JPH0559101B2 - - Google Patents

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JPH0559101B2
JPH0559101B2 JP63083039A JP8303988A JPH0559101B2 JP H0559101 B2 JPH0559101 B2 JP H0559101B2 JP 63083039 A JP63083039 A JP 63083039A JP 8303988 A JP8303988 A JP 8303988A JP H0559101 B2 JPH0559101 B2 JP H0559101B2
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JP
Japan
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acrylonitrile
chlorine
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dichloropropionitrile
catalyst
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Yoshitsugu Jinno
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2,3−ジクロルプロピオニトリル
の工業的規模での有利な製造方法に関する。
〔従来の技術〕
2,3−ジクロルプロピオニトリルは、工業的
に有用な中間体であり、その工業的製造方法とし
ては、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、リ
ン酸水素ナトリウムなどの無機系触媒、或いはジ
メチルホルムアミド、ピリジンなどの有機系触媒
の存在下に、アクリロニトリルをあらかじめ反応
器に導入し、これに塩素を吹き込み粗2,3−ジ
クロルプロピオニトリルが得る方法が知られてい
る。しかしながらこの方法では、アクリロニトリ
ルと塩素の反応が急激な発熱反応であるため、反
応制御が困難で、副生成物も多く、また特に間欠
的に急激な発熱反応を生じるので、工業的実施が
極めて困難である。
そのため本発明者らは、特開昭57−136556号公
報にて四塩化炭素などの不活性溶媒を使用する
2,3−ジクロルプロピオニトリルの製造法を提
案したが、該方法では不活性溶媒を使用するた
め、反応容積効率の悪化や、蒸留による溶媒の回
収が必要となり、その場合2,3−ジクロルプロ
ピオニトリルのロスも無視できず、工業的製造法
としては必ずしも満足できるものではなかつた。
また特公昭61−9939号公報にはその改良法とし
て触媒にピリジン類とアルカリ土類金属炭酸塩を
併用して急激な発熱を制御する方法を開示してい
る。
この方法は非常に優れた方法であるが触媒に高
価なピリジンを使用し、またそのため高純度の
2,3−ジクロルプロピオニトリルを得るには蒸
留による精製が必要である。またこの触媒系でも
完全ではなく、触媒が失活した時には多量のアク
リトニトリルと塩素が蓄積された急激な発熱反応
が生じる恐れがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
通常、原料のアクリロニトリル中には精製アク
リロニトリルでも、また塩素中にもアクリロニト
リルほどではないが、数ppm程度の酸素が溶存し
ている。この微量の溶存酸素が、触媒の存在下ア
クリロニトリルの塩素化反応を行う場合、特に反
応初期に於いては反応を妨害するため間欠的な急
激発熱反応が生じるのではないかと推定される。
また通常の反応において、反応器に触媒及びア
クリロニトリルを仕込み、これに塩素を吹き込み
反応を開始した場合、塩素吹き込み後、しばらく
は誘導期間に相当するタイムラグがあり反応も進
まず、その間発熱もなく温度も一定であるが、一
定時間経過すると、急激な発熱反応を生じ、反応
温度が急上昇する。そうして、再び時間経過とと
もに発熱が止まり、外部からの温度コントロール
により一定温度を維持する。そうして又誘導期が
過ぎると急激な発熱を繰り返す。特に、この現象
は重曹や炭酸カルシウムなどの無機系触媒を使用
して塩素化反応を行う場合顕著である。
〔課題を解決する手段〕
本発明者らは、このような問題点、すなわち工
業的規模で安定な操業を続けることが出来、また
設備費などにおいても有利な方法を鋭意検討した
結果、収率においても、前記の従来方法より同等
またはそれ以上の収率で目的生成物が得られるこ
とがわかり、本発明を完成したものである。
即ち、本発明方法では、アクリロニトリルの塩
素化反応時の急激な反応、特に間欠発熱反応を防
止するため、生成物である2,3−ジクロルプロ
ピオニトリルを自溶媒として使用し、予め好まし
くは飽和に近い状態まで塩素を溶解しておき、反
応中は常にアクリロニトリルより過剰の塩素が存
在する状態で、溶媒中に反応に見合う量だけのア
クリロニトリルを滴下しながら、同時に好ましく
はやや過剰量の塩素を吹き込み反応させる、2,
3−ジクロルプロピオニトリルの製造方法であ
る。
本発明のこの方法によると反応の誘導期がなく
なり定常的に反応は進むので反応制御が容易であ
り、しかも安定な温和な反応条件を維持出来ダイ
マー、多塩素化物などの副生成物の少ない2,3
−ジクロルプロピオニトリルを製造することが出
来る。
又、アクリロニトリルが反応系内に殆ど存在し
ない状態で反応するため、たとえ触媒の失活が起
こつてもアクリロニトリルの添加を止めることに
より反応の暴走を抑止できる。またピリジンなど
の有機化合物を使用しない無機系の触媒だけでも
反応が可能であり、反応後過剰の塩素を脱ガスし
た後、濾過により触媒を除くだけで純度の高い
2,3−ジクロルプロピオニトリルを得ることが
できる。
本発明を実施する方法は、例えば次のようにし
て実施できる。
温度計、塩素吹込管、アクリロニトリル装入
管、還流冷却器、および冷却用のジヤケツトまた
はコイルを備えた撹拌機付の反応槽へ2,3−ジ
クロルプロピオニトリルおよび触媒を装入してお
き、塩素を飽和に近い状態まで吹込み溶解させ
る。これに反応温度を0〜50℃を維持するよう
に、アクリロニトリルを滴下しながら、同時に塩
素を導入する。
塩素の吹込み量はアクリロニトリルの滴下量に
対し、通常1.0〜1.5倍モルの割合で、全アクリロ
ニトリルの使用量に対し1.0〜3.0倍量使用して反
応を完結させる。反応に要する時間は数時間ない
し数十時間の範囲で行うが、反応装置の除熱能力
により適宜選定できる。
反応完結後は過剰の塩素を窒素ガス等の不活性
ガスを吹き込んで除き不溶性の触媒を濾過して精
2,3−ジクロルプロピオニトリルが得られる。
ピリジン等の可溶性の触媒を使用した場合は通常
の方法で減圧蒸留により精2,3−ジクロルプロ
ピオニトリルが得られる。
このように本発明方法により、微量の溶存酸素
が反応系に存在していても、アクリロニトリルの
塩素化反応を間欠発熱を伴わず、安定かつ、安全
に工業的規模で実施できる。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例 1 撹拌機、ジヤケツト付きの150反応機に2,
3−ジクロルプロピオニトリル40Kg、炭酸水素ナ
トリウム1Kgを装入し塩素吹込管より塩素を6Kg
吹き込んだ。続いて内温を20〜30℃に保持し塩素
を2.8Kg/時間の割合で吹込みながらアクリロニ
トリル42.3Kgを20時間で滴下した。滴下終了後2
時間20〜30℃に温度を保持した。ついで窒素ガス
を吹き込み30℃で過剰の塩素を除去した後、触媒
を濾過して135Kgの2,3−ジクロルプロピオニ
トリルを得た。増加2,3−ジクロルプロピオニ
トリルは95Kg(収率95.8%、純度99%)であつ
た。
実施例 2 撹拌機、ジヤケツト付きの150反応機に2,
3−ジクロルプロピオニトリル40Kg、ピリジン
0.8Kg、炭酸カルシウム4Kgを装入し塩素吹込管
より塩素を6Kg吹き込んだ。続いて内温を20〜30
℃に保ち、塩素を2.8Kg/時間の割合で吹込みな
がら、アクリロニトリル42.3Kgを24時間で滴下し
た。アクリロニトリル滴下終了後2時間20〜30℃
に温度を保持した。ついで窒素ガスを吹き込み30
℃で過剰の塩素を除いた後蒸留を行つた。蒸留に
より37〜45℃/3〜4mmHgの留分126.5Kgを得
た。増加2,3−ジクロルプロピオニトリルは
86.5Kg(収率87.2%、純度99.2%)であつた。
比較例 1 実施例1と同様の反応機に四塩化炭素81.5Kg、
重曹2.1Kg、無水芒硝(脱水剤)1.4Kgを仕込み、
塩素6.0Kgを吹き込み四塩化炭素に溶解した。ア
クリロニトリル26.5Kgを内温20〜25℃に保つ様
に、冷水で冷却しながら17時間で定量ポンプによ
り滴下し、この間塩素はアクリロニトリル滴下速
度に対して、約1.1倍モルで吹き込んだ。アクリ
ロニトリルの滴下終了後、約1時間塩素をそのま
ま吹き込んでから停止した。更に、内温を20〜25
℃に保ちつつ、窒素により未反応塩素をパージし
た。
触媒、脱水剤を濾過により取り除き、蒸留を行
つた。まず、36℃/200mmHgで溶媒の四塩化炭素
およびアクリロニトリルが留出し、更に61℃/13
mmHgにて、目的の2,3−ジクロルプロピオニ
トリルが得られた。(対アクリロニトリル収率
85.5%、純度100%) 比較例 2 実施例1と同様の反応機に四塩化炭素81.5Kg、
ピリジン7.9Kgを仕込み、塩素6.0Kgを吹き込み四
塩化炭素に溶解した。アクリロニトリル26.5Kgを
内温20〜25℃に保つ様に、冷水で冷却しながら17
時間で定量ポンプにより滴下し、この間塩素はア
クリロニトリル滴下速度に対して、約1.1倍モル
で吹き込んだ。アクリロニトリルの滴下終了後、
約1時間塩素をそのまま吹き込んでから停止し
た。更に、内温を20〜25℃に保ちつつ、窒素によ
り未反応塩素をパージし、反応マスを5%塩酸50
Kgで撹拌し、分液して触媒ピリジンを水層に移し
た。
有機層を比較例1と同様に蒸留し、2,3−ジ
クロルプロピオニトリルが得られた。(対アクリ
ロニトリル収率74.3%、純度100%)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 触媒存在下、アクリロニトリルの塩素化反応
    による2,3−ジクロルプロピオニトリルの製造
    方法において、2,3−ジクロルプロピオニトリ
    ルを自溶媒にして、これにあらかじめ塩素を溶解
    させて、常にアクリロニトリルより過剰の塩素が
    存在している状態で塩素を導入しながらアクリロ
    ニトリルを添加することを特徴とする2,3−ジ
    クロルプロピオニトリルの製造方法。
JP8303988A 1988-04-06 1988-04-06 2,3‐ジクロルプロピオニトリルの製造方法 Granted JPH01258653A (ja)

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JPH01258653A JPH01258653A (ja) 1989-10-16
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57136556A (en) * 1981-02-18 1982-08-23 Mitsui Toatsu Chem Inc Preparation of 2,3-dichloropropionitrile

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57136556A (en) * 1981-02-18 1982-08-23 Mitsui Toatsu Chem Inc Preparation of 2,3-dichloropropionitrile

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