JPH0559094A - プロビタミンd3 誘導体の製造方法 - Google Patents

プロビタミンd3 誘導体の製造方法

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JPH0559094A
JPH0559094A JP25033691A JP25033691A JPH0559094A JP H0559094 A JPH0559094 A JP H0559094A JP 25033691 A JP25033691 A JP 25033691A JP 25033691 A JP25033691 A JP 25033691A JP H0559094 A JPH0559094 A JP H0559094A
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JP
Japan
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general formula
represented
difluoro
solvent
silyloxy
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Application number
JP25033691A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Takayama
浩明 高山
Katsuhiro Konno
勝弘 紺野
Takaaki Hayashi
貴昭 林
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性型ビタミンD3 の合成原料として有用な
プロビタミンD3 誘導体である、24,24−ジフルオ
ロ−5,7−コレスタジエン−1α,3β,25−トリ
オール(A)を高収率で製造する方法を提供する。 【構成】 前記化合物(A)を、1α,3β−ジ置
換シリルオキシ−24,24−ジフルオロ−5,7−コ
ラジエン−24−カルボン酸アルキルエステル(B)か
ら製造する方法、 前記化合物(B)を、1α,3β−ジ置換シリルオ
キシ−20−メチル−21−ホルミル−5,7−プレグ
ナジエン(C)から製造する方法、 前記化合物(C)を、1α,3β−ジ置換シリルオ
キシ−20−ヒドロキシメチル−5,7−プレグナジエ
ン(D)から製造する方法、及び 前記化合物(D)を、1α,3β−ジ置換シリルオ
キシ−20−ヒドロキシメチル−5−プレグネンから製
造する方法 を独立的に包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は下記化学式(I)で表わ
される24,24−ジフルオロ−5,7−コレスタジエ
ン−1α,3β、25−トリオール、すなわち、プロビ
タミンD3 誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【化VIII】
【0003】本発明により合成されたプロビタミンD3
誘導体は腎不全性クル病、骨粗鬆症等の治療薬として有
効な活性型ビタミンD3 の合成原料となる。
【0004】
【従来の技術】活性型ビタミンD3 を合成するための従
来技術として次の方法が知られている。
【0005】例えば、一つは天然から得られるステロイ
ド骨格を有する化合物を原料としてB環に共役ジエンを
有するプロビタミンD3 誘導体を経て、活性型ビタミン
3 に変換する方法〔Chem. Pharm.Bull.27 319
6(1979)、J. Org.Chem. 53 3450(19
88)、Lieb. Ann. Chem.1031(1983)〕が公
知である。
【0006】また、他の一つはステロイド化合物を用い
ず、A環、CD環及び側鎖部分を別々に合成し、それぞ
れ結合させて合成する方法〔J. Org. Chem. 51 53
11(1986)〕が公知である。
【0007】これらの従来法は工程数が多く、そして収
率が低いという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、前者の方法、すなわち、ステロイド骨格を有する化
合物を原料とする方法は、ステロイドの母核にあらかじ
め不斉炭素を有しているため、化学変換が容易である。
しかしながら、原料の骨格が既に構築されているため、
使用できる反応が規制される。
【0009】また、一般的にステロイド化合物を原料と
してビタミンD類を製造するためには、下記一般式(IX)
【0010】
【化IX】
【0011】(式中、Rはアルキル基を意味する)
【0012】で表わされるB環に共役二重結合を有する
5,7−ジエン体を合成することが必要であった。
【0013】しかしながら、現在知られている方法で
は、前記一般式(VIII)の化合物と共に、下記一般式
(X)
【0014】
【化X】
【0015】(式中、Rはアルキル基を意味する)
【0016】で表わされる4,6−ジエン体もかなりの
割合で副生してくる。一般式(VIII)と一般式(IX)とで表
わされる化合物は一般的にカラムクロマトグラフィー等
を用いても分離は困難である。そのため、一般式(VIII)
で表わされる化合物と一般式(IX)で表わされる化合物と
の混合物より一般式(VIII)で表わされる化合物を下記一
般式(XI)
【0017】
【化XI】
【0018】(式中、Rはアルキル基であり、そしてP
hはフェニル基を意味する)
【0019】で表わされるトリアゾリン付加体とし、一
般式(XI)で表わされる化合物と一般式(X)で表わされ
る化合物とをカラムクロマトグラフィー等を用いて分離
し、その後脱トリアゾリン反応を行なうといった手法が
とられていた。従って、目的とするプロビタミンD
3 (あるいはビタミンD3 )への誘導には多くの工程を
必要とし、また収率も低いという欠点があった。
【0020】後者の方法は原料に制限がないため、用い
られる反応の自由度・応用範囲は広いが、大量合成する
際に不斉炭素を導入するのが困難であるという欠点があ
った。
【0021】したがって、本発明の目的は、反応工程数
が少なく、収率のよい一般式(I)で表わされるのプロ
ビタミンD3 誘導体の製造方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、上記欠点を改良した反応工程数が少い、高収率
で一般式(I)で表わされるプロビタミンD3 誘導体を
製造する方法を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0023】本発明を総括して示すと次のとおりであ
る。
【0024】製法1:化学式(XII)
【0025】
【化XII 】
【0026】で表わされる24,24−ジフルオロ−
5,7−コレスタジエン−1α,3β,25−トリオー
ルを製造する方法において、一般式(XIII)
【0027】
【化XIII】
【0028】(式中、R1 及びR2 は同一でも異っても
よく、それぞれトリアルキルシリル基、例えばトリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチル
シリル基、イソプロピルジメチルシリル基など、アルキ
ル・ジアリールシリル基、例えばt−ブチルジフェニル
シリル基など、ジアルキル・アリールシリル基、トリア
リールシリル基、アルキル・ジ(トリアラルキル)シリ
ル基、ジアルキル・トリアラルキルシリル基例えば(ト
リフェニルメチル)ジメチルシリル基又はトリ(トリア
ラルキル)シリル基を意味する)
【0029】で表わされる、1α,3β−ジ置換(例え
ばジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−24,2
4−ジフルオロ−5,7−コラジエン−24−カルボン
酸アルキルエステルを、エーテル系無水溶媒中で、メチ
ルマグネシウム・ハライド例えばメチルマグネシウムブ
ロマイドとグリニャー反応させて、一般式(XIV)
【0030】
【化XIV 】
【0031】(式中、R1 及びR2 は先に定義したのと
同一意味を有する。)
【0032】で表わされる24,24−ジフルオロ−1
α,3β−置換(例えばジアルキル又はジアリール)シ
リルオキシ−25−ヒドロキシ−5,7−コレスタジエ
ンとなし、次いでこれをテトラアルキルアンモニウムフ
ルオライド例えばテトラn−ブチルアンモニウムフルオ
リドで脱保護することを特徴とする、前記化学式(XII)
で表わされる24,24−ジフルオロ−5,7−コレス
タジエン−1α,3β,25−トリオールの製造方法。
【0033】製法2:製法1の一般式(XIII)
【0034】
【化XIII】
【0035】(式中、R1 、R2 及びRは製法1に定義
したのと同一意味を有する)
【0036】で表わされる1α,3β−ジ置換(例えば
ジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−24,24
−ジフルオロ−5,7−コラジエン−24−カルボン酸
アルキルエステルを製造する方法において、一般式(XV)
【0037】
【化XV】
【0038】(式中、R1 及びR2 は製法1に定義した
のと同一意味を有する)
【0039】で表わされる1α,3β−ジ置換(例えば
ジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−20−メチ
ル−21−ホルミル−5,7−プレグナジエンを、金属
例えば亜鉛の存在下、エーテル系無水溶媒例えばエーテ
ル又はテトラヒドロフラン中で、ブロモジフルオロ酢酸
アルキル(例えばエチル)と反応させて、一般式(XVI)
【0040】
【化XVI 】
【0041】(式中、R1 及びR2 は製法1に定義した
のと同一意味を有する)
【0042】で表わされる、1α,3β−ジ置換(例え
ばジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−23−ヒ
ドロキシ−24,24−ジフルオロ−5,7−コラジエ
ン−24−カルボン酸アルキル(例えばエチル)エステ
ルを製造し、次いでジアルキルアミノピリジン例えばジ
メチルアミノピリジンの存在下、不活性有機溶媒例えば
無水ジクロロメタン中でアルキルオキサリルハライド例
えばメチルオキサリルクロリドと反応させて、23位の
水酸基をエステル化し、さらにこのエステルをラジカル
発生剤例えばα,α′−アゾビス−アルキロ(例えばイ
ソブチロ)ニトリルなどの存在下、不活性有機溶媒中例
えばトルエンで水素化トリアルキルスズ例えば水素化ト
リ(n−ブチル)スズにより脱エステル化することを特
徴とする、一般式(XIII)で表わされる1α,3α−ジ置
換(例えばジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−
24,24−ジフルオロ−5,7−コラジエン−24−
カルボン酸アルキルエステルの製造方法。
【0043】製法3:製法2の一般式(XV)
【0044】
【化XV】
【0045】(式中、R1 及びR2 は製法1に定義した
のと同一意味を有する)
【0046】で表わされる1α,3β−ジ置換(例えば
ジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−20−メチ
ル−21−ホルミル−5,7−プレグナジエンを製造す
る方法において、一般式(XVII)
【0047】
【化XVII】
【0048】(式中、R1 及びR2 は製法1に定義した
のと同一意味を有する)
【0049】で表わされる1α,3β−ジ置換(例えば
ジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−20−ヒド
ロキシメチル−5,7−プレグナジエンをジアルキルア
ミノピリジン例えばジメチルアミノピリジンの存在下、
不活性有機溶媒例えば無水ジクロロメタン中で、p−ト
ルエンスルホニルハライド(例えばクロリド)と反応さ
せ、次いでジメチルホルムアミド中でシアン化反応試薬
例えばシアン化ナトリウムと反応させてニトリル化し、
しかる後エーテル系無水溶媒中で、水素化ジアルキルア
ルミニウム例えば水素化ジイソブチルアルミニウムと反
応させることを特徴とする、一般式(XV)で表わされる1
α,3β−ジ置換(例えばジアルキル又はジアリール)
シリルオキシ−20−メチル−21−ホルミル−5,7
−プレグナジエンの製造方法。
【0050】製法4:製法3の一般式(XVII)
【0051】
【化XVII】
【0052】(式中、R1 及びR2 は製法1に記載した
のと同一意味を有する)
【0053】で表わされる1α,3β−ジ置換(例えば
ジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−20−ヒド
ロキシメチル−5,7−プレグナジエンを製造する方法
において、一般式(XVIII)
【0053】
【化XVIII 】
【0054】(式中、R1 及びR2 は製法1に記載した
のと同一意味を有する)
【0055】で表わされる1α,3β−ジ置換(例えば
ジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−20−ヒド
ロキシメチル−5−プレグネンを、非極性溶媒例えばヘ
キサン中で、N−ブロモこはく酸イミドにより7位をブ
ロム化し、次いでエーテル系無水溶媒例えば無水テトラ
ヒドロフラン中で、テトラアルキルアンモニウムハライ
ド例えばテトラ(n−ブチル)アンモニウムブロミドで
異性化し、しかる後、テトラアルキル(例えばn−ブチ
ル)アンモニウムフルオライドで脱臭化水素化すること
を特徴とする一般式(XVII)で1α,3β−ジ置換(例え
ばジアルキル又はジアリール)シリルオキシ−20−ヒ
ドロキシメチル−5,7−プレグナジエンの製造方法。
【0056】この場合、一般式(VII) で表わされる化合
物は、一般式(XIX)
【0057】
【化XIX 】
【0058】で示される1α,3β−ジヒドロキシ−5
−アンドロステン−17−オンを原料として用い、これ
を Uskokovicらの方法〔Helvetica Chimica Acta64,
158(1981)〕により合成することができる。
【0059】以下に、本発明における各製造工程の詳細
な説明を記述する。
【0060】製法1、製法2、製法3及び製法4におい
て、共通的に言えることは、全工程を通じて不活性ガス
例えばアルゴンガス雰囲気下で行うことが好ましく、更
に例えば製法1の脱保護工程では遮光して行うことが好
ましい。
【0061】また、製法1〜4において、すべての工程
を通じて、反応混合物からの中間体及び式Iのプロビタ
ミンD3 誘導体の単離は、通常用いられる精製手段、例
えば抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、分取用
高速液体クロマトグラフィー、プレパラティブTLC等
により行なわれる。
【0062】製法1において、一般式(II)で表わされる
化合物(原料)から、一般式(I)で表わされる化合物
を製造する工程は、次の2つの反応、
【0063】 25位のジメチル化反応、
【0064】 1位と3位との脱シリル化反応(いわ
ゆる、脱保護基反応)。
【0065】25位のジメチル化反応は、原料(一般式
II)に対して、CH3 MgX(グリニャー反応剤)〔式
中、Xはハロゲン原子を表わす〕として例えばメチルマ
グネシウムブロマイド5〜20モル当量、好ましくは、
10〜15モル当量加えて、グリニャー反応を行わせ
る。この場合、溶媒はエーテル系無水溶媒類として、例
えば無水エーテル或は無水テトラヒドロフランが用いら
れる。反応温度は10分間ないし2時間、好ましくは2
0分間ないし40分間行う。
【0066】次いで、脱シリル化反応は、テトラアルキ
ルアンモニウムフルオリドとして、例えばテトラ(n−
ブチル)アンモニウムフルオリドを原料(一般式II)に
対して、5〜20モル当量、好ましくは10〜15モル
当量加える。この場合、溶媒は、エーテル系無水溶媒と
して例えば無水エーテル或は無水テトラヒドロフランが
用いられる。反応温度は10℃ないし70℃、好ましく
は室温ないし70℃である。反応時間は、3〜48時
間、好ましくは24時間行う。
【0067】この製法1を行うに当っては、全工程を通
して、不活性ガス例えばアルゴンガス雰囲気下で行うこ
とが好ましく、更に脱保護基工程では遮光して行うこと
が好ましい。
【0068】製法2において、一般式(IV)で表わされる
化合物から一般式(II)で表わされる化合物を製法する工
程は、アルデヒド基を鎖長延長する工程であって、次の
3つの反応から成る。
【0069】 ブロモジフルオロ酢酸アルキルとの付
加反応、
【0070】 23位の水酸基をエステル化する反
応、
【0071】 23位のエステルの脱エステル化反
応。
【0072】先ず、ジフルオロ酢酸エステルとの付加反
応は、化合物(IV)に対して、金属として2価をとり得る
金属の単体、例えば亜鉛などを1〜10モル当量、好ま
しくは、4〜5モル当量加える。反応剤としては例えば
ブロモジフルオロ酢酸エチルを1〜10モル当量、好ま
しくは4〜5モル当量加える。溶媒はエーテル系無水溶
媒として無水エーテル或は無水テトラヒドロフランが用
いられる。反応温度は溶媒の還流温度が好ましい。反応
時間は、1分間ないし30分間、好ましくは5分間ない
し10分間で行う。
【0073】次いで、23位の水酸基のエステル化反応
は、ジアルキルアミノピリジン例えばジメチルアミノピ
リジン1〜5モル当量、好ましくは2.5〜3モル当量
の存在下、不活性有機溶媒例えば無水ジクロロメタン中
で、アルキルオキサリルハライド例えばメチルオキサリ
ルクロリドを1〜5モル当量、好ましくは2.5〜3モ
ル当量と反応させて、23位の水酸基をエステル化す
る。反応温度は10℃〜40℃が使用され、好ましくは
15℃〜25℃の室温を使用する。反応時間は0.5〜
5時間好ましくは1〜1.5時間である。
【0074】上記工程に引続く、脱エステル化反応は、
化合物(IV)に対して、α,α′−アゾビス−アルキル
(例えばイソブチロ)ニトリル0.1〜1モル当量、好
ましくは、0.4ないし0.5モル当量の存在下、不活
性有機溶媒例えばトルエン又はベンゼン中で、水素化ト
リアルキルスズ例えば水素化トリ−n−ブチルスズ1〜
4モル当量、好ましくは1.2〜1.7モル当量を使用
して行う。反応温度は溶媒の還流温度が使用される。反
応時間は0.5〜3時間、好ましくは1〜1.5時間で
ある。
【0075】製法3において、一般式(VI)で表わされる
化合物から、一般式(IV)で表わされる化合物を製造する
工程は、20位のヒドロキシメチル基をアルデヒド基に
変換する工程であって、次の3つの反応から成る。
【0076】 水酸基をスルホン酸エステル化する反
応、
【0077】 スルホン酸エステル部位をニトリル基
に変換する反応、
【0078】 ニトリル基をアルデヒド基に変換する
反応。
【0079】先づ、水酸基をスルホン酸エステル化する
反応は、化合物(VI)に対してp−トルエンスルホン酸ク
ロリドを1ないし3モル当量、好ましくは1.3ないし
1.7モルモル当量、ジアルキルアミノピリジンを2な
いし5モル当量加える。反応時間は2時間ないし48時
間、好ましくは20〜24時間、反応温度は10℃ない
し40℃、好ましくは15℃〜25℃の室温で行う。反
応溶媒は不活性有機溶媒例えば無水ジクロロメタンが好
ましい。
【0080】次いで、スルホン酸エステル部位をニトリ
ル基に変換する反応は、化合物(VI)に対して、シアン化
反応試薬例えばシアン化ナトリウムなどを1ないし5モ
ル当量、好ましくは1.2ないし1.6モル当量加え
る。反応温度は50℃ないし100℃、好ましくは70
ないし80℃、反応時間は1ないし3時間、好ましくは
1.5ないし2時間で行う。反応溶媒は極性溶媒例えば
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが好
ましい。
【0081】上記工程に続いて、ニトリル基をアルデヒ
ド基に変換する反応は、化合物(VI)に対して、水素化ジ
アルキルアルミニウム例えば水素化ジイソブチルアルミ
ニウムなどを1ないし5モル当量、好ましくは2.5な
いし3モル当量加える。反応温度は−10℃ないし室
温、好ましくは0℃ないし5℃、反応時間は10分間な
いし2時間、好ましくは15分間ないし20分間で行
う。なお、製法3における全工程を通して、不活性ガ
ス、例えばアルゴンガス雰囲気下で行うことが好まし
い。
【0082】製法4において、一般式(VII) で表わされ
る化合物から、一般式(VI)で表わされる化合物を製造す
る工程は、いわゆるステロイド骨格の7位と8位との間
に二重結合を導入する工程であって、次の3つの反応か
ら成る。
【0083】 ステロイド骨格の7位をブロム化する
反応、
【0084】 7位のブロム基の異性化反応、
【0085】 脱臭化水素反応。
【0086】先づ、ステロイド骨格の7位のブロム化反
応では溶媒としてヘキサン、四塩化炭素等の非極性溶媒
が用いられる。又、原料(VII) に対してN−ブロモコハ
ク酸イミドを1ないし5モル当量、好ましくは1.5な
いし2.5モル当量加える。更に、反応途中で遊離する
臭化水素により1および3位の水酸基の保護基が加水分
解されるのを防ぐため、塩基性試薬例えば炭酸水素ナト
リウム、トリエチルアミンなどを少量加えることが好ま
しい。又、反応を円滑に進めるために、好ましくは触媒
量のベンゾイルペルオキシド等のラジカル発生剤を加え
る。反応温度は室温ないし80℃、好ましくは60℃な
いし70℃、反応時間は30分ないし3時間、好ましく
は1時間ないし1.5時間で行う。
【0087】次いで、7位のブロム基の異性化反応は、
原料(VII) に対して、テトラアルキルアンモニウムハラ
イド例えばテトラ(n−ブチル)アンモニウムブロミド
を0.01ないし1モル当量、好ましくは0.08ない
し0.12モル当量加える。反応溶媒はエーテル系無水
溶媒として無水エーテルあるいは無水テトラヒドロフラ
ンが用いられる。反応温度は−10℃ないし室温、好ま
しくは0℃ないし5℃、反応時間は10分間ないし2時
間、好ましくは20分間ないし40分間で行う。又、反
応途中で遊離する臭化水素により水酸基の保護基が加水
分解されるのを防ぐため、塩基性試薬、例えば炭酸水素
ナトリウム、トリエチルアミン等を加えても構わない。
【0088】上記工程に引き続く脱臭化水素反応は、化
合物(VII) に対して、テトラアルキルアンモニウムフル
オリド、例えばテトラ(n−ブチル)アンモニウムフル
オリドを1ないし10モル当量、好ましくは6.5ない
し7.5モル当量加える。反応溶媒はエーテル系無水溶
媒、例えば無水エーテルあるいは無水テトラヒドロフラ
ンなどが好ましい。反応温度は−10℃ないし室温、好
ましくは0℃ないし5℃、反応時間は1時間ないし5時
間、好ましくは2.5ないし3.5時間で行う。又、製
法4における全工程を通して不活性ガス、例えばアルゴ
ンガス雰囲気下で行うのが好ましい。
【0089】
【発明の効果】本発明においては、一般式(VII) で表わ
される化合物を一般式(IV)で表わされるアルデヒド体に
変換した後、ステロイド側鎖に含フッ素化合物としてブ
ロモジフルオロ酢酸エチルを導入するため、従来より工
程数がはるかに少ない効果がある。
【0090】また一般式(VII) で表わされる化合物をN
−ブロモこはく酸イミドを用いてブロム化し、次いでテ
トラ(n−ブチル)アンモニウムブロミドで異性化し、
臭素の立体配座を制御した上でテトラ(n−ブチル)ア
ンモニウムフルオリドで脱ハロゲン化するため選択的に
式VIで示される5,7−ジエン体が得られ、従来のよう
にトリアゾリン付加体に変換する必要がなくなった。こ
れにより収率が飛躍的に向上し、従来法よりも、はるか
に少ない工程数で、しかも高収率でプロビタミンD3
得ることができる。
【0091】本発明により得られる式Iで表わされるプ
ロビタミンD3 誘導体、すなわち、24,24−ジフル
オロ−5,7−コレスタジエン−1α,3β,25−ト
リオールは、紫外線照射の後、熱的に異性化されて、強
力なビタミンD様活性を示す24,24 −ジフルオロ−
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 に変換すること
ができるので、医薬原料として有用である。
【0092】
【実施例】以下実施例及び参考例にしたがって本発明を
説明する。なお、括弧内のアラビア数字はそれぞれの化
合物の式を表わす。
【0093】
【参考例】1α,3β−ジヒドロキシ−5−アンドロス
テン−17−オン(XIX)から1α,3β−ジ(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシメチル−
5,16−プレグナジエン(VII)の製造:
【0094】1−(a) 1α,3β−ジヒドロキシ−
5−アンドロステン−17−オン(XIX)5.0g、t−
ブチルジメチルシリルクロリド2.81g、イミダゾー
ル2.46gを乾燥ジメチルホルムアミド50mlに溶
解し、アルゴンガス雰囲気下、室温で30分間攪拌し
た。反応混合物に水を加え、有機層をエーテル抽出し
た。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、溶媒を留去した。得られた残留物を
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、1%
酢酸エチル−ベンゼン溶液から4%酢酸エチル−ベンゼ
ン溶液)により精製し、1α−ヒドロキシ−3β−t−
ブチルジメチルシリルオキシ−5−アンドロステン−1
7−オン(XX)6.12gを得た。収率89%。
【0095】
【化XX】
1H−NMRスペクトル δ(CDCl3 ):0.01
(6H,s),0.82(3H,s),0.83(9
H,s),0.99(3H,s),3.76(1H,d
d,J=1.5Hz,3.4Hz),3.84(1H,
tt,J=10.8Hz,5.5Hz),5.53(1
H,d,J=5.5Hz),
【0096】MS−スペクトル m/e:418
(M+ ),400(M+ −H2 O),361(M+ −t
Bu),343(M+ −tBu−H2 O)
【0097】1−(b) 1−(a)で得られた1α−
ヒドロキシ−3β−t−ブチルジメチルシリルオキシ−
5−アンドロステン−17−オン(XX)6.12gを乾燥
ジクロロメタンに溶解し、そこへ2,6−ルチジン9.
18ml、ついでt−ブチルジメチルシリルオキシトリ
フルオロメチルスルホネート10.27mlを加え、ア
ルゴンガス雰囲気下、室温で30分間攪拌した。この後
1NのHCl60mlを加え、更に15分間攪拌した。
反応混合物に水を加え、有機層をジクロロメタン抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ム上で乾燥し、溶媒を留去した。
【0098】得られた残留物をテトラヒドロフラン−メ
タノールより再結晶し、1α,3β−ジ(t−ブチルジ
メチルシリルオキシ)−5−アンドロステン−17−オ
ン(XXI)6.79gが無色針状結晶として得られた。
【0099】
【化XXI 】
【0100】再結晶母液をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル50g、ヘキサン:酢酸エチル=80:1
から50:1)により精製し、更に、1α,3β−ジ
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−アンドロス
テン−17−オン(XXI)0.79gを得た。収率98
%。
【0101】m.p.155−156℃(THF−Me
OH)
【0102】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
1732cm-1
【0103】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.01(3H,s),0.04(3H,
s),0.05(3H,s),0.07(3H,s),
0.87(9H,s),0.88(9H,s),0.8
9(3H,s),0.99(3H,s),3.78(1
H,dd,J=1.5Hz,3.4Hz),3.99
(1H,tt,J=10.8Hz,5.5Hz),5.
48(1H,d,J=5.8Hz),
【0104】HR−MSスペクトル m/z:532.
3747(M+
【0105】(計算値:C31563 Si2 532.
3765)1−(c) 1−(b)で得られた1α,3
β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−アン
ドロステン−17−オン(XXI)6.0g、エチルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイド12.54gおよびカリ
ウムt−ブトキシド3.42gをテトラヒドロフラン9
0mlに溶解し、アルゴンガス雰囲気下、4時間加熱還
流された。冷却後、沈殿物をろ過し溶媒を留去した。残
留物をヘキサンに溶解し、不溶物をろ過で除去した後、
再び溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル120g、ヘキサン:酢酸エチ
ル=90:1)により精製し、1α,3β−ジ(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)−5,17−プレグナジエ
ン(XXII)6.12gを白色固体として得た。収率99.
8%。
【0106】
【化XXII】
【0107】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.03(3H,s),0.04(3H,
s),0.05(3H,s),0.07(3H,s),
0.88(18H,s),0.98(3H,s),1.
66(3H,d,J=7.3Hz),3.78(1H,
dd,J=1.5Hz,3.6Hz),3.99(1
H,tt,J=10.8Hz,5.2Hz),5.14
(1H,tq,J=1.8Hz,7.3Hz),5.4
6(1H,d,J=5.5Hz),
【0108】HR−MSスペクトル m/z:544.
4122(M+
【0109】(計算値:C33602 Si2 544.
4128)
【0110】1−(d) 1−(c)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,1
7−プレグナジエン(XXII)6.12g及びパラホルムア
ルデヒド2.12gを乾燥ジクロロメタン612mlに
溶解し、三フッ化ほう素エーテル溶液138μlを加え
てアルゴンガス雰囲気下、室温で5分間攪拌した。反応
混合物を飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネ
シウム上で乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残留
物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル120g、
ヘキサン/酢酸エチル=20:1)により精製し、1
α,3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2
0−ヒドロキシメチル−5,16−プレグナジエン(XXI
II)5.54gが白色針状結晶として得られた。収率8
6%。
【0111】
【化XXIII 】
【0112】融点(再結晶溶媒:メタノール)174.
5〜175.5℃
【0113】比旋光度[α]D21=+5.3°(CHC
3 ,c=1.0)
【0114】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
3620cm-1
【0115】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.01(3H,s),0.02(3H,
s),0.03(3H,s),0.05(3H,s),
0.80(3H,s),0.85(9H,s),0.8
6(9H,s),0.98(3H,s),1.01(1
H,d,J=7.0Hz),3.43(1H,dt,J
=10.3Hz,5.8Hz),3.54(1H,dd
d,J=10.3Hz,5.8Hz,5.1Hz),
3.75(1H,d,d,J=1.5Hz,3.6H
z),3.96(1H,tt,J=10.3Hz,5.
2Hz),5.42(1H,dd,J=1.5Hz,
1.2Hz),5.45(1H,d,J=5.5H
z),
【0116】MSスペクトル m/e:574
(M+ ),559(M+ −Me),517(M+ −tB
u)
【0117】HR−MSスペクトル m/z:574.
4252(M+
【0118】(計算値:C34623 Si2 574.
4234)
【0119】1−(e) 1−(d)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−
ヒドロキシメチル−5,16−プレグネン(XXIII)5.
50g及び5%白金炭2.75gをエタノール550m
lに懸濁させ、水素ガス雰囲気下、室温で一晩攪拌し
た。反応混合物をろ過し、ろ液より溶媒を留去した。得
られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
100g、ヘキサン/酢酸エチル=15:1)により精
製し、1α,3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−20−ヒドロキシメチル−5−プレグナジエン(V
II)5.22gが白色針状結晶として得られた。収率9
5%。
【0120】融点(再結晶溶媒:エーテル−メタノー
ル)179.5〜180.5℃
【0121】比旋光度[α]D26=+5.2°(CHC
3 ,c=0.46)
【0122】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
3630cm-1
【0123】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.02(3H,s),0.04(3H,
s),0.05(3H,s),0.07(3H,s),
0.70(3H,s),0.87(18H,s),0.
96(3H,s),1.05(3H,d,J=6.5H
z),3.38(1H,dt,J=10.4Hz,6.
4Hz),3.63(1H,ddd,J=10.4H
z,5.5Hz,2.1Hz),3.77(1H,d
d,J=1.5,3.6Hz),3.99(1H,t
t,J=11.2Hz,5.3Hz),5.45(1
H,d,J=5.8Hz),
【0124】MS−スペクトル m/e:576
(M+ ),561(M+ −H2 O),519(M+ −t
Bu)
【0125】HR−MSスペクトル m/z:576.
4407(M+
【0126】(計算値:C34643 Si2 576.
43908)
【0127】
【実施例】1α,3β−ジ(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)−20−ヒドロキシメチル−5−プレグネン(V
II)から24,24−ジフルオロ−5,7−コレスタジ
エン−1α,3β,25−トリオール(I)の製造:
【0128】2−(a) 1−(e)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−
ヒドロキシメチル−5−プレグネン(VII)1.0g、N
−ブロモコハク酸イミド600mg、ベンゾイルペルオ
キシド触媒量をヘキサン100mlに溶解し、アルゴン
ガス雰囲気下、1時間加熱還流させた。反応混合物を室
温で放冷し、ろ過した後、溶媒を留去した。残留物をテ
トラヒドロフラン20mlで溶解し、アルゴンガス雰囲
気下、0℃でトリエチルアミン2.44ml、テトラブ
チルアンモニウムブロミド56mgを加えた。15分間
攪拌後、1.0M−テトラブチルアンモニウムフルオリ
ド12.18mlを加え、アルゴンガス雰囲気下、0℃
で3.5時間攪拌した。反応混合物に飽和塩酸アンモニ
ウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾
燥し、溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル40g、5%酢酸エチル−ヘ
キサン溶液)により精製し、1α,3β−ジ(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−20−ヒドロキシメチル−
5,7−プレグナジエン(VI)320mgが白色固体とし
て得られた。収率32%。
【0129】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.05(6H,s),0.06(6H,
s),0.65(3H,s),0.88(18H,
s),0.91(3H,s),3.40(1H,dd,
J=10.4Hz,6.7Hz),3.65(1H,d
d,J=10.4Hz,3.4Hz),3.70(1
H,dd,J=1.5Hz,3.6Hz),4.03
(1H,tt,J=12.1Hz,6.5Hz),5.
32(1H,dt,J=5.8Hz,2.8Hz),
5.58(1H,d,J=5.8Hz),
【00 】MS−スペクトル m/e:574
(M+ ),556(M+ −H2 O),517(M+ −t
Bu)
【0130】2−(b) 2−(a)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−
ヒドロキシメチル−5,7−プレグナジエン(VI)87m
gを乾燥ジクロロメタン7mlに溶解し、p−トルエン
スルホニルクロリド45mg、4−ジメチルアミノピリ
ジン47mgを加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物
に飽和食塩水を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽
和硫酸銅水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物にシ
アン化ナトリウム22.3mgを加え、ジメチルホルム
アミド1.2mlに溶解し、アルゴンガス雰囲気下、8
0℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を室温で放冷
し、飽和食塩水を加え、エーテルで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去した。残留物を乾燥エ
ーテル7mlで溶解し、アルゴンガス雰囲気下、0℃で
水素化ジイソブチルアルミニウム213μlを加え、1
5分間攪拌後、反応混合物をシリカゲル5.5gを含む
エーテル懸濁液26mlに0℃で移し15分間攪拌し
た。反応溶液をセライトでろ過し無水硫酸マグネシウム
上で乾燥後、溶媒を留去した。残留物をプレパラティブ
TLC(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=12:1)
で精製し、1α,3β−ジ(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)−20−メチル−21−ホルミル−5,7−プ
レグナジエン(IV)63.9mgが白色針状結晶として得
られた。収率73%。
【0131】融点(再結晶溶媒:テトラヒドロフラン−
メタノール)165〜167℃
【0132】比旋光度[α]D21=−7.3°(CHC
3 ,c=1.0)
【0133】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
1710cm-1
【0134】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.05(3H,s),0.06(3H,
s),0.07(3H,s),0.10(3H,s),
0.67(3H,s),0.88(9H,s),0.8
9(9H,s),0.90(3H,s),1.04(3
H,d,J=6.4Hz),3.70(1H,dd,J
=1.5Hz,3.6Hz),4.03(1H,dd
t,J=3.9Hz,6.6Hz,11.8Hz),
5.32(1H,dt,J=5.5Hz,2.5H
z),5.58(1H,d,J=5.5Hz),9.7
6(1H,dd,J=1.2Hz,3.3Hz),
【00 】HR−MSスペクトル m/z:586.
4193(M+
【0135】(計算値:C35623 Si2 586.
42344)
【0136】2−(c) 亜鉛粉末13.7mgをテト
ラヒドロフラン0.2mlに懸濁させ、ブロモジフルオ
ロ酢酸エチル25.6μlを加え、2分間加熱還流させ
た。得られた半透明溶液に2−(b)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−
メチル−21−ホルミル−5,7−プレグナジエン(IV)
29.3mgの0.2mlテトラヒドロフラン溶液を滴
下し、5分間加熱還流させた。反応混合物を1M−硫酸
水素カリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。
有機層を1M−硫酸水素カリウム水溶液及び飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶
媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル10g、5%酢酸エチル−ベンゼン溶
液)により精製し、1α,3β−ジ(t−ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−23−ヒドロキシ−24,24−ジ
フルオロ−5,7−コラジエン−24−カルボン酸エチ
ルエステル(V)22mgが無色油状物として得られ
た。収率64%。
【0137】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
3593cm-1,1710cm-1
【0138】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.05(3H,s),0.06(6H,
s),0.10(3H,s),0.65,0.65(3
H,s),0.88(18H,s),0.89,0.9
0(3H,s),1.01,1.08(3H,d,J=
6.4Hz),1.37(1H,t,J=7.3H
z),3.70(1H,d,J=1.9Hz),4.1
0(2H,m),4.35,4.36(2H,q,J=
7.3Hz),5.31(1H,dt,J=5.5H
z,3.1Hz),5.58(1H,d,J=5.5H
z),9.76(1H,dd,J=1.2Hz,3.3
Hz),
【0139】HR−MSスペクトル m/z:710.
4588(M+
【0140】(計算値:C35623 Si2 710.
45698)
【0141】2−(d) 2−(c)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−23−
ヒドロキシ−24,24−ジフルオロ−5,7−コラジ
エン−24−カルボン酸エチルエステル(V)55.4
mg及び4−ジメチルアミノピリジン28.6mgを乾
燥ジクロロメタン2mlに溶解し、メチルオキサリルク
ロリド21.6μlを加え、室温で1時間攪拌した。反
応混合物に水を加え、エーテルで抽出した。有機層を飽
和硫酸銅水溶液、水、及び飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を留去した。残留
物にα,α′−アゾビス−イソブチロニトリル6.4m
gを加え、トルエン3mlに溶解し、水素化トリ−n−
ブチルスズ32.5μlを加え、1時間加熱還流させ
た。反応混合物に水を加え、エーテルで抽出した。有機
層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾
燥させ、溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル10g、2%酢酸エチル−
ヘキサン溶液)により精製し、1α,3β−ジ(t−ブ
チルジメチルシリルオキシ)24,24−ジフルオロ−
5,7−コラジエン−24−カルボン酸エチルエステル
(II)43mgが無色油状物として得られた。収率80
%。
【0142】比旋光度[α]D16=−0.5°(CHC
3 ,c=1.0)
【0143】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
1763cm-1
【0144】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.05(3H,s),0.06(6H,
s),0.10(3H,s),0.61(3H,s),
0.88(18H,s),0.92(3H,s),0.
96(3H,d,J=6.4Hz),1.37(3H,
t,J=7.3Hz),3.70(1H,dd,J=
1.5Hz,3.6Hz),4.04(1H,tt,J
=10.4Hz,5.3Hz),4.33(2H,q,
J=7.3Hz),5.31(1H,dt,J=5.3
Hz,3.1Hz),5.58(1H,d,J=5.3
Hz),
【0145】HR−MSスペクトル m/z:694.
4605(M+
【0146】(計算値:C39684 Si2 2 :69
4.46207)
【0147】2−(e) 2−(d)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−24,
24−ジフルオロ−5,7−コラジエン−24−カルボ
ン酸エチルエステル(II)9.5mgを乾燥エーテル1m
lに溶解し、アルゴンガス雰囲気下0℃で3.0M−メ
チルマグネシウムブロミド−エーテル溶液60μlを加
え、30分間攪拌した。反応混合物に水を加え、エーテ
ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留去した。得られた
残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル600
mg、2%酢酸エチル−ヘキサン溶液)により精製し、
1α,3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−
24,24−ジフルオロ−25−ヒドロキシ−5,7−
コレスタジエン(III) 9.0mgが白色針状結晶としれ
得られた。収率98%。
【0148】融点(再結晶溶媒:テトラヒドロフラン−
メタノール)175〜176℃
【0149】比旋光度[α]D16=−1.1°(CHC
3 ,c=0.88)
【0150】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
3595cm-1
【0151】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.05(3H,s),0.06(3H,
s),0.07(3H,s),0.10(3H,s),
0.62(3H,s),0.88(18H,s),0.
90(3H,s),0.96(3H,d,J=6.4H
z),1.30(6H,s),3.70(1H,dd,
J=1.5Hz,3.6Hz),4.05(1H,t
t,J=10.4Hz,5.3Hz),5.32(1
H,dt,J=5.3Hz,2.6Hz),5.57
(1H,d,J=5.3Hz),
【0152】HR−MSスペクトル m/z:680.
4814(M+
【0153】(計算値:C39703 Si2 2 68
0.48280)
【0154】2−(f) 2−(e)で得られた1α,
3β−ジ(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−24,
24−ジフルオロ−25−ヒドロキシ−5,7−コレス
タジエン(III )16mgをテトラヒドロフラン0.7
5mlに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド
280μlを加え、アルゴンガス雰囲気下室温で遮光し
ながら一晩攪拌した。次いで70℃で1時間攪拌した
後、室温で放冷した。反応混合物に水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留去した。得られた
残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル8g、
3%メタノール−クロロホルム溶液)により精製し、2
4,24−ジフルオロ−5,7−コレスタジエン−1
α,3β,25−トリオール(プロビタミンD3
(I)8.7mgが白色針状結晶として得られた。収率
80%。
【0155】融点(再結晶溶媒:エーテル−ヘキサン)
188〜189℃
【0156】比旋光度[α]D22=−33.4°(CH
Cl3,c=0.65)
【0157】IRスペクトル(CHCl3 ) υmax
3605cm-1
【0158】UVスペクトル(EtOH)λmax :26
2.4,271.0,281.7,293.3nm
【0159】εmax :10767(281.7nm)
【0160】 1H−NMRスペクトル δ(CDC
3 ):0.64(3H,s),0.95(3H,
s),0.97(3H,d,J=6.4Hz),1.3
1(6H,s),3.77(1H,dd,J=1.5H
z,3.6Hz),4.09(1H,tt,J=10.
4Hz,5.3Hz),5.40(1H,dt,J=
5.2Hz,2.6Hz),5.73(1H,dd,J
=5.2Hz,2.0Hz),
【0161】HR−MSスペクトル m/z:452.
3081(M+
【0162】(計算値:C27423 2 452.3
0998)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(I) 【化I】 で表わされる24,24−ジフルオロ−5,7−コレス
    タジエン−1α,3β,25−トリオールを製造する方
    法において、一般式(II) 【化II】 (式中、R1 及びR2 は同一でも異ってもよく、それぞ
    れトリアルキルシリル基、アルキル・ジアリールシリル
    基、ジアルキル・アリールシリル基、トリアリールシリ
    ル基、アルキル・ジ(トリアラルキル)シリル基、ジア
    ルキル・トリアラルキルシリル基又はトリ(トリアラル
    キル)シリル基を意味する)で表わされる、1α,3β
    −ジ置換シリルオキシ−24,24−ジフルオロ−5,
    7−コラジエン−24−カルボン酸アルキルエステル
    を、エーテル系無水溶媒中で、メチルマグネシウムハラ
    イドと反応させて、一般式(III) 【化III 】 (式中、R1 及びR2 は先に定義したのと同一意味を有
    する。)で表わされる24,24−ジフルオロ−1α,
    3β−ジ置換シリルオキシ−25−ヒドロキシ−5,7
    −コレスタジエンとなし、次いでこれを極性溶媒中で、
    テトラアルキルアンモニウムフルオリドで処理すること
    を特徴とする、前記化学式(I)で表わされる24,2
    4−ジフルオロ−5,7−コレスタジエン−1α,3
    β,25−トリオールの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の一般式(II) 【化II】(式中、R1 、R2 及びRは請求項1に定義し
    たのと同一意味を有する)で表わされる1α,3β−ジ
    置換シリルオキシ−24,24−ジフルオロ−5,7−
    コラジエン−24−カルボン酸アルキルエステルを製造
    する方法において、一般式(IV) 【化IV】 (式中、R1 及びR2 は請求項1に定義したのと同一意
    味を有する)で表わされる1α,3β−ジ置換シリルオ
    キシ−20−メチル−21−ホルミル−5,7−プレグ
    ナジエンを、金属の存在下、エーテル系無水溶媒中で、
    ブロモジフルオロ酢酸アルキルと反応させて、一般式
    (V) 【化V】 (式中、R1 及びR2 は請求項1に定義したのと同一意
    味を有する)で表わされる、1α,3β−ジ置換シリル
    オキシ−23−ヒドロキシ−24,24−ジフルオロ−
    5,7−コラジエン−24−カルボン酸アルキルエステ
    ルを製造し、次いでジアルキルアミノピリジンの存在
    下、不活性有機溶媒中でアルキルオキサリルハライドと
    反応させて、23位の水酸基をエステル化し、さらにこ
    のエステルをラジカル発生剤の存在下、不活性有機溶媒
    中で水素化トリアルキルスズにより脱エステル化するこ
    とを特徴とする、一般式(II)で表わされる1α,3β−
    ジ置換シリルオキシ−24,24−ジフルオロ−5,7
    −コラジエン−24−カルボン酸アルキルエステルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の一般式(IV) 【化IV】(式中、R1 及びR2 は請求項1に定義したの
    と同一意味を有する)で表わされる1α,3β−ジ置換
    シリルオキシ−20−メチル−21−ホルミル−5,7
    −プレグナジエンを製造する方法において、一般式(VI) 【化VI】 (式中、R1 及びR2 は請求項1に定義したのと同一意
    味を有する)で表わされる1α,3β−ジ置換シリルオ
    キシ−20−ヒドロキシメチル−5,7−プレグナジエ
    ンを、ジアルキルアミノピリジンの存在下、不活性有機
    溶媒中で、p−トルエンスルホニルハライドと反応さ
    せ、次いで極性溶媒中でシアン化反応試薬と反応させて
    22位をニトリル化し、しかる後、エーテル系無水溶媒
    中で、水素化ジアルキルアルミニウムと反応させること
    を特徴とする、一般式(IV)で表わされる1α,3β−
    ジ置換シリルオキシ−20−メチル−21−ホルミル−
    5,7−プレグナジエンを製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の一般式(VI) 【化VI】(式中、R1 及びR2 は請求項1に記載したの
    と同一意味を有する)で表わされる1α,3β−ジ置換
    シリルオキシ−20−ヒドロキシメチル−5,7−プレ
    グナジエンを製造する方法において、一般式(VII) 【化VII 】 (式中、R1 及びR2 は請求項1に記載したのと同一意
    味を有する)で表わされる1α,3β−ジ置換シリルオ
    キシ−20−ヒドロキシメチル−5−プレグネンを、非
    極性溶媒中で、N−ブロモこはく酸イミドにより7位を
    ブロム化し、次いでエーテル系溶媒中で、テトラアルキ
    ルアンモニウムハライドで7位のブロム基を異性化し、
    しかる後、テトラアルキルアンモニウムフルオリドで脱
    臭化水素することを特徴とする一般式(VI)で表わされる
    1α,3β−ジ置換シリルオキシ−20−ヒドロキシメ
    チル−5,7−プレグナジエンの製造方法。
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