JPH0552071U - タイル等の化粧材の張付部材及びその張付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラットな下地材に裏面がフラットな化粧材
が簡単に施工でき、しかも施工時の雨水対策も容易なタ
イル等の化粧材の張付部材及びその張付構造を提供する
こと。 【構成】 横長帯状の取付片５２の前面中央部に斜前上
方に延びる上係合片５４を連設し、該上係合片５４の先
に垂下片５５を連設し、該垂下片５５の下縁に斜後上方
に延びる下係合片５６を連設したことを特徴とするタイ
ル等の化粧材の張付部材。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建築用のタイルやタイル状に加工した自然石材の化粧材の張付に用い る張付部材及び前記化粧材の張付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、タイルを壁面に張付する技術としては、例えば特開昭６２−２５８０５ ０号公報に示されるように、タイル係止用係止部の基部上方に挟み込み部を備え ると共に係止部の基部下方に挟持部を有するタイル固定部材を用い、該タイル固 定部材を壁面に固定して前記係止部にタイル下辺を係止し、タイル裏面の陥没溝 において上方のタイル固定部材の挟持部を下方のタイル固定部材の挟み込み部に 挟持させ、上方のタイル固定部材の係止部にタイル上辺を係止する技術が存在す る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の従来技術では、上下のタイル固定部材の挟持部と挟み込 み部を配置さすためにタイル裏面に大きな陥没溝を形成しなければならず、また 雨水が毛細管現象によりタイルのタイル固定部材との係合部に沿って浸入し、陥 没溝に溜って固定部材の挟み込み部をオ−バ−フロ−して壁面に漏水するという 問題があった。 そこで本考案は、フラットな下地材に裏面がフラットな化粧材が簡単に施工で き、しかも施工時の雨水対策も容易なタイル等の化粧材の張付部材及びその張付 構造を提供し、もって上記の従来技術の問題を解決しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案のタイル等の化粧材の張付部材は、横長帯状の取付片の前面 中央部に斜前上方に延びる上係合片を連設し、該上係合片の先に垂下片を連設し 、該垂下片の下縁に斜後上方に延びる下係合片を連設したことを特徴とする第１ の考案と、横長帯状の取付片の上縁前側に上部折返片を連設し、該上部折返片の 下縁に斜前上方に延びる上係合片を連設し、該上係合片の先に垂下片を連設し、 該垂下片の下縁に斜後上方に延びる下係合片を連設したことを特徴とする第２の 考案を包含するものである。 また、本考案のタイル等の化粧材の張付構造は、これら第１又は第２の考案の 張付部材を用い、該張付部材の取付片を下地材に固定し、化粧材の上縁に形成し た突出裏層部の前方下傾の傾斜上面を前記張付部材の下係合片に衝接し、上方の 化粧材の下縁に形成した切欠裏層部の後方下傾の傾斜下面を前記張付部材の上係 合片に衝接したことを特徴とするものである。

【０００５】

【実施例】

次に、本考案の図１乃至図４に示す一実施例について説明すると、張付部材５ １は、金属材又は合成樹脂材を押出成形などにより一体的に形成したものであっ て、主として図３に示すように、横長帯状の取付片５２の前面中央部に斜前上方 に延びる上係合片５４を連設し、上係合片５４の先に垂下片５５を連設し、垂下 片５５の下縁に斜後上方に延びる下係合片５６を連設し、取付片５２の上部には 横方向に適当間隔を置いてビス孔８〜８を設けている。 一方、タイル又はタイル状に加工した天然石材の化粧材１１は、方形板状の材 主体１２の上縁に形成した突出裏層部１３の上面を前方下傾の傾斜上面１４に形 成すると共に材主体１２の表層部１５の上面を前方下傾の斜面に形成し、材主体 １２の下縁に形成した切欠裏層部１６の下面を後方下傾の傾斜下面１７に形成し 、傾斜下面１７と材主体１２裏面とのなすコ−ナ−を面取部１９としている。

【０００６】 そして本例は、図１、図２に示すように、壁面の下地材２１にビス孔８を利用 してビス２２で張付部材の取付片５２を固定して張付部材５１を横方向に張設し 、化粧材１１の切欠裏層部の傾斜下面１７を張付部材の上係合片５４に衝接して 取付片５２に化粧材１１の裏面を当接し、その際必要により化粧材１１と下地材 ２１間の適所に接着材を介在し、上記張付部材５１の上方に配置した張付部材５ １の下係合片５６を化粧材１１の突出裏層部の傾斜上面１４に衝接して取付片５ ２を化粧材１１の裏面に当接し、化粧材の表層部１５の下縁の裏面を下方に隣接 する化粧材の突出裏層部１３の前面に衝接している。また、上下に隣接する化粧 材１１、１１間の横目地２３及び左右に隣接する化粧材１１、１１間の縦目地２ ４にそれぞれ目地材２５を施している。 なお、化粧材１１、１１を横方向に突き合せで施工して縦目地２４に目地材２ ５を施し難い場合には、図４に示すような金属製の短冊状体３２の上端に鉤状の 折曲部３３を設けた縦目地雨水誘導板３１を用い、該縦目地雨水誘導板の折曲部 ３３を前記張付部材の下係合片５６に係合して縦目地雨水誘導板３１を縦目地２ ４に沿って張付部材の取付片５２下部と下方の張付部材５１の取付片５２上部の 前面に亘らせる（図２参照）。

【０００７】 このようにした施工状態にあっては、化粧材１１の重力が張付部材の上係合片 ５４に掛り、このため上係合片５４が取付片５２との境界部分を支点に下動傾向 を生じ、上係合片５４に垂下片５５を介して連設した下係合片５６が下方の化粧 材１１の突出裏層部の傾斜上面１４を絶えず衝圧し、この結果、化粧材１１が前 方への浮動を制止されて不陸を防止される。又、雨水は目地材２５により基本的 に防止されるが、万一、漏れ易い縦目地２４の目地材２５を通過した雨水は、縦 目地雨水誘導板３１に沿って流下し、張付部材の上係合片５４の下部に受け止め られて側方に排出される。

【０００８】 次に、本考案の図５、図６に示す他の実施例について説明すると、張付部材１ は、主として図６に示すように、横長な一枚の金属板を折曲形成したものであっ て、横長帯状の取付片２の上縁前側に逆Ｕ字状に折返した上部折返片３を連設し 、上部折返片３の下縁に斜前上方に延びる上係合片４を連設し、上係合片４の先 に垂下片５を連設し、垂下片５の下縁に斜後上方に延びる下係合片６を連設し、 取付片２の下縁前側にはＵ字状に折返した雨水排水溝用の下部折返片７を連設し 、上部折返片３には横方向に適当間隔を置いて取付片２に通じるビス孔８〜８を 設けている。

【０００９】 そして本例は、図５に示すように、壁面の下地材２１にビス孔８を利用してビ ス２２で張付部材の取付片２を上部折返片３と共に固定して張付部材１を横方向 に張設し、前例と同じ化粧材１１の切欠裏層部の傾斜下面１７を張付部材の上係 合片４に衝接して上部折返片３に化粧材１１の裏面を当接し、その際必要により 化粧材１１と下地材２１間の適所に接着材１８を介在し、上記張付部材１の上方 に配置した張付部材１の下係合片６を化粧材１１の突出裏層部の傾斜上面１４に 衝接して下部折返片７を化粧材１１の裏面に当接し、化粧材の表層部１５の下縁 の裏面を下方に隣接する化粧材の突出裏層部１３の前面に衝接している。また、 上下に隣接する化粧材１１、１１間の横目地２３及び左右に隣接する化粧材１１ 、１１間の縦目地２４にそれぞれ目地材２５を施している。 なお、化粧材１１、１１を横方向に突き合せで施工して縦目地２４に目地材２ ５を施し難い場合には、前例と同じ縦目地雨水誘導板３１を用い、該縦目地雨水 誘導板の折曲部３３を前記張付部材の下係合片６に係合して縦目地雨水誘導板３ １を縦目地２４に沿って張付部材の上部折返片３下方の張付部材１の上部折返片 ３の前面に亘らせる。

【００１０】 このようにした施工状態にあっては、化粧材１１の重力が張付部材の上係合片 ４に掛り、このため上係合片４が上部折返片３との境界部分を支点に下動傾向を 生じ、上係合片４に垂下片５を介して連設した下係合片６が下方の化粧材１１の 突出裏層部の傾斜上面１４を絶えず衝圧し、この結果、化粧材１１が前方への浮 動を制止されて不陸を防止される。又、雨水は目地材２５により基本的に防止さ れるが、万一、漏れ易い縦目地２４の目地材２５を通過した雨水は、縦目地雨水 誘導板３１に沿って流下し、張付部材の上係合片４の下部に受け止められて側方 に排出される。

【００１１】 次に図７に示す別の実施例は、化粧材４１の表層部４２の上縁を化粧材４１の 表面に対し垂直状として上下の化粧材４１、４１間の横目地４３を糸目地とした 外は上例同様である。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案においては、張付部材の上係合片及び下係合片に よって裏面がフラットな化粧材を容易に施工でき、上係合片に掛る化粧材の荷重 を下方の化粧材に対する下係合片の衝圧力に変換するため化粧材の前方への浮き 出しが防止でき、上係合片で雨水の排水を行えるので雨水対策も容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の左側断面図である。

【図２】同上例の正面図である。

【図３】同上例に用いた張付部材の一部分の拡大した斜
面図である。

【図４】同上例に用いた縦目地雨水誘導板の拡大した斜
面図である。

【図５】他の実施例の左側断面図である。

【図６】同上例に用いた張付部材の一部分の拡大した斜
面図である。

【図７】別の他の実施例の左側断面図である。

【符号の説明】

１ 張付部材 ２ 取付片 ３ 上部折返片 ４ 上係合片 ５ 垂下片 ６ 下係合片 １１ 化粧材 １３ 突出裏層部 １４ 傾斜上面 １６ 切欠裏層部 １７ 傾斜下面 ２１ 下地材 ５１ 張付部材 ５２ 取付片 ５４ 上係合片 ５５ 垂下片 ５６ 下係合片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 横長帯状の取付片の前面中央部に斜前上
   方に延びる上係合片を連設し、該上係合片の先に垂下片
   を連設し、該垂下片の下縁に斜後上方に延びる下係合片
   を連設したことを特徴とするタイル等の化粧材の張付部
   材。
2. 【請求項２】 横長帯状の取付片の上縁前側に上部折返
   片を連設し、該上部折返片の下縁に斜前上方に延びる上
   係合片を連設し、該上係合片の先に垂下片を連設し、該
   垂下片の下縁に斜後上方に延びる下係合片を連設したこ
   とを特徴とするタイル等の化粧材の張付部材。
3. 【請求項３】請求項１又は２記載の張付部材を用い、該
   張付部材の取付片を下地材に固定し、化粧材の上縁に形
   成した突出裏層部の前方下傾の傾斜上面を前記張付部材
   の下係合片に衝接し、上方の化粧材の下縁に形成した切
   欠裏層部の後方下傾の傾斜下面を前記張付部材の上係合
   片に衝接したことを特徴とするタイル等の化粧材の張付
   構造。