JPH0557507U - 自動車用チェンジレバーのシフトロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用チェンジレバーのシフトロック装置
において、信頼性や耐久性を向上させ、かつコスト安に
製造する。 【構成】 パーキングレンジＰのガイドピン７をロック
するシフトロック部材１０を、係止部材１７でロック位
置に係止し、該係止部材１７を、ブレーキペダル１９の
踏み込みに連動するケーブル２０で係止解除作動させ
る。ブレーキペダル１９、ケーブル２０、係止部材１
７、シフトロック部材１０を機械的に連動させる。許容
部により、係止解除位置の係止部材１７がブレーキペダ
ル１９の操作に干渉しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用チェンジレバーのシフトロック装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、特にオートマチック車のチェンジレバーとしては、図５に示すように、 ベースプレート５にボス部１ａを回動自在に支持したチェンジレバー１に、プッ シュボタン６のプッシュ操作で上下動されるガイドピン７を設け、該チェンジレ バー１の側方に、上記ガイドピン７が係合するポジション規制溝２ｂを有するガ イドプレート２を設けたものがある。上記ガイドプレート２の上部には節度溝２ ａが形成され、該節度溝２ａの１つに上記チェンジレバー１に取付けた板ばね３ のローラ４を嵌合させて、チェンジレバー１のシフト操作に節度を与えるように なっている。

【０００３】 ところで、自動車を駐・停車させる時には、安全のためにチェンジレバー１を パーキングレンジＰにシフトさせるのが通常であるが、何かのショックでチェン ジレバー１が動いて、次のリバースレンジＲ等にシフトされてしまうおそれがあ る。このため、チェンジレバー１をパーキングレンジＰにシフトさせた時には、 パーキングレンジＰのガイドピン７の下動を阻止するシフトロックが設けられた ものが提案されている。このシフトロックは、一般的にはブレーキペダルの踏み 込みをスイッチで検出して、該スイッチのオンで作動する電磁ソレノイドにより ロック解除されるようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記電磁ソレノイドやスイッチのような精密電気部品は、振動 や塵埃等の悪影響を受けやすいので、自動車用としては信頼性や耐久性に欠ける という問題がある。また、上記のような電気部品は高価であり、シフトロック装 置がコストアップになるという問題もある。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、信頼性や耐久性が格段に向上し、かつコスト安な自 動車用チェンジレバーのシフトロック装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の請求項１は、チェンジレバーに、プッシ ュ操作で上下動されるガイドピンが設けられ、該チェンジレバーの側方に、上記 ガイドピンが係合するポジション規制溝を有するガイドプレートが設けられた自 動車用チェンジレバーにおいて、 パーキングレンジのガイドピンの上動に連係してアンロック位置から上動され 、該ガイドピンを上動位置にロックするシフトロック部材と、 該シフトロック部材をロック位置で係止し、ブレーキベダルの踏み込みに連動 するケーブルで係止解除作動され、該係止解除作動時に上記ブレーキベダルのケ ーブルの踏み込みストロークを許容する許容部を有する係止部材とを備えている ことを特徴としている。 また、請求項２は、請求項１のシフトロック装置を具体化したもので、チェン ジレバーに、プッシュ操作で上下動されるガイドピンが設けられ、該チェンジレ バーの側方に、上記ガイドピンが係合するポジション規制溝を有するガイドプレ ートが設けられた自動車用チェンジレバーにおいて、 ロック位置とアンロック位置とに上下揺動自在に支持されてアンロック位置に 付勢され、一端部にパーキングレンジのガイドピンが嵌入するフォークを有し、 他端部に立上り部を有するシフトロックレバーと、 係止位置と係止解除位置とに前後摺動自在に支持されて係止位置に付勢され、 一端部にアンロック位置のシフトロックレバーの立上り部に当接して係止解除位 置に係止される第１係止部を有し、中央部にロック位置のシフトロックレバーの 立上り部が当接してシフトロックレバーをロック位置に係止する第２係止部を有 し、他端部にブレーキペダルのケーブルの止め具体化を非踏み込み方向へ移動可 能に係止する第３係止部を有する係止スライダーとを備えていることを特徴とし ている。

【０００７】

【作用】

本考案の請求項１のシフトロック装置によれば、パーキングレンジのガイドピ ンをロックするシフトロック部材を、係止部材でロック位置に係止し、該係止部 材を、ブレーキペダルの踏み込みに連動するケーブルで係止解除作動させる。こ れにより、ブレーキペダル、ケーブル、係止部材、シフトロック部材を機械的に 連動させるので、電磁ソレノイド等のような精密電気部品が不要になる。また、 許容部により、係止解除位置の係止部材がブレーキペダルの操作に干渉しない。 一方、本考案の請求項２のシフトロック装置によれば、パーキングレンジのガ イドピンをフォークでロックするシフトロックレバーの立上り部を、係止スライ ダーの第２係止部に当接させてロック位置に係止し、該係止スライダーを、第３ 係止部を介してブレーキペダルの踏み込みに連動するケーブルで係止解除作動さ せ、該係止スライダーの第１係止部をアンロック位置のシフトロックレバーの立 上り部に当接させて係止解除位置に係止する。これにより、ブレーキペダル、ケ ーブル、係止スライダー、シフトロックレバーを機械的に連動させるので、電磁 ソレノイド等のような精密電気部品が不要になる。また、第３係止部により、係 止解除位置の係止スライダーがブレーキペダルの操作に干渉しない。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明する。なお、図５の従来技術と 同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。

【０００９】 図３に示すように、ガイドプレート２の前部には、シフトロックレバー１０の 中央部がピン１１で上下揺動自在に支持され、ベースプレート５の前部の立上り ブラケット５ａには、係止スライダーユニット１２が取付けられている。

【００１０】 図１及び図２に詳細に示すように、上記ガイドピン７は、チェンジレバー１の プッシュボタン６のプッシュ操作により、パーキングレンジＰで、下動位置（図 ２の二点鎖線参照）と上動位置（図１の実線参照）との間で上下動される。

【００１１】 上記シフトロックレバー１０は、後端部にパーキングレンジＰのガイドピン７ が嵌入するフォーク１０ａを有し、前端部に立上り部１０ｂを有しており、図１ のロック位置と図２のアンロック位置とに上下揺動される。該シフトロックレバ ー１０は、上記ピン１１に巻装したワイヤーバネ１３でアンロック位置に付勢さ れた状態で、位置決めピン１４で当て止められる。

【００１２】 上記シフトロックレバー１０のアンロック位置では、下動位置のガイドピン７ がフォーク１０ａに嵌入し、該ガイドピン７の上動に連係して、ワイヤーバネ１ ３の付勢力に抗して、ロック位置に上揺動される。このロック位置ではガイドピ ン７を上動位置にロックする。

【００１３】 一方、上記係止スライダーユニット１２は、スリーブ１６と、該スリーブ１６ 内に嵌合される中空の係止スライダー１７とを有しており、該係止スライダー１ ７は、上記スリーブ１６に縮装されたコイルバネ１８で係止位置に付勢された状 態で、位置決め部１６ａで当て止められる。上記スリーブ１６には、アンロック 位置のシフトロックレバー１０の立上り部１０ｂを下方からスリーブ１６内に突 出させるための切込み１６ｂが形成されている。

【００１４】 上記係止スライダー１７の後端部が第１係止部１７ａ、中央胴部が第２係止部 １７ｂ、前端部が第３係止部１７ｃにそれぞれ形成されている。そして、アンロ ック位置のシフトロックレバー１０の立上り部１０ｂの前縁に第１係止部１７ａ が当接したとき、係止スライダー１７はコイルバネ１８の付勢力に抗して係止解 除位置に係止される。

【００１５】 また、係止位置の係止スライダー１７の第２係止部１７ｂにシフトロックレバ ー１０の立上り部１０ｂの上縁が当接したとき、シフトロックレバー１０はワイ ヤーバネ１３の付勢力に抗してロック位置に係止される。

【００１６】 さらに、第３係止部１７ｃには、係止スライダー１７の中空部１７ｄにブレー キペダル１９（図３参照）のケーブル２０を挿入する孔１７ｅを有し、該孔１７ ｅから中空部１７ｄ内に挿入したケーブル２０の端末には大径の止め具２１が固 定されている。そして、ブレーキペダル１９の踏み込みでケーブル２０が引かれ たとき、止め具２１により係止スライダー１７がコイルバネ１８の付勢力に抗し て係止解除位置に後摺動される。また、係止スライダー１７がシフトロックレバ ー１０の立上り部１０ｂで係止解除位置に係止されている状態で、ブレーキペダ ル１９の踏み込み解除でケーブル２０が押返されされたとき、ケーブル２０の止 め具２１は係止スライダー１７の中空部１７ｄ内で空移動して（図２の二点鎖線 参照）、ケーブル２０の踏み込みストロークを許容する。

【００１７】 上記構成であれば、プッシュボタン６のプッシュ操作でガイドピン７が下動位 置の状態で、チェンジレバー１をパーキングレンジＰにシフト操作すると、ガイ ドピン７は、アンロック位置のシフトロックレバー１０のフォーク１０ａに嵌入 する。このパーキングレンジＰでプッシュボタン６のプッシュ操作をやめると、 ガイドピン７は上動位置に上動し、該ガイドピン７にフォーク１０ａが連係して 、シフトロックレバー１０がワイヤーバネ１３の付勢力に抗してロック位置に上 揺動される。

【００１８】 このシフトロックレバー１０の上揺動で、立上り部１０ｂの前縁による第１係 止部１７ａの係止が解除された係止スライダー１７がコイルバネ１８の付勢力で 係止位置に前摺動され、シフトロックレバー１０の立上り部１０ｂの上縁が係止 位置の第２係止部１７ｂに当接するので、シフトロックレバー１０はワイヤーバ ネ１３の付勢力に抗してロック位置に係止される。これにより、プッシュボタン ６をプッシュ操作しても、シフトロックレバー１０のフォーク１０ａで阻止され てスライドピン７が下動しないので、チェンジレバー１がパーキングレンジＰで シフトロックされる。

【００１９】 そして、ブレーキペダル１９を踏み込むと、ケーブル２０が引かれて、止め具 ２１により、係止スライダー１７がコイルバネ１８の付勢力に抗して係止解除位 置に後摺動され、第２係止部１７ｂによるシフトロックレバー１０の立上り部１ ０ｂの上縁の当接が解除される。これにより、係止スライダー１７によるシフト ロックレバー１０のロックが解除されるので、プッシュボタン６のプッシュ操作 でガイドピン７を下動させることができ、チェンジレバー１を他のレンジＲ等に シフトすることができる。

【００２０】 上記ガイドピン７の下動に連係して、シフトロックレバー１０がワイヤーバネ １３の付勢力で下揺動すると、シフトロックレバー１０は位置決めピン１４でア ンロック位置に位置決めされる。このアンロック位置のシフトロックレバー１０ の立上り部１０ｂがスリーブ１６内に突出すると、係止スライダー１７の第２係 止部１７ｂが立上り部１０ｂの前縁に当接して、係止スライダー１７はコイルバ ネ１８の付勢力に抗して係止解除位置に係止される。

【００２１】 その後、ブレーキペダル１９の踏み込みを解除すると、ケーブル２０が押返さ れるが、ケーブル２０の止め具２１は係止スライダー１７の中空部１７ｄ内で空 移動する。これにより、運転中にブレーキペダル１９の踏み込み操作や踏み込み 解除操作をしても、止め具２１が中空部１７ｄ内で空移動するだけであるから、 係止解除位置の係止スライダー１７がブレーキペダル１９の操作に干渉しない。

【００２２】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案の請求項１のシフトロック装置は、 パーキングレンジのガイドピンをロックするシフトロック部材を、係止部材でロ ック位置に係止し、該係止部材を、ブレーキペダルの踏み込みに連動するケーブ ルで係止解除作動させるようにしたものである。したがって、ブレーキペダル、 ケーブル、係止部材、シフトロック部材を機械的に連動させるので、電磁ソレノ イド等のような精密電気部品が不要になり、信頼性や耐久性が格段に向上すると 共に、シフトロック装置がコスト安になる。また、許容部により、係止解除位置 の係止部材がブレーキペダルの操作に干渉しないので、干渉防止機構を別に設け る必要もなくなる。 一方、請求項２のシフトロック装置は、パーキングレンジのガイドピンをフォ ークでロックするシフトロックレバーの立上り部を、係止スライダーの第２係止 部に当接させてロック位置に係止し、該係止スライダーを、第３係止部を介して ブレーキペダルの踏み込みに連動するケーブルで係止解除作動させ、該係止スラ イダーの第１係止部をアンロック位置のシフトロックレバーの立上り部に当接さ せて係止解除位置に係止するようにしたものである。したがって、ブレーキペダ ル、ケーブル、係止スライダー、シフトロックレバーを機械的に連動させるので 、電磁ソレノイド等のような精密電気部品が不要になり、信頼性や耐久性が格段 に向上すると共に、シフトロック装置がコスト安になる。また、第３係止部によ り、係止解除位置の係止スライダーがブレーキペダルの操作に干渉しないので、 干渉防止機構を別に設ける必要もなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のシフトロック装置のシフトロック時
の側面図

【図２】 図１のシフトロック前の側面図

【図３】 本考案のチェンジレバー装置のシフトロック
時の側面図

【図４】 図３のシフトロック前の側面図

【図５】 従来のチェンジレバー装置の斜視図

【符号の説明】

１…チェンジレバー、２…ガイドプレート、２ｂ…ポジ
ション規制溝、７…ガイドピン、１０…シフトロックレ
バー、１０ａ…フォーク、１０ｂ…立上り部、１２…係
止スライダーユニット、１６…スリーブ、１７…係止ス
ライダー、１７ａ…第１係止部、１７ｂ…第２係止部、
１７ｃ…第３係止部、１９…ブレーキペダル、２０…ケ
ーブル、２１…止め具。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 宮崎 護 広島県安芸郡府中町新地３番１号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チェンジレバーに、プッシュ操作で上下
   動されるガイドピンが設けられ、該チェンジレバーの側
   方に、上記ガイドピンが係合するポジション規制溝を有
   するガイドプレートが設けられた自動車用チェンジレバ
   ーにおいて、 パーキングレンジのガイドピンの上動に連係してアンロ
   ック位置から上動され、該ガイドピンを上動位置にロッ
   クするシフトロック部材と、 該シフトロック部材をロック位置で係止し、ブレーキベ
   ダルの踏み込みに連動するケーブルで係止解除作動さ
   れ、該係止解除作動時に上記ブレーキベダルのケーブル
   の踏み込みストロークを許容する許容部を有する係止部
   材とを備えていることを特徴とする自動車用チェンジレ
   バーのシフトロック装置。
2. 【請求項２】 チェンジレバーに、プッシュ操作で上下
   動されるガイドピンが設けられ、該チェンジレバーの側
   方に、上記ガイドピンが係合するポジション規制溝を有
   するガイドプレートが設けられた自動車用チェンジレバ
   ーにおいて、 ロック位置とアンロック位置とに上下揺動自在に支持さ
   れてアンロック位置に付勢され、一端部にパーキングレ
   ンジのガイドピンが嵌入するフォークを有し、他端部に
   立上り部を有するシフトロックレバーと、 係止位置と係止解除位置とに前後摺動自在に支持されて
   係止位置に付勢され、一端部にアンロック位置のシフト
   ロックレバーの立上り部に当接して係止解除位置に係止
   される第１係止部を有し、中央部にロック位置のシフト
   ロックレバーの立上り部が当接してシフトロックレバー
   をロック位置に係止する第２係止部を有し、他端部にブ
   レーキペダルのケーブルの止め具を非踏み込み方向へ移
   動可能に係止する第３係止部を有する係止スライダーと
   を備えていることを特徴とする自動車用チェンジレバー
   のシフトロック装置。