹脂合計100重量部当り1〜30重量部の割合
で添加する。
【0026】この割合が1重量部を下回るとポリマ−ブ
レンドにおいて樹脂間の分散状態が不均一になり、得ら
れる成形品の機械的性質も満足でなく表面の層状剥離等
の外観上の欠陥も生じる。一方、30重量部を越えると
ポリマ−ブレンドにおいて各樹脂が本来持つ、優れた耐
熱性や機械的性質が損なわれる。
レンドにおいて樹脂間の分散状態が不均一になり、得ら
れる成形品の機械的性質も満足でなく表面の層状剥離等
の外観上の欠陥も生じる。一方、30重量部を越えると
ポリマ−ブレンドにおいて各樹脂が本来持つ、優れた耐
熱性や機械的性質が損なわれる。
【0027】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の各例において部および%はそれぞ
れ重量部および重量%を示す。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の各例において部および%はそれぞ
れ重量部および重量%を示す。
【0028】
【実施例−1】還流冷却器、攪拌機、温度計および窒素
導入管を備えた2リットル容量のフラスコに、イオン交
換水 1163部およびポリビニ−ルアルコ−ル(重合
度500)5部を仕込み窒素を吹き込みながら加熱溶解
した。冷却後、スチレン563部、CYCLOMER
M101(ダイセル化学工業製)63部および過酸化ベ
ンゾイル 5部を加え、攪拌しながら90℃で5時間重
合反応を行った。その後反応物を水洗し、減圧乾燥を行
いMn=39300、Mw=99200、エポキシ当量
3095の共重合体を595部得た。
導入管を備えた2リットル容量のフラスコに、イオン交
換水 1163部およびポリビニ−ルアルコ−ル(重合
度500)5部を仕込み窒素を吹き込みながら加熱溶解
した。冷却後、スチレン563部、CYCLOMER
M101(ダイセル化学工業製)63部および過酸化ベ
ンゾイル 5部を加え、攪拌しながら90℃で5時間重
合反応を行った。その後反応物を水洗し、減圧乾燥を行
いMn=39300、Mw=99200、エポキシ当量
3095の共重合体を595部得た。
【0029】
【実施例−2】実施例1においてスチレン359部、C
YCLOMER M101(ダイセル化学工業製)26
7部に代えた他は実施例1と全く同様に行い、Mn=5
7400、Mw=273600、エポキシ当量740の
共重合体を610部得た。
YCLOMER M101(ダイセル化学工業製)26
7部に代えた他は実施例1と全く同様に行い、Mn=5
7400、Mw=273600、エポキシ当量740の
共重合体を610部得た。
【0030】
【実施例−3】実施例1においてスチレン382部、C
YCLOMER M101(ダイセル化学工業製)16
2部、アクリロニトリル55部に代えた他は実施例1と
全く同様に行い、Mn=54400、Mw=17700
0、エポキシ当量1160の共重合体を580部得た。
YCLOMER M101(ダイセル化学工業製)16
2部、アクリロニトリル55部に代えた他は実施例1と
全く同様に行い、Mn=54400、Mw=17700
0、エポキシ当量1160の共重合体を580部得た。
【0031】
【実施例−4】実施例1においてスチレン415部、C
YCLOMER M101(ダイセル化学工業製)15
4部、メチルメタクリレ−ト25部、n−ブチルメタク
リレ−ト 32部に代えた他は実施例1と全く同様に行
い、Mn=42000、Mw=119000、エポキシ
当量1268の共重合体を600部得た。
YCLOMER M101(ダイセル化学工業製)15
4部、メチルメタクリレ−ト25部、n−ブチルメタク
リレ−ト 32部に代えた他は実施例1と全く同様に行
い、Mn=42000、Mw=119000、エポキシ
当量1268の共重合体を600部得た。
【0032】
【実施例−5】還流冷却器、攪拌機、温度計および窒素
導入管を備えた2リットル容量のフラスコに、窒素を吹
き込みながらキシレン417部、スチレン 359部、
およびCYCLOMER M101(ダイセル化学工業
製)267部を攪拌しながら110℃に昇温し、アゾビ
スイソブチルニトリル10部を溶解したキシレン40部
を逐次滴下し、10時間重合反応を行なった。冷却後メ
タノ−ル中で再沈殿し、減圧乾燥を行いMn=680
0、Mw=13200、エポキシ当量751の共重合体
を610部得た。
導入管を備えた2リットル容量のフラスコに、窒素を吹
き込みながらキシレン417部、スチレン 359部、
およびCYCLOMER M101(ダイセル化学工業
製)267部を攪拌しながら110℃に昇温し、アゾビ
スイソブチルニトリル10部を溶解したキシレン40部
を逐次滴下し、10時間重合反応を行なった。冷却後メ
タノ−ル中で再沈殿し、減圧乾燥を行いMn=680
0、Mw=13200、エポキシ当量751の共重合体
を610部得た。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したとうり、本発明において
は、一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式エポキシ
基を末端に有する変性ポリカプロラクトンと、少なくと
も一種以上の芳香族ビニル系単量体、およびこれらと他
の共重合可能な一種以上のビニル系単量体を共重合した
ポリカプロラクトンをグラフトした新規な共重合体を得
ることができた。
は、一分子中に一個のビニル基と一個の脂環式エポキシ
基を末端に有する変性ポリカプロラクトンと、少なくと
も一種以上の芳香族ビニル系単量体、およびこれらと他
の共重合可能な一種以上のビニル系単量体を共重合した
ポリカプロラクトンをグラフトした新規な共重合体を得
ることができた。
【0034】このようにして得られた本発明のポリカプ
ロラクトンをグラフトした新規な共重合体は、ポリエス
テル樹脂、芳香族ポリカ−ボネ−ト、スチレン系樹脂、
ABS樹脂および/またはAS樹脂またはポリ塩化ビニ
ルの如きポリカプロラクトンと相溶性を有する熱可塑性
樹脂とポリアミド樹脂等のエンジニアリングプラスチッ
クとのポリマ−ブレンドにおいて極めて優れた分散を可
能にすることができ、機械的性能等の諸性能を低下しな
いばかりか高い耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂を得るた
めの相溶化剤として極めて有効である。またポリマ−ブ
レンド系だけでなく、ポリカプロラクトンと相溶性を有
する熱可塑性樹脂の流動性改良、可とう性付与などの改
質剤としても極めて有効である。(以下余白)
ロラクトンをグラフトした新規な共重合体は、ポリエス
テル樹脂、芳香族ポリカ−ボネ−ト、スチレン系樹脂、
ABS樹脂および/またはAS樹脂またはポリ塩化ビニ
ルの如きポリカプロラクトンと相溶性を有する熱可塑性
樹脂とポリアミド樹脂等のエンジニアリングプラスチッ
クとのポリマ−ブレンドにおいて極めて優れた分散を可
能にすることができ、機械的性能等の諸性能を低下しな
いばかりか高い耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂を得るた
めの相溶化剤として極めて有効である。またポリマ−ブ
レンド系だけでなく、ポリカプロラクトンと相溶性を有
する熱可塑性樹脂の流動性改良、可とう性付与などの改
質剤としても極めて有効である。(以下余白)
Claims (3)
- 【請求項1】 一分子中に一個のビニル基と一個の脂環
式エポキシ基を末端に有する変性ポリカプロラクトン
(A)と、少なくとも一種以上の芳香族ビニル系単量体
(B)、およびこれらと他の共重合可能な一種以上のビ
ニル系単量体(C)を共重合したポリカプロラクトンを
グラフトした新規な共重合体。 - 【請求項2】 共重合体中の(A)含有量が1〜70モ
ル%、(B)含有量が99〜30モル%、(C)含有量
が0〜60モル%である請求項1記載のポリカプロラク
トンをグラフトした共重合体。 - 【請求項3】 一分子中に一個のビニル基と一個の脂環
式エポキシ基を有する変性ポリカプロラクトンが下記一
般式化1 【化1】 で表される請求項1記載のポリカプロラクトンをグラフ
トした共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3219712A JP3051212B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | ポリカプロラクトンをグラフトした共重合体からなる新規な相溶化剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3219712A JP3051212B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | ポリカプロラクトンをグラフトした共重合体からなる新規な相溶化剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559137A true JPH0559137A (ja) | 1993-03-09 |
JP3051212B2 JP3051212B2 (ja) | 2000-06-12 |
Family
ID=16739789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3219712A Expired - Fee Related JP3051212B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | ポリカプロラクトンをグラフトした共重合体からなる新規な相溶化剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3051212B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302748A (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Osaka Gas Co Ltd | 新規な生分解性相溶化剤及びそれを含む樹脂組成物 |
JP2013107955A (ja) * | 2011-11-18 | 2013-06-06 | Lealea Enterprise Co Ltd | 建材製造用の樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3219712A patent/JP3051212B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302748A (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Osaka Gas Co Ltd | 新規な生分解性相溶化剤及びそれを含む樹脂組成物 |
JP2013107955A (ja) * | 2011-11-18 | 2013-06-06 | Lealea Enterprise Co Ltd | 建材製造用の樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3051212B2 (ja) | 2000-06-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |