JPH0552059A - 構造物の振動制御装置 - Google Patents

構造物の振動制御装置

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JPH0552059A
JPH0552059A JP21176391A JP21176391A JPH0552059A JP H0552059 A JPH0552059 A JP H0552059A JP 21176391 A JP21176391 A JP 21176391A JP 21176391 A JP21176391 A JP 21176391A JP H0552059 A JPH0552059 A JP H0552059A
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JP
Japan
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vibration
mass body
additional mass
control device
vibration control
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JP21176391A
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English (en)
Inventor
Katsuyasu Sasaki
勝康 佐々木
Mitsuo Sakamoto
光雄 坂本
Norihide Kojika
紀英 小鹿
Isao Nishimura
功 西村
Satoru Orui
哲 大類
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな制御力、付加質量体で、大きな制御効
果を発揮する振動制御装置を提供する。 【構成】 構造物の大梁1間に渡した梁2に対して所定
質量の付加質量体11を吊り支持し、構造物の固有周期
と同調する振り子を形成する。吊材12は梁2に固定し
た滑車14と付加質量体11側に固定した滑車15間に
掛け渡した複数のワイヤーであり、付加質量体11側の
滑車15の固定部16の選択により吊り長さLの粗調整
を行なう。また、吊材12の中間にはターンバックル1
7を設け、吊り長さLの微調整を行う。地震等により構
造物が振動するとき、付加質量体11に構造物の応答に
応じた制御力を与えることにより、構造物の振動を抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制御力を加えることによ
り地震や風等の振動外力による構造物の応答を低減する
能動型振動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】受動型の振動制御装置としては、ダイナ
ミックダンパー(以下、DDという)があり、構造物に
適用したものとしては、例えば特開昭63−76932
号公報や特開昭63−114773号公報に記載された
もの等がある。
【0003】図14は構造物に適用されるDDの振動モ
デルを示したものであり、図中、m1 は主振動系を構成
する構造物の質量、md は吸振系を構成する付加質量体
の質量である。また、k1 は構造物本体のバネ定数であ
り、質量m1 の構造物本体と質量md の付加質量体と
が、バネ定数kd のバネと、減衰係数cd のダンパーで
連結されている。x1 は構造物の変位、xd は重りの変
位を表す。
【0004】主振動系の固有角振動数は、 ω1 =(k1 /m1 1/2 で与えられる。
【0005】DDにおいて、吸振系の質量md は主振動
系の質量m1 との比が、 μ=md /m1 ≧0.01 程度となるよう設計されている。
【0006】このとき、吸振系の固有角振動数は、 ωd =(1/1+μ)ω1 となり、減衰係数cd 及び減衰定数hd は、 cd =2md ωd d d =〔3μ/8(1+μ)〕1/2 と表現される。
【0007】また、能動型の振動制御装置としては、例
えば特開平1−275866〜69号公報に記載された
もの〔以下、AMD(アクティブ・マス・ドライバーの
略)という〕等がある。
【0008】図15はAMDの振動モデルを示したもの
であり、質量m1 の構造物本体と、質量md の付加質量
体との間に、アクチュエーターの油圧力あるいは電磁力
等による制御力u(t) を加え、構造物の振動を能動的に
抑制する。
【0009】AMDにおいては構造物本体と振動制御装
置を構成する付加質量体との間のバネを柔らかい状態、
例えば、 ωd ≦(1/2)ω1 とし、制御力u(t) を次式のような形で与える。
【0010】 u(t) =G1 (dx1 /dt)+G2 (dxd /dt) ここで、G1 は構造物の応答速度に対するAGC回路等
を含む回路のゲインであり、大入力から小入力までの対
応を図ったものである。また、上式の第2項は付加質量
体側の振動速度にゲインG2 (負符号)をかけたものを
制御力に加えることにより、付加質量体側にも減衰性を
与え、安定化を図ったものである。
【0011】この他、上記AMDに対し、図16の振動
モデルで示すようにアクチュエーターによる制御力と並
列にバネ定数kd のバネを付加し、AMDに比べ少ない
制御力でAMDと同程度の振動制御効果を得ようとする
もの〔以下、HMD(ハイブリッド・マス・ダンパーの
略)という〕が研究されている。
【0012】HMDの場合には、バネ定数kd を付加質
量体の振動が構造物の振動と同調するよう、すなわち、 ωd =ω1 となるよう設定し、制御力u(t) を例えば次式の形で与
える。
【0013】 u(t) =G1 (dx1 /dt)+G2 (dxd /dt) +G3 (x1 −xd ) ここで、G3 は負の符号を持つゲインであり、上式の第
3項により振動時に付加質量体に作用する慣性力の一部
をキャンセルし、少ない制御力で付加質量体を振動させ
られるようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の振動制
御装置において、DDは装置に対するエネルギーの供給
が不要であるという利点があるが、振動制御効果が構造
物と付加質量体の質量比によって決まってしまう。従っ
て、大きな質量の付加質量体を必要とし、十分な振動制
御効果を期待し難い。
【0015】AMDはDDに比べ小さな質量の付加質量
体を用いて、大きな制御効果が期待できる。しかし、エ
ネルギーの供給が必要であり、そのための設備、装置の
他、振動時の構造物や付加質量体の応答に応じて所定の
制御力を加えるための制御回路の設計、装置の安定性の
確保、誤作動防止策等が必要となる。
【0016】HMDは前述したようにAMDに比べ制御
力を小さくできる利点があるが、付加質量体の振動を構
造物の振動に同調させる(ωd =ω1 とする)のに手間
がかかる。また、実際に構築された構造物の固有周期は
必ずしも設計時の固有周期と一致せず(実際の固有周期
の方が短い場合が多い)、最適な制御効果が得られない
場合がある。また、少ないエネルギーで最適な振動制御
効果を得るためには、アクチュエーターが正確作動する
こと、減衰量が正確であること、装置のメンテナンスが
容易であること等が要求される。
【0017】本発明は従来の振動制御装置における問題
点の解決を図ったもので、HMDを基本とする振動制御
装置について、調整が容易で、かつ小さな供給エネルギ
ーで構造物の振動を効果的に抑制できる信頼性及び安全
性の高い振動制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の振動制御装置は
上述したHMDの基本構成における付加質量体を、構造
物に対して吊り支持することにより振り子を形成し、こ
の振り子の吊り長さLを構造物の実際の固有周期に合わ
せて調整できるようにしたものである。
【0019】すなわち、設計において構造物の固有周期
に応じて決定された吊り長さLについて、構造物の完成
後に実際の固有周期を求め、これに応じて吊り長さLを
調整することにより、精度の高いHMDが形成され、大
きな振動制御効果を得ることができる。
【0020】付加質量体の吊り支持の方法としては、例
えば構造物内または構造物上のフレームあるいは梁等に
設けた滑車と付加質量体側に設けた滑車との間に掛けた
ワイヤー等の吊材で吊る方法等が考えられる。その場
合、付加質量体と付加質量体側の滑車の位置関係を調整
したり、吊材にターンバックル等を介在させて吊材自体
の長さを調整したり、あるいは両者を併用する等して吊
り長さLを調整することができる。なお、吊材はワイヤ
ーに限定されず、他の鋼材等を用いることも可能であ
り、吊材自体の長さを可変としたり、あるいは支点を可
変とする等して、吊り長さLを調整できるようにする。
【0021】減衰性に関しては、従来、制御力u(t) の
中で構造物と付加質量体の相対速度に応じた振動成分を
加えることが検討されているが、付加質量体に対し磁気
ダンパー等の減衰装置を働かせることにより、減衰量の
安定化を図ることができる。もちろん、減衰装置と、制
御力u(t) の両面から減衰性を与えることも可能であ
り、それにより安定性及び効率を高めることができる。
なお、減衰装置は磁気ダンパーに限られないが、磁気ダ
ンパーの場合、メンテナンスフリーとなる利点がある。
【0022】また、アクチュエーターに関して、従来の
AMDでは油圧シリンダー等を用いたものが実用化され
ているが、ACサーボモーターを用いたラック、ピニオ
ン形式のアクチュエーターを用いれば、地震等の振動外
力が作用したときに瞬時に起動する効率の良い振動制御
装置が可能となる。
【0023】
【実施例】次に、図示した実施例について説明する。
【0024】図1〜図7は本発明の一実施例における振
動制御装置の構造を示したものである。
【0025】本実施例の振動制御装置10は例えば構造
物としての建物の最上階等に設置され、大梁1間に渡し
た梁2に対し、所定質量md の付加質量体11を吊り支
持し、構造物の固有周期と同調する振り子を形成してい
る。例えば、1次固有周期が3.5秒程度の構造物を考
えた場合、これと同調する振り子を形成する付加質量体
11の吊り長さLは約3mとなる。
【0026】本実施例における付加質量体11は2つの
鋼材の塊11aを図に示すように上下のつなぎ板11
b,11cで連結したもので、下つなぎ板11c上にA
Cサーボモーター13a及びベース3側に固定したラッ
ク13bに噛み合うピニオン13cを設置し、加力位置
が付加質量体11全体の重心を通るようにしている。こ
れにより、振動制御装置10のコンパクト化が図られて
いる。
【0027】吊材12は梁2に固定した滑車14と付加
質量体11側に固定した滑車15間に掛け渡した複数の
ワイヤーであり、付加質量体11側の滑車15は図1に
示すように所定間隔aを置いた複数の吊材固定部16を
有し、この固定部16の選択により吊り長さLの粗調整
を行なう。また、吊材12の中間にはターンバックル1
7が設けられており、固定部16の選択で粗調整した
後、ターンバックル17を回すことにより吊り長さLの
微調整を行うことができる。
【0028】アクチュエーター13を構成するラック1
3b及びピニオン13cは図2〜図4に示すようにラッ
ク13bの両側面に歯が設けられており、一対のピニオ
ン13cが両側から挟み込むようにしてラック13bと
噛み合っている。それぞれのピニオン13cに対しては
ACサーボモーター13aが設けられており、2つのA
Cサーボモーター13aを同期させて作動し、ラック1
3b側に反力をとって付加質量体11に制御力を加える
構成となっている。ピニオン13cをラック13bの両
側に設けたことで、制御力に関する偏心がなく、回転運
動を生ずることなく、水平方向の制御力を発生させるこ
とができる。また、ACサーボモーター13aを用いて
いるため、瞬時の起動が可能であり、制御における時間
遅れを少なくすることができる。
【0029】図2及び図5中、4はガイドブロックであ
り、付加質量体11に回転が生じないように案内する機
能を有している。なお、付加質量体11を案内する面に
はフッ素樹脂を用いて、接触した場合でも摩擦力等で制
御精度の低下が生じるのを防止している。
【0030】図6は付加質量体11の下方に位置するベ
ース3を示したもので、付加質量体11の振動方向中央
部の2箇所に緩衝装置5を設け、制御の異状その他で付
加質量体11の振動が過大になった場合には、付加質量
体11に設けられた下向きの突出部11dが緩衝装置5
と衝突し、過大な振動を抑制できるようになっている。
なお、本発明の振動制御装置10は制御力u(t) が作用
しない場合には、DDとして機能させることができ、そ
の場合にも緩衝装置5が過大な振幅を抑える効果を有す
る。
【0031】また、本実施例では振動制御装置10に安
定的な減衰性を与えるために、ベース3位置に磁気ダン
パー6を設けており、図7に示すように付加質量体11
の下端に取り付けた複数の鋼板11eが、磁気ダンパー
6の溝内を通過する際、減衰力を受ける構造となってい
る。
【0032】図8及び図9は本発明の他の実施例を示し
たもので、振動制御装置10としての基本的な構成は図
1〜図7の場合と同様である。本実施例では吊り長さL
を調整する手段として、梁側に固定した滑車15と付加
質量体側に固定した滑車15間に吊材12としてワイヤ
ーを掛け、さらに中間にも上下方向に移動可能な滑車1
5aを設け、中間の滑車15aに対し吊材12を両側か
ら拘束するようにして、吊り長さLを調整する装置を用
いている。また、本実施例ではガイドブロック4が付加
質量体11の外側に設置され、またACサーボモーター
13a、磁気ダンパー6の配置等も異なっている。
【0033】図17は上記実施例における振動制御装置
を振動モデルとして表したものであり、図16のHMD
に対し、減衰係数cd のダンパーが加わった形となる。
【0034】図中、m1 は主振動系を構成する構造物の
質量、md は付加質量体の質量である。また、k1 は構
造物本体に対するバネ定数、kd は振り子をバネに置き
換えて表現したときのバネ定数(=md L/g)、u
(t) は制御力、x1 は構造物の変位、xd は付加質量体
の変位を表す。
【0035】振動制御装置の付加質量体の動きを制御す
るための制御力は、一般的なHMDと同様、次式によっ
て規定することができる。
【0036】 u(t) =G1 (dx1 /dt)+G2 (dxd /dt) +G3 (x1 −xd ) ……(1) ここで、上記(1) 式の第1項におけるゲインG1 は主振
動系を構成する構造物の応答速度が小さい場合にも、速
度を増幅した形で制御力を与える機能を有し、これによ
り振動制御効果を上げることができる。
【0037】上記(1) 式の第2項は作用、反作用の関係
を利用して付加質量体に対しても減衰性を与えるための
項であり、これにより付加質量体の振動の安定化を図る
ことができる。なお、上記実施例では磁気ダンパーによ
っても減衰力を与えており、磁気ダンパーがない場合に
比べてG2 の値を小さく設定した状態で、効果的な制御
を行うことができる。
【0038】また、HMDとして付加質量体の周期(ま
たは角振動数ωd )を構造物の固有周期(または固有角
振動数ω1 )と同調させているため、バネ力(バネ定数
d )が制御に必要なほとんどの力を吸収し、制御に必
要な力が小さくなる。
【0039】すなわち、付加質量体には制御力〔u(t)
〕、慣性力〔md ( dxd /dt)2 〕及びバネ力〔k
d (xd −x1 )〕が働いており、次の関係がある。
【0040】〔制御力〕+〔慣性力〕+〔バネ力〕=0 上式で、慣性力とバネ力はほぼキャンセルし合うので、
制御力は極めて小さくなる。
【0041】その際、上記(1) 式の第3項のゲインG3
(負の値で、例えば−kd ×0.9または−kd ×0.
8程度の値を選択する)によって生じる同調角振動数ω
d ’(=〔(kd +G3 )/md 1/2 )を、付加質量
体の角振動数ωd の1/2以下とする。
【0042】この結果、入力として用いられる構造物の
応答速度の周期成分の他に、これより長周期の周期成分
に対し同調が生じることになり、制御力を少なくするた
めにはゲインG1 に適度なフィルターをかける必要があ
る。
【0043】従来のHMDの制御で検討されているフィ
ルターはハイパスフィルター等であるが、通常のハイパ
スフィルターは大きな位相ずれを伴っているので、カッ
トオフ振動数をかなり離さなければならず、十分な効果
が得られていないのが実情であり、位相ずれのない急峻
な特性を持つフィルターの工夫が必要となる。
【0044】図13は本発明の振動制御装置の実施例に
おける制御回路図を示したもので、図の上段のブロック
が上記(1) 式の第1項に対応する。
【0045】入力は地震や風等による構造物の応答速度
であり、振動制御装置を設置した位置における建物速度
センサーと、構造物設置地盤の応答速度を検出する地動
センサーの検出値の差を地盤面に対する相対的な応答速
度として入力する。これをフィルター回路21、AGC
回路22及び出力制限回路23を含む回路で増幅する。
【0046】フィルター回路21は目的の振動数付近で
位相のずれがなく、かつ鋭敏な特性を持つもので、その
伝達特性は次式のラプラス関数で与えられる。
【0047】 H(s)=(s2 +2Gζn ωn s+ωn 2 ) /(s2 +2ζn ωn s+ωn 2 ) ……(2) これにより、目的角振動数(構造物の1次角振動数に相
当)ωn で、ゲインG倍(例えば20倍前後の値とす
る)の出力が得られ、かつこの角振動数で位相ずれはな
い。ζn は減衰定数であり、例えば0.2〜0.5(2
0%〜50%)といった値をとる。高振動数域及び低振
動数域でも同様に位相ずれを生じることはなく、目的角
振動数の前後で位相ずれを生じるのみである。このフィ
ルターを用いることにより、上述の制御方式に必要な制
御変位及び制御力が著しく低減される。
【0048】AGC回路22は、通常、オーディオ回路
等に用いられているものであるが、この回路の採用によ
り、大入力から小入力までの振動を扱うことができ、振
動制御効果を増すことができる。
【0049】ただし、AGC回路22はある程度の時間
遅れを伴って増幅率を変化させるので、出力制限回路2
3により出力を制限し、特に振動初期等において過大な
出力信号が出ないようにした。
【0050】図13中、左寄り2段目及び3段目のブロ
ックはそれぞれ上記(1) 式の第2項及び第3項に対応
し、振動制御装置に設けた速度センサー及び変位センサ
ーからの値を入力し、図中AMP1、AMP2で示す増
幅回路24,25でゲインG2 及びG3 に相当する増幅
を行い、加算器26,27でこれらの信号を合成して、
制御力u(t) を出力する。
【0051】図10〜図12は本発明の振動制御装置を
2台用いて、直交するx,y両水平方向の振動と、回転
(ねじれ)振動を同時に制御するための振動制御装置の
配置例を示したものである。
【0052】すなわち、図10中、HMD1と表した振
動制御装置と、HMD2と表した振動制御装置を構造物
の断面中心から離れた端部よりに、装置の軸方向を直交
させて配置し、地震等の振動外力に対する構造物の応答
に応じて、これら2台の振動制御装置を同時に制御する
ことで、回転を含めた構造物の応答低減を図っている。
【0053】図11はこの制御の原理を示したもので、
振動制御装置を断面中心から離して設置したことで、H
MD1でx方向の振動と回転振動を同時に制御すること
ができる(図11(a) 参照)。同様に、HMD2がy方
向の振動と回転振動を同時に制御する(図11(b) 参
照)。また、これらの制御を適切に組み合わせることに
より、図11(c) に示すように回転成分を含まない水平
方向(xy方向)のみの制御も可能となる。
【0054】図12は2台の振動制御装置の制御機構を
示したもので、それぞれの制御は基本的には前述した図
13に示す形の制御回路を用いて行われる。
【0055】
【発明の効果】 振り子を形成するHMDの付加質量
体の吊り長さが可変であるため、装置設置後において
も、実際の構造物の固有周期に応じて吊り長さを調整す
ることで、小さな供給エネルギーで大きな振動抑制効果
が得られるというHMDの利点を最大限に発揮させるこ
とができる。
【0056】 上記と同様の理由で、付加質量体の
質量も小さくすることができ、振動制御装置の小型化が
図れる。
【0057】 減衰力を与えるための磁気ダンパー等
の減衰装置を組み込むことで、正確な減衰量を確保する
ことができる。
【0058】 付加質量体と吊材とからなる振り子の
振動周期を構造物の固有周期と同調させているため、ア
クチュエーターが作動しない状態においても受動型の振
動制御装置を構成し、DDとしての振動制御効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動制御装置の一実施例における正面
図である。
【図2】図1に対応する側面図である。
【図3】振動状態を示す鉛直断面図である。
【図4】アクチュエーター部分の機構を示す平面図であ
る。
【図5】ガイド機構等の配置を示す側面図である。
【図6】ベース側の機構を示したもので、(a) は平面
図、(b) は鉛直断面図である。
【図7】磁気ダンパーの配置を示す鉛直断面図である。
【図8】他の実施例を示す平面図である。
【図9】図8に対応する正面図である。
【図10】2台の振動制御装置の配置例を示したもの
で、(a) は平面図、(b) は正面図である。
【図11】(a) 〜(c) は2台の振動制御装置を用いた制
御方法を説明するための図である。
【図12】2台の振動制御装置による制御機構の説明図
である。
【図13】振動制御装置の回路図である。
【図14】比較例としての従来のDDの振動モデル図で
ある。
【図15】比較例としての従来のAMDの振動モデル図
である。
【図16】HMDの振動モデル図である。
【図17】減衰装置を付加したHMDの振動モデル図で
ある。
【符号の説明】
1…大梁、2…梁、3…ベース、4…ガイドブロック、
5…緩衝装置、6…磁気ダンパー、10…振動制御装
置、11…付加質量体、12…吊材、13…アクチュエ
ーター、14…滑車、15…滑車、16…吊材固定部、
17…ターンバックル、21…フィルター回路、22…
AGC回路、23…出力制限回路、24,25…増幅回
路、26,27…加算器
フロントページの続き (72)発明者 西村 功 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 大類 哲 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物内または構造物上の所定位置に設
    置される所定質量md の付加質量体と、構造物に対し前
    記付加質量体を吊り支持し、吊り長さLの振り子を形成
    する吊材と、前記構造物と前記付加質量体との間に制御
    力u(t) を作用させるアクチュエーターと、前記振り子
    の周期が前記構造物の固有周期と同調するよう前記吊り
    長さLを調整する吊り長さ調整手段とからなることを特
    徴とする構造物の振動制御装置。
  2. 【請求項2】 構造物内または構造物上の所定位置に設
    置される所定質量md の付加質量体と、構造物に対し前
    記付加質量体を吊り支持し、吊り長さLの振り子を形成
    する吊材と、前記構造物と前記付加質量体との間に制御
    力u(t) を作用させるアクチュエーターと、前記構造物
    と前記付加質量体との間に前記アクチュエーターと並列
    に設けた所定の減衰係数cd を有する減衰装置と、前記
    振り子の周期が前記構造物の固有周期と同調するよう前
    記吊り長さLを調整する吊り長さ調整手段とからなるこ
    とを特徴とする構造物の振動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記減衰装置は磁気ダンパーである請求
    項2記載の構造物の振動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記吊り長さ調整手段は前記付加質量体
    の上下方向に所定間隔をおいて選択可能に複数設けた吊
    材下端の支点となる吊材固定部と、前記吊材の中間に設
    けた微調整用のターンバックルとからなる請求項1、2
    または3記載の構造物の振動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエーターは前記付加質量体
    の振動方向に配され両側面に歯を設けたラックと、前記
    ラックを両側面から挟み込み該ラックの歯と噛み合う一
    対のピニオンと、前記ピニオンを回転駆動させるための
    ACサーボモーターとからなる請求項1、2、3または
    4記載の構造物の振動制御装置。
JP21176391A 1991-08-23 1991-08-23 構造物の振動制御装置 Pending JPH0552059A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5869047A (ja) * 1981-10-22 1983-04-25 株式会社クラレ シート状物およびその製造方法
JPS6185237A (ja) * 1984-10-03 1986-04-30 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車におけるヘッドランプの照射調整装置
JPH02289770A (ja) * 1989-02-13 1990-11-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 制振装置
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