JPH0555101B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はアイスクリームシエークやソフトクリ
ーム等に代表される冷菓を製造する冷菓製造装置
に関するものである。

(ロ) 従来の技術 特開昭57−181650号公報には、冷媒ガス圧縮機
と、液状食品またはアイスクリームミツクスを収
容および／または処理するための容器に対して熱
交換関係に配設されており、出口端を前記圧縮機
の吸入側に接続された蒸発器と、一端を該圧縮機
の冷媒吐出側に接続され、他端を蒸発器の入口端
に接続された凝縮器と、凝縮器と蒸発器の間に介
設された膨脹弁とから成るガス圧縮型冷凍ユニツ
トを装備したアイスクリーム製造機において、食
製品またはアイスクリームミツクスを殺菌する方
法であつて、前記凝縮器および膨脹弁をバイパス
させて前記圧縮機からの高温の圧縮冷媒ガスを前
記蒸発器に通し、該蒸発器から圧縮機へ循環さ
せ、蒸発器と熱交換関係にある上記アイスクリー
ム製造機の各部内が所望の殺菌温度に達するまで
該高温冷媒ガスの循環を継続し、次いで、冷媒ガ
スバイパス回路を遮断するとともに、凝縮器およ
び膨脹弁を再び冷媒ガス回路に接続することによ
つて冷凍サイクルを再開することを特徴とする殺
菌方法が開示されている。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 斯かる従来技術の殺菌方法は、高温冷媒ガスの
循環によつて所望の殺菌温度を得ることができる
が、高温冷媒ガス単独で所望の殺菌温度を得るた
めに、蒸発器への高温冷媒ガスの循環から所望の
殺菌温度に達するまでに長時間要し、通常の冷凍
サイクル再開が遅延する結果を招く。このこと
は、製品の抽出（販売）時間が短縮されることで
あり、ユーザーにとつては欠して好ましいとは言
えなかつた。

本発明は斯かる点に鑑み、製品抽出にできるだ
け支障を期たさないように、短時間で殺菌を終了
する冷菓製造機の殺菌装置を提供する。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために、前面に
冷菓抽出装置を具備し、供給されたミツクスを冷
却する冷却室と、該冷却室のミツクスを加熱して
殺菌するための冷凍系のホツトガス加熱手段と、
該ホツトガス加熱手段を包囲する面状電気ヒータ
とを備えてなる冷菓製造機の殺菌装置を提供する
ものである。

(ホ) 作 用 上記構成において、電気加熱手段としての電気
ヒータに通電し、冷却室に接続した蒸発器にホツ
トガスが循環されると、冷却室が加熱されて冷却
室内のミツクスを殺菌する。

(ヘ) 実施例 図面は本発明の殺菌装置を具備せる冷菓製造機
のシステム図を示しており、１はアイスクリーム
シエークやソフトクリーム等、所謂冷菓の原液が
流入する流入口１Ａを後部に有し、前面に抽出口
２Ａを備えた抽出装置２を装着した冷却室であ
る。そして、冷却室１を冷却する冷却システム
は、コンプレツサ３、フアン４を対向して配設し
た空冷コンデンサ５、レシーバータンク６、冷却
電磁弁７、減圧装置として採用した膨脹弁８、冷
却室１の外面に巻回した蒸発パイプ９及びアキユ
ームレータ１０を環状に接続して構成され、蒸発
パイプ９にホツトガスを循環して冷却室１を加熱
するホツトガス加熱手段は、一端をコンプレツサ
３とコンデンサ５の間に接続し、他端を膨脹弁８
と蒸発パイプ９の間に接続したバイパス管１１と
該バイパス管１１に接続したホツトガス電磁弁１
２によつて構成されている。

而して、前記ホツトガス加熱手段と共に本発明
の殺菌装置を構成する電気加熱手段は、蒸発パイ
プ９を包囲する面状電気ヒータ１３によつて構成
され、該電気ヒータ１３とホツトガス加熱手段は
ユーザーによる殺菌指令によつて運転され、冷却
室１の前部外面に取付けて間接的にミツクス温度
を検出するサーミスタ等の感温装置１４によつて
所定の殺菌温度に上昇するまで運転を継続する。
なお、感温装置１４は通常、冷却室１に供給され
たミツクスを適度な粘性の冷菓に仕上げるために
冷却システムの運転をも制御する。

次に、本発明の動作を説明する。まず、シエー
クやソフトクリーム等、冷菓の原液であるミツク
スを流入口１Ａから冷却室１に定量供給する。し
かる後、コンプレツサ３、フアン４を運転し、冷
却電磁弁７を開弁すると、低温冷媒ガスが蒸発パ
イプ９に循環されて冷却室１に供給されたミツク
スを冷却する。冷却運転は、上述の様に感温装置
１４によつて適宜制御され、冷却室１内のミツク
スは冷菓として仕上げられていく。

次に、必要に応じて行なわれるミツクス或るい
は冷菓に仕上げられたミツクスの殺菌動作を説明
する。コンプレツサ３は冷却運転と同様に運転状
態とし、フアン４を停止し、冷却電磁弁７を開弁
すると共にホツトガス電磁弁１２を開弁すると、
高温冷媒ガス即ち、ホツトガスがバイパス管１１
を通つて蒸発パイプ９に循環される。これと同時
に電気ヒータ１３に通電する。これによつて、冷
却室１内のミツクスはホツトガスとヒータ１３の
併用にて加熱され殺菌される。この殺菌動作は、
感温装置１４が所定の上昇温度を検出するまで継
続され、しかる後、通常の冷却運転を再開する。

ここで、参考までに１つの実験データを開示す
ると、−３℃に冷却されたミツクスを例えば80℃
の殺菌温度に上昇させるのに、ホツトガス単独加
熱の場合、１時間を要したのに対して、本発明の
ホツトガス及びヒータ１３の併用加熱の場合、40
分で80℃の殺菌温度に到達した。

(ト) 発明の効果 本発明は以上の様に、冷却室内において液状の
ミツクス或いはアイスクリームシエークやソフト
クリーム等、冷菓に仕上げられたミツクスの殺菌
を、高温冷媒ガス、即ちホツトガス及び電気ヒー
タを併用して行なうため、短時間で殺菌を終了す
ることができ、通常の抽出（販売）動作への支障
が短縮される利点を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の殺菌装置を具備せる冷菓製造機
のシステム構成図である。 １…冷却室、３…コンプレツサ、９…蒸発パイ
プ、１１…バイパス管、１２…ホツトガス電磁
弁、１３…電気ヒータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前面に冷菓抽出装置を具備し、供給されたミ
   ツクスを冷却する冷却室と、該冷却室のミツクス
   を加熱して殺菌するための冷凍系のホツトガス加
   熱手段と、該ホツトガス加熱手段を包囲する面状
   電気ヒータとを備えたことを特徴とする冷菓製造
   機の殺菌装置。