JPH0551479A - 環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製造方法 - Google Patents
環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製造方法Info
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- JPH0551479A JPH0551479A JP21195891A JP21195891A JPH0551479A JP H0551479 A JPH0551479 A JP H0551479A JP 21195891 A JP21195891 A JP 21195891A JP 21195891 A JP21195891 A JP 21195891A JP H0551479 A JPH0551479 A JP H0551479A
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- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 穿孔を有するポリマー膜であって、外部環境
からの刺激、例えばpH、電気、光、温度変化に応答し
て、孔径を自由に変化し、且つ分離しようとする物質を
認識及び識別できる能力を併せ持つものを提供する。 【構成】 一若しくはそれ以上の種類のα−アミノ酸又
はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分を含有する重
合性単量体を重合してなる環境応答機能を有する多孔性
ポリマー膜。多孔性膜の孔は、平均孔径10μm以下の
シリンダー状の穿孔から成る。 【効果】 血液成分、ホルモン、水に溶けている有機物
質等を分離できるばかりでなく、化学・物理構造が類似
する物質の分離が可能となる。
からの刺激、例えばpH、電気、光、温度変化に応答し
て、孔径を自由に変化し、且つ分離しようとする物質を
認識及び識別できる能力を併せ持つものを提供する。 【構成】 一若しくはそれ以上の種類のα−アミノ酸又
はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分を含有する重
合性単量体を重合してなる環境応答機能を有する多孔性
ポリマー膜。多孔性膜の孔は、平均孔径10μm以下の
シリンダー状の穿孔から成る。 【効果】 血液成分、ホルモン、水に溶けている有機物
質等を分離できるばかりでなく、化学・物理構造が類似
する物質の分離が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学的なエッチング法
(飛跡−侵食法)によって製造される、環境応答機能を有
する多孔性ポリマー膜に関するものである。
(飛跡−侵食法)によって製造される、環境応答機能を有
する多孔性ポリマー膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種のアミノ酸からタンパク質やポリペ
プチドを生化学的に合成して、生理活性をはじめとする
種々の機能を発現させるための試みは、バイオテクノロ
ジーの分野で盛んに研究されている。このような方法に
よって合成された物質は、アミノ酸がペプチド結合によ
って数多く配列した形態をしており、いわばアミノ酸配
列が物質の主骨格を形成するものである。
プチドを生化学的に合成して、生理活性をはじめとする
種々の機能を発現させるための試みは、バイオテクノロ
ジーの分野で盛んに研究されている。このような方法に
よって合成された物質は、アミノ酸がペプチド結合によ
って数多く配列した形態をしており、いわばアミノ酸配
列が物質の主骨格を形成するものである。
【0003】一方、高分子工業においては、ビニルモノ
マーの重合によってポリマーを合成することが一般的で
ある。このようにして合成された高分子は、メチレン基
が無数に配列した形態をしており、このメチレン基の配
列によってポリマーの主骨格が形成されるものであるの
で、上述のタンパク質やポリペプチドとは分子構造が本
質的に相違するものである。
マーの重合によってポリマーを合成することが一般的で
ある。このようにして合成された高分子は、メチレン基
が無数に配列した形態をしており、このメチレン基の配
列によってポリマーの主骨格が形成されるものであるの
で、上述のタンパク質やポリペプチドとは分子構造が本
質的に相違するものである。
【0004】ビニルモノマーには、他の官能基と置換可
能な水素があるので、この水素を種々の官能基と置換す
ることで、様々な特性を有するポリマーを合成すること
ができる。これら官能基として代表的なものには、例え
ばカルボキシル基、ニトリル基、フェニル基、ハロゲン
等がある。そして、アミノ酸やそのオリゴマーが官能基
として置換されたビニルモノマーも理論的には考えられ
るが、工業的にはポリマーの原料として用いられてはい
ない。そして、かかるビニルモノマーを原料とするポリ
マーが得られるならば、そのようなポリマーは、タンパ
ク質やポリペプチドと通常のポリマーとの性質を併せ持
つものと期待される。
能な水素があるので、この水素を種々の官能基と置換す
ることで、様々な特性を有するポリマーを合成すること
ができる。これら官能基として代表的なものには、例え
ばカルボキシル基、ニトリル基、フェニル基、ハロゲン
等がある。そして、アミノ酸やそのオリゴマーが官能基
として置換されたビニルモノマーも理論的には考えられ
るが、工業的にはポリマーの原料として用いられてはい
ない。そして、かかるビニルモノマーを原料とするポリ
マーが得られるならば、そのようなポリマーは、タンパ
ク質やポリペプチドと通常のポリマーとの性質を併せ持
つものと期待される。
【0005】ところで、分離機能を有する高分子膜は、
精密濾過、限外濾過、逆浸透、透折、気体分離、透過気
化、電気透折などの膜分離法に応用されている。その中
でも、多孔性膜は、精密濾過膜や限外濾過膜等として広
範な分野で使用されている。
精密濾過、限外濾過、逆浸透、透折、気体分離、透過気
化、電気透折などの膜分離法に応用されている。その中
でも、多孔性膜は、精密濾過膜や限外濾過膜等として広
範な分野で使用されている。
【0006】従来、分離膜等に利用される微孔性の多孔
膜は、 ・機械的に高分子膜(フィルム)を延伸する方法、 ・化学的に高分子の溶解度差を利用する方法、 ・溶剤可溶の固体微粒子を混入後、溶出する方法、 ・焼結により多孔膜とする方法、 ・気泡入り高分子シートの圧潰による方法、などの多孔
化技術によって製造されている。
膜は、 ・機械的に高分子膜(フィルム)を延伸する方法、 ・化学的に高分子の溶解度差を利用する方法、 ・溶剤可溶の固体微粒子を混入後、溶出する方法、 ・焼結により多孔膜とする方法、 ・気泡入り高分子シートの圧潰による方法、などの多孔
化技術によって製造されている。
【0007】そして、その多孔形態は、三次元網目状、
独立気泡型、連通型などの不規則な孔を有するものや連
続的に孔径が変わるものなど多種多様である。またこれ
らの膜は、多孔膜中の見掛け孔径も不均一なので、対象
とする被分離物の精製又は除去の分離効率に限界があ
る。
独立気泡型、連通型などの不規則な孔を有するものや連
続的に孔径が変わるものなど多種多様である。またこれ
らの膜は、多孔膜中の見掛け孔径も不均一なので、対象
とする被分離物の精製又は除去の分離効率に限界があ
る。
【0008】例えば、ポリテトラフルオロエチレンやポ
リオレフィンなどの部分結晶性を有するポリマーフィル
ムを、延伸法によって延伸して得られる延伸膜は、三次
元網目構造を有している。また、延伸条件を制御するこ
とによって孔径を制御しているので、見掛けの孔径が不
均一であり、対象とする分離物の精製又は除去における
分離効率(選択的透過性)が不十分である。
リオレフィンなどの部分結晶性を有するポリマーフィル
ムを、延伸法によって延伸して得られる延伸膜は、三次
元網目構造を有している。また、延伸条件を制御するこ
とによって孔径を制御しているので、見掛けの孔径が不
均一であり、対象とする分離物の精製又は除去における
分離効率(選択的透過性)が不十分である。
【0009】また、相分離法による非対称膜の製造法に
よれば、セルロースエステル、ポリアミド、ポリスルホ
ン等を対象として、これらのポリマーを溶剤に溶解し、
更に添加剤を加えてドープ液とし、このドープ液を平板
上に流延して、所定時間経過後に貧溶媒と接触させて多
孔膜を得る。この方法による多孔膜は、多孔層の上に活
性層である緻密層又は多孔質スキン層を有している。こ
の方法は、溶媒、沈殿剤、粘性調節剤の選択や濃度、温
度等の製膜条件によって、孔径を制御しているので、見
掛けの孔径が不均一となり分離効率には限界がある。
よれば、セルロースエステル、ポリアミド、ポリスルホ
ン等を対象として、これらのポリマーを溶剤に溶解し、
更に添加剤を加えてドープ液とし、このドープ液を平板
上に流延して、所定時間経過後に貧溶媒と接触させて多
孔膜を得る。この方法による多孔膜は、多孔層の上に活
性層である緻密層又は多孔質スキン層を有している。こ
の方法は、溶媒、沈殿剤、粘性調節剤の選択や濃度、温
度等の製膜条件によって、孔径を制御しているので、見
掛けの孔径が不均一となり分離効率には限界がある。
【0010】ポリテトラフルオロエチレンの微粒子をフ
ィルムに延伸し、焼結法によって焼結して得られる焼結
膜は、孔径が不均一で機械的強度が小さい。
ィルムに延伸し、焼結法によって焼結して得られる焼結
膜は、孔径が不均一で機械的強度が小さい。
【0011】近年、高分子フィルムに原子炉から発生し
た中性子を含む高エネルギーの荷電粒子(イオン)を照射
して、ポリマー鎖が切断された飛跡を作り、この飛跡を
アルカリ性溶液や酸化性溶液等のエッチング剤によって
化学的にエッチング処理を行うことにより、多孔膜を得
るエッチング法が提案されている(特公昭第52−3,987号
公報、特開昭第54−11,971号公報、特開昭第59−117,54
6号公報)。
た中性子を含む高エネルギーの荷電粒子(イオン)を照射
して、ポリマー鎖が切断された飛跡を作り、この飛跡を
アルカリ性溶液や酸化性溶液等のエッチング剤によって
化学的にエッチング処理を行うことにより、多孔膜を得
るエッチング法が提案されている(特公昭第52−3,987号
公報、特開昭第54−11,971号公報、特開昭第59−117,54
6号公報)。
【0012】この化学的なエッチング法によれば、非常
に均一且つほぼ完全な円筒状の垂直孔を有する膜(毛管
孔膜)を得ることができる。したがって、かかる膜を分
離膜として使用した場合には良好な分離効率を発揮す
る。
に均一且つほぼ完全な円筒状の垂直孔を有する膜(毛管
孔膜)を得ることができる。したがって、かかる膜を分
離膜として使用した場合には良好な分離効率を発揮す
る。
【0013】現在、エッチング法による多孔性分離膜と
して市販されているものは、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン等を素材
とする薄膜である。ポリカーボネートやポリエチレンテ
レフタレートの多孔膜は、耐薬品性が不十分であるた
め、用途が限られてしまうという欠点がある。一方、ポ
リフッ化ビニリデンから成る多孔膜は、比較的耐薬品性
に優れるが、一部の有機溶剤に容易に溶けてしまい、更
に耐放射線性にも劣るため、厳しい環境下では使用でき
ないという欠点がある。
して市販されているものは、ポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン等を素材
とする薄膜である。ポリカーボネートやポリエチレンテ
レフタレートの多孔膜は、耐薬品性が不十分であるた
め、用途が限られてしまうという欠点がある。一方、ポ
リフッ化ビニリデンから成る多孔膜は、比較的耐薬品性
に優れるが、一部の有機溶剤に容易に溶けてしまい、更
に耐放射線性にも劣るため、厳しい環境下では使用でき
ないという欠点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明は、孔径の均一な円筒状(シリンダー状)の穿孔を有
する分離効率の大きなポリマー多孔膜であって、耐薬品
性、耐熱性、寸法安定性、耐放射線性等に優れたものを
提供することを目的とする。
発明は、孔径の均一な円筒状(シリンダー状)の穿孔を有
する分離効率の大きなポリマー多孔膜であって、耐薬品
性、耐熱性、寸法安定性、耐放射線性等に優れたものを
提供することを目的とする。
【0015】更に本発明は、穿孔を有するポリマー膜で
あって、外部環境からの刺激、例えばpH、電気、光、
温度変化に応答して、孔径を自由に変化し、且つ分離し
ようとする物質を認識及び識別できる能力を併せ持つも
のを提供することを目的とする。
あって、外部環境からの刺激、例えばpH、電気、光、
温度変化に応答して、孔径を自由に変化し、且つ分離し
ようとする物質を認識及び識別できる能力を併せ持つも
のを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、ポリマー膜として、一
若しくはそれ以上の種類のα−アミノ酸若しくはそれら
のオリゴマーを側鎖基に含む重合性単量体を重合させる
か、又は該重合性単量体を他の重合性単量体と混合し共
重合させて得られるポリマー膜、或いは、市販のポリマ
ー膜に該重合性単量体を化学的に導入したポリマー膜を
使用し、これらのポリマー膜に荷電粒子を照射して照射
損傷を形成した後、化学的にエッチング処理することに
よって、前記目的を達成できることを見い出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意研究した結果、ポリマー膜として、一
若しくはそれ以上の種類のα−アミノ酸若しくはそれら
のオリゴマーを側鎖基に含む重合性単量体を重合させる
か、又は該重合性単量体を他の重合性単量体と混合し共
重合させて得られるポリマー膜、或いは、市販のポリマ
ー膜に該重合性単量体を化学的に導入したポリマー膜を
使用し、これらのポリマー膜に荷電粒子を照射して照射
損傷を形成した後、化学的にエッチング処理することに
よって、前記目的を達成できることを見い出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0017】かくして、本発明によれば、一若しくはそ
れ以上の種類のα−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを
側鎖基に含む成分を含有する重合性単量体を重合してな
る環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜が得られる。
れ以上の種類のα−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを
側鎖基に含む成分を含有する重合性単量体を重合してな
る環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜が得られる。
【0018】また、本発明によれば、一若しくはそれ以
上の種類のα−アミノ酸若しくはそれらのオリゴマーを
側鎖基に含む成分を含有するポリマー膜に荷電粒子を照
射して照射損傷を形成した後、該照射損傷を化学的にエ
ッチング処理して穿孔するか、又は、該エッチング処理
による穿孔の後に一若しくはそれ以上の種類のα−アミ
ノ酸若しくはそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分を
ポリマー膜中に化学的に導入することを特徴とする環境
応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製造方法が提供さ
れる。
上の種類のα−アミノ酸若しくはそれらのオリゴマーを
側鎖基に含む成分を含有するポリマー膜に荷電粒子を照
射して照射損傷を形成した後、該照射損傷を化学的にエ
ッチング処理して穿孔するか、又は、該エッチング処理
による穿孔の後に一若しくはそれ以上の種類のα−アミ
ノ酸若しくはそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分を
ポリマー膜中に化学的に導入することを特徴とする環境
応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製造方法が提供さ
れる。
【0019】更に、本発明によれば、上記の照射損傷を
形成したポリマー膜に、電離性放射線若しくは紫外線を
照射した後、又は、照射を行いつつ、化学的にエッチン
グ処理する環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製
造方法が提供される。
形成したポリマー膜に、電離性放射線若しくは紫外線を
照射した後、又は、照射を行いつつ、化学的にエッチン
グ処理する環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製
造方法が提供される。
【0020】更に、本発明によれば、これらの製造方法
によって、好ましくは平均孔径0.5〜10μmのシリ
ンダー状の穿孔から成る多孔性ポリマー膜が提供され、
更にまた、環境応答機能の作用によって、該孔径が0.
01nm〜10μmまで制御可能な多孔性ポリマー膜が
提供される。
によって、好ましくは平均孔径0.5〜10μmのシリ
ンダー状の穿孔から成る多孔性ポリマー膜が提供され、
更にまた、環境応答機能の作用によって、該孔径が0.
01nm〜10μmまで制御可能な多孔性ポリマー膜が
提供される。
【0021】本発明の、一若しくはそれ以上の種類のα
−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分
は、特に好ましくは下記の一般式で表される。
−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分
は、特に好ましくは下記の一般式で表される。
【0022】
【0023】このような、側鎖基にα−アミノ酸又はそ
のオリゴマーを含むビニルモノマーを原料とするポリマ
ーの例は無く、本発明において初めて見い出されたもの
である。そして、上述のように、かかるポリマーは、タ
ンパク質やポリペプチドの有する機能とビニル系ポリマ
ーの有する機能を併せ持つ、新規且つ極めてユニークな
ポリマーである。かかるポリマーの有する極めて特異な
性質は更に後述する。
のオリゴマーを含むビニルモノマーを原料とするポリマ
ーの例は無く、本発明において初めて見い出されたもの
である。そして、上述のように、かかるポリマーは、タ
ンパク質やポリペプチドの有する機能とビニル系ポリマ
ーの有する機能を併せ持つ、新規且つ極めてユニークな
ポリマーである。かかるポリマーの有する極めて特異な
性質は更に後述する。
【0024】本発明の、一若しくはそれ以上の種類のα
−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分
の具体例として好ましいものは、メタクリロイル-L-ア
ラニンメチルエステル、メタクリロイル-L-アラニンエ
チルエステル、メタクリロイル-L-アラニンイソプロピ
ルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラニン
メチルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラ
ニンエチルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-
アラニンイソプロピルエステル、メタクリロイル-L-ア
ラニル-L-アラニル-L-アラニンメチルエステル、メタ
クリロイル-L-アラニル-L-アラニル-L-アラニンエチ
ルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラニル
-L-アラニンイソプロピルエステル、メタクリロイル-L
-プロリンメチルエステル、メタクリロイル-L-プロリ
ンエチルエステル、メタクリロイル-L-プロリンイソプ
ロピルエステル、メタクリロイル-L-プロリル-L-プロ
リンメチルエステル、メタクリロイル-L-プロリル-L-
プロリンエチルエステル、メタクリロイル-L-プロリル
-L-プロリンイソプロピルエステル、メタクリロイル-
L-プロリル-L-プロリル-L-プロリンエチルエステ
ル、メタクリロイル-L-アラニル-L-プロリンエチルエ
ステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラニル-L-
プロリンエチルエステル、メタクリロイル-L-アラニル
-L-プロリル-L-プロリンエチルエステル、メタクリロ
イル-L-プロリル-L-アラニンエチルエステル、若しく
はメタクリロイル-L-プロリル-L-アラニル-L-アラニ
ンエチルエステル、若しくはこれらのD体若しくはDL
体から成る誘導体又はこれらのアクリロイル誘導体が挙
げられる。
−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分
の具体例として好ましいものは、メタクリロイル-L-ア
ラニンメチルエステル、メタクリロイル-L-アラニンエ
チルエステル、メタクリロイル-L-アラニンイソプロピ
ルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラニン
メチルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラ
ニンエチルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-
アラニンイソプロピルエステル、メタクリロイル-L-ア
ラニル-L-アラニル-L-アラニンメチルエステル、メタ
クリロイル-L-アラニル-L-アラニル-L-アラニンエチ
ルエステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラニル
-L-アラニンイソプロピルエステル、メタクリロイル-L
-プロリンメチルエステル、メタクリロイル-L-プロリ
ンエチルエステル、メタクリロイル-L-プロリンイソプ
ロピルエステル、メタクリロイル-L-プロリル-L-プロ
リンメチルエステル、メタクリロイル-L-プロリル-L-
プロリンエチルエステル、メタクリロイル-L-プロリル
-L-プロリンイソプロピルエステル、メタクリロイル-
L-プロリル-L-プロリル-L-プロリンエチルエステ
ル、メタクリロイル-L-アラニル-L-プロリンエチルエ
ステル、メタクリロイル-L-アラニル-L-アラニル-L-
プロリンエチルエステル、メタクリロイル-L-アラニル
-L-プロリル-L-プロリンエチルエステル、メタクリロ
イル-L-プロリル-L-アラニンエチルエステル、若しく
はメタクリロイル-L-プロリル-L-アラニル-L-アラニ
ンエチルエステル、若しくはこれらのD体若しくはDL
体から成る誘導体又はこれらのアクリロイル誘導体が挙
げられる。
【0025】更に、上記の化合物におけるアラニンの代
わりにアミノ酸残基R1として、−CH2CH(CH3)2
(ロイシン)、−CH2−C6H5 (フェニルアラニン)、
−CH(CH3)2 (バリン)、−CH2−C6H4−OH
(チロシン)、−CH2OH (セリン)、−CH2SH
(システィン)、−H (グリシン)、又は−CH(CH3)
CH2CH3 (イソロイシン)を導入した誘導体も挙げら
れる。
わりにアミノ酸残基R1として、−CH2CH(CH3)2
(ロイシン)、−CH2−C6H5 (フェニルアラニン)、
−CH(CH3)2 (バリン)、−CH2−C6H4−OH
(チロシン)、−CH2OH (セリン)、−CH2SH
(システィン)、−H (グリシン)、又は−CH(CH3)
CH2CH3 (イソロイシン)を導入した誘導体も挙げら
れる。
【0026】本発明において使用されるポリマー膜は、
上述の如く一若しくはそれ以上の種類のα−アミノ酸又
はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む重合性単量体を重
合させて得られる。これらの重合性単量体は、光、電離
性放射線、熱重合、縮合又は触媒を用いることによって
容易に重合し、ポリマー膜とすることができる。またこ
れらの重合体を、市販の重合性単量体、例えばジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート、スチレン、メチ
ルメタクリレート等と混合し、共重合させることによっ
て容易にポリマー膜を調製することもできる。この場
合、本発明の重合性単量体と混合、共重合させる市販の
又は合成した重合性単量体は、本発明の重合性単量体と
重合可能であれば、その種類を問わない。更に、市販さ
れているポリマー膜に、本発明の重合性単量体を化学的
に結合(グラフト重合)させることも可能である。
上述の如く一若しくはそれ以上の種類のα−アミノ酸又
はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む重合性単量体を重
合させて得られる。これらの重合性単量体は、光、電離
性放射線、熱重合、縮合又は触媒を用いることによって
容易に重合し、ポリマー膜とすることができる。またこ
れらの重合体を、市販の重合性単量体、例えばジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネート、スチレン、メチ
ルメタクリレート等と混合し、共重合させることによっ
て容易にポリマー膜を調製することもできる。この場
合、本発明の重合性単量体と混合、共重合させる市販の
又は合成した重合性単量体は、本発明の重合性単量体と
重合可能であれば、その種類を問わない。更に、市販さ
れているポリマー膜に、本発明の重合性単量体を化学的
に結合(グラフト重合)させることも可能である。
【0027】本発明の環境応答機能を有するポリマー膜
は、フィルムやシート状物等の薄膜を意味する。その膜
厚は、エッチング法(飛跡−侵食法)によって多孔膜を形
成できる程度であればよい。
は、フィルムやシート状物等の薄膜を意味する。その膜
厚は、エッチング法(飛跡−侵食法)によって多孔膜を形
成できる程度であればよい。
【0028】次に、上述の如く得られたポリマー膜に孔
径の均一なシリンダー状の穿孔を形成する方法について
説明する。
径の均一なシリンダー状の穿孔を形成する方法について
説明する。
【0029】本発明においては、ポリマー膜に高エネル
ギー荷電粒子(イオン)を照射して、照射損傷を形成した
後、該照射損傷を化学的にエッチング処理して穿孔する
ことによって、孔径の均一なシリンダー状の穿孔を形成
する。
ギー荷電粒子(イオン)を照射して、照射損傷を形成した
後、該照射損傷を化学的にエッチング処理して穿孔する
ことによって、孔径の均一なシリンダー状の穿孔を形成
する。
【0030】荷電粒子としては、例えば、核分裂によっ
て得られる核分裂片やイオン加速器によって得られる加
速イオン等が利用できる。また、原子炉から発生した中
性子を含む荷電粒子など、非荷電粒子を含む荷電粒子を
利用することもできる。
て得られる核分裂片やイオン加速器によって得られる加
速イオン等が利用できる。また、原子炉から発生した中
性子を含む荷電粒子など、非荷電粒子を含む荷電粒子を
利用することもできる。
【0031】通常、荷電粒子はポリマー膜対してほぼ垂
直に照射する。これによってポリマー膜中にポリマー鎖
が切断された照射損傷(飛跡)を与える。この照射損傷は
化学的に活性であり、後述のエッチング剤と容易に反応
する。次いで、この照射損傷を化学的にエッチング処理
すると、この照射損傷が穿孔されて、均一なシリンダー
状の穿孔を有する、環境応答機能を有する多孔性ポリマ
ー膜が得られる。
直に照射する。これによってポリマー膜中にポリマー鎖
が切断された照射損傷(飛跡)を与える。この照射損傷は
化学的に活性であり、後述のエッチング剤と容易に反応
する。次いで、この照射損傷を化学的にエッチング処理
すると、この照射損傷が穿孔されて、均一なシリンダー
状の穿孔を有する、環境応答機能を有する多孔性ポリマ
ー膜が得られる。
【0032】荷電粒子の照射によって、ポリマー膜に照
射損傷が与えられ、その結果活性な化学種が照射損傷部
分に生じる。均一なシリンダー状の穿孔を形成するため
には、この化学種がエッチングによって除去され易いこ
とが必要である。この化学種を効率よく生成させるため
に、真空下のみならず酸素やオゾン等の活性ガス雰囲気
下で、ポリマー膜に荷電粒子を照射してもよい。更に、
化学種の生成は、荷電粒子の種類や荷電粒子のエネルギ
ーを選択することによっても定まる。
射損傷が与えられ、その結果活性な化学種が照射損傷部
分に生じる。均一なシリンダー状の穿孔を形成するため
には、この化学種がエッチングによって除去され易いこ
とが必要である。この化学種を効率よく生成させるため
に、真空下のみならず酸素やオゾン等の活性ガス雰囲気
下で、ポリマー膜に荷電粒子を照射してもよい。更に、
化学種の生成は、荷電粒子の種類や荷電粒子のエネルギ
ーを選択することによっても定まる。
【0033】化学的なエッチング処理による穿孔は、通
常、照射損傷を与えたポリマー膜をエッチング剤に所定
時間浸漬して行う。
常、照射損傷を与えたポリマー膜をエッチング剤に所定
時間浸漬して行う。
【0034】エッチング剤としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ溶液、硫酸、硝酸等の
酸性溶液、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム
等の酸化剤などが使用できる。特に、重クロム酸カリウ
ムの硫酸溶液、過マンガン酸カリウムを含むアルカリ溶
液、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ溶液等の酸化性溶
液が好ましい。また、これらの酸化性溶液エッチング剤
に、アルコールや界面活性剤を添加したものも用いるこ
とができる。
ム、水酸化カリウム等のアルカリ溶液、硫酸、硝酸等の
酸性溶液、重クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム
等の酸化剤などが使用できる。特に、重クロム酸カリウ
ムの硫酸溶液、過マンガン酸カリウムを含むアルカリ溶
液、次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ溶液等の酸化性溶
液が好ましい。また、これらの酸化性溶液エッチング剤
に、アルコールや界面活性剤を添加したものも用いるこ
とができる。
【0035】荷電粒子の貫通によって生じたポリマー膜
中の照射損傷部分は、エッチング処理をすることによっ
て選択的にエッチング、除去され、穿孔が形成される。
中の照射損傷部分は、エッチング処理をすることによっ
て選択的にエッチング、除去され、穿孔が形成される。
【0036】穿孔形成を効率よく行うために、照射損傷
が与えられたポリマー膜に、電離性放射線又は紫外線を
照射した後又は照射を行いつつ、化学的にエッチング処
理してもよい。電子線やγ線のような電離性放射線また
は紫外線を再照射することによって、照射損傷部分の化
学種をよりエッチングされ易い化学種に変えることがで
き、その結果、エッチング時間の短縮や孔径の均一化を
図ることができる。
が与えられたポリマー膜に、電離性放射線又は紫外線を
照射した後又は照射を行いつつ、化学的にエッチング処
理してもよい。電子線やγ線のような電離性放射線また
は紫外線を再照射することによって、照射損傷部分の化
学種をよりエッチングされ易い化学種に変えることがで
き、その結果、エッチング時間の短縮や孔径の均一化を
図ることができる。
【0037】このようにして得られる穿孔の孔数は、荷
電粒子の数と対応し、荷電粒子の照射条件を選択するこ
とにより任意に孔数制御ができる。
電粒子の数と対応し、荷電粒子の照射条件を選択するこ
とにより任意に孔数制御ができる。
【0038】また、孔径は、照射する荷電粒子の種類、
エッチング条件によって、0.5〜10μm、更に環境
応答機能をも付与させることによって0.01nm〜1
0μmの範囲で任意に制御できる。
エッチング条件によって、0.5〜10μm、更に環境
応答機能をも付与させることによって0.01nm〜1
0μmの範囲で任意に制御できる。
【0039】次に、本発明の環境応答機能を有する多孔
性ポリマー膜における環境応答機能について説明する。
性ポリマー膜における環境応答機能について説明する。
【0040】本発明でいう環境とは、温度、pH、電
気、光、化学物質等の外部要因をいう。本発明の多孔性
ポリマー膜が有する環境応答機能とは、このような温度
等の外部変化に対して該ポリマー膜がある種の応答をす
るようなはたらきをいう。
気、光、化学物質等の外部要因をいう。本発明の多孔性
ポリマー膜が有する環境応答機能とは、このような温度
等の外部変化に対して該ポリマー膜がある種の応答をす
るようなはたらきをいう。
【0041】このような応答の態様を個々にに説明する
ならば、以下の通りである。本発明の多孔性ポリマー膜
は、外部温度の変化と共にその孔径が変化する。つま
り、外部温度が低くなるほど孔径が大きくなり、逆に、
外部温度が高くなるほど孔径が小さくなる。このような
挙動は、温度の上昇と共に分子運動が盛んとなり体積が
膨張するという分子運動論の立場からは全く説明のでき
ないものであり、本発明者らによって、初めて見い出さ
れた新規な現象である。
ならば、以下の通りである。本発明の多孔性ポリマー膜
は、外部温度の変化と共にその孔径が変化する。つま
り、外部温度が低くなるほど孔径が大きくなり、逆に、
外部温度が高くなるほど孔径が小さくなる。このような
挙動は、温度の上昇と共に分子運動が盛んとなり体積が
膨張するという分子運動論の立場からは全く説明のでき
ないものであり、本発明者らによって、初めて見い出さ
れた新規な現象である。
【0042】また、孔径とpHとの関係は、pHが高く
なるにつれて孔径が大きくなることが見い出された。孔
径の拡大する程度は、側鎖基に含まれるアミノ酸又はそ
のオリゴマーの種類及びpHによって異なる。
なるにつれて孔径が大きくなることが見い出された。孔
径の拡大する程度は、側鎖基に含まれるアミノ酸又はそ
のオリゴマーの種類及びpHによって異なる。
【0043】更に、孔径と電気又は光との関係は、電気
又は光を与えると孔径は小さくなり、逆に電気又は光を
遮断すると孔径は大きくなる。
又は光を与えると孔径は小さくなり、逆に電気又は光を
遮断すると孔径は大きくなる。
【0044】このような孔径の変化は、10μmのオー
ダーから0.01nmのオーダーまで幅広いものである
ので、本発明の多孔性ポリマー膜が外部環境の変化によ
って孔径が変化することを利用して、物質を選択的に濾
過したり、除去したりすることが可能となる。
ダーから0.01nmのオーダーまで幅広いものである
ので、本発明の多孔性ポリマー膜が外部環境の変化によ
って孔径が変化することを利用して、物質を選択的に濾
過したり、除去したりすることが可能となる。
【0045】このような、温度等の変化による孔径の変
化は、ある値において急激に起こるものであり、かつ可
逆的なものなので、本発明の多孔性ポリマー膜は、外部
環境の変化によってON-OFFのスイッチング動作を行うと
いえる。
化は、ある値において急激に起こるものであり、かつ可
逆的なものなので、本発明の多孔性ポリマー膜は、外部
環境の変化によってON-OFFのスイッチング動作を行うと
いえる。
【0046】また、本発明の多孔性ポリマー膜は、上述
の温度等の変化に対する応答の他に、化学物質の認識及
び識別機能をも有する。つまり、本発明の多孔性ポリマ
ー膜は、孔を通過しようとする物質を認識し、その物質
が穴を通過すべきものであるか否かを識別する機能を有
するのである。この認識及び識別機能は孔径の変化とは
別個に発現するものである。従って、孔径よりも小さな
物質でさえも本発明の多孔性ポリマー膜の有する物質の
認識及び識別機能によって、その通過が阻まれることが
ある。このような機能によって、混合溶液から特定の物
質のみを選択的に分離することが可能となる。
の温度等の変化に対する応答の他に、化学物質の認識及
び識別機能をも有する。つまり、本発明の多孔性ポリマ
ー膜は、孔を通過しようとする物質を認識し、その物質
が穴を通過すべきものであるか否かを識別する機能を有
するのである。この認識及び識別機能は孔径の変化とは
別個に発現するものである。従って、孔径よりも小さな
物質でさえも本発明の多孔性ポリマー膜の有する物質の
認識及び識別機能によって、その通過が阻まれることが
ある。このような機能によって、混合溶液から特定の物
質のみを選択的に分離することが可能となる。
【0047】このように、本発明の多孔性ポリマー膜は
種々の環境応答機能を発現するが、そのメカニズムにつ
いては未だ詳細には解明されていない。しかしながら、
このような環境応答機能が、メチレン主鎖の側鎖基とし
て導入されたα−アミノ酸又はそのオリゴマーのはたら
きによるものであることは確かである。かかるメカニズ
ムはアミノ酸を多数配列したタンパク質やポリペプチド
のみから、又は通常のビニルポリマーのみからは発現し
ないものであり、この両者の組み合わせによって初めて
発現するものである。本発明者らは、当該技術分野にお
いて全く知られていなかった一若しくはそれ以上の種類
のα−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む
ビニルモノマーを初めて合成し、これを原料として多孔
性ポリマー膜を得たところ上述の環境応答機能を見い出
し、本発明をなすに至ったものである。そして、本発明
の多孔性ポリマー膜は、単に機能が付与された材料に止
まらず、生体物質と同様に周囲の環境を自発的にセンシ
ングしてそれに応答する作用をもつことから、機能性材
料に続く次世代の材料と目されるインテリジェントマテ
リアルに属するものであるといえる。
種々の環境応答機能を発現するが、そのメカニズムにつ
いては未だ詳細には解明されていない。しかしながら、
このような環境応答機能が、メチレン主鎖の側鎖基とし
て導入されたα−アミノ酸又はそのオリゴマーのはたら
きによるものであることは確かである。かかるメカニズ
ムはアミノ酸を多数配列したタンパク質やポリペプチド
のみから、又は通常のビニルポリマーのみからは発現し
ないものであり、この両者の組み合わせによって初めて
発現するものである。本発明者らは、当該技術分野にお
いて全く知られていなかった一若しくはそれ以上の種類
のα−アミノ酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む
ビニルモノマーを初めて合成し、これを原料として多孔
性ポリマー膜を得たところ上述の環境応答機能を見い出
し、本発明をなすに至ったものである。そして、本発明
の多孔性ポリマー膜は、単に機能が付与された材料に止
まらず、生体物質と同様に周囲の環境を自発的にセンシ
ングしてそれに応答する作用をもつことから、機能性材
料に続く次世代の材料と目されるインテリジェントマテ
リアルに属するものであるといえる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定され
るものではない。
説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0049】実施例1 アクリロイル-L-プロリン-tert-ブチルエステル(60m
ol-%)、アクリロイル-L-イソロイシンイソプロピルエ
ステル(39mol-%)及びジエチレングリコールジアクリ
レート(1mol-%)を、過酸化ベンゾイルを用いた一般的
な触媒重合法によって共重合し、ポリマー膜を調製し
た。重合温度は80℃であり、重合時間は10時間であ
った。このようにして得られたポリマー膜の膜厚は10
0μmであった。
ol-%)、アクリロイル-L-イソロイシンイソプロピルエ
ステル(39mol-%)及びジエチレングリコールジアクリ
レート(1mol-%)を、過酸化ベンゾイルを用いた一般的
な触媒重合法によって共重合し、ポリマー膜を調製し
た。重合温度は80℃であり、重合時間は10時間であ
った。このようにして得られたポリマー膜の膜厚は10
0μmであった。
【0050】このポリマー膜に、イオン加速器を用いて
Ar10+イオンを8×108個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を温度40℃の4N
水酸化ナトリウム溶液に3時間浸漬してエッチング処理
を行った。エッチング処理後のポリマー膜を異なる温度
の水に浸した。水の温度は0℃、10℃、30℃、50
℃とした。その後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の
孔径を電子顕微鏡で観察した。
Ar10+イオンを8×108個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を温度40℃の4N
水酸化ナトリウム溶液に3時間浸漬してエッチング処理
を行った。エッチング処理後のポリマー膜を異なる温度
の水に浸した。水の温度は0℃、10℃、30℃、50
℃とした。その後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の
孔径を電子顕微鏡で観察した。
【0051】その結果、ポリマー膜の孔径は水の温度に
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、3μm、0.
5μm、10nm、0.1nmであった。この孔径の変
化は、各温度間で可逆的であった。
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、3μm、0.
5μm、10nm、0.1nmであった。この孔径の変
化は、各温度間で可逆的であった。
【0052】一方、エッチング処理後のポリマー膜を温
度10℃の硫酸ナトリウムの電解質溶液に浸し、50V
の電圧を印加した。次いで、上記と同様の方法でポリマ
ー膜の孔径を電子顕微鏡で観察したところ、電圧を印加
したポリマー膜の孔径は15nmであったのに対して、
電圧を印加しないポリマー膜の孔径は0.5μmであっ
た。この孔径の変化は、電圧を印加した場合と否とで可
逆的であった。
度10℃の硫酸ナトリウムの電解質溶液に浸し、50V
の電圧を印加した。次いで、上記と同様の方法でポリマ
ー膜の孔径を電子顕微鏡で観察したところ、電圧を印加
したポリマー膜の孔径は15nmであったのに対して、
電圧を印加しないポリマー膜の孔径は0.5μmであっ
た。この孔径の変化は、電圧を印加した場合と否とで可
逆的であった。
【0053】このように、本発明の環境応答機能を有す
る多孔性ポリマー膜は、外部環境である温度や電圧を変
化させることにより孔径サイズを自由に制御し得るもの
であった。
る多孔性ポリマー膜は、外部環境である温度や電圧を変
化させることにより孔径サイズを自由に制御し得るもの
であった。
【0054】実施例2 ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(50mol
-%)及びアクリロイル-L-バリル-L-バリル-L-プロリ
ン-tert-ブチルエステル(50mol-%)を、過酸化ベンゾ
イルを用いた一般的な触媒重合法によって重合し、ポリ
マー膜を調製した。重合温度は100℃であり、重合時
間は8時間であった。このようにして得られたポリマー
膜の膜厚は100μmであった。
-%)及びアクリロイル-L-バリル-L-バリル-L-プロリ
ン-tert-ブチルエステル(50mol-%)を、過酸化ベンゾ
イルを用いた一般的な触媒重合法によって重合し、ポリ
マー膜を調製した。重合温度は100℃であり、重合時
間は8時間であった。このようにして得られたポリマー
膜の膜厚は100μmであった。
【0055】このポリマー膜に、イオン加速器を用いて
Ar8+イオンを1×109個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を温度60℃の6N
水酸化カリウム溶液に2時間浸漬してエッチング処理を
行った。エッチング処理後のポリマー膜を異なる温度の
水に浸した。水の温度は10℃、40℃とした。その
後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の孔径を電子顕微
鏡で観察した。
Ar8+イオンを1×109個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を温度60℃の6N
水酸化カリウム溶液に2時間浸漬してエッチング処理を
行った。エッチング処理後のポリマー膜を異なる温度の
水に浸した。水の温度は10℃、40℃とした。その
後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の孔径を電子顕微
鏡で観察した。
【0056】その結果、ポリマー膜の孔径は水の温度に
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、0.5μm、
5nmであった。この孔径の変化は、各温度間で可逆的
であった。
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、0.5μm、
5nmであった。この孔径の変化は、各温度間で可逆的
であった。
【0057】この膜を用いて、エタノール/メタノール
/水(25/25/50wt-%)から成る混合溶液からエ
タノールの分離を温度40℃で行った。その結果、混合
溶液からエタノールのみの分離回収を行うことができ
た。その回収効率は90%であった。
/水(25/25/50wt-%)から成る混合溶液からエ
タノールの分離を温度40℃で行った。その結果、混合
溶液からエタノールのみの分離回収を行うことができ
た。その回収効率は90%であった。
【0058】実施例3 膜厚2μmのポリエーテルエーテルケトン膜に、イオン
加速器を用いてAr4+イオンを7×108個/cm2照射し
て、照射損傷を形成した。更に、プロトンを1×1012
個/cm2再照射した。次いで、このポリマー膜を温度6
0℃のエッチング溶液に2時間浸漬してエッチング処理
を行った。エッチング溶液は重クロム酸カリウム(5グ
ラム)を含む30%硫酸(18グラム)溶液であった。
加速器を用いてAr4+イオンを7×108個/cm2照射し
て、照射損傷を形成した。更に、プロトンを1×1012
個/cm2再照射した。次いで、このポリマー膜を温度6
0℃のエッチング溶液に2時間浸漬してエッチング処理
を行った。エッチング溶液は重クロム酸カリウム(5グ
ラム)を含む30%硫酸(18グラム)溶液であった。
【0059】このようにして得られたポリマー膜を電子
顕微鏡で観察したところ、その孔径は0.4μmであっ
た。
顕微鏡で観察したところ、その孔径は0.4μmであっ
た。
【0060】このポリマー膜を、アクリロイル-L-プロ
リル-D-プロリンエチルエステル(20グラム)を含む水
溶液(100mL)中に浸漬し、50℃の温度でγ線を照射
して、ポリマー膜にポリ(アクリロイル-L-プロリル-D
-プロリンエチルエステル)をグラフト重合させた。γ線
の線源は60Coであり、線量率は5kGy/hであり、照射
時間は4時間であった。
リル-D-プロリンエチルエステル(20グラム)を含む水
溶液(100mL)中に浸漬し、50℃の温度でγ線を照射
して、ポリマー膜にポリ(アクリロイル-L-プロリル-D
-プロリンエチルエステル)をグラフト重合させた。γ線
の線源は60Coであり、線量率は5kGy/hであり、照射
時間は4時間であった。
【0061】グラフト重合後のポリマー膜を異なる温度
の水に浸した。水の温度は0℃、10℃、40℃、60
℃とした。その後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の
孔径を電子顕微鏡で観察した。
の水に浸した。水の温度は0℃、10℃、40℃、60
℃とした。その後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の
孔径を電子顕微鏡で観察した。
【0062】その結果、ポリマー膜の孔径は水の温度に
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、2μm、50
nm、30nm、5nmであった。この孔径の変化は、
各温度間で可逆的であった。
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、2μm、50
nm、30nm、5nmであった。この孔径の変化は、
各温度間で可逆的であった。
【0063】実施例4 アクリロイル-L-プロリル-L-セリル-L-セリンエチル
エステル(48mol-%)、メチルメタクリレート(50mol
-%)及びジエチレングリコール#200ジメタクリレート
(2mol-%)から成る重合性単量体系に、60Coγ線を温
度40℃、10kGy/hの線量率で6時間照射し、重合せ
しめ膜厚120μmのポリマー膜を得た。
エステル(48mol-%)、メチルメタクリレート(50mol
-%)及びジエチレングリコール#200ジメタクリレート
(2mol-%)から成る重合性単量体系に、60Coγ線を温
度40℃、10kGy/hの線量率で6時間照射し、重合せ
しめ膜厚120μmのポリマー膜を得た。
【0064】このポリマー膜に、イオン加速器を用いて
132Xeイオンを1×108個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を、飽和過マンガン
酸カリウム/10%水酸化ナトリウム溶液中に浸漬し、
温度60℃で2時間エッチング処理を行った。
132Xeイオンを1×108個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を、飽和過マンガン
酸カリウム/10%水酸化ナトリウム溶液中に浸漬し、
温度60℃で2時間エッチング処理を行った。
【0065】エッチング後のポリマー膜を温度30℃の
水に浸した。その後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜
を電子顕微鏡で観察したところ、その孔径は40nmで
あった。
水に浸した。その後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜
を電子顕微鏡で観察したところ、その孔径は40nmで
あった。
【0066】一方、エッチング後のポリマー膜をpH
2.0の緩衝液に浸し、その後、凍結乾燥処理を行い、
ポリマー膜を電子顕微鏡で観察したところ、その孔径は
40nmであった。これに対してpH7.5の緩衝液に
浸した場合の孔径は60nmであった。孔径はpH変化
に対して可逆的であった。
2.0の緩衝液に浸し、その後、凍結乾燥処理を行い、
ポリマー膜を電子顕微鏡で観察したところ、その孔径は
40nmであった。これに対してpH7.5の緩衝液に
浸した場合の孔径は60nmであった。孔径はpH変化
に対して可逆的であった。
【0067】実施例5 メタクリロイル-D-チロシル-D-チロシルーD-プロリン
エチルエステル(50mol-%)及びメタクリロイル-L-フ
ェニルアラニル-L-プロリンエチルエステル(50mol-
%)の混合物を、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボ
ネートを触媒として用いた一般的な重合法によって重合
し、ポリマー膜を調製した。重合温度は70℃であり、
重合時間は8時間であった。このようにして得られたポ
リマー膜の膜厚は80μmであった。
エチルエステル(50mol-%)及びメタクリロイル-L-フ
ェニルアラニル-L-プロリンエチルエステル(50mol-
%)の混合物を、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボ
ネートを触媒として用いた一般的な重合法によって重合
し、ポリマー膜を調製した。重合温度は70℃であり、
重合時間は8時間であった。このようにして得られたポ
リマー膜の膜厚は80μmであった。
【0068】このポリマー膜に、イオン加速器を用いて
Ar8+イオンを1×109個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を温度60℃の6N
水酸化カリウム溶液に2時間浸漬してエッチング処理を
行った。エッチング処理後のポリマー膜を異なる温度の
水に浸した。水の温度は10℃、40℃とした。その
後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の孔径を電子顕微
鏡で観察した。
Ar8+イオンを1×109個/cm2照射して、照射損傷を
形成した。次いで、このポリマー膜を温度60℃の6N
水酸化カリウム溶液に2時間浸漬してエッチング処理を
行った。エッチング処理後のポリマー膜を異なる温度の
水に浸した。水の温度は10℃、40℃とした。その
後、凍結乾燥処理を行い、ポリマー膜の孔径を電子顕微
鏡で観察した。
【0069】その結果、ポリマー膜の孔径は水の温度に
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、1μm、3n
mであった。この孔径の変化は、各温度間で可逆的であ
った。
よって異なり、上記温度の順でそれぞれ、1μm、3n
mであった。この孔径の変化は、各温度間で可逆的であ
った。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の環境応答
機能を有するポリマー膜は、孔径の均一なシリンダー状
の穿孔を有しているので、従来の三次元網目状の分離膜
と比し、分離対象物の大きさによる分離、分別を容易に
行うことができる。従って本発明の環境応答機能を有す
るポリマー膜は、特に医療分野でのウイルス等の分別や
藷工業プロセスでの高効率分離能が要求される分野での
利用に有効である。
機能を有するポリマー膜は、孔径の均一なシリンダー状
の穿孔を有しているので、従来の三次元網目状の分離膜
と比し、分離対象物の大きさによる分離、分別を容易に
行うことができる。従って本発明の環境応答機能を有す
るポリマー膜は、特に医療分野でのウイルス等の分別や
藷工業プロセスでの高効率分離能が要求される分野での
利用に有効である。
【0071】また、本発明の環境応答機能を有するポリ
マー膜と同様の穿孔膜として市販されているポリカーボ
ネート、ポリエステルと比し、耐薬品性に優れており、
従来使用困難であった有機溶剤系での利用が可能となっ
た。
マー膜と同様の穿孔膜として市販されているポリカーボ
ネート、ポリエステルと比し、耐薬品性に優れており、
従来使用困難であった有機溶剤系での利用が可能となっ
た。
【0072】更に、外部環境からの刺激、例えばpH、
電気、温度変化に対し孔径を任意に制御できるので、血
液成分、ホルモン、水に溶けている有機物質等を分離で
きるばかりでなく、物質を認識及び識別できる能力をも
併せ持つので、化学・物理構造が類似する物質の分離に
も有効である。
電気、温度変化に対し孔径を任意に制御できるので、血
液成分、ホルモン、水に溶けている有機物質等を分離で
きるばかりでなく、物質を認識及び識別できる能力をも
併せ持つので、化学・物理構造が類似する物質の分離に
も有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大道 英樹 群馬県高崎市綿貫町1233番地 日本原子力 研究所高崎研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 一若しくはそれ以上の種類のα−アミノ
酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分を含有す
る重合性単量体を重合してなる環境応答機能を有する多
孔性ポリマー膜。 - 【請求項2】 多孔性膜の孔が、平均孔径10μm以下
のシリンダー状の穿孔から成ることを特徴とする請求項
1に記載の多孔性ポリマー膜。 - 【請求項3】 一若しくはそれ以上の種類のα−アミノ
酸又はそれらのオリゴマーを側鎖基に含む成分を含有す
るポリマー膜に、荷電粒子を照射して照射損傷を形成し
た後、該照射損傷を化学的にエッチング処理して穿孔す
ることを特徴とする環境応答機能を有する多孔性ポリマ
ー膜の製造方法。 - 【請求項4】 荷電粒子を照射後の前記ポリマー膜に、
電離放射線若しくは紫外線を照射した後又は照射を行い
つつ、前記照射損傷を化学的にエッチング処理すること
を特徴とする請求項3に記載の製造方法。 - 【請求項5】 化学的なエッチング処理が、酸化性溶液
をエッチング剤として使用するエッチング処理である請
求項3又は4に記載の製造方法。 - 【請求項6】 酸化性溶液が、過マンガン酸カリウム、
次亜塩素酸ナトリウム及び硫酸及び重クロム酸カリウム
から成る群から選択される少なくとも一種の化合物を含
有するものである請求項5に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21195891A JPH0784537B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP21195891A JPH0784537B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 環境応答機能を有する多孔性ポリマー膜の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551479A true JPH0551479A (ja) | 1993-03-02 |
JPH0784537B2 JPH0784537B2 (ja) | 1995-09-13 |
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ID=16614522
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH0784537B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997038969A1 (fr) * | 1996-04-12 | 1997-10-23 | Japan Atomic Energy Research Institute | POLYMERES SENSIBLES AU pH |
JP2006008970A (ja) * | 2003-08-28 | 2006-01-12 | Japan Atom Energy Res Inst | ナノ空間制御高分子イオン交換膜の製造方法 |
JP2012229309A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 多孔性フィルムの製造方法 |
WO2013145742A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 日東電工株式会社 | 多孔性高分子フィルムの製造方法および多孔性高分子フィルム |
CN105189626A (zh) * | 2013-03-27 | 2015-12-23 | 日东电工株式会社 | 多孔聚合物膜的制造方法及多孔聚合物膜 |
-
1991
- 1991-08-23 JP JP21195891A patent/JPH0784537B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO1997038969A1 (fr) * | 1996-04-12 | 1997-10-23 | Japan Atomic Energy Research Institute | POLYMERES SENSIBLES AU pH |
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JP4670073B2 (ja) * | 2003-08-28 | 2011-04-13 | 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 | ナノ空間制御高分子イオン交換膜の製造方法 |
JP2012229309A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 多孔性フィルムの製造方法 |
WO2013145742A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 日東電工株式会社 | 多孔性高分子フィルムの製造方法および多孔性高分子フィルム |
JP2013227548A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-11-07 | Nitto Denko Corp | 多孔性高分子フィルムの製造方法および多孔性高分子フィルム |
CN104203548A (zh) * | 2012-03-30 | 2014-12-10 | 日东电工株式会社 | 多孔聚合物薄膜的制造方法及多孔聚合物薄膜 |
CN105189626A (zh) * | 2013-03-27 | 2015-12-23 | 日东电工株式会社 | 多孔聚合物膜的制造方法及多孔聚合物膜 |
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Publication number | Publication date |
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JPH0784537B2 (ja) | 1995-09-13 |
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