JPH0552565U - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 波形プレ−トをチュ−ブに挿入する作業を容
易に行えるようにし、作業性の向上及び波形プレ−トの
変形防止を図り得る熱交換器を提供する。 【構成】 チュ−ブ２の厚さ方向の内形寸法を波形プレ
−ト４の対応寸法よりもやや大きく形成し、チュ−ブ２
内に波形プレ−ト４を挿入した後にチュ−ブ２を圧潰す
ることによってチュ−ブ２の内面で波形プレ−ト４の上
下端を挟持するようにした。また、チュ−ブ２内にチュ
−ブ２の厚さ方向の対向面を支持する隔壁２ａを形成
し、チュ−ブ２を圧潰する際、この隔壁２ａによってチ
ュ−ブ２の厚さ方向の歪みを防止するとともに、チュ−
ブ２の耐圧強度の向上も図る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は各種空気調和装置や車両用ラジエ−タ等として用いられる熱交換器に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、互いに間隔をおいて平行に配置された一対のヘッダ−パイプと、両端を 各ヘッダ−パイプに接続された複数の熱媒体流通用の偏平状チュ−ブと、各チュ −ブ間に介装されたフィンとからなる、いわゆるパラレルフロータイプの熱交換 器においては、各チュ−ブの内部に挿入された波形プレ−トによってチュ−ブ内 にチュ−ブの幅方向に仕切られた複数の熱媒体流路を形成し、熱媒体がチュ−ブ 内を幅方向に均一に流通するようにしたものが知られている。また、チュ−ブの 厚さ方向の内形寸法は、チュ−ブの内面が波形プレ−トの上下端に接触するよう 波形プレ−トの対応寸法とほぼ同一に形成され、ろう材をクラッドした波形プレ −トをチュ−ブ内に挿入し、高温の炉にて一体ろう付けされる（例えば、特開昭 ６２−１７５５８８号公報）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の熱交換器においては、チュ−ブを波形プレ−トに接触さ せるために、チュ−ブの厚さ方向の内形寸法を波形プレ−トの対応寸法とほぼ同 一に形成していることから、波形プレ−トの挿入が困難であり、作業性が極めて 悪いという問題点があった。また、挿入作業が困難であるため挿入時に波形プレ −トが変形し易く、その結果、チュ−ブと波形プレ−トとの間にろう付け不良箇 所が生じ、チュ−ブの耐圧強度が低下するという問題点もあった。

【０００４】 本考案は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、 波形プレ−トをチュ−ブに挿入する作業を容易に行えるようにし、作業性の向上 及び波形プレ−トの変形防止を図り得る熱交換器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、請求項１では、幅方向が厚さ方向よりも 長く形成された偏平状の熱媒体流通用チュ−ブと、該チュ−ブの内部に挿入され た波形プレ−トとを備え、該波形プレ−トによってチュ−ブ内にチュ−ブの幅方 向に仕切られた複数の熱媒体流路を形成するようにした熱交換器において、前記 チュ−ブの厚さ方向の内形寸法を波形プレ−トの対応寸法よりもやや大きく形成 し、該チュ−ブを厚さ方向に圧潰してチュ−ブ内に挿入された波形プレ−トをチ ュ−ブの内面で挟持するようにしている。

【０００６】 また、請求項２では、前記チュ−ブの内部にチュ−ブの厚さ方向の対向面の一 部を支持する少なくとも一つの隔壁を設けている。

【０００７】

【作用】

請求項１の熱交換器によれば、厚さ方向の内形寸法が波形プレ−トの対応寸法 よりもやや大きく形成されたチュ−ブに波形プレ−トを挿入した後、該チュ−ブ を厚さ方向に圧潰して波形プレ−トをチュ−ブの内面で挟持するようにしている ことから、波形プレ−トをチュ−ブに容易に挿入することが可能である。また、 これにより波形プレ−トの変形を来すこともない。

【０００８】 また、請求項２の熱交換器によれば、請求項１の作用を有するとともに、チュ −ブ内の隔壁によってチュ−ブの厚さ方向の対向面の一部が支持されることから 、チュ−ブを圧潰する際にチュ−ブの厚さ方向の歪みが防止されるとともに、耐 圧強度の向上も図られる。

【０００９】

【実施例】

図１乃至図３は本考案の一実施例を示すものである。

【００１０】 同図において、１は互いに間隔をおいて配置された一対のヘッダ−パイプで、 それぞれアルミニウム製の円管からなる。各ヘッダ−パイプ１は上端及び下端を キャップ１ａによって閉塞されるとともに、それぞれの対向面には複数のチュ− ブ接続孔１ｂがヘッダ−パイプ１の長手方向に間隔をおいて穿設されている。一 方のヘッダ−パイプ１（図１では左側）の上部には熱媒体流入用のパイプ１ｃが 、他方のヘッダ−パイプ１（図１では右側）の下部には熱媒体流出用のパイプ１ ｄがそれぞれ連結されている。

【００１１】 ２は各ヘッダ−パイプ１に接続された複数の熱媒体流通用チュ−ブで、幅方向 が厚さ方向よりも長い偏平状に形成され、両端を各ヘッダ−パイプ１の接続孔１ ｂに挿入されている。また、各チュ−ブ２内の中央部には、図２に示すようにチ ュ−ブ２の厚さ方向の対向面を支持する隔壁２ａが設けられ、この隔壁２ａによ ってチュ−ブ２の内部が幅方向に二分割されている。更に、チュ−ブ２の厚さ方 向の内形寸法はチュ−ブ２内に挿入される波形プレ−ト４の対応寸法よりもやや 大きく形成されている。

【００１２】 ３は各チュ−ブ２間に介装された放熱用のフィンで、それぞれ波状に形成され 、上端及び下端を各チュ−ブ２に接触している。

【００１３】 この熱交換器の組立てに際しては、まず図２(a) に示すようにろう材をクラッ ドした波形プレ−ト４を各チュ−ブ２内の隔壁２ａの両側にそれぞれ挿入する。 この時、チュ−ブ２の内面と波形プレ−ト４との間には、図２(b) に示すように 厚さ方向の隙間ｄが生じることから、波形プレ−ト４がスム−ズに挿入される。 次に、図３(a) に示すように一対のロ−ラ５を用いてチュ−ブ２を厚さ方向に圧 潰する。これにより、図３(b) に示す如く波形プレ−ト４がチュ−ブ２の内面に よって挟持され、チュ−ブ２内にチュ−ブ２の幅方向に仕切られた複数の熱媒体 流路６が形成される。また、チュ−ブ２を圧潰する際、各チュ−ブ２の隔壁２ａ によってチュ−ブ２の厚さ方向の対向面が支持されることから、チュ−ブ２の歪 みが防止される。そして、前記各構成部品をろう材をクラッドして仮組みした後 、高温の炉に入れることによって一体ろう付けされる。その際、前記チュ−ブ２ の圧潰により、チュ−ブ２の内面と波形プレ−ト４の上下端との接触状態が確保 されていることから、チュ−ブ２と波形プレ−ト４とが確実にろう付けされる。

【００１４】 このように、本実施例の熱交換器によれば、チュ−ブ２の厚さ方向の内形寸法 を波形プレ−ト４の対応寸法よりもやや大きく形成し、チュ−ブ２内に波形プレ −ト４を挿入した後にチュ−ブ２を圧潰することによってチュ−ブ２の内面で波 形プレ−ト４の上下端を挟持するようにしたので、波形プレ−ト４の挿入を極め て容易に行うことができるとともに、波形プレ−ト４の挿入が容易であることか ら波形プレ−ト４の変形も確実に防止することができる。また、チュ−ブ２内に チュ−ブ２の厚さ方向の対向面を支持する隔壁２ａを形成したので、チュ−ブ２ を圧潰する際、この隔壁２ａによってチュ−ブ２の幅方向の歪みが防止されると ともに、チュ−ブ２の耐圧強度も格段に向上させることができる。

【００１５】 尚、前記実施例ではチュ−ブ２内に一つの隔壁２ａを設けたものを示したが、 複数の隔壁２ａを設けるようにしてもよいことは勿論である。また、図４(a) に 示すように、隔壁２ａによって分割された部分をそれぞれチュ−ブ２の厚さ方向 に膨出した形状のチュ−ブ２を押出し成型等によって形成し、波形プレ−ト４を 挿入した後、ロ−ラで圧潰して図４(b) に示すような偏平形状に成形するように してもよい。更に、前記ヘッダ−パイプ１には円管状のものを示したが、角パイ プ状のもの等を用いたものであってもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の熱交換器によれば、波形プレ−トをチュ−ブ に挿入する作業を極めて容易に行うことができるので、作業性を格段に向上させ ることができる。また、波形プレ−トの挿入が容易であることから、その変形を 確実に防止することができるので、ろう付け不良による耐圧強度の低下を確実に 防止することができる。

【００１７】 また、請求項２の熱交換器によれば、請求項１の効果を達成し得るとともに、 チュ−ブ内に設けた隔壁によってチュ−ブ圧潰時のチュ−ブの歪みを防止するこ とができ、更にはチュ−ブの耐圧強度をより一層高めることができるという利点 もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す熱交換器の全体斜視図

【図２】波形プレ−トのチュ−ブへの挿入工程図

【図３】チュ−ブの圧潰工程図

【図４】本考案の他の実施例を示すチュ−ブの圧潰工程
図

【符号の説明】

２…チュ−ブ、２ａ…隔壁、４…波形プレ−ト、６…熱
媒体流路。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 幅方向が厚さ方向よりも長く形成された
   偏平状の熱媒体流通用チュ−ブと、該チュ−ブの内部に
   挿入された波形プレ−トとを備え、該波形プレ−トによ
   ってチュ−ブ内にチュ−ブの幅方向に仕切られた複数の
   熱媒体流路を形成するようにした熱交換器において、 前記チュ−ブの厚さ方向の内形寸法を波形プレ−トの対
   応寸法よりもやや大きく形成し、 該チュ−ブを厚さ方向に圧潰してチュ−ブ内に挿入され
   た波形プレ−トをチュ−ブの内面で挟持するようにした
   ことを特徴とする熱交換器。
2. 【請求項２】 前記チュ−ブの内部にチュ−ブの厚さ方
   向の対向面の一部を支持する少なくとも一つの隔壁を設
   けたことを特徴とする請求項１記載の熱交換器。