JPH0553247A - 写真フイルムパトローネ - Google Patents

写真フイルムパトローネ

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JPH0553247A
JPH0553247A JP30083791A JP30083791A JPH0553247A JP H0553247 A JPH0553247 A JP H0553247A JP 30083791 A JP30083791 A JP 30083791A JP 30083791 A JP30083791 A JP 30083791A JP H0553247 A JPH0553247 A JP H0553247A
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Kazunori Mizuno
和則 水野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性材料の弾性や遮光部材の厚みが変動して
も写真フイルム先端部を低トルクで確実に送り出すこと
ができるとともに、表面に皺や凹凸が生じにくく遮光性
能の良好な遮光部材を備えた写真フイルムパトローネを
提供する。 【構成】 写真フイルム出入口6に形成した溝11,1
2のテーパ面11a,12aに遮光部材7,8を超音波
溶着し、写真フイルム出入口6の奥側の遮光部材7,8
の端が開くようにした。遮光部材7,8は、写真フイル
ム4の表面との摩擦係数が0.25以下の表面層を有す
るとともに、押圧力20g/cm2 で測定した厚みT2
ら押圧力100g/cm2 で測定した厚みT1 を減算した
値Rが0.6mm<R<4.0mmを満たすようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スプール回転により写
真フイルムの先端部をパトローネ本体のポート口から排
出するようにした写真フイルムパトローネに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の135タイプの写真フイルムパト
ローネは、パトローネ本体の写真フイルム出入口に光が
パトローネ本体内に入り込まないように、遮光部材とし
てテレンプを用いている(実公昭61−34526号公
報)。さらにまた、スプールを写真フイルム給送方向に
回転させることによりパトローネ本体のポート口から写
真フイルムを排出するようにした写真フイルムパトロー
ネが知られている。このような写真フイルムパトローネ
では、写真フイルム排出時のトルクを小さくするために
ポート口に設けた遮光部材と写真フイルムとの摩擦が極
めて少ないことが特に重要であり、従来のテレンプに代
わって種々の材料が提案されている。例えば、米国特許
第3537376号明細書記載の写真フイルムパトロー
ネでは、発泡ポリウレタン等の弾性材料に低摩擦係数の
表面材料をラミネートしたものを採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記明細書
記載の写真フイルムパトローネでは、写真フイルム先端
部はポート口から僅かではあるが突出された状態からの
写真フイルム給送であり、最近提案されている写真フイ
ルム全てをパトローネ本体内に収納しておき、スプール
回転で写真フイルム先端部を排出する写真フイルムパト
ローネに対する考慮はなされていない。実際に、上記写
真フイルムパトローネで写真フイルム先端部までパトロ
ーネ本体内に収納しておき、これをスプール回転で排出
しようとすると、遮光部材の奥側は固定されていない関
係上ここに写真フイルム先端部が引っ掛かってしまい、
全く排出されなくなる。また、前記遮光部材は生産過程
で表面に皺や凹凸が生じることがあり、これが生じた場
合には遮光不良の原因となる。
【0004】また、最近では感光材料の品質向上に伴っ
て高感度化がすすみ、遮光材料に対する要求も厳しくな
っている。しかしながら、上記明細書記載の写真フイル
ムパトローネでは、弾性材料が長時間押圧されたり、熱
がかかったりすると弾性が低下して遮光性能が低下する
という問題がある。さらに、表面材料と弾性材料を貼り
合わせるために、弾性材料を溶融して接着するフレーム
ラミネーションが一般的に使用されているが、完成後の
厚みが大きくばらつき、高感度な感光材料ではしばしば
光被りが発生する。また、これを改善するために、写真
フイルム出入口を狭くしたり、遮光部材の厚みを厚くす
ると、給送トルクが高くなるという不都合が生じる。
【0005】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、弾性材料の弾性や遮光部材の厚
みが変動しても、写真フイルム先端部を低いトルクで確
実に送り出すことができるとともに、表面に皺や凹凸が
生じにくく遮光性能の良好な遮光部材を備えた写真フイ
ルムパトローネを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の写真フイルムパ
トローネは、遮光部材を写真フイルム出入口の上下内壁
面に、奥側の端同志が互いに離れるように設け、写真フ
イルムの表面との摩擦係数が0.25以下の表面層を有
するとともに、押圧力20g/cm2 で測定した厚みT2
から押圧力100g/cm2 で測定した厚みT1 を減じた
値Rが0.6mm<R<4.0mmを満たすようにしたもの
である。また、前記表面層を、長さが0.1mm以上1.
0mm以下の毛羽を有するシート状部材としたものであ
る。
【0007】
【実施例】本発明の実施例1を示す図2において、写真
フイルムパトローネ1のパトローネ本体2の内周面にリ
ング状のリブ3を設け、写真フイルム4の巻き緩みを防
止している。写真フイルム4の一方の端はスプール5に
固定されており、他方の先端部4aはパトローネ本体2
内まで収納されている。パトローネ本体2の一部に設け
られた写真フイルム出入口6の上下内壁には、図1に示
すように、遮光部材7,8を取り付けるために溝11,
12が形成されており、それぞれの奥側はテーパ状に深
く掘られている。このテーパ面11a,12aに遮光部
材7,8を超音波溶着機で固定し、遮光部材7,8の奥
側が写真フイルム4の先端部4aを招き入れやすいよう
に奥側の端15,16同志の隙間が開いた状態になって
いる。なお、写真フイルム出入口6の上下内壁の隙間寸
法を例えば2.0mmとした。また、符号13,14は超
音波溶着部を示す。
【0008】前記遮光部材7,8は、厚み0.1mmの布
7a,8aと、厚み3.1mm(荷重5g/cm2 で測定)
の軟質ポリウレタン製のスポンジ7b,8bとを積層し
た2層構造となっている。布7a,8aは、70デニー
ル/20フィラメントのポリエステル糸で経糸の織り込
み密度を90本/インチ,緯糸の織り込み密度を120
本/インチとしたポリエステル平織布からなる。このポ
リエステル平織布を染色工程にて5%o.w.f.の黒色分散
染料で染色した後、4%o.w.f.のパーマローズTM(I
CI社製)で帯電防止処理を施した。
【0009】スポンジ7b,8bは、見掛け密度が22
kg/m3 (JIS K6401),圧縮残留歪は10
%(JIS K6401)である。なお、圧縮残留歪と
は、圧縮後の復元能を示すものであり、初期厚みをt0
とし、50%圧縮で70℃22時間経過後常温で30分
放置した後の厚みをt1 としたとき{(t0 −t1 )/
0 }×100で計算される値である。そして、布7
a,8aをスポンジ7b,8bに、スポンジの表面を炎
で溶解して布を押しつけて貼るフレームラミネーション
で貼り合わせた。
【0010】この結果、遮光部材7,8の厚みは、スポ
ンジ7b,8bが0.6mm溶解したので、布7a,8a
の厚みと合わせて2.6mmとなった。遮光部材7,8に
荷重100g/cm2 をかけて測定した厚みT1 は0.9
mm,荷重20g/cm2 をかけて測定した厚みT2 は2.
4mmとなり、その差Rは1.5mmとなった。このRの求
め方,即ち遮光部材7,8の圧縮特性を図3に示す。こ
のR値が0.6mm以下である場合は、わずかな厚み変動
によって光被りを起こしたり、押圧力が高くなって排出
時の給送トルクが高くなり、頭出し率が不良になったり
する。また、R値が4.0mm以上では、遮光部材7,8
が変形に対して復帰する力が強く皺や凹凸が生じやす
く、光被りの原因となったりする。また、布7a,8a
の表面の摩擦係数は、写真フイルム4のベース面に対し
て0.20,乳剤面に対して0.15であった。また、
写真フイルム4としては、フジカラースーパーHG40
0を使用した。
【0011】なお、布7a,8aの表面摩擦係数は、日
本繊維機械学会誌(繊維工学)VoL.33,No.2
(1980)に記載の測定方法に基づいて測定した。こ
の測定方法は、矩形に折り曲げた0.5φのピアノ線を
10本並列にし、これを被試験布の表面に力W,例えば
50gfで押し当てながら所定の距離移動させたときの
摩擦力Fを例えばカートーテック(株)製KES−FB
4測定機で測定した。そして、この摩擦力Fの平均値を
力Wで除算して平均表面摩擦係数を算出し、これを布7
a,8aの表面摩擦係数とした。
【0012】本発明の実施例2は、前記布7a,8aと
して、250デニール/60フィラメントのポリエステ
ル糸で経糸,緯糸ともに織り込み密度50本/インチで
平織し、染色工程にて4%o.w.f.パーマローズTM(I
CI社製)で帯電防止処理を施した後、4%o.w.f.黒色
分散染料で染色した厚み0.2mmのポリエステル平織布
を使用したものである。また、その他は、実施例1と同
様である。
【0013】本発明の実施例3は、前記スポンジ7b,
8bとして、見掛け密度が35kg/m3 ,圧縮残留歪
4%,厚み3.1mm(荷重5g/cm2 で測定)の軟質ポ
リウレタン製スポンジを使用したものである。このよう
な布7b,8bに、前記布7a,8aをフレームラミネ
ーションで貼り合わせた後の遮光部材7,8の厚みは
2.5mmであった。また、T1 は1.7mm,T2 は2.
4mm,Rは0.7mmであった。
【0014】本発明の実施例4は、前記布7a,8aと
して、75デニール/30フィラメントのポリエステル
糸でトリコット編みし、これを起毛機にて針起毛して実
施例1と同様に帯電防止処理及び染色を施したものを使
用したものである。また、その他は、実施例1と同様で
ある。
【0015】本発明の各実施例1〜4と比較するものと
して以下の比較例1,2を挙げる。比較例1は、前記ス
ポンジ7b,8bとして見掛け密度が45kg/m3
圧縮残留歪20%の硬質ポリウレタンを使用し、これに
実施例1と同一の布7a,8aをフレームラミネーショ
ンで貼り付けたもので、総厚みは2.1mmであった。ま
た、T1 は1.6mm,T2 は2.0mm,Rは0.4mmで
あった。
【0016】比較例2は、表面にウレタン樹脂を塗布し
たナイロン平織物を実施例1のスポンジ7b,8bにフ
レームラミネートしたもので、この材料の表面摩擦係数
は0.30であった。他は実施例1と同様に実施した。
【0017】以上の実施例1〜4及び比較例1,2につ
いて、以下のような測定を行った。給送トルクに関して
は、パトローネ本体2より写真フイルム4の先端部4a
を送り出す際にスプール5にかかるトルクを測定した。
【0018】遮光性に関しては、先端部4aをパトロー
ネ本体2内に収納した状態で7万ルクス,3分間の曝光
を行った場合と、写真フイルム4の先端部4aを引き出
して下方に折り曲げ、パトローネ本体2の下部表面部1
5(図2を参照)に貼り付けて下側の遮光部材8を写真
フイルム4で押し潰した状態で22時間,70℃の熱を
かけ、さらに先端部4aをパトローネ本体2内に収納し
て30分後に写真フイルム出入口6に7万ルクスの光を
3分間照射した場合とについて、それぞれ写真フイルム
4を現像処理して光被りの有無を調べた。その結果を表
1に示す。なお、全く光被りが発見できない場合は0,
1周目に光被りが発生していた場合は1,2周目に光被
りが発生していた場合は2として評価した。
【0019】頭出し率に関しては、繰り返し数30回で
写真フイルム出入口6から写真フイルム4の先端部4a
が突出した個数nであった場合に(n/30)×100
で算出した値とした。なお、給送トルク,遮光性,頭出
し率の括弧で囲まれた数値は70℃の加熱を22時間行
った場合の結果である。
【0020】
【表1】
【0021】表1から分かるように、本発明の実施例1
〜4はいずれも遮光性が良好で給送トルクも低い。実施
例1〜4のR値がいずれも0.6mm<R<4.0mmを満
たしており、これに対して比較例1ではR値が低くなり
過ぎて押圧の抵抗が高くなり給送トルクが高くなった。
また、硬質ポリウレタンを使用しているために、圧縮後
の残留歪が大きく結果として光漏れを起こした。遮光部
材7,8の表面の摩擦係数は、比較例2のように0.2
5を越えると給送トルクが高くなる。また、実施例2の
遮光部材7,8を折り曲げてから写真フイルム出入口6
に貼り付けたが遮光性は全く問題がなく、皺になりにく
いことが分かった。
【0022】次に、遮光部材の表面層として毛羽を有す
る材料を使用した実施例5,6,7を図4〜7を参照し
て説明する。実施例5の遮光部材20の表面層21は、
70デニール/20フィラメントのポリエステル糸で図
4に示す組織図に従って織ったポリエステル2/1綾織
布(1本の経糸が2本の緯糸の上に浮き、1本の緯糸の
下に沈む組織)であり、経糸の織り込み密度を150本
/インチ,緯糸の織り込み密度を140本/インチとし
たものである。図4のWは経糸を、Fは緯糸を表し、斜
線部分は経糸が緯糸の上を通過する部分である。このポ
リエステル2/1綾織布を染色工程にて5%o.w.f.の黒
色分散染料で染色した後、4%o.w.f.のパーマローズT
M(ICI社製)で帯電防止処理を施した。この時、こ
の布の厚みは、0.15mmであった。そして、この布を
ロール状のサンドグラインダーにて起毛処理をして表面
に長さ0.2mmの短い毛を立たせた。この毛の形状は、
ほとんどがループ状であった。
【0023】遮光部材20の弾性層22は、軟質ポリウ
レタン製スポンジ,例えばブリジストン社製エバーライ
トSTであり、見掛け密度は60kg/m3 (JIS
K6401),荷重5g/cm2 で測定した厚みは3.1
mmであった。この弾性層22のスポンジに、前記表面層
21の布をフレームラミネーションで貼り合わせた。こ
の結果、総厚みはスポンジが0.6mm溶解したので、
2.7mmになった。これを100g/cm2 で測定した厚
みT1 は0.9mm,20g/cm2 で測定した厚みT2
2.4mmとなり、その差Rは1.5mmであった。また、
表面層21の摩擦係数は、写真フイルムバック面に対し
て0.20,写真フイルム乳剤面に対して0.15であ
った。このように構成した遮光部材20を、図5に示し
た写真フイルム出入口23の上下内壁面24,25に取
り付けた。この取付方法は、図6に示すように、奥側の
端20cを超音波溶着機によって溶着したものである。
なお、符号26は、超音波溶着機の超音波ホーンであ
る。
【0024】実施例6は、表面層21として、経糸50
デニール/36フィラメント,緯糸70デニール/20
フィラメントで図7に示す組織図に従って織った5枚朱
子織(飛数が4本)を使用するとともに、これに実施例
5と同様に起毛処理を施してスポンジを貼り付けたもの
である。組織図の見方は、前記図4と同じである。この
表面層21の起毛の長さは0.5mmであり、スポンジを
貼り付けた後の総厚みは3.2mmであった。
【0025】実施例7は、表面層21として50μmの
黒色ポリエステルベースに0.4mmの黒色に染色したナ
イロンパイルを静電植毛した材料を使用し、これをフレ
ームラミネーションで実施例5のスポンジに貼り付けた
ものである。表面層21の厚みは、0.5mmで、スポン
ジを貼り付けた後の総厚みは3.0mmであった。その他
は、実施例5と同様に実施した。
【0026】実施例5〜7と比較する比較例3は、表面
層21として基布に経糸120デニール,緯糸150デ
ニールのレーヨン糸,パイル糸に100デニール/36
フィラメントの66ナイロンを使用して製織した二重ベ
ルベットを採用し、これを実施例5と同様のスポンジに
貼り付けたものである。このときの毛羽の長さは1.5
mmであった。
【0027】以上の実施例5〜7及び比較例3につい
て、これらを写真フイルム出入口の内側寸法が3mm,
2.5mm,2mmの3種類の写真フイルムパトローネにそ
れぞれ貼り付けて測定した他は、前記実施例1〜4及び
比較例1,2に対して行ったものと同様の測定を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】この表2から分かるように、本発明の実施
例5〜7はいずれも遮光性が良好で給送トルクも低い。
また、写真フイルム出入口を狭くしても、給送トルクが
それ程上昇することなく、確実に写真フイルムを給送す
ることができた。したがって、写真フイルム出入口を目
立たなくすることができ、外観上も好ましい写真フイル
ムパトローネを作成する上で有利となる。これに対し
て、比較例1では毛羽が長くなると、毛羽同志の絡み合
いが発生して、給送トルクが高くなった。この傾向は、
写真フイルム出入口が狭くなると顕著に現れ、給送トル
クが700gcmを越えると、写真フイルムが出てこな
い写真フイルムパトローネも発生した。
【0030】なお、遮光材料の表面層としては、以上挙
げた材料の他に、摩擦係数の低いものであれば、例えば
ナイロン,ポリエステル,アクリル等の合成繊維やレー
ヨン,キュプラ等の再生繊維,また綿,絹,羊毛等の天
然繊維を使用した織編物,不織布,合成皮革,起毛材
料,植毛材料,フイルム等を用いることができる。な
お、合成繊維は帯電防止処理を施していること、または
制電性繊維を使用していることが好ましい。
【0031】また、表面層の表面摩擦係数を下げるため
に、例えばカレンダー掛けによる平滑化やシリコン等の
滑剤で表面を処理してもよい。滑剤は布の染色仕上げ工
程で付与しても、スポンジと貼り合わせた後、塗布やス
プレーで吹き付けたり、付着ローラに接触したりする方
法で付与できる。また、弾性層の材料としては、前記ポ
リウレタン系のスポンジの他にポリオレフィン系,ポリ
スチレン系の発泡材料が使用できる。なお、ポリウレタ
ン系でフレームラミネートできる材料が生産効率が良好
で好ましい。
【0032】また、表面層と弾性層との接合方法は、前
記フレームラミネーションの他に、接着材料を使用する
方法,縫い合わせる方法等を使用できる。また、遮光部
材の写真フイルム出入口への貼り付け方は、超音波溶着
の他に、ホットメルト接着剤,瞬間接着剤,粘着剤,材
料の溶着,ビス止め,誘電加熱等の各種手段が使用でき
る。
【0033】なお、表面層は、塵の引っ掛かりによる写
真フイルム面の擦過傷を防止するために、毛羽や不織布
の表面に微小な凹凸があってもよい。この凹凸は、写真
フイルム給送方向に対して斜めになっていると光の侵入
を防ぎやすい。
【0034】また、弾性層のスポンジ材料は、黒色にし
ておくことが遮光性上有利である。この着色には、カー
ボンブラックや黒色の染料や顔料等を使用することがで
きる。また、染色は予め糸の段階で染色しておく先染め
でもよく、また糸を紡糸段階で染色した原着糸やカーボ
ンファイバー等も使用することができる。
【0035】表面層に使用する布を裁断した際に布がほ
つれることを防止するために、布をカレンダー掛けした
り、芯鞘構造の糸で表面が比較的低い温度で溶解する溶
着繊維を使用することができる。また、樹脂加工によっ
て編織物の糸同志の接点を接着することもできる。
【0036】なお、遮光部材を写真フイルム出入口に貼
り付けるには、前記実施例1及び実施例5で示したよう
に写真フイルム出入口の奥側だけを固定する方法の他
に、遮光部材の全面を接着してもよく、またパトローネ
本体の内側に折り曲げて接着してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の写真フイル
ムパトローネは、遮光部材を奥側の端同志が開くように
写真フイルム出入口に設け、遮光部材が写真フイルムの
表面との摩擦係数が0.25以下の表面層を有し、押圧
力20g/cm2 で測定した厚みT2 から押圧力100g
/cm2 で測定した厚みT1 を減じた値Rが0.6mm<R
<4.0mmを満たすようにしたので、このような遮光部
材は表面に皺や凹凸が生じにくく遮光性能が良好になる
とともに、写真フイルム先端部を低いトルクで送り出す
ことができる。また、表面層を長さが0.1mm以上1.
0mm以下の毛羽を有するシート状部材としたので、遮光
部材の弾性や厚みが変動しても、遮光性を損なうことな
く、写真フイルム先端部を低トルクで送り出すことがで
きる。また、前記遮光部材を使用することにより写真フ
イルム出入口が小さくても写真フイルム送り出し及び遮
光性がともに良好になるので、写真フイルム出入口を目
立たない程度の大きさにすることができ、外観の好まし
い写真フイルムパトローネを提供できるという効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る写真フイルム出入口の拡
大断面図である。
【図2】写真フイルムパトローネの側断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る遮光部材の圧縮特性を示
すグラフである。
【図4】遮光部材の表面層に使用される布の一例を示す
組織図である。
【図5】図1に示したものとは異なる写真フイルム出入
口の拡大断面図である。
【図6】図5に示した写真フイルム出入口に遮光部材を
超音波溶着する状態を示す説明図である。
【図7】遮光部材の表面層に使用される布の他の例を示
す組織図である。
【符号の説明】
6,22 写真フイルム出入口 7,8,20 遮光部材 7a,8a 布 7b,8b スポンジ 15,16 遮光部材の奥側の端 21 表面層 22 弾性層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フイルムを巻き付けたスプールを回
    転自在に収納するとともに写真フイルムが出入りするス
    リット状の写真フイルム出入口が設けられたパトローネ
    本体と、前記写真フイルム出入口を構成する内壁に対向
    し合うように接着され、写真フイルム出入口からパトロ
    ーネ本体内に光が侵入することを防ぐ遮光部材とからな
    る写真フイルムパトローネにおいて、前記遮光部材は、
    前記写真フイルム出入口の上下内壁面に、奥側の端同志
    が互いに離れるように設け、写真フイルムの表面との摩
    擦係数が0.25以下の表面層を有するとともに、押圧
    力20g/cm2 で測定した厚さT2 から押圧力100g
    /cm2 で測定した厚さT 1 を減じた値Rが0.6mm<R
    <4.0mmを満たしていることを特徴とする写真フイル
    ムパトローネ。
  2. 【請求項2】 前記表面層は、長さが0.1mm以上1.
    0mm以下の毛羽を有するシート状部材であることを特徴
    とする請求項1の写真フイルムパトローネ。
JP3300837A 1991-06-11 1991-11-15 写真フイルムパトローネ Expired - Fee Related JP2786037B2 (ja)

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