JPH0551263U - 縦型手動サージャー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本機の縦型手動サージャーは、長尺素材等の
縁かがり縫いを行う場合、特にスラックス等の素材で３
辺又は４辺を連続廻し縫いするに際して取り回し作業を
容易にすると共に素材操作を良好にし、又設置スペース
の大幅な減少とミシン頭部のメンテナンス性を改善す
る。 【構成】 テーブルの平面積を素材より小さくし、テー
ブルの形状を平面視において各コーナー13、13a …を緩
やかなＲ部と成すと共に、側面視において壁面をテーパ
ー状の下広がり形状とすることによって、長尺素材の４
辺の縫製時における素材の回転がスムーズと成る様にし
て、又テーブルがミシン頭部に対してスライド退避自在
とすることによって、ミシン頭部を移動させずにミシン
頭部のメンテナンスを行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、サージングされる素材の取り回し作業を容易にすると共に素材操作 を良好にした縦型手動サージャーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、かかる手動サージャーａ（素材ｗの縁かがり縫いを行うサージングマシ ン）は、素材ｗを載置する広い作業テーブルｂの一角（図面上では左奥部）にミ シン頭部ｃを設置したものが使用されており、上記作業テーブルｂはスラックス 等の長尺素材ｗでも載置可能となる様に横方向に長い長方形の広大な面積を有し ていたために、手動サージャーａの設置スペースが必要となる欠点を有していた 。

【０００３】 しかしながら、広い作業テーブルｂは横方向には長大であっても前後方向では ミシン頭部ｃ（針位置）付近で作業員が手で素材ｗを押圧、移動、保持するため にその奥行きが限定され、その結果、長尺素材ｗであるスラックス等の場合には 、図９の一点鎖線に図示する様な作業テーブルｂの側面ｄから垂れ下がったｇ状 態から、図１０の一点鎖線に図示する様な作業テーブルｂの正面ｅから垂れ下が ったｈ状態とする場合には素材ｗの端部が作業テーブルｂよりはみ出して垂れ下 がり、且つ作業テーブルｂにおける側面ｄと正面ｅのコーナーｆは直角であるた めに、かかるコーナーｆにおいて作業テーブルｂ上の素材ｗを手で移動操作した だけでは素材ｗの全体、特に下端はスムーズに追従出来ず（図９の実線状態）、 又上記ｈ状態から図１１の一点鎖線に図示する様な作業テーブルｂ上への載置状 態とする場合には、素材ｗの下端部の持ち上げが容易でなかったり、作業テーブ ルｂ上へ載置した時に皺が寄ったり、重なったり（図１１の実線状態）して素材 ｗの取り回し、操作性が悪い欠点を有していた。

【０００４】 又、手動サージャーａ、特にミシン頭部ｃのメンテンスに関して、広い作業テ ーブルｂにミシン頭部ｃが設置されているために、ミシン頭部ｃのメンテナンス 、例えば糸切れ、糸替え、清掃に際しては、ミシン頭部ｃを上昇或いは退避させ ねばならず精密部品でもあるミシン頭部ｃの移動によりミシン頭部ｃの故障、狂 いが発生し易い欠点を有していた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、長尺素材等の縁かがり縫いを行う場合、特にスラックス等の素材で ３辺又は４辺を連続廻し縫いするに際して取り回し作業を容易にすると共に素材 操作を良好にし、又設置スペースの大幅な減少とミシン頭部のメンテナンス性を 改善する様にした縦型手動サージャーを提供せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記従来技術に基づく、作業テーブルが広く角部が直角であるため に、素材の取り回しが困難な課題、広大な設置スペースを必要とする課題、及び ミシン頭部に故障を誘因する危険性に鑑み、テーブルの平面積を素材より小さく し、テーブルの形状を平面視において各コーナーを緩やかなＲ部と成すと共に、 側面視において壁面をテーパー状の下広がり形状とすることによって、長尺素材 の３辺又は４辺の縫製時における素材の回転がスムーズと成る様にして、又テー ブルがミシン頭部に対してスライド退避自在とすることによって、ミシン頭部を 移動させずにミシン頭部のメンテナンスを行える様にして、上記課題を解決せん としたものである。

【０００７】

【作用】

本考案にあっては、素材の３辺又は４辺等を縫製するに際して、テーブルの正 面、側面、背面位置で素材の端部が垂れ下がり、テーパー状の壁面で素材の自重 の一部を支承して、素材の回転操作時にその基端の回転に連動して素材下端がス ムーズに連動し、又壁面の下端で鈍角に素材が折曲して壁面に沿ってスムーズに 移動し、更にテーブルのコーナーが緩やかなＲ部により上述した作用と相俟って 素材が屈曲してスムーズに回転移動する。

【０００８】 又、上述した素材の回転移動に際して素材下端の重量により素材は捩じれたり 、重なったりすることなく垂直面内における平面状態を維持して、その作用に応 じてテーブル及び壁面上の素材の平面状態を確保し、更にテーブルをスライド退 避させれば、ミシン頭部とテーブルの間に作業空間が現出してミシン頭部におけ る下糸の交換、清掃を行う。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、 １は作業性を良好にした縦型手動式のサージャーであり、下端に脚体（キャス ター）２、2a…を設けたメインボックス３の内部にモーター４を設置すると共に 、メインボックス３の上部に特殊形状の素材Ｗより平面視小面積の小さいテーブ ル５をスライド自在に設置し、又テーブル５の一側部でメインボックス３の上部 にモーター４と連繋したミシン頭部６を固定設置している。

【００１０】 ７、7aはメインボックス３の上部に水平設置したガイドレールであり、該ガイ ドレール７、7a上に左右方向へスライド自在にスライドベース８、8aを装着し、 該スライドベース８、8a上にテーブル５を設置してミシン頭部６に対してテーブ ル５をスライド退避可能と成し、ミシン頭部６の側面でテーブル５との間に作業 空間９を現出可能と成している。

【００１１】 上記した小さなテーブル５の形状は、平面視において正面10、側面11及び背面 12の直線部と、各コーナー13、13a …を緩やかなＲ部に形成し、且つ側面視にお いて上面14に対して下面15が広く４方の壁面16がテーパー状の下広がり形状と成 している。

【００１２】 17はミシン頭部６に設置したテーブル５に着離自在な布押さえであり、該布押 さえ17の適宜位置にはミシン針18に対応する針孔19を穿設し、又テーブル５の所 定位置には素材Ｗの送り装置20を設け、更にミシン頭部６の前方に素材Ｗの各辺 の終端を検出するセンサー21を装備している。

【００１３】 次に本考案に係る縦型手動サージャーの作用について説明すると、 例えばスラックス、スカート等の長尺ものの素材Ｗの４辺、或いは前身くり部 Ａ、インカーブ、アウトカーブを有する場合には５、６辺、更に直線とカーブが 混在したものを縫製するに際して、図５に図示する様な縫製開始の状態から素材 Ｗの１辺の縫製を行い、センサー21で１辺の終端を検知して所定時間後に縫製完 了して送り装置20による素材Ｗの送りを停止し、この時に素材Ｗの前端は図６に 図示する様なテーブル５の背面12から垂れ下がり状態となっている。

【００１４】 そして、ミシン針18にて素材Ｗの一点を保持した状態でテーブル５上の素材Ｗ を手で押さえながら回転させて図７に図示する様な側面11から素材Ｗが垂れ下が った状態と成して縫製を続行し、次に素材Ｗの短辺を縫製した後に素材Ｗを回転 させて、素材Ｗの垂れ下がり部を側面11から正面10に移動させ、順次４辺の縫製 を行う。

【００１５】 上記した様に素材Ｗを順次回転移動させるに際して、テーブル５の平面端部、 即ち正面10、側面11、背面12位置で素材Ｗの端部が垂れ下がり、テーパー状の壁 面16で素材Ｗの自重の一部を支承して、素材Ｗの回転操作時にテーブル５上の素 材Ｗの基端を回転させた時に、かかる回転に連動して素材Ｗ下端の重量が減少し てスムーズに連動し、又壁面16の下端で鈍角に素材Ｗが折曲しているためにコー ナー13、13a …においても壁面16に沿ってスムーズに移動し、更にテーブル５の コーナー13、13a …が緩やかなＲ部により上述した作用と相俟って素材Ｗがコー ナー13、13a …に対応したＲ状態で屈曲してスムーズに回転移動する。

【００１６】 又、上述した素材Ｗの回転移動に際して素材Ｗ下端の重量により素材Ｗは捩じ れたり、重なったりすることなく垂直面内における平面状態を維持して、素材Ｗ の幅方向における一面性が素材Ｗの上方部に作用してテーブル５及び壁面16上の 素材Ｗの平面状態を確保し、更にテーブル５をスライド退避させれば、ミシン頭 部６とテーブル５の間に作業空間９が現出してミシン頭部６における下糸の交換 、清掃を行う。

【００１７】

【考案の効果】

要するに本考案は、テーブル５の一側にミシン頭部６を配置したサージャー１ において、テーブル５の平面積を素材Ｗより相当に小面積と成したので、縦型手 動サージャーの設置スペースを格段に減少させることが出来、又テーブル５の形 状を平面視において正面10、側面11及び背面12を直線と成すと共に各コーナー13 、13a …を緩やかなＲ部と成したので、テーブル５上において素材Ｗを回転操作 する時に、テーブル５上の素材Ｗに追随してテーブル５からはみ出し垂下した素 材Ｗの端部が各コーナー13、13a …をスムーズに回転してテーブル５上の素材Ｗ に皺が寄ることを防止出来、３辺又は４辺を連続廻し縫いするに際して取り回し 作業を容易にすると共に素材操作を良好に出来、又側面視においてテーブル５の 壁面16をテーパー状の下広がり形状と成したので、素材Ｗのテーブル５からはみ 出した下端の重量の一部を壁面16で支持して素材Ｗの回転操作力を減少し、且つ 壁面16の下端における素材Ｗの折曲を鈍角と成すことにより、素材Ｗの回転抵抗 を減少させることが出来、素材Ｗ下端の適度な荷重により素材Ｗを平面状態に維 持することが出来る。

【００１８】 又、テーブル５がミシン頭部６に対してスライド退避自在と成したので、テー ブル５とミシン頭部６の間に作業空間９が現出してミシン頭部６のメンテナンス が良好になり、且つ精密部品であるミシン頭部６は固定であるために、ミシン頭 部６の故障を防止出来る等その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る縦型手動サージャーの正面図であ
る。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の側面図である。

【図４】テーブルをスライド退避させた時の縦型手動サ
ージャーの平面図である。

【図５】本考案における素材セット状態の概略斜視図で
ある。

【図６】図５における素材の一辺を縫製した状態を示す
概略斜視図である。

【図７】図６に続いて素材を回転移動させた時の状態を
示す概略斜視図である。

【図８】従来の平型サージャーにおける素材セット状態
の概略平面図である。

【図９】図８における素材の一辺を縫製した状態から、
素材の回転移動途中の取り回し状態を示す概略斜視図で
ある。

【図１０】図９に続いた素材の回転移動完了時の素材の
取り回し状態を示す概略斜視図である。

【図１１】図１０における素材の一辺を縫製した時に、
素材を回転移動させてテーブル上に素材が載置された時
の素材の取り回し状態を示す概略斜視図である。

【符号の説明】

１ サージャー ５ テーブル ６ ミシン頭部 10 正面 11 側面 12 背面 13、13a … コーナー 16 壁面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブルの一側にミシン頭部を配置した
   サージャーにおいて、テーブルの平面積を素材より相当
   に小面積と成し、テーブルの形状を平面視において正
   面、側面及び背面を直線と成すと共に各コーナーを緩や
   かなＲ部と成し、又側面視においてテーブルの壁面をテ
   ーパー状の下広がり形状と成したことを特徴とする縦型
   手動サージャー。
2. 【請求項２】 テーブルがミシン頭部に対してスライド
   退避自在と成したことを特徴とする請求項１の縦型手動
   サージャー。