JPH0556263B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、特にトンネルの一次覆工コンクリー
トと二次覆工コンクリートとの間に配設されて一
次覆工コンクリート側からの湧水が二次覆工コン
クリート側に漏水するのを防止する等のために用
いる防水シートに関する。

従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 従来、NATM工法にみられるように、トンネ
ルの一次覆工コンクリート二次覆工コンクリート
の間に防水シートを介装し、一次覆工コンクリー
ト側からの湧水（トンネル内への地中からの湧
水）が二次覆工コンクリートの漏水するのを防止
することが行なわれているが、この目的に使用す
る防水シートとして第２図に示したように不透水
性基材シートａに不織布等の透水性シートｂを貼
合したものが知られている（実公昭51−37844号
公報）。この防水シートは、透水性シートｂを一
次覆工コンクリート側に配置し、一次覆工コンク
リート側からの湧水をこの透水性シートｂ内に流
下させるものであるが、大量に湧水のある箇所で
は長期間に亘つてトンネル内で使用した場合、湧
水中に含まれる土砂が透水性シートｂ内に堆積し
て湧水通路を塞いでしまい、透水性能、防水性能
が低下するという問題がある。

また、第３図に示すように、不透水性シートａ
に透水性シートｂを複合箇所で部分接着ｃするこ
とによつて透水量を増加させ、透水性能を高めた
防水シートが提案されている。（実開昭59−5700
号公報等）。しかし、この防水シートも上記と全
く同様に湧水の多いところでは長期間使用するう
ちに透水性能、防水性能が低下するおそれがあ
る。

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、永年
使用しても土砂による目詰りがなく、流水性能が
良好に保持される防水シートを提供することを目
的とする。

問題点を解決するための手段 即ち、本発明は上記目的を達成するために、不
透水性シートに直接又は透水性シートを介して内
部連通空間を有する三次元ランダムコイル状の比
較的網目の大きい剛性通水部材を少なくとも部分
的に積層し、この通水部材内を導水路として湧水
を流すようにしたものである。

作 用 本発明の防水シートによれば、上述したように
不透水性シートに対し内部連通空間を有する三次
元ランダムコイル状の比較的網目の大きい剛性通
水部材を積層してあるため、例えばこの防水シー
トをトンネル工事の一次覆工コンクリートと二次
覆工コンクリートとの間に通水部材を一次覆エコ
ンクリート側に配置し、張設した場合、一次覆工
コンクリート側からの湧水が通水部材内を流れ、
排出されるが、湧水にかなりの土砂が含まれてい
ても、通水部材はランダムコイル状で網目が比較
的大きく、かつ剛性を有して保形性があるために
防水シートの張設時に潰されることが可及的に防
止されて網目の大きさが十分保持されるので、通
水部材が土砂で目詰りすることがなく、土砂も湧
水と共に排出される。従つて、長期間使用しても
優れた流水性能を発揮する。

以下、本発明の実施例につき第１図を参照して
説明する。

実施例 第１図は本発明の一実施例に係る防水シートを
示すもので、この防水シート１は、不透水性シー
ト２の片面に透水性シート３を介装して内部連通
空間を有する三次元ランダムコイル状の剛性通水
部材４を部分的に積層してなるものである。この
場合、透水性シート３は不透水性シート２と部分
的に接着５されていると共に、通水部材４とも部
分的に接着６されている。

ここで、不透水性シート２としては、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂シートが好
適であり、またその厚さは0.3〜５mmとすること
が好ましい。透水性シート３としては、厚さ２〜
10mm程度の織布又は不織布、特にポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の合
成樹脂製不織布が好適に用いられる。

また、通水部材４として、合成樹脂被覆金属
線、硬質プラスチツク細線等の線状体をランダム
に巻回して内部連通空間を有する三次元ランダム
コイル状の保形性をもつた立体的網状体として構
成することが好ましい。この場合、この通水部材
の網目の大きさは、土砂を効果的に流下、排出す
る点で0.1〜10mm、特に0.5〜５mmとすることが好
ましく、またその厚さは５〜30mmとすることが好
ましい。

この第１図に示す防水シート１は、例えばトン
ネルの一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリ
ートとの間に張設する場合、不透水性シート２を
二次覆工コンクリート側に、通水部材４を一次覆
工コンクリート側に配置するもので、これにより
前記通水部材４を導水路として形成する。この防
水シート１によれば、導水路を形成する通水部材
４がランダムコイル状で比較的網目が大きい内部
連通空間を有しているため、この内部を流れる湧
水がかなりの土砂を伴なうものであつても、土砂
による目詰りを生じることなく、土砂と湧水を共
に排出することができる。

更に、この通水部材４に加えて透水性シート３
内にも湧水が流れるので、保水量、透水量がより
確保されるものである。

なお、上述した実施例は不透水性シートに透水
性シートを介して通水部材を部分的に積層したも
のであるが、防水シートの構成及び積層態様は上
記実施例に制限されるものではなく、不透水性シ
ートに直接通水部材を積層した構成としてもよ
く、透水性シート全面に通水部材を積層した積層
態様としてもよい。

また、上述した実施例において、不透水性シー
トと通水部材、或いは透水性シートと通水部材と
は互に部分的に接着するようにしたが、不透水性
シート、通水部材、透水性シート間の湖底態様は
上記実施例に制限されるものではなく、例えば全
面接着でも、又は単に載置状に積層するようにし
てもよく、その他の構成についても本発明の要旨
を逸脱しない範囲で種々変更して差し支えない。

発明の効果 以上説明したように、本発明の防水シートは、
不透水性シートに直接又は透水性シートを介して
内部連通空間を有する三次元ランダムコイル状の
剛性通水部材を少なくとも部分的に積層したこと
により、土砂の多い排水をも目詰りすることなく
確実に排出することができ、長期間に亘る流水性
能が良好に保証され、このためトンネル等の土木
工事用防水シートとして好適に用いられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部省略断面
図、第２，３図はそれぞれ従来の防水シートを示
す一部省略断面図である。 １……防水シート、２……不透水性シート、３
……透水性シート、４……通水部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 不透水性シートに直接又は透水性シートを介
   して内部連通空間を有する三次元ランダムコイル
   状の剛性通水部材を少なくとも部分的に積層した
   ことを特徴とする防水シート。