JPH0557097A - 電気加熱式スチームアイロンの蒸発室を閉鎖する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スチームアイロンの底部にカバーを固定的か
つ密に結合すること。 【構成】 環状のラムによってリベット孔の縁領域を残
留変形させた後、リベッを据え込み、リベットの自由端
を変形させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はアルミニウムダイカスト
から成る底部、この底部と固定的に結合されたカバーに
よって閉鎖可能な、垂直な蒸発室壁を備えた蒸発室を有
し、この蒸発室壁の頂面にほぼ円錐台形の足部を備えた
リベットが一体鋳造されており、カバーが各リベットに
対応したリベット孔を有しており、各リベット孔の横断
面が、各リベット孔に対応するリベットの足部の横断面
に比して大きく、蒸発室壁の頂面上に載せられたカバー
がリベットの変形によって底部に結合されている形式の
電気加熱式のスチームアイロンの蒸発室を閉鎖する方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】滴下式に作動する電気加熱式スチームア
イロンでは、水を液体状態から蒸発せしめる蒸発室と、
電気的に加熱される底部内に位置する蒸気通路とが設け
られる。水は水槽から蒸発室内に滴下する。ここで生じ
た水蒸気は蒸気通路内で加熱され、底部のアイロンかけ
面のところから流出する。底部は一般にアルミニウムダ
イカストから成る。底部に設けられた蒸発室及び蒸気通
路はカバーによって密に閉鎖される。水の蒸発と、それ
に伴う物理的な過程とによって、蒸発室内は蒸発室壁の
あらゆる面に作用する圧力によって負荷される。蒸発室
の最も弱い箇所はカバーと底部との結合部であり、この
結合部の結合は公知スチームアイロンではリベットによ
っておこなわれる。このことのために、垂直の蒸発室壁
の頂面にほぼ円錐台形の足部を備えたリベットが一体鋳
造されている。カバーは各リベットに対応するリベット
孔を備えている。蒸発室壁の頂面上にカバーを載せた
後、このカバーがリベットの変形によって底部に固定的
に結合される。

【０００３】この公知結合法の欠点は、カバーが、それ
に一体鋳造されている足部を介してしか底部に結合され
ないことから生じる。リベットが蒸発室壁に一体鋳造さ
れているため、鋳造技術的にみて、各足部はどうしても
円錐台形にしか形成できない。さらに、カバーと蒸発室
壁との密な結合のためには、リベット結合に先立ってカ
バーを蒸発室壁の頂面に密着するように載せなければな
らない。このようにするためには、各リベットの横断面
に対応するリベット孔の横断面がリベットの足部の最大
横断面に等しいか又はそれより大きくなければならな
い。リベットの足部が円錐台形であるために、リベット
結合終了後でもリベット孔の容積が、据え込まれて形成
されたリベット軸部によって完全には充填されず、しか
も形成されたリベットの頭の横断面は僅かにしかリベッ
ト孔の横断面に比して大きくない。従って、このリベッ
トからは孔との摩擦力がカバーに作用しない。各リベッ
トは孔との摩擦の欠乏のため、蒸発室からカバーへ作用
する圧力によって引っ張り力を負荷されない。蒸発室圧
力はせん断力としてのみリベットの頭に作用する。カバ
ーは蒸発室内の圧力によって持ち上げられ、リベットの
頭がせん断力によって削りとられる。これによって生じ
る非気密性により、カバーと蒸発室壁との間に蒸気が侵
入し、アイロン内部に湿りが生じる。公知のスチームア
イロンでは、この種の蒸気の漏れにより生じる電気的な
短絡のために使用者が感電することがあり、きわめて危
険である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
欠点を生じることなく、冒頭に述べた形式のスチームア
イロンの蒸発室のカバーを密にかつ永続的に底部に結合
させることができるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の要旨は請求項に記載の通りである。

【０００６】

【発明の効果】本発明によれば、環状のラムの押圧力を
大きくすることによって、カバー材料のクリープ限界が
越えられ、カバー材料がリベット孔の縁領域で各リベッ
トまで流れる。各リベットはリベット孔の縁領域でカバ
ー材料によって密に取り囲まれる。リベットとカバーと
の間に生じた僅かな隙間は圧迫されたリベット材料によ
り完全に充填される。リベット軸部の据え込み、要する
にリベット結合の後にカバーの各リベット孔の縁領域
は、リベットの大きな面積の頭によって被われる。リベ
ット結合過程の終了後、各リベットの軸部とリベット孔
壁との間の高い摩擦力がカバーに作用する。個々のリベ
ットとカバーとは確実にかつ摩擦的に結合され、その結
果、リベットの頭はせん断力だけに負荷されない。蒸発
室から蒸発室壁とカバーとに作用する圧力はカバーと蒸
発室壁との間のこのリベット結合を解除することはでき
ない。なぜならば、リベットはこの圧力によって主に引
っ張り力を負荷されるからである。リベットの頭の直径
がリベット孔の直径に比して著しく大きいため、リベッ
トの頭はこの引っ張り力によって削り取られることがな
く、カバーと蒸発室壁との解離不能な結合が達成され
る。

【０００７】

【実施例】第１図にはスチームアイロンの蒸発室の部分
範囲がカバー１による閉鎖前の状態で示されている。蒸
発室壁の頂面２上には、鋳造技術的に限定された円錐台
形の足部６を備えたリベット４が一体鋳造されている。
カバー１は垂直な蒸発室壁３の頂面上に載せられてい
る。各リベット５に対応するリベット孔はリベットの足
部６の最大横断面に等しいか又はそれより大きい横断面
を有している。本発明方法の実施時に、蒸発室壁３の頂
面上にカバー１を載せた後、環状のラム７がリベット４
にぶつからないようにカバー１上へ降下される。各リベ
ット孔の縁領域８は環状のラム７の押圧力を受け、その
結果カバー材料のクリープ限界が越えられる。カバー材
料はリベット４へ向かって流れ、その結果、リベットの
軸部があらゆる側で、押圧されたカバー材料によって取
り囲まれる。リベット孔の縁領域８の残留変形の後、リ
ベット４が据え込まれ、リベット４の自由端９が変形し
てリベットの頭１０を形成する。カバー１によってスチ
ームアイロンの底部の蒸発室を閉鎖するために、本発明
によれば複数の環状のラム７をカバー１のリベット孔の
縁領域８に作用させ、蒸発室を１作業工程で閉鎖するこ
ともできる。第２図は本発明方法に基づきカバー１を取
り付けた蒸発室の一部を示す。この図面から判るよう
に、リベット４はカバー材料によって固定的かつ密に取
り囲まれており、リベット４の頭１０はカバー１のリベ
ット孔の縁領域８を大きな面積で被っている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法実施前の状態を示す図である。

【図２】本発明方法実施後の状態を示す図である。

【符号の説明】

１ カバー、 ２ 頂面、 ３ 蒸発室壁、 ４ リベ
ット、 ５ リベット孔、 ６ リベットの足部、 ７
環状のラム、 ８ 縁領域、 ９ 自由端、１０ リ
ベットの頭

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【手続補正書】

【提出日】平成４年７月２７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エミル シユタイネブルナー ドイツ連邦共和国 デイーツエンバツハ アウエシユトラーセ 30

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミニウムダイカストから成る底部、
   この底部と固定的に結合されたカバーによって閉鎖可能
   な、垂直な蒸発室壁を備えた蒸発室を有し、この蒸発室
   壁の頂面にほぼ円錐台形の足部を備えたリベットが一体
   鋳造されており、カバーが各リベットに対応したリベッ
   ト孔を有しており、各リベット孔の横断面が、各リベッ
   ト孔に対応するリベットの足部の横断面に比して大き
   く、蒸発室壁の頂面上に載せられたカバーがリベットの
   変形によって底部に結合される形式の電気加熱式のスチ
   ームアイロンの蒸発室を閉鎖する方法において、各リベ
   ット孔（５）の縁領域（８）を環状のラム（７）で押圧
   し、底部材料のクリープ限界に比して小さいカバー材料
   のクリープ限界を上回るまでこの押圧力を上昇させてリ
   ベット孔の縁領域（８）を残留変形させてラムを負荷軽
   減した後、リベットを据え込んで各リベット（４）の自
   由端（９）を変形することを特徴とする電気加熱式スチ
   ームアイロンの蒸発室を閉鎖する方法。