JPH0555113U - 光ファイバ心線集合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】外径の小さいケーブルを得ることを可能とした
光ファイバ心線集合体を提供することを可能とする。 【構成】単心の光ファイバ２が集合してなる光ファイバ
心線集合体が、光ファイバ２を複数本断面形状をひし形
に配置し、一括プラスチック被覆されていることを特徴
とする。 【効果】空隙を小さくして光ファイバ心線集合体が形成
できるようになる。。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光ファイバ心線集合体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通信用光ファイバは大量の情報を伝送できることから、広く実用化されている 。また使用範囲の拡大により、光ファイバケーブルは数百心以上のケーブルが要 求されるようになってきている。

【０００３】 従来のルースチューブ型ケーブルが示されている図６に示されているように、 従来のルースチューブ型ケーブルは中心にテンションメンバ１があり、その周り に単心の光ファイバ２をプラスチックチューブ３に収容したルースチューブ光フ ァイバ心線４を撚り合わせてあり、押え巻テープ５で押え巻した後、外傷防止等 のためプラスチックのシース６を設けてある。

【０００４】 ルースチューブ光ファイバ心線４はプラスチック被覆を施した外径２５０μｍ の光ファイバ２と、外径１．６ｍｍ、肉厚０．３ｍｍのプラスチックチューブ３ とで構成しており、光ファイバ２は伝送特性、あるいは機械的特性上プラスチッ クチューブ３内にゆるく収容してある。またテンションメンバ１は光ファイバ２ の伸びが長期信頼性上影響を及ぼすため、ケーブル製造時、布設時、布設後等に 過大な伸びが生じないように、予め考慮し、設計してある。なお光ファイバ２の 信頼性向上のためルースチューブ光ファイバ心線４内部にジェリーを充填する場 合があり、これによりケーブル内への水侵入を防止している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術でプラスチックチューブに光ファイバを収容するには若干の空隙 がなければならない。図６に示した構造ではたかだか６心光ファイバケーブルの 外径はシース厚１ｍｍとして約８ｍｍと大きい。従って数百心以上ではケーブル 外径が５０〜１００ｍｍとなり、管路布設、架空布設等を考慮すると太すぎるた め実用上の問題がある。

【０００６】 本考案は以上の点に鑑みなされたものであり、外径の小さい光ケーブルを得る ことを可能とした光ファイバ心線集合体を提供することを目的とするものである 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、光ファイバを複数本断面形状をひし形に配置し、一括プラスチッ ク被覆することより、達成される。

【０００８】

【作用】

上記手段を設けたので、空隙を小さくして光ファイバ心線集合体が形成できる ようになる。

【０００９】

【実施例】

次に本考案を実施例により具体的に説明する。

【００１０】 〔実施例１〕 図１および図２には本考案の一実施例が示されている。なお従来と同じ部品に は同じ符号を付したので説明を省略する。本実施例では光ファイバ２の複数本を 断面形状がひし形になるよう配置し、その外周を一括プラスチック被覆した。こ れにより空隙を小さくして光ファイバ心線集合体（ひし形光ファイバ心線集合体 ）７が形成できるようになって、これを効率よく集合すれば外径の小さい光ケー ブルを得ることができる。

【００１１】 すなわち図１（イ）に示されているようにプラスチック被覆を施した光ファイ バ２を４本密着一体化して、対頂角６０°と１２０°のひし形光ファイバ心線集 合体７を得る。４本の光ファイバ２を一体化するには同図（イ）のように肉厚一 定のプラスチックで集合体被覆８を形成して一体化する場合と、同図（ロ）に示 されているように集合体一括被覆９を施して空隙最小で、充実成形することがで きる。

【００１２】 同図（イ）の方法では４本の光ファイバ２が容易に取り出せる特徴があり、同 図（ロ）の方法ではひし形形状がくずれにくい特徴があり、使用目的によりいず れかを採用すればよい。

【００１３】 図２はこのようにして形成したひし形光ファイバ心線集合体７を１２個規則正 しく配置し、六角形状の光ユニットを構成したものである。この光ユニットをプ ラスチック被覆１０で一体化した外径は約３ｍｍである（光ファイバ径：２５０ μｍ，心線数：４８心）。

【００１４】 本ユニットを図６に示した構造のケーブルに適用し、外径約１２ｍｍで２８８ 心（４８×６＝２８８）の高密度多心光ファイバケーブルを得た。

【００１５】 このケーブルの温度特性（−２０〜６０℃）は伝送特性の変化がほとんどなく 、機械的特性についても実用上問題となることはなく、極めて良好な結果であっ た。

【００１６】 〔実施例２〕 図３には本考案の他の実施例が示されている。本実施例はひし形光ファイバ心 線集合体７を複数個並べ、テープ状にしたものであり、単心光ファイバを単に並 べたテープ光ファイバ心線と比べ、その集合密度は高い。またひし形光ファイバ 心線集合体７は個々に分離できるため、その端末処理に支障を来すことはない。

【００１７】 〔実施例３〕 図４には本考案の更に他の実施例が示されている。本実施例は横方向に４本の 光ファイバ２を並べ、かつ２段重ねした光ファイバ心線集合体７ｂである。本実 施例はケーブルの心線数、ケーブルの断面形状、例えばケーブル断面が平角形状 の場合に有効である。

【００１８】 〔実施例４〕 図５には本考案の更に他の実施例が示されている。本実施例は４本の光ファイ バ２を横に並べ、かつ４段重ねしたひし形光ファイバ心線集合体７ａを形成した ものである。光ファイバケーブルが数千心のケーブルではその細線化に有力な光 ユニットである。本実施例では４列×４段のひし形光ユニットを示したが、ｎ本 の光ファイバを横に並べ、ｎ段重ねれば心線数＝ｎ×ｎの光ユニットが得られ、 図２に示した六角形状が得られ、より高密度化が図られる。

【００１９】 このように本実施例によれば次に述べるような効果を奏することができる。

【００２０】 （１）ひし形光ファイバ心線集合体は最小４本の光ファイバで構成しているため その端末処理は現有４心テープ光ファイバ心線と同様に適用できる。

【００２１】 （２）ひし形光ファイバ心線集合体を複数集合し、六角形状に配置すればほぼ円 形（六角形状：図２）の多心光ユニットを得ることができる。これはケーブル製 造時、ケーブル布設時における曲げに対して強く、扱い易いケーブルである。

【００２２】 （３）ひし形光ファイバ心線集合体をｎ列×２段（図４）、ｎ列×ｎ段（図５） あるいは４心光ファイバのひし形光ファイバ心線集合体の組合せ（図２、図３） 等により種々の光ユニットが得られる。このことは光ケーブルの使用目的により 、ケーブル構造を容易に変えられることを意味し、汎用性の高いひし形光ファイ バ心線集合体である。

【００２３】

【考案の効果】

上述のように本考案は、光ファイバを複数本断面形状をひし形に配置し、一括 プラスチック被覆したので、空隙を小さくして光ファイバ心線集合体が形成でき るようになって、外径の小さい光ケーブルを得ることをを可能とした光ファイバ 心線集合体を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の光ファイバ心線集合体の一実施例のひ
し形光ファイバ心線集合体を示すもので（イ）は集合体
被覆で被覆した場合の縦断側面図、（ロ）は集合体一括
被覆で被覆した場合の縦断側面図である。

【図２】本考案のひし形光ファイバ心線集合体による多
心光ユニットの斜視図である。

【図３】本考案のひし形光ファイバ心線集合体によるテ
ープ状光ユニットの縦断側面図である。

【図４】本考案の光ファイバ心線集合体の他の実施例の
平行四辺形の光ファイバ心線集合体の縦断側面図であ
る。

【図５】本考案の光ファイバ心線集合体の更に他の実施
例のひし形光ファイバ心線集合体の縦断側面図である。

【図６】従来のルースチューブ形光ケーブルの縦断側面
図である。

【符号の説明】

２ 光ファイバ ７、７ａ ひし形光ファイバ心線集合体 ７ｂ 平行四辺形光ファイバ心線集合体 ８ 集合体被覆（プラスチック） ９ 集合体一括被覆（プラスチック）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】単心の光ファイバが集合してなる光ファイ
   バ心線集合体において、前記光ファイバ心線集合体が、
   前記光ファイバを複数本断面形状をひし形に配置し、一
   括プラスチック被覆されていることを特徴とする光ファ
   イバ心線集合体。
2. 【請求項２】前記ひし形の光ファイバ心線集合体が複数
   本で六角形状に集合して光ファイバ多心ユニットが形成
   されるものである請求項１記載の光ファイバ心線集合
   体。