JPH0552402U - 動力伝動用ベルト及びその駆動装置 - Google Patents

動力伝動用ベルト及びその駆動装置

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JPH0552402U
JPH0552402U JP11217891U JP11217891U JPH0552402U JP H0552402 U JPH0552402 U JP H0552402U JP 11217891 U JP11217891 U JP 11217891U JP 11217891 U JP11217891 U JP 11217891U JP H0552402 U JPH0552402 U JP H0552402U
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JP
Japan
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belt
rubber layer
inclination angle
power transmission
pulley
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Application number
JP11217891U
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English (en)
Inventor
佳彦 神山
Original Assignee
三ツ星ベルト株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルトとプーリとのグリップ力を高めるとと
もに、たとえプーリと接する面が摩耗してもくさび効果
を発揮させて優れた伝達効率を維持する。 【構成】 低伸度高強力のロープからなる心線3を埋設
したクッションゴム層2と、該クッションゴム層2の上
部に伸張ゴム層5を、その下部に圧縮ゴム層7を配し、
上記圧縮ゴム層7の底部にベルト長手方向に沿って少な
くとも1つのベルト溝部9を設けた動力伝動用ベルト1
において、上記ベルト溝部9の傾斜角Bがベルトの最外
側面の傾斜角Aより大きい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は動力伝動用ベルト及びその駆動装置に係り、詳しくはベルトとプーリ とのグリップ力が良好に維持され、スリップが少なくて優れた伝達力を有する動 力伝動用ベルト及びその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に動力伝動用Vベルトは、低伸度高強力のロープからなる心線がクッショ ンゴム層中に埋設され、その上、下部に伸張ゴム層と短繊維を横方向に配向混入 した圧縮ゴム層が夫々積層され、外周部にゴム付帆布で被覆した構成からなって いる。しかし、上記ベルトの張力が増してくると、プーリとのグリップ力に限度 があるため、スリップが発生しやすくなった。このため、米国特許2,471, 969号明細書に開示されているように、圧縮ゴム層に2つのリブを設け、これ をプーリに係合させるベルト駆動装置が提案された。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、このベルト駆動装置では、ベルト最外側面の傾斜面とベルト溝部の傾 斜面の角度はいずれも同じであり、またくさび効果の原理から、ベルトの最外側 面とベルト溝部には均等に荷重がかかるため、プーリと接する領域の小さいベル ト溝部の面圧は大きくなった。この結果、ベルト溝部の摩耗はベルトの最外側面 より激しくなり、ベルトは幅方向の中央部が最も落ち込んで、くさび効果が充分 に作用しにくくなってスリップが発生し、効率よく動力を伝達することはできな かった。 本考案はこのような問題点を改善するものであり、ベルトとプーリとのグリッ プ力を高めるとともに、たとえプーリと接する面が摩耗してもくさび効果を発揮 させて優れた伝達効率を維持する動力伝動用ベルト及びその駆動装置を提供する ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本考案の特徴とするとろは、低伸度高強力のロープからなる心線を埋設 したクッションゴム層と、該クッションゴム層の上部に伸張ゴム層を、下部に圧 縮ゴム層を配し、上記圧縮ゴム層の底部にその長手方向に沿って少なくとも1つ のベルト溝部を設けた動力伝動用ベルトにおいて、上記ベルト溝部の傾斜角がベ ルトの最外側面の傾斜角より大きい動力伝動用ベルトにあり、ベルト溝部の傾斜 角がベルトの最外側面の傾斜角より4°以上大きい場合も含む。
【0005】 また、低伸度高強力のロープからなる心線を埋設したクッションゴム層と、該 クッションゴム層の上部に伸張ゴム層を、下部に圧縮ゴム層を配し、上記圧縮ゴ ム層の底部にその長手方向に沿って少なくとも1つのベルト溝部を設けた動力伝 動用ベルトと、該動力伝動用ベルトを収容し上記ベルト溝部と嵌合する突出部を 有するプーリとからなる動力伝動用ベルトの駆動装置において、ベルト溝部の傾 斜角がベルトの最外側面の傾斜角より大きい動力伝動用ベルトの駆動装置にある 。 そして、底面より隆起したプーリ突出部の傾斜角がプーリ溝部の傾斜角より大 きい場合も含む。
【0006】
【作用】
このような動力伝動用ベルト及びその駆動装置は、少なくとも1つのベルト溝 部がプーリ突出部で支持されているために、ベルトの変形が少なくなり走行中の 心線両端部の応力集中が低減され、その結果ベルトの典型的な故障現象である心 線の剥離、切断もなく、ベルトの寿命も向上する。しかも、上記ベルト溝部の傾 斜角をベルトの最外側面の傾斜角より大きく、とりわけ4°以上大きくすること で、ベルト溝部の摩擦代が大きくなっても、ベルトがプーリへ均一に落ち込むこ とになる。つまり、ベルト溝部の摩擦代がベルトの最外側面のそれより大きくな っても、ベルトのプーリへの落ち込み量は同一となる。このため、ベルトの転覆 が起こらず、しかもベルトとプーリとのグリップ力が維持されて、充分にくさび 効果を発揮して優れた伝達効率を有する。
【0007】
【実施例】
以下、添付図面を参照し、本考案の実施例を説明する。 図1は本考案に係る動力伝動用ベルトの一部断面斜視図であり、これによると このベルト1の構成は、NR,SBR,CR,H−NBR等のゴム材の単独、ま たはこれらの混合物からなるクッションゴム層2内に低伸度高強力のロープから なる心線3が埋め込まれている。そして、このクッションゴム層2の上部には、 外表面をゴム引き帆布4をもって積層された、前記クッションゴム層2と同材質 からなる伸張ゴム層5が、またクッションゴム層2の下部にはポリアミド、ポリ エステル、ビニロン、綿等の短繊維6をベルト幅方向へ配向した圧縮ゴム層7が 積層一体化されている。
【0008】 そして、この圧縮ゴム層7の底面中央部にはその長手方向に沿って設けた断面 ほぼ三角形のベルト溝部9がある。図1に示すベルトではベルト溝部9は1つで あるが、複数個のベルト溝部9を設けてもよい。この溝部9の深さは心線3まで 至らないものであり、好ましくはベルト底面10から心線3までの高さの10〜 50%である。また、溝部9側面の傾斜角Bはベルトの最外側面12の傾斜角A より4°以上、好ましくは4〜24°大きくなっている。もし、上記傾斜角Bが 傾斜角Aと同等ならば、ベルト幅方向の中心部分がプーリへ最も落ち込むことに なって大きく変形する。 尚、上記ベルトの最外側面12の傾斜角Aは、通常25〜45°であるが、5 0°を越える広角度であってもよい。
【0009】 一方、これと共に使用するプーリ15は、V溝16があってその底面17から 隆起したほぼ断面三角形のプーリ突出部18があり、これはベルト溝部9と嵌合 している。この場合、プーリ突出部18の傾斜角Dもプーリ溝部の傾斜角Cより 4°以上、好ましくは4〜24°大きくなっている。
【0010】 ここにおいて、ベルト1とプーリ15とが係合したとき、ベルトの最外側面1 2とプーリV溝16とが当接し、かつベルト溝部9とプーリ突出部18とが嵌合 するが、ベルト底面10とプーリV溝16間およびベルト溝部の頂部13とプー リ突出部18間には空間19を有し、常にベルト1がくさび効果を発揮するよう になっている。
【0011】 このため、ベルトの最外側面12とベルト溝部9はプーリ面から均一な荷重を 受けるため、プーリ15と接する領域の小さいベルト溝部9の単位面積当たりの 荷重が大きくなり、この結果ベルト溝部9の摩耗量はベルトの最外側面12のそ れより大きくなる。しかし、ベルト溝部9側面の傾斜角Bはベルトの最外側面1 2の傾斜角Aより4°以上大きくなっているため、ベルト1が均一にプーリ15 へ落ち込むことになる。 つまり、図3に示すように、ベルト溝部9側面の摩耗代F’(L’sin0. 5B)はベルトの最外側面12の摩耗代F(Lsin0.5A)より大きくなっ ても、ベルトの落ち込み量L’とLはほぼ同一となる。
【0012】 次に、本考案の効果を確認した実験例を以下に示す。 図2に示すように、ポリエステル繊維のロープからなる心線をクロロプレンゴ ム組成物からなるクッションゴム層に埋設し、その上側に2層のゴム引き帆布を 積層した伸張ゴム層を、他方クッションゴム層の下側には圧縮ゴム層を設け、そ の底部中央部に所定の角度をもったベルト溝部を有するB型のローエッジVベル トを作製した。伸張ゴム層と圧縮ゴム層はともに短繊維を含むクロロプレンゴム 組成物を用いた。
【0013】 前記ベルトの製造法では、モールドに2層のゴム引き帆布を巻き付けた後、伸 張ゴム層、心線、そして圧縮ゴム層を順次巻き付け、これを加熱加圧して加硫ベ ルトスリーブを得、これをグラインダーによって所定の角度をもったベルト溝部 を研磨し、更にカッターによってV状に切断して個々のベルトに作製した。 尚、ベルト溝部の深さはベルト底面から心線までの高さの20%であった。ま た、ベルトの最外側面の傾斜角(A)は36°で、ベルト溝部の傾斜角(B)は 36°、50°であった。 一方、これとともに使用する駆動プーリと従動プーリはいずれもV溝の傾斜角 (C)が36°で、プーリ突出部の傾斜角(D)が36°、50°でベルトの傾 斜角と一致させた。
【0014】 次いで、前記ベルトのディーゼルエンジンアイドリング耐久試験を行なってベ ルトのスリップ率、ベルト外周長の変化量から求めたベルトの磨耗量、ベルト表 面温度、ベルト寿命をそれぞれ測定した。 この試験方法は、クランク軸とオルターネート軸にそれぞれ直径φ140mm の駆動プーリと直径φ80mmの従動プーリに前記ベルトを掛張し、室温下にお いて駆動プーリの回転数700rpm、従動軸負荷として1.3馬力,ベルト初 張力60kgfで走行させた。
【0015】
【表1】
【0016】 この結果、ベルト溝部側面の傾斜角がベルトの最外側面の傾斜角より大きい場 合は、ベルトのスリップ率、ベルトの磨耗量、ベルトの発熱温度が小さく、そし てベルトの耐久性が向上していることが判る。
【0017】
【考案の効果】 以上のように本考案では、ベルトの圧縮ゴム層の底部中央部に長手方向に沿っ て設けたベルト溝部がプーリ突出部で支持されているために、ベルトの変形が少 なくなり走行中の心線両端部の応力集中が低減され、その結果ベルトの典型的な 故障現象である心線の剥離、切断もなく、ベルトの寿命も向上する。しかも、上 記ベルト溝部の傾斜角をベルトの最外側面の傾斜角より大きく、特に4°以上大 きくすることで、ベルト溝部の摩擦代が大きくなっても、ベルトがプーリへ均一 落ち込むことになり、ベルトの転覆が起こらず、しかもベルトとプーリとのグリ ップ力が維持されて、充分にくさび効果を発揮して優れた伝達効率を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る動力伝動用ベルトの一部断面斜視
図である。
【図2】本考案に係る動力伝動用ベルトの駆動装置の断
面図である。
【図3】本考案に係る動力伝動用ベルトの圧縮ゴム層の
摩耗状態を示す圧縮ゴム層の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 動力伝動用ベルト 2 クッションゴム層 3 心線 5 伸張ゴム層 6 短繊維 7 圧縮ゴム層 9 ベルト溝部 15 プーリ 16 V溝 18 プーリ突出部

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低伸度高強力のロープからなる心線を埋
    設したクッションゴム層と、該クッションゴム層の上部
    に伸張ゴム層を、その下部に圧縮ゴム層を配し、上記圧
    縮ゴム層の底部にベルト長手方向に沿って少なくとも1
    つのベルト溝部を設けた動力伝動用ベルトにおいて、上
    記ベルト溝部の傾斜角がベルトの最外側面の傾斜角より
    大きいことを特徴とする動力伝動用ベルト。
  2. 【請求項2】 ベルト溝部の傾斜角がベルトの最外側面
    の傾斜角より4°以上大きい請求項1記載の動力伝動用
    ベルト。
  3. 【請求項3】 低伸度高強力のロープからなる心線を埋
    設したクッションゴム層と、該クッションゴム層の上部
    に伸張ゴム層を、その下部に圧縮ゴム層を配し、上記圧
    縮ゴム層の底部にベルト長手方向に沿って少なくとも1
    つのベルト溝部を設けた動力伝動用ベルトと、該動力伝
    動用ベルトを収容し上記ベルト溝部と嵌合する突出部を
    有するプーリとからなる動力伝動用ベルトの駆動装置に
    おいて、ベルト溝部の傾斜角がベルトの最外側面の傾斜
    角より大きいことを特徴とする動力伝動用ベルトの駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 底面より隆起したプーリ突出部の傾斜角
    がプーリ溝部の傾斜角より大きい請求項3記載の動力伝
    動用ベルトの駆動装置。
  5. 【請求項5】 ベルト溝部の傾斜角がベルトの最外側面
    の傾斜角より4°以上大きい請求項3記載の動力伝動用
    ベルトの駆動装置。
JP11217891U 1991-12-24 1991-12-24 動力伝動用ベルト及びその駆動装置 Pending JPH0552402U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11217034A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Mazda Motor Corp 車両用シート構造

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS585562A (ja) * 1981-07-01 1983-01-12 Bando Chem Ind Ltd 動力伝達装置

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