JP2529981Y2 - 滑り兼推力軸受ユニット及びこのユニットを用いた軸支持構造 - Google Patents

滑り兼推力軸受ユニット及びこのユニットを用いた軸支持構造

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JP2529981Y2 JP1991104680U JP10468091U JP2529981Y2 JP 2529981 Y2 JP2529981 Y2 JP 2529981Y2 JP 1991104680 U JP1991104680 U JP 1991104680U JP 10468091 U JP10468091 U JP 10468091U JP 2529981 Y2 JP2529981 Y2 JP 2529981Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はベアリングボールを利
用する推力軸受に係るものであり、ワードプロセッサ用
プリンタ、プリンタ複写機、ファクシミリなどの紙送り
ロールの軸、VTR、コンパクトディスクプレーヤーや
その他コンピユータ周辺機器などのOA機器に用いられ
ている軸における推力軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の推力軸受としては、図8に
示すように椀型の板金製のケーシングに、直径3.3乃
至5.5mm程度の鋼製のベアリングボール30を数個
(通常7個又は9個)を挿入し、椀型のケーシング1の
開口部にリング状の蓋2を溶接して形成したものを、プ
ラグ端面に嵌合させたものである。ところが、このよう
な構造のものは、前記相隣るボール同士が直接接触して
いるため平行度の維持が困難であり、余り高速回転に対
しては不向きであるし、ラジアル方向の荷重は受けられ
ない。また近年、ベアリングボールをエンジニアリング
プラスチックのリング状の保持具に所定の間隔をおい
て、支持されたものが発表されている(特開昭63−3
18316号公報)。また、前述のOA機器などにおい
ては無給油型の滑り軸などが用いられているが、平行度
の維持、調整が難しく、始動時の駆動トルクが大きく、
かつ、スラスト荷重を同時に受けるところには適用しな
い。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】そこでこの考案は従来
のものよりはラジアル方向の荷重も支持できる単一の滑
り軸受け兼用の推力軸受ユニットを得ることを第1の目
的とする。また他の目的とするところは、ハウジングに
導電性フッ素系樹脂よりなるエンジニアリングプラスチ
ックとすることによって、被支持軸と軸受間に静電気が
帯電しないようにすることである。また他の目的とする
ことは、回転時に生ずる発熱によって、ボールを保持す
る保持具に熱膨張又は収縮を生じたとしても、回転が阻
害されないで、また回転時に受ける回転軸の偏り(ラジ
アル方向の力)にも充分対応し、或る程度の自動調芯乃
至軸間寸法の自動調整ができるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を達成するた
めこの考案はアウターブロックと少なくとも一個のボー
ルベアリングとよりなり、前記アウターブロックはフッ
素系導電性エンジニアリングラスチック、焼結無給油型
軸承用金属のうちの一種あり、かつ軸線方向に貫通した
孔のある軸線周りに概ね円筒形状であって、一端面より
ボールベアリング支持用の座ぐり部が形成してあり、こ
の座ぐり部の底面は軸線と直角な平面としてあり、前記
座ぐり部の近傍の前記アウターブロックの内周面は滑り
軸受面としてあり、前記ボールベアリングはリング状の
エンジニアリングプラスチックよりなる保持具と、これ
に等間隔に支持された数個のベアリングボールとよりな
り、各ベアリングボールをそれぞれ一個あて支持する前
記保持具の支持孔との間には若干の遊び寸法が形成して
あり、前記ボールベアリングはアウターブロックの前記
座ぐり部に嵌合させてあって、各ベアリングボールは座
ぐり部の内周面に転動接触させてあり、各ベアリングボ
ールは前記保持具内周面よりも内側に突出させてあるこ
とを特徴とする滑り兼推力軸受ユニットとする。また前
記課題を達成するためにこの考案は前記滑り兼推力ユニ
ットの前記滑り軸受け部の位置は、前記座ぐり開口側の
大径側に設けてあることを特徴とする場合もある。また
前記課題を達成するためにこの考案は前記滑り軸受け部
の位置は、前記座ぐり開口側とは反対の小径側に設けて
あることを特徴とする場合もある。また前記課題を達成
するためにこの考案は前記アウターブロックの滑り軸受
面の内径はこれに支持される回転軸の滑り軸部の外形よ
り、前記保持具と各ベアリングボールとの遊び寸法相当
大きくしてあることを特徴とすることが好ましい。
【0005】また前記課題を達成するために、この考案
は軸受ユニットと回転軸とよりなり軸受ユニットはアウ
ターブロックと少なくとも一個のボールベアリングとよ
りなり、前記アウターブロックはフッ素系導電性エンジ
ニアリングプラスチック、焼結無給油型軸受用金属のう
ちの一種であり、かつ軸線周りに概ね円筒形状であっ
て、一端面よりボールベアリング支持用の座ぐり部が形
成してあり、この座ぐり部の底面は軸線と直角な平面と
してあり、前記座ぐり部の近傍のアウターブロックの内
周面は滑り軸受面としてあり、前記ボールベアリングは
リング状のエンジニアリングプラスチックよりなる保持
具と、これに等間隔に支持された数個のベアリングボー
ルとよりなり、各ベアリングボールをそれぞれ一個あて
支持する前記保持具の支持孔との間には若干の遊び寸法
が形成してあり、前記ボールベアリングはアウターブロ
ックの前記座ぐり部に嵌合させてあって、各ベアリング
ボールは座ぐり部の内周面に転動接触させてあり、各ベ
アリングボールは前記保持具内周面よりも内側に突出さ
せて形成してあり、このユニットにより両端が支承され
ている前記回転軸はその両軸端部分で前記ユニット中の
複数個のベアリングボールと転動接触しているテーパ面
とこの近傍に、このユニットと滑り軸受部を貫通して、
滑り軸部が形成してあり、滑り軸受部と滑り軸部の間隙
は、前記遊び寸法より若干狭い間隙が形成してあること
を特徴とする滑り兼推力軸受構造とする。また前記課題
を達成するために、この考案は前記の軸受支持構造の前
記回転軸の一端は前記ユニットと貫通した動力弦導入部
が形成してあることを特徴とすることが好ましい。
【0006】
【作用】叙上のように構成しているこの発明の作用を次
に説明する。請求項1乃至請求項4記載の考案の滑り軸
受兼推力軸受ユニットを、一対を所期のフレームに取付
け、請求項5記載の考案の通りの軸の両端を支持させ
る。このようにして使用すると、各ベアリングボールは
その内側において、軸のテーパ面と転動接触し、外側に
おいてはアウターブロックの座ぐり部の内周面と転動接
触され、軸方向の推力は、軸テーパ面から受ける半径方
向の分力と、軸方向の分力とに分かれ、この半径方向の
力は、数個のベアリングボールを介して、アウターブロ
ックの内周面を押圧する力となり、アウターブロックで
支持され、軸方向の推力分力は、各ベアリングボール及
び保持具を介して、アウターブロックの支持面及びフレ
ームによって支持され、これらアウターブロックを支持
しているフレームに最終的に支持される。回転軸に半径
方向つまり、一方に寄せられるラジアル方向の力が作用
するときは、各ボールベアリングは保持具の支持孔内に
よって、その遊び寸法範囲内において、片寄せられて回
転軸の滑り軸部はアウターブロックの滑り軸受け面の片
側に押し付けられた状態となり、回転軸はベアリングボ
ール部分における転がり接触と滑り軸受面との滑り接触
との双方で支持されながら回転する。この場合アウター
ブロック焼結無給型軸受用金属、フッ素系導電性エンジ
ニアリングプラスチックの一種で形成されてするから、
回転軸との滑り摩擦が起きたとしても、静電気の発生は
ない作用を為す。また、滑り摩擦抵抗は極めて小さい。
回転軸と滑り兼推力軸ユニットの間に軸線が平行になら
ない力が作用するときは、ベアリングボールはその外力
に従い、保持具の支持孔と各ボールの遊び寸法内におい
て、軸方向にも転動し、若干の自動調芯作用を発揮しな
がら回転する。
【0007】請求項2記載の考案においては、前記の請
求項1記載の考案の作用の外、特にアウターブロックと
回転軸との間にラジアル方向の外力が作用したときに
は、前記ボールベアリングよりも大径側に設けられてい
るアウターブロックの一部をなす滑り軸受面において
も、回転軸と滑り接触しながら支承する。請求項3記載
の考案においては、前記の請求項1記載の考案の作用の
外、特にアウターブロックと回転軸との間にラジアル方
向の外力が作用したときには、前記ボールベアリングよ
りも大径側に設けられているアウターブロックの一部を
なす滑り軸受面においても、回転軸と滑り接触しながら
支承する。
【0008】請求項4記載の考案においては、滑り軸受
け面と滑り軸部との間に保持具の各支持孔と各ボールベ
アリングボールとの間の遊び寸法の半分程度の間隙を設
けたものであるから推力のみを軸に受けるときは、滑り
軸部は滑り軸受部の内周面に殆ど接することなく回転
し、半径方向の外力を受けたときは、軸が片方へ寄せら
れて、滑り軸部は滑り軸受面に支承され、大きな支持力
が得られる。請求項5記載の考案においては、請求項1
乃至請求項6記載の全ての要件を備えた滑り軸受兼推力
軸受ユニットによって、軸の両端にテーパー面及び小径
軸部を備えた回転軸を支持したときと同じ作用を為す。
請求項6記載の考案においては、請求項7記載の考案の
作用の外、この考案のユニットを貫通して外方に突出し
ている部分の回転軸を原動力導入部として利用する。
【0009】
【実施例】図1乃至図5に示すものは、拡大図であり請
求項1乃至4の全ての考案の実施例である。図におい
て、10は軸、11はその単一のテーパ面であり、中心
角αは60°に形成してある。中心角は用途に応じて、
鋭角、又は鈍角の任意の角度に変更する。13はテーパ
面11の細い方の端に一体に延在する小径軸部である。
この軸10は通常鋼又はステンレススチール製であるが
エンジニアプラスチックの場合もある。20a、及び2
0bはそれぞれボールベアリングであり、順次直径が異
なり、それぞれエンジニアリングプラスチックよりなる
保持具21と鋼球よりなるベアリングボール30とによ
って構成してある。各保持具21の形状はそれぞれ全体
として、リング形状であって、内周面22は中心角60
°のテーパ面としてある。この中心角も軸10のテーパ
面11の中心角に従い、同様これに合致した角度とす
る。小径側の端面23は軸線と直角な平坦面に形成して
ある。各ベアリングボール30を支持している支持孔2
4の直径D1は前記ベアリングボール30の直径の直径
D2よりも若干大きく、両者間に遊び寸法(D22−D
1)が形成してあり、各ベアリングボール30の直径が
1.1mmのときその遊び寸法は、100〜50μ(ミ
クロン)程度としてある。つまり鋼球の直径の10%程
度が好ましい(図3参照)。保持具の断面形状は成形で
さえ可能であれば、図示のものには限定されるわけでは
ない。各ボールベアリング20a及び20bにおいて、
各ベアリングボール30は保持具21の外周面25より
も外方に突出しており、また内側においては保持具21
のテーパ内周面22よりも内側に突出した形状となり、
各ベアリングボール30は保持具21の支持孔24に支
持されたとき、その中でそれぞれ自転できるが相隣るベ
アリングボール30とは相互に接触していない。
【0010】各保持具21の材質としては、エンジニア
リングプラスチックであれば特に限定はないがポリアセ
タール、例えばデュポン社製の登録商標デルリン、ポリ
プラスチック株式会社製の登録商標ジュラコン、超高分
子ポリエチレンとしては三井石油化学工業株式会社製の
登録商標ハイゼックス・ミリオン、フッ素系樹脂として
は、ニチアス株式会社製のエクセライド9550Sなど
が好ましい。その他、古くから広く使用されているフェ
ノール樹脂でもよい。要は機械的強度が高く、鋼球を嵌
合するときに、若干弾性変形できるものであり、鋼球と
の対摩擦係数の小さいものであればよい。ベアリングボ
ール30としては鋼球が最もよいがセラミックボールで
あってもよい。大きさは小さいものは、直径1mm、大
きいものは5mm程度ボールベアリング20の直径つま
り、一つのボールベアリング10のベアリングボール列
の直径は小さいもので、5mm大きいもので30mm程
度である。また一つのユニットに使用されるベアリング
ボールの直径は1個のボールベアリング20を単位とし
て異なる直径のものを用いてもよい。40はアウターブ
ロックであり、全体がフッ素系導電性エンジニアリング
プラスチックよりなり、実施例においてはニチアス株式
会社製エクセライド−D(登録商標エクセライド)を用
いた。前記アウターブロック40は全体として筒状のブ
ロックであり、その中心軸線上には孔が貫通し、一端面
側より、前記孔の外側に階段状の座ぐりがしてあり、そ
の各ステップが軸線と直角なリング状の平坦なベアリン
グ支持面41としてあり、各座ぐり部の内周面42は、
図1の実施例においては順次径が大きくしてある。座ぐ
り部は図4、図5に示すように一段でもよい。
【0011】図4に示す実施例においては前記内周面4
2にベアリングボールが転動できる浅い溝43が形成し
てあり、溝43の幅はこの中を転動する各ベアリングボ
ールが若干軸方向に変位できる寸法としてある。アウタ
ーブロック40の前記座ぐり部とは軸方向に隣接した前
記アウターブロックの一部を為す孔の内面は滑り軸受け
面44としてあり、この中を貫通する回転軸10の滑り
軸部12(図1、図4及び図5では小径軸部13の一
部)を支承するものであり、滑り軸部12と滑り軸受け
面44との間には若干の間隙寸法dが設けてあり、この
間隙寸法はアウターブロック40をフレーム50に圧入
し、アウターブロック40の外周面が、熱変化に伴い、
外方に膨張しないとき、内方のみに熱膨張して、滑り軸
受け面44の内径が小さくなる寸法を予め計算して、適
正な間隙寸法を求める。この寸法は実施例において、各
ベアリングボール30が保持具21の支持孔24内で移
動できる遊び寸法(D2ーD1)の凡そ1/2程度とな
り、実施例においては、50μ(ミクロン)程度に設け
てある。アウターブロック40の大径側には、フランジ
47が設けてあり、外周面部46に後述のフレームに回
転不能に嵌合させるための平坦な切欠面48が形成して
ある(図3参照)。支持される軸が竪軸の場合は、軸の
上端を支えるボールベアリング30の保持具21の外周
面に、180°毎乃至120°間隔に半球状の小突起2
6を成形しておき、アウターブロック40内周面にこれ
と掛合する浅い輪溝49を形成し、これらを嵌合させ、
組立時に保持具21がアウターブロック40からみだり
に外れないようにする場合もある(図7参照)。
【0012】前記滑り軸受面44は図1に示すように、
ボールベアリング20を支持する座ぐり部よりも小径側
(図1参照)でも大径側(図2参照)の何れでも、この
考案の実施例に含まれる。アウターブロック40を前述
のフッ素の導電性エンジニアリングプラスチックの外、
焼結成形金属でもよい。またアウターブロック40が
鋼、その他の金属、余り摩擦係数が余り小さくないエン
ジニアリングプラスチック、セラミックの場合において
は、前記内周面42及び滑り軸受面44の内周面に前記
フッ素樹脂系のエンジニアリングプラチスチックのスリ
ーブを嵌合するか、これらの材料よりなるテープの貼付
その他のライニングにより導電性のフッ素樹脂層45を
形成する(請求項1記載の考案の実施例、図5参照)。
前述のエクセライド−Dの物性としては次の通りであ
る。項目測定値密度2.70g/cm3引張強度25
0.kgf/cm3伸び15.%硬度68(D)圧縮強
度80〜170kgf/cm2圧縮弾性率9.8×10
3kgf/cm2熱膨張係数−100〜25℃8.5×
10−5/℃25〜100℃1.2×10−4/℃10
0〜200℃1.2×10−4/℃200〜250℃
1.4×10−4/℃体積電気抵抗率5.0Ω・cm
【0013】次に回転軸10を前記ユニッットで支持
し、請求項5記載の実施例とするには、例えば一本の回
転軸10の両端を支承する一対のユニットはそれぞれ独
立した部分フレーム板50a、50bの支持窪み51に
それぞれ一個づつ独立して支持させる。前記部分フレー
ム板50a、50bは一般的には鋼板、ステンレススチ
ール板よりなるものであり、内側より外側に、前記支持
窪み51がプレス成形加工して形成したものを用い、支
持窪み51の軸線と直角な断面形状及び深さは、前記ア
ウターブロック40の外周面部46の輪郭形状及び深さ
に符合させたものであるる。前記アウターブロック40
にフランジ47があり、アウターブロック40の機械的
強度が充分大きいときは、前記支持窪み51の底は必ず
しも必要としない。前記部分フレーム板50a、50b
はダイキャスト射出成形品であってもよい。而して、両
端にテーパ面11を有し、一端においてはテーパ面11
に連なる小径軸部12を有する回転軸10の両端を前記
部分フレーム板50a、50bに取り付けられているボ
ールベアリング20に挿入し、テーパ面11を各ベアリ
ングボール30に圧接させ、前記一対の部分フレーム板
50aと50bを所定間隔にして固定する。このように
すると、各ベアリングボール30は回転軸10のテーパ
面11とアウターブロック40の座ぐり部分の内周面に
共に転動接触した状態となる。また回転軸10の両端の
滑り軸部12はアウターブロック40の滑り軸受面44
内に挿入された状態となる回転軸10の一端の前記滑り
軸部12は、前記アウターブロック40及び部分フレー
ム50a(又は50b)を貫通してこの部分フレーム5
0aより突出した状態となり、滑り軸部12の伸長した
小径軸部13には通常モータなどと直結されたり、動力
を導入するための歯車などが結合される(請求項5の実
施例、図6参照)。
【0014】実施例の作用図6のように組み立てられた
ものにおいては、回転軸10が推力を受けて回転する場
合は、この両縁のテーパ面11のうち、片方のテーパ面
11によって、これ接する各ベアリングボール30はこ
のテーパ面とアウターブロック40における座ぐり部の
内周面42とに転動接触し、かつ保持具21に対しては
滑り回転しながら回転する。前記回転軸10に加えられ
る推力はテーパ面11によって、ベアリングボール30
を半径方向に押し拡げ、アウターブロック40における
座ぐり部の内周面42にこのベアリングボール30を押
しつけて、他方、軸方向の分力は各ベアリングボール3
0を滑り接触する保持具21を介してアウターブロック
40の支持面41に押しつけて、前記回転軸10は支持
される。前記推力が余り大きくないときには、ベアリン
グボール30及びボールベアリング20は共にその径が
小さいものを用いる。
【0015】また、前記推力が大きいときには、ベアリ
ングボール30及びボールベアリング20は共にその径
が大きいものを用い、或いは図1に示す実施例のように
ボールベアリング20a、20bを2段としたものを使
用する(図1参照)。前記回転軸10とユニットとの間
に半径方向の力が作用すると、この力に応じて各ベアリ
ングボール30は各保持具21の各支持孔24内におい
て、前記遊び寸法(D2ーD1)の範囲内において一方
に偏り、滑り軸部12は滑り軸受面44に接触し、これ
らは滑り接触しながら回転する。前記回転軸10とユニ
ットとの間に軸線が相互に傾斜するような外力が作用し
たときには、各ベアリングボール30はアウターブロッ
ク40における座ぐり部の内周面42に沿って軸方向に
移動しつつ転動し、この外力がなくなると再び元に戻る
自動調心作用をしながら各ベアリングボール30は回転
する。前記回転軸10が、一対挟持型のローラの一方の
回転軸として使用する場合には、半径方向の力及び僅か
に傾斜させるような外力を受けても、これらの力に対応
して、自動調心作用を為す。
【0016】
【考案の効果】前述のように構成し、作用するこの考案
のものは次の効果を奏する。請求項1に記載された考案
においては、この軸受ユニットの構造が簡単であり、こ
れに前記の回転軸を支承したときには推力はこの回転軸
のテーパ面の傾斜によって半径方向の力と軸方向の力に
二分され、この半径方向の力は各ベアリングボールを介
してアウターブロックにおける座ぐり部の内周面で支持
される。また、軸方向の力は各ベアリングボール及び保
持具を介してアウターブロックに支持される。また始動
時においては、各ベアリングボールは回転軸のテーパ面
を支承して、転動接触であるから始動時に必要なトルク
は極めて少なく軽快である。殊に半径方向の力は各ベア
リングボールとの転動接触であるから、各ベアリングボ
ールの回転は軽快となる。前記回転軸とユニットとの間
に半径方向の力が作用したときには、各ベアリングボー
ルの転がり接触部と、アウターブロックの滑り軸受面と
の双方でこの力は支持され、ベアリングボール群のみの
接触よりは大きな支持力が得られる。また回転軸とアウ
ターブロック間は相互に導電性を有するため、使用中に
静電気が帯電しない。前記回転軸とユニットとの間に軸
線が相互に傾斜するような外力が作用したときには、こ
の力に応じて前記各ベアリングボールと各保持具の各支
持孔間の遊び寸法の範囲内で各ベアリングボールは軸方
向に変位して、自動調心の効果を発揮し、この外力がな
くなると再び元に戻る。
【0017】請求項2に記載された考案においては、請
求項1に記載された考案の効果の外に、滑り軸受部がボ
ールベアリング部分より大径側のアウターブロックに設
けてあるから、比較的低速で大きな半径方向の力を受け
るときに適する。請求項3に記載された考案において
は、請求項1に記載された考案の効果の外に、滑り軸受
部の直径が小さいから、滑り周速度が遅く、高速で半径
方向の力が小さい場合に適する。請求項4に記載された
考案においては、ベアリングボールとその支持孔の間に
は遊び寸法が設けてあるため、アウターブロックがフレ
ームに圧入されている場合、運転中の発熱により、保持
具自体が熱膨張したり、前記アウターブロックの内方へ
の熱膨張変形が生じても、前記ベアリングボールを圧迫
して、この保持具内での自転を阻害するおそれは無
く、、かつ、半径方向の力や、不平行となる力が作用し
たときにおいても、前記ベアリングボールは前記遊び寸
法内において軸方向にも移動でき、自動調心、芯合わせ
効果がより顕著である。
【0018】請求項5に記載された考案においては、前
記の請求項4に記載された考案のユニットによって前記
テーパ面と滑り軸部を両端に有する回転軸を支承したと
記と同じ効果を奏する。請求項6に記載された考案にお
いては、推力を受ける側の軸端であっても、ユニットを
回転軸が貫通しているので、この部分にモータを直接、
又は伝動手段を介して結合できる。前記全ての請求項に
記載された考案のものは、機器、VTR、テープレコー
ダその他ファクシミリの紙送り部などの回転軸受け部の
軽量化、小型化、無潤滑化及び低価格化に適する。更に
前記ベアリングボールの径を大きく、あるいは前記ベア
リングボールを多段に使用することによって軽搬送機器
にこの考案のものを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 代表的な実施例を示す拡大縦断側面図であ
る。
【図2】 他の実施例の拡大縦断断面である。
【図3】 アウターブロックの斜視図である。
【図4】 更に他の実施例の拡大半截縦断側面図であ
る。
【図5】 更に別の実施例の拡大半截縦断側面図であ
る。
【図6】 回転軸の両端をユニットで支持した状態の
縦断側面図である。
【図7】 竪軸の上端を支持したユニットの一例を示
す縦断側面図である。
【図8】 従来公知の球受式ピポット軸受ユニットの
縦断側面図である。
【符号の説明】
10回転軸 11テーパ面 12滑り軸部 20a、20bボールベアリング 21保持具 22テーパ内周面 23平坦面 24支持孔 30ベアリングボール 40アウターブロック 41支持面 42内周面 44滑り軸受面 50機枠

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アウターブロックと少なくとも一個の
    ボールベアリングとよりなり、前記アウターブロックは
    フッ素系導電性エンジニアリングプラスチック、焼結無
    給油型軸受用金属のうちの一種であり、かつ軸線方向に
    貫通した孔のある軸線周りに概ね円筒形状であって、一
    端面よりボールベアリング支持用の座ぐり部が形成して
    あり、この座ぐり部の底面は軸線と直角な平面としてあ
    り、前記座ぐり部の近傍の前記アウターブロックの内周
    面は滑り軸受面としてあり、前記ボールベアリングはリ
    ング状のエンジニアリングプラスチックよりなる保持具
    と、これに等間隔に支持された数個のベアリングボール
    とよりなり、各ベアリングボールをそれぞれ一個あて支
    持する前記保持具の支持孔との間には若干の遊び寸法が
    形成してあり、前記ボールベアリングはアウターブロッ
    クの前記座ぐり部に嵌合させてあって、各ベアリングボ
    ールは座ぐり部の内周面に転動接触させてあり、各ベア
    リングボールは前記保持具内周面よりも内側に突出させ
    てあることを特徴とする滑り兼推力軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 前記滑り軸受け部の位置は、前記座ぐ
    り開口側の大径側に設けてあることを特徴とする請求項
    1記載の滑り兼推力軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 前記滑り軸受け部の位置は、前記座ぐ
    り開口側とは反対の小径側に設けてあることを特徴とす
    る請求項1記載の滑り兼推力軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 前記アウターブロックの滑り軸受面の
    内径はこれに支持される回転軸の滑り軸部の外形より、
    前記保持具と各ベアリングボールとの遊び寸法の半分相
    当大きくしてあることを特徴とする請求項1、請求項2
    又は請求項3記載の滑り兼推力軸受ユニット。
  5. 【請求項5】 軸受ユニットと回転軸とよりなり軸受
    ユニットはアウターブロックと少なくとも一個のボール
    ベアリングとよりなり、前記アウターブロックはフッ素
    系導電性エンジニアリングプラスチック、焼結無給油型
    軸受用金属のうちの一種であり、かつ軸線周りに概ね円
    筒形状であって、一端面よりボールベアリング支持用の
    座ぐり部が形成してあり、この座ぐり部の底面は軸線と
    直角な平面としてあり、前記座ぐり部の近傍のアウター
    ブロックの内周面は滑り軸受面としてあり、前記ボール
    ベアリングはリング状のエンジニアリングプラスチック
    よりなる保持具と、これに等間隔に支持された数個のベ
    アリングボールとよりなり、各ベアリングボールをそれ
    ぞれ一個あて支持する前記保持具の支持孔との間には若
    干の遊び寸法が形成してあり、前記ボールベアリングは
    アウターブロックの前記座ぐり部に嵌合させてあって、
    各ベアリングボールは座ぐり部の内周面に転動接触させ
    てあり、各ベアリングボールは前記保持具内周面よりも
    内側に突出させて形成してあり、このユニットにより両
    端が支承されている前記回転軸はその両軸端部分で前記
    ユニット中の複数個のベアリングボールと転動接触して
    いるテーパ面とこの近傍に、このユニットと滑り軸受部
    を貫通して、滑り軸部が形成してあり、滑り軸受部と滑
    り軸部の間隙は、前記遊び寸法より若干狭い間隙が形成
    してあることを特徴とする滑り兼推力軸受構造。
  6. 【請求項6】 前記回転軸の一端は前記ユニットと貫
    通した動力源導入部が形成してあることを特徴とする請
    求項5記載の滑り兼推力軸受構造。
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