JPH0558299A - 列車運転曲線モニタリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、列車が理想的な運転をしているのか
どうかを容易に確認、認識でき、運転手の運転技術の向
上に利用できることを主要な特徴としている。 【構成】理想運転曲線のデータと路線条件を記憶する理
想運転曲線データ記憶手段と、走行中の列車の速度およ
び走行時間を計測する速度計測手段および時間計測手段
と、運転手の制御動作を監視する運転制御監視手段と、
計測速度と計測時間と監視データを基に、現在走行中列
車の運転曲線のデータを作成する実績運転曲線作成手段
と、走行中列車の運転曲線のデータを記憶する実績運転
曲線データ記憶手段と、列車の運転席上に設置され、運
転曲線出力の制御指令を入力する運転曲線出力制御入力
手段、出力手段、運転曲線出力制御指令の入力により、
理想運転曲線データ記憶手段の理想運転曲線と実績運転
曲線データ記憶手段の実績運転曲線を出力手段に出力す
る運転曲線出力制御手段とを備えたことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、列車の運転指示を行な
うのに用いられる列車運転曲線モニタリング装置に係
り、特に列車が理想的な運転をしているのかどうかを容
易に確認、認識できると共に、運転手の運転技術の向上
に利用し得るようにした列車運転曲線モニタリング装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、列車の運転を行なう際、運転手
は、信号（地上／車内）、その他による制限速度を考慮
して、力行、惰行、減速等をの運転操作を行なって列車
を運転するようにしている。

【０００３】この場合、制限速度は、従来ではポイント
あるいはある区間における値であり、デジタル表示ある
いはデジタル指示されている。また、路線条件は表示さ
れず、運転手の記憶に頼っているのが実情である。さら
に、現在走行中のデータは、現地点における速度が運転
席にデジタル表示されるだけである。

【０００４】従って、従来では、果たして列車が理想的
な運転をしているのかどうかを、運転手本人、および運
転に関連する人々が確認、認識する術がない。また、デ
ジタル値の指示に従った運転であるため、あるいは慣れ
ていない走行区間では路線条件を熟知していないため、
列車運転が急加速、急制動等の荒い運転になり易い可能
性がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来に
おいては、列車が理想的な運転をしているのかどうかを
確認、認識できないばかりでなく、運転手の運転技術の
向上を図る上で問題があった。

【０００６】本発明の目的は、列車が理想的な運転をし
ているのかどうかを容易に確認、認識できると共に、運
転手の運転技術の向上に利用することが可能な極めて信
頼性の高い列車運転曲線モニタリング装置を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明では、あらかじめ作成されている理想の運転
曲線のデータと路線条件とを記憶する理想運転曲線デー
タ記憶手段と、走行中の列車の速度を計測する速度計測
手段と、走行中の列車の走行時間を計測する時間計測手
段と、運転手のノッチイン／オフ、ブレーキ等の制御動
作を監視する運転制御監視手段と、速度計測手段からの
計測速度と時間計測手段からの計測時間と運転制御監視
手段からの監視データとに基づいて、現在走行中列車の
運転曲線のデータを作成する実績運転曲線作成手段と、
実績運転曲線作成手段により作成された走行中列車の運
転曲線のデータを記憶する実績運転曲線データ記憶手段
と、列車の運転席上に設置され、運転手の操作により運
転曲線出力の制御指令を入力する運転曲線出力制御入力
手段と、列車の運転席上に設置された出力手段と、運転
曲線出力制御入力手段からの運転曲線出力制御指令が入
力されると、理想運転曲線データ記憶手段に記憶された
理想運転曲線と実績運転曲線データ記憶手段に記憶され
た実績運転曲線とを出力手段に出力する運転曲線出力制
御手段とを備えて構成している。

【０００８】ここで、特に出力手段としては、運転曲線
を表示するＣＲＴモニタ、運転曲線を印字出力するプリ
ンタ、運転曲線を格納するフロッピーディスク、運転曲
線を格納するＩＣカードを用いるようにしている。

【０００９】

【作用】従って、本発明の列車運転曲線モニタリング装
置においては、運転席上に設置された出力手段であるＣ
ＲＴモニタ上に、あらかじめ作成しておいた理想の運転
曲線をグラフ表示し、運転指示をアナログ的に走行区間
単位（例えば、停車駅単位）に行なう。同じく、路線条
件を表示する。これと同時に、現走行中の運転曲線も表
示し、理想の運転曲線と実績の運転曲線との比較を行な
う。さらに、これら２本の運転曲線を出力手段であるプ
リンターで印字出力し、運転記録を作成することができ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。図１は、本発明による列車運転曲
線モニタリング装置の構成例を示すブロック図である。

【００１１】すなわち、本実施例の列車運転曲線モニタ
リング装置は、図１に示すように、理想運転曲線データ
記憶装置１と、速度計測装置２と、時間計測装置３と、
運転制御監視装置４と、実績運転曲線作成装置５と、実
績運転曲線データ記憶装置６と、運転曲線出力制御入力
装置７と、出力手段であるＣＲＴモニタ８およびプリン
タ９と、運転曲線出力制御装置１０とから構成してい
る。

【００１２】ここで、理想運転曲線データ記憶装置１
は、あらかじめ作成されている理想の運転曲線のデータ
と路線条件とを記憶するものである。また、速度計測装
置２は、走行中の列車の速度を計測するものである。さ
らに、時間計測装置３は、走行中の列車の走行時間を計
測するものである。

【００１３】一方、運転制御監視装置４は、運転手のノ
ッチイン／オフ、ブレーキ等の制御動作を監視するもの
である。また、実績運転曲線作成装置５は、速度計測装
置２からの計測速度と、時間計測装置３からの計測時間
と、運転制御監視装置４からの監視データとに基づい
て、現在走行中列車の運転曲線のデータを作成するもの
である。さらに、実績運転曲線データ記憶装置６は、実
績運転曲線作成装置５により作成された走行中列車の運
転曲線のデータを記憶するものである。

【００１４】一方、運転曲線出力制御入力装置７は、列
車の運転席上に設置され、運転手の操作により運転曲線
出力の制御指令を入力するものである。また、ＣＲＴモ
ニタ８は、列車の運転席上に設置され、運転曲線を表示
するものである。さらに、プリンタ９は、列車の運転席
上に設置され、運転曲線を印字出力するものである。さ
らにまた、運転曲線出力制御装置１０は、運転曲線出力
制御入力装置１０からの運転曲線出力制御指令が入力さ
れると、理想運転曲線データ記憶装置１に記憶された理
想運転曲線と実績運転曲線データ記憶装置６に記憶され
た実績運転曲線とを、ＣＲＴモニタ８およびプリンタ９
に出力するものである。次に、以上のように構成された
本実施例による列車運転曲線モニタリング装置の作用に
ついて説明する。

【００１５】図１において、まず、運転手は、列車の運
転を開始するに当たって、運転曲線出力制御入力装置７
から運転曲線出力制御指令を、運転曲線出力制御装置１
０に入力する。この場合、入力情報としては、走行区
間、列車種別、運転手名（識別コード）等がある。

【００１６】この運転曲線出力制御指令が入力される
と、運転曲線出力制御装置１０では、運転曲線データ記
憶装置１から該当する理想運転曲線データおよび路線条
件を取り出し、ＣＲＴモニタ８の表示画面上に、運転曲
線、路線条件、補助情報が出力表示される。

【００１７】一方、列車の運転開始（ノッチイン）によ
り、速度計測装置２では列車速度が測定され、また時間
計測装置３では走行時間が測定され、さらに運転制御監
視装置４では運転手がノッチインノオフ、ブレーキ等の
動作をするのが監視される。そして、運転曲線作成装置
５には、これらのデータがリアルタイムに取り込まれ、
これに基づいて距離が算出され、実際の走行運転曲線が
作成され、そのデータが実績運転曲線データ記憶装置６
にリアルタイムに格納される。

【００１８】また、運転曲線出力制御装置１０では、実
績運転曲線データ記憶装置６から実績の運転曲線データ
がリアルタイムに取り込まれ、ＣＲＴモニタ８の表示画
面上に、先に出力した理想の運転曲線に重ね合わせて、
実績の運転曲線がグラフ表示される。

【００１９】一方、運転手は、任意時に、運転曲線出力
制御入力装置７から、データプリントアウト指令を、運
転曲線出力制御装置１０に入力する。このデータプリン
トアウト指令が入力されると、運転曲線出力制御装置１
０からは、ＣＲＴモニタ８の表示画面上と同様のグラ
フ、および付属情報がプリンタ９に出力される（あるい
は、ＣＲＴモニタ８の表示画面のハードコピーがプリン
タ９に出力される）。

【００２０】図２は、運転席上に設置されたＣＲＴモニ
タ８の表示画面のイメージを示す図である。図２に示す
ように、横軸に距離を、縦軸に時間および速度をとり、
理想と実績の２本の運転曲線とノッチイン／オフ、ブレ
ーキ等の記号がグラフ表示される。なお、図２におい
て、実線が理想の運転曲線、点線が実績の運転曲線、一
点鎖線が制限速度をそれぞれ表わしている。また、その
他に、距離軸に沿って、勾配や曲線、信号位置等の路線
条件も表示される。さらに、走行区間、処車種別、査定
時間等の補助情報が、補助情報表示エリアＡ，Ｂに表示
される。

【００２１】上述したように、本実施例の列車運転曲線
モニタリング装置は、あらかじめ作成されている理想の
運転曲線のデータと路線条件とを記憶する理想運転曲線
データ記憶装置１と、走行中の列車の速度を計測する速
度計測装置２と、走行中の列車の走行時間を計測する時
間計測装置３と、運転手のノッチイン／オフ、ブレーキ
等の制御動作を監視する運転制御監視装置４と、速度計
測装置２からの計測速度と、時間計測装置３からの計測
時間と、運転制御監視装置４からの監視データとに基づ
いて、現在走行中列車の運転曲線のデータを作成する実
績運転曲線作成装置５と、実績運転曲線作成装置５によ
り作成された走行中列車の運転曲線のデータを記憶する
実績運転曲線データ記憶装置６と、列車の運転席上に設
置され、運転手の操作により運転曲線出力の制御指令を
入力する運転曲線出力制御入力装置７と、列車の運転席
上に設置され、運転曲線を表示するＣＲＴモニタ８と、
列車の運転席上に設置され、運転曲線を印字出力するプ
リンタ９と、運転曲線出力制御入力装置１０からの運転
曲線出力制御指令が入力されると、理想運転曲線データ
記憶装置１に記憶された理想運転曲線と実績運転曲線デ
ータ記憶装置６に記憶された実績運転曲線とを、ＣＲＴ
モニタ８およびプリンタ９に出力する運転曲線出力制御
装置１０とから構成したものである。

【００２２】従って、列車が理想的な運転をしているの
かどうかを容易に確認、認識できるため、理想の運転曲
線に近い滑らかな列車の運転を実現し易くすることが可
能となる。

【００２３】また、実地での運転教習の機能を併せ持つ
ことにより、従来のように列車運転が急加速、急制動等
の荒い運転になるようなことがなく、運転手の運転技術
の向上に利用することが可能となる。尚、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、次のようにしても同
様に実施できるものである。

【００２４】（ａ）上記実施例においては、出力手段と
して、ＣＲＴモニタ、およびプリンタを用いる場合につ
いて説明したが、これに限らず出力手段として、例えば
運転曲線を格納するフロッピーディスク、あるいは運転
曲線を格納するＩＣカード等を用いるようにしてもよ
い。この場合には、フロッピーディスク、あるいはＩＣ
カードに格納された運転曲線データを、運転手毎の習性
解析に利用することが可能となる。

【００２５】（ｂ）上記実施例において、列車事故時等
に、実績運転曲線データ記憶装置６の格納データを改め
て出力することにより、運転履歴に利用することが可能
となる。

【００２６】（ｃ）上記実施例において、理想運転曲線
と実績運転曲線の２つを同時に保存し、改めて出力する
ことにより、理想とする運転曲線の現場検証に利用する
ことが可能となる。

【００２７】（ｄ）上記実施例において、理想運転曲線
に対する実績運転曲線の差をとり、それを運転席上にデ
ジタル表示、あるいはランプ表示することにより、大幅
な違いを運転手にわかり易く表示することが可能とな
る。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、あ
らかじめ作成されている理想の運転曲線のデータと路線
条件とを記憶する理想運転曲線データ記憶手段と、走行
中の列車の速度を計測する速度計測手段と、走行中の列
車の走行時間を計測する時間計測手段と、運転手のノッ
チイン／オフ、ブレーキ等の制御動作を監視する運転制
御監視手段と、速度計測手段からの計測速度と時間計測
手段からの計測時間と運転制御監視手段からの監視デー
タとに基づいて、現在走行中列車の運転曲線のデータを
作成する実績運転曲線作成手段と、実績運転曲線作成手
段により作成された走行中列車の運転曲線のデータを記
憶する実績運転曲線データ記憶手段と、列車の運転席上
に設置され、運転手の操作により運転曲線出力の制御指
令を入力する運転曲線出力制御入力手段と、列車の運転
席上に設置された出力手段と、運転曲線出力制御入力手
段からの運転曲線出力制御指令が入力されると、理想運
転曲線データ記憶手段に記憶された理想運転曲線と実績
運転曲線データ記憶手段に記憶された実績運転曲線とを
出力手段に出力する運転曲線出力制御手段とを備えるよ
うにしたので、列車が理想的な運転をしているのかどう
かを容易に確認、認識できると共に、運転手の運転技術
の向上に利用することが可能な極めて信頼性の高い列車
運転曲線モニタリング装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による列車運転曲線モニタリング装置の
一実施例を示すブロック図。

【図２】同実施例におけるＣＲＴモニタ画面イメージの
一例を示す図。

【符号の説明】

１…理想運転曲線データ記憶装置、２…速度計測装置、
３…時間計測装置、４…運転制御監視装置、５…実績運
転曲線作成装置、６…実績運転曲線データ記憶装置、７
…運転曲線出力制御入力装置、８…ＣＲＴモニタ、９…
プリンタ、１０…運転曲線出力制御装置、Ａ，Ｂ…補助
情報表示エリア。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 あらかじめ作成されている理想の運転曲
   線のデータと路線条件とを記憶する理想運転曲線データ
   記憶手段と、 走行中の列車の速度を計測する速度計測手段と、 走行中の列車の走行時間を計測する時間計測手段と、 運転手のノッチイン／オフ、ブレーキ等の制御動作を監
   視する運転制御監視手段と、 前記速度計測手段からの計測速度と前記時間計測手段か
   らの計測時間と前記運転制御監視手段からの監視データ
   とに基づいて、現在走行中列車の運転曲線のデータを作
   成する実績運転曲線作成手段と、 前記実績運転曲線作成手段により作成された走行中列車
   の運転曲線のデータを記憶する実績運転曲線データ記憶
   手段と、 前記列車の運転席上に設置され、運転手の操作により運
   転曲線出力の制御指令を入力する運転曲線出力制御入力
   手段と、 前記列車の運転席上に設置された出力手段と、 前記運転曲線出力制御入力手段からの運転曲線出力制御
   指令が入力されると、前記理想運転曲線データ記憶手段
   に記憶された理想運転曲線と前記実績運転曲線データ記
   憶手段に記憶された実績運転曲線とを前記出力手段に出
   力する運転曲線出力制御手段と、 を備えて成ることを特徴とする列車運転曲線モニタリン
   グ装置。
2. 【請求項２】 前記出力手段は、運転曲線を表示するＣ
   ＲＴモニタであることを特徴とする請求項１に記載の列
   車運転曲線モニタリング装置。
3. 【請求項３】 前記出力手段は、運転曲線を印字出力す
   るプリンタであることを特徴とする請求項１に記載の列
   車運転曲線モニタリング装置。
4. 【請求項４】 前記出力手段は、運転曲線を格納するフ
   ロッピーディスクであることを特徴とする請求項１に記
   載の列車運転曲線モニタリング装置。
5. 【請求項５】 前記出力手段は、運転曲線を格納するＩ
   Ｃカードであることを特徴とする請求項１に記載の列車
   運転曲線モニタリング装置。