JPH0558116A - 自動二輪車用スタツドレスタイヤ - Google Patents

自動二輪車用スタツドレスタイヤ

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JPH0558116A
JPH0558116A JP3253134A JP25313491A JPH0558116A JP H0558116 A JPH0558116 A JP H0558116A JP 3253134 A JP3253134 A JP 3253134A JP 25313491 A JP25313491 A JP 25313491A JP H0558116 A JPH0558116 A JP H0558116A
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tire
sum
area
tread
tread portion
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Eiji Nakasaki
栄治 中崎
Masayuki Kato
雅之 加藤
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C2200/00Tyres specially adapted for particular applications
    • B60C2200/10Tyres specially adapted for particular applications for motorcycles, scooters or the like

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  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動二輪車用スタッドレスタイヤにおいて、一
般路面の走行性能及び雪上の走行性能を維持しつつ水上
における走行性能の向上を目的とする。 【構成】自動二輪車用タイヤにおいて、タイヤの接地領
域Sを通るブロック10にサイピング12を設けるとと
もに、前記サイピング12のタイヤ軸方向の長さを接地
領域を占めるブロック全体について総和したラテラルエ
ッジ成分の総和Σliは、前記接地領域Sにおける面積
100cm2 当たり60〜90cmであり、前記サイピング
の周方向の長さを接地領域を占めるブロック全体につい
て総和したサーカムエッジ成分の総和Σciは前記接地
領域Sにおける面積100cm2 当たり130〜160cm
であるとともに、トレッド部5のゴム硬度は−5°Cに
おいてJISA硬度で59〜68度としたことを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般路面の走行性能及
び雪上の走行性能を維持しつつ氷上の走行性能を高めう
る自動二輪車用スタッドレスタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】氷上を効果的に走行しうるタイヤとし
て、スパイクタイヤが知られている。しかしスパイクタ
イヤにあっては、一般路上の走行に際して、スパイクに
よって削り取るため路面が損傷し、又削ることによって
生じた粉塵を巻き上げることによって、環境を悪くする
という問題が生じ、その使用を自粛する方向に進んでい
る。従ってスパイクタイヤに代る商品の出現が要望され
ることとなった。
【0003】前記要望に対応して、乗用車用のタイヤで
は、スパイクのない、いわゆるスタッドレスタイヤも出
現はしているが、このものは、例えば乗用車用として低
内圧、低荷重のもとで使用することを前提としているた
め、サイピングの総長さが大であり、しかも軟いゴム材
によってトレッド部を形成しているため、氷面とトレッ
ド面間の粘着摩擦力(図5(A)に示す)及び路面堀り
おこし摩擦力(図5(B)に示す)によって氷上走行性
能を維持させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動二輪車用
タイヤは四輪車用タイヤとは異なり大きなバンク角をつ
けて旋回する必要があること、更に走行時に車両本体の
横転という問題もある。従って前記した乗用車用タイヤ
の構造をそのまま転用した場合には、トレッド部の剛性
が不足する結果、路面堀りおこし摩擦力が低下すること
となり、十分な氷上性能が得られないという問題があ
る。
【0005】発明者は前記問題点の解決を計るべく鋭意
研究の結果、サイピングの長さの総和をラテラルエッジ
成分とサーカムエッジ成分とに分解し、しかも各値を規
制とによって、氷上走行において横スベリを防ぎ方向安
定性を向上させ、トラクションを発揮しうることを見出
し、本発明を完成させたのである。
【0006】本発明は、サイピングのタイヤ軸方向長さ
の総和と、該サイピングのタイヤ周方向長さの総和とを
単位面積当たりについて一定の範囲に規制することによ
って、四輪車と異なった運動性能の要求される自動二輪
車用タイヤであっても、雪上性能、耐摩耗性、操縦安定
性を損なうことなく氷上走行性能を高め、前記問題点を
解決しうる自動二輪車用スタッドレスタイヤの提供を目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部は
その周面のタイヤ軸方向の形状がタイヤ赤道より両側に
向かってアーチ状に延び、その両端縁間のタイヤ軸方向
の距離がタイヤの最大巾をなすとともにトレッド部から
サイドウオール部を通りビード部のビードコアの周りを
折返すカーカスと、前記トレッド部の内側でかつ前記カ
ーカスの半径方向外周に配される複数枚のベルトプライ
からなるベルト層とを具える自動二輪車用スタッドレス
タイヤであって、トレッド部の周面にタイヤ円周方向に
のびる複数条の主溝と該主溝間を結ぶ複数条の副溝とを
設けることにより、前記主溝、副溝で囲まれる複数個の
ブロックを形成し、かつ前記ブロックに複数条のサイピ
ングを施すとともに、公称の最大内圧と最大荷重を加え
たときの接地状態において、前記サイピングのタイヤ軸
方向の長さを接地領域に位置するブロック全体について
総和したラテラルエッジ成分の総和(Σli)は、前記
接地領域(S)における面積100cm2 当たりに対して
130cm以上かつ160cm以下、前記セイピングの周方
向の長さを接地領域に位置するブロック全体について総
和したサーカムエッジ成分の総和(Σci)は、前記接
地領域(S)における面積100cm2 当たりに対して6
0cm以上かつ90cm以下であるとともに、トレッド部の
ゴムの硬度は−5℃において、JISA硬度で59度以
上かつ68度以下としたことを特徴とする自動二輪車用
スタッドレスタイヤである。
【0008】又トレッド部の周面は、標準のリムに装着
しかつ公称の最大内圧を付加した状態において、少なく
とも前記接地領域(S)はタイヤ赤道面を中心としたト
レッド曲率半径60cm以上かつ120cm以下のトレッド
曲率半径を有する円弧からなるとともに、ブロック部の
面積の総和である実接地面積(SL)と該ブロック部の
面積に主溝及び副溝が占める面積を加えた見掛けの接地
面積(SS)との比である(SL/SS)の値が0.5
以上かつ0.8以下とするのが望ましい。
【0009】
【作用】トレッド部の周面に、主溝と副溝とによって囲
まれる複数個のブロックを形成したため、雪上走行に際
して、該ブロックにより雪面に摩擦力を増大させうる凹
凸面が形成されることによって、スリップを防止でき、
雪上走行性能を保持できる。
【0010】又ラテラルエッジ成分とサーカムエッジ成
分を前記のごとく規制することによって、サイピングの
剛性を保持しつつサイピングによって氷を引っ掻くこと
ができ、氷上走行時において氷との間に安定した摩擦力
が確保でき、氷上での制動性能を高めうるとともに、氷
盤上においても旋回時の転倒を防止でき、安全性をさら
に向上しうる。
【0011】さらにトレッド部のゴム硬度を−5°Cの
低温時において規制することによって、雪上性能を低下
させることなく、耐摩耗性と操縦安定性とを確保しう
る。
【0012】このように本発明の自動二輪車用スタッド
レスタイヤは、前記した各構成が一体化され、雪上性能
及び通常路面における耐久性、操縦安定性を損なうこと
なく、氷上性能を高めうるため、特殊な運動性能の要求
される自動二輪車用タイヤとして好適に採用しうるので
ある。
【0013】なお接地面における実接地面積(SL)と
見掛けの接地面積(SS)との比を一定の範囲に規制し
た場合には、氷上性能を低下させることなく雪上性能と
耐摩耗性とを高めることが可能となる。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図において本発明の自動二輪車用スタッドレスタイ
ヤ1は、ビードコア2が通る両側のビード部3、3と、
該ビード部3からタイヤの半径方向外向きにのびるサイ
ドウォール部4、4と、その上端を継ぐトレッド部5と
を有し、又前記トレッド部5からサイドウォール部4を
通りビード部3の前記ビードコア2を周りを折返すカー
カス6と、前記トレッド部5内部にカーカス6のタイヤ
半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
【0015】前記トレッド部5の周面形状は、タイヤの
赤道Cよりタイヤ軸方向両側にアーチ状に延び、その両
端E、Eのタイヤ軸方向の距離TWがタイヤの最大巾を
なす。本実施例において、前記トレッド部5の周面は、
標準リムに装着しかつ公称の最大内圧を付加した状態に
おいて、タイヤ赤道C面を中心とした60cm以上かつ1
20cm以下のトレッド曲率半径TRを有する円弧によっ
て形成される。
【0016】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤの赤道Cに対して本実施例では60度〜90度の角度
で配列したいわゆるラジアル方向配列体であり、又カー
カスコードとして、ナイロン、ポリエステル、レーヨン
等の繊維コードを採用される。カーカスコードはトッピ
ングゴム中に埋設してカーカスプライを形成するととも
に、該カーカスプライを1〜2枚、本例では2枚のカー
カスプライ6A、6Bを重ね合わせて前記カーカス6を
形成する。
【0017】前記ベルト層7は、本実施例では、カーカ
ス6側からタイヤの半径方向外側に向かって2枚のベル
トフライ7A、7Bが配される。又ベルト層7は、夫々
のベルトフライ7A、7Bに傾斜して配されかつ互いに
交差するベルトコードを具え、該ベルトコードはカーカ
ス6と同様にナイロン、ポリエステル、レーヨン等の繊
維コードが用いられる。
【0018】トレッド部5には、その周面5Aに、周方
向にのびる複数条の主溝G…と、該主溝間を継ぐ副溝G
3とによって形成される複数個のブロック10…が配設
される。
【0019】本実施例では、前記主溝G…は、タイヤ赤
道Cに沿う第1の主溝G1と、該第1の主溝G1を挟ん
でその両側に配される第2の主溝G2、G2とを具え、
又前記副溝G3は、第1、第2の主溝G1、G2の間を
タイヤ軸方向に対して傾斜するとともに互いに平行して
配され、かつその両端部においては第1、第2の主溝G
1、G2に接続する。
【0020】又本実施例では、タイヤ周方向に隣り合う
副溝G3、G3間にタイヤ赤道Cに対してβの角度で傾
斜して該副溝G3、G3間を結びかつ前記第1、第2の
主溝G1、G2よりも小巾の継ぎ溝G4が設けられる。
【0021】このようにタイヤ周面5Aに主溝G1、G
2、副溝G3、継ぎ溝G4が形設されることにより、該
周面5Aに、主溝G1、2条の副溝G3、G3及び継ぎ
溝G4によって囲まれる内側のブロック10Aと、主溝
G2、2条の副溝G3、G3及び継ぎ溝G4によって囲
まれる外側のブロック10Bとが形設される。なお前記
内側のブロック10A、外側のブロック10Bを総称し
てブロック10という。
【0022】内側ブロック10Aは、図3、4に示すご
とく、第1の主溝G1に向きかつタイヤ赤道Cに略平行
な内側縁21と、前記継ぎ溝G4に向く外側縁22と、
該内側縁21、外側縁22の各1端を結ぶとともにタイ
ヤ赤道Cに対してαの傾きで傾斜する上側斜縁24と、
前記内側縁21、外側縁22の各他端を結ぶとともに上
側斜縁24と略平行な下側斜縁25とを有する。又内側
縁21の中央近傍に位置してタイヤ赤道C側に張出す突
出部30を具える。このように本実施例では、内側のブ
ロック10Aは、台形の四角形状をなす基部に1つの突
出部30を張出す多角形状をなす。
【0023】前記内側のブロック10Bは、第1の主溝
G1と継ぎ溝G4との間に配されかつ副溝G3を隔てて
並列させることにより、タイヤ赤道Cを挟む両側に2つ
の中央部のブロック群B1、B1が形成される。又第2
の主溝G2と継ぎ溝G4との間には前記内側のブロック
10Aと略同一形状をなしかつ該ブロック10Aとは、
上下左右の向きを逆向けの点対称に配列した外側のブロ
ック10Bが配設される。これらの外側のブロック10
Bが副溝G3を隔てて並列することにより側部のブロッ
ク群B2、B2が前記中央部のブロック群B1、B1の
両側に形成される。
【0024】このように複数個のブロック10A…及び
外側のブロック10B…を夫々向きを揃えて配列するこ
とにより第2の主溝G2、G2間のタイヤの周面に内側
のブロック10A、外側のブロック10Bがなすトレッ
ドパターンが形成される。
【0025】前記内側、外側の各ブロック10A、10
Bには複数本のサイピング12…が設けられる。本実施
例では、サイピング12は、3条からなりタイヤ赤道C
と略直角にのびる図中上方から第1のサイピング12
A、第2のサイピング12B、第3のサイピング12C
が設けられ、これらのサイピング12…は、何れも各ブ
ロック10A、10Bの縁部の間を連続している。
【0026】なお、外側のブロック10Bにも前記内側
のブロック10Aと同様に3条からなるサイピング12
A、12B、12C、が設けられる。
【0027】トレッド部5は、走行時において、図2
(A)、(B)に示すごとく路面と密接する一定の広が
りを有する接地領域Sが存在する。
【0028】接地領域Sは、通常路面の他、雪上及び氷
上路面においてタイヤに図5(A)に示すごとく摩擦力
Fを付与する部分であり、本願の目的とする氷上性能向
上もこの接地領域Sに大きく影響される。
【0029】なおブロック10にサイピング12…を設
けることは、図5(B)に示すごとく、サイピングエッ
ジKによって路面Hを堀りおこすことによって、摩擦力
を高めるのであって、氷上を走行する際には、サイピン
グ12を設けることによって摩擦力が高まり、氷上走行
性能を高めうるのである。しかし過度にサイピング12
を増すことはブロック10全体の剛性低下をもたらし得
策ではない。
【0030】本願では、タイヤにJIS等によって定め
られた公称の最大内圧を加えかつ公称の最大荷重を加え
た場合にタイヤが路面と接触する接地領域Sにおいて、
サイピング12のラテラルエッジ成分の総和Σliおよ
びサーカムエッジ成分の総和Σciをそれぞれ規制して
いる。ラテラルエッジ成分の総和Σliは接地領域Sに
おいて面積100cm2 当たり130〜160cmであり、
又サーカムエッジ成分の総和Σciは接地領域Sにおい
て100cm2 当たり60〜90cmの範囲にそれぞれ規制
している。
【0031】ここでラテラルエッジ成分の総和Σli及
びサーカムエッジ成分の総和Σciは、下記に述べる手
順で求めることができる。まず単体のブロック10につ
いて図4に示すごとく夫々のサイピング12A、12
B、12Cの長さの夫々のタイヤ軸方向成分l1
2 、l3 の総和la及び周方向成分c1 、c2 、c3
の総和Caを求める。同様に接地領域Sに位置するすべ
てのブロック10について、各サイピング12の夫々の
タイヤ軸方向成分長さの総和la、lb、lc…及びタ
イヤ周方向成分の長さの総和ca、cb、ccを逐次求
めるとともに、これらのタイヤ軸方向成分の長さ総和l
a,lb,lc…を加算した長さをもってラテラルエッ
ジ成分の総和Σliとし、又前記タイヤ周方向成分の長
さの総和ca、cb、ccを加算した長さをもってサー
カムエッジ成分の総和をΣciとする。
【0032】さらに前記ラテラルエッジ成分の総和Σl
iを100cm2当たりに換算することによりラテラルエ
ッジ成分度Σl100 を算出でき、又サーカムエッジ成分
の総和Σciを100cm2 当たりに換算することによっ
てサーカムエッジ成分度Σc100 を算出することが出来
る。
【0033】又ラテラルエッジ成分度Σl100 が130
cm未満の場合には、図5(B)に示すサイピングエッジ
K点での堀りおこし摩擦力が低下し、氷上制動性能が低
下する。他方160cmを越えるとブロック10自体の剛
性が低下し、操縦安定性に劣り氷上制動性能が低下す
る。又サーカムエッジ成分度Σc100 が60cm未満の場
合は同様にサイピングエッジK点での堀起こし摩擦力が
低下し、氷上における耐横スベリ性能に劣る。一方9cm
を越えるとブロック10、10′自体の剛性が低下し、
操縦安定性に劣りかつ氷上制動性の低下を招束する。
【0034】なお従来のスノータイヤにあっては、雪上
走行を目的とするため、トレッド溝による雪の剪断力を
高めることを意図しており、従ってこのようなスノータ
イヤにあっては、通常前記ラテラルエッジ成分度Σl
100 は、60〜90cmの値に設定されている。
【0035】又本発明にあっては、ブロック10は前記
図3に示す形状のものに限定されることなく、ラテラル
エッジ成分度Σ100 及びサーカムエッジ成分度Σc100
が前記した範囲内であるならばブロック形状は自由に設
定でき、さらには形状の異なる複数種類のブロックを組
み合わせて配列してもよい。
【0036】又トレッド部5はそれを構成するトレッド
ゴムの硬度を、ー5℃の温度においてJISA硬度で5
9度以上かつ68度以下としている。
【0037】前記硬度が62度未満ならばトレッド部5
は軟くなり、ブロック10の剛性が低下することによ
り、操縦安定性が低下する。又67度を越えると、ブロ
ック10の剛性が大となる結果、サイピング12…を具
えるにもかかわらずブロック10の変形量が少なく、サ
イピングエッジKによる氷の堀りおこしが小であって、
氷上制動力が低下する。
【0038】このように氷上性能は、ラテラルエッジ成
分度Σl100 及びカーカムエッジ成分度Σc100 とー5
℃の低温時におけるゴム硬度との相関関係にあり、両者
をともに一定の範囲に限定することによって、氷上性能
を高めることができるのである。
【0039】他方、雪上走行性能については、トレッド
ゴムの硬度が低くかつラテラルエッジ成分度Σl100
サーカムエッジ成分度Σc100 の値が上限に近くなるほ
ど良好であり、通常の路上走行における耐摩耗性及び操
縦安定性は、トレッドゴムの硬度が高く、かつラテラル
エッジ成分度Σl100 及びサーカムエッジ成分度Σc
100 が下限に近いほど良好となる。
【0040】従って氷上性能とともに雪上性能及び前記
耐摩耗性、操縦安定性を保持するためには、トレッドゴ
ムの硬度規制及び前記したラテラル及びサーカムエッジ
の両エッジ成分度の規制が必要となる。
【0041】又前記接地領域Sは、ブロック10、がな
す陸部と主溝G1、G2副溝G3及び継ぎ溝G4がなす
海部とによって形成される。
【0042】接地領域Sにおけるブロック10…の面積
の総和である陸部の面積を実接地面積SLとし、又実接
地面積SLに前記主溝G1、G2、副溝G3及び継ぎ溝
G4の部分の面積を加えた見掛けの接地面積SSとする
とともに、実接地面積SLと見掛けの接地面積との比S
L/SSの値を0.5以上かつ0.8以下としている。
【0043】実接地面積と見掛けの接地面積との比SL
/SSは雪上性能と耐摩耗性とに関連し、前記比が0.
5未満では陸部の面積が少なくなることにより、通常の
路面走行によるタイヤの耐摩耗が低下する。
【0044】又前記比が0.8をこえることによって、
海部の面積が減少し、雪上走行時において図5cに示す
如く雪を踏み固めることにより生じる雪柱の量が少くな
る結果、すべりが生じ易く走行能力を低下させるのであ
る。
【0045】なお本実施例では、第2の主溝G2とトレ
ッド端縁Eとの間に、ショルダ溝G5…により区切られ
たショルダブロック11…が設けられる。又ショルダブ
ロック11は、周方向に並設されることによりショルダ
ブロック群BSが形成される。
【具体例】タイヤサイズ2.75−14のタイヤについ
て、図1に示す構成を有しかつ表1に示す仕様にて実施
例1〜4のタイヤを試作し、性能をテストした。なお従
来のスノータイヤ、及び比較のためブロックパターン又
はトレッドゴムの硬度を異にした比較例1〜6のタイヤ
を試作し、併せて性能を比較テストした。
【0046】氷上制動性能、雪上性能、耐摩耗性、操縦
安定性について試験結果を表1に示す。
【0047】a) 氷上制動性能 試験車に速度計、制動距離測定及び試験タイヤを取付
け、氷盤によって形成された試験路面上を20km/Hの
定速度で走行させるとともに、2輪ロックにて急ブレー
キをかけ、車が停車するまでの制動距離を測定すること
によって、試験車の全重量、速度及び前記制動距離によ
り摩擦係数を算出した。表1に示す数値は、比較例1を
100とした相対値で示した。数字が大きいほど摩擦係
数が大きく、氷上制動性能が優れていることを示す。
【0048】b) 雪上性能 試験車を雪上で走行させドライバーのフィーリングによ
り判定するとともに比較例1を100とする指数で評価
した。数値が大きい程、良好であることを示す。
【0049】c) 操縦安定性 実車に装着し一般路上を走行し、ドライバーのフィーリ
ングにより前記雪上性能と同様に5点法を用いて比較例
1を3として評価した。3以上が良好である。
【0050】d) 耐摩耗性 実車に装着し、2000kmの強制摩耗テストを行った
後、トレッド面の摩耗状態を測定し、その測定値を比較
例1のものを100として指数で示した。数値が大きい
程摩耗が小であり、優れていることを示す。
【0051】このように実施例のものは、比較例のもの
に比べて氷上制動性能が優れ、又雪上性能、操縦安定
性、耐摩耗性も比較例のものと同等又はそれ以上である
ことが判明した。
【0052】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の自動二輪車用スタ
ッドレスタイヤは、タイヤ接地面におけるトレッド部の
周面に形成されたブロックにサイピングを設けるととも
に、そのサイピング単位面積当たりのラテラルエッジ成
分の総和及びサーカムエッジ成分の総和とトレッドゴム
の硬度とを規制したため、自動二輪車用タイヤであって
も、雪上性能を維持しつつ、従来のスノータイヤに比べ
て氷上性能を高めることができ、しかも一般道路におけ
る操縦安定性と耐摩耗性を確保でき、寒地における全天
候型用タイヤとして好適に採用しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】タイヤの接地領域を略示する図面であり、
(A)はその側面図、(B)はその底面図である。
【図3】接地領域を拡大して示す平面図である。
【図4】ブロックを示す平面図である。
【図5】(A)、(B)、(C)は何れもタイヤの摩擦
力を説明する線図である。
【符号の説明】
2 ビードコア 3 ビード部 4 サイドウオール部 5 トレッド部 6 カーカス 7 ベルト層 9 ベルトプライ 10、10A、10B ブロック 12 サイピング C タイヤ赤道 G1、G2 主溝 G3 副溝 L 接地長さ S 接地領域
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B60C 11/04 F 8408−3D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部はその周面のタイヤ軸方向の形
    状がタイヤ赤道より両側に向かってアーチ状に延び、そ
    の両端縁間のタイヤ軸方向の距離がタイヤの最大巾をな
    すとともにトレッド部からサイドウオール部を通りビー
    ド部のビードコアの周りを折返すカーカスと、前記トレ
    ッド部の内側でかつ前記カーカスの半径方向外周に配さ
    れる複数枚のベルトプライからなるベルト層とを具える
    自動二輪車用スタッドレスタイヤであって、トレッド部
    の周面にタイヤ円周方向にのびる複数条の主溝と該主溝
    間を結ぶ複数条の副溝とを設けることにより、前記主
    溝、副溝で囲まれる複数個のブロックを形成し、かつ前
    記ブロックに複数条のサイピングを施すとともに、公称
    の最大内圧と最大荷重を加えたときの接地状態におい
    て、前記サイピングのタイヤ軸方向の長さを接地領域に
    位置するブロック全体について総和したラテラルエッジ
    成分の総和(Σli)は、前記接地領域(S)における
    面積100cm2 当たりに対して130cm以上かつ160
    cm以下、前記セイピングの周方向の長さを接地領域に位
    置するブロック全体について総和したサーカムエッジ成
    分の総和(Σci)は、前記接地領域(S)における面
    積100cm2 当たりに対して60cm以上かつ90cm以下
    であるとともに、トレッド部のゴムの硬度は−5℃にお
    いて、JISA硬度で59度以上かつ68度以下とした
    ことを特徴とする自動二輪車用スタッドレスタイヤ。
  2. 【請求項2】トレッド部の周面は、標準のリムに装着し
    かつ公称の最大内圧を付加した状態において、少なくと
    も前記接地領域(S)がタイヤ赤道面を中心としたトレ
    ッド曲率半径60cm以上かつ120cm以下のトレッド曲
    率半径を有する円弧からなるとともに、ブロック部の面
    積の総和である実接地面積(SL)と該ブロック部の面
    積に主溝及び副溝が占める面積を加えた見掛けの接地面
    積(SS)との比である(SL/SS)の値が0.5以
    上かつ0.8以下とした特許請求の範囲第1項記載の自
    動二輪車用スタッドレスタイヤ。
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