JPH0557624A - 研磨テープとその製造方法及び装置 - Google Patents

研磨テープとその製造方法及び装置

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JPH0557624A
JPH0557624A JP24248791A JP24248791A JPH0557624A JP H0557624 A JPH0557624 A JP H0557624A JP 24248791 A JP24248791 A JP 24248791A JP 24248791 A JP24248791 A JP 24248791A JP H0557624 A JPH0557624 A JP H0557624A
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泰弘 谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超微細な砥粒を均一に、しかも適度の結合力
で付着させた研磨テープを得る。 【構成】 研磨テープ1は、絶縁性基材フィルム2の片
面に導電性薄膜層3を設け、その導電性薄膜層3の表面
に砥粒層4を形成したものである。その砥粒層4は、超
微細な砥粒であるシリカ粒子5を電気泳動法によって付
着させることにより形成される。この研磨テープ1を製
造するときには、基材フィルム2と導電性薄膜層3とか
らなるベースフィルムを、シリカ粒子5を分散させたコ
ロイダルシリカ中に通し、その導電性薄膜層3に電圧を
印加することにより、コロイダルシリカとの間に電場を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラスや結晶材料、磁
性材料、あるいはセラミックス等の硬脆材料からなる加
工物を研磨加工するために用いられる研磨テープに関す
るもので、特に、テープレコーダやビデオレコーダ等の
磁気ヘッドの曲面研磨、あるいは磁気ディスクの表面や
光ファイバ用コネクタの端面の鏡面仕上げ加工などのよ
うな超精密仕上げに用いるのに適した研磨テープとその
製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬くて脆い材料からなる加工物を仕上げ
加工する場合には、一般に砥粒を用いた研磨加工が行わ
れる。最近では、電子部品や精密機器部品の精密仕上げ
が求められるようになり、その仕上げ加工に研磨テープ
が用いられるようになってきている。研磨テープは、ポ
リエステルのような伸縮率の小さい材料からなる薄い基
材フィルムの片面に微細な砥粒を均一に付着させたもの
で、通常は、テープを送りながらその砥粒付着面を加工
物の表面に押し当てることによって、その加工表面を研
磨するという用い方がされる。また、適当な長さに切断
し、ラップ基盤に張り付けて研磨するという用い方がさ
れることもある。
【0003】このような研磨テープによれば、次のよう
な効果を得ることができる。 砥粒が均一に塗布されているので、部分的な研磨むら
や不均一な傷が発生しにくく、優れた仕上げ面を得るこ
とができる。 加工がテープの新たな部分で行われるので、常に一定
の加工精度を得ることができる。 フレキシブルな工具であるので、加工応力や加工変質
層の発生を軽減することができる。また、ロール状とし
ておくことにより連続自動送りができるので、研磨工程
の自動化が容易である。
【0004】従来の研磨テープは、その砥粒が0.3〜
30μm 程度の粒径のものとされ、接着剤に混入してコ
ーティングすることにより基材フィルムに強固に接着す
るものとされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
ナノメータオーダの表面粗さ(Rmax =0.1〜10n
m)にまで仕上げる超精密研磨が求められるようになっ
てきている。そのような超精密研磨には、粒径が10〜
20nm程度の超微細砥粒を用いることが必要となる。し
かしながら、粒径が1μm 以下になると、粒同士が凝集
しやすくなる。そして、そのような凝集粒子が存在する
と、その凝集粒子の大きさが仕上げ面粗さに対する実効
粒径となるので、砥粒の粒径がいかに小さくても、仕上
げ面にスクラッチ等の傷が生ずることになる。従来のよ
うに砥粒を接着剤に混入するという方法では、上述のよ
うな超微細砥粒を用いると、粒同士が凝集してしまうの
で、テープ上に均一に分散させることはほとんど不可能
となる。
【0006】また、超精密研磨を行うためには、砥粒の
結合力をある程度小さくする必要がある。砥粒の結合力
が小さければ、加工物の表面に接触することによって砥
粒が容易に脱落するので、一度研磨に関与して研磨力の
低下した砥粒が除去され、研磨力が一定に保たれるばか
りでなく、研磨屑による目詰まりも防止されるようにな
る。しかしながら、その結合力が小さすぎると、研磨テ
ープの保管中や搬送中にも砥粒が脱落してしまうので、
テープ上の砥粒が不均一となり、実際にそれを用いて研
磨加工するとき良好な仕上げ面が得られないことにな
る。したがって、砥粒の結合力は調整可能とすることが
望まれる。従来のように砥粒を接着剤によって接着する
ものでは、その接着力を制御することが難しいので、砥
粒の結合力を調整することはほとんど不可能である。
【0007】このような問題のために、従来の研磨テー
プでは、ナノメータオーダの表面粗さにまで仕上げ加工
するということは不可能となっていた。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、加工物をナノメータオー
ダの表面粗さにまで仕上げ加工することのできる、超微
細な砥粒を用いた研磨テープを得ることである。また、
本発明の他の目的は、超微細な砥粒を均一に、しかも適
度の結合力で基材フィルムに付着させることによって、
上述のような研磨テープが製造されるようにする製造方
法及び装置を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、超微細砥粒の付着に電気泳動法を用い
るようにしている。すなわち、本発明による研磨テープ
は、絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜層が設けら
れ、その導電性薄膜層の表面に、電気泳動法により超微
細砥粒を付着させて形成した砥粒層が設けられているこ
とを特徴としている。その導電性薄膜層は、接着性を有
する導電性高分子材料によって形成することが望ましい
が、接着性のない導電性高分子材料あるいは金属によっ
て形成するようにしてもよい。導電性薄膜層が接着性を
持たない場合には、超微細砥粒の表面に結合剤を付着さ
せておくことが望ましい。また、本発明による研磨テー
プの製造方法は、絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄
膜層を設けたベーステープを、超微細な砥粒を分散させ
た懸濁液中を通るようにして連続的に送り、そのテープ
の導電性薄膜層と懸濁液との間に電圧を印加することに
より、懸濁液中を通過するテープの導電性薄膜層側の面
にその懸濁液中の超微細砥粒を付着させ、その砥粒が付
着したテープを乾燥させるようにしたことを特徴として
いる。そして、本発明による研磨テープの製造装置は、
絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜層が設けられた
ベーステープを一方向に連続的に移動させる駆動ローラ
と、そのテープの移動経路中に設けられ、超微細な砥粒
を分散させた懸濁液を収容する液槽と、その液槽内に配
設され、前記テープにその絶縁性基材フィルム側の面か
ら接触することによりそのテープが液槽内の懸濁液中を
通るように案内する案内ローラと、前記液槽のテープ入
口側に設置され、そのテープの導電性薄膜層が設けられ
ている面に接触する導電性材料からなる導電ローラと、
その導電ローラと懸濁液との間に電圧を印加する直流電
源と、前記液槽から出たテープを乾燥させる乾燥機と、
を備えていることを特徴としている。
【0010】
【作用】微細な粒子は液相、すなわち懸濁液の状態にお
いて電荷を持つ。そのために、その粒子間には電気的な
反発力が作用する。したがって、粒子は安定して分散す
る。しかしながら、そのような懸濁液に電場を与える
と、粒子は電気泳動現象によって電極側に集まる。そし
て、その吸引力が粒子間の電気的反発力を超えるときに
は、粒子は電極に付着することになる。その場合、粒子
は懸濁液中において均一に分散しているので、電極に付
着する粒子も均一となる。したがって、上述のように電
気泳動法によってテープに砥粒を付着させるようにすれ
ば、その砥粒が超微細なものであっても、テープには均
一に付着することになる。しかも、その砥粒は電気的結
合力によってテープに付着するので、印加する電圧を変
化させるようにすれば、その結合度合を調整することも
可能となる。
【0011】そのように電気泳動法によってテープの表
面に砥粒を付着させるためには、そのテープを一方の電
極とすることが必要となる。そこで、ベーステープを構
成する絶縁性基材フィルムの片面には導電性薄膜層が設
けられる。砥粒はその導電性薄膜層の表面に付着して砥
粒層を形成する。その場合、導電性薄膜層を接着性のあ
る高分子材料によって形成しておけば、適度の結合力で
付着した砥粒がその状態で保持されるようになる。ま
た、接着性を有していない導電性薄膜層の場合には、砥
粒の表面に結合剤を付着させておけば、その結合力を保
たせることができる。こうして、本発明による研磨テー
プは、超微細な砥粒を均一に、しかも比較的小さな結合
力で付着させたものとなる。したがって、そのテープを
用いて加工物の研磨加工を行うことにより、超精密仕上
げをすることも可能となる。
【0012】また、本発明による研磨テープの製造方法
のように、絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜層を
設けたベーステープを、超微細な砥粒を分散させた懸濁
液中に通して連続的に送り、その導電性薄膜層に正又は
負電位を印加するようにすれば、その導電性薄膜層が設
けられている側のテープ面に超微細砥粒が均一に付着す
る。そして、そのテープを乾燥させれば、上述のような
研磨テープが形成される。
【0013】更に、研磨テープの製造装置を上述のよう
に構成することにより、テープの導電性薄膜層には導電
ローラから電圧の印加が行われるようになる。また、案
内ローラはテープの砥粒が付着しない絶縁性基材フィル
ム側の面に接触するので、付着した砥粒によってそのロ
ーラが摩耗することが防止される。その場合、案内ロー
ラを複数個設け、そのローラ間の間隔を調整するように
すれば、テープが懸濁液中を通過する時間が変化するの
で、砥粒の付着厚さを制御することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明による研磨テープの一実施例を
示す要部の断面図である。この図から明らかなように、
この研磨テープ1は基材フィルム2を備えている。その
基材フィルム2はポリエステルのように絶縁性で伸縮率
の小さい柔軟な材料からなるもので、その片面には接着
性を有する導電性高分子材料がコーティングされ、それ
によって導電性薄膜層3が形成されている。また、その
導電性薄膜層3の表面には砥粒層4が設けられている。
その砥粒層4は、粒径10〜20nm程度の超微細な砥粒
であるシリカ粒子5,5,…を電気泳動法によって付着
させて形成したもので、そのシリカ粒子5の一部は導電
性薄膜層3の内部にもぐり込み、それによってそれらが
結合状態に保たれている。
【0015】図2は本発明による研磨テープの異なる実
施例を示すものである。なお、この実施例において、図
1の実施例に対応する部分には同一の符号が付されてい
る。この実施例の研磨テープ1の場合には、絶縁性基材
フィルム2の片面に設けられる導電性薄膜層3は金属箔
とされている。その金属箔は、適宜の接着剤等によって
基材フィルム2に積層されている。そして、その金属箔
からなる導電性薄膜層3の表面に、シリカ粒子5,5,
…からなる砥粒層4が設けられている。この砥粒層4
も、シリカ粒子5を電気泳動法によって導電性薄膜層3
の表面に付着させて形成したものであるが、この場合に
は、シリカ粒子5の表面に結合剤6が付着しており、そ
の結合剤6を介して、シリカ粒子5,5同士、及びシリ
カ粒子5と導電性薄膜層3とが結合状態に保たれてい
る。
【0016】このように構成された研磨テープ1により
加工物の研磨加工を行うときには、その砥粒層4側の面
を加工物に押し当てた状態で、テープ1を送る。する
と、その砥粒層4を構成するシリカ粒子5によって加工
物の表面が削られる。その場合、シリカ粒子5は超微細
であるので、加工表面の切り込み深さは微小となる。し
かも、その砥粒層4は、シリカ粒子5を電気泳動法によ
って付着させて形成されているので、その砥粒密度は高
い。したがって、加工表面は精密かつ均一に研磨され
る。また、電気泳動法によって付着させたシリカ粒子5
の結合力は比較的小さいので、加工物に接触して研磨に
関与したシリカ粒子5は容易に脱粒する。したがって、
研磨力が一定に保たれ、研磨屑による目詰まりも防止さ
れる。その結果、加工表面はナノメータオーダの表面粗
さにまで平滑に仕上げ加工されるようになる。
【0017】図3は、このような研磨テープ1を製造す
るために用いられる本発明による研磨テープ製造装置の
一実施例を示すものである。この図から明らかなよう
に、この研磨テープ製造装置10は、ベーステープ1
1、すなわち図1あるいは図2の研磨テープ1において
砥粒層4が未形成の状態にあるテープ、を繰り出す供給
ローラ12と、そのベーステープ11に砥粒を付着させ
て製造された研磨テープ1を巻き取る巻取りローラ13
とを備えている。その巻取りローラ13は図示されてい
ないモータによって回転駆動され、それによってベース
テープ11が供給ローラ12側から巻取りローラ13側
へと連続的に送られるようになっている。すなわち、こ
の実施例では、その巻取りローラ13が駆動ローラとな
っている。供給ローラ12の近傍及び巻取りローラ13
の近傍にはそれぞれテンションローラ14,15が設け
られており、それらのテンションローラ14,15によ
ってテープ11に一定の張力が加えられるようになって
いる。
【0018】テープ11の移動経路中には、金属等の導
電性材料からなる液槽16が設置されている。その液槽
16内には、粒径10〜20nm程度の超微細な砥粒であ
るシリカ粒子5,5,…をアルカリ液に分散させたコロ
イダルシリカ17、すなわち懸濁液が収容されている。
また、その液槽16の上部には一対の案内ローラ18,
19が設けられている。それらの案内ローラ18,19
は水平な回転軸を有するもので、互いに間隔を置いて配
置されている。しかも、一方の案内ローラ19は水平方
向に移動可能とされ、その間の間隔が調整可能とされて
いる。そして、それらの案内ローラ18,19が、走行
するテープ11の上面に接触することにより、そのテー
プ11がコロイダルシリカ17中を通って図で右側から
左側へと移動するようにされている。
【0019】液槽16のテープ11が導かれてくる入口
側の側壁には、導電性材料からなる導電ローラ20が、
絶縁体21を介して回転自在に支持されている。そのロ
ーラ20は、テープ11の下面に接触するようにされて
いる。そして、その導電ローラ20と液槽16との間に
設けられた直流電源22により、その導電ローラ20に
正電位が印加されるようになっている。直流電源22
は、電圧調整可能なものとされている。
【0020】また、液槽16のテープ11が出てゆく出
口側の上方には、そのテープ11に案内ローラ18,1
9と同じ側の面から接触する案内ローラ23が設けられ
ている。そして、そのローラ23によって、テープ11
が水平方向に折り返され、図で右方向に走行するように
されている。そのテープ11の下方には乾燥機24が設
置され、液槽16から出た後のテープ11が乾燥される
ようになっている。
【0021】前述したように、ベーステープ11は、絶
縁性基材フィルム2の片面に導電性薄膜層3を設けたも
のとされている。そのテープ11は、その導電性薄膜層
3側の面が液槽16内で下面となるようにして送られ
る。すなわち、導電ローラ20はその導電性薄膜層3に
接触し、案内ローラ18,19及び23は絶縁性基材フ
ィルム2に接触するようにされている。また、巻取りロ
ーラ13側のテンションローラ15も、その基材フィル
ム2側の面に接するようにされている。
【0022】次に、このように構成された研磨テープ製
造装置10により、図1に示されているような研磨テー
プ1を製造する場合の作用について説明する。図1の研
磨テープ1を製造するときには、ベーステープ11とし
て、絶縁性基材フィルム2の片面に接着性を有する導電
性高分子材料をコーティングしたものを用いる。そし
て、まず、供給ローラ12に巻き込まれているベーステ
ープ11を、その導電性薄膜層3側の面が液槽16内で
下面となるようにして図3のように取り回し、巻取りロ
ーラ13を駆動する。すると、そのテープ11は、液槽
16内においてコロイダルシリカ17中を通って図3の
右側から左側へと移動する。
【0023】この状態で、直流電源22により導電ロー
ラ20に正電位、液槽16に負電位を印加する。その導
電ローラ20はテープ11の導電性薄膜層3に接触して
いる。したがって、その電圧印加により、導電性薄膜層
3には正電位が印加されることになり、その導電性薄膜
層3が液槽16に対して陽極となる。一方、シリカ粒子
5は、アルカリ液中においては負に帯電している。その
結果、液槽16内に収容されているコロイダルシリカ1
7中のシリカ粒子5が電気泳動によりその導電性薄膜層
3側に集まり、電気的結合力によってテープ11の下
面、すなわちその導電性薄膜層3側の面に付着する。
【0024】こうして、テープ11がコロイダルシリカ
17中を通過する間に、そのテープ11の片面に超微細
砥粒であるシリカ粒子5が付着し、そのテープ11が図
1に示されているような砥粒層4を有する研磨テープ1
となる。その場合、シリカ粒子5が付着する導電性薄膜
層3は接着性を有する高分子材料によって形成されてい
るので、その粒子5の一部が導電性薄膜層3内にもぐり
込み、接着力が発揮されることになるが、そのもぐり込
みの度合は印加される電圧の大きさによって異なる。し
たがって、シリカ粒子5の結合力は、直流電源22の電
圧を制御することによって調整されることになる。ま
た、シリカ粒子5はコロイダルシリカ17中において均
一に分散しているので、テープ11の導電性薄膜層3を
介して一定の電場が与えられることにより、テープ11
に均一に付着する。したがって、得られる研磨テープ1
は、超微細な砥粒を均一に、しかも適度の結合力でもっ
て付着させたものとなる。また、その砥粒密度も高いも
のとなる。更に、この間において、一対の案内ローラ1
8,19間の間隔を適宜設定するようにすれば、テープ
11がコロイダルシリカ17中を通過する時間を変化さ
せることができるので、シリカ粒子5の付着時間、した
がって砥粒層4の厚さを調整することも可能となる。
【0025】このようにして形成された研磨テープ1
は、次いで、乾燥機24によって乾燥される。それによ
って、導電性薄膜層3を形成する高分子材料が固化し、
シリカ粒子5はその結合状態で保持される。そして、そ
の研磨テープ1が巻取りローラ13に巻き取られ、保管
あるいは搬送される。
【0026】図2に示されているような研磨テープ1を
製造するときには、ベーステープ11として、絶縁性基
材フィルム2の片面に金属箔を積層したものを用いる。
また、コロイダルシリカ17中には、アルギン酸ナトリ
ウムのような高分子電解質の結合剤6を含有させてお
く。そのほかは上述の場合と同様とする。このように高
分子の結合剤6をコロイダルシリカ17中に添加する
と、その結合剤6はシリカ粒子5の表面に付着し、保護
コロイドを形成する。そして、そのコロイド自体が負に
帯電し、電場においては陽極に集まる。したがって、図
2のような研磨テープ1が得られる。その場合、結合剤
6によって包まれたシリカ粒子5の凝集の強さは、印加
される電圧の大きさによって異なる。したがって、この
場合にも、直流電源22の電圧を調整することによって
シリカ粒子5の結合力が調整されることになる。
【0027】このように、図2の研磨テープ1を製造す
るときには、導電ローラ20に接触する導電性薄膜層3
が接着性を有しないものとされるので、その導電性薄膜
層3が導電ローラ20に付着して剥離するようなことが
ない。これに対して、図1の研磨テープ1を製造すると
きには、導電性薄膜層3が導電ローラ20に付着する恐
れがあるので、その接着力はあまり大きくすることがで
きない。したがって、砥粒の結合力を調整する上では図
2の研磨テープ1の方が望ましいと言うことができる。
しかしながら、いずれにしても砥粒の結合力は比較的小
さくてよいので、図1の研磨テープ1を製造する場合に
もほとんど問題はない。そして、図1のような研磨テー
プ1はより安価に得ることができる。
【0028】このような研磨テープ1の製造装置10に
おいては、案内ローラ18,19及び23はテープ11
の基材フィルム2側の面に接触するようにされている。
また、巻取りローラ13側のテンションローラ15も同
様とされている。そして、その面は電気的に絶縁性に保
たれているので、その面に砥粒であるシリカ粒子5が付
着することはない。したがって、砥粒が付着した後の研
磨テープ1によってそれらのローラ15,18,19,
23が摩耗することは防止される。また、導電ローラ2
0は、砥粒が付着する前にベーステープ11の導電性薄
膜層3に接触し、その薄膜層3に通電するようにされて
いるので、その導電ローラ20が砥粒によって摩耗する
ことも防止される。
【0029】なお、導電性薄膜層3としては、上記実施
例のような接着性を有する導電性高分子材料や金属箔の
ほか、接着性のない通常の導電性高分子を用いることも
できる。その場合には、図2の研磨テープ1のように構
成すればよい。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電気泳動法によってテープに砥粒を付着させ
るようにしているので、極めて微細な砥粒であっても均
一に分散させることができるとともに、その砥粒の結合
力も適切に設定することができる。したがって、ナノメ
ータオーダの表面粗さにまで仕上げ加工することが可能
な研磨テープとすることができる。また、その研磨テー
プの製造を連続して行うことも可能となる。更に、導電
ローラや案内ローラ等の配置により、その製造工程を円
滑なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研磨テープの一実施例を示す要部
の縦断面図である。
【図2】本発明による研磨テープの他の実施例を示す要
部の縦断面図である。
【図3】その研磨テープを製造するために用いられる本
発明の研磨テープ製造装置の一実施例を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1 研磨テープ 2 絶縁性基材フィルム 3 導電性薄膜層 4 砥粒層 5 シリカ粒子(超微細砥粒) 6 結合剤 10 研磨テープ製造装置 11 ベーステープ 12 供給ローラ 13 巻取りローラ(駆動ローラ) 16 液槽 17 コロイダルシリカ(懸濁液) 18,19 案内ローラ 20 導電ローラ 22 直流電源 24 乾燥機

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜
    層が設けられており、 その導電性薄膜層の表面に、超微細な砥粒を電気泳動法
    により付着させて形成した砥粒層が設けられている、 研磨テープ。
  2. 【請求項2】 前記導電性薄膜層が、接着性を有する導
    電性高分子材料によって形成されていることを特徴とす
    る、 請求項1記載の研磨テープ。
  3. 【請求項3】 前記導電性薄膜層が、接着性のない導電
    性高分子材料あるいは金属によって形成されており、 前記砥粒層を形成する砥粒が、結合剤を介して結合して
    いることを特徴とする、 請求項1記載の研磨テープ。
  4. 【請求項4】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜
    層を設けたベーステープを、超微細な砥粒を分散させた
    懸濁液中を通るようにして連続的に送り、前記導電性薄
    膜層と前記懸濁液との間に電圧を印加することにより、
    その懸濁液中を通過する前記ベーステープの導電性薄膜
    層の表面にその懸濁液中の超微細砥粒を付着させ、 得られた砥粒付着テープを乾燥させることからなる、 研磨テープの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記懸濁液中に結合剤を含有させること
    を特徴とする、 請求項4記載の研磨テープの製造方法。
  6. 【請求項6】 絶縁性基材フィルムの片面に導電性薄膜
    層が設けられたベーステープを、一方向に連続的に移動
    させる駆動ローラと、 そのテープの移動経路中に設けられ、超微細な砥粒を分
    散させた懸濁液を収容する液槽と、 その液槽内に配設され、前記テープにその絶縁性基材フ
    ィルム側の面から接触することにより、そのテープが前
    記液槽内の懸濁液中を通るように案内する案内ローラ
    と、 前記液槽の前記テープの入口側に設置され、そのテープ
    の前記導電性薄膜層が設けられている側の面に接触する
    導電性材料からなる導電ローラと、 その導電ローラと前記懸濁液との間に電圧を印加する直
    流電源と、 前記液槽から出た前記テープを乾燥させる乾燥機と、 を備えてなる、研磨テープの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記案内ローラが少なくとも一対、水平
    方向に離して設けられており、 その案内ローラ間の間隔が調整可能とされていることを
    特徴とする、 請求項6記載の研磨テープの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6398826B1 (en) 1995-04-10 2002-06-04 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Abrasive tape, process for producing it, and coating agent for abrasive tape
WO2002060648A1 (fr) * 2001-01-30 2002-08-08 Nihon Micro Coating Co., Ltd. Film a polir et son procede de fabrication
JP2009131909A (ja) * 2007-11-28 2009-06-18 Nihon Micro Coating Co Ltd 研磨シートおよび研磨シートの製造方法
US11814821B2 (en) 2011-01-03 2023-11-14 Sentinel Hydrosolutions, Llc Non-invasive thermal dispersion flow meter with fluid leak detection and geo-fencing control

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