JPH11221741A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法および装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体用基板、その研磨方法および装置

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JPH11221741A
JPH11221741A JP2623498A JP2623498A JPH11221741A JP H11221741 A JPH11221741 A JP H11221741A JP 2623498 A JP2623498 A JP 2623498A JP 2623498 A JP2623498 A JP 2623498A JP H11221741 A JPH11221741 A JP H11221741A
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polishing
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Kunio Kamura
邦夫 加村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な研磨処理を効率よくかつ容易にしかも
低コストで施すことが可能な磁気記録媒体用基板の研磨
方法および装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 磁気記録媒体用基板Dを回転させつつ、
基板D表面の一領域において機械研磨処理機構4を用い
て機械研磨処理を施し、同時に、他の一領域において電
解研磨処理機構3を用いて電解研磨処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等に用いられる磁気記録媒体用基板の研磨方法および装
置、これによって研磨された磁気記録媒体用基板、およ
びこの基板を用いた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、表面にN
iPメッキ膜を有するアルミニウム合金などからなる磁
気記録媒体用基板上に非磁性下地膜、磁性膜、保護膜を
形成したものが多く用いられている。磁気記録媒体の製
造に際しては、基板上に非磁性下地膜を形成するに先だ
って、基板の表面に研磨処理を施し、その平滑性を高め
ることが行われている。
【0003】上記研磨処理の方法としては、主に機械研
磨処理法が用いられ、電解研磨処理法も一部用いられて
いる。機械研磨処理法は、例えば次のようにして行われ
る。図5は、上記基板表面に機械研磨処理を施す機械研
磨処理装置を示すもので、ここに示す機械研磨処理装置
51は、各々周方向に回転可能な円板状の上部および下
部研磨盤52、53と、磁気記録媒体用基板を保持する
薄円板状のキャリア54とを備えたものである。キャリ
ア54は、研磨処理を施すべき基板Dを保持するための
複数の保持部54aを有するもので、上部および下部研
磨盤52、53の間に挟み込まれた状態で研磨盤52、
53が回転する際に自身の周方向に回転するように構成
されている。
【0004】この機械研磨処理装置51を用いて磁気記
録媒体用基板表面を研磨処理するには、基板Dをキャリ
ア54の保持部54aに保持させ、このキャリア54を
上部および下部研磨盤52、53の間に挟み込み、これ
ら研磨盤52、53の間に砥粒を供給しつつ研磨盤5
2、53およびキャリア54をそれぞれ図中矢印方向に
回転させ、上記基板Dの表面を砥粒によって研磨する。
この研磨作業の際には、研磨盤52、53の間に挟まれ
たキャリア54が自身の周方向に回転し、基板Dの位置
が研磨盤52、53の内周側と外周側の間で常時変化す
るため、研磨盤面内で砥粒が偏在した場合でも均一な研
磨処理を行うことができる。
【0005】また電解研磨処理法は、例えば次のように
して行われる。図6は、上記基板表面に電解研磨処理を
施す電解研磨処理装置を示すもので、ここに示す電解研
磨処理装置61は、電解液を収容する電解槽62と、電
源63と、陰極板64を備えたものである。
【0006】この電解研磨処理装置61を用いて基板D
の表面を研磨処理するには、電解槽62内に電解液を満
たし、それぞれ電源63に接続された基板Dおよび陰極
板64を互いに向き合わせて電解液中に浸漬し、電解反
応により基板Dの表面のごく浅い領域を電解液中に溶出
させる。基板D表面に凹凸がある場合には、陰極板64
との距離が小さい凸部に流れる電流の密度が凹部に流れ
る電流密度に比べ高くなり、凸部で選択的に電解反応が
進行し、その結果、基板D表面が平坦化する。また、上
記2つの方法を組み合わせ、機械研磨処理法によって粗
研磨処理を施した基板Dの表面を、電解研磨処理法によ
って精密に研磨する方法も行われることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記機
械研磨処理法では、操作が煩雑で作業に多大な労力、時
間を要する不満があった。また基板表面に局部的に深い
研磨痕が残ることがあり、基板の表面平滑性が不十分と
なってしまうことがあった。また電解研磨処理法では、
電解液中に濃度、温度等の偏りが生じやすく、また電解
反応により電解液中に電解液成分由来の気泡が発生する
ことがある。このため、電解条件が基板面内で偏り、均
一な電解研磨処理が難しくなることがあった。また、電
解研磨処理では、機械研磨処理に比べて時間当たりの処
理効率が低く、処理効率を高めるためには、電極と基板
の間に高電流(例えば100〜2000A)を流す必要
があり、電源等の設備に必要なコストが嵩む問題があっ
た。また、機械研磨処理に続いて電解研磨処理を行う方
法では、作業に多大な労力、時間を要する問題があっ
た。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、均一
な研磨処理を効率よくかつ容易にしかも低コストで施す
ことが可能な磁気記録媒体用基板の研磨方法および装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、磁気記録媒
体用基板を回転させつつ、基板表面の一領域において機
械研磨処理を施し、同時に、他の一領域において電解研
磨処理を施す磁気記録媒体用基板の研磨方法によって解
決することができる。電解研磨処理を行うにあたって
は、電解液を含浸した吸液性テープを基板表面に接触さ
せつつ基板上を走行させるとともに、基板に接触した部
分の吸液性テープに含浸した電解液中に基板側から電流
を流し、吸液性テープ接触部分の基板表面に電解研磨処
理を施す方法を採用することができる。また、基板表面
に機械研磨処理および電解研磨処理を同時に施すのに先
だって、基板表面に機械研磨処理のみを所定時間施すこ
とも可能である。さらに、基板表面に機械研磨処理およ
び電解研磨処理を同時に施した後、基板表面に機械研磨
処理のみを所定時間施すことも可能である。また、基板
表面に機械研磨処理および電解研磨処理を同時に施した
後、基板表面に電解研磨処理のみを所定時間施すことも
できる。また、基板表面に機械研磨処理操作および電解
研磨処理操作を同時に施すにあたっては、機械研磨処理
終了後の基板表面を拭き取りテープを用いて拭き、基板
表面に付着した付着物を除去するのが好ましい。本発明
の磁気記録媒体用基板の研磨方法は、磁気記録媒体用基
板を回転させつつ基板表面の一領域に電解研磨処理を施
す磁気記録媒体用基板の研磨方法であって、電解研磨処
理を行うにあたり、電解液を含浸した吸液性テープを基
板表面の一領域に接触させつつ基板上を走行させるとと
もに、基板表面に接触した部分の吸液性テープに含浸し
た電解液中に基板側から電流を流し、吸液性テープ接触
部分の基板表面に電解研磨処理を施すものであってもよ
い。また、本発明の磁気記録媒体用基板は、上記のうち
いずれかの磁気記録媒体用基板の研磨方法によって研磨
処理が施されたものである。また、本発明の磁気記録媒
体は、この磁気記録媒体用基板上に、少なくとも非磁性
下地膜、磁性膜、保護膜を形成したものである。また、
本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置は、磁気記録媒
体用基板を回転可能に支持する基板支持部と、基板表面
の一領域に機械研磨処理を施す機械研磨処理機構と、基
板表面の他の一領域に電解研磨処理を施す電解研磨処理
機構を備え、電解研磨処理機構が、電解液を含浸可能な
吸液性テープを基板表面に押し当てる吸液性テープ接触
手段と、吸液性テープを基板上で走行させる吸液性テー
プ走行手段と、電解液を吸液性テープに供給する電解液
供給手段と、基板表面に接触した部分の吸液性テープに
含浸した電解液中に基板から吸液性テープ接触手段に向
けて電流を流す電源を有するものとしてよい。また、上
記構成に加え、機械研磨処理機構の基板回転方向下流側
に、機械研磨処理終了後の基板表面を拭き、基板表面に
付着した付着物を除去する拭き取り機構を備え、この拭
き取り機構が、基板表面の付着物を拭き取る拭き取りテ
ープを基板に押し当てる拭き取りテープ接触手段と、拭
き取りテープを基板上で走行させる拭き取りテープ走行
手段を有するものとすることもできる。また、本発明の
磁気記録媒体用基板の研磨装置は、磁気記録媒体用基板
を回転可能に支持する基板支持部と、基板表面の一領域
に電解研磨処理を施す電解研磨処理機構を備え、電解研
磨処理機構が、電解液を含浸可能な吸液性テープを基板
表面に押し当てる吸液性テープ接触手段と、吸液性テー
プを基板上で走行させる吸液性テープ走行手段と、電解
液を吸液性テープに供給する電解液供給手段と、基板表
面に接触した部分の吸液性テープに含浸した電解液中に
基板から吸液性テープ接触手段に向けて電流を流す電源
を有するものとすることもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の磁気記録媒体用
基板研磨装置の第1の実施形態の主要部を示すもので、
ここに示す研磨装置1は、研磨処理を施すべき磁気記録
媒体用基板Dを回転可能に支持する基板支持部2と、基
板D表面に機械研磨処理を施す機械研磨処理機構4と、
基板D表面に電解研磨処理を施す電解研磨処理機構3を
備えて構成されている。
【0010】機械研磨処理機構4は、基板Dを機械的に
研磨する研磨テープBを走行させる研磨テープ供給部9
と、研磨テープBを基板D表面の一領域に押し当てる機
械研磨用コンタクトローラ(以下、機械ローラという)
8と、研磨テープBと基板Dの接触部分に砥粒を供給す
る砥粒供給ノズル10を有するものである。
【0011】研磨テープ供給部9は、研磨テープBを送
り出す送出ロール9aと、研磨テープBを引き取る引取
ロール9bを備えたもので、送出ロール9aに巻き付け
られた研磨テープBを、引取ロール9bによって、研磨
テープBが接触する部分の基板Dの半径方向に対して垂
直な方向に任意の速度で引き取ることができるように構
成されている。また、研磨テープ供給部9は、図示せぬ
揺動機構によって、研磨テープBを、テープ走行方向に
対し垂直な方向に揺動させることができるように構成す
るのが好ましい。
【0012】機械ローラ8は、基板Dの両面に基板内周
側から外周側にかけて基板半径方向に沿って配設されて
いる。機械ローラ8の外径は、20〜100mmとする
のが好ましく、軸方向長さは、機械研磨処理操作時に、
基板Dの研磨処理を施すべき面の最内周側から最外周側
に至る長さに設定するのが好ましい。機械ローラ8の材
質は、特に限定されないが、合成樹脂、ゴム、金属など
を用いることができる。機械ローラ8は、基板D方向に
付勢され、上記研磨テープBを所定の押付圧力、例えば
1〜4kg/cm2で基板Dに押し当てることができる
ように構成するのが好ましい。
【0013】研磨テープBとしては、ポリッシングテー
プ、テクスチャテープ、ワイピングテープを用いること
ができ、特に、厚さ0.1〜1.0mm、幅20〜60
mmのものを用いるのが好ましい。この研磨テープBと
して好適な市販品としては、例えば千代田社製2501
−2を挙げることができる。
【0014】砥粒供給ノズル10は、機械ローラ8の上
方位置に設けられ、図示せぬ砥粒スラリー貯留槽内の砥
粒スラリーを流下し、研磨テープBと基板Dの接触部分
に供給することができるように構成されている。
【0015】電解研磨処理機構3は、電解液を含浸可能
な吸液性テープAを、基板D表面に押し当てる吸液性テ
ープ接触手段となる電解研磨処理用コンタクトローラ
(以下、電解ローラという)6と、吸液性テープAを基
板Dで走行させる吸液性テープ走行手段となる吸液性テ
ープ供給部5と、電解液を電解ローラ6と基板Dの間に
連続的に供給する電解液供給手段となる電解液供給ノズ
ル7と、電解ローラ6および基板Dに電気的に接続され
た電源11を備えて構成されている。
【0016】吸液性テープAとしては、後述する電解液
が容易に浸透する材料からなる一定厚さのものが用いら
れ、例えば汎用のポリッシングテープ、テクスチャテー
プ、ワイピングテープなどを用いることができ、特に、
厚さ0.1〜2mm、幅20〜60mmのものを用いる
のが好適である。この吸液性テープAとして好適な市販
品としては、例えば千代田社製、1601−2play
を挙げることができる。
【0017】電解ローラ6は、電解研磨処理の際に陰極
として機能するもので、基板中心を中心として機械ロー
ラ8に対し対称な位置の基板Dの両面に基板内周側から
外周側にかけて基板半径方向に沿って配設されている。
電解ローラ6は、金属、導電性合成樹脂などの導電性材
料からなり、外径が20〜100mmであり、軸方向長
さが、電解研磨処理操作時に、基板Dの研磨処理を施す
べき面の最内周側から最外周側に至る長さとされたもの
を用いるのが好適である。電解ローラ6は、基板D方向
に付勢され、上記吸液性テープAを所定の押付圧力、例
えば0.1〜4kg/cm2で基板Dに押しつけること
ができるように構成するのが好ましい。
【0018】吸液性テープ供給部5は、吸液性テープA
を送り出す送出ロール5aと、吸液性テープAを引き取
る引取ロール5bを備えたもので、送出ロール5aに巻
き付けられた吸液性テープAを、引取ロール5bによっ
て任意の速度で引き取ることができるように構成されて
いる。また、吸液性テープ供給部5は、図示せぬ揺動機
構によって、吸液性テープAを、テープ走行方向に対し
垂直な方向に揺動させることができるように構成するの
が好ましい。
【0019】電解液供給ノズル7は、電解ローラ6の上
方位置に設けられ、図示せぬ電解液貯留槽内の電解液を
吸液性テープに流下し、含浸させることができるように
なっている。電源11としては、後述する電解研磨処理
操作時に、電解ローラ6と基板Dの間に流れる電流の密
度が所定の値、例えば0.1〜30A/cm2となる直
流電源を用いるのが好ましい。
【0020】次に、上記研磨装置1を用いた場合を例と
して、本発明の磁気記録媒体用基板の研磨方法の第1の
実施形態を説明する。本実施形態の研磨方法では、ま
ず、予め研磨テープ供給部9の送出ロール9aに巻き付
けられた研磨テープBを、機械ローラ8と基板Dの間を
経由させて引取ロール9bに固定しておく。同様に、吸
液性テープ供給部5の送出ロール5aに巻き付けられた
吸液性テープAを、電解ローラ6と基板Dの間を経由さ
せて引取ロール5bに固定しておく。
【0021】次に、研磨処理を施すべき基板Dを基板支
持部2にセットする。ここで用いる基板Dとしては、N
iPメッキアルミニウム合金基板や、NiPメッキガラ
ス基板などの表面部分が導電性材料からなるものを用い
ることができる。この基板Dとしては、通常、表面平均
粗さRaが100nm以上であるものが用いられる。こ
の基板Dを所定の速度、例えば50〜800rpmで図
中矢印方向に回転させる。
【0022】次に、以下に示す機械研磨処理操作を行
う。研磨テープ供給部9にセットされた研磨テープB
を、引取ロール9bにより引き取る。この際、研磨テー
プBの引き取り速度は、0.05〜1cm/secとす
るのが好ましい。研磨テープBは、機械ローラ8と基板
Dの間を通過する際に、基板Dに接触しつつ基板D上を
走行する。
【0023】同時に、砥粒供給ノズル10を通して、図
示せぬ砥粒スラリー貯留槽内の砥粒スラリーを研磨テー
プB上に流下する。上記砥粒スラリーとしては、水中に
砥粒を懸濁させたものが用いられる。この砥粒として
は、既知の機械研磨処理法に用いられる汎用のものを用
いることができ、例えば、アルミナ系、炭化珪素系、ダ
イヤモンド系のもの等が使用可能である。中でも特に、
ダイヤモンド系のものを用いるのが好ましく、粒度0.
2〜1.0μmのものを用いるのが好適である。この砥
粒として好適な市販品としては、例えば昭和電工社製シ
ョウポリッシュDを挙げることができる。この砥粒スラ
リーは、水に対し上記砥粒を3〜10%添加したものと
するのが好ましい。また砥粒スラリーを流下する際の流
量は、10〜30ml/分とするのが好ましい。
【0024】砥粒供給ノズル10から流下した砥粒スラ
リーは、研磨テープBと基板Dの接触部分に達し、砥粒
スラリー中の砥粒は、基板Dの半径方向に対し垂直な方
向に走行する研磨テープBによって基板Dに擦り付けら
れ、基板Dの表面を削り取る。回転する基板Dの表面を
砥粒が削り取ることにより基板D表面に形成される溝状
の研磨痕は、研磨テープBの走行方向に沿うもの、すな
わちほぼ基板Dの円周方向に沿うものとなり、基板Dは
このような形状の表面凹凸を有するものとなる。
【0025】また、この機械研磨処理操作を行う際に
は、上記揺動機構によって、研磨テープBをテープ走行
方向に対し垂直な方向に例えば振動数100〜600回
/分、振幅0.1〜10mmの条件で揺動させ、基板D
の研磨処理表面形状を基板半径方向に均一化するのが好
ましい。
【0026】上記機械研磨処理操作を行うのと同時に、
以下に示す電解研磨処理操作を行う。吸液性テープ供給
部5にセットされた吸液性テープAを、引取ロール5b
により引き取る。この際、吸液性テープAの引き取り速
度は、0.05〜1cm/secとするのが好ましい。
吸液性テープAは、電解ローラ6と基板Dの間を通過す
る際に、基板Dおよび電解ローラ6の双方に接しつつ走
行する。このため、電解研磨処理操作の過程で基板Dお
よび電解ローラ6には、逐次吸液性テープAの新しい面
が接することになる。
【0027】同時に、電解液供給ノズル7を通して、図
示せぬ電解液貯留槽内の電解液を吸液性テープA上に流
下する。ここで用いる電解液としては、既知の電解研磨
処理法に用いられる汎用のものを用いることができ、例
えば、硫酸、硝酸、塩酸、クロム酸、リン酸、シュウ
酸、酢酸のうち1種または2種以上を1〜40%含有す
るものが使用可能である。中でも特に、リン酸系のもの
を用いるのが好ましく、例えばリン酸3〜20%、水酸
化ナトリウム1〜10%、寒天5〜20%を含むものを
用いることができる。また電解液は粘度が1〜100c
psであるものを用いるのが好ましい。この電解液とし
て好適な市販品としては、例えば日本ミクロコーティン
グ社製E2を挙げることができる。なお、本明細書にお
いて、%とは重量%を指す。
【0028】電解液の液温は、電解液が電解液供給ノズ
ル7から流下し、電解ローラ6/基板D間に達した時点
での液温が10〜50℃となるように設定するのが好ま
しい。また電解液を流下する際の流量は、30〜100
ml/分とするのが好ましい。電解液供給ノズル7から
流下した電解液は吸液性テープAに含浸し、電解液を含
浸した吸液性テープAは電解ローラ6と基板Dの間に達
する。
【0029】これによって、電解ローラ6と基板Dの間
には、ローラ6および基板Dの双方に接触したごく狭い
面積の吸液性テープ部分に含浸した電解液を通して電流
が基板Dからローラ6に向けて流れ、吸液性テープAに
接触する部分の基板Dには、電解研磨処理が施される。
【0030】一般に、表面凹凸を有する被処理物に電解
研磨処理を施す際には、凸部の方が凹部に比べ電極に対
する距離が小さくなるため、凸部と電極の間に流れる電
流の密度は凹部と電極の間に流れる電流の密度より高く
なる。このため、表面に凹凸が形成された基板Dの表面
凸部は、凹部に比べてより多く電解液中に溶出し、基板
Dの表面は平坦化する。
【0031】また電解研磨反応の際には、電解ローラ6
の表面に、電解液中に溶出した基板Dの構成材料に由来
する析出物が生じるが、この析出物は、電解ローラ6上
を走行する吸液性テープAによって電解ローラ6表面か
ら掻き取られ、電解ローラ6の表面は常に析出物のない
清浄な状態となる。
【0032】また、この電解研磨処理操作を行う際に
は、上記揺動機構によって、吸液性テープAをテープ走
行方向に対し垂直な方向に例えば振動数0〜300回/
分、振幅0.1〜10mmの条件で揺動させ、基板Dの
研磨処理表面形状を基板半径方向に均一化するのが好ま
しい。
【0033】基板Dはその周方向に回転するため、上記
操作によって、基板Dの表面には、基板周方向に交互に
機械研磨処理および電解研磨処理が繰り返し施されるこ
とになる。このため、機械研磨処理操作によって基板D
の表面に凹凸が形成される過程と、続く電解研磨処理操
作によって基板Dの表面凸部が選択的に電解液中に溶出
し平坦化する過程の2つの過程が交互に繰り返される。
【0034】上記機械研磨処理操作および電解研磨処理
操作を所定時間、例えば10〜120秒行うことによっ
て、基板Dの表面を、表面平均粗さRaおよび最大突起
高さRpが十分低くなるまで研磨処理した後、機械研磨
処理操作および電解研磨処理操作を停止する。また、研
磨処理を施すべき基板Dを基板支持部2にセットする作
業、および研磨処理終了後の基板Dを装置から取り外す
作業を行う際には、自動基板搬送装置を用いることがで
きる。
【0035】このようにして研磨処理を施した基板Dを
用いて磁気記録媒体を製造するには、既知の製造工程を
採用することができる。すなわち、スパッタ装置を用い
て、基板D上にCr合金などからなる非磁性下地膜、C
o合金などからなる磁性膜、およびカーボンなどからな
る保護膜をスパッタリングにより順次形成する方法を採
用することができる。さらに、保護膜上には、パーフル
オロポリエーテルなどのフッ化物系潤滑剤を塗布するこ
とによって潤滑膜を設けるのが好ましい。また、上記非
磁性下地層を形成するに先立ち、基板D表面にテクスチ
ャ加工を施してもよい。テクスチャ加工法としては、例
えばメカニカルテクスチャ加工法やレーザテクスチャ加
工法を採用することができる。
【0036】図2は、上記研磨方法によって研磨処理さ
れた基板D上に上記各膜を形成した磁気記録媒体の例を
示すものである。図中、符号41は非磁性下地膜、符号
42は磁性膜、符号43は保護膜、符号44は潤滑膜を
示すものである。
【0037】上記磁気記録媒体用基板の研磨方法にあっ
ては、基板D表面に機械研磨処理および電解研磨処理を
同時に施すので、機械研磨処理によって基板Dの表面に
凹凸が形成される過程と、続く電解研磨処理によって凸
部が選択的に電解液中に溶出し平坦化する過程の2つの
過程が交互に繰り返される。このため、機械研磨処理に
よって表面凹凸が形成された基板Dが電解研磨処理に供
されることとなり、電解研磨処理操作時には、基板Dと
電解ローラ6の間に流れる電流の密度が凸部とローラ8
の間できわめて高くなり、この部分で高い効率の電解反
応が起こり、電解研磨処理の効率が大きく向上する。従
って、研磨処理の効率を優れたものとすることができ
る。
【0038】また機械研磨処理操作によって基板D上に
形成された表面凹凸が、電解研磨処理操作によって一旦
平坦化するため、機械研磨処理のみを行う従来の方法に
比べ、局部的に一箇所が繰り返し削り取られることが起
こりにくく、基板D表面形状の均一性を高めることがで
きる。さらには、時間当たりの処理効率の高い機械研磨
処理を電解研磨処理操作と併用するため、電解研磨処理
のみを行う従来の方法に比べ、短時間での処理が可能と
なる。
【0039】また、吸液性テープを電解ローラ6を用い
て基板Dに接触させつつ走行させて電解研磨処理操作を
行うので、この操作中には、電解液を含浸した吸液性テ
ープの新しい面が逐次基板Dおよび電解ローラ6に接す
る。このため、基板Dに接する電解液は温度、濃度の偏
りがなく、しかも気泡を含まないものとなる。従って、
基板Dと吸液性テープAの接触部分全体の電解研磨処理
条件が均一化され、基板D表面形状の均一性を高めるこ
とができる。
【0040】また、吸液性テープが基板Dに接するごく
狭い範囲の基板表面にのみ電解研磨処理が施されるた
め、基板Dの全面を同時に電解研磨処理する従来の方法
に比べ、電解研磨処理を行うために必要な電流が僅かな
ものとなり、設備コスト低減を可能とするとともに、操
作の安全性を高めることができる。
【0041】また、吸液性テープにより電解ローラ6と
基板Dの間の距離を一定に維持し、基板Dの電解研磨処
理条件を一定とし、基板Dの表面に均一な電解研磨処理
を施すことができる。さらに、吸液性テープを走行させ
つつ電解研磨処理を行うので、陰極となる電解ローラ6
上に析出する析出物を吸液性テープによって掻き取り、
電解ローラ6表面を常に清浄な状態に保ち、この析出物
に起因する電解研磨処理効率の低下を防ぐことができ
る。
【0042】また、機械研磨処理操作および電解研磨処
理操作を一連の工程で行うことができるため、これらを
それぞれ別工程で実施する方法に比べ、簡単な操作での
研磨処理が可能となる。さらには、研磨処理を施すべき
基板Dを基板支持部2にセットする作業、および研磨処
理終了後の基板Dを装置から取り外す作業を行うための
自動基板搬送に対応しやすく、枚葉処理が可能となる。
このため、自動基板搬送の適用が難しい図5に示す従来
の機械研磨処理装置51を用いる方法に比べ、作業の効
率化を図ることが可能となる。
【0043】また、一般に、基板上に非磁性下地膜等を
介して磁性膜を形成し磁気記録媒体を製造する場合に
は、基板表面に、基板の円周方向に沿う溝状凹凸を形成
することによって、磁性膜内の結晶配向性を優れたもの
とし、この磁気記録媒体の磁気特性を高めることができ
ることが知られている。上記方法によれば、機械研磨処
理操作によって基板D表面に形成される研磨痕が基板D
の円周方向に沿うものとなり、研磨痕の形成方向が一定
とならない従来の機械研磨処理法によって研磨された基
板を用いて作製された磁気記録媒体に比べ、磁気特性に
優れた磁気記録媒体を作製可能な基板を得ることができ
る。
【0044】また、研磨装置1にあっては、上述の通
り、均一な研磨処理を効率よくかつ容易にしかも低コス
トで施すことが可能となる。
【0045】次に、本発明の磁気記録媒体用基板の研磨
方法の第2の実施形態について説明する。図3は、本発
明の磁気記録媒体用基板の研磨装置の第2の実施形態を
示すもので、ここに示す研磨装置21は、機械研磨処理
機構4の基板回転方向下流側に、機械研磨処理時に基板
Dに付着した砥粒スラリーなどの付着物を拭き取り、電
解研磨処理操作に供される基板Dの表面を清浄化する拭
き取り機構22を備えている点で上述の第1の実施形態
の研磨装置1と異なる。
【0046】拭き取り機構22は、基板D表面に付着し
た砥粒スラリーを拭き取る拭き取りテープCを基板Dに
押し当てる拭き取りテープC接触手段である拭き取り用
コンタクトローラ(以下、拭き取りローラという)23
と、拭き取りテープCを走行させる拭き取りテープ走行
手段である拭き取りテープ供給部24を有するものであ
る。
【0047】拭き取りローラ23は、上記機械ローラ8
の基板回転方向下流側に、基板Dの両面の基板内周側か
ら外周側にかけて基板半径方向に沿って配設されてお
り、その外径は、20〜100mmとするのが好まし
く、軸方向長さは、基板Dの研磨処理を施すべき面の最
内周側から最外周側に至る長さに設定するのが好まし
い。拭き取りローラ23の材質は、特に限定されない
が、合成樹脂、ゴム、金属などを用いることができる。
拭き取りローラ23は、基板D方向に付勢され、拭き取
りテープCを所定の押付圧力、例えば0.1〜4kg/
cm2で基板Dに押しつけることができるように構成す
るのが好ましい。
【0048】拭き取りテープ供給部24は、拭き取りテ
ープCを送り出す送出ロール24aと、拭き取りテープ
Cを引き取る引取ロール24bを備えたもので、送出ロ
ール24aに巻き付けられた拭き取りテープCを、引取
ロール24bによって、任意の速度で引き取ることがで
きるように構成されている。拭き取りテープCとして
は、吸液性に優れた材料からなるものが用いられ、例え
ば汎用のポリッシングテープ、テクスチャテープ、ワイ
ピングテープなどからなり、厚さ0.1〜2mm、幅3
0〜70mmのものを用いるのが好適である。この拭き
取りテープCとして好適な市販品としては、例えば千代
田社製2501−2を挙げることができる。
【0049】ここに示す研磨装置21を用いて、基板D
に研磨処理を施すには、予め拭き取りテープ供給部24
の送出ロール24aに巻き付けられた拭き取りテープC
を、拭き取りローラ23と基板Dの間を経由させて引取
ロール24bに固定しておく。
【0050】次に、上述の第1の実施形態の研磨方法の
説明中に示したのと同様にして、機械研磨処理操作およ
び電解研磨処理操作を行う。この際、拭き取りテープ供
給部24にセットされた拭き取りテープCを、引取ロー
ル24bにより引き取る。拭き取りテープCの引き取り
速度は、0.05〜1cm/secとするのが好まし
い。拭き取りテープCは、拭き取りローラ23と基板D
の間を通過する際に、基板Dに接触し、機械研磨処理操
作により基板Dの表面に付着した砥粒スラリーを拭き取
り、基板D表面を清浄化する。
【0051】本実施形態の研磨方法では、上記機械研磨
処理操作時に基板D表面に付着した砥粒スラリー等の付
着物を、上記拭き取りテープCによって直ちに拭き取
り、電解研磨処理操作に供される基板Dの表面を清浄化
し、電解液中への不純物混入を防ぎ、電解研磨処理の効
率を高く保つことができる。
【0052】また、上記第1および第2の実施形態の研
磨方法では、機械研磨処理操作と電解研磨処理操作を同
時に開始し、同時に停止する方法を採ったが、本発明の
研磨方法はこれに限らず、最初に、電解研磨処理機構3
を停止した状態で機械研磨処理機構4のみを所定時間、
例えば0.02〜2分間稼働して基板D表面に粗研磨処
理を施し、次いで上記第1および第2実施形態の方法と
同様に、機械研磨処理操作および電解研磨処理操作を同
時に行う方法を採ってもよい。上記機械研磨処理操作の
みを行う粗研磨処理工程において用いる砥粒は粒度が
0.2〜1μmであるものとするのが好ましい。
【0053】このように、機械研磨処理操作および電解
研磨処理操作を同時に行う工程に先だって、機械研磨処
理操作のみの粗研磨処理を行うことによって、処理前の
基板Dが大きな表面凹凸を有するものであった場合で
も、この凹凸の高低差を短時間のうちにある程度まで低
下させることができる。このため、処理時間を短縮する
と共に、電解液使用量を削減し、処理コスト低下を図る
ことができる。
【0054】また、上記第1および第2の実施形態の研
磨方法と同様にして機械研磨処理および電解研磨処理を
同時に行う工程の後で、機械研磨処理操作のみを所定時
間、例えば0.02〜2分間行うことも可能であり、こ
の操作によって、基板Dの表面に形成される周方向に沿
う研磨痕を適当な高低差を有するものとし、この基板D
を用いて磁気記録媒体を製造する際に、テクスチャ加工
を不要とすることができる。
【0055】さらには、上記第1および第2の実施形態
の研磨方法と同様にして機械研磨処理操作および電解研
磨処理操作を同時に行う工程の後で、電解研磨処理操作
のみを所定時間、例えば0.02〜2分間行い、基板D
の表面の平滑性を高めることも可能である。
【0056】また、本発明の磁気記録媒体用基板の研磨
方法は、次の工程に従って行ってもよい。図4は、本発
明の磁気記録媒体用基板の研磨装置の第3の実施形態を
示すもので、ここに示す研磨装置31は、機械研磨処理
機構4が設けられていない点で、上述の第1の実施形態
の研磨装置1と異なる。ここに示す研磨装置31を用い
て基板Dに研磨処理を施すには、上述の第1の実施形態
で説明した方法に従って、基板Dの表面に電解研磨処理
を施す。
【0057】本実施形態の研磨方法では、上述の第1の
実施形態の研磨方法の説明中に示したように、均一な研
磨処理を効率よく、しかも低コストで行うことができ
る。
【0058】
【実施例】(試験例1〜4)以下、本発明の具体例を示
す。ただし、本発明は以下の例に限定されるものでな
く、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0059】図1に示すものと同様の研磨装置1を用い
て、次に示すようにして基板表面を研磨処理した。研磨
装置1としては、次に示す構成のものを用いた。機械ロ
ーラ8としては、外径が40mm、軸方向長さが48m
mであるゴム製のものを用いた。また電解ローラ6とし
ては、外径が40mm、軸方向長さが48mmであるス
テンレス製のものを用いた。機械ローラ8の研磨テープ
押付圧力は2kg/cm2とした。また、電解ローラ6
の吸液性テープ押付圧力は0.5kg/cm2に設定し
た。また電源11としては、6Aの直流電源を用いた。
研磨テープBとしては、千代田社製2501−2(厚さ
0.2mm、幅38mm)を用いた。吸液性テープAと
しては、千代田社製1601−2play(厚さ1.0
mm、幅38mm)を用いた。
【0060】表面NiPメッキ膜を有するアルミニウム
合金からなる磁気記録媒体用基板(昭和アルミニウム社
製NP、直径95mm、厚さ0.8mm、表面粗さ3n
m)を研磨装置1の基板支持部2にセットし、回転数2
00rpmで定速回転させるとともに、機械研磨処理機
構4および電解研磨処理機構3を同時に稼働し、機械研
磨処理操作および電解研磨処理操作を1分間行った。
【0061】機械研磨処理操作では、研磨テープBの引
き取り速度を、0.2cm/secとした。砥粒スラリ
ーとしては、昭和電工社製ショウポリッシュD(ダイヤ
モンド系、粒度0.2μm)の20%懸濁液を用いた。
【0062】電解研磨処理操作では、吸液性テープAの
引き取り速度を、0.2cm/secとした。電解液と
しては、日本ミクロコーティング社製E2を用い、この
電解液を電解液供給ノズル7を通して1ml/秒で流下
した。基板Dと電解ローラ6の間に流す電流の平均密度
は、表1に示すとおり、1〜30A/cm2の範囲に設
定した。
【0063】上記研磨方法によって得られた磁気記録媒
体用基板の表面平均粗さRaおよび最大突起高さRp
を、AFMを用いて測定した。結果を表1に示す。
【0064】(試験例5)図3に示す研磨装置21を用
いて、次のようにして試験例1で用いたものと同様の基
板Dに研磨処理を施した。拭き取りローラ23として
は、外径が40mm、軸方向長さが48mmであるゴム
製のものを用いた。拭き取りローラ23のテープ押付圧
力は1kg/cm2に設定した。拭き取りテープCとし
ては、千代田社製2501−2(厚さ0.2mm、幅3
8mm)を用いた。
【0065】この研磨装置21を用いて機械研磨処理操
作および電解研磨処理操作を行うにあたっては、拭き取
り機構22によって拭き取りテープCを引き取り速度
0.05cm/secで引き取りつつ基板Dに押し当
て、基板D表面に付着した砥粒スラリーを拭き取る操作
を行った。上記研磨方法によって得られた磁気記録媒体
用基板の表面平均粗さRaおよび最大突起高さRpを測
定した結果を表1に併せて示す。
【0066】(試験例6)図5に示す従来の機械研磨処
理装置51を用いて、試験例1に示したものと同様の基
板D表面を機械的に研磨処理した。砥粒スラリーとして
は、実施例1の方法で用いたものと同様のものを使用し
た。この研磨方法によって得られた磁気記録媒体用基板
の表面平均粗さRaおよび最大突起高さRpを測定した
結果を表1に併せて示す。
【0067】(試験例7)図6に示す電解研磨処理装置
61を用いて、試験例1に示したものと同様の基板D表
面を電解研磨処理した。電解液としては、試験例1で用
いたものと同様のものを使用した。この研磨方法によっ
て得られた磁気記録媒体用基板の表面平均粗さRaおよ
び最大突起高さRpを測定した結果を表1に併せて示
す。
【0068】
【表1】
【0069】表1より、図1および図3に示す研磨処理
装置を用いて研磨処理を施す試験例2〜5の方法によっ
て処理された基板は、図5および図6に示す従来の研磨
処理装置を用いて研磨処理を施す試験例6、7の方法に
よって処理された基板に比べ、表面平均粗さRaまたは
最大突起高さRpが小さく、均一な研磨処理が可能とな
ったことがわかる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、基板表面に機械研磨処理および電解研磨処理を同時
に施すので、機械研磨処理によって表面凹凸が形成され
た基板Dが電解研磨処理に供されることとなり、電解研
磨処理操作時には、基板表面の凸部できわめて高い効率
の電解反応が起こり、電解研磨処理の効率が大きく向上
する。従って、研磨処理の効率を優れたものとすること
ができる。また、機械研磨処理操作によって基板上に形
成された表面凹凸が、電解研磨処理操作によって一旦平
坦化するため、機械研磨処理のみを行う場合に比べ、局
部的に同一箇所が繰り返し削り取られることが起こりに
くく、基板表面形状の均一性を高めることができる。
【0071】また、電解液を含浸した吸液性テープを、
吸液性テープ接触手段によって基板に接触させつつ走行
させるとともに、基板に接触した部分の吸液性テープに
含浸した電解液中に、基板から吸液性テープ接触手段に
向けて電流を流し、電解研磨処理操作を行うことによっ
て、基板に接する電解液を、温度、濃度の偏りがなく、
気泡を含まないものとし、基板と吸液性テープの接触部
分全体の電解研磨処理条件を均一化し、基板表面形状の
均一性を高めることができる。また、吸液性テープが基
板に接するごく狭い範囲の基板表面にのみ電解研磨処理
を施すため、電解研磨処理を行う際に必要な電流が僅か
なものとなり、設備コスト低減を可能とするとともに、
操作の安全性を高めることができる。また、容易な操作
で研磨処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置の第
1の実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は
側面図を示す。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の例を示す一部断面図
である。
【図3】 本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置の第
2の実施形態を示す正面図である。
【図4】 本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置の第
3の実施形態を示す正面図である。
【図5】 従来の磁気記録媒体用基板の研磨装置の一例
を示す概略構成図である。
【図6】 従来の磁気記録媒体用基板の研磨装置の他の
例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、21、31・・・研磨装置、2・・・基板支持部、3・・・
電解研磨処理機構、4・・・機械研磨処理機構、5・・・吸液
性テープ供給部(吸液性テープ走行手段)、6・・・電解
ローラ(吸液性テープ接触手段)、10・・・電解液供給
ノズル(電解液供給手段)、11・・・電源、22・・・拭き
取り機構、23・・・拭き取りローラ(拭き取りテープ接
触手段)、24・・・拭き取りテープ供給部(拭き取りテ
ープ走行手段)、A・・・吸液性テープ、C・・・拭き取りテ
ープ、D・・・磁気記録媒体用基板

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体用基板を回転させつつ、基
    板表面の一領域において機械研磨処理を施し、同時に、
    他の一領域において電解研磨処理を施すことを特徴とす
    る磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体用基板の研
    磨方法において、電解研磨処理を行うにあたり、電解液
    を含浸した吸液性テープを基板表面に接触させつつ基板
    上を走行させるとともに、基板に接触した部分の吸液性
    テープに含浸した電解液中に基板側から電流を流し、吸
    液性テープ接触部分の基板表面に電解研磨処理を施すこ
    とを特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の磁気記録媒体用
    基板の研磨方法において、基板表面に機械研磨処理およ
    び電解研磨処理を同時に施すのに先だって、基板表面に
    機械研磨処理のみを所定時間施すことを特徴とする磁気
    記録媒体用基板の研磨方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体用基板の研磨方法において、基板表面に機
    械研磨処理および電解研磨処理を同時に施した後、基板
    表面に機械研磨処理のみを所定時間施すことを特徴とす
    る磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体用基板の研磨方法において、基板表面に機
    械研磨処理および電解研磨処理を同時に施した後、基板
    表面に電解研磨処理のみを所定時間施すことを特徴とす
    る磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体用基板の研磨方法において、基板表面に機
    械研磨処理操作および電解研磨処理操作を同時に施すに
    あたり、機械研磨処理終了後の基板表面を拭き取りテー
    プを用いて拭き、基板表面に付着した付着物を除去する
    ことを特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体用基板を回転させつつ基板
    表面の一領域に電解研磨処理を施す磁気記録媒体用基板
    の研磨方法であって、 電解研磨処理を行うにあたり、電解液を含浸した吸液性
    テープを基板表面の一領域に接触させつつ基板上を走行
    させるとともに、基板表面に接触した部分の吸液性テー
    プに含浸した電解液中に基板側から電流を流し、吸液性
    テープ接触部分の基板表面に電解研磨処理を施すことを
    特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1項記載の
    磁気記録媒体用基板の研磨方法によって研磨処理が施さ
    れた磁気記録媒体用基板。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の磁気記録媒体用基板上
    に、少なくとも非磁性下地膜、磁性膜、保護膜を形成し
    たことを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 磁気記録媒体用基板を回転可能に支持
    する基板支持部と、基板表面の一領域に機械研磨処理を
    施す機械研磨処理機構と、基板表面の他の一領域に電解
    研磨処理を施す電解研磨処理機構を備え、 電解研磨処理機構が、電解液を含浸可能な吸液性テープ
    を基板表面に押し当てる吸液性テープ接触手段と、吸液
    性テープを基板上で走行させる吸液性テープ走行手段
    と、電解液を吸液性テープに供給する電解液供給手段
    と、基板表面に接触した部分の吸液性テープに含浸した
    電解液中に基板から吸液性テープ接触手段に向けて電流
    を流す電源を有するものであることを特徴とする磁気記
    録媒体用基板の研磨装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の磁気記録媒体用基板
    の研磨装置において、機械研磨処理機構の基板回転方向
    下流側に、機械研磨処理終了後の基板表面を拭き、基板
    表面に付着した付着物を除去する拭き取り機構を備え、
    この拭き取り機構が、基板表面の付着物を拭き取る拭き
    取りテープを基板に押し当てる拭き取りテープ接触手段
    と、拭き取りテープを基板上で走行させる拭き取りテー
    プ走行手段を有するものであることを特徴とする磁気記
    録媒体用基板の研磨装置。
  12. 【請求項12】 磁気記録媒体用基板を回転可能に支持
    する基板支持部と、基板表面の一領域に電解研磨処理を
    施す電解研磨処理機構を備え、 電解研磨処理機構が、電解液を含浸可能な吸液性テープ
    を基板表面に押し当てる吸液性テープ接触手段と、吸液
    性テープを基板上で走行させる吸液性テープ走行手段
    と、電解液を吸液性テープに供給する電解液供給手段
    と、基板表面に接触した部分の吸液性テープに含浸した
    電解液中に基板から吸液性テープ接触手段に向けて電流
    を流す電源を有するものであることを特徴とする磁気記
    録媒体用基板の研磨装置。
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