JPH0551597A - 共沸溶剤組成物 - Google Patents
共沸溶剤組成物Info
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- JPH0551597A JPH0551597A JP21389691A JP21389691A JPH0551597A JP H0551597 A JPH0551597 A JP H0551597A JP 21389691 A JP21389691 A JP 21389691A JP 21389691 A JP21389691 A JP 21389691A JP H0551597 A JPH0551597 A JP H0551597A
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- Japan
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- azeotropic
- octafluorobutane
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- solvent composition
- azeotropic solvent
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 トリクロロフルオロエタン(CFC−11
3)に代替し得るとともに、オゾン層を破壊しない共沸
溶剤組成物を提供する。 【構成】 1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタンと炭素数1〜2
のアルコールとからなる共沸溶剤組成物。
3)に代替し得るとともに、オゾン層を破壊しない共沸
溶剤組成物を提供する。 【構成】 1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタンと炭素数1〜2
のアルコールとからなる共沸溶剤組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−ジヒドロ−
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ンと炭素数1〜2のアルコールとからなる共沸溶剤組成
物に関する。本明細書において、“%”および“部”と
あるのは、それぞれ“重量%”および“重量部”を意味
するものとする。
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ンと炭素数1〜2のアルコールとからなる共沸溶剤組成
物に関する。本明細書において、“%”および“部”と
あるのは、それぞれ“重量%”および“重量部”を意味
するものとする。
【0002】
【従来の技術】クロロフルオロエタン系化合物であるト
リクロロフルオロエタン(以下CFC−113という)
は、(イ)不燃性である、(ロ)生体毒性が低い、プラ
スチックス、ゴムなどの高分子物質を侵すことなく、油
脂、グリース、ワックスなどを溶解するという選択的溶
解性に優れている、などの優れた特性を有しているの
で、従来から単独で或いは他の有機溶媒との混合物乃至
共沸組成物の形態で溶剤、洗浄剤などとして広く使用さ
れている。
リクロロフルオロエタン(以下CFC−113という)
は、(イ)不燃性である、(ロ)生体毒性が低い、プラ
スチックス、ゴムなどの高分子物質を侵すことなく、油
脂、グリース、ワックスなどを溶解するという選択的溶
解性に優れている、などの優れた特性を有しているの
で、従来から単独で或いは他の有機溶媒との混合物乃至
共沸組成物の形態で溶剤、洗浄剤などとして広く使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、CFC−113
などの炭化水素中の水素が全て塩素およびフッ素で置換
されたクロロフルオロカーボン系化合物(以下パーハロ
カーボンという)が、地球を取り巻くオゾン層を破壊す
るという地球規模での環境汚染が問題となっており、パ
ーハロカーボンの使用量を漸次低減し、やがては全廃す
ることが緊急の課題となっている。しかしながら、単独
或いは他の有機溶媒との共沸混合物として使用されてい
るCFC−113に代替し得るとともに、オゾン層を破
壊しない有用な材料は未だ見出されていない。また、単
独での使用に対し、その用途、目的などに応じて他の有
機溶剤を混合して各種の機能を付与した混合溶剤は不可
欠のものであるが、この様な混合溶剤を使用するために
は、使用時の液管理が容易で、液を回収・再使用し得る
ことが重要であり、さらに蒸気洗浄も可能であることが
好ましい。この様な要件を満足する混合溶剤は、共沸状
態の混合物であることが必要である。しかしながら、現
実には、この様な組成物を見出すことは、甚だ困難であ
り、この様な共沸混合物も完成されていない。
などの炭化水素中の水素が全て塩素およびフッ素で置換
されたクロロフルオロカーボン系化合物(以下パーハロ
カーボンという)が、地球を取り巻くオゾン層を破壊す
るという地球規模での環境汚染が問題となっており、パ
ーハロカーボンの使用量を漸次低減し、やがては全廃す
ることが緊急の課題となっている。しかしながら、単独
或いは他の有機溶媒との共沸混合物として使用されてい
るCFC−113に代替し得るとともに、オゾン層を破
壊しない有用な材料は未だ見出されていない。また、単
独での使用に対し、その用途、目的などに応じて他の有
機溶剤を混合して各種の機能を付与した混合溶剤は不可
欠のものであるが、この様な混合溶剤を使用するために
は、使用時の液管理が容易で、液を回収・再使用し得る
ことが重要であり、さらに蒸気洗浄も可能であることが
好ましい。この様な要件を満足する混合溶剤は、共沸状
態の混合物であることが必要である。しかしながら、現
実には、この様な組成物を見出すことは、甚だ困難であ
り、この様な共沸混合物も完成されていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に鑑みて鋭意研究を進めた結果、1,4−ジ
ヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフル
オロブタンと炭素数1〜2のアルコールとからなる組成
物が、上記の要件をほぼ充足することを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の共沸
溶剤組成物を提供するものである:「1,4−ジヒドロ
−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブ
タンと炭素数1〜2のアルコールとからなる共沸溶剤組
成物。」
技術の現状に鑑みて鋭意研究を進めた結果、1,4−ジ
ヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフル
オロブタンと炭素数1〜2のアルコールとからなる組成
物が、上記の要件をほぼ充足することを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の共沸
溶剤組成物を提供するものである:「1,4−ジヒドロ
−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブ
タンと炭素数1〜2のアルコールとからなる共沸溶剤組
成物。」
【0005】本発明においては、1,4−ジヒドロ−
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ンに炭素数1〜2のアルコールを特定の割合で配合す
る。すなわち、組成物100部中において、1,4−ジ
ヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフル
オロブタン96.7〜98.9部に対し、メタノールお
よび/またはエタノール3.3〜1.1部の割合となる
ように両成分を配合する。本発明による組成物は、さら
に詳しくは、1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,
3,4,4−オクタフルオロブタン96.7%とメチル
アルコール3.3%とからなる共沸点39.0℃の共沸
溶剤組成物および1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタン98.9%とエ
チルアルコール1.1%とからなる共沸点43.3℃の
共沸溶剤組成物である。
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ンに炭素数1〜2のアルコールを特定の割合で配合す
る。すなわち、組成物100部中において、1,4−ジ
ヒドロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフル
オロブタン96.7〜98.9部に対し、メタノールお
よび/またはエタノール3.3〜1.1部の割合となる
ように両成分を配合する。本発明による組成物は、さら
に詳しくは、1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,3,
3,4,4−オクタフルオロブタン96.7%とメチル
アルコール3.3%とからなる共沸点39.0℃の共沸
溶剤組成物および1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタン98.9%とエ
チルアルコール1.1%とからなる共沸点43.3℃の
共沸溶剤組成物である。
【0006】本発明による組成物は、CFC−113系
混合物に比して高い安定性を示すが、必要ならば、安定
剤を添加しても良い。安定剤としては、蒸留操作により
同伴留出されるもの或いは共沸混合物を形成するものが
望ましい。この様な安定剤の具体例としては、ニトロメ
タン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼ
ン、ニトロスチレンなどのニトロ化合物;3−メチル−
1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−
3−オールなどのアセチレンアルコール類;グリシドー
ル、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、1,2−ブチレン
オキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリ
ンなどのエポキシド類;ジメトキシメタン、1,2−ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3,5−ト
リオキサンなどのエーテル類;ヘキセン、ヘプテン、オ
クテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ペン
タジエン、オクタジエン、シクロヘキセン、シクロペン
テンなどの不飽和炭化水素類;アリルアルコール、1−
ブテン−3−オール、3−メチル−1−ブテン−3−オ
ールなどのオレフィン系アルコール類;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸ビニルなどのアクリル酸エステル類などが挙げられ、
これらは単独で使用しても良く或いは2種以上を併用し
ても良い。これらの中では、ニトロメタンが最も好まし
い。さらに、上記の安定剤と下記の様な安定剤とを併用
することにより、相乗的により一層改善された安定化効
果が達成される。この様な安定剤としては、フェノー
ル、トリメチルフェノール、チモール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシア
ニソール、イソオイゲノールなどのフェノール類;ジプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブテチル
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジ
ン、N−エチルモルホリン、2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、N,N´−ジアリル−p−フェニレン
ジアミンなどのアミン類;ベンゾトリアゾール、2−
(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、クロロベンゾトリアゾールなどのトリアゾ
ール類などが挙げられる。安定剤の使用量は、安定剤の
種類などにより異なるが、共沸に支障のない程度とす
る。使用量は、通常本発明組成物重量の0.1〜10%
程度であり、0.5〜5%程度とすることがより好まし
い。ニトロメタンを使用する場合には、0.1〜1%程
度とすることが好ましい。
混合物に比して高い安定性を示すが、必要ならば、安定
剤を添加しても良い。安定剤としては、蒸留操作により
同伴留出されるもの或いは共沸混合物を形成するものが
望ましい。この様な安定剤の具体例としては、ニトロメ
タン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼ
ン、ニトロスチレンなどのニトロ化合物;3−メチル−
1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−
3−オールなどのアセチレンアルコール類;グリシドー
ル、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、1,2−ブチレン
オキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロルヒドリ
ンなどのエポキシド類;ジメトキシメタン、1,2−ジ
メトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3,5−ト
リオキサンなどのエーテル類;ヘキセン、ヘプテン、オ
クテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、ペン
タジエン、オクタジエン、シクロヘキセン、シクロペン
テンなどの不飽和炭化水素類;アリルアルコール、1−
ブテン−3−オール、3−メチル−1−ブテン−3−オ
ールなどのオレフィン系アルコール類;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸ビニルなどのアクリル酸エステル類などが挙げられ、
これらは単独で使用しても良く或いは2種以上を併用し
ても良い。これらの中では、ニトロメタンが最も好まし
い。さらに、上記の安定剤と下記の様な安定剤とを併用
することにより、相乗的により一層改善された安定化効
果が達成される。この様な安定剤としては、フェノー
ル、トリメチルフェノール、チモール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシア
ニソール、イソオイゲノールなどのフェノール類;ジプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブテチル
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジ
ン、N−エチルモルホリン、2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、N,N´−ジアリル−p−フェニレン
ジアミンなどのアミン類;ベンゾトリアゾール、2−
(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、クロロベンゾトリアゾールなどのトリアゾ
ール類などが挙げられる。安定剤の使用量は、安定剤の
種類などにより異なるが、共沸に支障のない程度とす
る。使用量は、通常本発明組成物重量の0.1〜10%
程度であり、0.5〜5%程度とすることがより好まし
い。ニトロメタンを使用する場合には、0.1〜1%程
度とすることが好ましい。
【0007】また、本発明組成物には、洗浄力、界面作
用などを改善するために、必要に応じて、各種の界面活
性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ソ
ルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートな
どのソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン
のソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモ
ノラウレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル類;ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンオ
レイルアミン、ポリオキシエチレンオレイン酸アミドな
どのポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類
などのノニオン系界面活性剤の一種または二種以上が使
用できる。これらノニオン系界面活性剤には、さらにカ
チオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を併用
しても良い。カチオン系界面活性剤およびアニオン系界
面活性剤は、本発明組成物には溶解し難いが、ノニオン
系界面活性剤と併用する場合には、溶解性が改善され、
相乗的に洗浄力および界面作用を改善する。界面活性剤
の使用量は、その種類などにより異なるが、通常本発明
組成物重量の0.1〜20%程度であり、0.3〜5%
程度とすることがより好ましい。
用などを改善するために、必要に応じて、各種の界面活
性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ソ
ルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートな
どのソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン
のソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモ
ノラウレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル類;ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンオ
レイルアミン、ポリオキシエチレンオレイン酸アミドな
どのポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド類
などのノニオン系界面活性剤の一種または二種以上が使
用できる。これらノニオン系界面活性剤には、さらにカ
チオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤を併用
しても良い。カチオン系界面活性剤およびアニオン系界
面活性剤は、本発明組成物には溶解し難いが、ノニオン
系界面活性剤と併用する場合には、溶解性が改善され、
相乗的に洗浄力および界面作用を改善する。界面活性剤
の使用量は、その種類などにより異なるが、通常本発明
組成物重量の0.1〜20%程度であり、0.3〜5%
程度とすることがより好ましい。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。パーハロカーボンを使用しないので、オ
ゾン層破壊の危険性はない。不燃性乃至難燃性なので、
使用上安全性に優れている。共沸組成物であるので、使
用中に組成が変化することはなく、液の管理、回収、再
生などが容易となる。また、洗浄および乾燥後の最終仕
上げに欠かせない蒸気洗浄にも使用し得る。1,4−ジ
ヒドロキシ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタ
フルオロブタン単独では達成し難い、水に濡れた物品の
乾燥に極めて優れた効果を発揮する。より具体的には、
半導体(IC,LSIなど)の製造に使用されるウェハ
ー、メッキ製品、光学レンズ、フォトリソグラフィー用
マスク、液晶表示装置部品、各種の金属、プラスチッ
ク、ガラス、セラミックなどの部品および材料類の洗
浄、水洗後の水切り乾燥に有用である。さらに、プリン
ト基板の洗浄、金属加工時に使用される切削油の除去、
フッ素系オイルの溶解などにも好適である。化学的に安
定しているので、金属、プラスチック、ゴムなどに殆ど
影響を与えることなく、洗浄、乾燥を行ない得る。
が達成される。パーハロカーボンを使用しないので、オ
ゾン層破壊の危険性はない。不燃性乃至難燃性なので、
使用上安全性に優れている。共沸組成物であるので、使
用中に組成が変化することはなく、液の管理、回収、再
生などが容易となる。また、洗浄および乾燥後の最終仕
上げに欠かせない蒸気洗浄にも使用し得る。1,4−ジ
ヒドロキシ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタ
フルオロブタン単独では達成し難い、水に濡れた物品の
乾燥に極めて優れた効果を発揮する。より具体的には、
半導体(IC,LSIなど)の製造に使用されるウェハ
ー、メッキ製品、光学レンズ、フォトリソグラフィー用
マスク、液晶表示装置部品、各種の金属、プラスチッ
ク、ガラス、セラミックなどの部品および材料類の洗
浄、水洗後の水切り乾燥に有用である。さらに、プリン
ト基板の洗浄、金属加工時に使用される切削油の除去、
フッ素系オイルの溶解などにも好適である。化学的に安
定しているので、金属、プラスチック、ゴムなどに殆ど
影響を与えることなく、洗浄、乾燥を行ない得る。
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。本発明が、これらの実施例
に限定されるものではないことは言うまでもない。
ころをより一層明確にする。本発明が、これらの実施例
に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0009】実施例1 1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,2,3,3,4,
4−オクタフルオロブタン(沸点44.0℃)70部と
メタノール(沸点64.8℃)30部との混合液200
gを蒸留フラスコに入れ、理論段数30段の精留塔を用
いて常圧下に蒸留したところ、混合した両液の沸点より
も低い39.0℃で共沸を呈した。得られた留分をガス
クロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジヒ
ドロキシ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフ
ルオロブタン96.7%とメタノール3.3%からなる
ことが確認された。 実施例2 メタノールに代えてエタノールを使用する以外は実施例
1と同様にして、1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,
2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン98.9%
とエタノール1.1%からなる共沸組成物(共沸点4
3.3℃)を得た。
4−オクタフルオロブタン(沸点44.0℃)70部と
メタノール(沸点64.8℃)30部との混合液200
gを蒸留フラスコに入れ、理論段数30段の精留塔を用
いて常圧下に蒸留したところ、混合した両液の沸点より
も低い39.0℃で共沸を呈した。得られた留分をガス
クロマトグラフィーにより分析した結果、1,4−ジヒ
ドロキシ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフ
ルオロブタン96.7%とメタノール3.3%からなる
ことが確認された。 実施例2 メタノールに代えてエタノールを使用する以外は実施例
1と同様にして、1,4−ジヒドロキシ−1,1,2,
2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン98.9%
とエタノール1.1%からなる共沸組成物(共沸点4
3.3℃)を得た。
【0010】試験例1 実施例1および実施例2で得られた2種の共沸組成物な
らびに比較例1として1,4−ジヒドロキシ−1,1,
2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンについ
て下記の試験を行なった。
らびに比較例1として1,4−ジヒドロキシ−1,1,
2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンについ
て下記の試験を行なった。
【0011】水に濡れた物品の乾燥 性(水切り乾燥性) 表面を清浄にした、水の付着したガラス板(50mm×5
0mm×1mm)を下記A〜Dの方法により処理して、水分
の除去を行なった。 A…浸漬(沸点よりも5℃低い液温)1分→蒸気接触1
分 B…浸漬(沸騰浴)1分→蒸気接触1分 C…スプレー(沸点よりも5℃低い液温)30秒→蒸気
接触1分 D…蒸気接触1分 次いで、水除去処理を終えたガラス板を所定量の無水メ
タノール中に浸漬して、浸漬後のメタノール中の水分増
加量をカールフィッシャー法により測定し、ガラス板に
残留する水分量“W1”とした。一方、表面を清浄にし
た、水の付着したガラス板(50mm×50mm×1mm)を
本発明による処理を行なうことなく所定量の無水メタノ
ール中に浸漬して、浸漬後のメタノール中の水分増加量
をカールフィッシャー法により測定し、水分量“W”と
した。下式により、水分除去率H(%)を求めた。 H(%)=(W−W1)/W×100 結果を第1表に示す。
0mm×1mm)を下記A〜Dの方法により処理して、水分
の除去を行なった。 A…浸漬(沸点よりも5℃低い液温)1分→蒸気接触1
分 B…浸漬(沸騰浴)1分→蒸気接触1分 C…スプレー(沸点よりも5℃低い液温)30秒→蒸気
接触1分 D…蒸気接触1分 次いで、水除去処理を終えたガラス板を所定量の無水メ
タノール中に浸漬して、浸漬後のメタノール中の水分増
加量をカールフィッシャー法により測定し、ガラス板に
残留する水分量“W1”とした。一方、表面を清浄にし
た、水の付着したガラス板(50mm×50mm×1mm)を
本発明による処理を行なうことなく所定量の無水メタノ
ール中に浸漬して、浸漬後のメタノール中の水分増加量
をカールフィッシャー法により測定し、水分量“W”と
した。下式により、水分除去率H(%)を求めた。 H(%)=(W−W1)/W×100 結果を第1表に示す。
【0012】脱脂能 超音波槽−超音波槽−蒸気槽からなる3槽式卓上型洗浄
機に本発明組成物を入れ、金属加工油(“G625
0”、日本工作油製)が全面に薄く付着した鋼板(30
mm×60mm×2mm)を洗浄し、脱脂洗浄試験を行なっ
た。洗浄は、超音波洗浄を本発明組成物の沸点よりも約
5℃低い加熱浴中で各1分間行ない、次いで蒸気洗浄を
1分間行なった後、鋼板に残存している油分量を油分濃
度計(堀場制作所製)により測定した。結果を脱脂率と
して第1表に示す。
機に本発明組成物を入れ、金属加工油(“G625
0”、日本工作油製)が全面に薄く付着した鋼板(30
mm×60mm×2mm)を洗浄し、脱脂洗浄試験を行なっ
た。洗浄は、超音波洗浄を本発明組成物の沸点よりも約
5℃低い加熱浴中で各1分間行ない、次いで蒸気洗浄を
1分間行なった後、鋼板に残存している油分量を油分濃
度計(堀場制作所製)により測定した。結果を脱脂率と
して第1表に示す。
【0013】プラスチックへの影響 第2表に示すプラスチックの試験片(50mm×50mm×
2mm)を実施例1および実施例2で得られた2種の共沸
組成物にそれぞれ浸漬し、50℃の恒温槽中に1時間放
置した後、取出して直ちに重量変化および体積変化を調
べ、下記の基準により、評価した。 1…重量または体積増加0〜2%未満 2…重量または体積増加2〜5%未満 3…重量または体積増加5%以上 4…溶解 結果を第2表に示す。
2mm)を実施例1および実施例2で得られた2種の共沸
組成物にそれぞれ浸漬し、50℃の恒温槽中に1時間放
置した後、取出して直ちに重量変化および体積変化を調
べ、下記の基準により、評価した。 1…重量または体積増加0〜2%未満 2…重量または体積増加2〜5%未満 3…重量または体積増加5%以上 4…溶解 結果を第2表に示す。
【0014】化学的安定性 容量50mlの密栓付きガラス瓶に実施例1または実施例
2で得られた共沸組成物50gおよび水分量0.1%と
金属(AlまたはZn)を入れ、密栓し、50℃の恒温
槽中で30日間加熱し、加熱中および加熱後の金属の腐
食の有無を肉眼で観察した。結果を第2表に示す。
2で得られた共沸組成物50gおよび水分量0.1%と
金属(AlまたはZn)を入れ、密栓し、50℃の恒温
槽中で30日間加熱し、加熱中および加熱後の金属の腐
食の有無を肉眼で観察した。結果を第2表に示す。
【0015】 第 1 表 水除去率(%) 脱脂率 共沸組成物 A B C D (%) 実施例1 93 95 95 90 99.6 実施例2 91 92 92 88 99.2 比較例1 <10 <10 <10 <10 96.0
【0016】 第 2 表 プラスチックへの影響 化学的安定性 共沸組成物 ABS ポリカーボネート ポリスチレン Al Zn 実施例1 2 1 2 変化なし 変化なし 実施例2 1 1 2 変化なし 変化なし 比較例1 2 1 2 変化なし 変化なし
【0017】第1表および第2表に示す結果から明らか
な様に、本発明による共沸組成物は、洗浄剤として優れ
た性能を発揮する。
な様に、本発明による共沸組成物は、洗浄剤として優れ
た性能を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井手 哲 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 松田 高広 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内
Claims (4)
- 【請求項1】 1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタンと炭素数1〜2
のアルコールとからなる共沸溶剤組成物。 - 【請求項2】 1,4−ジヒドロ−1,1,2,2,
3,3,4,4−オクタフルオロブタンと炭素数1〜2
のアルコールとの配合割合が、96.7〜98.9:
3.3〜1.1(重量%比)である請求項1に記載の共
沸溶剤組成物。 - 【請求項3】 共沸溶剤組成物が、1,4−ジヒドロ−
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ン96.7重量%とメチルアルコール3.3重量%とか
らなり、共沸点が39.0℃である請求項2に記載の共
沸溶剤組成物。 - 【請求項4】 共沸溶剤組成物が、1,4−ジヒドロ−
1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタ
ン98.9重量%とエチルアルコール1.1重量%とか
らなり、共沸点が43.3℃である請求項2に記載の共
沸溶剤組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP21389691A JPH0551597A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 共沸溶剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21389691A JPH0551597A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 共沸溶剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551597A true JPH0551597A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=16646812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21389691A Pending JPH0551597A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 共沸溶剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0551597A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO1996010062A1 (en) * | 1994-09-29 | 1996-04-04 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | 1,1,2,2,3,3,4,4-octafluorobutane compositions |
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- 1991-08-26 JP JP21389691A patent/JPH0551597A/ja active Pending
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