JPH0554816U - 滑り兼推力軸受ユニット及びこのユニットを用いた軸支持構造 - Google Patents

滑り兼推力軸受ユニット及びこのユニットを用いた軸支持構造

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JPH0554816U
JPH0554816U JP10468091U JP10468091U JPH0554816U JP H0554816 U JPH0554816 U JP H0554816U JP 10468091 U JP10468091 U JP 10468091U JP 10468091 U JP10468091 U JP 10468091U JP H0554816 U JPH0554816 U JP H0554816U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ファクシミリ、コピー機で代表される事務用機
器の紙の送りロール用の軸受ユニットであって、推力と
同時にラジアル方向の力を受けたとき、或は軸を傾斜さ
せる力を受けたときにも、これらの力を支持し、かつ自
動調心機能をもち、起動トルクの極めて少なく、静電気
の帯電しない無給油で簾価なユニットを市場に提供する
ことを目的とする。 【構成】単一の導電性のフッ素系のエンジニアリングプ
ラスチックよりなる中心孔の貫通したアウター部材40
に、一端からボールベアリング20a,20b支持用の
座ざぐり部が設けてあり、この座ぐり部にはのプラスチ
ックリングで個々独立に支持されたベアリングボール3
0が支持してあって、個々の多数のボール30とアウタ
ーブロック40の中心孔の一部の滑り軸受面44で、回
転軸10を支持するようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案はベアリングボールを利用する推力軸受に係るものであり、ワードプ ロセッサ用プリンタ、プリンタ複写機、ファクシミリなどの紙送りロールの軸、 VTR、コンパクトディスクプレーヤーやその他コンピユータ周辺機器などのO A機器に用いられている軸における推力軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の推力軸受としては、図7に示すように椀型の板金製のケーシング に、直径3.3乃至5.5mm程度の鋼製のベアリングボール30を数個(通常 7個又は9個)を挿入し、椀型のケーシング1の開口部にリング状の蓋2を溶接 して形成したものを、プラグ端面に嵌合させたものである。 ところが、このような構造のものは、前記相隣るボール同士が直接接触してい るため平行度の維持が困難であり、余り高速回転に対しては不向きであるし、ラ ジアル方向の荷重は受けられない。 また近年、ベアリングボールをエンジニアリングプラスチックのリング状の保 持具に所定の間隔をおいて、支持されたものが発表されている(特開昭63−3 18316号公報)。 また、前述のOA機器などにおいては無給油型の滑り軸などが用いられている が、平行度の維持、調整が難しく、始動時の駆動トルクが大きく、かつ、スラス ト荷重を同時に受けるところには適用しない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
そこでこの考案は従来のものよりはラジアル方向の荷重も支持できる単一の滑 り軸受け兼用の推力軸受ユニットを得ることを第1の目的とする。 また他の目的とするところは、ハウジングに導電性フッ素系樹脂よりなるエン ジニアリングプラスチックとすることによって、被支持軸と軸受間に静電気が帯 電しないようにすることである。 また他の目的とすることは、回転時に生ずる発熱によって、ボールを保持する 保持具に熱膨張又は収縮を生じたとしても、回転が阻害されないで、また回転時 に受ける回転軸の偏り(ラジアル方向の力)にも充分対応し、或る程度の自動調 芯乃至軸間寸法の自動調整ができるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を達成するためこの考案はアウターブロックと少なくとも一個のボ ールベアリングとよりなり、前記アウターブロックは軸線方向に貫通した孔のあ る軸線周りに概ね円筒形状であって、一端面よりボールベアリング支持用の座ぐ り部が形成してあり、この座ぐり部の底面は軸線と直角な平面としてあり、前記 座ぐり部の近傍の内周面は滑り軸受面としてあり、前記ボールベアリングはリン グ状のエンジニアリングプラスチックよりなる保持具と、これに等間隔に支持さ れた数個のベアリングボールとよりなり、各ベアリングボールをそれぞれ一個あ て支持する前記保持具の支持孔との間には若干の遊び寸法が形成してあり、前記 ボールベアリングはアウターブロックの前記座ぐり部に嵌合させてあって、各ベ アリングボールは座ぐり部の内周面に転動接触させてあり、各ベアリングボール は前記保持具内周面よりも内側に突出させてあることを特徴とする滑り兼推力軸 受ユニットとする。 また前記課題を達成するためにこの考案は前記滑り兼推力ユニットの前記滑り 軸受け部の位置は、前記座ぐり開口側の大径側に設けてあることを特徴とする場 合もある。 また前記課題を達成するためにこの考案は前記滑り軸受け部の位置は、前記座 ぐり開口側とは反対の小径側に設けてあることを特徴とする場合もある。 また前記課題を達成するためにこの考案は前記アウターブロックは、フッ素系 導電性エンジニアリングプラスチック、焼結無給油型軸受用金属のうちの一種で あることを特徴とすることが好ましい。 また前記課題を達成するためにこの考案は前記アウターブロックは鋼、その他 の金属又は一般エンジニアリングプラスチック、又はセラミックの群のうちの一 種よりなり、前記滑り軸受面にはフッ素系導電性エンジニアリングプラスチック 層が形成したものであることを特徴とすることが好ましい。 また前記課題を達成するためにこの考案は前記アウターブロックの滑り軸受面 の内径はこれに支持される回転軸の滑り軸部の外形より、前記保持具と各ベアリ ングボールとの遊び寸法相当大きくしてあることを特徴とすることが好ましい。
【0005】 また前記課題を達成するために、この考案は軸受ユニットと回転軸とよりなり 軸受ユニットはアウターブロックと少なくとも一個のボールベアリングとよりな り、前記オウターブロックは軸線周りに概ね円筒形状であって、一端面よりボー ルベアリング支持用の座ぐり部が形成してあり、この座ぐり部の底面は軸線と直 角な平面としてあり、前記座ぐり部の近傍の内周面は滑り軸受面としてあり、前 記ボールベアリングはリング状のエンジニアリングプラスチックよりなる保持具 と、これに等間隔に支持された数個のベアリングボールとよりなり、各ベアリン グボールをそれぞれ一個あて支持する前記保持具の支持孔との間には若干の遊び 寸法が形成してあり、前記ボールベアリングはアウターブロックの前記座ぐり部 に嵌合させてあって、各ベアリングボールは座ぐり部の内周面に転動接触させて あり、各ベアリングボールは前記保持具内周面よりも内側に突出させて形成して あり、このユニットにより両端が支承されている前記回転軸はその量軸端部分は 前記ユニット中の複数個のベアリングボールと転動接触しているテーパ面とこの 近傍に、ユニットと滑り軸受部を貫通して、滑り軸部が形成してあり、滑り軸受 部と滑り軸部の間隙は、前記遊び寸法より若干狭い間隙が形成してあることを特 徴とする。 また前記課題を達成するために、この考案は前記の軸受支持構造の前記回転軸 の一端は前記ユニットと貫通した動力弦導入部が形成してあることを特徴とする ことが好ましい。
【0006】
【作用】
叙上のように構成しているこの発明の作用を次に説明する。 請求項1乃至請求項6記載の滑り軸受兼推力軸受ユニットを、一対を所期のフ レームに取付け、請求項7記載の通りの軸の両端を支持させる。 このようにして使用すると、各ベアリングボールはその内側において、軸のテ ーパ面と転動接触し、外側においてはアウターブロックの座ぐり部の内周面と転 動接触され、軸方向の推力は、軸テーパ面から受ける半径方向の分力と、軸方向 の分力とに分かれ、この半径方向の力は、数個のベアリングボールを介して、ア ウターブロックの内周面を押圧する力となり、アウターブロックで支持され、軸 方向の推力分力は、各ベアリングボール及び保持具を介して、アウターブロック の支持面及びフレームによって支持され、これらアウターブロックを支持してい るフレームに最終的に支持される。 回転軸に半径方向つまり、一方に寄せられるラジアル方向の力が作用するとき は、各ボールベアリングは保持具の支持孔内によって、その遊び寸法範囲内にお いて、片寄せられて回転軸の滑り軸部はアウターブロックの滑り軸受け面の片側 に押し付けられた状態となり、回転軸はベアリングボール部分における転がり接 触と滑り軸受面との滑り接触との双方で支持されながら回転する。 回転軸と滑り兼推力軸ユニットの間に軸線が平行にならない力が作用するとき は、ベアリングボールはその外力に従い、保持具の支持孔と各ボールの遊び寸法 内において、軸方向にも転動し、若干の自動調芯作用を発揮しながら回転する。
【0007】 請求項2記載の考案においては、前記の請求項1記載の考案の作用の外、特に アウターブロックと回転軸との間にラジアル方向の外力が作用したときには、前 記ボールベアリングよりも大径側に設けられているアウターブロックの一部をな す滑り軸受面においても、回転軸と滑り接触しながら支承する。 請求項3記載の考案においては、前記の請求項1記載の考案の作用の外、特に アウターブロックと回転軸との間にラジアル方向の外力が作用したときには、前 記ボールベアリングよりも大径側に設けられているアウターブロックの一部をな す滑り軸受面においても、回転軸と滑り接触しながら支承する。 請求項4記載の考案においては、上記請求項1記載の考案の作用の外、アウタ ーブロックがフッ素系導電性エンジニアリングプラスチックとしてあるから、回 転軸とアウターブロック間において、静電気が帯電せずにフレームにアースされ 、回転軸と、これと接触する部材の間に発生する静電気もアースする。 請求項5記載の考案においては、この考案の請求項1記載の作用の外、アウタ ーブロックが、鋼、その他の金属、一般エンジニアリングプラスチック、又はセ ラミックの一種であるから、丈夫で支持力が大きいだけでなく、その滑り軸受面 はフッ素系導電性エンジニアリングプラスチック層で形成してあるから、回転軸 との接触抵抗は極めて少ない。
【0008】 請求項6記載の考案においては、滑り軸受け面と滑り軸部との間に保持具の各 支持孔と各ボールベアリングボールとの間の遊び寸法の半分程度の間隙を設けた ものであるから推力のみを軸に受けるときは、滑り軸部は滑り軸受部の内周面に 殆ど接することなく回転し、半径方向の外力を受けたときは、軸が片方へ寄せら れて、滑り軸部は滑り軸受面に支承され、大きな支持力が得られる。 請求項7記載の考案においては、請求項1乃至請求項6記載の全ての要件を備 えた滑り軸受兼推力軸受ユニットによって、軸の両端にテーパー面及び小径軸部 を備えた回転軸を支持したときと同じ作用を為す。 請求項8記載の考案においては、請求項7記載の考案の作用の外、この考案の ユニットを貫通して外方に突出している部分の回転軸を原動力導入部として利用 する。
【0009】
【実施例】
図1乃至図5に示すものは、拡大図であり請求項1乃至6の全ての考案の実施 例である。 図において、10は軸、11はその単一のテーパ面であり、中心角αは60° に形成してある。中心角は用途に応じて、鋭角、又は鈍角の任意の角度に変更す る。13はテーパ面11の細い方の端に一体に延在する小径軸部である。この軸 10は通常鋼又はステンレススチール製である。 20a、及び20bはそれぞれボールベアリングであり、順次直径が異なり、 それぞれエンジニアリングプラスチックよりなる保持具21と鋼球よりなるベア リングボール30とによって構成してある。 各保持具21の形状はそれぞれ全体として、リング形状であって、内周面22 は中心角60°のテーパ面としてある。この中心角も軸10のテーパ面11の中 心角に従い、同様これに合致した角度とする。小径側の端面23は軸線と直角な 平坦面に形成してある。各ベアリングボール30を支持している支持孔24の直 径D1は前記ベアリングボール30の直径の直径D2よりも若干大きく、両者間 に遊び寸法(D2 2−D1)が形成してあり、各ベアリングボール30の直径が 1.1mmのときその遊び寸法は、100〜50μ(ミクロン)程度としてある 。つまり鋼球の直径の10%程度が好ましい(図3参照)。 各ボールベアリング20a及び20bにおいて、各ベアリングボール30は保 持具21の外周面25よりも外方に突出しており、また内側においては保持具2 1のテーパ内周面22よりも内側に突出した形状となり、各ベアリングボール3 0は保持具21の支持孔24に支持されたとき、その中でそれぞれ自転できるが 相隣るベアリングボール30とは相互に接触していない。
【0010】 各保持具21の材質としては、エンジニアリングプラスチックであれば特に限 定はないがポリアセタール、例えばデュポン社製の登録商標デルリン、ポリプラ スチック株式会社製の登録商標ジュラコン、超高分子ポリエチレンとしては三井 石油化学工業株式会社製の登録商標ハイゼックス・ミリオン、フッ素系樹脂とし ては、ニチアス株式会社製のエクセライド9550Sなどが好ましい。その他、 古くから広く使用されているフェノール樹脂でもよい。要は機械的強度が高く、 鋼球を嵌合するときに、若干弾性変形できるものであり、鋼球との対摩擦係数の 小さいものであればよい。 ベアリングボール30としては鋼球が最もよいがセラミックボールであっても よい。大きさは小さいものは、直径1mm、大きいものは5mm程度ボールベア リング20の直径つまり、一つのボールベアリング10のベアリングボール列の 直径は小さいもので、5mm大きいもので30mm程度である。また一つのユニ ットに使用されるベアリングボールの直径は1個のボールベアリング20を単位 として異なる直径のものを用いてもよい。 40はアウターブロックであり、全体がフッ素系導電性エンジニアリングプラ スチックよりなり、実施例においてはニチアス株式会社製エクセライド−D(登 録商標エクセライド)を用いた。 前記アウターブロック40は全体として筒状のブロックであり、その中心軸線 上には孔が貫通し、一端面側より、前記孔の外側に階段状の座ぐりがしてあり、 その各ステップが軸線と直角なリング状の平坦なベアリング支持面41としてあ り、各座ぐり部の内周面42は、図1の実施例においては順次径が大きくしてあ る。座ぐり部は図4、図5に示すように一段でもよい。
【0011】 図4に示す実施例においては前記内周面42にベアリングボールが転動できる 浅い溝43が形成してあり、溝43の幅はこの中を転動する各ベアリングボール が若干軸方向に変位できる寸法としてある。アウターブロック40の前記座ぐり 部とは軸方向に隣接した前記アウターブロックの一部を為す孔の内面は滑り軸受 け面44としてあり、この中を貫通する回転軸10の滑り軸部12(図1、図4 及び図5では小径軸部13の一部)を支承するものであり、滑り軸部12と滑り 軸受け面44との間には若干の間隙寸法dが設けてあり、この間隙寸法はアウタ ーブロック40をフレーム50に圧入し、アウターブロック40の外周面が、熱 変化に伴い、外方に膨張しないとき、内方のみに熱膨張して、滑り軸受け面44 の内径が小さくなる寸法を予め計算して、適正な間隙寸法を求める。 この寸法は実施例において、各ベアリングボール30が保持具21の支持孔2 4内で移動できる遊び寸法(D2 ーD1 )の凡そ1/2程度となり、実施例にお いては、50μ(ミクロン)程度に設けてある。 アウターブロック40の大径側には、フランジ47が設けてあり、外周面部4 6に後述のフレームに回転不能に嵌合させるための平坦な切欠面48が形成して ある(図3参照)。
【0012】 前記滑り軸受面44は図1に示すように、ボールベアリング20を支持する座 ぐり部よりも小径側(図1参照)でも大径側(図2参照)の何れでも、この考案 の実施例に含まれる。 アウターブロック40を前述のフッ素の導電性エンジニアリングプラスチック の外、焼結成形金属でもよい。 またアウターブロック40が鋼、その他の金属、余り摩擦係数が余り小さくな いエンジニアリングプラスチック、セラミックの場合においては、前記内周面4 2及び滑り軸受面44の内周面に前記フッ素樹脂系のエンジニアリングプラチス チックのスリーブを嵌合するか、これらの材料よりなるテープの貼付その他のラ イニングにより導電性のフッ素樹脂層45を形成する(請求項5記載の考案の実 施例、図5参照)。 前述のエクセライド−Dの物性としては次の通りである。 項目 測定値 密度 2.70g/cm3 引張強度 250.kgf/cm3 伸び 15.% 硬度 68(D) 圧縮強度 80〜170kgf/cm2 圧縮弾性率 9.8×103 kgf/cm2 熱膨張係数 −100〜 25℃ 8.5×10-5/℃ 25〜100℃ 1.2×10-4/℃ 100〜200℃ 1.2×10-4/℃ 200〜250℃ 1.4×10-4/℃ 体積電気抵抗率 5.0Ω・cm この場合はアウターブロック40が不良導体よりなるときは前記フッ素樹脂層 45を電気的にアースしておくことが好ましい。
【0013】 次に回転軸10を前記ユニッットで支持し、請求項7記載の実施例とするには 、例えば一本の回転軸10の両端を支承する一対のユニットはそれぞれ独立した 部分フレーム板50a、50bの支持窪み51にそれぞれ一個づつ独立して支持 させる。 前記部分フレーム板50a、50bは一般的には鋼板、ステンレススチール板 よりなるものであり、内側より外側に、前記支持窪み51がプレス成形加工して 形成したものを用い、支持窪み51の軸線と直角な断面形状及び深さは、前記ア ウターブロック40の外周面部46の輪郭形状及び深さに符合させたものである る。前記アウターブロック40にフランジ47があり、アウターブロック40の 機械的強度が充分大きいときは、前記支持窪み51の底は必ずしも必要としない 。 前記部分フレーム板50a、50bはダイキャスト射出成形品であってもよ い。 而して、両端にテーパ面11を有し、一端においてはテーパ面11に連な る小径軸部12を有する回転軸10の両端を前記部分フレーム板50a、50b に取り付けられているボールベアリング20に挿入し、テーパ面11を各ベアリ ングボール30に圧接させ、前記一対の部分フレーム板50aと50bを所定間 隔にして固定する。 このようにすると、各ベアリングボール30は回転軸10のテーパ面11とア ウターブロック40の座ぐり部分の内周面に共に転動接触した状態となる。 また回転軸10の両端の滑り軸部12はアウターブロック40の滑り軸受面4 4内に挿入された状態となる回転軸10の一端の前記滑り軸部12は、前記アウ ターブロック40及び部分フレーム50a(又は50b)を貫通してこの部分フ レーム50aより突出した状態となり、滑り軸部12の伸長した小径軸部13に は通常モータなどと直結されたり、動力を導入するための歯車などが結合される (請求項8の実施例、図6参照)。
【0014】 実施例の作用 図6のように組み立てられたものにおいては、回転軸10が推力を受けて回転 する場合は、この両縁のテーパ面11のうち、片方のテーパ面11によって、こ れ接する各ベアリングボール30はこのテーパ面とアウターブロック40におけ る座ぐり部の内周面42とに転動接触し、かつ保持具21に対しては滑り回転し ながら回転する。 前記回転軸10に加えられる推力はテーパ面11によって、ベアリングボール 30を半径方向に押し拡げ、アウターブロック40における座ぐり部の内周面4 2にこのベアリングボール30を押しつけて、他方、軸方向の分力は各ベアリン グボール30を滑り接触する保持具21を介してアウターブロック40の支持面 41に押しつけて、前記回転軸10は支持される。 前記推力が余り大きくないときには、ベアリングボール30及びボールベアリ ング20は共にその径が小さいものを用いる。
【0015】 また、前記推力が大きいときには、ベアリングボール30及びボールベアリン グ20は共にその径が大きいものを用い、或いは図1に示す実施例のようにボー ルベアリング20a、20bを2段としたものを使用する(図1参照)。 前記回転軸10とユニットとの間に半径方向の力が作用すると、この力に応じ て各ベアリングボール30は各保持具21の各支持孔24内において、前記遊び 寸法(D2ーD1)の範囲内において一方に偏り、滑り軸部12は滑り軸受面44 に接触し、これらは滑り接触しながら回転する。 前記回転軸10とユニットとの間に軸線が相互に傾斜するような外力が作用し たときには、各ベアリングボール30はアウターブロック40における座ぐり部 の内周面42に沿って軸方向に移動しつつ転動し、この外力がなくなると再び元 に戻る自動調心作用をしながら各ベアリングボール30は回転する。 前記回転軸10が、一対挟持型のローラの一方の回転軸として使用する場合に は、半径方向の力及び僅かに傾斜させるような外力を受けても、これらの力に対 応して、自動調心作用を為す。
【0016】
【考案の効果】
前述のように構成し、作用するこの考案のものは次の効果を奏する。 請求項1に記載された考案においては、この軸受ユニットの構造が簡単であり 、これに前記の回転軸を支承したときには推力はこの回転軸のテーパ面の傾斜に よって半径方向の力と軸方向の力に二分され、この半径方向の力は各ベアリング ボールを介してアウターブロックにおける座ぐり部の内周面で支持される。 また、軸方向の力は各ベアリングボール及び保持具を介してアウターブロック に支持される。 また始動時においては、各ベアリングボールは回転軸のテーパ面を支承して、 転動接触であるから始動時に必要なトルクは極めて少なく軽快である。 殊に半径方向の力は各ベアリングボールとの転動接触であるから、各ベアリン グボールの回転は軽快となる。 前記回転軸とユニットとの間に半径方向の力が作用したときには、各ベアリン グボールの転がり接触部と、アウターブロックの滑り軸受面との双方でこの力は 支持され、ベアリングボール群のみの接触よりは大きな支持力が得られる。 前記回転軸とユニットとの間に軸線が相互に傾斜するような外力が作用したと きには、この力に応じて前記各ベアリングボールと各保持具の各支持孔間の遊び 寸法の範囲内で各ベアリングボールは軸方向に変位して、自動調心の効果を発揮 し、この外力がなくなると再び元に戻る。
【0017】 請求項2に記載された考案においては、請求項1に記載された考案の効果の外 に、滑り軸受部がボールベアリング部分より大径側のアウターブロックに設けて あるから、比較的低速で大きな半径方向の力を受けるときに適する。 請求項3に記載された考案においては、請求項1に記載された考案の効果の外 に、滑り軸受部の直径が小さいから、滑り周速度が遅く、高速で半径方向の力が 小さい場合に適する。 請求項4に記載された考案においては、請求項1に記載された考案の効果の外 に、回転軸とアウターブロック間は相互に導電性を有するため、使用中に静電気 が帯電せず、またこの回転軸とこれに接触する他の物との摩擦による静電気が発 生しても直ちにアースするから、これらが帯電するおそれは無い。 請求項5に記載された考案においては、アウターブロックが鋼、その他の金属 、一種のエンジニアリングプラスチックまたはセラミックの群の一種であるから 、機械的強度は特に優れ、、かつ、その滑り軸受面にはフッ素樹脂系のエンジニ アリングプラスチック層が形成してあるため、この滑り軸受面と滑り軸部との摩 耗物性、摩擦計数及び非帯電効果は請求項4に記載された考案の効果と大差が無 い。 請求項6に記載された考案においては、ベアリングボールとその支持孔の間に は遊び寸法が設けてあるため、アウターブロックがフレームに圧入されている場 合、運転中の発熱により、保持具自体が熱膨張したり、前記アウターブロックの 内方への熱膨張変形が生じても、前記ベアリングボールを圧迫して、この保持具 内での自転を阻害するおそれは無く、、かつ、半径方向の力や、不平行となる力 が作用したときにおいても、前記ベアリングボールは前記遊び寸法内において軸 方向にも移動でき、自動調心、芯合わせ効果がより顕著である。
【0018】 請求項7に記載された考案においては、前記の請求項6に記載された考案のユ ニットによって前記テーパ面と滑り軸部を両端に有する回転軸を支承したと記と 同じ効果を奏する。 請求項8に記載された考案においては、推力を受ける側の軸端であっても、ユ ニットを回転軸が貫通しているので、この部分にモータを直接、又は伝動手段を 介して結合できる。 前記全ての請求項に記載された考案のものは、機器、VTR、テープレコーダ その他ファクシミリの紙送り部などの回転軸受け部の軽量化、小型化、無潤滑化 及び低価格化に適する。 更に前記ベアリングボールの径を大きく、あるいは前記ベアリングボールを多 段に使用することによって軽搬送機器にこの考案のものを使用できる。
【提出日】平成4年7月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【実施例】
図1乃至図5に示すものは、拡大図であり請求項1乃至6の全ての考案の実施 例である。 図において、10は軸、11はその単一のテーパ面であり、中心角αは60° に形成してある。中心角は用途に応じて、鋭角、又は鈍角の任意の角度に変更す る。13はテーパ面11の細い方の端に一体に延在する小径軸部である。この軸 10は通常鋼又はステンレススチール製であるが、エンジニアリングプラスチッ クの場合もある 。 20a、及び20bはそれぞれボールベアリングであり、順次直径が異なり、 それぞれエンジニアリングプラスチックよりなる保持具21と鋼球よりなるベア リングボール30とによって構成してある。 各保持具21の形状はそれぞれ全体として、リング形状であって、内周面22 は中心角60°のテーパ面としてある。この中心角も軸10のテーパ面11の中 心角に従い、同様これに合致した角度とする。小径側の端面23は軸線と直角な 平坦面に形成してある。各ベアリングボール30を支持している支持孔24の直 径D1は前記ベアリングボール30の直径の直径D2よりも若干大きく、両者間 に遊び寸法(D2−D1)が形成してあり、各ベアリングボール30の直径が 1.1mmのときその遊び寸法は、100〜50μ(ミクロン)程度としてある 。つまり鋼球の直径の10%程度が好ましい(図3参照)。保持具の断面形状は 成形さえ可能であれば図示のものに限定されるわけではない。 各ボールベアリング20a及び20bにおいて、各ベアリングボール30は保 持具21の外周面25よりも外方に突出しており、また内側においては保持具2 1のテーパ内周面22よりも内側に突出した形状となり、各ベアリングボール3 0は保持具21の支持孔24に支持されたとき、その中でそれぞれ自転できるが 相隣るベアリングボール30とは相互に接触していない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 図4に示す実施例においては前記内周面42にベアリングボールが転動できる 浅い溝43が形成してあり、溝43の幅はこの中を転動する各ベアリングボール が若干軸方向に変位できる寸法としてある。アウターブロック40の前記座ぐり 部とは軸方向に隣接した前記アウターブロックの一部を為す孔の内面は滑り軸受 け面44としてあり、この中を貫通する回転軸10の滑り軸部12(図1、図4 及び図5では小径軸部13の一部)を支承するものであり、滑り軸部12と滑り 軸受け面44との間には若干の間隙寸法dが設けてあり、この間隙寸法はアウタ ーブロック40をフレーム50に圧入し、アウターブロック40の外周面が、熱 変化に伴い、外方に膨張しないとき、内方のみに熱膨張して、滑り軸受け面44 の内径が小さくなる寸法を予め計算して、適正な間隙寸法を求める。 この寸法は実施例において、各ベアリングボール30が保持具21の支持孔2 4内で移動できる遊び寸法(D−D)の凡そ1/2程度となり、実施例にお いては、50μ(ミクロン)程度に設けてある。 アウターブロック40の大径側には、フランジ47が設けてあり、外周面部4 6に後述のフレームに回転不能に嵌合させるための平坦な切欠面48が形成して ある(図3参照)。支持される軸が竪軸の場合は、軸の上端を支えるボールベアリング30の保持 具21の外周面に、180°毎乃至120°間隔に半球状の小突起26を成形し ておき、アウターブロック40内周面にこれと掛合する浅い輪溝49を形成し、 これらを嵌合させ、組立時に保持具21がアウターブロック40からみだりに外 れないようにする場合もある(図7参照)
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な実施例を示す拡大縦断側面図である。
【図2】他の実施例の拡大縦断断面である。
【図3】アウターブロックの斜視図である。
【図4】更に他の実施例の拡大半截縦断側面図である。
【図5】更に別の実施例の拡大半截縦断側面図である。
【図6】回転軸の両端をユニットで支持した状態の縦断
側面図である。
【図7】従来公知の球受式ピポット軸受ユニットの縦断
側面図である。
【符号の説明】
10 回転軸 11 テーパ面 12 滑り軸部 20a、20b ボールベアリング 21 保持具 22 テーパ内周面 23 平坦面 24 支持孔 30 ベアリングボール 40 アウターブロック 41 支持面 42 内周面 44 滑り軸受面 50 機枠
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月22日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 竪軸の上端を支持したユニットの一例を示す
縦断側面図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】追加
【補正内容】
【図8】 従来公知の球受式ピポット軸受ユニットの縦
断側面図である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】追加
【補正内容】
【図8】

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】アウターブロックと少なくとも一個のボー
    ルベアリングとよりなり、前記アウターブロックは軸線
    方向に貫通した孔のある軸線周りに概ね円筒形状であっ
    て、一端面よりボールベアリング支持用の座ぐり部が形
    成してあり、この座ぐり部の底面は軸線と直角な平面と
    してあり、前記座ぐり部の近傍の内周面は滑り軸受面と
    してあり、前記ボールベアリングはリング状のエンジニ
    アリングプラスチックよりなる保持具と、これに等間隔
    に支持された数個のベアリングボールとよりなり、各ベ
    アリングボールをそれぞれ一個あて支持する前記保持具
    の支持孔との間には若干の遊び寸法が形成してあり、前
    記ボールベアリングはアウターブロックの前記座ぐり部
    に嵌合させてあって、各ベアリングボールは座ぐり部の
    内周面に転動接触させてあり、各ベアリングボールは前
    記保持具内周面よりも内側に突出させてあることを特徴
    とする滑り兼推力軸受ユニット。
  2. 【請求項2】前記滑り軸受け部の位置は、前記座ぐり開
    口側の大径側に設けてあることを特徴とする請求項1記
    載の滑り兼推力軸受ユニット。
  3. 【請求項3】前記滑り軸受け部の位置は、前記座ぐり開
    口側とは反対の小径側に設けてあることを特徴とする請
    求項1記載の滑り兼推力軸受ユニット。
  4. 【請求項4】前記アウターブロックは、フッ素系導電性
    エンジニアリングプラスチック、焼結無給油型軸受用金
    属のうちの一種であることを特徴とする請求項1記載の
    滑り兼推力軸受ユニット。
  5. 【請求項5】前記アウターブロックは鋼、その他の金属
    又は一般エンジニアリングプラスチック、又はセラミッ
    クの群のうちの一種よりなり、前記滑り軸受面にはフッ
    素系導電性エンジニアリングプラスチック層が形成した
    ものであることを特徴とする請求項1記載の滑り兼推力
    軸受ユニット。
  6. 【請求項6】前記アウターブロックの滑り軸受面の内径
    はこれに支持される回転軸の滑り軸部の外形より、前記
    保持具と各ベアリングボールとの遊び寸法の半分相当大
    きくしてあることを特徴とする請求項1、請求項2、請
    求項3、請求項4又は請求項5記載の滑り兼推力軸受ユ
    ニット。
  7. 【請求項7】軸受ユニットと回転軸とよりなり軸受ユニ
    ットはアウターブロックと少なくとも一個のボールベア
    リングとよりなり、前記アウターブロックは軸線周りに
    概ね円筒形状であって、一端面よりボールベアリング支
    持用の座ぐり部が形成してあり、この座ぐり部の底面は
    軸線と直角な平面としてあり、前記座ぐり部の近傍の内
    周面は滑り軸受面としてあり、前記ボールベアリングは
    リング状のエンジニアリングプラスチックよりなる保持
    具と、これに等間隔に支持された数個のベアリングボー
    ルとよりなり、各ベアリングボールをそれぞれ一個あて
    支持する前記保持具の支持孔との間には若干の遊び寸法
    が形成してあり、前記ボールベアリングはアウターブロ
    ックの前記座ぐり部に嵌合させてあって、各ベアリング
    ボールは座ぐり部の内周面に転動接触させてあり、各ベ
    アリングボールは前記保持具内周面よりも内側に突出さ
    せて形成してあり、このユニットにより両端が支承され
    ている前記回転軸はその両軸端部分で前記ユニット中の
    複数個のベアリングボールと転動接触しているテーパ面
    とこの近傍に、このユニットと滑り軸受部を貫通して、
    滑り軸部が形成してあり、滑り軸受部と滑り軸部の間隙
    は、前記遊び寸法より若干狭い間隙が形成してあること
    を特徴とする滑り兼推力軸受構造。
  8. 【請求項8】前記回転軸の一端は前記ユニットと貫通し
    た動力源導入部が形成してあることを特徴とする請求項
    7記載の滑り兼推力軸受構造。
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JPH0562730U (ja) * 1992-02-04 1993-08-20 群馬日本電気株式会社 複合軸受
JPH0647726U (ja) * 1992-10-09 1994-06-28 株式会社三協精機製作所 軸受装置

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JPS6123519U (ja) * 1984-07-17 1986-02-12 エヌ・テ−・エヌ東洋ベアリング株式会社 フランジを有する複列玉軸受

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