JPH0556070U - ミシンの送り歯高さ調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンの針板から突出するよう楕円運動をな
し、針板に載置される布地の送りをなす送り歯におい
て、この送り歯の高さ位置調節を容易かつ迅速なものと
するととに、ミシン駆動の送り歯の下降ずれを防止す
る。 【構成】 垂直方向に伸びる垂直穴１を備えるととも
に、水平方向に伸びる底面部２を有する送り歯体３と、
円形の貫通穴を備えるとともに、この貫通穴からそれぞ
れ異なる距離をおいて複数の平滑面８を備えた調節板４
と、調節板４の貫通穴および送り歯体３の垂直穴１に挿
入し、調節板４のいずれかの平滑面８と送り歯体３の底
面部２とを当接させた状態で、これら両者を送り歯体を
駆動させる送り歯駆動装置の駆動腕７に対して固定する
ネジ体１０と、を備えて構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はミシンの送り歯高さ調節装置に関し、詳しくは送り歯を特別な道具 を使用することなく容易かつ適正に所定の高さ位置に調節するとともに、位置調 節された送り歯をミシン駆動時に不要に下降移動させてしまうことがないように するミシンの送り歯高さ調節装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２に示す５はミシンの送り歯であり、この送り歯５は垂直方向に伸びる垂直 穴１を備えている。

【０００３】 そして７は垂直移動と水平移動との合成からなる楕円運動をなす不図示の送り 歯駆動装置の駆動腕であり、送り歯５を横方向には移動することがないように支 持する支持溝９を備えている。

【０００４】 また６はネジであり、このネジ６は送り歯５の垂直穴１に挿入するとともに駆 動腕７に形成されたネジ穴９ａに先端を螺合して、送り歯５を駆動腕７に固定す ることが出来るようになっている。

【０００５】 以上のように構成された送り歯５は、駆動腕７の駆動により図３に示すようミ シンの針板１１より突出するよう楕円運動をなし、針板１１上に載置される布地 （不図示）の送りをなすことが出来る。

【０００６】 ところで送り歯５は、縫製される被縫製物の厚み、摩擦抵抗等により、ミシン の針板１１からの突出量、すなわち垂直方向における移動経路の高さを調節する 必要がある。

【０００７】 こうした送り歯５の高さ位置調節を行う際には、まずネジ６を緩めて、送り歯 ５を駆動腕７の支持溝９内で滑動可能とし、送り歯５を適正な高さ位置に移動し てネジ６を締めるようにすれば良い。

【０００８】

【考案か解決しようとする課題】

しかしながら上記従来の送り歯の高さ位置調節においては次のような問題があ る。

【０００９】 すなわち、送り歯５を適正な高さ位置に固定するためには、針板からの送り歯 の突出長さをノギス等の測定機器を用いて正確に測定した上で固定するようにし なければならず、多くの時間を要する煩雑な作業を余儀なくされ、作業能率を低 いものとした。

【００１０】 また、ネジ６の挟み圧力のみにより固定される送り歯５は、調整時には正確に 調節された状態であっても、ミシンの使用時間に従い、僅かづつ下降移動してし まうという不都合を生じる。

【００１１】 こうした下降移動の不都合を生じると、おのずと被縫製物の送り長さが変化し てしまうので、縫い目長さ（縫い目ピッチ）を安定したものとすることが出来ず 、縫製品質を低下させることになった。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るミシンの送り歯高さ調節装置は上記従来の課題を解決するため になされたもので、ミシンの送り歯高さ調節装置を、垂直方向に伸びる垂直穴を 備えるとともに、水平方向に伸びる底面部を有する送り歯体と、円形の貫通穴を 備えるとともに、この貫通穴からそれぞれ異なる距離をおいて複数の平滑面を備 えた調節板と、調節板の貫通穴および送り歯体の垂直穴に挿入し、調節板のいず れかの平滑面と送り歯体の底面部とを当接させた状態で、これら両者を送り歯体 を駆動させる送り歯駆動装置の駆動腕に対して固定するネジ体と、を備えて構成 して上記従来の課題を解決しようとするものである。

【００１３】

【作用】

この考案に係るミシンの送り歯高さ調節装置は、ネジ体を緩めて、調節板を回 動させ、それぞれ高さ位置の異なる複数の平滑面から、送り歯体が所望の高さと なる平滑面を選択し、この平滑面の上面に底面部を載置するよう送り歯体を設置 して、ネジ体でこれら両者を駆動腕に対し固定する。

【００１４】

【実施例】

図面にもとづいてこの考案の実施例を説明する。なお従来例と同一箇所には同 一符号を付して重複説明は省略する。図１はこの考案に係るミシンの送り歯高さ 調節装置の一実施例を示す図である。

【００１５】 図１において３は送り歯体であり、この送り歯体３は図に示すように一端に水 平方向に伸びる底面を有した底面部２を備えている。

【００１６】 そして４は調節板であり、この調節板４は円形の貫通穴を備えるとともに、こ の貫通穴からそれぞれ異なる距離をおいて複数（図では４つ示す）の平滑面８を 備え、この平滑面８の上面と送り歯体３の底面部２とを当接させて、送り歯体３ を載置することが出来るようになっている。

【００１７】 なお調節板４に記入されている数字はそれぞれの平滑面８において、送り歯体 ３を載置させた際、送り歯体３の針板からの突出距離を示すものである。

【００１８】 また１０はネジ体であり、このネジ体１０は円筒部１０ａを備え、この円筒部 １０ａを調節板４の貫通穴に挿入し、調節板４を回動自在に支持している。

【００１９】 そしてこのネジ体１０は、送り歯体３の垂直穴１に挿入され、先端を駆動腕７ のネジ穴９ａに螺合して、調節板４および送り歯体３を駆動腕７に固定すること が出来るようになっている。

【００２０】 以上の構成からなるミシンの送り歯高さ調節装置は、ネジ体１０を緩め、調節 板４を回動させ、複数の平滑面８から送り歯体３の所望の高さを選択し、その平 滑面８上に送り歯体３（底面部２）を載置し、ネジ体１０によりこれらを駆動腕 ７に対して固定する。

【００２１】 このミシンの送り歯高さ調節装置によれば、特別な測定具を用いることなく送 り歯体３の高さ位置を容易かつ迅速に調節することが出来るとともに、調節板４ により、ミシンの駆動時における送り歯体３の下降移動を防止することが出来る ので、縫製作業能率を向上させるとともに、縫製品質を安定したものとすること が出来る。

【００２２】 なおこの実施例において調節板４は平滑面８を４つ備えた例を示したが、これ に限られるものではないことは無論である。

【００２３】

【考案の効果】

この考案に係るミシンの送り高さ調節装置は以上説明したように、垂直方向に 伸びる垂直穴を備えるとともに、水平方向に伸びる底面部を有する送り歯体と、 円形の貫通穴を備えるとともに、この貫通穴からそれぞれ異なる距離をおいて複 数の平滑面を備えた調節板と、調節板の貫通穴および送り歯体の垂直穴に挿入し 、調節板のいずれかの平滑面と送り歯体の底面部とを当接させた状態で、これら 両者を駆動腕に固定するネジ体と、を備えて構成したので、特別な測定具を用い ることなく、容易かつ迅速に送り歯体の高さを調節することが出来るとともに、 ミシンの駆動時において送り歯体の下降位置ずれを防止することが出来るので、 作業能率を向上させるとともに、縫製品質を安定したものとすることが可能とな る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るミシンの送り歯高さ調節装置の
一実施例を示す分解斜視図である。

【図２】従来の送り歯の設置状態を示す分解斜視図であ
る。

【図３】送り歯の駆動状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 垂直穴 ２ 底面部 ３ 送り歯体 ４ 調節板 ７ 駆動腕 ８ 平滑面 １０ ネジ体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直移動と水平移動との合成からなる楕
   円運動をなし、ミシンの針板上面に載置される布地の送
   りをなす送り歯の、駆動高さ位置を調節するための送り
   歯高さ調節装置であって、 垂直方向に伸びる垂直穴を備えるとともに、水平方向に
   伸びる底面部を有する送り歯体と、 円形の貫通穴を備えるとともに、この貫通穴からそれぞ
   れ異なる距離をおいて複数の平滑面を備えた調節板と、 調節板の貫通穴および送り歯体の垂直穴に挿入し、調節
   板のいずれかの平滑面と送り歯体の底面部とを当接させ
   た状態で、これら両者を送り歯体を駆動させる送り歯駆
   動装置の駆動腕に対して固定するネジ体と、を備えて構
   成したことを特徴とするミシンの送り高さ調節装置。