JPH0559044B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0559044B2
JPH0559044B2 JP57035565A JP3556582A JPH0559044B2 JP H0559044 B2 JPH0559044 B2 JP H0559044B2 JP 57035565 A JP57035565 A JP 57035565A JP 3556582 A JP3556582 A JP 3556582A JP H0559044 B2 JPH0559044 B2 JP H0559044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic oxide
particle size
spherical
solvent
silica
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57035565A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58156526A (ja
Inventor
Shigeki Yuasa
Koji Kusumoto
Namihiro Okabayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP57035565A priority Critical patent/JPS58156526A/ja
Publication of JPS58156526A publication Critical patent/JPS58156526A/ja
Publication of JPH0559044B2 publication Critical patent/JPH0559044B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規なシリカと周期律表第族(以下
第族と略記する)の金属酸化物とを主な構成成
分とする球形状の無機酸化物及びその製造方法に
関する。 従来シリカと第族の金属酸化物とを主な構成
成分とする無機酸化物は知られているが、その形
状は不定形であつて球形状のものについては知ら
れていない。またその製法も公知の方法はシリカ
と第族の金属酸化物を混合し、該混合物を融点
以上の高温で溶解しガラス状物を得て、該ガラス
状物を粉砕する方法であつた。そのために形状が
前記したように不定形であるばかりでなく粒度分
布は著しく広いもので、限られた用途にしか使用
出来なかつた。また別の製法として、アルコキシ
シランと第族の金属のアルコラートとを混合
し、これを加水分解することで寒天状のゲルを得
て、該寒天状物を焼成することでシリカと第族
の金属酸化物を得ることが知られている。この方
法は寒天状のゲルを板状にしたり、繊維状にした
りすることで限られた形状に変えることが出来る
点で前記方法に比べればすぐれている。しかしな
がら、かかる製法を採用しても形状が球形状の、
特に粒子径が小さい例えば0.1〜1.0μmの粒子径が
揃つた無機酸化物を得ることは出来なかつた。従
つて球形状の粒子径が揃つたシリカと第族の金
属酸化物とよりなる無機酸化物を得ることは大き
な技術課題であつた。 従つて本発明の目的はシリカと第族の金属酸
化物とを主な構成成分とし球形状の無機酸化物及
びその製造方法を提供することにある。 また本発明の目的は粒子径が0.1〜1.0μmの範囲
にあり、粒度分布が非常に揃つた無機酸化物及び
その製造方法を提供するものである。 更にまた本発明の他の目的は複合材の補強材と
して用いる場合、複合材の機械的強度、表面硬度
を高めるだけでなく透明性および表面滑沢性の良
好な性状を付与したシリカと第族の金属酸化物
とを主な構成成分とする球形状の無機酸化物及び
その製造方法を提供するにある。 更に本発明の他の目的は以下の詳細な説明で自
ら明らかになるであろう。 本発明者等はかゝる多くの技術課題を解決すべ
く鋭意研究を重ねた結果、シリカと第族の金属
酸化物を主な構成成分とし、形状が球形状の無機
酸化物の製造に成功し、ここに提案するに至つ
た。 即ち本発明はシリカと結合可能な周期律表第1
族の金属酸化物及びシリカを主な構成成分とし、
粒子径が0.1〜1.0μmで、比表面積が100m2/g以
上又は100m2/g未満で且つ形状が球形状である
無機酸化物である。 本発明の無機酸化物はシリカのシリコン原子と
第族の金属酸化物例えば酸化カリウム、酸化ナ
トリウム、酸化リチウム等が酸素を仲介に結合し
ており、主にシリカと第族の金属酸化物とがそ
の構成成分となつている。そして上記第族の金
属酸化物(以下単に一般式M2O(但しMは第族
の金属)で表示する場合もある)の構成比率は得
られる無機酸化物の形状に大きな影響を与える。
勿論M2Oの種類、製造方法、製造条件等によつ
てその構成比率が形状に与える影響は変つて来る
が一般に球形状の無機酸化物を得ようとする場合
はM2Oの構成比率を20モル%以下におさえるの
が好ましく、特に0.01〜15モル%の範囲のM2
の構成比率を選択するときは粒子径が揃つた真球
に近いものとなる。該M2Oの構成比率は化学分
析することによつて確認出来るがM2Oの種類に
よつては螢光X線分析によつて確認出来るものも
ある。しかし通常は原料比から理論的な計算で算
出されたものと大差を生じないので、製造原料比
が明らかな場合は該原料比より算出することも出
来る。 本発明の無機酸化物はシリカとM2Oとの構成
成分が一般には化学的に結合して存在するもので
これらの構成成分を物理的に分離することは出来
ない。 本発明の無機酸化物は走査型又は透過型の電子
顕微鏡写真をとることにより、その形状、粒子
径、粒度分布等についての測定を行うことが出来
る。また一般に本発明の無機酸化物はその粒子径
が0.1〜1.0μmの範囲もので、その粒度分布は著し
く揃つたものである。例えば粒子径の標準偏差値
は1.30以下のものとすることも可能である。 本発明で提供するシリカとM2Oとを主な構成
成分とする無機酸化物は比表面積が100m2/g以
上、一般には100〜200m2/gの範囲のものと、比
表面積が100m2/g未満、一般には1〜50m2/g
の範囲のものとがある。詳しくは後述するが両成
分の原料をアルカリ性溶媒中で反応させ、加水分
解することによつて得た無機酸化物は比表面積が
一般に100m2/g以上の大きいものである。かゝ
る無機酸化物を500℃以上の温度一般には500〜
1300℃程度の温度で焼成すれば無機酸化物の比表
面積は小さくなり100m2/g未満となる。しかし
ながら、いずれの無機酸化物にあつてもその構成
成分及び形状はほゞ同一の構成比及び球形状を呈
する。 本発明の無機酸化物はそのほとんどが非晶質あ
るいは非晶質と一部結晶質との混合物であるが
M2Oの種類によつては結晶質の混合物として製
造される。一般にこれらの判定は本発明の無機酸
化物をX線回析又は屈折率測定等の手段で分析す
ることによつて確認することが出来る。 また本発明の無機酸化物はその表面に−OH基
を結合して有するもので該OH基の量はアルカリ
中和法の測定で確認することが出来る。一般に前
記比表面積が大きい即ち焼成前のものは1.0〜
2.0mmol/gの範囲で、また比表面積が小さいも
の即ち焼成後のものは0.01〜0.10mmol/gの範
囲でOH基を有する場合が多い。 更にまた本発明の無機酸化物の比重及び屈折率
はそれぞれ、M2Oの種類と構成比率によつて異
なるので一概に表示することが出来ない。最も一
般的には比重が1.20〜3.00、屈折率が1.35〜1.50
の範囲のものが多い。 本発明の無機酸化物は前記したようにその形状
が球形状である点で最も特徴的な用途を有する。
例えば歯科用充填剤として本発明の無機充填剤を
用いる場合は粉体の充填率を著しく高くすること
が出来、その結果、歯科用充填剤の機械的強度及
び表面硬度を高めうるだけでなく、透明性、表面
滑沢性が著しく改善されるという実用上の著しく
有用な効果を発揮する。また上記の他に本発明の
無機酸化物は触媒、触媒担体、焼結材、顔料、無
機イオン交換体、吸着剤等の広い用途に好適に使
用される。 本発明の無機酸化物は前記した種々の性状を有
するので種々の用途に使用されるが、その製法は
前記性状を与える方法である限り特に限定される
ものではない。最も代表的な方法について以下詳
細に説明する。 (1) 加水分解可能な有機珪素化合物と加水分解可
能な第族金属の有機化合物とを含む混合溶液
を、該有機珪素化合物及び第族金属の有機化
合物は溶解するが反応生成物は実質的に溶解し
ないアルカリ性溶媒中に添加し、加水分解を行
い、反応生成物を析出させる方法がある。 上記加水分解可能な有機珪素化合物は種々あ
るが、工業的に入手しやすいものとして例えば
一般式Si(OR)4で示されるアルコキシシラン又
はアルコキシシランを部分的に加水分解して得
られる低縮合物が特に限定されず使用される。
該一般式中のRはアルキル基で一般にはメチル
基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等の
低級アルキル基が好適に使用される。これらの
アルコキシシランおよびその低縮合物は市販品
をそのまま又は蒸留精製して用いればよい。 またもう一つの原料である加水分解可能な第
族金属の有機化合物は一般式M(OR′)(但し
R′はアルキル基)で表示される金属アルコキ
シド化合物又は上記一般式アルコキシド基
(OR′)がカルボキシル基あるいはβ−ジカル
ボニル基で置換された化合物が好ましい。ここ
でMは第族の金属で、具体的には例えばリチ
ウム、カリウム又はナトリウムが好適に使用さ
れる。本発明に於いて一般に好適に使用される
上記化合物を具体的に例示すると、 NaOCH3、 NaOC2H5、 NaOC3H7、 NaOOCCH3 等の有機アルカリ金属化合物がある。 本発明における前記アルコキシシラン又はそ
の低縮合物と前記有機金属化合物とは予め混合
し、混合溶液として調製する。上記混合溶液の
溶媒は前記原料を溶解するものであれば特に限
定されず使用出来るが、後述する反応性、操作
性、入手が容易な事等の理由で一般にはメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール等のアルコール溶媒が好適に用いられる。
またジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテ
ル溶媒、酢酸エチルなどのエステル溶媒等の有
機溶媒を上記アルコール性溶媒に一部混合して
用いることもできる。また前記原料はそれぞれ
別々に溶媒に溶解しておき該溶媒を混合するの
が一般的であるが、一方の原料を溶解した溶媒
中に他の原料を添加し溶解し混合溶液とするこ
とも出来る。更にまた前記原料を溶解した溶液
の濃度は一般に低い方が好ましいが、低くすぎ
ると溶媒の使用量が著しく増大するし、濃度が
高すぎると反応の制御が難しくなつたり取扱い
が不便になるので、これらを勘案して適宜決定
すればよい。一般には原料濃度が50重量%以下
好ましくは5〜50重量%の範囲の濃度として使
用するのが最も好ましい。 本発明の無機酸化物を球形状にするためには
一般に前記原料混合溶液中の珪素(Si)と第
族金属(M)との混合比を制御すると好適であ
る。該第族金属(M)の量が多すぎると無機
酸化物を球形状にするのは一般に難しく得られ
る無機酸化物の形状は不定形となる傾向があ
る。 従つて、SiとMとの混合比は制御するのが好
ましく、一般にはM/Si+M≦0.3好ましくは M/Si+M≦0.2となるように選ぶのが好適であ る。 前記原料混合溶液中のMとSiとの存在比率は
得られる無機酸化物の屈折率に影響を与える。
従つて屈折率の変化を必要とする場合は上記比
率を制御すればよい。 前記原料混合物は攪拌又は静置することによ
り、有機珪素化合物と第族金属の有機化合物
と反応すると考えられる。なぜならば後述する
アルカリ性溶媒中に有機珪素化合物を溶解した
溶液と第族金属の有機化合物を溶解した溶液
とを予め混合調製することなくそれぞれ別々に
添加反応させても無機酸化物特に球形状のもの
を得ることは出来ない。従つて本発明の無機酸
化物の製造にあつては予め両原料を混合した溶
液を調製することが必要である。該混合溶液の
調製条件は特に限定されないが両原料を均一に
分散させ反応させるために一般には0〜80℃で
数分〜数時間攪拌下又は静置して調製するのが
好ましい。 以上のように調製した原料混合溶液は次い
で、該両原料は溶解するが無機酸化物は実質的
に溶解しないアルカル性溶媒中に添加しシリカ
と第族の金属酸化物とを主な構成成分とする
無機酸化物を析出させるのである。該両原料は
溶解するが生成する無機酸化物は実質的に溶解
しない溶媒は特に限定されず公知の有機溶媒が
使用される。一般に好適に使用される溶媒は前
記有機珪素化合物及び第族金属の有機化合物
の溶媒として記載したものと同じアルコール性
溶媒、又はエーテル溶媒、エステル溶媒等の有
機溶媒を前記アルコール性溶媒に一部添加した
混合溶媒と水とよりなる含水溶媒である。上記
含水溶媒は前記したようにアルカリ性であるこ
とが必要である。該アルカリ性にするためには
公知の化合物が使用出来るが一般にはアンモニ
アが最も好適に使用される。 本発明の無機酸化物の形状特に球形状物の粒
子径は前記有機溶媒の種類、水の量、アルカリ
濃度等の要因によつて影響をうけるので予め適
宜これらの条件を決定しておくのが好ましい。
一般にはアルカリ性溶媒のアルカリ濃度は1.0
〜10mole/の範囲で選択するのが好ましく、
アルカリ濃度が高い程得られる無機酸化物の粒
子径は大きくなる傾向がある。また該アルカリ
性溶媒中の水の量は加水分解をより促進させて
無機酸化物を生成させるために必要とするもの
で、一般には0.5〜50mole/の範囲から選ぶ
のが好適である。該水の濃度は一般に高い程得
られる無機酸化物の粒子径は大きくなる傾向が
ある。更にまた無機酸化物の粒子径が影響をう
ける他の要因は前記有機溶媒の種類であり、一
般には炭素原子数の数が多くなれば得られる無
機酸化物の粒子径は大きくなる傾向がある。 前記アルカリ性溶媒中に原料混合溶液を添加
する方法は特に限定されないが一般には少量づ
つ長時間かけて添加するのが好ましく、通常数
分〜数時間の範囲で実施すればよい。また反応
温度は種々の条件によつて異なり一概に限定す
ることが出来ないが通常は大気圧下0℃〜40
℃、好ましくは10〜30℃程度で実施例すればよ
い。上記反応はまた減圧下或いは加圧下で実施
することも出来るが大気圧下で十分に進行する
ので常圧で実施すればよい。 以上の反応操作によつて析出する生成物は分
離後乾燥すればよい。このようにして得られた
無機酸化物は前記したようにシリカとM2Oと
を主な構成成分とし、比表面積が100m2/g以
上を有するものである。そして前記のような
種々の条件を選ぶことにより球形状の一般に粒
子径が0.1〜1.0μmの範囲で、粒子径の標準偏差
値が1.30以下と云うすぐれた粒度分布を有する
無機酸化物である。 (2) 前記(1)の方法においてアルカリ性溶媒中に予
め沈澱析出のための核となるシリカ重合体から
なる種子を存在させておき、しかるのちに前記
(1)と同様な反応を行い、無機酸化物を得る方法
がある。 上記方法における種子はシリカ重合体からな
る粒子であれば特に限定されず用いられる。そ
してこの様な種子を存在せしめる方法は特に限
定されないが例えば既に粒子として分離された
ものを、アルカリ性溶媒中に分散せしめる方法
あるいは、アルカリ性溶媒中で生成せしめその
まま分離することなく種子として用いる方法が
好適に採用される。後者の方法について、さら
に詳しく説明すると、予めアルコキシシラン又
はその低縮合物を更に加水分解する事により、
まずシリカ重合体からなる種子を生成させてお
き、該シリカ重合体の存在下に前記(1)と同様の
反応を行い無機酸化物を得る方法である。該ア
ルコキシシラン又はその低縮合物はこれらのア
ルコキシシランは溶解するが得られるシリカ重
合体は溶解しない溶媒中で加水分解されてシリ
カ重合体となる。該シリカ重合体は最終的に生
成する無機酸化物の核となるもので、必ずしも
上記溶媒中で沈澱物として肉眼で確認出来る程
の大きさとなる必要はなく、種子が生成してい
れば肉眼では確認出来ない程小さい粒子であつ
てもよい。またアルコキシシラン又はその低縮
合物からシリカ重合体を生成する方法は特に限
定されず公知の加水分解方法が採用出来る。例
えば前記(1)で説明したと同様のアルカリ性溶媒
中に前記(1)で説明したような特定量の水を存在
させ、アルコキシシラン又はその低縮合物を添
加すればよい。該アルコキシシラン又はその低
縮合物はそのまま添加してもよいが一般には前
記(1)で説明したような可溶性溶媒に溶解し、1
〜50重量%の濃度に調整して使用するのが好適
である。 上記シリカ重合体を生成させた後は前記(1)と
同じ操作で無機酸化物を析出させ、分離乾燥す
ればよい。このようにして得た無機酸化物はシ
リカを核にシリカとM2Oとを主成分とする無
機酸化物となるので得られる粒子径の粒度分布
は特に良好である。また得られる無機酸化物の
比表面積は100m2/g以上のもので、その粒径
は0.1〜1.0μm程度のものとなる。 (3) 加水分解可能な有機珪素化合物と加水分解可
能な周期律表第族金属の有機化合物とを含む
混合溶液を、該有機珪素化合物及び周期律表第
族金属の有機化合物は溶解するが反応生成物
は溶解しないアルカリ性溶媒中に添加し加水分
解を行い反応生成物を析出させ、次いで該反応
系に加水分解可能な有機珪素化合物を添加し加
水分解させて得る方法がある。 上記(3)の方法はシリカとM2Oとを主な構成
成分とする無機酸化物を析出させる操作までは
前記(1)と同じであるが、本方法では該無機酸化
物の沈澱を生成させた後、有機珪素化合物を添
加反応させるものである。該最後に反応させる
有機珪素化合物は前記原料として使用する一般
式Si(OR)4(但しRはアルキル基)で示される
アルコキシシラン又はその低縮合物が特に限定
されず使用しうる。また該析出物に該アルコキ
シシラン又はその低縮合物を反応させる方法は
特に限定されず公知の方法で実施出来る。例え
ば前記析出物を含むアルカリ性溶媒中に、また
は該析出物を分離後再度不溶性溶媒に分散させ
る方法で調製したスラリー溶液中にアルコキシ
シラン又はその低縮合物を溶解した溶液を添加
し反応させればよい。上記析出物の不溶性溶媒
及びアルコキシシランを溶解する溶液としては
前記原料を溶解するのに使用される溶媒と同種
のものが好適に使用される。またアルコキシシ
ラン又はその低縮合物を該析出物に反応させる
ためには該アルコキシシランが加水分解を受け
る必要があるので上記反応溶媒中には水の存在
が必要である。該水の量は前記(1)のシリカと
M2Oとを主な構成成分とする反応生成物を析
出させる場合の条件と同様である。また前記ア
ルコキシシラン又はその低縮合物を溶解した溶
媒を前記析出物が存在する溶液に添加反応させ
る時のアルコキシシラン濃度は低い方がよく一
般には50重量%以下、好ましくは1〜30重量%
で使用するとよい。また上記アルコキシシラン
溶液の添加時間は添加する溶媒の量によつて異
なるが一般には数分〜数時間の範囲から選べば
よい。勿論前記アルコキシシランを添加する場
合、溶媒に溶解することなくアルコキシシラン
を前記析出物が存在する溶媒中に直接添加反応
させることも出来るがこのような方法は工業的
に反応の制御が難しいので出来ればさけた方が
よい。 上記方法で得られる無機酸化物の析出は分離
後乾燥すればよい。また上記無機酸化物はシリ
カとM2Oとを主な構成成分とし、その比表面
積が100m2/g以上のものである。しかしその
製法上から、無機酸化物は粒子表面層はシリカ
のみ又はシリカ含量の高い層で被われており、
粒子内部がシリカとM2Oとが結合した構成と
なつていると推定される。そして上記のように
して得られた無機酸化物は化学的にはシリカに
近い性質を有するものとなる。 (4) 前記(3)の方向においてアルカリ性溶媒中に前
記(2)の方法と同様に予めシリカ重合体からなる
種子を存在させておき、しかるのちに前記(3)と
同様な反応を行い無機酸化物を得る方法であ
る。 上記(4)の方法は前記(1)、(2)及び(3)を組合せた
方法でこれらの反応に際して説明した条件がそ
のまゝ採用しうる。この方法で得られた無機酸
化物はシリカ重合体の種子を中心にシリカと第
族金属酸化物とを主として構成成分とする層
が存在し、表面には主としてシリカよりなる層
で被われた無機酸化物が存在する。また該無機
酸化物の比表面積は100m2/g以上の大きなも
ので、球状体にあつてはその粒子径も0.1〜
1.0μmの範囲のものでその粒子径の標準偏差値
が1.30以下のものを得ることが出来る。 以上の(1)、(2)、(3)及び(4)の方法で得られる無機
酸化物はいずれも白色ないし黄白色の無定形の粉
体を主体とするもので特に球形状の粒子体として
得られるものが有用である。このようにして得ら
れた無機酸化物は一般に前記したように比表面積
が100m2/g以上の大きいものであるので触媒、
触媒担体、吸着剤等の比表面積を必要とする分野
に好適に使用される。 本発明で提供する無機酸化物は上記(1)〜(4)の方
法で得られた生成物を焼成することにより、その
比表面積を少なくしたものも存在する。該焼成方
法は特に限定されず公知の方法で200〜1300℃或
いはそれ以上の温度で焼成すればよい。 又、該無機酸化物は、周期律表第族の金属酸
化物の含有量によつては、該温度範囲内で溶融し
て、球形状がくずれて、不定形になることもある
ので、該金属酸化物の含有量に応じた温度を選ん
で焼成することが好ましい。例えば、Na2Oの含
有率が全体の9.1モル%の場合、焼成温度が750℃
以下では球形状が維持されているが、800℃から
球形がくずれ始め、850℃以上では球形物は残り
にくい。この場合、800℃以下の焼成温度では非
晶質であるが850〜1000℃では、クリストバライ
トとα−石英を主成分とする結晶質となる。該焼
成することによつて無機酸化物の比表面積は小さ
くなり500℃以上の温度で焼成すると100m2/g未
満の比表面積となる。また球形状の無機酸化物を
焼成すると約500℃以上の温度の場合は一般に粒
子径から真球として理論的に計算される比表面積
とほゞ同等のものとなる場合が多い。 上記焼成温度は粉体の構造を変化させる場合が
ある。例えば非晶質の前記無機酸化物が焼成によ
つて非晶質のまま存在したり、非晶質に一部結晶
質が混じつたものとなつたり、更には結晶質物質
が混在するようになる場合でさえある。 上記焼成後に得られる無機酸化剤はすぐれた性
状を有し、例えば歯科用充填剤の粉体成分として
すぐれたものとなる。 以下歯科用充填剤の粉体成分として使用した場
合の複合材について説明する。 例えば重合可能なビニルモノマーと粒子径が
0.1〜1.0μmの範囲にある前記焼成後の球状粒子と
よりなる複合材とするときすぐれた性状を示す。 上記複合材の1成分は重合可能なビニルモノマ
ーである。該ビニルモノマーは特に限定的ではな
く、一般に歯科用複合材として使用されている公
知なものが使用出来る。該ビニルモノマーとして
最も代表的なものはアクリル基及び/又はメタク
リル基を有する重合可能なビニルモノマーであ
る。具体的に上記アクリル基及び/又はメタクリ
ル基を有するビニルモノマーについて例示すると
例えば2,2−ビス〔4(2−ヒドロキシ−3−
メタクリルオキシプロポキシ)フエニル〕プロパ
ン、メチルメタクリレート、ビスメタクリロエト
キシフエニルプロパン、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、テトラメチロールトリアクリレー
ト、テトラメチロールメタントリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリメタクリレート等
が好適である。また下記の構造式で示されるウレ
タン構造を有するビニルモノマーも好適に使用さ
れる。 但し上記式中、R1,R2、R3及びR4は同種又は
異種のH又はCH3で、(−A−)は(−CH2−)6
【式】又は
【式】が好適で ある。これらのビニルモノマーは歯科用材料とし
ては公知なものであるので必要に応じて単独で或
いは混合して使用すればよい。 前記複合材の他の成分は前記無機酸化物であ
る。前記無機酸化物は粒子径が0.1〜1.0μmの範囲
にある球状粒子で且つ粒子径の分布の標準偏差値
が1.30以内にあるものを使用すると好適である。
上記粒子径、粒子形状及び粒子径の分布は歯科用
複合材に使用する限りいずれも非常に重要な要因
となる。例えば上記粒子径が0.1μmより小さい場
合には重合可能なビニルモノマーと練和してペー
スト状の混合物とする際に粘度の上昇が著しく、
配合割合を増加させて粘度上昇を防ごうとすれば
操作性が悪化するので実質的に実用に供する材料
となり得ない。また該粒子径が1.0μmより大きい
場合は、ビニルモノマーの重合硬化後の樹脂の耐
摩耗性あるいは表面の滑沢性が低下し、更に表面
硬度も低下する等の欠陥があるため好ましくな
い。また粒子径の分布の標準偏差値が1.30より大
きくなると複合材の操作性が低下するので実用に
供する複合材とはなり得ない。更にまた前記無機
酸化物が前記粒子径0.1〜1.0μmの範囲で、粒子径
の分布の標準偏差値が1.30以内の粒子であつても
該粒子の形状が球形状でなければ耐摩耗性、表面
の滑沢性、表面硬度等に於いて満足のいくものと
はなり得ない。例えば歯科用修復材として上記複
合材を用いる場合には操作性が重要な要因となる
ばかりでなく、得られる硬化後の複合レジンの機
械的強度、耐摩耗性、表面の滑沢性等を十分に良
好に保持しなければならない。そのために一般に
前記無機酸化物の添加量は70〜90重量%の範囲と
なるように選ぶのが好ましい。 また上記歯科用複合修復材とし使用する場合に
は一般に前記無機酸化物と重合可能なビニルモノ
マーおよび重合促進剤(例えば第三級アミン化合
物)からなるペースト状混合物と無機酸化物とビ
ニルモノマーおよび重合開始剤(例えばベンゾイ
ルパーオキサイドの如き有機過酸化物)からなる
ペースト状混合物とをそれぞれあらかじめ調製し
ておき、修復操作の直前に両者を混練して硬化さ
せる方法が好適に用いられる。上記複合材を硬化
させた複合レジンは従来のものに比べて圧縮強度
等の機械的強度は劣ることなく、しかも耐摩耗性
あるいは表面の滑沢性に優れ、さらには表面硬度
が高く、表面研磨仕上げが非常に容易である上に
透明性が向上するという多くの優れた特徴を有し
ている。しかしこのような特徴があらわれる理由
については現在必ずしも明確ではないが、本発明
者等は次のように考えている。即ち、第1に粒子
の形状が球形型でしかも粒子径の分布の標準偏差
値が1.30以内というような粒子径のそろつた無機
酸化物を用いる事によつて、従来の粒子径分布の
広いしかも形状の不揃いな充填材を用いる場合に
比べて、硬化して得られる複合レジン中に無機酸
化物がより均一にしかも密に充填される事及び第
2にさらに粒子径の範囲が0.1〜1.0μmの範囲内で
あるものを用いる事により、粒子径が数十μmも
ある従来の無機充填材を用いる場合に比べて、硬
化後の複合レジンの研磨面は滑らかになり、逆に
数十nmの微細粒子を主成分とする超微粒子充填
材を用いる場合に比べて充填材の前比表面積が小
さく、従つて適当な操作性を有する条件下で充填
材の充填量が多くできる事などの理由が考えられ
る。 以上の如く形状に起因する特徴の外に本発明に
よる充填材は、充填材自身の屈折率をビニルモノ
マーの重合体のそれと一致させる事が容易である
ので、該屈折率を一致することにより極めて透明
性に優れた複合レジンが得られる。 上記の複合材は前記特定の無機酸化物と重合可
能なビニルモノマーとを配合することにより、上
記したように従来予想し得なかつた数々のメリツ
トを発揮させるものである。前記複合材は重合可
能なビニルモノマー成分と特定の無機酸化物成分
との2成分の配合で前記メリツトを発揮するもの
であるが、これらの成分の他に一般に歯科用修復
材として使用される添加成分を必要に応じて添加
することも出来る。これらの添加成分の代表的な
ものは次のようなものがある。例えばラジカル重
合禁止剤、色合せのための着色顔料、紫外線吸収
剤などがある。 以下実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説
明するが、以下の実施例で利用した種々の性状の
測定は特にことわらない限り次のようにして実施
した。 (1) 屈折率 試料の無機酸化物の屈折率と同じ屈折率の溶媒
を調製し、その溶媒の屈折率を試料の屈折率とし
た。溶媒の調製方法としては、試料を溶媒に懸濁
させ、肉眼観察により透明に見えるような溶媒の
組成を一定温度下で調製した。使用した溶媒はペ
ンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、
スチレンおよびヨウ化メチレン等であり、溶媒の
屈折率はアベの屈折計で測定した。 (2) 表面OH基の数 試料の無機酸化物を2.00秤量し(Wgとする)
100mlの三角フラスコに入れ、0.05NのNaOH水
溶液を80ml加え、ゴム栓で密栓し12時間攪拌しな
がら放置した。その後無機酸化物と溶液を遠心分
離機で分離し、この溶液から10mlをピペツト採
り、0.05NのHC水溶液をAmlとする。なお試
料を入れずに同様な操作をし、その中和に要する
HC水溶液をBmlとする。無機酸化物の単位重
量当りの表面−OH基の量(Xmmole/g)は次
式によつて算出される。 X=(B−A)×0.05×8/W (3) 比重 ピクノメーター法に従つて比重を測定した。 (4) 粒子径および粒子径分布の標準偏差値 粉体の走査型電子顕微鏡写真を撮り、その写真
の単位視野内に観察される粒子の数(n)、および粒
子径(直径Xi)を求め、次式により算出される。 標準偏差値=X+〓n−1/X 但し
【式】(数平均径) (5) 比表面積 柴田化学器機工業(株)迅速表面測定装置SA−
1000を用いた。測定原理はBET法である。 (6) 複合材のペーストの調製および硬化方法 先ず、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランによつて表面処理された非晶質シリカと
ビニルモノマーを所定の割合でメノウ乳鉢に入れ
均一なペーストとなるまで十分混練した。次いで
該ペーストを二等分し、一方のペーストにはさら
に重合促進剤を加え十分混合した(これをペース
トAとする)。また他方のペーストには有機過酸
化物触媒を加え十分混合した(これをペーストB
とする)。次にペーストA及びペーストBの等量
を約30秒間混練し、型枠に充填し硬化させた。 (7) 圧縮強度 ペーストA及びペーストBを混合して、室温で
30分間重合させた後、37℃、水中24時間浸漬した
ものを試験片とした。その大きさ、形状は直径6
mm、高さ12mmの円柱状のものである。この試験片
を試験機(東洋ボードウイン製UTM−5T)に装
着し、クロスヘツドスピード10mm/minで圧縮強
度を測定した。 (8) 曲げ強度 ペーストA及びペーストBを混合して室温で30
分間重合させた後、37℃、水中24時間浸漬したも
のを試験片とした。その大きさ、形状は2×2×
25mmの角柱状のものである。曲げ試験は支点間距
離20mmの曲げ試験装置を東洋ボードウイン製
UTM−5Tに装着して行ない、クロスヘツドスピ
ード0.5mm/minとした。 (9) 歯ブラシ摩耗深さ、および表面粗さ ペーストA及びペーストBを混合して室温で30
分間重合させた後、37℃、水中24時間浸漬したも
のを試験片とした。その大きさ、形状は1.5×10
×10mmの板状のものである。試験片を荷重400g
で歯ブラシで1500m摩耗した後、表面粗さ計(サ
ーフコムA−100)で十平均あらさを求めた。ま
た摩耗深さは摩耗重量を複合レジンの密度で除し
て求めた。 (10) 表面硬度 ペーストA及びペーストBを混合して室温で30
分間重合させた後、37℃、水中24時間浸漬したも
のを試験片とした。その大きさ、形状は2.5×10
mmの円板状のものである。測定はミクロブリネル
硬さ試験を用いた。 また実施例で使用した略記は特に記さない限り
次の通りである。 なお表1〜20の無機酸化物の焼成時間は特に記
さない限り4時間とした。 AM;非晶質、EtOH;エタノール、IPA;イ
ソプロパノール、MeOH;メタノール、
BuOH;ブタノール 実施例 1 テトラエチルシリケート(Si(OC2H5)4、日
本コート化学社製商品名:エチルシリケート28)
208gと、ナトリウムメチラート5.4gとをメタノ
ール1.0溶かし、この溶液を30分間加熱還流し
た後、室温まで冷却して混合溶液を調製した。次
に攪拌機つきの内容積10のガラス製反応容器に
メタノール2.5を満し、これに500gのアンモニ
ア水溶液(濃度25Wt%)を加えてアンモニア性
メタノール溶液を調製し、この溶液に先に調製し
たテトラエチルシリケートとナトリウムメチラー
トの混合溶液を反応容器の温度に20℃に保ちなが
ら約2時間かけて添加した。添加開始後数分間で
反応液は乳白色になつた。添加終了後更に一時間
攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポレー
ターで溶媒を除き、さらに80℃で、減圧乾燥する
ことにより乳白色の粉体を得た。 走査型電子顕微鏡写真による観察の結果粉体の
形状は球形で、その粒径は、0.20〜0.35μmの範囲
にあり、その粒径の標準偏差値は1.07であつた。
またBET法による比表面積は120m2/gであつ
た。 X線分析によるとおよそ2〓=25°を中心にして
ゆるやかな山形の吸収がみられ非晶質構造を有す
るものであることが確認された。 さらに示差熱分析計、および熱天秤による熱変
化および重量変化を測定した。その結果、100℃
付近に脱水によると思われる吸熱、重量減少がみ
られ、さらに500〜600℃付近では発熱重量減少が
みられた。その後1000℃までには熱変化、重量変
化はみられなかつた。 700℃にて4時間焼成した後の粉体の比表面積
は14m2/g、比重は2.20および屈折率は1.45〜
1.46であり、X線分析では2〓=21.5°を中心にして
ゆるやかな山形の吸収がみられ非晶質体であるこ
とが予測された。又、螢光X線分析によるNa2
の含有率は仕込量からの計算値と一致し収量も仕
込量からの計算値と一致した。粉体のNa2Oの含
量率の実測値は、9.1mole%(計算値は9.1mole
%)、粉体の収量の実測値は65.0g(計算値は
66.3g)であつた。 実施例 2〜4 表1の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例1と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表1に示した。 得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真に
よる観察の結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 5〜7 表2の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例1と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表2に示した。 得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真に
よる観察の結果全ての球形状であつた。
【表】 * 日本コルコート化学社製、製品名
実施例 8〜10 表3のアンモニア性アルコールの組成とした以
外はすべて実施例1と同様な条件で実施した。そ
の結果を合せて表3に示した。 得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真に
よる観察の結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 11〜16 表4の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例1と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表4に示した。 得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真に
よる観察の結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 17 攪拌機つきの内容積10のガラス製反応容器
に、実施例1で用いたものと同じ組成のアンモニ
ア性メタノール溶液を調製した。次いで、このア
ンモニア性メタノール溶液にシリカの種子を作る
ために有機珪素化合物溶液としてテトラエチルシ
リケート4.0gをメタノール100mlに溶かした溶液
を約5分間かけて添加し、添加終了後5分後反応
液がわずかに乳白色になつたところでさらに続け
て実施例1で用いたものと同じ組成の混合溶液
を、反応容器の温度を20℃に保ちながら、反応容
器に2時間かけて添加した。混合溶液の添加につ
れて乳白色の懸濁液となつた。添加終了後更に一
時間攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポ
レーターで溶媒を除き、更に80℃で減圧乾燥する
ことにより乳白色の粉体を得た。走査型電子顕微
鏡写真による観察の結果、粉体の形状は球形で、
その粒径は0.20〜0.33μmの範囲でその粒径の標準
偏差値は1.06であつた。又BET法による比表面
積は110m2/gであつた。X線分析によるとおよ
そ2〓=25°を中心にしてゆるやかな山形の吸収が
みられ非晶質構造を有するものであることが確認
された。示差熱分析計及び熱天秤による熱変化及
び重量変化は実施例1の粉体と同様な傾向を示し
た。 700℃にて4時間焼成した後の粉体の比表面積
は13m2/g、比重は2.20、及び屈折率は1.45〜
1.46であり、X線分析では2〓=21.5°を中心にして
ゆるやかな山形の吸収がみられ非晶質体であるこ
とが確認された。又、螢光X線分析によるNa2
O,SiO2の含有率は仕込みからの計算値と一致
し収量も仕込量からの計算値と一致した。粉体の
Na2Oの含有率の実測値8.9mole%(計算値
8.9mole%)、粉体の収量の実測値66.0g(計算値
67.4g)であつた。 実施例 18〜20 表5のシリカの種子を作るための有機珪素化合
物溶液の組成とした以外は全て実施例17と同様な
条件で実施した。 その結果を合せて表5に示した。得られた無機
酸化物は走査型電子顕微鏡写真による観察の結果
全て球形状であつた。
【表】 実施例 21〜26 表6の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例17と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表6に示した。得られた無機酸化物は走査型電
子顕微鏡写真による観察の結果全て球形状であつ
た。
【表】 * 日本コルコート化学製、製品名
実施例 27〜29 表7のアンモニア性アルコールの組成とした以
外は全て実施例17と同様な条件で実施した。その
結果を合せて表7に示した。 得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真に
よる観察の結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 30〜35 表8の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例17と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表8に示した。 得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真に
よる観察の結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 36 攪拌機つきの内容積10のガラス製反応容器に
実施例1で用いたものと同じ組成のアンモニア性
メタノール溶液を調製した。次いでこのアンモニ
ア性メタノールに実施例1で用いたものと同じ組
成の混合溶液を、反応溶液の温度を20℃に保ちな
がら、2時間かけて添加し、反応生成物を析出さ
せた。添加終了後、更に続けて、テトラエチルシ
リケート104gを含むメタノール0.5からなる溶
液を該反応生成物が析出した系に約2時間かけて
添加した。添加終了後更に1時間攪拌を続けた
後、乳白色の反応液からエバポレーターで溶媒を
除き、さらに80℃で減圧乾燥することにより乳白
色の粉体を得た。 走査型電子顕微鏡写真による観察の結果、粉体
の形状は球形状で、その粒径は0.22〜0.34μmの範
囲にあり、又その粒径の標準偏差値が1.05であつ
た。X線分析によると2〓=25°を中心にしてゆる
やかな山形の吸収が見られ、非晶質構造を有する
ことがわかつた。又、BET法による比表面積は
110m2/gであつた。さらに示差熱分析計及び熱
天秤による熱変化及び重量変化を測定した。その
結果は実施例1と同様な傾向を示した。 700℃にて2時間焼成した後の粉体の比表面積
は13m2/g、表面の−OHの数は0.10mmol/g、
比重は2.20、及び屈折率は1.45〜1.46であり、X
線分析では2〓=22°を中心にしてゆるやかな山形
の吸収が見られ、非晶質構造を有することがわか
つた。螢光X線によるとSiとNaの量比は仕込み
の量比と一致し、収量も仕込み量から計算される
値とほぼ一致した。Sio293.8mol%、Na2O6.3mol
%の組成からなる非晶質構造を有する球形状無機
酸化物であることが確認された。 実施例 37〜39 表9の反応生成物を析出させた後に添加する有
機珪素化合物溶液の組成とした以外は全て実施例
36と同様な条件で実施した。その結果を合せて表
9に示した。得られた無機酸化物は走査型電子顕
微鏡写真による観察の結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 40〜45 表10の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例36と同様な条件で実施した。その結果を合わ
せて表10に示した。得られた無機酸化物は走査型
電子顕微鏡写真による観察の結果全て球形状であ
つた。
【表】 * 日本コルコート化学社製、製品名
実施例 46〜48 表11のアンモニア性アルコールの組成とした以
外は全て実施例36と同様な条件で実施した。その
結果を合せて表11に示した。得られた無機酸化物
は走査型電子顕微鏡写真による観察の結果全て球
形状であつた。
【表】 実施例 49〜54 表12の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例36と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表12に示した。得られた無機酸化物は走査型電
子顕微鏡写真による観察の結果全て球形状であつ
た。
【表】 実施例 55 攪拌機つきの内容積10のガラス製反応容器
に、実施例1で用いたものと同じ組成のアンモニ
ア性メタノール溶液を調製した。次いで、このア
ンモニア性メタノール溶液に、シリカ種子を作る
ための有機珪素化合物溶液としてテトラエチルシ
リケート4.0gをメタノール100mlに溶かした溶液
を約5分間かけて添加し、添加終了5分後、反応
液がわずかに乳白色になつたところで、さらに続
けて実施例1で用いたものと同じ組成の混合溶液
を反応容器の温度を20℃に保ちながら反応液に約
2時間かけて添加し、反応生成物を析出させた。
その後更に続けて、テトラエチルシリケート104
gを含むメタノール0.5からなる溶液を該反応
生成物が析出した系に約2時間かけて添加した。
添加終了後更に1時間攪拌を続けた後、乳白色の
反応液からエバポレーターで溶媒を除き、さらに
80℃、減圧乾燥することにより乳白色の粉体を得
た。 走査型電子顕微鏡写真による観察の結果粉末の
形状は球形状でその粒径は0.23〜0.35μmの範囲に
あり、またその粒径の標準偏差値が1.04であつ
た。X線分析によると2〓=25°を中心にしてゆる
やかな山形の吸収が見られ非晶質構造を有するこ
とがわかつた。又BET法による比表面積は108
m2/gであつた。さらに示差熱分析計及び熱天秤
による熱変化及び重量変化を測定した。その結果
は実施例1と同様な傾向を示した。 700℃にて4時間焼成した後の粉体の比表面積
は12m2/g、表面の−OHの数は0.09mmole/
g、比重は2.20、および屈折率は1.45〜1.46であ
り、X線分析では2〓=22°を中心にしてゆるやか
な山形の吸収がみられ非晶質構造を有することが
わかつた。螢光X線分析によるSiとNaの量比は
仕込みの量比と一致し、収量も仕込み量から計算
される値とほぼ一致した。SiO293.8mole%、Na2
O6.2mole%であつた。 実施例 56〜58 表13のシリカの種子を作るための有機珪素化合
物溶液の組成とした以外は全て実施例55と同様な
条件で実施した。その結果を合せて表13に示し
た。得られた無機酸化物は走査型電子顕微鏡写真
による観察の結果全て球形状であつた。
【表】 *1 日本コルコート化学社製、製品名
*2 ( )内の数字は焼成温度、焼成時間は1時間
実施例 59〜64 表14の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例55と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表14に示した。得られた無機酸化物は走査型電
子顕微鏡写真による観察の結果全て球形状であつ
た。
【表】 * 日本コルコート化学社製、製品名
実施例65〜67 表15のアンモニア性アルコールの組成とした以
外は全て実施例55と同様な条件で実施した。その
結果を合せて表15に示した。得られた無機酸化物
は走査型電子顕微鏡写真による観察の結果全て球
形状であつた。
【表】 実施例 68〜73 表16の混合溶液の原料組成とした以外は全て実
施例55と同様な条件で実施した。その結果を合せ
て表16に示した。得られた無機酸化物は透過型の
電子顕微鏡で観察した結果全て球形状であつた。
【表】 実施例 74 実施例1と同様な方法で合成した700℃、4時
間焼成した無機酸化物をさらにγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシランで表面処理を行な
つた。処理は無機酸化物に対してγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを6wt%添加
し、水−エタノール溶媒中で80℃、2時間還流し
た後エバポレーターで溶媒を除去し、さらに真空
乾燥させる方法によつた。 次にビニルモノマーとして2,2−ビス〔4
(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポ
キシ)フエニル〕プロパン(以下Bis−GMAと
言う。)とトリエチレングリコールジメタクリレ
ート(以下TEGDMAと言う。)の混合物(混合
割合はBis−GMA/TEGDMA=3/7モル比で
ある。)に上記無機酸化物を配合し充分練和する
ことによりペースト状の複合材を得た。この際複
合材の無機酸化物の充填量は72.8wt%でペースト
の粘度は操作上適正であつた。次にペーストを2
等分に一方には重合促進剤としてN,N−ジメチ
ル−P−トルイジンを、もう一方には重合開始剤
として過酸化ベンゾイルを各々ビニルモノマーに
対して1wt%添加しペーストA(前者)及びペー
ストB(後者)を調製した。 上記のペーストAとペーストBを等量取り、30
秒間、室温で練和し硬化させたものについて物性
を測定した結果、圧縮強度3580Kg/cm2、曲げ強度
800Kg/cm2、表面あらさ0.5μm、表面硬度60.0、歯
ブラシ摩耗深さ4.0μmであつた。又表面研磨仕上
げについてはソフレツクス(スリーエム社製)で
仕上げたところ複合レジンの表面を削り過ぎるこ
となく、容易に滑沢性の良い表面が得られた。
又、透明性は良好であつた。 実施例 75〜77 実施例17、実施例36および実施例55の無機酸化
物(700℃、4時間焼成したもの)を用いて、実
施例74と同様なビニルモノマーを用い、同様な方
法でペーストを調製し、さらに硬化させ複合レジ
ンの物性を測定した。その結果を同じく表17にま
とめて示した。
【表】 実施例 78〜80 実施例74で用いた無機酸化物を用い、ビニルモ
ノマー成分としてU−4HMA,U−4TMA,U
−4BMA、テトラメチロールメタントリアクリ
レート(以下TMMTと言う。)およびメチルメ
タクリレート(以下MMAと言う。)を用いた以
外は実施例74と同様な方法でペースト状の複合材
を調製した。ビニルモノマー成分の混合割合は表
18に示した通りである。ペースト状の複合材をさ
らに実施例74と同様な操作で硬化させた複合レジ
ンの物性を測定した。その結果を同じく表18に示
した。
【表】 実施例 81 PdC20.36gを1N塩酸水溶液に溶かし、この
水溶液に実施例1と同様の方法で合成した無機酸
化物(焼成温度200℃,2時間で焼成したもの、
表面積120m2/g)10gを含浸し80〜85℃で蒸発
乾固後110℃で一夜乾燥し粉体を得た。この粉体
をペレタイザーにて成型した後内径28mmのパイレ
ツクス製反応管に充填し、水素雰囲気下、350℃
で約3時間還元した。その後反応管の温度を200
℃まで下げ、水素1.0/h、一酸化炭素0.5/
時の流量で反応管内に通し、20時間後に反応管出
口の組成をガスクロマトグラフにより分析した。
その結果メタノールが生成した。その収率は供給
一酸化炭素に対して0.06mol%であつた。これは
熱力学的データより算出される平衡収率の約1.1
割に相当する高活性であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 シリカと結合可能な周期律表第1族の金属酸
    化物及びシリカを主な構成成分とし、粒子径が
    0.1〜1.0μmで、比表面積が100m2/g以上又は100
    m2/g未満で且つ形状が球形状である無機酸化
    物。
JP57035565A 1982-03-06 1982-03-06 無機酸化物 Granted JPS58156526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57035565A JPS58156526A (ja) 1982-03-06 1982-03-06 無機酸化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57035565A JPS58156526A (ja) 1982-03-06 1982-03-06 無機酸化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58156526A JPS58156526A (ja) 1983-09-17
JPH0559044B2 true JPH0559044B2 (ja) 1993-08-30

Family

ID=12445268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57035565A Granted JPS58156526A (ja) 1982-03-06 1982-03-06 無機酸化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58156526A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5479147B2 (ja) * 2010-02-19 2014-04-23 株式会社トクヤマデンタル 無機酸化物の製造方法
US10005910B2 (en) 2010-03-19 2018-06-26 Tokuyama Dental Corporation Organic/inorganic composite filler and manufacturing method therefor
WO2013039169A1 (ja) 2011-09-15 2013-03-21 株式会社トクヤマデンタル 有機無機複合フィラー、及びその製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5472795A (en) * 1977-11-18 1979-06-11 Union Carbide Corp Crystalline silica

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5472795A (en) * 1977-11-18 1979-06-11 Union Carbide Corp Crystalline silica

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58156526A (ja) 1983-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0138043B2 (ja)
JPH0127976B2 (ja)
US4617327A (en) Inorganic-organic fillers for polymerizable compositions
EP0368657B1 (en) Dental restorative material
US6787629B2 (en) Dental resin materials, method of manufacture, and uses thereof
US4591575A (en) Novel crystalline metal oxide and process for production thereof
CN100491249C (zh) 热解二氧化硅粒子及其制造方法
Aguiar et al. Synthesis of Al2O3-0.5 B2O3-SiO2 fillers by sol-gel method for dental resin composites
EP0528038A1 (en) Composite composition excellent in transparency and production thereof
Mabie et al. Microporous glassy fillers for dental composites
JPH0559043B2 (ja)
US9296891B2 (en) Dental resin materials, method of manufacture, and uses thereof
JPH0559044B2 (ja)
JPH0333721B2 (ja)
JP2690364B2 (ja) 歯科材料用無機フィラーの表面処理方法
JPH0129225B2 (ja)
JPH0138044B2 (ja)
JPH0699136B2 (ja) 疎水化無機粒子
JPS59101409A (ja) 複合充填材
JPH0157082B2 (ja)
JPH0312044B2 (ja)
JPH0461003B2 (ja)
JP2695467B2 (ja) 表面処理された無機粉末
CN85101839B (zh) 无机—有机填料,其制备方法及其在聚合组合物中的应用
JPS6011408A (ja) 複合充填材