JPH0551342A - 鎖状テルペン類 - Google Patents

鎖状テルペン類

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JPH0551342A
JPH0551342A JP21110791A JP21110791A JPH0551342A JP H0551342 A JPH0551342 A JP H0551342A JP 21110791 A JP21110791 A JP 21110791A JP 21110791 A JP21110791 A JP 21110791A JP H0551342 A JPH0551342 A JP H0551342A
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ether
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JP21110791A
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Takashi Takahashi
孝志 高橋
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 〔上記式中、R1 はホルミル基、−CH(OR3)2 (R
3 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)または−CH
(CN)(OR4)(R4 は水素原子、1−アルコキシア
ルキル基またはトリメチルシリル基を示す。)を示し、
2 は水素原子、1−アルコキシアルキル基または−S
iR5 6 7 (R5 ,R6 およびR7 はそれぞれ炭素
数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のフェニル基
を示す。)を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表わ
される鎖状テルペン類。 【効果】 本発明の化合物より、毒性の高いセレンを使
用する末端位メチル基の酸化工程を経ることなく、抗発
癌プロモーター作用及び抗腫瘍作用を有するザルコフィ
トールAを合成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な鎖状テルペン類に
関する。詳しくは、本発明の化合物は抗発癌プロモータ
ー作用(Cancer Surveys,,540
(1983);代謝、vol25臨時増刊号癌’88,
3(1988).)及び抗腫瘍作用(特公昭63−20
213号公報)を有するザルコフィトールAまたは類似
の効果の期待されるその立体異性体製造のための重要な
中間体である鎖状テルペン類に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】下記(II)式
【0003】
【化2】
【0004】で表わされるザルコフィトールAは、その
14員環中に1つの共役二重結合を含む計4つの二重結
合を有するセンブラン型ジテルペンアルコールである。
従来、ザルコフィトールAの合成法は本発明者らによる
ものが唯一報告されているのみであった(特願平3−4
8633号公報;Tetrahedon Letter
s,31,3317(1990)参照)。この製造ルー
トによって、ザルコフィトールAを工業的に製造しよう
とする場合、収率、選択性共に低い上に、毒性の高いセ
レン化合物を使用する必要のある、末端位メチル基の酸
化工程を避けて通れないという大きな課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、工業的に
より有利な方法によって光学活性ザルコフィトールAを
大量かつ安価に製造、供給することを目的として鋭意検
討した結果、本発明の鎖状テルペン類が上記の問題点を
解決できる新規な製造ルートにおける有用な中間体であ
ることを見い出し本発明に到達した。即ち、本発明の要
旨は、 下記一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】〔上記式中、R1 はホルミル基、−CH
(OR3)2 (R3 は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。)または−CH(CN)(OR4)(R4 は水素原
子、1−アルコキシアルキル基またはトリメチルシリル
基を示す。)を示し、R2は水素原子、1−アルコキシ
アルキル基または−SiR5 6 7 (R5 ,R6 およ
びR7 はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基またはフェ
ニル基を示す。)を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕
で表わされる鎖状テルペン類に存する。
【0008】以下、本発明につき詳細に説明する。上記
の定義において、R1 の示す基−CH(OR3)2 におけ
るR3 の示す炭素数1〜4のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基等が挙げられ、基−CH(CN)(OR4)に
おけるR4 の示す1−アルコキシアルキル基としては1
−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1
−n−ブトキシエチル基等が挙げられる。
【0009】上記の定義において、R2 の示す2−アル
コキシアルキル基としてはメトキシメチル基、1−エト
キシエチル基、1−n−プロポキシエチル基等が挙げら
れ、基−SiR5 6 7としては、t−ブチルジメチ
ルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、t−ブチルジ
フェニルシリル基等が挙げられる。また、Xとしては塩
素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0010】以下に上記一般式(I)で表わされる好ま
しい化合物の具体例を示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】(Meはメチル基を、Buはブチル基を示
す)次に本発明の化合物の製法について説明する。一般
式(I)で表わされる化合物は、たとえば文献既知
(J.Org.Chem.,52,3860(198
7)参照)の化合物(A)から誘導できる化合物(C)
を出発原料として下記の合成ルートに従って製造でき
る。
【0015】
【化4】
【0016】(上記式中、Acはアセチル基を示し、X
およびR2 〜R4 は上記一般式(I)中で定義したのと
同義を示す。)すなわち、化合物(A)に、メタノー
ル、エタノール等の溶媒中、1〜2当量の金属アルコキ
シドを−50〜50℃にて作用させるエステル交換の方
法、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等の
溶媒中0.5〜10当量の水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の水溶液または粉末炭酸カリウムなどを−50
〜50℃にて作用させる加水分解の方法、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、トルエン等
の溶媒中−70〜50℃にて0.5〜10当量の水素化
アルミニウムリチウム等の金属水素錯化合物または水素
化ジイソブチルアルミニウム等の金属水素化物を作用さ
せる還元反応による方法などにより化合物(B)を製造
できる。
【0017】化合物(B)に、塩化メチレン、クロロホ
ルム等のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の炭化
水素系溶媒またはエチルエーテル、酢酸エチル等の溶媒
中、重量比で5〜2倍の粉末二酸化マンガン、マンガン
酸バリウム等の酸化剤を−50〜50℃で、1〜50時
間作用させる方法などにより化合物(C)を製造でき
る。
【0018】(1)上記一般式(I)のうち、R1 =−
CH(OR3)2 ,R2 =水素原子で表わされる上記化合
物(E)の製造方法。 下記(J)式
【0019】
【化5】
【0020】で表わされる既知の2−ブロモ−2−ブテ
ナールのアセタールに、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル系溶媒中、−100〜50℃で、
0.1〜1.2当量のn−ブチルリチウム、i−ブチル
リチウムなどの有機金属を加えることにより上記化合物
(D)が製造でき、これに上記の方法で製造できる化合
物(C)を−100〜50℃で作用させたものを加水分
解することにより製造できる。
【0021】(2)上記一般式(I)のうち、R1 =−
CH(OR3)2 ,R2 =1−アルコキシアルキル基また
は−SiR5 6 7 で表わされる上記化合物(F)の
製造方法。例えば、上記(1)の製造方法で製造した上
記化合物(E)に、塩化メチレン、クロロホルム等のハ
ロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶媒または酢酸エチル等の溶媒中、触媒
としての塩酸、硫酸等の鉱酸、パラトルエンスルホン
酸、カンファースルホン酸等の有機スルホン酸あるいは
パラトルエンスルホン酸のピリジニウム塩等の強酸の塩
の存在下、0.5〜10当量のエチルビニルエーテル、
ジヒドロピラン等のビニルエーテル類を−20〜100
℃にて作用させる方法、または−20〜100℃で、
0.5〜10当量のクロロメチルメチルエーテル、クロ
ロメチル−2−メトキシエチルエーテル等の1−ハロア
ルキルエーテル類を、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、あるいは無
溶媒で、0.5〜10当量の水素化ナトリウム、水素化
カリウム等の金属水素化物、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ジイソプロピルアミン等のアミン類などを塩基とし
て共に作用させる方法、または0.1〜10当量のトリ
メチルクロロシラン、ジメチル−t−ブチルクロロシラ
ン等のクロロシラン類を塩化メチレン、クロロホルム等
のハロゲン系溶媒、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素系
溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル系溶媒または酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒中、
0.1〜10当量のトリエチルアミン、ジメチルアミノ
ピリジン、イミダゾール等の含窒素化合物、あるいは水
素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物を塩
基として−20〜100℃で5分〜24時間共に作用さ
せる方法により製造できる。
【0022】(3)上記一般式(I)のうち、R1 =ホ
ルミル基で表わされる上記化合物(G)の製造方法。上
記(2)の製造方法で製造した上記化合物(F)にテト
ラヒドロフラン、メタノール、エタノール等の溶媒中、
0.1〜3当量の塩酸、硫酸等の鉱酸水溶液を0℃〜室
温で5分〜24時間作用させるなどの方法により製造で
きる。上記化合物(F)のR2 が1−アルコキシアルキ
ル基である場合には1−アルコキシアルキル基のあるも
のは加水分解され、R2 =水素原子である化合物を与え
る。
【0023】(4)上記一般式(I)のうちR1 =−C
H(CN)(OR4)で表わされる上記化合物(H)の製
造方法。上記(3)の製造方法で製造した上記化合物
(G)に塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチルなど
の溶媒中または無溶媒で、1〜10当量のトリメチルシ
リルニトリルを触媒としてのシアン化金属−1−8−ク
ラウン−6−エーテル錯体の存在下で、−20〜50℃
で、30分〜5時間作用させる方法などによりR4 =ト
リメチルシリル基で表わされる化合物を製造できる。こ
の化合物をテトラヒドロフラン、メタノール等の溶媒に
溶解後、0.1〜3当量の塩酸、硫酸等の鉱酸水溶液を
0℃〜室温で、5分〜5時間作用させる方法、又はテト
ラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒中、−20℃〜室
温で、1〜10当量のフッ化テトラブチルアンモニウム
等のテトラアルキルアンモニウム類を作用させる方法な
どによってR4 =水素原子で表わされる化合物(シアノ
ヒドリン体)を製造できる。R 4 =1−アルコキシアル
キル基で表わされる化合物は、上記シアノヒドリン体
に、エチルエーテル、酢酸エチル等の溶媒中1〜10当
量のエチルビニルエーテル等を触媒としての塩酸、硫酸
などの鉱酸、パラトルエンスルホン酸などの有機強酸あ
るいはパラトルエンスルホン酸のピリジニウム塩などの
強酸の塩の存在下、−20℃〜室温で、30分〜5時間
作用させるなどの方法により製造できる。
【0024】本発明の上記化合物(H)から、たとえば
下記の合成ルートにより、前述した既存の製造法の問題
点なくザルコフィトールAを製造できる。 ザルコフィトールAの合成ルート(例)
【0025】
【化6】
【0026】(R2 ,R4 は前記で定義した通りであ
る。)すなわち、たとえば上記(4)の製造方法で製造
できる上記化合物(H)のうち、R2 =メトキシメチル
基、R4 =1−アルコキシアルキル基またはトリメチル
シリル基で表わされる化合物にエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素系溶媒又はn−ヘキサン、n−ヘプ
タン等の飽和炭化水素系溶媒中、1〜10当量のリチウ
ムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシ
リル)アミド、水素化ナトリウムなどの塩基を、−70
〜100℃で、5分〜10時間作用させる方法などによ
り上記化合物(K)が製造でき、これにテトラヒドロフ
ラン、メタノールなどの溶媒中、0.1〜3当量の塩
酸、硫酸等の鉱酸水溶液を0℃〜室温で、5分〜5時間
作用させる方法、又はテトラヒドロフラン、ジオキサン
等の溶媒中、−20℃〜室温で、1〜10当量のフッ化
テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニ
ウム類を作用させる方法などにより、化合物(K)で表
わされ、R4 が水素原子である化合物を製造できる。
【0027】上記化合物(K)にそのエチルエーテル、
酢酸エチル等の有機溶媒の溶液を炭酸水素ナトリウムあ
るいは水酸化ナトリウムの水溶液を0℃〜室温で、5分
〜5時間作用させるなどの操作によって、あるいは、上
記化合物(K)においてR4 がトリメチルシリル基で表
わされる化合物に、含水テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等の溶媒中、1〜10当量のフッ化テトラブチルアン
モニウム等のフッ化アルキルアンモニウム類を作用させ
る方法などにより直接、ケトン体である上記化合物
(L)に変換できる。
【0028】続いて上記化合物(L)に、たとえば0.
5〜10当量のジメチル銅リチウムを−100℃〜室温
で、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒中作用させる方法などにより上記化合物(M)
を製造でき、これにエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族
炭化水素系溶媒又はn−ヘキサン、n−ヘプタン等の飽
和炭化水素系溶媒中−70℃〜50℃で、水素化ジブチ
ルアルミニウム等の金属水素化物、水素化アルミニウム
リウチム等の金属錯化合物を1〜10当量、5分〜5時
間作用させる方法などにより上記(II)式で表わされる
ザルコフィトールAを製造できる。
【0029】本発明の化合物を中間体とする上記したザ
ルコフィトールA合成ルートはザルコフィトールAの製
造のための工業上優れたルートであり、従って本発明の
化合物はその目的のために極めて重要な合成中間体であ
る。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例により限定を受けるものではない。 合成例1
【0031】
【化7】
【0032】上記(1)式で表わされるアルコール体
〔J.Org.Chem.,51巻22号、4316〜
4319項(1986)に記載〕(4.55g)をCH
3 CN(50ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン
(5.5g)を加えた。0℃冷却下、CBr4 (7g)
を3回に分け、5分ごとに加えた。反応の完結を確認し
た後、濃縮し、ヘキサンを加え、充分撹拌し、セライト
でろ過、濃縮後得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:エチルエーテル=
98:2)にて精製し、目的とする上記(2)式で表わ
される化合物(7g)を合成した。
【0033】 1H−NMR(90MHz) δ=1.58(s,3H),1.70(s,3H),
1.74(s,3H),2.05(brs,11H),
3.96(s,2H),4.58(d,J=7.03H
z,2H),5.09(m,1H),5.33(m,1
H),5.56(m,1H) 合成例2
【0034】
【化8】
【0035】上記(2)式で表わされるアセテート(7
g)をメタノール(100ml)に溶解し、0℃冷却下K
2 CO3 (6.7g)を加え充分撹拌した。1時間後、
反応の完結を確認し、水、飽和食塩水で洗浄した後、エ
ーテル層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃
縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒、ヘキサン:エチルエーテル=1:1)にて
精製し、目的とする上記(3)式で表わされる化合物
(7.37g)を合成した。
【0036】 1H−NMR(90MHz) δ=1.60(s,3H),1.67(s,3H),
1.74(s,3H),2.05(brs,8H),
3.97(s,2H),4.15(d,J=6.81H
z,2H),5.10(m,1H),5.40(m,1
H),5.56(m,1H) 合成例3
【0037】
【化9】
【0038】上記(3)式で表わされるヒドロキシブロ
ム体(7.37g)を、ベンゼン(1ml)と塩化メチレ
ン(1ml)の混合液に溶解し、二酸化マンガン(14
g)を少しずつ加え、室温で20時間撹拌した。反応の
完結を確認した後セライトでろ過し、濃縮して得た残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘ
キサン:エチルエーテル=98:2)にて精製し、目的
とする上記(4)式で表わされる化合物(1.86g、
合計収率38%)を合成した。
【0039】 1H−NMR(90MHz) δ=1.60(s,3H),1.74(s,3H),
2.05(brs,11H),3.95(s,2H),
5.08(brs,1H),5.56(brs,1
H),5.80(brs,1H) 9.97(d,J=
7.91Hz,1H) 合成例4
【0040】
【化10】
【0041】上記(5)式で表わされるクロトンアルデ
ヒド(10ml)を塩化メチレン(45ml)に溶解し、ヒ
ドロキノン(50ml)を加えた後、0℃冷却下臭素
(6.2ml)を塩化メチレン(45ml)に溶解したもの
を6時間かけてゆっくり滴加した。これに0℃冷却下で
酢酸カリウム(17.8g)を加え、室温で一晩静置し
た。これにエーテルを加え、水と飽和食塩水で洗浄し、
エーテル層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
濃縮して目的とする上記(6)式で表わされる化合物
(17g)を合成した。
【0042】 1H−NMR(90MHz) δ=2.15(d,J=6.48Hz,3H),7.2
0(d,J=6.48Hz,1H),9.21(s,J
H) 合成例5
【0043】
【化11】
【0044】上記(6)式で表わされるホルミル体(1
7g)をエタノール(100ml)に溶解し、(C2 5
O)3 CH(24ml)、パラトルエンスルホン酸を少量
加え室温で撹拌した。15時間後、エーテルで希釈し、
水、水性NaHCO3 、飽和食塩水の順に洗浄した後エ
ーテル層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
これを濃縮した後、減圧蒸留(49〜53℃/3mmHg)
により目的とする上記(7)式で表わされる化合物(1
5.31g合計収率57%)を合成した。
【0045】 1H−NMR(90MHz) δ=1.31(t,J=7.03Hz,6H),1.5
0(dd,J=0.88Hz,J=6.59Hz,3
H),3.55(ABXm,4H),4.78(br
s,1H),6.30(dq,J=0.88Hz,J=
6.59Hz,1H) 実施例1
【0046】
【化12】
【0047】アルゴン雰囲気下、上記(7)式で表わさ
れるアセタール(1.26g)にヘキサン(15ml)を
加え、−78℃冷却下ノルマルブチルリチウム(1.8
5ml,1.1当量)を徐々に加えた。その後−40℃ま
で昇温し、1時間後アセタールがなくなっていることを
ガスクロマトグラフィーで確認した後、−78℃に冷却
し、上記(4)で表わされるホルミル体(843mg)を
テトラヒドロフラン(2ml)に溶解したものをゆっくり
滴加した。30分後−78℃冷却下水性NH4 Clによ
りクエンチした後エーテルで抽出した。これを飽和食塩
水で洗浄し、エーテル層を分離し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:エチルエーテル
=98:2)にて精製し、目的とする上記(9)式で表
わされる化合物(973.2mg)を得た。
【0048】 1H−NMR(90MHz) δ=1.10〜1.40(m,6H),1.58(s,
6H),1.68(s,3H),1.77(d,J=
6.30Hz,3H),2.05〜2.20(brm,
8H),3.20〜3.80(m,4H),3.97
(s,2H),4.90(brs,1H),5.00〜
5.60(m,4H),5.68(q,J=6.30H
z,1H) 実施例2
【0049】
【化13】
【0050】上記(10)式で表わされるアルコール
(973.2mg)を塩化メチレン(1.2ml)に溶解
し、0℃、アルゴン雰囲気下ジイソプロピルエチルアミ
ン(1.53ml、4当量)およびCH3 OCH2 Cl
(0.34ml,2当量)を加え室温にし、1時間後エー
テルで希釈した。水性1N塩酸、水性NaHCO3 、飽
和食塩水の順に洗浄した後エーテル層を分離し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して目的とする上記(1
1)式で表わされる化合物(746mg)を得た。
【0051】 1H−NMR(90MHz) δ=1.00〜1.30(m,6H),1.57(s,
6H),1.72(s,3H),1.80(d,J=
7.80Hz,3H),2.05(brs,8H),
3.35(s,3H),3.25〜3.60(m,4
H),4.00(s,2H),4.57(s,2H),
4.80(s,1H),5.00〜5.20(m,3
H),5.30〜5.60(m,1H),5.92
(q,J=7.80Hz,1H) 実施例3
【0052】
【化14】
【0053】上記(11)式で表わされるアセタール
(746mg)をメタノール(12ml)、水(3ml)に溶
解し、室温で硫酸銅(100mg)を加えて撹拌した。1
時間後、エーテルで希釈し、水、水性NaHCO3 、飽
和食塩水の順に洗浄し、エーテル層を分離し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後濃縮して得た残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:エチル
エーテル=9:1〜1:1)にて精製し、目的とする上
記(12)式で表わされる化合物(691.2mg、合計
収率59%)を得た。
【0054】 1H−NMR(90MHz) δ=1.55(s,6H),1.72(s,3H),
2.15(d,J=7.03Hz,3H),2.10〜
2.15(brm,8H),3.33(s,3H),
4.00(s,2H),4.48,4.45(dd,2
H),4.98〜5.20(brm,1H),5.44
(brs,3H) 6.67(q,J=7.03Hz,
1H),9.35(s,1H) 実施例4
【0055】
【化15】
【0056】上記(12)式で表わされるホルミル体
(691.2mg)を、0℃冷却下トリメチルシリルニト
リル(0.22ml)、シアン化カリウム18クラウン6
エーテルを少量加えた。2時間後、反応を完結させ、0
℃冷却下テトラヒドロフラン(10ml)、水性1N塩酸
(2ml)を加えた。20分後エーテルで希釈し、水で洗
浄後エーテル層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮した。これをベンゼン(10ml)に溶解し、0
℃冷却下エチルビニルエーテル(0.25ml)を加え、
パラトルエンスルホン酸を少量加えた。50分撹拌した
後、0℃冷却下エーテルで希釈し、水、水性NaHCO
3 、飽和食塩水の順に洗浄し、エーテル層を分離し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して得た残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキ
サン:エチルエーテル=9:1〜1:1)にて精製し、
目的とする上記(13)式で表わされる化合物(466
mg、合計収率54%)を得た。
【0057】 1H−NMR(90MHz) δ=1.25(m,6H),1.59(brs,6
H),1.72(s,3H),2.05(brm,11
H),3.35(s,3H),3.35〜3.99
(m,2H),4.00(s,2H),4.50(br
s,2H),4.80〜5.20(brm,2H),
5.40〜5.70(brm,1H),6.48(q,
1H) IR(film)cm-1:2968,2926,172
8,1689,1661,1444,1380,126
7,1147,1094,1031,933,879 参考例1
【0058】
【化16】
【0059】アルゴン雰囲気下、ヘキサメチルジヒラザ
ン〔NH(TMS)2 〕(0.087ml)とテトラヒド
ロフラン(2ml)の混合液中に、0℃冷却下ノルマルブ
チルリチウム(0.23ml,9.5当量)を徐々に加え
た。0℃冷却下30分撹拌した後、60℃にて加熱還流
しながら、アリルクロリド(21.1mg)をテトラヒド
ロフラン(2ml)に溶解したものを2時間かけてゆっく
りと滴加した。これをNH4 Clでクエンチし、エーテ
ルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、エーテルを分離し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して得た残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサ
ン:エチルエーテル=9:1〜1:1)にて精製し、目
的とする上記(14)式で表わされる化合物(10.7
mg、合計収率62%)を得た。
【0060】 1H−NMR(90MHz) δ=1.25(m,6H),1.47(s,3H),
1.56(brs,6H),1.95(d,J=7H
z,3H),2.00(brs,8H),2.16(b
rs,2H),3.36(d,J=3Hz,3H),
3.40〜3.80(q,2H),4.52,4.63
(dd,2H),4.80〜5.40(brm,3
H),5.70(m,2H) 6.12(q,1H) 参考例2
【0061】
【化17】
【0062】上記(14)式で表わされる環化シアノヒ
ドリンエーテル体(201mg)をテトラヒドロフラン
(2ml)、80%酢酸に溶解し、室温で撹拌した。27
時間後エーテルで希釈し、2%水性NaOHで強く洗浄
した。シアンヒドリンがケトンにもどった後、水、飽和
食塩水で洗浄し、エーテル層を分離し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:エチル
エーテル=9:1〜1:1)にて精製し、目的とする上
記(15)式で表わされる化合物(45.6mg、合計収
率25%)を得た。
【0063】 1H−NMR(500MHz) δ=1.50(s,3H),1.66(s,3H),
1.67(s,3H),2.00〜2.15(brs,
8H and d,J=7.14Hz,3H),3.2
0(ABq,J=14.62Hz,2H),3.35
(s,3H),4.50(d,J=6.59Hz,1
H),4.60(d,J=6.53Hz,1H),4.
80(brm,2H),5.55(ABq,2H),
6.75(q,J=7.36Hz,1H) IR(film)cm-1:3380,2920,165
8,1440,1383,1290,1261,121
4,1149,1094,1042,920 参考例3
【0064】
【化18】
【0065】常法により精製したヨウ化銅(45mg)に
アルゴン雰囲気下エチルエーテル(1ml)を加え、−7
8℃冷却下メチルリチウム(0.45ml,1.05当
量)を加えた。0℃に昇温後、30分撹拌し、再び−7
8℃に冷却し、これに上記(15)式で表わされるメト
キシメチルエーテル(45.6mg)をエチルエーテル
(0.2ml)に溶解したものをゆっくり滴加した。1時
間後、水性NH4 Clでクエンチし、エーテルで抽出
し、飽和食塩水で洗浄した。エーテル層を分離し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して得た残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:エ
チルエーテル=19:1)にて精製し、目的とする上記
(16)式で表わされる化合物(7.3mg、合計収率2
1.4%)を得た。
【0066】 1H−NMR(300MHz) δ=1.08(d,J=6.87Hz,6H),1.4
6(s,3H),1.72(s,3H),1.77
(s,3H),2.10(brs,8H),2.67
(sept,1H),3.15(s,2H),4.94
(t,J=6.87Hz,1H),5.00(t,J=
6.31Hz,1H),5.88(d,J=11.88
Hz,1H),6.21(d,J=11.88Hz,1
H) 参考例4
【0067】
【化19】
【0068】アルゴン雰囲気下、上記(16)式で表わ
されるケトン体(137mg,0.48mmol)の乾燥トル
エン2.5ml溶液に、−70℃の冷媒浴上撹拌しなが
ら、水素化ジイソブチルアルミニウムの1Mトルエン溶
液0.6mlを滴加した。1時間後、原料の消失を確認
し、0.25mlの水を加え、浴をはずしよく撹拌した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、撹拌し、濾過後、濃縮
して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒、n−ヘキサン:酢酸エチル=12:1)に
て精製し、目的とする上記(II)式で表わされるザルコ
フィトールA(125mg,88%)を得た。
【0069】
【発明の効果】本発明の化合物は、抗発癌プロモーター
作用及び抗腫瘍作用を有するザルコフィトールAの合成
中間体として、極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔上記式中、R1 はホルミル基、−CH(OR3)2 (R
    3 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)または−CH
    (CN)(OR4)(R4 は水素原子、1−アルコキシア
    ルキル基またはトリメチルシリル基を示す。)を示し、
    2 は水素原子、1−アルコキシアルキル基または−S
    iR5 6 7 (R5 ,R6 およびR7 はそれぞれ炭素
    数1〜4のアルキル基またはフェニル基を示す。)を示
    し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表わされる鎖状テル
    ペン類。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4917268A (en) * 1988-06-20 1990-04-17 The Clorox Company Liquid dispensing package with drainback spout

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4917268A (en) * 1988-06-20 1990-04-17 The Clorox Company Liquid dispensing package with drainback spout

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