JPH11277339A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ

Info

Publication number
JPH11277339A
JPH11277339A JP8779798A JP8779798A JPH11277339A JP H11277339 A JPH11277339 A JP H11277339A JP 8779798 A JP8779798 A JP 8779798A JP 8779798 A JP8779798 A JP 8779798A JP H11277339 A JPH11277339 A JP H11277339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
substrate
tape
recording medium
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8779798A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Kamura
邦夫 加村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP8779798A priority Critical patent/JPH11277339A/ja
Publication of JPH11277339A publication Critical patent/JPH11277339A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体用基板に均一な研磨処理を効率
よく施すことが可能な技術を提供する。 【解決手段】 研磨テープ4を用いて磁気記録媒体用基
板D表面を研磨処理する方法であって、研磨テープ4と
して、導電性材料からなるテープ本体4a上に、基板D
表面を機械的に研磨処理する非導電性材料からなる多数
の研磨毛4bを有するものを用い、この研磨テープ4
を、研磨毛4bが基板D表面に接触し、かつテープ本体
4aが基板D表面に接触しないように基板Dに対して走
行させるとともに、研磨テープ4と基板Dの接触部分に
電解液を供給しこの電解液中に基板Dからテープ本体4
aに向けて電流を流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等に用いられる磁気記録媒体用の基板の研磨方法、装
置、これによって研磨された磁気記録媒体用基板、この
基板を用いた磁気記録媒体、その製造方法、および上記
研磨方法、装置に用いられる研磨テープに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、表面にN
iPメッキ膜を有するアルミニウム合金などからなる磁
気記録媒体用基板上に非磁性下地膜、磁性膜、保護膜を
形成したものが多く用いられている。磁気記録媒体の製
造に際しては、基板上に非磁性下地膜を形成するに先だ
って、基板の表面に研磨処理を施し、その平滑性を高め
ることが行われている。上記研磨処理の方法としては、
主に機械研磨処理法が用いられている。
【0003】近年では、記録密度を高めることが強く要
望されており、これに伴って磁気ヘッドの浮上量を低下
させることが行われている。このため、磁気記録媒体に
は十分な摺動耐久性が要求されてきており、磁気記録媒
体の表面平滑性のコントロールは重大な課題となってい
る。これに加えて、基板表面に形成する凹凸により、基
板上に形成される磁性膜の磁気配向性を向上させること
も要求されており、より精密な基板の表面特性のコント
ロールが求められているのが現状である。
【0004】上記磁気配向性、表面平滑性を向上させ得
る基板表面加工方法としては、電解研磨処理法(電解エ
ッチング法)が提案されている。例えば、特開平8−1
71720号公報には、基板に通常の機械研磨処理、例
えば砥粒を担持した研磨テープを基板表面に押し当てる
方法により基板表面に粗研磨処理を施した後、この基板
を電解槽中で電解液中に浸漬し電解研磨処理を施すこと
により精密な研磨処理を行う方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記機
械研磨処理後に電解研磨処理を行う方法では、操作が煩
雑となり生産効率の点で問題があった。また電解研磨処
理を行う際には、電解条件が基板面内で偏り、均一な電
解研磨処理が難しくなることがあった。本発明は、上記
事情に鑑みてなされたもので、磁気記録媒体用基板に均
一な研磨処理を効率よく施すことが可能な技術を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、研磨テープ
を用いて磁気記録媒体用基板表面を研磨処理する磁気記
録媒体用基板の研磨方法であって、研磨テープとして、
導電性材料からなるテープ本体上に、基板表面を機械的
に研磨処理する非導電性材料からなる多数の研磨毛を有
するものを用い、この研磨テープを、研磨毛が基板表面
に接触し、かつテープ本体が基板表面に接触しないよう
に基板に対して走行させるとともに、研磨テープと基板
の接触部分に電解液を供給しこの電解液中に基板からテ
ープ本体に向けて電流を流す磁気記録媒体用基板の研磨
方法によって解決することができる。上記研磨テープと
しては、テープ本体が金属材料からなるものを用いるの
が好ましい。また電解液としては、基板表面を機械的に
研磨する砥粒を含むものを用いるのが好ましい。また、
本発明の磁気記録媒体用基板は、上記磁気記録媒体用基
板の研磨方法によって研磨処理が施されたことを特徴と
するものである。また本発明の磁気記録媒体は、上記方
法によって研磨処理が施された磁気記録媒体用基板上
に、少なくとも非磁性下地膜、磁性膜、保護膜を形成し
たことを特徴とするものである。本発明の磁気記録媒体
用基板の研磨装置は、磁気記録媒体用基板を回転可能に
支持する基板支持部と、基板表面に研磨処理を施す研磨
処理機構を備え、研磨処理機構が、基板表面を研磨処理
する研磨テープを基板表面に押し当てる研磨テープ接触
手段と、研磨テープを基板に対して走行させる研磨テー
プ走行手段と、電解液を研磨テープと基板の接触部分に
供給する電解液供給手段と、この接触部分の電解液中に
基板側から電流を流す電源を有するものであり、研磨テ
ープが、導電性材料からなるテープ本体上に、磁気記録
媒体用基板表面を機械的に研磨する非導電性材料からな
る多数の研磨毛を有するものであり、研磨テープ接触手
段が、研磨テープを基板表面に押し当てる際に、研磨毛
が基板表面に接触し、かつテープ本体が基板表面に接触
しないようにすることができるものであることを特徴と
する。また、本発明の研磨テープは、導電性材料からな
るテープ本体上に、磁気記録媒体用基板表面を機械的に
研磨する非導電性材料からなる多数の研磨毛を有するも
のであることを特徴とする。上記テープ本体は、金属材
料、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
ものとするのが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の磁気
記録媒体用基板研磨装置の一実施形態の主要部を示すも
ので、ここに示す研磨装置1は、研磨処理を施すべき磁
気記録媒体用基板Dを回転可能に支持する基板支持部2
と、基板D表面に機械研磨処理を施す研磨処理機構3、
3を備えて構成されている。
【0008】研磨処理機構3は、基板D表面を研磨処理
する研磨テープ4を基板D表面の一部に押し当てる研磨
テープ接触手段であるコンタクトローラ5と、研磨テー
プ4を走行させる研磨テープ走行手段である研磨テープ
供給部6と、電解液を研磨テープ4と基板Dの接触部分
に供給する電解液供給手段となる電解液供給ノズル7
と、コンタクトローラ5および基板Dに電気的に接続さ
れた電源8を備えて構成されている。研磨処理機構3
は、基板Dの両面側にそれぞれ設けられている。
【0009】研磨テープ4は、テープ本体4aの一方の
面に、テープ面に対しほぼ垂直な方向に沿う多数の研磨
毛4bが全面にわたって設けられたものとされている。
テープ本体4aとしては、導電性材料からなるものが用
いられる。この導電性材料としては、金属の他、カーボ
ン粉、金属粉を含む合成樹脂などを挙げることができ、
なかでも特に、電気抵抗が小さくかつ抵抗値が全面にわ
たり均一な材料である金属材料を用いるのが好ましい。
この金属材料としては、アルミニウム、銅、金、または
これらを主成分とする合金などを挙げることができ、な
かでも特に、材料コスト、導電性、取り扱い易さ、強度
等の特性に優れた材料であるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金を用いるのが好適である。テープ本体4aの
厚さは0.1〜1.0mm、幅は20〜60mmとする
のが好ましい。
【0010】研磨毛4bは、基板Dの表面を機械的に研
磨するとともに、テープ本体4aを基板Dから所定距離
離間させるためのもので、非導電性材料、例えばナイロ
ン繊維、アラミド繊維などからなるものが用いられ、そ
の長さは0.3〜1mm、太さは5〜100μmとする
のが好適である。テープ本体4aの面積当たりの研磨毛
4bの数は、130〜50000本/cm2とするのが
好ましい。
【0011】コンタクトローラ5は、後述する研磨処理
操作の際に陰極となるもので、導電性材料、例えばステ
ンレス、アルミニウム、銅などの金属材料や、カーボン
粉、金属粉を含む合成樹脂などからなるものとすること
ができ、基板Dの両面に基板内周側から外周側にかけて
基板半径方向に沿って配設されている。コンタクトロー
ラ5の外径は、20〜100mmとするのが好ましく、
軸方向長さは、研磨処理操作時に、基板Dの研磨処理を
施すべき面の最内周側から最外周側に至る長さに設定す
るのが好ましい。
【0012】コンタクトローラ5は、上記研磨テープ4
を、研磨毛4bが基板Dの表面に接触し、かつテープ本
体4aが基板Dの表面に接触しないように基板Dに押し
当てることができるように構成されている。コンタクト
ローラ5は、基板D方向に付勢され、上記研磨テープ4
を、所定の押付圧力、例えば1〜4kg/cm2で基板
Dの表面に押し当てることができるように構成するのが
好ましい。
【0013】研磨テープ供給部6は、研磨テープ4を送
り出す送出ロール6aと、研磨テープ4を引き取る引取
ロール6bを備えたもので、送出ロール6aに巻き付け
られた研磨テープ4を、引取ロール6bによって、研磨
テープ4が接触する部分の基板Dの半径方向に対して垂
直な方向に任意の速度で引き取ることができるように構
成されている。また、研磨テープ供給部6は、図示せぬ
揺動機構によって、研磨テープ4を、テープ走行方向に
対しほぼ垂直な方向に揺動させることができるように構
成するのが好ましい。
【0014】電解液供給ノズル7は、コンタクトローラ
5の上方位置に設けられ、図示せぬ電解液貯留槽内の電
解液を研磨テープ4と基板Dの接触部分に供給すること
ができるように構成されている。
【0015】電源8としては、研磨処理操作時に、基板
Dからコンタクトローラ5に向けて直流電流を流すこと
ができるものが用いられる。特に、基板Dとコンタクト
ローラ5の間に流れる電流の密度を基板Dの面積に対し
て0.1〜30A/cm2とすることができるものを用
いるのが好ましい。
【0016】次に、上記研磨装置1を用いた場合を例と
して、本発明の磁気記録媒体用基板の研磨方法の一実施
形態を説明する。本実施形態の研磨方法では、まず、予
め研磨テープ供給部6の送出ロール6aに巻き付けられ
た研磨テープ4を、コンタクトローラ5と基板Dの間を
経由させて引取ロール6bに固定しておく。
【0017】次に、研磨処理を施すべき基板Dを基板支
持部2にセットする。ここで用いる基板Dとしては、N
iPメッキアルミニウム合金基板や、NiPメッキガラ
ス基板などの表面部分が導電性材料からなるものを用い
ることができる。この基板Dとしては、通常、表面平均
粗さRaが100nm以上となるような表面凹凸を有す
るものが用いられる。この基板Dを所定の速度、例えば
50〜800rpmで図中矢印方向に回転させる。
【0018】次に、研磨テープ供給部6にセットされた
研磨テープ4を、引取ロール6bにより引き取る。この
際、研磨テープ4の引き取り速度は、0.05〜1cm
/secとするのが好ましい。この際、コンタクトロー
ラ5により基板Dに押し当てられた研磨テープ4は、コ
ンタクトローラ5と基板Dの間を通過する際に、テープ
幅方向にわたって研磨毛4bが基板Dの表面に接触し、
かつテープ本体4aが基板Dの表面に接触しないように
基板Dに対して走行する。上記研磨毛4bが基板Dに接
触する部分において、テープ本体4aは、研磨毛4bが
設けられていない面でテープ幅方向にわたってコンタク
トローラ5に接することとなる。
【0019】同時に、電解液供給ノズル7を通して、図
示せぬ電解液貯留槽内の電解液を好ましくは流量10〜
30ml/分で研磨テープ4上に流下する。ここで用い
る電解液としては、既知の電解研磨処理法に用いられる
汎用のものを用いることができ、特に、基板Dの表面を
機械的に研磨する砥粒を含むものを用いると、研磨処理
効率を高めることができるため好ましい。
【0020】電解液の成分としては、例えば、硫酸、硝
酸、塩酸、クロム酸、リン酸、シュウ酸、酢酸のうち1
種または2種以上を用いることができる。この電解液と
しては、特に、リン酸系のものを用いるのが好ましい。
上記電解液は、上記成分の含有率が1〜40%であるも
のとするのが好適であり、例えばリン酸3〜20%、水
酸化ナトリウム1〜10%、寒天5〜20%を含むもの
を用いることができる。また電解液は粘度が1〜100
cpsであるものを用いるのが好ましい。
【0021】また、上記砥粒としては、既知の機械研磨
処理法に用いられる汎用のものを用いることができ、例
えば、ダイヤモンド系、アルミナ系、炭化珪素系のもの
が使用可能である。なかでも特に、ダイヤモンド系のも
のを用いるのが好ましい。砥粒の粒度は0.2〜1.0
μmとするのが好適である。この砥粒の電解液中含有量
は、3〜10%とするのが好ましい。なお、本明細書に
おいて、%とは重量%を指す。また、電解液は、電解液
供給ノズル7から流下し、コンタクトローラ5と基板D
の間に達した時点で10〜50℃となるようにその温度
を設定するのが好ましい。
【0022】電解液供給ノズル7から流下した電解液
は、研磨テープ4の研磨毛4bが設けられた面に達し、
テープの全幅方向にわたる研磨毛4b同士の間に保持さ
れた状態で研磨毛4bと基板Dの接触部分に達する。
【0023】この接触部分においては、研磨テープ4が
基板Dの半径方向に対し垂直な方向に走行することによ
り、基板D表面の半径方向にわたる部分に研磨毛4bお
よび電解液中の砥粒が擦り付けられ、この部分の基板D
の表面の凸部、特にその突出高さの高いものが機械的に
削り取られ、基板D表面凹凸の高低差が均一化する。こ
れにより基板D表面に形成される溝状の研磨痕は、研磨
テープ4の走行方向に沿うもの、すなわちほぼ基板Dの
円周方向に沿うものとなり、基板Dはこのような形状の
表面凹凸を有するものとなる。
【0024】同時に、基板Dとコンタクトローラ5の間
には、電解液およびテープ本体4aを経て好ましくは電
流密度0.1〜30A/cm2の直流電流が基板Dから
コンタクトローラ5に向けて流れる。この際、電解液に
接する基板D表面の凸部はテープ本体4aとの距離が小
さいため、凸部に接する電解液中には凹部に比べ高い密
度の電流が流れる。このため、基板Dの表面の凸部、特
にその突出高さの高いものは、凹部に比べてより多く電
解液中に溶出し、基板Dの表面凹凸の高低差はいっそう
均一化する。基板Dの回転により、基板Dの表面にはそ
の全体にわたって凹凸の高低差の均一化がなされる。
【0025】また、研磨処理操作を行う際には、上記揺
動機構によって、研磨テープ4をテープ走行方向に対し
垂直な方向に例えば振動数100〜600回/分、振幅
0.1〜10mmの条件で揺動させ、基板Dの研磨処理
面表面形状を基板半径方向に均一化するのが好ましい。
【0026】上記操作を所定時間、例えば10〜120
秒行うことによって、基板D両面の表面全体を、表面平
均粗さRaおよび最大突起高さRpが所望の値となるま
で研磨処理する。また、研磨処理を施すべき基板Dを基
板支持部2にセットする作業、および研磨処理終了後の
基板Dを研磨装置1から取り外す作業を行う際には、自
動基板搬送装置を用いることができる。
【0027】このようにして研磨処理を施した基板Dを
用いて磁気記録媒体を製造するには、既知の製造方法を
採用することができる。すなわち、スパッタ装置を用い
て、研磨処理済みの基板D上にCr合金などからなる非
磁性下地膜、Co合金などからなる磁性膜、およびカー
ボンなどからなる保護膜をスパッタリングにより順次形
成する方法を採用することができる。さらに、保護膜上
には、パーフルオロポリエーテルなどのフッ化物系潤滑
剤等を塗布することによって潤滑膜を設けるのが好まし
い。
【0028】図3は、上記研磨方法によって研磨処理さ
れた基板D上に上記各膜を形成した磁気記録媒体の例を
示すものである。図中、符号11は非磁性下地膜、符号
12は磁性膜、符号13は保護膜、符号14は潤滑膜を
示すものである。
【0029】上記磁気記録媒体用基板の研磨方法にあっ
ては、研磨テープ4として、テープ本体4a上に多数の
研磨毛4bを有するものを用い、この研磨テープ4を、
研磨毛4bが基板表面に接触し、かつテープ本体4aが
基板D表面に接触しないように基板Dに対して走行させ
るので、基板Dと研磨毛4bが接触する部分の基板Dに
は研磨毛4bおよび電解液中の砥粒が擦り付けられ、基
板Dの表面の凸部、特にその突出高さの高いものが機械
的に削り取られ、基板D表面凹凸の高低差が均一化され
る。これに加えて、研磨テープ4と基板Dの接触部分に
電解液を供給しこの電解液中に基板Dからテープ本体4
a、コンタクトローラ5に向けて電流を流すので、上記
凸部、特にその突出高さの高いものは、凹部に比べてよ
り多く電解液中に溶出し、基板Dの表面凹凸の高低差は
いっそう均一化される。このため、均一な表面形状を有
する基板Dを得ることができる。
【0030】また、機械研磨処理後に電解研磨処理を行
う方法に比べ、1つの工程で研磨処理加工を行うことが
でき、生産効率の向上を図ることが可能となる。
【0031】また、研磨テープ4のテープ本体4aを、
電気抵抗が小さくかつ抵抗値が全面にわたり均一な材料
である金属材料からなるものとすることによって、基板
Dとコンタクトローラ5の間の電気抵抗を最小限に抑
え、しかも研磨処理時の電解条件を、電解液と研磨テー
プ4の接触部分全体にわたり均一化することができる。
このため、処理効率の低下や、電解条件の偏りによる基
板D表面形状の不均一化を防ぐことができるばかりでな
く、目的とする電流密度等の研磨処理条件を容易に得る
ことができ、基板の表面特性をより精密にコントロール
することが可能となる。
【0032】また上記研磨処理は、研磨テープ4を基板
Dに対して走行させつつ行われるため、研磨処理操作の
過程において基板Dには逐次研磨テープ4の新しい部分
が接することになる。このため、基板Dに接する電解液
は常に温度、濃度の偏りがなく、しかも気泡を含まない
ものとなる。従って、電解処理条件を基板Dと研磨テー
プ4の接触部分全体にわたり均一化し、基板D表面形状
を均一化するとともに処理効率の低下を防ぐことができ
る。さらには、電解反応によってテープ本体4aの表面
に電解液中に溶出した基板Dの構成材料に由来する析出
物が生じた場合でも、この析出物に起因する電気抵抗増
大による処理効率の低下や、電解条件の偏りによる基板
D表面形状の不均一化を招くことがない。
【0033】また、研磨テープ4が基板Dに接するごく
狭い範囲の基板D表面にのみ研磨処理が施されるため、
基板Dの全面を同時に電解研磨処理する方法に比べ、電
解研磨処理を行うために必要な電流が僅かなものとな
り、電源等に必要な設備コスト低減を可能とするととも
に、操作の安全性を高めることができる。また、研磨テ
ープ4によってコンタクトローラ5と基板Dの間の距離
を一定に維持し、基板Dの電解研磨処理条件を一定と
し、基板Dの表面に均一な研磨処理を施すことができ
る。
【0034】さらには、研磨処理を施すべき基板Dを基
板支持部2にセットする作業、および研磨処理終了後の
基板Dを装置から取り外す作業を行うための自動基板搬
送に対応しやすく、枚葉処理が可能となる。このため、
作業の効率化、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0035】また、一般に、基板上に非磁性下地膜等を
介して磁性膜を形成し磁気記録媒体を製造する場合に
は、基板表面に、基板の円周方向に沿う溝状凹凸を形成
することによって、磁性膜内の結晶配向性を優れたもの
とし、この磁気記録媒体の磁気特性を高めることができ
ることが知られている。上記方法によれば、研磨処理操
作によって基板D表面に形成される研磨痕が基板Dの円
周方向に沿うものとなり、磁気特性に優れた磁気記録媒
体を作製可能な基板を得ることができる。さらには、基
板Dの両面側の研磨処理機構3を同時に用いることによ
って、1つの工程で基板Dの両面を研磨処理することが
でき、生産性の向上が可能となる。
【0036】また、研磨装置1にあっては、上述の通
り、均一な研磨処理を効率よくかつ容易にしかも低コス
トで施すことが可能となる。
【0037】
【実施例】(試験例1〜4)図1および図2に示すもの
と同様の研磨装置1を用いて、次に示すようにして基板
表面を研磨処理した。研磨装置1としては、次に示す構
成のものを用いた。コンタクトローラ5としては、外径
が40mm、軸方向長さが48mmであるステンレス製
のものを用いた。コンタクトローラ5の研磨テープ押付
圧力は2kg/cm2とした。また電源8としては、6
Aの直流電源を用いた。研磨テープ4としては、厚さ
1.0mm、幅38mmのアルミニウムからなるテープ
本体4a上に、ナイロン繊維からなる長さ0.5mm、
太さ10μmの研磨毛4bを有するものを用いた。テー
プ本体4aの面積当たりの研磨毛4bの数は、5000
本/cm2とした。
【0038】表面NiPメッキ膜を有するアルミニウム
合金からなる磁気記録媒体用基板(昭和アルミニウム社
製NP、直径95mm、厚さ0.8mm)を研磨装置1
の基板支持部2にセットし、回転数200rpmで定速
回転させるとともに、研磨処理機構3を稼働し研磨処理
操作を1分間行った。
【0039】この際、研磨テープ4の引き取り速度は、
0.2cm/secとした。また電解液としては、日本
ミクロコーティング社製E2中に、砥粒として昭和電工
社製ショウポリッシュD(ダイヤモンド系、粒度0.2
μm)を20%添加した懸濁液を用いた。電解液流下量
は、1ml/秒とした。基板Dとコンタクトローラ5の
間に流す電流の平均密度は、表1に示すとおりとした。
【0040】上記研磨方法によって研磨処理された基板
の表面平均粗さRaおよび最大突起高さRpを、AFM
を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0041】(試験例5、6)上記試験例1〜4で用い
たものと同様の基板を、砥粒を担持した研磨テープを用
いて機械的に研磨処理し、続いてこの基板および陰極板
を電解槽(容量10l)中で電解液(日本ミクロコーテ
ィング社製E2)中に浸漬し、電解反応により基板表面
を電解研磨処理した。この研磨方法によって処理された
基板の表面平均粗さRaおよび最大突起高さRpを測定
した結果を、電解研磨処理時の平均電流密度とともに表
1に併せて示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、図1および図2に示す研磨処理
装置を用いて研磨処理を施す方法によって処理された基
板は、従来の電解研磨処理法を用いた試験例5、6の方
法によって処理された基板に比べ、表面平均粗さRaと
最大突起高さRpの差が小さく、均一な研磨処理が可能
となったことがわかる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、導電性材料からなるテープ本体上に非導電性材料か
らなる研磨毛を有する研磨テープを用い、この研磨テー
プを、研磨毛が基板表面に接触し、かつテープ本体が基
板表面に接触しないように基板に対して走行させるとと
もに、研磨テープと基板の接触部分に電解液を供給し、
この電解液中に基板からテープ本体に向けて電流を流す
ので、基板の表面の凸部、特にその突出高さの高いもの
を、機械的に削り取るとともに電解液中に溶出させ、基
板の表面凹凸の高低差を均一化することができる。従っ
て、均一な表面形状を有する基板を効率よく得ることが
できる。
【0045】また、研磨テープのテープ本体を金属材料
からなるものとすることによって、処理効率の低下や、
電解条件の偏りによる基板表面形状の不均一化を防ぐこ
とができるばかりでなく、目的とする電流密度等の研磨
処理条件を容易に得ることができ、基板の表面特性をよ
り精密にコントロールすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置の一
実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面
図を示す。
【図2】 図1に示す研磨装置に用いられる研磨テープ
を示す斜視図である。
【図3】 本発明の磁気記録媒体の例を示す一部断面図
である。
【符号の説明】
1・・・研磨装置、2・・・基板支持部、3・・・研磨処理機
構、4・・・研磨テープ、4a・・・テープ本体、4b・・・研
磨毛、5・・・コンタクトローラ(研磨テープ接触手
段)、6・・・研磨テープ供給部(研磨テープ走行手
段)、7・・・電解液供給ノズル(電解液供給手段)、8・
・・電源、11・・・非磁性下地膜、12・・・磁性膜、13・・
・保護膜、D・・・磁気記録媒体用基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨テープを用いて磁気記録媒体用基板
    表面を研磨処理する磁気記録媒体用基板の研磨方法であ
    って、 研磨テープとして、導電性材料からなるテープ本体上
    に、基板表面を機械的に研磨処理する非導電性材料から
    なる多数の研磨毛を有するものを用い、この研磨テープ
    を、研磨毛が基板表面に接触し、かつテープ本体が基板
    表面に接触しないように基板に対して走行させるととも
    に、研磨テープと基板の接触部分に電解液を供給しこの
    電解液中に基板からテープ本体に向けて電流を流すこと
    を特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  2. 【請求項2】 研磨テープとして、テープ本体が金属材
    料からなるものを用いることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  3. 【請求項3】 電解液として、基板表面を機械的に研磨
    する砥粒を含むものを用いることを特徴とする請求項1
    または2記載の磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体用基板の研磨方法によって研磨処理が施さ
    れたことを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の磁気記録媒体用基板上
    に、少なくとも非磁性下地膜、磁性膜、保護膜を形成し
    たことを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 磁気記録媒体用基板を回転可能に支持す
    る基板支持部と、基板表面に研磨処理を施す研磨処理機
    構を備え、 研磨処理機構が、基板表面を研磨処理する研磨テープを
    基板表面に押し当てる研磨テープ接触手段と、研磨テー
    プを基板に対して走行させる研磨テープ走行手段と、電
    解液を研磨テープと基板の接触部分に供給する電解液供
    給手段と、この接触部分の電解液中に基板側から電流を
    流す電源を有するものであり、 研磨テープが、導電性材料からなるテープ本体上に、磁
    気記録媒体用基板表面を機械的に研磨する非導電性材料
    からなる多数の研磨毛を有するものであり、 研磨テープ接触手段が、研磨テープを基板表面に押し当
    てる際に、研磨毛が基板表面に接触し、かつテープ本体
    が基板表面に接触しないようにすることができるもので
    あることを特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨装置。
  7. 【請求項7】 導電性材料からなるテープ本体上に、磁
    気記録媒体用基板表面を機械的に研磨する非導電性材料
    からなる多数の研磨毛を有することを特徴とする研磨テ
    ープ。
  8. 【請求項8】 テープ本体が、金属材料からなるもので
    あることを特徴とする請求項7記載の研磨テープ。
  9. 【請求項9】 テープ本体が、アルミニウムまたはアル
    ミニウム合金からなるものであることを特徴とする請求
    項8記載の研磨テープ。
JP8779798A 1998-03-31 1998-03-31 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ Withdrawn JPH11277339A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8779798A JPH11277339A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8779798A JPH11277339A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11277339A true JPH11277339A (ja) 1999-10-12

Family

ID=13924982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8779798A Withdrawn JPH11277339A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11277339A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005508074A (ja) * 2001-03-14 2005-03-24 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電解ケミカルメカニカルポリッシングを用いる基板平坦化
JP2008200775A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Nihon Micro Coating Co Ltd 超電導体用テープ基材の製造方法及びテープ基材
US8512100B2 (en) 2008-07-01 2013-08-20 Showa Denko K.K. Abrasive tape, method for producing abrasive tape, and varnishing process
US9156128B2 (en) 2012-06-20 2015-10-13 Showa Denko K.K. Burnishing method and burnishing apparatus

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005508074A (ja) * 2001-03-14 2005-03-24 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電解ケミカルメカニカルポリッシングを用いる基板平坦化
JP2008200775A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Nihon Micro Coating Co Ltd 超電導体用テープ基材の製造方法及びテープ基材
US8512100B2 (en) 2008-07-01 2013-08-20 Showa Denko K.K. Abrasive tape, method for producing abrasive tape, and varnishing process
US9156128B2 (en) 2012-06-20 2015-10-13 Showa Denko K.K. Burnishing method and burnishing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101618354B1 (ko) Cmp 패드 두께 및 프로파일 모니터링 시스템
US20060228992A1 (en) Process control in electrochemically assisted planarization
US4789438A (en) Cathode surface treatment for electroforming metallic foil or strip
US4514937A (en) Method for the surface treatment of magnetic recording media
US7410410B2 (en) Method and apparatus to produce a GRM lapping plate with fixed diamond using electro-deposition techniques
JP2008528308A (ja) 電気処理プロファイル制御
US6957511B1 (en) Single-step electromechanical mechanical polishing on Ni-P plated discs
KR100408932B1 (ko) 반도체장치의 연마방법
JPH11277339A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法、装置、および研磨テープ
JP3083288B2 (ja) 磁気基板のための電気化学機械的研磨システムおよび方法
JPH05101595A (ja) データーカートリツヂ・マイクロデーターカートリツヂに使用する段付ピンの製造方法
JPH07134823A (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体の製造方法
JP3485170B2 (ja) リムーバブル電極
JP2002355748A (ja) 化学的機械的研磨方法及び化学的機械的研磨装置
JPH11221741A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法および装置
JP2001250224A (ja) 磁気記録媒体用基板とその製造方法および磁気記録媒体
EP0323505A1 (en) CATHODIC SURFACE TREATMENT FOR ELECTROFORMING A METAL SHEET OR SHEET.
JP2000015520A (ja) 電解研磨併用磁気ディスク基板表面加工方法及び加工装置
JP6199047B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JPH11254856A (ja) 印刷版用金属板の予備研磨方法
US20070215488A1 (en) Methods and apparatus for electroprocessing with recessed bias contact
JP3106274B2 (ja) ドレッシング装置
JP2854323B2 (ja) 磁気ディスク装置
JP2854573B2 (ja) 磁気デイスク装置
JP2001020100A (ja) 磁気記録媒体用ディスクの電解加工装置及び加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607