JPH0556298U

JPH0556298U - 発泡体被覆顆粒材料およびその包装体

Info

Publication number: JPH0556298U
Application number: JP113366U
Authority: JP
Inventors: 正三森下; 典夫大橋
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-12-30
Filing date: 1991-12-30
Publication date: 1993-07-27

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、廃水廃液処理の油脂等の有機物を
分解し、廃水廃液中の悪臭除去など生活環境を改善する
ための発泡体被覆顆粒材料およびその包装体の提供を目
的とする。【構成】本考案の発泡体被覆顆粒材料３は、発泡プラ
スチックまたはパーライト、軽石等の無機質発泡体材料
２の外表面部に、リン酸（Ｐ₂ Ｏ₅ ）、カリ（Ｋ₂ Ｏ）
を含む下水道汚泥焼却灰と石膏等の水和結合材料に枯草
菌等の好気性菌を混ぜて得られる水和混合物１を被覆し
たことを特徴とするものである。また、発泡体被覆顆粒
材料の包装体６は、前記の発泡体被覆顆粒材料３を、有
孔プラスチックフイルム、不織布、織布、網等の通気性
および通水性を有する有孔包材４の中に封入したことを
特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、廃水廃液処理の油脂等の有機物を分解し、廃水廃液中の悪臭除去など生活環境を改善するための発泡体被覆顆粒材料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、廃水廃液中の悪臭の発生を防止するために、油脂類等の有機物を分解する好気性菌をパーライトやシラスバルーン等に吸着含浸させ、これを直接廃水廃液中に投入する技術が用いられている。また、簡便な方法としては、スポンジマットで浮遊している油脂類を吸着除去することも行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

廃水廃液中の油脂類等有機物は、水より軽いため水の表面に浮きやすく酸化して油脂塊ができやすい。ところが、パーライトやシラスバルーン等に吸着含浸させた従来の粉末状の好気性菌含浸製剤では、一時的には水面上に浮くが水を含んでやがて沈んでしまうため前記の好気性菌含浸製剤と有機物への接触機会が少なくなり、また、好気性菌の増殖には水中の酸素だけでは不足であり、その為に油脂等の有機物の分解を効率的に行うには限界があった。また、スポンジマットのようなものは吸着除去はできるが分解することは不可能であり、悪臭吸着も吸着能に限界があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の発泡体被覆顆粒材料３は、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、その他の発泡プラスチックまたはパーライト、軽石等の無機質発泡体材料２の外表面部に、リン酸（Ｐ₂ Ｏ₅ ）、カリ（Ｋ₂ Ｏ）を含む下水道汚泥焼却灰と石膏等の水和結合材料に枯草菌等の好気性菌を混ぜて得られる水和混合物１を被覆したことを特徴とするものである。また、発泡体被覆顆粒材料の包装体６は、前記の発泡体被覆顆粒材料３を、有孔プラスチックフイルム、不織布、織布、網等の通気性および通水性を有する有孔包材４の中に封入したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

この発泡体被覆顆粒材料３は、汚泥中のリン酸、カリ成分を含有しているので枯草菌の育成を助長し、また、石膏は中性の水和結合剤のため菌類の育成を阻害しない作用がある。また、廃水中の油脂等の有機物と水とが存在した環境ではより接触面を広げて発酵分解する。即ち、発泡体は嵩高で軽量のため容易に水面上に浮くので、本考案の発泡体被覆顆粒材料３は、比重が小さい油脂分等の有機物が水面上に集まるのと一致して接触チャンスが多くなり、しかも、その部分は気水界面でもあるので空気中の酸素を容易に供給できることから、発酵分解を促進できるようになる。

【０００６】実使用状態では広大な廃水廃液槽や水面に漂う油等の処理が考えられるが、その場合は、本考案の発泡体被覆材料３を浮遊分散すると使用済みの場合に回収が困難になるので、孔のあいたプラスチックフィルム、不織布、織布、網など通気性通液性を有する有孔包材４を袋状にして、その中に本考案の発泡体被覆顆粒材料を封入した包装体６を用いればよい。なお、特に広大な水面の油除去には、小袋状のものを魚網などでオーバーラップして機械的強度を保持すればよい。

【０００７】また、前記の発泡スチロールは、市場で断熱ケース材として大量に使用されているが、使用済みのものは廃棄物処理上問題点が多い。しかし、これを本考案の発泡体顆粒材料として使用す場合は、断熱材として使用した発泡スチロールを粒状に粉砕するだけで再利用できるので廃棄物処理上も大変効果的である。また、下水道汚泥焼却灰も現状は埋め立て処方しているが最終処方場の確保も困難であり、リン酸カリ等の有効成分の活用からも大変効果的である。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１、図２に基づいて説明する。図１は、本考案に係る発泡体被覆顆粒材料３の断面概念図であり、図２は、発泡体被覆顆粒材料の包装体６を一部破断面で示す概念図であり、図３は、図２のＡ −Ａ断面図である。本考案の発泡体被覆顆粒材料３は、図１に示すように、無機質発泡体材料２の外表面部に水和混合物１を被覆したものである。また、発泡体被覆顆粒材料の包装体６は、図２〜図３に示すように、前記の発泡体被覆顆粒材料３を有孔包材４の中に封入し、封着部５にて包装したものである。

【０００９】

【実験例】

石膏粉体５Ｋｇ、下水道汚泥焼却灰３Ｋｇに更に動植物油脂を分解する好気性菌として個体培養した枯草菌培地（培地１グラム当り１０¹⁰ケ枯草菌体入）０．６Ｋｇに水６Ｋｇを加えて混ぜ合せ混練し、その中へ粉砕顆粒化した発泡スチロール１Ｋｇを加えて混ぜ合せてなる発泡体材料２の外面全体に、前記の水和混合混練物１をオーバーコートして硬化乾燥させて枯草菌入発泡体被覆顆粒材料３を製造した。一方、水面に棉実油を流下して油膜を形成し、前記の枯草菌入発泡体被覆顆粒材料を浮遊分散し１週間放置して棉実油を分解したことを確認した。

【００１０】

【他の実験例】

前記の枯草菌入発泡体被覆顆粒材料３をポリプロピレン製の有孔包材４に封入し、前記同様水面上に魚油を流下し、油膜形成面に浮遊分散させ１週間放置して魚油を分解したことを確認した。

【００１１】

【考案の効果】

このように本考案の発泡体被覆顆粒材料３は、水面上に浮遊させて油脂等有機物を分解除去するものであるが、特に下水道汚泥焼却灰中のリン酸、カリ等の有効成分を含有させることにより菌類の生育を助長し、発泡スチロール廃材や下水道汚泥の有効利用と相まって利用価値の高い有効な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】発泡体被覆顆粒材料３の断面概念図。

【図２】発泡体被覆顆粒材料の包装体を一部破断面で
示す概念図。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図。

【符号の説明】

１水和混合物。２発泡体材。３発泡体被覆顆粒材料。４有孔包材。５封着部。６発泡体被覆顆粒材
料の包装体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、
その他の発泡プラスチックまたはパーライト、軽石等の
無機質発泡体材料２の外表面部に、リン酸（Ｐ₂ Ｏ
₅ ）、カリ（Ｋ₂ Ｏ）を含む下水道汚泥焼却灰と石膏等
の水和結合材料に枯草菌等の好気性菌を混ぜて得られる
水和混合物１を被覆したことを特徴とする発泡体被覆顆
粒材料。
【請求項２】請求項１の発泡体被覆顆粒材料３を、有
孔プラスチックフイルム、不織布、織布、網等の通気性
および通水性を有する有孔包材４の中に封入したことを
特徴とする発泡体被覆顆粒材料の包装体。