JPH0557676A - クツシヨン材耳部の自動切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一括供給された平板状不織布製クッション材
の耳部を所定寸法に精度良く連続して切断する。 【構成】 マットマガジンに積層された最下段の不織布
製クッション材のみを切出し口方向へ送り出す凸状のマ
ット押しレバーを備えた供給装置と、該切出し口に連接
されて表面に複数の針を凸設した直針ローラを多段に配
置してなる送りコンベアと、この送りコンベアの両側に
固設され不織布製クッション材の両耳を切断する縦切り
カッター装置と、前記送りコンベアに横架した走行レー
ル上を往復動する横切りカッター装置をそれぞれ設けて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、連続的に平板状クッシ
ョン材、例えば、不織布製クッション材、ポリウレタ
ン、発泡体等の耳部を所定寸法に切断するクッション材
耳部の自動切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、マットレスとしてはポリウレタン
フォーム等のプラスチックフォームや厚手の不織布等の
繊維構造物のクッション材を詰物としたものや、スプリ
ングを内包したものが広く用いられている。この中でも
ポリエステル製不織布を用いたものは、通気性，軽量等
の利点を有し、病院等で用いられている。このポリエス
テル短繊維を用いたマットレスは、一般に次の様にして
製造される。バインダーとして用いる熱融着繊維とポリ
エステル短繊維を混綿機にて混合し、これをカード機に
供給してウェブを作成し、このウェブをクロスラッパー
にて複数枚重ね合わせ所望の厚みのウェブをロールに巻
き取る。その後、このロール状のウェブを熱処理機にか
けてバインダーを溶かしエステル綿を相互にからませ接
着させる。次に、このロール状のウェブを所定寸法づつ
繰り出しながら切断し、これを積重装置にて所定のマッ
トレスの厚さになるまで積層する。そして、この積層さ
れたマットレスを釜の中で熱セットを行ない、バインダ
ーを溶かして積層したウェブ同士を接着させる。

【０００３】したがって、出来上った状態のマットレス
は、ウェブの積層により４隅が凹凸状態となっているた
め、製品にするには、４隅を切断し、所定製品寸法に仕
上げなければならない。従来、この平板状物の切断装置
として、ループ状のバンドカッターを用いたものがあ
る。これは、テーブルの上に被切断物である平板状物を
載せ、切断寸法に設定した後、テーブルを動かしてテー
ブル上の平板状物をバンドカッターにて切断していくも
ので、切断後、該平板状物の向きを変えながら各辺ごと
寸法を合わせながら切断していく。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
装置は、次の様な問題点があった。 （１）各辺を切断するに際し、各辺ごとに平板状物の向
きを変えながら切断しなければならない為、手間がかか
り生産性が低かった。 （２）又、切断する場合、該平板状物を動かない様に保
持しておかなければならないだけでなく、所定切断寸法
に合わせる作業等、神経を使う作業であり、長時間作業
すると、ミスが生じ易く寸法安定性に問題があった。

【０００５】（３）更に、作業者がバンドカッターへ向
って作業するため、安全性についても問題が多かった。 本発明は、前述した従来技術の問題点に鑑みなされたも
ので、供給台に平板状物を複数枚供給しておけば、自動
的に一枚宛切出し一定寸法に切断することの出来るクッ
ション材耳部の自動切断装置を供給することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的は、積層した
平板状クッション材を１個宛切出し、連続的にその耳を
切断する装置であって、該クッション材の供給側は開放
され、それと対向する出口側下方は１枚分のクッション
材が通過できる切出し口を有するガイドを立設し、積層
された最下段のクッション材のみを前記切出し口方向へ
送り出す送り機構を有する供給装置と、前記切出し口に
連接され、表面に複数の針を凸設した直針ローラーから
なる送りコンベアと、この送りコンベア上の両側に固設
され該切出し口から送られるクッション材の両耳を切断
する回転刃を有する縦切りカッター装置と、前記送りコ
ンベアの巾方向に走行レールを横架し、この走行レール
上を往復動する回転刃を有する横切りカッター装置をそ
れぞれ設けたことを特徴とするクッション材耳部の自動
切断装置によって達成される。

【０００７】又、送りコンベアの両側に設けた縦切りカ
ッター装置の間隔を調整自在とすることにより、種々の
製品寸法に対応させることが出来る。

【０００８】又、横切りカッター装置を所定切断寸法だ
け離間して２台設けることにより、横切りカッター装置
の一回の操作で、クッション材の前後端を同時に切断す
ることができる。

【０００９】

【作用】すなわち、この発明の自動切断装置は、積層さ
れた最下段の不織布製クッション材のみを切出し口方向
へ送り出す送り機構を有する供給装置と、該切出し口に
連接されて表面に複数の針を凸設した直針ローラーから
なる送りコンベアと、この送りコンベアの両側に固設さ
れ不織布製クッション材の両耳を切断する縦切りカッタ
ー装置と、前記送りコンベアに横架した走行レール上を
往復動する横切りカッター装置をそれぞれ設けてなる。
これにより、供給装置から一枚づつ切出された不織布製
クッション材は、直針ローラーに凸設された針の進入に
より保持されながら搬送されるため、切断時に該不織布
製クッション材に横移動等の力が加わってもこれを移動
させず、送りコンベアの所定位置に載置された状態で横
耳，縦耳を切断させることができる。

【００１０】したがって、切断時に該不織布製クッショ
ン材の移動を抑えるための特別の不織布製クッション材
固定手段を必要としない。このため、装置がシンプルに
構成でき、しかも、不織布製クッション材を連続して切
断することができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
述する。図１は、本発明に係る不織布製クッション材耳
部の自動切断装置の正面図、図２はその平面図、図３は
その不織布製クッション材供給側の側面図を示す。

【００１２】これらの図に於て、１は、積層された不織
布製クッション材５（以下、「マット」と記す）を１枚
づつ切り出す供給装置で、基台７上に水平に張設したチ
ェーンに最下段のマット６を切り出すためのマット押し
レバーを凸した切出しコンベア４と、該マット６を多段
に積層して収容させる為、前記切出しコンベア２上に立
設された巾調整板８ａ，８ｂ、及び、下端部に最下段の
不織布製クッション材が遊嵌に通過できる切出し口３ａ
を穿設した送り出し阻止板からなるマットマガジン５と
から構成される。そして、前記切出しコンベア２は、送
りモーター９により図示方向に駆動される。

【００１３】次に、１０は搬送中のマット６の両耳を所
定寸法に切断する縦切りカッター装置で、送り出し阻止
板に近接して配設され、円盤状の耳切りカッター１３，
１４を備えた側面カッター用モーター１１，１２を後述
する送りコンベア１５の両側に設けてなる。前記耳切り
カッター１３，１４は、送られてくるマット６を完全に
切断するため、カッター先端は直針ローラーの針基部ま
で届く位置にセットされる。

【００１４】又、該側面カッター用モーターは、一方は
固定し、他方は、ウォームギヤーの送り機構により任意
の巾寸法に切断できる様になっている。５０がそのウォ
ームを、２１がウォームを回転させ、前記モーター１１
を移動させる為の巾調整ハンドルを示す。

【００１５】１５は、供給装置１から切出されたマット
６を切断時でも動かないよう保持して搬送させる送りコ
ンベアで、前記切出しコンベア２の出口と同一高さで連
接され、ローラー表面に複数の針が凸設された直針付き
ローラー１６を多列に配置し、チェーンにより連結して
形成される。そして、この送りコンベア１５は送りモー
ター１７により図示方向に駆動される。２０は、送られ
てくるマット６を所定位置に一旦停止させ、その前後端
を同時に切断する横切りカッター装置で、送りコンベア
１５を横架した架台２２上に設けられ、マット６の前後
端を同時に切断する２台のカッター用走行モーターを搭
載した巾方向切断装置３０と、これを送りコンベア１５
上で横断走行させるための２本のレール２７，２８とか
ら構成される。

【００１６】前記巾方向切断装置３０は、マット６の進
行方向と交差する方向に回転刃よりなる巾カッター２を
軸着したカッター２モーター２４と、同じく巾カッター
１を軸着したカッター１モーター２２を、カットする寸
法だけ離間して長尺体よりなる走行枠３１に取付けたも
ので、下部に前記レール２７，２８上を走行する為の車
輪が設けられている。そして、この巾方向切断装置３０
は、架台２２に設けたカッター走行用モーター２３によ
り駆動される。又、前記走行枠３１に取付けられた２台
のカッターモーター２２，２３の間隔は、マット６の切
断寸法に合わせられるよう調整自在となっている。

【００１７】６０は、前記送りコンベア１５の搬送先端
部に設けられ、該送りコンベア１５と同一高さに排出用
水平面を形成した排出台で、所定寸法に切断されたマッ
ト６が排出される。本発明に係る自動切断装置は以上の
様に構成される。

【００１８】次に、その作動について説明する。まず、
マット６の切断寸法に合わせて、自動切断装置が調整さ
れる。すなわち、供給装置の巾調製板８ａ，８ｂは、当
該マットの最大巾寸法になる様調整され、該マット６が
正規の位置から繰り出されるよう調整される。又、送り
出し阻止板３の下部切出し口３ａの高さもマットの２枚
切り出しが生じない寸法で、かつ当該マット６が遊嵌に
通過できる間口高さに調整される。又、縦切りカッター
装置１０、及び横切りカッター装置２０も規定寸法にマ
ットが切断できるよう、それぞれ取付け間隔が設定され
る。

【００１９】以上の様な調整を終えた後、供給装置１の
切出しコンベア２上にマット６を積み重ね状に載置して
いく。その後、装置の運転をかけると、切出しコンベア
２が図示方向に駆動され、該切出しコンベア２に凸設さ
れているマット押しレバー４が最下段のマット６の後部
を押すことにより、最下段のマット６のみ切出し口３ａ
から送りコンベア１５上へ搬出される。尚、最下段から
２段目のマット６は、送り出し阻止板３により阻止され
るため、最下段のマット６のみ切出される。

【００２０】送りコンベア１５上へ切出されたマット
は、その自重により、直針付きローラー１６の針がささ
り、該マット６は、外力が加わってもその横滑りが阻止
される。したがって、前記供給装置１から切出されたマ
ット６は、送りコンベア１５で保持されながら縦切りカ
ッター装置１０を通過することにより、該マット６の両
サイドが所定寸法に切断される。その後、マット６が送
りコンベア１５により、横切りカッター装置２０の所定
の位置まで送られると、光電センサ（図示せず）の検出
により、送りコンベア１５を停止させる。

【００２１】そして、カッター用モーター２２，２３を
駆動させると共に、カッター走行用モーター２３を駆動
させ、巾方向切断装置３０を図２に示す右端側から左側
へ移動させ、該マット６の前後端を所定寸法に切断す
る。切断完了すると送りコンベア１５を再起動させ、マ
ット６を排出台６０へ搬出させる。そして、切断完了し
たマットが搬出され前記光電スイッチがオフ（マット未
検知）になると、巾方向切断装置３０を駆動し左端側に
待機している巾方向切断装置３０をもとの右端側待機位
置に戻す。又、前記光電スイッチのオフと同時に、次の
マット６を供給装置１から切出し、上述した動作を繰り
返しながら、順次マットを所定寸法に切断していく。

【００２２】尚、マットは、適宜補給することにより、
マットの切断を連続的に行うことが出来る。尚、実施例
に於ては、切断完了したマットは単に排出台６０に排出
されるように述べたが、排出台６０の替りにパレタイザ
を設ければ、排出の自動化を図ることが出来る。

【００２３】又、実施例に於ては、マットを用いた例に
ついて述べたが、被切断物の自重により直針付ローラー
の針が被切断物に進入する柔らかい物であれば、これに
こだわらない。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述した様に、本発明に係る自動切
断装置は、直針付きローラーからなる送りコンベア上に
て切断する様にしたから、切断の際にカッターにより該
マットに横移動力が加わっても、該マットは多数の針の
進入により保持されているため横滑りが阻止される。し
たがって、マット切断の際のマットの固定が簡単な機構
で実現できると共にマットの両側を同時に切断してもマ
ットがブレることなく常に正確な寸法位置で切断するこ
とが出来る。

【００２５】又、マットの供給は、供給装置にまとめて
供給することが出来るため、大きな省力化が図れる。
又、運転中、操作員は切断装置部分で作業することがな
いから、安全性に優れ、その作業も習熟をそれ程必要と
しない。更に、マットの両耳、両端を同時に切断する装
置に於ては、その生産性を著しく向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る自動切断装置の正面図である。

【図２】実施例に係る自動切断装置の平面図である。

【図３】実施例に係る自動切断装置の右側面図である。

【符号の説明】

１ 供給装置 ２ 切出しコンベア ３ 送り出し阻止板 ４ マット押しレバー ５ マットマガジン ６ マット １０ 縦切りカッター装置 １１ 側面カッター用モーター １３ 耳切りカッター １５ 送りコンベア １６ 直針付きローラー ２０ 横切りカッター装置 ２２ カッター１用モーター ２４ カッター２用モーター ３０ 巾方向切断装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積層した平板状クッション材を１個宛切
   出し、連続的にその耳を切断する装置であって、該クッ
   ション材の供給側は開放され、それと対向する出口側下
   方は１枚分のクッション材が通過できる切出し口を有す
   るガイドを立設し、積層された最下段のクッション材の
   みを前記切出し口方向へ送り出す送り機構を有する供給
   装置と、前記切出し口に連接され、表面に複数の針を凸
   設した直針ローラーからなる送りコンベアと、この送り
   コンベア上の両側に固設され該切出し口から送られるク
   ッション材の両耳を切断する回転刃を有する縦切りカッ
   ター装置と、前記送りコンベアの巾方向に走行レールを
   横架し、この走行レール上を往復動する回転刃を有する
   横切りカッター装置をそれぞれ設けたことを特徴とする
   クッション材耳部の自動切断装置。
2. 【請求項２】 送りコンベアの両側に設けた縦切りカッ
   ター装置の間隔が調整自在とする請求項１記載のクッシ
   ョン材耳部の自動切断装置。
3. 【請求項３】 横切りカッター装置が、所定切断寸法だ
   け離間して２台設けられたことを特徴とする請求項１又
   は２記載のクッション材耳部の自動切断装置。