JPH0554585B2 - - Google Patents
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- JPH0554585B2 JPH0554585B2 JP14346685A JP14346685A JPH0554585B2 JP H0554585 B2 JPH0554585 B2 JP H0554585B2 JP 14346685 A JP14346685 A JP 14346685A JP 14346685 A JP14346685 A JP 14346685A JP H0554585 B2 JPH0554585 B2 JP H0554585B2
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Landscapes
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Description
本発明は、車両用のベルト式無段変速機におい
て、変速速度を制御対象として電子的に変速制御
する制御装置に関し、詳しくは、アクセル開放時
の補正に関する。
て、変速速度を制御対象として電子的に変速制御
する制御装置に関し、詳しくは、アクセル開放時
の補正に関する。
この種の無段変速機の変速制御に関しては、例
えば特開昭55−65755号公報に示す基本的なもの
があり、アクセル開度とエンジン回転数の信号の
バランスにより、変速比を制御対象として機械的
に変速制御することが示されている。ところでこ
の変速制御方式では、変速速度、即ち変速比の変
化速度が各変速比やプライマリ圧等により機構上
決定され、変速速度を直接制御できないため、過
渡時の応答性に限界があり、収束の際にオーバシ
ユートやハンチングを生じ易い。そこで近年、
種々の情報、要件を電気的に処理し、変速速度を
制御対象として無段変速機を電子的に変速制御す
ることが提案されている。 従来、上記無段変速機の変速速度制御に関して
は、例えば特開昭59−159456号公報の先行技術が
あり、変速制御として変速比変化方向切換弁装置
と変速比変速度制御弁装置を有する。そして変化
方向切換弁装置を給油または排油の一方に切換え
た状態で、変化速度制御弁装置において電磁弁に
よりスプール弁を所定のデユーテイ比で動作し
て、変速比の変化速度を制御することが示されて
いる。 また変速速度制御に関しては、例えば特開昭59
−217048号公報があり、目標速度比e′に対する実
際の速度比eの偏差により変速制御するフイード
バツク系において、目標速度比e′をΔeだけ増減
するように構成されている。
えば特開昭55−65755号公報に示す基本的なもの
があり、アクセル開度とエンジン回転数の信号の
バランスにより、変速比を制御対象として機械的
に変速制御することが示されている。ところでこ
の変速制御方式では、変速速度、即ち変速比の変
化速度が各変速比やプライマリ圧等により機構上
決定され、変速速度を直接制御できないため、過
渡時の応答性に限界があり、収束の際にオーバシ
ユートやハンチングを生じ易い。そこで近年、
種々の情報、要件を電気的に処理し、変速速度を
制御対象として無段変速機を電子的に変速制御す
ることが提案されている。 従来、上記無段変速機の変速速度制御に関して
は、例えば特開昭59−159456号公報の先行技術が
あり、変速制御として変速比変化方向切換弁装置
と変速比変速度制御弁装置を有する。そして変化
方向切換弁装置を給油または排油の一方に切換え
た状態で、変化速度制御弁装置において電磁弁に
よりスプール弁を所定のデユーテイ比で動作し
て、変速比の変化速度を制御することが示されて
いる。 また変速速度制御に関しては、例えば特開昭59
−217048号公報があり、目標速度比e′に対する実
際の速度比eの偏差により変速制御するフイード
バツク系において、目標速度比e′をΔeだけ増減
するように構成されている。
ところで上記先行技術の前者によれば、変速制
御に2種類の弁装置を用いるので、必然的に構造
が複雑になる。また先行技術の後者によれば、所
定の変更量Δeを増減する方法であるから、変更
量Δeを大きく定めると応答性は良いがオーバシ
ユート等を生じ、逆に変更量Δeを小さく定める
と応答性が悪くなる。また変更量Δeが一義的に
設定されるので、特に過渡状態に適正に対処でき
ない等の問題がある。 ここで走行中にアクセルの踏込みを解いて、コ
ーステイングまたはエンジンブレーキの状態へ移
行することがある。このアクセル開放の過渡時に
は、無段変速機で高速段側へシフトアツプするよ
うに変速制御される。このとき変速速度が大きい
と、速い変速スピードでシフトアツプして、アク
セル開放するにもかかわらず逆に加速することに
なるため、このような不具合を確実に防ぐ必要が
ある。 本発明は、このような点に鑑み、開ループの簡
単な制御により変速速度を制御対象にして電子的
に変速制御し、且つアクセル開放時の加速等を防
ぐことができる無段変速機の制御装置を提供する
ことを目的とする。
御に2種類の弁装置を用いるので、必然的に構造
が複雑になる。また先行技術の後者によれば、所
定の変更量Δeを増減する方法であるから、変更
量Δeを大きく定めると応答性は良いがオーバシ
ユート等を生じ、逆に変更量Δeを小さく定める
と応答性が悪くなる。また変更量Δeが一義的に
設定されるので、特に過渡状態に適正に対処でき
ない等の問題がある。 ここで走行中にアクセルの踏込みを解いて、コ
ーステイングまたはエンジンブレーキの状態へ移
行することがある。このアクセル開放の過渡時に
は、無段変速機で高速段側へシフトアツプするよ
うに変速制御される。このとき変速速度が大きい
と、速い変速スピードでシフトアツプして、アク
セル開放するにもかかわらず逆に加速することに
なるため、このような不具合を確実に防ぐ必要が
ある。 本発明は、このような点に鑑み、開ループの簡
単な制御により変速速度を制御対象にして電子的
に変速制御し、且つアクセル開放時の加速等を防
ぐことができる無段変速機の制御装置を提供する
ことを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、変速速度制
御弁23が給油位置と排油位置に切換え動作する
制御ポート23a,23bとスプリング23cと
を有し、ライン圧油路21から流量制限手段32
aを介して分岐する油路26がソレノイド弁28
に連通して制御ユニツト40の電気信号に応じた
信号油圧を生成し、この信号油圧を油路34によ
り変速速度制御弁23の制御ポート23aに導入
して変速及び変速速度を制御するように構成す
る。 また制御ユニツト40はプライマリプーリ回転
数とセカンダリプーリ回転数により実変速比を算
出する手段45と、スロツトル開度とセカンダリ
プーリ回転数により目標変速比を定める手段46
と、目標変速比と実変速比の偏差により目標とす
る変速速度を算出する手段48と、変速速度とア
クセル開放の信号によりアクセル開放のシフトア
ツプを判断すると変速速度を減少補正する手段5
7と、補正した変速速度と実変速比の関係で操作
量を定めてこの操作量の電気信号を出力する手段
49とを備えることを特徴とする。
御弁23が給油位置と排油位置に切換え動作する
制御ポート23a,23bとスプリング23cと
を有し、ライン圧油路21から流量制限手段32
aを介して分岐する油路26がソレノイド弁28
に連通して制御ユニツト40の電気信号に応じた
信号油圧を生成し、この信号油圧を油路34によ
り変速速度制御弁23の制御ポート23aに導入
して変速及び変速速度を制御するように構成す
る。 また制御ユニツト40はプライマリプーリ回転
数とセカンダリプーリ回転数により実変速比を算
出する手段45と、スロツトル開度とセカンダリ
プーリ回転数により目標変速比を定める手段46
と、目標変速比と実変速比の偏差により目標とす
る変速速度を算出する手段48と、変速速度とア
クセル開放の信号によりアクセル開放のシフトア
ツプを判断すると変速速度を減少補正する手段5
7と、補正した変速速度と実変速比の関係で操作
量を定めてこの操作量の電気信号を出力する手段
49とを備えることを特徴とする。
上記構成による本発明では、無段変速機が基本
的には、制御ユニツト40の電気信号によりソレ
ノイド弁28で信号油圧に変換され、この信号油
圧が変速速度制御弁23の制御ポート23aに導
入して給油と排油の2位置に繰返し動作する。そ
して電気信号の操作量により変速スピードを変化
しながらプライマリ圧が増減して電子的に変速制
御される。 制御ユニツト40では、運転、走行状態に応じ
て目標変速比が設定され、この目標変速比と実変
速比の偏差及び係数により目標とする変速速度が
算出され、変速速度の正負によりシフトアツプま
たはシフトダウンが判別される。そしてシフトア
ツプとシフトダウンでそれぞれ目標とする変速速
度と実変速比により操作量が設定され、この操作
量の電気信号が出力して開ループ制御される。 そこで電気信号の操作量によりシフトダウンま
たはシフトアツプし、このとき目標変速比に対し
て実変速比が、両者の偏差の変速速度に応じた傾
きで変速スピードを変化しながら迅速に追従し、
且つ滑らかに収束される。こうして変速全域で変
速速度を制御対象として応答良く無段階に変速制
御される。 また走行中のアクセル開放時にシフトアツプを
判断すると、目標とする変速速度を減少補正する
ことで、車速の低下に伴い遅い変速スピードで
徐々にシフトアツプするように変速制御して、加
速することが防止される。
的には、制御ユニツト40の電気信号によりソレ
ノイド弁28で信号油圧に変換され、この信号油
圧が変速速度制御弁23の制御ポート23aに導
入して給油と排油の2位置に繰返し動作する。そ
して電気信号の操作量により変速スピードを変化
しながらプライマリ圧が増減して電子的に変速制
御される。 制御ユニツト40では、運転、走行状態に応じ
て目標変速比が設定され、この目標変速比と実変
速比の偏差及び係数により目標とする変速速度が
算出され、変速速度の正負によりシフトアツプま
たはシフトダウンが判別される。そしてシフトア
ツプとシフトダウンでそれぞれ目標とする変速速
度と実変速比により操作量が設定され、この操作
量の電気信号が出力して開ループ制御される。 そこで電気信号の操作量によりシフトダウンま
たはシフトアツプし、このとき目標変速比に対し
て実変速比が、両者の偏差の変速速度に応じた傾
きで変速スピードを変化しながら迅速に追従し、
且つ滑らかに収束される。こうして変速全域で変
速速度を制御対象として応答良く無段階に変速制
御される。 また走行中のアクセル開放時にシフトアツプを
判断すると、目標とする変速速度を減少補正する
ことで、車速の低下に伴い遅い変速スピードで
徐々にシフトアツプするように変速制御して、加
速することが防止される。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 第1図において、本発明が適用される無段変速
機と、油圧制御系の概略について説明する。先
ず、駆動系について説明すると、エンジン1がク
ラツチ2,前後進切換装置3を介して無段変速機
4の主軸5に連結される。 無段変速機4は、主軸5に対して副軸6が平行
配置され、主軸5にプライマリプーリ7が設けら
れ、副軸6にセカンダリプーリ8が設けられ、両
プーリ7,8に駆動ベルト11が巻付けられる。
両プーリ7,8は、固定側と油圧シリンダ9,1
0を備えて軸方向移動可能に設けられる可動側と
によりプーリ間隔可変に構成され、セカンダリシ
リンダ10に対してプライマリシリンダ9の方が
受圧面積が大きく形成される。そしてセカンダリ
シリンダ10のライン圧により適正にベルトクラ
ンプし、プライマリシリンダ9のプライマリ圧に
より駆動ベルト11のプーリ7,8に対する巻付
け径の比を変えて無段変速するように構成され
る。 また副軸6は、1組のリダクシヨンギヤ12を
介して出力軸13に連結される。そして出力軸1
3がフアイナルギヤ14、デイフアレンシヤルギ
ヤ15を介して駆動輪16に伝動構成されてい
る。 次に、無段変速機4の油圧制御系について説明
する。先ず、エンジン1により駆動されるオイル
ポンプ20を有し、オイルポンプ20の吐出側の
ライン圧油路21が、セカンダリシリンダ10、
ライン圧制御弁22及び変速速度制御弁23に連
通され、変速速度制御弁23が油路24を介して
プライマリシリンダ9に連通される。 ライン圧油路21は更に流量制限するオリフイ
ス32aを介し油路26に連通して、ライン圧の
一部が取出される。油路26はレギユレータ弁2
5を有して一定なレギユレータ圧PRが発生され、
このレギユレータ圧PRの油路26がオリフイス
32bを介してライン圧制御用ソレノイド弁27
に連通される。また油路26はオリフイス32c
を有する油路35に連通され、オリフイス32d
を介して変速速度制御用ソレノイド弁28に連通
される。 ソレノイド弁27は、制御ユニツト40からの
デユーテイ信号のオンの場合に排油する構成であ
り、このソレノイド弁27により生じたパルス状
のデユーテイ圧Pdをアキユムレータ30により
平滑化して油路33によりライン圧制御弁22に
供給する。ソレノイド弁28も同様の構成であ
り、このソレノイド弁28により生じたパルス状
のデユーテイ圧Pdを油路34によりそのまま変
速速度制御弁23に供給する。 ライン圧制御弁22は、初期設定するスプリン
グと油路33のデユーテイ圧Pdの関数によりラ
イン圧PLを制御するように構成される。 変速速度制御弁23は、一方の制御ポート23
bに油路35の一定なレギユレータ圧PRが作用
し、他方の制御ポート23aにスプリング23c
が付勢され、且つ油路34のデユーテイ圧Pdが
作用する。そしてデユーテイ圧Pdのオン、オフ
によりライン圧油路21を油路24に接続する給
油位置と、油路24をドレン油路29に接続する
排油位置とに繰返して切換え動作するように構成
される。そして例えばデユーテイ比を増大してデ
ユーテイ圧Pdの零時間を長くすると、給油量>
排油量の関係になつてシフトアツプする。逆にデ
ユーテイ比を減少してデユーテイ圧Pdの一定圧
時間を長くすると、給油量<排油量の関係になつ
てシフトダウンするように設定される。 ここで変速速度制御の制御原理について説明す
る。 先ず、プライマリシリンダ9の必要油量Vは、
変速比iとの関係で機械的に構成上決まるもの
で、 V=fl(i) となり、流量Qは油量Vを時間で微分したもので
あるから、 Q=dv/dt={df1(i)/di}・(di/dt) となり、流量Qと変速速度di/dtは、変速比iを
パラメータとして対応している。従つて、次式に
なる。 di/dt=f2(Q,i) またプライマリ圧Pp、ライン圧PL、流量係数
c、動力加速度g、油比重量γ、弁の給油ポート
開口面積Si、排油ポート開口面積SDとすると、
給油流量Qi、排油流量QDは、 QD=c・SD[(2g Pp)/γ]1/2 =a・SD(Pp)1/2 Qi=a・Si(PL−Pp)1/2 [a=c(2g/γ)1/2] で表わせる。 そこでデユーテイ比をDとすると、デユーテイ
作動信号1サイクルの平均流量Q(給油を正とす
る)は、 Q=a{D・Si(PL−Pp)1/2−(1−D) ×SD(Pp)1/2} となり、a,Si,SDを定数とすると、次式にな
る。 Q=f3(D,PL,Pp) ここでライン圧PLは変速比i、エンジントル
クTにより制御される。プライマリ圧Ppは変速
比iとライン圧PLで決まるものであるから、T
を一定と仮定すると、 Q=f4(D,i) となり、次式が成立する。 di/dt=f5(D,i) このため、Dについて解くと、 D=f6(di/dt,i) となる。以上により変速速度di/dtは、デユーテ
イ比Dと対応することがわかる。そしてデユーテ
イ比Dは、変速速度di/dtと変速比iで決まるこ
とになる。 一方、変速速度di/dtは、定常での目標変速比
isと実際の変速比iとの偏差に基づくものである
から、次式が成立する。 di/dt=k(is−i) 以上により目標変速比isと実際の変速比iとの
偏差により変速速度di/dtが算出され、この変速
速度di/dtに応じたデユーテイ比Dが設定され
る。またシフトアツプの場合は、is<iで変速速
度di/dtの値が負になり、シフトダウンの場合
は、is>iで変速速度di/dtの値が正になる。 従つて、変速速度di/dtが負の場合は、デユー
テイ比Dを大きくし、デユーテイ比Dの大きい方
向でdi/dtに応じた値を設定する。変速速度di/
dtが正の場合は、逆にデユーテイ比Dを小さく
し、デユーテイ比Dの小さい方向でdi/dtに応じ
た値を設定する。これにより電気信号のデユーテ
イ比Dの値によりシフトアツプまたはシフトダウ
ンし、且つdi/dtに応じて変速速度を制御するこ
とが可能となる。 また(is−i)はエンジントルクの変化ΔTeに
対応するもので、係数kはドライバの加速意志を
表わす。従つて、係数kをエンジン負荷の変化に
より可変にすることで、加速時の変速速度di/dt
が適切に算出される。更に、定常、加速時以外の
過渡状態や種々の運転状態では、定常時をベース
とする変速速度を補正することで、対処すること
が可能となる。 そこで第2図の電気制御系では、上述の原理に
基づいて構成されており、以下に説明する。 先ず、プライマリプーリ回転数Npを検出する
プライマリプーリ回転数センサ41、セカンダリ
プーリ回転数Nsを検出するセカンダリプーリ回
転数センサ42、エンジン回転数Neを検出する
エンジン回転数センサ43及びスロツトル開度θ
を検出するスロツトル開度センサ44を有する。
これらセンサ信号は制御ユニツト40に入力す
る。 制御ユニツト40において、変速速度制御系に
ついて説明する。プライマリプーリ回転数Npと
セカンダリプーリ回転数Nsが入力する実変速比
算出手段45を有し、実変速比iを、i=Np/
Nsにより算出する。またセカンダリプーリ回転
数Nsとスロツトル開度θは目標変速比検索手段
46に入力し、第3図aの変速パターンに基づく
同図bのNs−θのテーブルにより目標変速比is
を検索する。 一方、スロツトル開度θは加速検出手段51に
入力して、dθ/dtによりスロツトル開度変化を算
出する。このスロツトル開度変化dθ/dtは係数設
定手段47に入力し、係数kをスロツトル開度変
化dθ/dtの増大関数として設定する。 そして実変速比i、定常での目標変速比is及び
係数kは、変速速度算出手段48に入力して、目
標とする変速速度di/dtを、 di/dt=k(is−i) により算出する。また変速速度di/dtの符号が正
の場合はシフトダウン、負の場合はシフトアツプ
に定める。 アクセル開放時の補正として、アクセル開放を
検出するアイドルスイツチ55の信号がエンジン
ブレーキ検出手段56に入力し、走行中にアクセ
ル開放した場合にエンジンブレーキを判断する。
また変速速度算出手段48の出力側には変速速度
補正手段57が付設され、エンジンブレーキ信号
が入力した場合の変速速度di/dtを見る。そして
di/dtが負の値でシフトアツプする場合は、目標
とする変速速度di/dtを数パーセント減少補正す
る。 目標とする変速速度di/dtと実変速比iは更に
デユーテイ比検索手段49に入力して、第3図c
のdi/dt−iのテーブルから操作量としてのデユ
ーテイ比Dを検索する。 テーブルにおいて、変速速度di/dtが正の場合
は、di/dtが大きいほどデユーテイ比Dの値が小
さく設定され、変速速度di/dtが負の場合は、
di/dtの絶対値が大きいほどデユーテイ比Dの値
が大きく設定される。またdi/dtが負の場合は、
実変速比iが大きいほどデユーテイ比Dの値が小
さく設定され、di/dtが正の場合は、実変速比i
が大きいほどデユーテイ比Dの値が大きく設定さ
れている。こうしてdi/dt、i及びDの三次元テ
ーブルによりデユーテイ比Dが検索される。 そしてデユーテイ比検索手段49で検索したデ
ユーテイ比Dの電気信号が、駆動手段50を介し
てソレノイド弁28に出力する。 続いて、ライン圧制御系について説明する。先
ず、エンジン回転数Ne、スロツトル開度θ及び
実変速比iが目標ライン圧算出手段52に入力
し、エンジン回転数Neとスロツトル開度θによ
るエンジントルクTと実変速比iにより目標ライ
ン圧PLtを算出する。目標ライン圧PLtはデユー
テイ比設定手段53に入力し、目標ライン圧PLt
が大きいほどデユーテイ比Dの大きい値に設定す
る。そしてデユーテイ比Dの電気信号が駆動手段
54を介してソレノイド弁27に出力する。 次に、この実施例の作用について説明する。 先ず、エンジン1の運転によりオイルポンプ2
1が駆動し、油路21のライン圧PLはセカンダ
リシリンダ10にのみ供給されて、変速比最大の
低速段になる。このときライン圧PLのオイルが
オリフイス32aにより流量制限して油路26に
取出され、レギユレータ弁25により調圧してレ
ギユレータ圧PRを生じ、このレギユレータ圧PR
がソレノイド弁27,28等に導かれて、電子的
にライン圧及び変速制御することが可能になる。 またプライマリプーリ回転数Np,セカンダリ
プーリ回転数Ns,スロツトル開度θ及びエンジ
ン回転数Neの信号が制御ユニツト40に入力す
る。そしてライン圧制御系では、プライマリプー
リ回転数Npとセカンダリプーリ回転数Nsにより
算出される実変速比i,エンジン回転数Neとス
ロツトル開度θによるエンジントルクTにより目
標ライン圧PLtが算出され、この目標ライン圧
PLtに応じたデユーテイ比Dが設定される。 そこで発進や加速時にエンジントルクTが大き
くなると、目標ライン圧PLtが大きく算出され、
大きいデユーテイ比Dの信号がソレノイド弁27
に出力する。このためソレノイド弁27の排油量
が多くなつて低いデユーテイ圧Pdに変換され、
このデユーテイ圧Pdがライン圧制御弁22に導
入して、ライン圧PLは高く制御される。 更に、車速の上昇により変速制御が開始して実
変速比iが小さくなり、エンジントルクTも小さ
くなると、デユーテイ比Dが小さくなる。このた
めソレノイド弁27では排油量の減少でデユーテ
イ圧Pdが高くなり、ライン圧制御弁22におい
てライン圧PLは順次低く制御される。 こうしてライン圧PLは、実変速比iが小さい
ほど低く、エンジントルクTが大きいほど高く連
続的に電子制御される。このライン圧PLが常に
セカンダリシリンダ10に導入して作用すること
により、常にベルトスリツプを生じない必要最小
限のプーリ押付け力が付与される。 一方、変速速度制御系では、スロツトル開度θ
とセカンダリプーリ回転数Nsにより目標変速比
isが設定される。そして目標変速比isと実変速比
iの偏差と係数kにより目標とする変速速度di/
dtが算出され、目標とする変速速度di/dtと実変
速比iとの関係でデユーテイ比Dが設定される。
デユーテイ比Dの電気信号はソレノイド弁28に
出力してデユーテイ圧Pdに変換され、このデユ
ーテイ圧Pdが変速速度制御弁23の制御ポート
23aに導入して、デユーテイ圧Pdのオン、オ
フにより給油と排油の2位置に繰返し動作する。 ここで車速の低下やアクセス踏込みによりis>
iになると、デユーテイ比Dが小さい方向に設定
される。このため変速速度制御弁23は排油位置
での動作時間の方が長くなり、プライマリシリン
ダ9は給油以上に排油され、プライマリ圧Ppが
低下してシフトダウンする。 このとき目標変速比isと実変速比iの偏差によ
り算出される変速速度di/dtに応じたデユーテイ
比Dが順次設定され、デユーテイ比Dにより排油
量が可変される。このため大きい値に設定される
目標変速比isに対して小さい実変速比iが、変速
速度di/dtに応じた傾きで追従する。即ち、初期
の偏差が大きい場合は大きい傾きの速い変速スピ
ードで実変速比iが迅速に追従し、偏差が順次小
さくなるほど傾きが小さくなり、変速スピードが
遅くなつてオーバシユートを生じないように滑ら
かに収束する。 逆に車速の上昇やアクセル開放によりis<iに
なると、デユーテイ比Dが大きい方向に設定され
る。このため変速速度制御弁23は給油位置での
動作時間の方が長くなり、プライマリシリンダ9
は排油以上に給油され、プライマリ圧Ppが増大
してシフトアツプする。この場合は小さい値に設
定される目標変速比isに対して大きい実変速比i
が、上述と同様に変速スピードを変化して迅速に
追従し滑らかに収束する。 またシフトアツプとシフトダウンのいずれも、
実変速比iに応じたデユーテイ比Dにより高速段
ほど多く給排油して、常にプライマリシリンダ9
が実変速比iに見合つた油量になる。 こうして運転、走行状態に応じて目標とする変
速速度di/dtが算出され、この変速速度di/dtと
実変速比iによるデユーテイ比Dの電気信号が出
力して開ループ制御される。そしてデユーテイ信
号により変速速度di/dtを制御対象として可変し
ながら変速全域でシフトアツプまたはシフトダウ
ンして電子的に変速制御される。 一方、アクセル踏込みの加速時には、スロツト
ル開度変化dθ/dtにより加速状態が検出され、ス
ロツトル開度変化dθ/dtに応じて係数kが設定さ
れる。そこで急加速時には、係数kが大きい値に
なつて変速速度di/dtの値も正の大きい値にな
る。そこで上述のシフトダウンで、目標変速比is
に実変速比iが追従する際の変速スピードが一層
速くなり、迅速にシフトダウンする。 また走行中にアクセルの踏込みを解くと、プラ
イマリプーリ回転数Npが低下し、且つアイドル
スイツチ55がONしてエンジンブレーキ信号が
出力する。このとき第3図aの変速パターンで最
小変速比(OD)に変速されていると、この最小
変速比(OD)に沿つて車速低下するだけである
から補正されない。 ところで変速途中の場合は、プライマリプーリ
回転数Npの低下により目標変速比isが小さく設
定され、目標とする変速速度di/dtが負の値にな
つてシフトアツプされる。このとき変速速度補正
手段57で目標とする変速速度di/dtが減少補正
されるため、変速スピードが遅くなる。そこで第
3図aの破線のように、車速の低下に伴い高速段
側に緩やかにシフトアツプするように変速制御さ
れる。このためシフトアツプの過程でエンジンブ
レーキが効いて、加速することが防止される。 以上、本発明の一実施例について説明したが、
エンジンブレーキの検出は吸入管負圧で行つても
良く、エンジンブレーキの状態により補正を可変
にすることもできる。また実施例の作用をマイコ
ンでシフト的にも処理し得るのは勿論である。
る。 第1図において、本発明が適用される無段変速
機と、油圧制御系の概略について説明する。先
ず、駆動系について説明すると、エンジン1がク
ラツチ2,前後進切換装置3を介して無段変速機
4の主軸5に連結される。 無段変速機4は、主軸5に対して副軸6が平行
配置され、主軸5にプライマリプーリ7が設けら
れ、副軸6にセカンダリプーリ8が設けられ、両
プーリ7,8に駆動ベルト11が巻付けられる。
両プーリ7,8は、固定側と油圧シリンダ9,1
0を備えて軸方向移動可能に設けられる可動側と
によりプーリ間隔可変に構成され、セカンダリシ
リンダ10に対してプライマリシリンダ9の方が
受圧面積が大きく形成される。そしてセカンダリ
シリンダ10のライン圧により適正にベルトクラ
ンプし、プライマリシリンダ9のプライマリ圧に
より駆動ベルト11のプーリ7,8に対する巻付
け径の比を変えて無段変速するように構成され
る。 また副軸6は、1組のリダクシヨンギヤ12を
介して出力軸13に連結される。そして出力軸1
3がフアイナルギヤ14、デイフアレンシヤルギ
ヤ15を介して駆動輪16に伝動構成されてい
る。 次に、無段変速機4の油圧制御系について説明
する。先ず、エンジン1により駆動されるオイル
ポンプ20を有し、オイルポンプ20の吐出側の
ライン圧油路21が、セカンダリシリンダ10、
ライン圧制御弁22及び変速速度制御弁23に連
通され、変速速度制御弁23が油路24を介して
プライマリシリンダ9に連通される。 ライン圧油路21は更に流量制限するオリフイ
ス32aを介し油路26に連通して、ライン圧の
一部が取出される。油路26はレギユレータ弁2
5を有して一定なレギユレータ圧PRが発生され、
このレギユレータ圧PRの油路26がオリフイス
32bを介してライン圧制御用ソレノイド弁27
に連通される。また油路26はオリフイス32c
を有する油路35に連通され、オリフイス32d
を介して変速速度制御用ソレノイド弁28に連通
される。 ソレノイド弁27は、制御ユニツト40からの
デユーテイ信号のオンの場合に排油する構成であ
り、このソレノイド弁27により生じたパルス状
のデユーテイ圧Pdをアキユムレータ30により
平滑化して油路33によりライン圧制御弁22に
供給する。ソレノイド弁28も同様の構成であ
り、このソレノイド弁28により生じたパルス状
のデユーテイ圧Pdを油路34によりそのまま変
速速度制御弁23に供給する。 ライン圧制御弁22は、初期設定するスプリン
グと油路33のデユーテイ圧Pdの関数によりラ
イン圧PLを制御するように構成される。 変速速度制御弁23は、一方の制御ポート23
bに油路35の一定なレギユレータ圧PRが作用
し、他方の制御ポート23aにスプリング23c
が付勢され、且つ油路34のデユーテイ圧Pdが
作用する。そしてデユーテイ圧Pdのオン、オフ
によりライン圧油路21を油路24に接続する給
油位置と、油路24をドレン油路29に接続する
排油位置とに繰返して切換え動作するように構成
される。そして例えばデユーテイ比を増大してデ
ユーテイ圧Pdの零時間を長くすると、給油量>
排油量の関係になつてシフトアツプする。逆にデ
ユーテイ比を減少してデユーテイ圧Pdの一定圧
時間を長くすると、給油量<排油量の関係になつ
てシフトダウンするように設定される。 ここで変速速度制御の制御原理について説明す
る。 先ず、プライマリシリンダ9の必要油量Vは、
変速比iとの関係で機械的に構成上決まるもの
で、 V=fl(i) となり、流量Qは油量Vを時間で微分したもので
あるから、 Q=dv/dt={df1(i)/di}・(di/dt) となり、流量Qと変速速度di/dtは、変速比iを
パラメータとして対応している。従つて、次式に
なる。 di/dt=f2(Q,i) またプライマリ圧Pp、ライン圧PL、流量係数
c、動力加速度g、油比重量γ、弁の給油ポート
開口面積Si、排油ポート開口面積SDとすると、
給油流量Qi、排油流量QDは、 QD=c・SD[(2g Pp)/γ]1/2 =a・SD(Pp)1/2 Qi=a・Si(PL−Pp)1/2 [a=c(2g/γ)1/2] で表わせる。 そこでデユーテイ比をDとすると、デユーテイ
作動信号1サイクルの平均流量Q(給油を正とす
る)は、 Q=a{D・Si(PL−Pp)1/2−(1−D) ×SD(Pp)1/2} となり、a,Si,SDを定数とすると、次式にな
る。 Q=f3(D,PL,Pp) ここでライン圧PLは変速比i、エンジントル
クTにより制御される。プライマリ圧Ppは変速
比iとライン圧PLで決まるものであるから、T
を一定と仮定すると、 Q=f4(D,i) となり、次式が成立する。 di/dt=f5(D,i) このため、Dについて解くと、 D=f6(di/dt,i) となる。以上により変速速度di/dtは、デユーテ
イ比Dと対応することがわかる。そしてデユーテ
イ比Dは、変速速度di/dtと変速比iで決まるこ
とになる。 一方、変速速度di/dtは、定常での目標変速比
isと実際の変速比iとの偏差に基づくものである
から、次式が成立する。 di/dt=k(is−i) 以上により目標変速比isと実際の変速比iとの
偏差により変速速度di/dtが算出され、この変速
速度di/dtに応じたデユーテイ比Dが設定され
る。またシフトアツプの場合は、is<iで変速速
度di/dtの値が負になり、シフトダウンの場合
は、is>iで変速速度di/dtの値が正になる。 従つて、変速速度di/dtが負の場合は、デユー
テイ比Dを大きくし、デユーテイ比Dの大きい方
向でdi/dtに応じた値を設定する。変速速度di/
dtが正の場合は、逆にデユーテイ比Dを小さく
し、デユーテイ比Dの小さい方向でdi/dtに応じ
た値を設定する。これにより電気信号のデユーテ
イ比Dの値によりシフトアツプまたはシフトダウ
ンし、且つdi/dtに応じて変速速度を制御するこ
とが可能となる。 また(is−i)はエンジントルクの変化ΔTeに
対応するもので、係数kはドライバの加速意志を
表わす。従つて、係数kをエンジン負荷の変化に
より可変にすることで、加速時の変速速度di/dt
が適切に算出される。更に、定常、加速時以外の
過渡状態や種々の運転状態では、定常時をベース
とする変速速度を補正することで、対処すること
が可能となる。 そこで第2図の電気制御系では、上述の原理に
基づいて構成されており、以下に説明する。 先ず、プライマリプーリ回転数Npを検出する
プライマリプーリ回転数センサ41、セカンダリ
プーリ回転数Nsを検出するセカンダリプーリ回
転数センサ42、エンジン回転数Neを検出する
エンジン回転数センサ43及びスロツトル開度θ
を検出するスロツトル開度センサ44を有する。
これらセンサ信号は制御ユニツト40に入力す
る。 制御ユニツト40において、変速速度制御系に
ついて説明する。プライマリプーリ回転数Npと
セカンダリプーリ回転数Nsが入力する実変速比
算出手段45を有し、実変速比iを、i=Np/
Nsにより算出する。またセカンダリプーリ回転
数Nsとスロツトル開度θは目標変速比検索手段
46に入力し、第3図aの変速パターンに基づく
同図bのNs−θのテーブルにより目標変速比is
を検索する。 一方、スロツトル開度θは加速検出手段51に
入力して、dθ/dtによりスロツトル開度変化を算
出する。このスロツトル開度変化dθ/dtは係数設
定手段47に入力し、係数kをスロツトル開度変
化dθ/dtの増大関数として設定する。 そして実変速比i、定常での目標変速比is及び
係数kは、変速速度算出手段48に入力して、目
標とする変速速度di/dtを、 di/dt=k(is−i) により算出する。また変速速度di/dtの符号が正
の場合はシフトダウン、負の場合はシフトアツプ
に定める。 アクセル開放時の補正として、アクセル開放を
検出するアイドルスイツチ55の信号がエンジン
ブレーキ検出手段56に入力し、走行中にアクセ
ル開放した場合にエンジンブレーキを判断する。
また変速速度算出手段48の出力側には変速速度
補正手段57が付設され、エンジンブレーキ信号
が入力した場合の変速速度di/dtを見る。そして
di/dtが負の値でシフトアツプする場合は、目標
とする変速速度di/dtを数パーセント減少補正す
る。 目標とする変速速度di/dtと実変速比iは更に
デユーテイ比検索手段49に入力して、第3図c
のdi/dt−iのテーブルから操作量としてのデユ
ーテイ比Dを検索する。 テーブルにおいて、変速速度di/dtが正の場合
は、di/dtが大きいほどデユーテイ比Dの値が小
さく設定され、変速速度di/dtが負の場合は、
di/dtの絶対値が大きいほどデユーテイ比Dの値
が大きく設定される。またdi/dtが負の場合は、
実変速比iが大きいほどデユーテイ比Dの値が小
さく設定され、di/dtが正の場合は、実変速比i
が大きいほどデユーテイ比Dの値が大きく設定さ
れている。こうしてdi/dt、i及びDの三次元テ
ーブルによりデユーテイ比Dが検索される。 そしてデユーテイ比検索手段49で検索したデ
ユーテイ比Dの電気信号が、駆動手段50を介し
てソレノイド弁28に出力する。 続いて、ライン圧制御系について説明する。先
ず、エンジン回転数Ne、スロツトル開度θ及び
実変速比iが目標ライン圧算出手段52に入力
し、エンジン回転数Neとスロツトル開度θによ
るエンジントルクTと実変速比iにより目標ライ
ン圧PLtを算出する。目標ライン圧PLtはデユー
テイ比設定手段53に入力し、目標ライン圧PLt
が大きいほどデユーテイ比Dの大きい値に設定す
る。そしてデユーテイ比Dの電気信号が駆動手段
54を介してソレノイド弁27に出力する。 次に、この実施例の作用について説明する。 先ず、エンジン1の運転によりオイルポンプ2
1が駆動し、油路21のライン圧PLはセカンダ
リシリンダ10にのみ供給されて、変速比最大の
低速段になる。このときライン圧PLのオイルが
オリフイス32aにより流量制限して油路26に
取出され、レギユレータ弁25により調圧してレ
ギユレータ圧PRを生じ、このレギユレータ圧PR
がソレノイド弁27,28等に導かれて、電子的
にライン圧及び変速制御することが可能になる。 またプライマリプーリ回転数Np,セカンダリ
プーリ回転数Ns,スロツトル開度θ及びエンジ
ン回転数Neの信号が制御ユニツト40に入力す
る。そしてライン圧制御系では、プライマリプー
リ回転数Npとセカンダリプーリ回転数Nsにより
算出される実変速比i,エンジン回転数Neとス
ロツトル開度θによるエンジントルクTにより目
標ライン圧PLtが算出され、この目標ライン圧
PLtに応じたデユーテイ比Dが設定される。 そこで発進や加速時にエンジントルクTが大き
くなると、目標ライン圧PLtが大きく算出され、
大きいデユーテイ比Dの信号がソレノイド弁27
に出力する。このためソレノイド弁27の排油量
が多くなつて低いデユーテイ圧Pdに変換され、
このデユーテイ圧Pdがライン圧制御弁22に導
入して、ライン圧PLは高く制御される。 更に、車速の上昇により変速制御が開始して実
変速比iが小さくなり、エンジントルクTも小さ
くなると、デユーテイ比Dが小さくなる。このた
めソレノイド弁27では排油量の減少でデユーテ
イ圧Pdが高くなり、ライン圧制御弁22におい
てライン圧PLは順次低く制御される。 こうしてライン圧PLは、実変速比iが小さい
ほど低く、エンジントルクTが大きいほど高く連
続的に電子制御される。このライン圧PLが常に
セカンダリシリンダ10に導入して作用すること
により、常にベルトスリツプを生じない必要最小
限のプーリ押付け力が付与される。 一方、変速速度制御系では、スロツトル開度θ
とセカンダリプーリ回転数Nsにより目標変速比
isが設定される。そして目標変速比isと実変速比
iの偏差と係数kにより目標とする変速速度di/
dtが算出され、目標とする変速速度di/dtと実変
速比iとの関係でデユーテイ比Dが設定される。
デユーテイ比Dの電気信号はソレノイド弁28に
出力してデユーテイ圧Pdに変換され、このデユ
ーテイ圧Pdが変速速度制御弁23の制御ポート
23aに導入して、デユーテイ圧Pdのオン、オ
フにより給油と排油の2位置に繰返し動作する。 ここで車速の低下やアクセス踏込みによりis>
iになると、デユーテイ比Dが小さい方向に設定
される。このため変速速度制御弁23は排油位置
での動作時間の方が長くなり、プライマリシリン
ダ9は給油以上に排油され、プライマリ圧Ppが
低下してシフトダウンする。 このとき目標変速比isと実変速比iの偏差によ
り算出される変速速度di/dtに応じたデユーテイ
比Dが順次設定され、デユーテイ比Dにより排油
量が可変される。このため大きい値に設定される
目標変速比isに対して小さい実変速比iが、変速
速度di/dtに応じた傾きで追従する。即ち、初期
の偏差が大きい場合は大きい傾きの速い変速スピ
ードで実変速比iが迅速に追従し、偏差が順次小
さくなるほど傾きが小さくなり、変速スピードが
遅くなつてオーバシユートを生じないように滑ら
かに収束する。 逆に車速の上昇やアクセル開放によりis<iに
なると、デユーテイ比Dが大きい方向に設定され
る。このため変速速度制御弁23は給油位置での
動作時間の方が長くなり、プライマリシリンダ9
は排油以上に給油され、プライマリ圧Ppが増大
してシフトアツプする。この場合は小さい値に設
定される目標変速比isに対して大きい実変速比i
が、上述と同様に変速スピードを変化して迅速に
追従し滑らかに収束する。 またシフトアツプとシフトダウンのいずれも、
実変速比iに応じたデユーテイ比Dにより高速段
ほど多く給排油して、常にプライマリシリンダ9
が実変速比iに見合つた油量になる。 こうして運転、走行状態に応じて目標とする変
速速度di/dtが算出され、この変速速度di/dtと
実変速比iによるデユーテイ比Dの電気信号が出
力して開ループ制御される。そしてデユーテイ信
号により変速速度di/dtを制御対象として可変し
ながら変速全域でシフトアツプまたはシフトダウ
ンして電子的に変速制御される。 一方、アクセル踏込みの加速時には、スロツト
ル開度変化dθ/dtにより加速状態が検出され、ス
ロツトル開度変化dθ/dtに応じて係数kが設定さ
れる。そこで急加速時には、係数kが大きい値に
なつて変速速度di/dtの値も正の大きい値にな
る。そこで上述のシフトダウンで、目標変速比is
に実変速比iが追従する際の変速スピードが一層
速くなり、迅速にシフトダウンする。 また走行中にアクセルの踏込みを解くと、プラ
イマリプーリ回転数Npが低下し、且つアイドル
スイツチ55がONしてエンジンブレーキ信号が
出力する。このとき第3図aの変速パターンで最
小変速比(OD)に変速されていると、この最小
変速比(OD)に沿つて車速低下するだけである
から補正されない。 ところで変速途中の場合は、プライマリプーリ
回転数Npの低下により目標変速比isが小さく設
定され、目標とする変速速度di/dtが負の値にな
つてシフトアツプされる。このとき変速速度補正
手段57で目標とする変速速度di/dtが減少補正
されるため、変速スピードが遅くなる。そこで第
3図aの破線のように、車速の低下に伴い高速段
側に緩やかにシフトアツプするように変速制御さ
れる。このためシフトアツプの過程でエンジンブ
レーキが効いて、加速することが防止される。 以上、本発明の一実施例について説明したが、
エンジンブレーキの検出は吸入管負圧で行つても
良く、エンジンブレーキの状態により補正を可変
にすることもできる。また実施例の作用をマイコ
ンでシフト的にも処理し得るのは勿論である。
以上に説明したように本発明によると、無段変
速機で電子的に変速制御する制御装置において、
制御ユニツトは目標変速比と実変速比の偏差に基
づいて目標とする変速速度を算出し、この目標と
する変速速度と実変速比により電気信号の操作量
を設定して開ループ制御する構成であるから、変
速速度を直接制御対象として、迅速に追従し滑ら
かに収束するように変速制御できる。このため過
渡時の応答性が向上し、オーバシユートが少なく
なる。また制御も非常に簡単になる。 電気信号による信号油圧を変速速度制御弁の制
御ポートに導入して給油と排油の2位置に繰返し
て動作する構成であるから、電気信号の操作量に
より変速スピードを変化しながらプライマリ圧を
増減して、適確に変速速度を制御できる。 アクセル開放の過渡時にシフトアツプする場合
は、目標とする変速速度を減少補正するので、シ
フトアツプの変速スピードが遅くなつて、加速や
不安感を効果的に防止することができる。
速機で電子的に変速制御する制御装置において、
制御ユニツトは目標変速比と実変速比の偏差に基
づいて目標とする変速速度を算出し、この目標と
する変速速度と実変速比により電気信号の操作量
を設定して開ループ制御する構成であるから、変
速速度を直接制御対象として、迅速に追従し滑ら
かに収束するように変速制御できる。このため過
渡時の応答性が向上し、オーバシユートが少なく
なる。また制御も非常に簡単になる。 電気信号による信号油圧を変速速度制御弁の制
御ポートに導入して給油と排油の2位置に繰返し
て動作する構成であるから、電気信号の操作量に
より変速スピードを変化しながらプライマリ圧を
増減して、適確に変速速度を制御できる。 アクセル開放の過渡時にシフトアツプする場合
は、目標とする変速速度を減少補正するので、シ
フトアツプの変速スピードが遅くなつて、加速や
不安感を効果的に防止することができる。
第1図は本発明の無段変速機の制御装置の油圧
制御系の実施例を示す構成図、第2図は本発明の
無段変速機の制御装置の電気制御系の実施例を示
すブロツク図、第3図aは変速パターンを、bは
目標変速比のテーブルを、cはデユーテイ比のテ
ーブルを示す図である。 4……無段変速機、5……主軸、11……駆動
ベルト、6……副軸、7……プライマリプーリ、
8……セカンダリプーリ、9……プライマリシリ
ンダ、10……セカンダリシリンダ、21,26
……油路、22……ライン圧制御弁、23……変
速速度制御弁、23a,23b……制御ポート、
23c……スプリング、32a……オリフイス、
28……ソレノイド弁、40……制御ユニツト、
45……実変速比算出手段、46……目標変速比
検索手段、47……係数設定手段、48……変速
速度算出手段、49……デユーテイ比検索手段、
57……変速速度補正手段。
制御系の実施例を示す構成図、第2図は本発明の
無段変速機の制御装置の電気制御系の実施例を示
すブロツク図、第3図aは変速パターンを、bは
目標変速比のテーブルを、cはデユーテイ比のテ
ーブルを示す図である。 4……無段変速機、5……主軸、11……駆動
ベルト、6……副軸、7……プライマリプーリ、
8……セカンダリプーリ、9……プライマリシリ
ンダ、10……セカンダリシリンダ、21,26
……油路、22……ライン圧制御弁、23……変
速速度制御弁、23a,23b……制御ポート、
23c……スプリング、32a……オリフイス、
28……ソレノイド弁、40……制御ユニツト、
45……実変速比算出手段、46……目標変速比
検索手段、47……係数設定手段、48……変速
速度算出手段、49……デユーテイ比検索手段、
57……変速速度補正手段。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 エンジン側の主軸にプーリ間隔可変のプライ
マリプーリが設けられ、主軸に平行配置される車
輪側の副軸にプーリ間隔可変のセカンダリプーリ
が設けられ、両プーリの間に駆動ベルトが巻回さ
れ、油圧源からの油路にライン圧を制御してその
ライン圧をセカンダリプーリのシリンダに供給し
てプーリ押付け力を付与するライン圧制御弁が設
けられ、プライマリプーリのシリンダへの油路に
ライン圧を給排油してプライマリ圧を変化する変
速速度制御弁が設けられ、プライマリ圧により両
プーリに対する駆動ベルトの巻付け径の比を変化
して無段階に変速する無段変速機において、 上記変速速度制御弁23は給油位置と排油位置
に切換え動作する制御ポート23a,23bとス
プリング23cとを有し、ライン圧油路21から
流量制限手段32aを介して分岐する油路26が
ソレノイド弁28に連通して制御ユニツト40の
電気信号に応じた信号油圧を生成し、この信号油
圧を油路34により変速速度制御弁23の制御ポ
ート23aに導入して変速及び変速速度を制御す
るように構成すると共に、 上記制御ユニツト40はプライマリプーリ回転
数とセカンダリプーリ回転数により実変速比を算
出する手段45と、スロツトル開度とセカンダリ
プーリ回転数により目標変速比を定める手段46
と、目標変速比と実変速比の偏差により目標とす
る変速速度を算出する手段48と、変速速度とア
クセル開放の信号によりアクセル開放のシフトア
ツプを判断すると変速速度を減少補正する手段5
7と、補正した変速速度と実変速比の関係で操作
量を定めてこの操作量の電気信号を出力する手段
49とを備えることを特徴とする無段変速機の制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14346685A JPS624644A (ja) | 1985-06-29 | 1985-06-29 | 無段変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14346685A JPS624644A (ja) | 1985-06-29 | 1985-06-29 | 無段変速機の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS624644A JPS624644A (ja) | 1987-01-10 |
JPH0554585B2 true JPH0554585B2 (ja) | 1993-08-12 |
Family
ID=15339359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14346685A Granted JPS624644A (ja) | 1985-06-29 | 1985-06-29 | 無段変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS624644A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2701265B2 (ja) * | 1987-08-26 | 1998-01-21 | 日産自動車株式会社 | 無段変速機の変速制御装置 |
JP2920976B2 (ja) * | 1989-12-28 | 1999-07-19 | 日産自動車株式会社 | 無段変速機の変速制御装置 |
JPH08219244A (ja) * | 1995-02-14 | 1996-08-27 | Unisia Jecs Corp | 無段変速機の制御装置 |
-
1985
- 1985-06-29 JP JP14346685A patent/JPS624644A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS624644A (ja) | 1987-01-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |