JP2892152B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2892152B2
JP2892152B2 JP2333756A JP33375690A JP2892152B2 JP 2892152 B2 JP2892152 B2 JP 2892152B2 JP 2333756 A JP2333756 A JP 2333756A JP 33375690 A JP33375690 A JP 33375690A JP 2892152 B2 JP2892152 B2 JP 2892152B2
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利夫 小山
正美 安倍
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、横すべり性、耐ワンダリング性を高め氷雪
路における走行性を向上するとともに耐偏摩耗を高め耐
久性の向上を図りうる空気入りタイヤに関する。
〔従来の技術〕
氷結路面、積雪路面を走行するには、従来タイヤにチ
ェーンを装着し、又はスパイクを打ち込んだスパイクタ
イヤが用いられて来た。しかし近年、スパイクによる路
面損傷と、路面が削られることによって粉塵が舞上がる
ことによって、スパイクタイヤ及び硬いスパイクを用い
たチェーンの装着は自粛の方向に進んでおり、スパイク
がないいわゆるスタッドレスタイヤが普及しつつある。
このようなスタッドレスタイヤにあっては、前記スパ
イクタイヤに比べて氷雪路面での走行性能が劣り、特に
氷雪路面で旋回する際に横すべりが生じ易いという問題
がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のスタッドレスタイヤでは、主として氷雪路にお
ける直進性能の向上を主目的としており、このためタイ
ヤトレッド面にあっては、その中央部とトレッドショル
ダ部との周長さが相違することによってトレッドショル
ダ部のスリップが発生するが、このスリップによって生
じる偏摩耗及びワンダリング現象を防止することが種々
試みてきた。
例えば第6図(a)に示すごとく、ショルダブロック
aに横方向にのびるサイピングs…と、トレッド端の傾
斜部kに縦小溝gを周回させたものが存在する。この構
造のものはショルダブロックaの剛性を若干低下させ、
乾燥路におけるワンダリングを防止しうるが氷雪路上に
おける横すべりを抑止しうるものではなかった。
又第6図(b)に示すごとく多数本のサイピングsを
小間隔で設けることも試みられたが、ショルダブロック
aのタイヤ周方向に対する剛性が低下しワンダリングは
減少するもののタイヤ軸方向に作用する力に対して効果
がなく耐横すべり性の向上には程遠いものであった。し
かもトレッド両端部近傍においてブロックのサイピング
前後にトウアンドヒールの偏摩耗が多発するという問題
がある。
又特開昭56−21905号に開示しかつ第6図(c)に示
すごとくショルダブロックaに複数本の横向きのサイピ
ングsとトレッド端縁e近傍で周回する1本の縦小溝g
とを設けたものも提案されてはいるが前記サイピングs
によってワンダリングを抑制する一方、コーナリングフ
オース等の横方向から加わる作用力に対して前記縦小溝
gによって踏張りが生じ横すべりは若干減少する。しか
し前記提案のものはタイヤ周方向、即ち直進時における
駆動力、制動力を高めるのを意図しており、耐横すべり
性は特に考慮されておらず不十分である。
このように従来の氷雪路用のタイヤにあっては、旋回
時の横すべり性については配慮に欠けるところがあっ
た。
発明者らは、耐横すべり性と耐ワンダリング性を高め
かつ耐偏摩耗性の向上を図るべく鋭意研究の結果、ショ
ルダー端近傍に設置位置を規制して2条の縦溝を設け、
併せて該ショルダブロックにサイピングをその設置位置
及び条数を規制して設けることにより耐横すべり性、耐
ワンダリング性を高めかつ耐偏摩耗性を向上しうること
を見出したのである。
本発明は、トレッドショルダ部に周方向にのびる2本
の縦副溝を設けかつ副溝の内側に位置するブロックに本
数を規制したサイピングを条設することを基本としてワ
ンダリング性と横滑り性とをともに向上し、かつ耐偏摩
耗を高め耐久性を向上しうる空気入りタイヤの提供を目
的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、各トレッドショルダー部にタイヤ周方向に
連続するとともにトレッド巾(TW)の0.2倍以上かつ0.3
倍以下の距離をタイヤ赤道から隔てて配される縦ショル
ダー溝(G1)、該ショルダー溝(G1)と交差しトレッド
端縁(E)にのびる複数の横溝(G2)及びトレッド端縁
(E)から3mm以上かつ6mm以下の距離をタイヤ赤道側に
隔てる外側点(P)と該トレッド端縁(E)から前記ト
レッド巾(TW)の0.04倍以上かつ0.1倍以下の距離をタ
イヤ赤道側に隔てる内側点(Q)との間の領域(M)内
に配されかつタイヤ周方向にのび前記横溝(G2)で開口
するタイヤ赤道側の内の縦副溝(G3)とトレッド端縁
(E)側の外の縦副溝(G4)とからなる2本の縦副溝か
らなる縦副溝群とを設けることにより、前記各トレッド
ショルダー部に前記縦ショルダー溝(G1)、横溝(G2)
及び内の縦副溝(G3)によって囲まれる内のブロック
(B1)からなる内のブロック列と、前記横溝(G2)、
内、外の縦副溝(G3)、(G4)によって囲まれる中間の
ブロック(BM)からなる中間のブロック列と、外の縦副
溝(G4)、横溝(G2)及びトレッド端縁(E)に沿う外
のブロック(B0)からなる外のブロック列とを形成する
とともに、前記内のブロック(BI)、中間のブロック
(BM)、外のブロック(BO)のタイヤ子午線方向のトレ
ッド表面は、滑らかに連続し450〜700mmの曲率半径から
なる円弧からなる凸曲面に形成され、しかも前記トレッ
ド端縁は前記表面とショルダー壁面とが交差角を有して
交わるスクエアーショルダーによって形成される一方、
前記内のブロック(NI)に、前記縦ショルダー溝(G1)
と内の縦副溝(G3)とを結ぶ1本以上かつ5本以下のサ
イピング(S)を隣り合うサイピング(S)間の間隔を
8mm以上かつ16mm以下として設け、しかも中間のブロッ
ク列の中間のブロック(BM)と外のブロック列の外のブ
ロック(BO)とは、前記横溝(G2)間で連続させてなる
空気入りタイヤである。
又前記内、外の縦副溝(G3、G4)は、それぞれの溝深
さ(D1)が前記縦ショルダ溝(G1)の溝深さ(D0)の0.
3倍以上かつ1.20倍以下、溝巾(WG)が2.0mm以上かつ4.
5mm以下とするのが望ましい。
〔作用〕
トレッドショルダー部にトレッド端縁Eを起点とする
トレッド端縁E近傍の規制された領域M内に配される2
本の縦副溝を設けたため、該縦副溝の縁部がタイヤ周方
向のエッジを形成し、旋回時のコーナリングフオースを
含むタイヤ軸方向に対する作用力に対して領域Mにおい
てグリップするため、旋回時におけるタイヤの横すべり
を阻止することが出来る。又縦副溝を2本に限定するこ
とによって、前記領域のタイヤ軸方向の剛性低下を阻止
し、直進、旋回時における操縦安定性を確保しうる。
又サイピングSは内のブロックBIの縦ショルダ溝G1と
内の縦副溝G3との間を横断するため、中間のブロックB
M、外のブロックBOはサイピングはなく従って中間、外
のブロックBM、BOは周方向の剛性を保持する一方、氷雪
路面における内のブロックBIの追従が極めて容易とな
り、前記耐横すべり性を一層向上するとともに、併せて
直進走行時の起動力、制動力を高め氷雪路における走行
性能をバランスよく向上しうる。
さらにサイピングSをブロック当たり5本以下とした
ため、偏摩耗及びサイピングSから生じるブロックの欠
けを防止でき、トレッド部の耐久性を向上する。
しかも内、中間、外の各ブロック(BI、BM、BIのトレ
ッド表面が450〜700mmの凸曲面からなりかつトレッド端
縁がスクエアーショルダーとして形成されているため、
従来発生しがちであったトレッド端縁における偏摩耗の
発生を防止する。
このように本願発明は、前記構成の縦副溝とサイピン
グとトレッドショルダー部におけるトレッド表面の形状
とが有機的に結合しかつ一体化することによりワンダリ
ング性と横滑り性とをバランスよく向上しかつ耐偏摩耗
性を高め耐久性を向上することができるのである。
〔実施例〕
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
第1〜3図において空気入りタイヤ1は、トレッドシ
ョルダー部SHにタイヤ周方向に連続する縦ショルダー溝
G1と、該縦ショルダー溝G1と交差しトレッド端縁Eにの
びる複数の横ショルダー溝G2…と、トレッド端縁近傍に
配され、タイヤ周方向にのびるとともに、前記横溝G2、
G2で開口する内の縦副溝G3、外の縦副溝G4の2本の縦副
溝3からなる縦副溝群4とを具える。
従って、トレッドショルダー部SHには、前記縦ショル
ダー溝G1、横溝G2、G2及び内の縦副溝G3によって囲まれ
る内のブロックBIからなる内のブロック列LIと、前記横
溝G2、G2及び内外の縦副溝G3、G4によって囲まれる中間
のブロックBMからなる中間のブロック列LM及び外の縦副
溝G4、横溝G2、G2及びトレッド端縁Eに沿う外のブロッ
ク列L0とを有し、これらの各ブロックBI、BM、BOによっ
てトレッドショルダー部にショルダーパターンが形成さ
れる。
トレッドショルダー部SHは、タイヤ赤道Cが通るトレ
ッド中央部CEの両側に位置し、該トレッド中央部CEとと
もにトレッド部12を形成する。又トレッド中央部CEには
本実施例では略タイヤ赤道C上に縦中央溝GMと、該縦中
央溝GMと前記縦ショルダー溝G1との間にはタイヤ子午線
方向にのびる中央の横溝GP…が設けられ、トレッド中央
部CEにはこれらの溝GM、G1、GPによって囲まれる中央ブ
ロックBCからなる中央ブロック列LCが形成される。
なお本実施例では前記縦ショルダー溝G1、横ショルダ
ー溝G2、縦中央溝GM及び中央の横溝GPはともに溝深さDO
を同一としている。又空気入りタイヤ1は、前記トレッ
ド部12の両端からタイヤ半径方向内方にのびるサイドウ
オール部13、13と、該サイドウオール部13の半径方向内
端に位置するビード部15、15とを有し、各ビード部15、
15に設けるビードコア16、16間には、上記サイドウオー
ル部13、13、トレッド部12を通るトロイダル状のカーカ
ス17が架け渡されるとともに、その半径方向外側かつト
レッド部12内にベルト層19を配している。
前記カーカス17は、カーカスコードをタイヤの赤道C
に対して本実施例では80度〜90度の角度で配列したいわ
ゆるラジアル又はセミラジアル方向配列体であり、又カ
ーカスコードとしてスチールコードの他にナイロン、ポ
リエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の繊維コー
ドが採用される。
前記ベルト層19は、本実施例ではカーカス17側からタ
イヤの半径方向外側に向かって3枚のベルトプライが配
される。
又ベルト層19は、夫々のベルトプライに傾斜して配さ
れかつ互いに交差するベルトコードを具え、該ベルトコ
ードはスチールの他、カーカス17と同様にナイロン、ポ
リエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の繊維コー
ドが用いられる。
前記縦ショルダー溝G1は、トレッド端縁E、E間のタ
イヤ軸方向の距離であるトレッド巾TWの0.2倍以上かつ
0.3倍以下の距離をタイヤ赤道Cから隔てて配される一
方、前記縦副溝群4は、トレッド端縁Eから3mm以上か
つ6mm以下の距離をタイヤ赤道C側に隔てる外側点P
と、トレッド端縁Eから前記トレッド巾TWの0.04倍以上
かつ0.1倍以下の距離W2をタイヤ赤道側に隔てる内側点
Qとの間の領域Mに配される。
このように縦副溝群4は、トレッドショルダー部SHの
トレッド端縁E近傍にかつトレッド端縁Eから距離を隔
てて配されている。
縦副溝群4は、タイヤ赤道C側の内の縦副溝G3と、ト
レッド端縁E側の外の縦副溝G4とからなり、該内、外の
縦副溝G3、G4は、図に示すように、夫々前記縦ショルダ
ー溝G1、横溝G2より巾狭の細溝状をなし、トレッド端縁
Eと略平行にタイヤ周方向かつ直線にのび、その両端は
前記横溝G2、G2で開口している。
又前記トレッド部12は、トレッドショルダー部SHにお
いて、前記内のブロックB1、中間のブロックBM、外のブ
ロックBOの各トレッド表面Fは滑らかに連続し、曲率半
径が450mm以上かつ700mm以下の曲率半径TRからなる凸曲
面に形成される。
又前記トレッド端縁Eは、前記トレッド表面Fとサイ
ドウオール部13からのびるバットレス壁面(W)とが交
差角を有して交わるいわゆるスクエアーシヨルダーとし
て形成される。
このようにトレッド端縁Eをスクエアーシヨルダーと
して形成することにより、氷行路における横滑りを抑制
し、氷雪路上における走行安定性を高めうるとともに肩
落摩耗を防止する。
前記内、外の縦副溝G3、G4は、夫々の溝深さD1、D1を
前記縦ショルダ溝G1の溝深さDOの0.3倍以上かつ1.2倍以
下とする。又前記内、外の縦副溝G3、G4の各溝巾WG、WG
を2.0mm以上かつ4.5mm以下とすることが好ましい。なお
縦ショルダ溝G1の溝底に高、低差がある場合には、最も
深い位置における溝深さDOを基準とする。さらに前記溝
深さD1、溝巾WGについては本実施例では内、外の縦副溝
G3、G4は溝深さD1、溝巾WGをともに同一寸法としている
が、内、外の縦副溝G3、G4の間で溝深さD1又は溝巾WGを
前記範囲内で違えてもよい。
又内、外の縦副溝G3、G4の夫々の溝深さD1に浅、深不
同がある場合にあっても、その溝深さD1は縦ショルダ溝
G1の溝深さDOに対して前記範囲内にあることが望まし
い。さらに縦副溝G3、G4の全長の30%以下の範囲におい
て前記下限値の50%の溝深さが確保しうるならば支障は
ない。
前記領域Mにおいて、その外側点Pのトレッド端縁E
からの距離W3を3mm未満とした場合には外のブロックBO
のトレッド端縁E近傍の剛性が著しく低下し偏摩耗が生
じる一方、6mmをこえると外のブロックBOの剛性が高ま
り横すべりが発生する。又内側点Qのトレッド端縁Eか
らの距離W2がトレッド巾TWの0.1倍を超えて内側とした
場合にはトレッド端縁E近傍におけるショルダブロック
2の剛性が高まり、横すべりが生じるとともに、ワンダ
リング性が低下する。逆に内側点Qを0.04倍未満とした
場合には、前記内、外の縦溝G3、G4の間隔が狭くなる結
果、中間のブロックBM、外のブロックBOが巾狭となりこ
れらのブロックBM、BOの剛性が低下し偏摩耗が生じる。
又前記溝深さDOが縦ショルダ溝G1の0.3倍未満になれ
ば前記領域Mの剛性が高まり、タイヤ軸方向のグリップ
力が低下することによって横すべり性が生じることがあ
り逆に1.2倍をこえると、前記領域Mの剛性低下が烈し
く、操縦安定性の低下、偏摩耗の発生する恐れがあり、
しかも横すべりが生じる。
又溝巾WGが2.0mm未満ではショルダブロック2にタイ
ヤ軸方向の力が作用した場合、向き合う溝側壁が当接す
る場合があるため、横すべりを抑制し得ないことがあ
り、又4.5mmをこえると偏摩耗が生じることにより耐久
性を損なうとともに、中間、外のブロックBM、BOが巾狭
となりその剛性の過度の低下により横すべりが生じる。
従って溝深さD1、溝巾WGを前記範囲とするのが好まし
い。
領域M内の前記縦副溝の条数が1本ではタイヤ軸方向
の作用力に対してグリップが不足し、氷雪路において旋
回する際に横すべりが生じ、又キャンバースラストが低
くなりわだちの乗り越しが困難となる。他方、3本をこ
えるとショルダブロック2のタイヤ軸方向の剛性が小と
なり、操縦安定性が低下する。
又前記縦副溝G3、G4は、その溝巾WGは第4図(a)に
示すごとく、該縦副溝G3、G4の夫々の長さの20%以下の
範囲で局部的に広がり部WLを設けてもよく、又縦副溝G
3、G4が第4図(b)に示すごとく波状に形成すること
もでき、さらに第4図(c)にごとく溝底と溝開口部と
において折れ曲がり角度が異なるジグザグ溝として形成
できる他、梯形、三角形状など種々な溝形状からなる縦
副溝G3、G4の採用を可能とする。
なお縦副溝G3、G4の溝深さ方向の傾きはトレッド部12
のトレッド表面Fに対する鉛直線Nに対して±5゜の傾
き角度θ以下、好ましくは鉛直線N方向とするのが耐横
すべり性を確保するためにはよい。
又内のブロックBIには、前記縦ショルダ溝G1と前記内
の縦副溝G3との間を結ぶ1本以上かつ5本以下、本実施
例では3本のサイピングS…が設けられる。
サイピングSは、本実施例では内のブロックBIの略中
央かつ横溝G2と平行に伸直にのびる中央サイピングSMと
該中央サイピングSMの両側に配され、Z字状に折曲がる
一対の側部のサイピングSE、SEとからなり、中央サイピ
ングSMと側部SEとの間隔、即ち隣り合うサイピングS、
Sの間隔を8mm以上かつ16mm以下としている。
サイピングSの深さD2は、前記内の縦副溝G2の溝深さ
D1の0.5倍以上かつ1.0倍以下、又その溝巾WGは0.3mm以
上かつ1.5mm以下とするのが好ましい。又前記サイピン
グSの溝深さD2は縦副溝G3、G4と同様に局部的に浅い個
所があってもよく、又その溝巾WGは局部的に広がる部分
が存在するのは支障がない。
このようにサイピングSは、内のブロックB1のみに設
けられかつ内の縦副溝G3を溝端としているため、中間の
ブロックBM、外のブロックBOにはサイピングが存在しな
いため、トレッド端縁E近傍に生じがちな偏摩耗の発生
を防止することができる。
1つの内のブロックB1において、サイピングSの本数
が5本をこえる、又はサイピング間隔が8mm以下となる
と、内のブロックB1の剛性が低下し、偏摩耗が生じ、又
サイピングSからブロック割れが生じることがある。逆
にサイピングSを設けない場合、又はサイピングS間の
間隔が16mmをこえた場合には、内のブロックB1の剛性が
大となり、走行時に横すべりが生じる。
このように本願構成のサイピングSは、前記縦副溝群
4と協働してショルダブロック2のタイヤ軸方向の剛性
を適正とし、氷雪路を走行する際、特に旋回時において
横すべりを減じうるとともに偏摩耗の発生を抑止するこ
とができる。
〔具体例〕
タイヤサイズが11.00R20 14PRかつ第1、2図に示す
構成を具えたタイヤ(実施例1〜4)について、第1表
に示す仕様にて試作し、その性能をテストした。なお比
較のため、従来の構成によるもの(比較例1、2)、本
願構成外のもの(比較例3〜7)についても併せて試作
しテストを行っ た。
テスト方法は下記条件による。
イ) キャンバースラスト 操縦性試験機を用いて、タイヤ内圧7.25KSC、荷重2.8
40kgキャンバー角6゜の条件のもとに測定した。正側に
数値が大きいほど良好である。
ロ) 保舵力 試供タイヤに7.25KSCの内圧を加え2−D型トラック
に装着するとともに、ドライバーによる実車走行のフィ
ーリングにより判定するとともに実施例3を100とする
指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
ハ) 耐リブテイア性 実車走行でタイヤを縁右にこすりつけて発生の状況を
調査するとともに、実施例3を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好である。
ニ) 肩落ち摩耗 試供タイヤを、実車に装着するとともに、JISに規定
する荷重の条件のもとで、100%舗装路を平均80km/Hで6
0,000km走行させ、縦ショルダー溝G1と縦副溝G3、G4の
走行前の溝深さを測定し、走行前後の測定値の差を摩耗
量とし、その逆数を実施例3を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好であることを示す。
ホ) 氷雪上性 ニ)項に示す肩落ち摩耗試験と同一条件により実車に
装着し、氷雪上の制動試験と登板試験とを併せて行っ
た。
1)制動試験 試験車に速度及び制動距離測定装置及び試験タイヤを
取付、試験路面(普通圧雪、氷盤上)において一定の初
速度で走行させ、一定位置において急ブレーキをかけて
試験車を停車させて車が停止する迄の制動距離を測定し
た。
2)登板試験は勾配が4%及び7%の2本のレーンでお
こない、登板路(普通圧雪)で一旦停止させた試験車を
発進させ、発進可否を確認した。
登板加速タイム計算方法は、ゼロ発進加速方法で試験
車を停止状態より発進させ、50m区間の登板加速タイム
を計測した、このときギヤは2連とした。
路面の説明 普通圧雪 降雪をタイヤローラーやダンプカーで踏み固
めた路面。
(スタッドレスタイヤで摩擦係数0.3前後) 氷盤 実路に近いアイスバーンを目標として圧雪上に
状に水を徹布し、さらにタイヤローラーで転圧して、凍
結させた路面。
(スタッドレスタイヤで摩擦係数0.11前後) なお評価に際して、制御試験における前記制動距離の
逆数を実施例3を100とする指数で表し、かつ登坂試験
は、登板加速タイムの逆数を実施例3を100とする指数
で表すとともに、両者の平均値を第1表に示した。数値
が大きい程良好である。
上記各テストの結果、実施例のものは比較例のものに
比べてキャンバースラストが高く、保舵力が良好である
ためワンダリング性、横滑り性をともに向上し、かつ耐
リブテイア性、肩落ち摩耗に対して優れることにより耐
摩耗性が向上するとともに、氷雪路における操縦安定性
が高まることが確認出来た。
又第5図(a)、(b)に示す如く、実施例3のもの
は、比較例1、2に比べてキャンバー角CAに対するキャ
ンバー・スラストCTが正側に大きくなり、耐横すべり性
が優れていることが併せて確認出来た。
〔発明の効果〕
叙上のごとく本発明の空気入りタイヤは、トレッドシ
ョルダー部にトレッド端縁から規制された範囲に2本の
縦副溝と、縦ショルダー溝と縦副溝との間の内のブロッ
クに本数と間隔を規制したサイピングを設けることを要
旨としているため、ワンダリング性と横滑り性とをとも
に構造し、氷雪路における操縦安定性を高めるととも
に、耐偏摩耗性を高め耐久性を向上しうる。
なお、本発明は、新品タイヤのみならずトレッド部を
更正したソリッドタイヤにあっても適用しうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のタイヤトレッド部を展開し
て示す平面図、第2図はそのX−X線断面図、第3図
(a)はトレッドショルダー部を示す斜視図、第3図
(b)はその縦副溝を拡大して示す断面図、第4図
(a)〜(c)は縦副溝の他の例を示す平面図、第5図
(a)はキャンバー・スラストとキャンバー角との関係
を示す線図、第5図(b)はその作用を略示する側面
図、第6図(a)〜(c)は従来技術を示す斜視図であ
る。 3……縦副溝、4……縦副溝群、 B1……内のブロック、BM……中間のブロック、 BO……外のブロック、C……タイヤ赤道、 D1、DO……溝深さ、E……トレッド端縁、 F……トレッド表面、G1……縦ショルダー溝、 G2……横溝、G3……内の縦副溝、 G……外の縦副溝、L1……内のブロック列、 LM……中間のブロック列、 LO……外のブロック列、M……領域、 N……鉛直線、P……外側点、Q……内側点、 S……サイピング、SH……トレッドショルダー部、 TR……曲率半径、W……壁面、WG……溝巾、 TW……トレッド巾。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−265705(JP,A) 特開 昭62−18305(JP,A) 特開 昭56−21905(JP,A) 特開 昭60−179304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 11/00 - 11/01 B60C 11/11 - 11/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各トレッドショルダー部にタイヤ周方向に
    連続するとともにトレッド巾(TW)の0.2倍以上かつ0.3
    倍以下の距離をタイヤ赤道から隔てて配される縦ショル
    ダー溝(G1)と、該ショルダー溝(G1)と交差しトレッ
    ド端縁(E)にのびる複数の横溝(G2)及びトレッド端
    縁(E)から3mm以上かつ6mm以下の距離をタイヤ赤道側
    に隔てる外側点(P)と該トレッド端縁(E)から前記
    トレッド巾(TW)の0.04倍以上かつ0.1倍以下の距離を
    タイヤ赤道側に隔てる内側点(Q)との間の領域(M)
    内に配されかつタイヤ周方向にのび前記横溝(G2)で開
    口するタイヤ赤道側の内の縦副溝(G3)とトレッド端縁
    (E)側の外の縦副溝(G4)とからなる細溝状の2本の
    縦副溝からなる縦副溝群を設けることにより、 前記各トレッドショルダー部に前記縦ショルダー溝(G
    1)、横溝(G2)及び内の縦副溝(G3)によって囲まれ
    る内のブロック(BI)からなる内のブロック列と、前記
    横溝(G2)、内、外の縦副溝(G3)、(G4)によって囲
    まれる中間のブロック(BM)からなる中間のブロック列
    と、外の縦副溝(G4)、横溝(G2)及びトレッド端縁
    (E)に沿う外のブロック(B0)からなる外のブロック
    列とを形成するとともに、 前記内のブロック(BI)、中間のブロック(BM)、外の
    ブロック(BO)のタイヤ子午線方向のトレッド表面は、
    滑らかに連続し450〜700mmの曲率半径からなる円弧から
    なる凸曲面に形成され、しかも前記トレッド端縁は前記
    表面とショルダー壁面とが交差角を有して交わるスクエ
    アーショルダーによって形成される一方、 前記内、中間、外のブロック(BI、BM、BO)のうち、内
    のブロック(BI)のみに、ブロックをタイヤ軸方向に横
    切る1本以上かつ5本以下のサイピング(S)を隣り合
    うサイピング(S)間の間隔を8mm以上かつ16mm以下と
    して設け、しかも中間のブロック列の中間のブロック
    (BM)と、外のブロック列の外のブロック(BO)とは、
    前記横溝(G2)間で分断されることなく連続させてなる
    空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記内、外の縦副溝(G3、G4)は、それぞ
    れの溝深さ(D1)が前記縦ショルダ溝(G1)の溝深さ
    (D0)の0.3倍以上かつ1.20倍以下、溝巾(WG)が2.0mm
    以上かつ4.5mm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の空気入りタイヤ。
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