JPH0555472U - コネクタ用シールドケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的はコネクタシールド用ケースへの
ケーブルの保持を確実に行いうるケーブルのクランプ構
造の提示にある。 【構成】本考案はクランプ構造をシールドケースのケー
ブル引込み口付近に一体に設けたケーブルの引込み方向
の延出部と、この延出部とこれに這わせたケーブルとを
巻込むための巻付け部材とを別個に構成して、目的を達
成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気コネクタの電磁シールドのためのコネクタ用シールドケースに関 し、特にシールドケースと接続されるケーブルとの固定のためのクランプ部の構 造にかかるものである。

【０００２】

【従来の技術】

電気コネクタを介して伝送される信号に外来ノイズが影響するのを防ぐための 手段として、コネクタを相手コネクタとの挿抜口を残すように金属板製のケース 内に収容固定し、このケースを例えばコネクタのコンタクトに接続されるケーブ ルの外部シースを除去して露呈させた、外部編組を介して接地することによりシ ールドすることが行われいてる。 ところでこの場合ケーブルに与えられる引張り力により、ケーブルの外部編組 と金属板製のケースとの電気的接続、及びコネクタのコンタクトへのケーブルの 電気接続が阻害されるのを防止するための手段がとられることが必要である。 そこで従来においては、図５（ａ）に示す斜視図のように金属板製ケース（１ ）のケーブル（２）の引出し方向に突出し、かつその直角方向の左右に、例えば ２個のクランプフィンガ（３ａ）をもち、右方向に１個のクランプフィンガ（３ ｂ）をもつクランプ部（３）を、ケーブル引込み部（１ｂ）の付近において金属 板製ケース（１）と一体に設ける。そして例えばこのクランプフィンガ（３ａ） （３ｂ）を工具などにより、図５（ｂ）に示す斜視図のようにケーブル（２）の 外部編組（２ａ）上に巻付けることにより、ケーブル（２）を金属板製ケース（ １）にクランプすることが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしこのようなケーブル（２）のクランプ構造では、ケーブルの固定力はク ランプフィンガ（３ａ）（３ｂ）の板厚や材質、即ち金属板製ケース（１）の板 厚や材質に依存する。一方金属板製のケース（１）の板厚，材質は、ケース部分 の成形条件ななとに制約される。このためクランプフィンガ（３ａ）（３ｂ）に よる十分なケーブルの保持力を得るのが困難である。 これを防ぐには例えばクランプフィンガ（３ａ）（３ｂ）の幅を大にすること が考えられる。しかしこの方法ではケーブル（２）のこじりやケーブル（２）の 軸回りの回転によって、クランプフィンガ（３ａ）（３ｂ）の端縁のみが先ず変 形し、これが次第にクランプフィンガ全体に及んで結局クランプフィンガ（３ａ ）（３ｂ）の巻き付けの緩みを生じて保持力を低下する。従って、ケーブル（２ ）に与えられる不測の引張り力に対抗できなくなる。

【０００４】

【考案の目的】

本考案の目的は、長期間に亘って、必要なケーブルの保持力を得ることができ るクランプ構造の提示にある。

【０００５】

【課題を解決するための本考案の手段】

本考案の目的は次の手段、即ち 〔電気コネクタを覆う金属板製のケースであって、前記電気コネクタの固定部 と、前記金属板製ケース内へのケーブルを引込むためのケーブル引込み穴と、こ のケーブル引込み穴の開口部付近に前記ケーブルを固定するためのケーブルクラ ンプ部をもつコネクタ用シールドケースにおいて、 前記ケーブルクランプ部は前記ケーブル引込み穴の縁部からケーブル引出し方 向に延びる延出部と、 この延出部と前記ケーブルの外周とを、束ねて巻付けるための板状の巻付け部 材とからなる〕 構成によって達成される。

【０００６】

【作用】

本考案のようにケーブルへの巻付け部材を金属板製のケースと別個にすれば巻 付け部材の板厚や材質を、金属板製のケースの板厚や材質に制約されることなく 、要請される保持力に合わせて選定できるので、保持力の高いクランプ構造を得 ることができる。

【０００７】

【実施例】

図１（ａ）（ｂ）は本考案の一実施例を示す分解外観図と、巻付け部材の展開 図である。 図において（１）は金属板製のケース、（１ａ）は相手コネクタの挿抜口、（ １ｂ）はケーブル引込み穴、（４）は断面円弧状の延出部、（４ａ）は延出部（ ４）の先端を下方に曲げて設けた巻付け部材引留め部であって、この延出部（４ ）は延出方向がケーブルの引出し方向となるように、金属板製のケースに設けた 前記ケーブル引出し口（１ｂ）の下面付近に、金属板製ケースの成形時一体に設 けられる。 次に（５）は金属板製の巻付け部材であって、図１（ｂ）に示す展開図のよう に、位置決め穴（５ａ）と、上記延出部（４）の巻付け部材引留め部（４ａ）が 入る位置決め用切欠き部（５ｂ）、及び雌雄を形成する突き合わせ凸部（５ｃ） と突き合わせ凹部（５ｄ）を設けた打抜き板材を、ケーブル（２）が入りうるよ うに円弧状に折り曲げて形成される。次に以上の部材によるケーブルのクランプ 要領について説明する。 図２（ａ）に示すように例えば巻付け治具としてパンチ６を用い、下型（６） の凹部の底面に設けた位置決め突部（６ａ）に巻付け部材（５）の位置決め穴（ ５ａ）を嵌め込んで、巻付け部材（５）を置く。 次に延出部（４）をケーブル（２）と共に巻付け部材（５）内に入れたのち、 延出部（４）の巻付け部材引留め部（４ａ）を巻付け部材（５）の位置決め穴（ ５ａ）内に入れて位置合わせする。そして最後に下端面が凹部となったパンチ上 型（７）によりパンチ下型（６）とで上下から挟みこむことにより、巻付け部材 （５）を図２（ａ）中の点線図示および図２（ｂ）に示すようにケーブル（２） 上に巻付けてケーブルのクランプを完了する。

【０００８】 以上本考案の一実施例について説明したが、延出部（４）はケーブル（２）と 共に巻付け部材（５）で束ねられるものであればどんな形状でもよいが、ケーブ ル（２）に沿って延びる形状の方が加工上有利なことが多い。 また延出部（４）の幅は必ずしも一様でなくてもよいが、ケーブル（２）の断 面形状が円形の場合には、ケーブル（２）の断面と同じ半径の円弧状とするのが よい。このようにすればケーブル（２）の外周に不自然な力が加わらず、しかも 巻付け部材（５）の密着がよく得られるので両者の電気的接続を良好に行なえる 。 また以上説明した実施例では延出部（４）の先端に巻付け部材引留め部（４ａ ）及び巻付け部材（５）に設けた位置決め用切欠き（５ｂ）とを省略してもよい 。 また巻付け部材引留め部（４ａ）の形状として先に実施例により説明した形状 以外の各種のものでもよい。 図３（ａ）に示す斜視図の例は延出部（４）の先端部の全端縁を下方に折り曲 げて巻付け部材の引留め部（４ａ）を形成した例であって、図では折り曲げ角度 を直角に近い角度としているが、若干の折り曲げ角度例えば１０°程であっても 引留め効果を発揮する。 図３（ｂ）の例は延出部（４）の先端に、下方に折り曲げた斜状突起を設けて 巻付け部材引留め部（４ａ）としたものであって、この例では巻付け部材（５） の先端に上記斜状突起状の巻付け部材引留め部（４ａ）が入る位置決め用切欠き （５ｂ）を設けて、巻付け部材（５）の位置決めを容易としている。 図３（ｃ）の例は延出部（４）の先端の左右にＴ形に張出部を設けて巻付け部 材引留め部（４ａ）とした例であって、以上のような巻付け部材引留め部（４ａ ）を設けることによって、巻付け部材（５）が延出部（４）からはずれたり、抜 けはずれるのを確実に防いで金属板製のケースへのケーブルのクランプを確実に することができる。 また更に巻付け部材（５）は延出部（４）とケーブル（２）の外周を束ねて巻 付け固定できるものであればよく、例えば図４（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）の斜視 図のように矩形状、中央部分の幅を狭めたもの、菱形状のもの楕円形状のものな ど各種の形状をとりうる。また材質としては銅，鉄，アルミニウム或いはこれら を主とする合金など要するに所要の巻付け力が得られれば材質は問わない。 また更に以上においてはケーブル（２）が外部編組を有する場合について説明 したが、外部編組をもたないケーブルのクランプに適用できることは云うまでも ない。

【０００９】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように本考案では延出部と別個にケーブルと延出部と を巻付ける巻付け部材を設けているので、巻付け部材の板厚や材質、更には寸法 などを金属板製のケースの板厚や材質，寸法と別個に自由に選定できる。従って 巻付け部材の巻付け力を容易に高めて金属板製ケースへのケーブルのクランプを 確実に行うことができ、しかも金属製ケースのシールド性能とケーブルクランプ の固定性能を各々別個に最良のものとすることができる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の説明図である。

【図２】本考案によるクランプ要領の説明図である。

【図３】本考案における延出部の他の例の説明図であ
る。

【図４】本考案における巻付け部材の他の例の説明図で
ある。

【図５】従来のケーブルクランプ要領の説明図である。

【符号の説明】

（１） 金属板製のケース （１ａ） 相手コネクタの挿抜口 （１ｂ） ケーブル引込み穴 （２） ケーブル （２ａ） 外部編組 （３） ケーブルクランプ部 （３ａ） クランプフィンガ （３ｂ） クランプフィンガ （４） 延出部 （４ａ） 巻付け部材引留め部 （５） 巻付け部材 （５ａ） 位置決め穴 （５ｂ） 位置決め用切欠き （５ｃ） 突き合わせ凸部 （５ｄ） 突き合わせ凹部 （６） パンチ下型 （６ａ） 位置決め突部 （７） パンチ上型

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気コネクタを覆う金属製のケースであ
   って、前記電気コネクタを固定する固定部と、前記ケー
   ス内にケーブルを引込むためのケーブル引込み穴と、こ
   のケーブル引込み穴の開口部付近に前記ケーブルを固定
   するためのケーブルクランプ部とを有するコネクタ用シ
   ールドケースにおいて、 前記ケーブルクランプ部は前記ケーブル引込み穴の縁部
   からケーブル引込み方向に延びる延出部と、 この延出部と前記ケーブルの外周とを束ねて巻付けるた
   めの板状の巻付け部材と からなることを特徴とするコ
   ネクタ用シールドケース。