JPH0550861A - 可動グリルの制御装置 - Google Patents

可動グリルの制御装置

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JPH0550861A
JPH0550861A JP20952291A JP20952291A JPH0550861A JP H0550861 A JPH0550861 A JP H0550861A JP 20952291 A JP20952291 A JP 20952291A JP 20952291 A JP20952291 A JP 20952291A JP H0550861 A JPH0550861 A JP H0550861A
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JP
Japan
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engine load
open
degree
movable
temperature
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Application number
JP20952291A
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English (en)
Inventor
Takakazu Mori
孝和 森
Takashi Nakamura
隆司 中村
Hiroyuki Takahashi
博之 高橋
Tsutomu Matsuki
務 松木
Keiji Sumiya
圭二 炭谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却水温が急激に温度変化することなく適切
な冷却温度によって被冷却体を冷却することができる可
動グリルの制御装置を得ること。 【構成】 温度計62によって検出された外気温度と冷
却水温計64によって検出された冷却水温とがファジイ
推論装置70に入力される。ファジイ推論装置70には
ファジイルール記憶部72が接続されている。ファジイ
推論装置70はラジエータグリル22を開閉させる駆動
源のモータ42及びフロントクロスメンバ44を開閉さ
せる駆動源のモータ56に接続されており、入力された
外気温度及び冷却水温と、ファジイルールとに基づいて
ラジエータグリル22及びフロントクロスメンバ44の
開閉状態を推論し、推論によって決定されたラジエータ
グリル22及びフロントクロスメンバ44の開閉に応じ
てモータ42、56を駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可動グリルの制御装置
にかかり、特に、車両のラジエータ及びクーラコンデン
サ周辺に設けられた外気供給用の可動グリルをファジィ
推論を利用して開閉制御する可動グリルの制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、水冷エンジンによって走行する車
両では、車両のエンジンルーム内に備えられたラジエー
タによってエンジン冷却用に媒体(例えば、水)を冷却
し、循環させている。このラジエータにおいての冷却効
果を向上させるために、車両前方から外気を取り入れる
ことができる可動グリル及び車両下方から外気を取り入
れることができる可動グリルが開発されている(実公昭
61−35693号、実開平2−99073号公報)。
【0003】また、車体の空力特性を改善し空気抵抗係
数(CD )を低減させるために、ラジエータの水温を水
温センサによって検出し、この検出値に基づいてフロン
トバンパの上下に設けられた可動グリルを同時に開閉す
る装置が提案されている(実開昭60−110625号
公報)。これによれば、可動グリルを開けることにより
車体内部に供給された外気の空気流によって空気抵抗が
増加することに着目し、ラジエータの水温、すなわちエ
ンジン負荷状態に応じて可動グリルを閉じ空気抵抗を低
減させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラジエ
ータの水温に応じてフロントバンパの上下に設けられた
可動グリルを同時に開閉することでは、ラジエータの冷
却水温の冷却効果が異なることがある。例えば、車両の
位置する環境条件(例えば、外気温度)によって外気を
供給することによる冷却効果が変化する。すなわち、外
気温度が低い場合には冷却効果が高く、高い場合には冷
却効果が低くなってしまう。また、車速に応じて車両内
部に供給される外気の供給量は変化する。これにより、
外気の温度が同じ場合でも、車速が高速の場合には低速
の場合より新鮮な外気が多く供給されるので、車速が高
速の場合の方が低速の場合より冷却効果が高くなる。こ
のため、可動グリルを同時に開閉することによってラジ
エータの冷却水温の温度が急激に変化することがある。
この冷却水温の急激な温度変化によって、エンジン性能
が低下することがある。
【0005】本発明は上記事実を考慮し、冷却水温が急
激に温度変化することなく適切な冷却温度によって被冷
却体を冷却することができる可動グリルの制御装置を得
ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、外気を取り入れるために開
閉制御される複数の可動グリルの制御装置において、環
境条件を検出する環境条件検出手段と、エンジン負荷条
件を検出するエンジン負荷条件検出手段と、環境条件及
びエンジン負荷条件が各々対応する言語値を満している
程大きくなりかつ満さない程小さくなる一致度を定める
条件を備えた複数の判定条件と該複数の判定条件の各々
に対して定めた前記複数の可動グリルそれぞれの開閉状
態とを記憶した記憶手段と、検出された環境条件及びエ
ンジン負荷条件と前記記憶手段に記憶された複数の判定
条件とに基づいて検出された環境条件及びエンジン負荷
条件に対する一致度を求め、求めた一致度を合成して各
判定条件に対する適合度を演算する演算手段と、前記演
算手段によって求めた適合度に応じて前記記憶手段に記
憶された複数の判定条件の各々に対する前記複数の可動
グリルそれぞれの開閉状態に重みを付し、前記複数の可
動グリルそれぞれの開閉状態を合成することにより前記
複数の可動グリルそれぞれの開閉状態を決定し、決定さ
れた開閉状態に応じて前記複数の可動グリルそれぞれを
開閉する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】請求項2に記載の発明は、外気を取り入れ
るために開閉制御される複数の可動グリルの制御装置に
おいて、車速を検出する車速検出手段と、エンジン負荷
条件を検出するエンジン負荷条件検出手段と、車速及び
エンジン負荷条件が各々対応する言語値を満している程
大きくなりかつ満さない程小さくなる一致度を定める条
件を備えた複数の判定条件と該複数の判定条件の各々に
対して定めた前記複数の可動グリルそれぞれの開閉状態
とを記憶した記憶手段と、検出された車速及びエンジン
負荷条件と前記記憶手段に記憶された複数の判定条件と
に基づいて検出された車速及びエンジン負荷条件に対す
る一致度を求め、求めた一致度を合成して各判定条件に
対する適合度を演算する演算手段と、前記演算手段によ
って求めた適合度に応じて前記記憶手段に記憶された複
数の判定条件の各々に対する前記複数の可動グリルそれ
ぞれの開閉状態に重みを付し、前記複数の可動グリルそ
れぞれの開閉状態を合成することにより前記複数の可動
グリルそれぞれの開閉状態を決定し、決定された開閉状
態に応じて前記複数の可動グリルそれぞれを開閉する制
御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1に記載した発明によれば、環境条件検
出手段は環境条件を検出し、エンジン負荷条件検出手段
はエンジン負荷条件を検出する。この環境条件の例とし
ては、外気温度を利用することができ、外気温度を検出
することによって、環境条件を特定することが可能であ
る。また、エンジン負荷条件としては、エンジンを冷却
するための冷却媒体の温度、この冷却媒体の温度の変化
率、スロットル開度、燃料噴射量等の物理量を利用する
ことができ、この物理量の少なくとも1つを検出するこ
とによってエンジン負荷条件を特定することが可能であ
る。記憶手段は、環境条件及びエンジン負荷条件が各々
対応する言語値を満している程大きくなりかつ満さない
程小さくなる一致度を定める条件を備えた複数の判定条
件を記憶している。また、記憶手段は、複数の判定条件
の各々に対して定めた複数の可動グリルそれぞれの開閉
状態を記憶している。例えば、この可動グリルには、開
閉可能で車両の前方から外気を取り入れることができる
ものや車両の下方から外気を取り入れることができるも
のがある。演算手段は、検出された環境条件及びエンジ
ン負荷条件と記憶手段に記憶された複数の判定条件とに
基づいて検出された環境条件及びエンジン負荷条件に対
する一致度を求め、求めた一致度を合成して各判定条件
に対する適合度を演算する。一致度を合成する方法とし
ては、一致度の積を演算して合成する方法、一致度の最
小値を合成する方法(論値和)等がある。制御手段にお
いて、演算手段によって求めた適合度に応じて記憶手段
に記憶された複数の判定条件の各々に対する複数の可動
グリル各々の開閉状態に重みが付される。この重みは、
判定条件に対する適合度が大きくなる程大きくなる。そ
して、制御手段において、複数の可動グリル各々の開閉
状態を合成することにより複数の可動グリル各々の開閉
状態を決定し、決定された開閉状態に応じて複数の可動
グリル各々を開閉する制御を行なう。
【0009】このように、環境条件とエンジン負荷条件
とに応じて適正な冷却効果が得られる複数の可動グリル
各々の開閉状態が推測され、この推測結果に基づいて複
数の可動グリル各々を開閉する制御を行なうため、冷却
媒体を適正に冷却することができると共に急激な温度変
化を防ぐことができる。
【0010】請求項2に記載した発明の車速検出手段は
車両の走行速度を検出し、エンジン負荷条件検出手段は
エンジン負荷条件を検出する。このエンジン負荷条件と
しては、上記と同様にエンジンを冷却するための冷却媒
体の温度、この冷却媒体の温度の変化率、スロットル開
度、燃料噴射量等の物理量を利用することができ、この
物理量の少なくとも1つを検出することによってエンジ
ン負荷条件を特定することが可能である。記憶手段は、
車速及びエンジン負荷条件が各々対応する言語値を満し
ている程大きくなりかつ満さない程小さくなる一致度を
定める条件を備えた複数の判定条件を記憶している。ま
た、記憶手段は、複数の判定条件の各々に対して定めた
複数の可動グリル各々の開閉状態を記憶している。演算
手段は、検出された車速及びエンジン負荷条件と記憶手
段に記憶された複数の判定条件とに基づいて検出された
車速及びエンジン負荷条件に対する一致度を求め、求め
た一致度を合成して各判定条件に対する適合度を演算す
る。一致度を合成する方法としては、一致度の積を演算
して合成する方法、一致度の最小値を合成する方法(論
値和)等がある。制御手段において、演算手段によって
求めた適合度に応じて記憶手段に記憶された複数の判定
条件の各々に対する複数の可動グリル各々の開閉状態に
重みが付される。この重みは、判定条件に対する適合度
が大きくなる程大きくなる。そして、制御手段におい
て、複数の可動グリル各々の開閉状態を合成することに
より複数の可動グリル各々の開閉状態を決定し、決定さ
れた開閉状態に応じて複数の可動グリル各々を開閉する
制御を行なう。
【0011】このように、車速及びエンジン負荷条件に
応じて、車両内部に供給される外気によって適正な冷却
効果が得られる複数の可動グリル各々の開閉状態が推測
され、この推測結果に基づいて複数の可動グリル各々を
開閉する制御を行なうため、冷却媒体を適正に冷却する
ことができると共に急激な温度変化を防ぐことができ
る。
【0012】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明に係る可動グリルの第1実施例を
図面を参照して説明する。
【0013】なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢
印INは車幅内方方向を、矢印UPは車体上方方向を示
す。
【0014】図1に示すように、車体10のフロントボ
デー10Aの上面部には、エンジンフード12が配置さ
れており、このエンジンフード12は、後端部に設けら
れたヒンジ(図示省略)によってボデーフレームに揺動
可能に取付られている。
【0015】フロントボデー10Aの前端部の車幅方向
両端部には、フロントバンパ16が固定されている。エ
ンジンフード12の前端部は、バンパ16へ向けて延長
した外観の突出部18とされている。また、エンジンフ
ード12の突出部18には、外気取入口20が設けられ
ており、この外気取入口20には車幅方向に長手状とさ
れた複数の可動グリルの内第1の可動グリルとしてのラ
ジエータグリル22が配置されている。
【0016】図2に示したように、このラジエータグリ
ル22は、ラジエータグリル22の外側部を構成するラ
ジエータグリルアウタパネル24と、ラジエータグリル
22の内側部を構成するラジエータグリルインナパネル
26とで構成されている。ラジエータグリルインナパネ
ル26にはヒンジ30の一方の取付部30Aが固定され
ている。
【0017】また、ヒンジ30の他方の取付部30Bは
エンジンフード12の底部に固定されている。したがっ
て、ラジエータグリル22はヒンジ30の軸30Cを中
心として図2の時計廻り方向(図2の矢印A方向)と図
2の時計廻り方向と反対方向(図2の矢印B方向)へ揺
動可能である。
【0018】エンジンフード12に固定されたヒンジ3
0取付部の後方には、モータブラケット40が車体上下
方向下側から固定されている。このモータブラケット4
0には、駆動手段の一部を構成するモータ42が固定さ
れている。
【0019】モータ42の回転軸には、図示しないモー
タリンクが連結されており、このモータリンクはラジエ
ータグリル22へ至る構成になっている。また、モータ
42はマイクロコンピユータを備えた制御装置60に接
続されている。この制御装置60が出力する制御信号に
応じてモータ42が回転し、ラジエータグリル22を閉
止状態(図3の実線の状態)から、開放状態(図3の想
像線の状態)へ可動できるようになっている。
【0020】したがって、ラジエータグリル22が開放
状態であると、ラジエータグリル22前方から流れる外
気F2は、エンジンフード12の突出部18に設けられ
た外気取入口20を通って、車体10内部へ供給される
(図3参照)。
【0021】図3に示されるように、フロントボデー1
0A内はエンジンルームとなっており、図示を省略され
たエンジンが配置されており、エンジンの車体前後方向
前側には、吸込みファン33が配置されている。この吸
込みファン33の車体前後方向前側には、第2の被冷却
体としてのラジエータ32が配置されており、ラジエー
タ32は吸込みファン33によって吸引される外気によ
って冷却される。また、ラジエータ32には、エンジン
負荷条件検出手段の1つとしての冷却水温計64が取り
付けられており、冷却水温T(°C)を測定するように
なっている。ラジエータ32の車体前後方向前側には、
間隙31を隔てて第1の被冷却体としてのクーラーコン
デンサ34が配置されており、このクーラーコンデンサ
34はラジエータ32に対して下開きに配置されてい
る。
【0022】なお、図示は省略したが、車両の速度を指
示するスピードメータのケーブルには、車両の速度Vを
検知する車速センサ66が取り付けられている。
【0023】バンパ16の下部には開口部16Aが設け
られており、バンパ16の下端にはスポイラ28が配設
されている。したがって、外気F1は、バンパ16の下
部に設けられた開口部16Aを通って、車体10内部へ
供給されるようになっている。スポイラ28の上部に
は、環境条件検出手段としての温度計62が配設されて
おり、この温度計62は車体10内部へ供給される外気
の温度TA(°C)を測定するように配置している。ま
た、バンパ16の下端は、フロントボデー10Aの底部
を閉塞するエンジンアンダカバー14に連結されてい
る。
【0024】ラジエータ32及びクーラーコンデンサ3
4は、各々ラジエータサポート35に支持されている。
このラジエータサポート35の下部には、複数の可動グ
リルの内第2の可動グリルとしてのフロントクロスメン
バ44が配設されている。
【0025】図4に示される如く、フロントクロスメン
バ44は、フロントクロスメンバ44の前部を構成する
メンバフロント46と、フロントクロスメンバ44の後
部を構成するメンバリヤ48とを備えており、メンバフ
ロント46及びメンバリヤ48は車幅方向に延びる閉断
面構造とされている。
【0026】メンバフロント46は、車体前後方向後側
を開口部とする断面コ字状とされている。また、メンバ
フロント46は、図3に示されるように、エンジンアン
ダカバー14に固定されており、車幅方向に延びる略矩
形状の外気取入口としての長穴37が形成されている。
【0027】メンバリヤ48は、下端部が車体前後方向
後側へ向けて屈曲された、断面略L字状とされている。
このメンバリヤ48は、メンバフロント46に溶着され
ている。
【0028】メンバリヤ48には、外気取入口としての
穴36および車幅方向に延びる略矩形状の外気取入口と
しての長穴38が穿設されている。
【0029】図4に示したように、フロントクロスメン
バ44の下部には、蓋体としてのメンバパネル50がヒ
ンジ52によって、図4の時計方向(図4の矢印C方
向)と図4の時計方向と反対方向(図4の矢印D方向)
へ揺動可能に支持されている。メンバパネル50の前端
部は、メンバパネル閉止状態(図4の実線の状態)で車
体上下方向上側となる方向へ屈曲され、メンバフロント
46の前部の下端部へ重なるようになっている。
【0030】メンバパネル50には、図示しないリンク
装置が取り付けられており、このリンク装置にはモータ
56の回転軸が連結されている。また、モータ56はマ
イクロコンピユータを備えた制御装置60に接続されて
いる。制御装置60が出力する制御信号に応じてモータ
56が回転駆動し、フロントクロスメンバ44を、メン
バフロント46の長穴37を閉じる閉止状態(図4の実
線の状態)から、メンバフロント46の長穴37を開く
開放状態(図4の想像線の状態)へ可動できるようにな
っている。
【0031】したがって、メンバフロント46の長穴3
7を開く開放状態のときには、図3に示したように、エ
ンジンアンダカバー14の下方を流れる外気F3は、メ
ンバフロント46の長穴37と、メンバリヤ48の穴3
6及び長穴38とを通って、間隙31へ供給されるよう
になっている。
【0032】なお、上記温度計62、冷却水温計64及
び車速センサ66は、上記ラジメータグリル22および
メンバパネル50等の可動を制御する制御装置60に接
続されている。
【0033】第1実施例は、外気温度(環境条件)及び
エンジン負荷の値が入力される状態によって、ラジメー
タグリル22、メンバパネル50、及びエンジン負荷を
遮断するという制御に本発明を適用したものである。本
実施例では、エンジン負荷としてエンジン冷却水温Tを
用いている。また、エンジン負荷の遮断には、走行に直
接関係のない機器(例えば、エアーコンディショナ、デ
フォッガ、ラジオ等)の負荷電源を停止(負荷電源をオ
フする)させることにより行なう。
【0034】図5に示すように、制御装置60は、演算
手段としてのファジイ推論装置70を備えており、ファ
ジイ推論装置70は、図6に示した制御ルーチンのプロ
グラム、以下で説明するメンバシップ関数等を記憶した
リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモ
リ(RAM)、中央処理装置(CPU)を備えたマイク
ロコンピュータで構成されている。また、ファジイ推論
装置70には、記憶手段としてのファジイルール記憶部
72が接続されている。ファジイ推論装置70には、温
度計62によって測定された外気温度TAがサンプルホ
ールド回路74Aを介して入力されるように接続され、
かつ、エンジン負荷センサ(本実施例では冷却水温計6
4)からの出力がサンプルホールド回路74Aを介して
入力されるように接続されている。
【0035】また、ファジイ推論装置70は、外部の装
置との入出力を行なう入出力回路(以下、I/O)76
に接続されており、I/O76は、各々増幅回路78
A、78B、78Cを介してモータ56、モータ42、
エンジン負荷電源(例えば、吸い込みファン33)のオ
ンオフ回路55に接続されている。
【0036】次に、第1実施例に用いられるファジィ推
論規則について説明する。第1実施例のファジィ推論則
としては、if〜then〜の形で以下の(1)〜
(6)の6つの規則を用いる。 (1)もし、外気温度TAが少し高くかつエンジン負荷
が低負荷ならば、ラジエータグリル22を閉める共にフ
ロントクロスメンバ44を閉じる。 (2)もし、外気温度TAが少し高くかつエンジン負荷
が中負荷ならば、ラジエータグリル22を閉める共にフ
ロントクロスメンバ44を開ける。 (3)もし、外気温度TAが少し高くかつエンジン負荷
が高負荷ならば、ラジエータグリル22を開ける共にフ
ロントクロスメンバ44を開ける。 (4)もし、外気温度TAが非常に高くかつエンジン負
荷が低負荷ならば、ラジエータグリル22を閉める共に
フロントクロスメンバ44を開ける。 (5)もし、外気温度TAが非常に高くかつエンジン負
荷が中負荷ならば、ラジエータグリル22を開ける共に
フロントクロスメンバ44を開ける。 (6)もし、外気温度TAが非常に高くかつエンジン負
荷が高負荷ならば、ラジエータグリル22を開ける共に
フロントクロスメンバ44を開け、負荷電源を遮断す
る。
【0037】なお、上記外気温度が少し高い、及び非常
に高いの言語値は図7(1)に示すメンバシップ関数に
よって定量化される。関数ZRは、外気温度が低いとい
う言語値を定量化するものであり、外気温度が温度TA
1からTA2まで徐々に一致度が減少すると共に外気温
度TA2以上では一致度が0になる特性である。関数P
Sは、外気温度が少し高いという言語値を定量化するも
のであり、外気温度がTA1から徐々に一致度が増加し
TA2で一致度が1になると共にTA2からTA3まで
徐々に一致度が減少する特性である。関数PLは、外気
温度が非常に高いという言語値を定量化するものであ
り、外気温度がTA2から徐々に一致度が増加しTA3
で一致度が1となると共にTA3以上では一致度が1と
なる特性である。
【0038】同様に、エンジン負荷が低負荷、中負荷、
及び高負荷であるという言語値は図7(2)に示すメン
バシップ関数によって定量化される。関数ZRは、エン
ジン負荷がT1からT2まで徐々に一致度が減少し、エ
ンジン負荷T2以上では一致度が0となる特性である。
関数PSは、エンジン負荷がT1から徐々に一致度が増
加しT2で一致度が1となり、T2からT3まで徐々に
一致度が減少する特性である。関数PLは、エンジン負
荷がT2から徐々に一致度が増加しT3で一致度が1と
なり、T3以上では一致度が1となる特性である。
【0039】また、上記ラジエータグリル22を開閉す
る、フロントクロスメンバ44を開閉する、及びエンジ
ン負荷電源を遮断するという言語値は、ファジイ集合で
あり、各々所定のメンバシップ関数F1、F2、F3を
有している。また、この各メンバシップ関数F1、F
2、F3は、予め所定のグリルの開閉状態に応じて定め
られるグリルの開閉条件を満している程大きくなりかつ
条件を満さない程小さくなる値を示すようなメンバシッ
プ関数fi1、fi2、fi3(i=1〜6、上記規則
の数と同数)を各々有している。このメンバシップ関数
で示されるファジイ集合の重心位置を算出することによ
って、上記ラジエータグリル22の開閉、フロントクロ
スメンバ44の開閉、及びエンジン負荷電源の遮断とい
う言語値を定量化し、フロントクロスメンバ44及びラ
ジエータグリル22の開閉、並びにエンジン負荷電源を
遮断するか否かを決定することができる。
【0040】上記のようにして定められたメンバシップ
関数、ラジエータグリル22及びフロントクロスメンバ
44の開閉条件は予め制御装置60のROMに記憶され
ている。
【0041】次に、図6及び図8を参照して上記のメン
バシップ関数を用いてラジエータグリル22、フロント
クロスメンバ44及びエンジン負荷電源の遮断を制御す
る第1実施例の制御ルーチンを説明する。ステップ10
0において温度計62、冷却水温計64で検出された外
気温度TA、冷却水温度Tを取り込む。次のステップ1
02では、上記で説明したファジィ推論則(1)〜
(6)にしたがって図7(A)、(B)に示すメンバシ
ップ関数に基づいて外気温度TA、冷却温度Tに対応す
る一致度、すなわち外気温度TA、冷却温度Tについて
判定条件との一致度を演算し、ステップ104において
規則(1)〜(6)の各々に対して一致度の論理積つま
り一致度の最小値wi(w1 〜w6 )、すなわち外気温
度TA、冷却温度Tに対する適合度を演算する。この外
気温度TA、冷却温度Tに対する適合度はラジエータグ
リル22、及びフロントクロスメンバ44の開閉状態、
並びに負荷電源の遮断状態の各々の反映度を表す。
【0042】次のステップ106では、上記規則毎に推
論結果を算出する。すなわち、ラジエータグリル22の
開閉、フロントクロスメンバ44の開閉、及び負荷電源
の遮断を定量化するメンバシップ関数fi1、fi2、
fi3(ただし、i=1〜6)を有する集合の各々に対
し適合度w1 〜w6 によって重み付けされた集合を求め
る。つまり、適合度w1 〜w6 とメンバシップ関数fi
1、fi2、fi3の各々との論理積、すなわち、最小
値からなる集合Wi1、Wi2、Wi3を求める。
【0043】次のステップ108では、規則毎に算出さ
れた推論結果から総合的な推論結果を算出する。すなわ
ち、求めた各々の集合Wi1、Wi2、Wi3の和集合
としての推論結果である集合W1、W2、W3を求め
る。ステップ110では、集合W1、W2、W3の重心
を求め、求めた各々の重心値を、フロントクロスメンバ
44の開閉状態、ラジエータグリル22の開閉状態、及
び負荷電源の遮断状態とする。
【0044】そして、ステップ112では、求められた
ラジエータグリル22の開閉状態、フロントクロスメン
バ44の開閉状態、及び負荷電源の遮断状態に応じてモ
ータ42、56、及びエンジン負荷(負荷電源のオンオ
フ)の各々を制御する。
【0045】例えば、図7に示したメンバシップ関数を
利用し、外気温度TAがta1、冷却水温度Tがt1の
場合には、図8(1)に示したように、外気温度TAに
対するメンバシップ関数は関数PS及びPLによって一
致度が演算され、同様に冷却水温度Tに対するメンバシ
ップ関数は関数PS及びPLによって一致度が演算され
る。これにより、外気温度TAの一致度は関数PLの方
が大きくなり、冷却水温度Tがt1の場合に上記規則
(2)及び(3)についての推論結果の重みが大きくな
る。したがって、図8(2)に示したように、規則
(2)に対しては外気ta1に対する一致度及び冷却水
温度Tに対する一致度の最小値を利用し、適合度w2
この最小値にする。規則(3)に対しても同様であり、
図8(3)に示したように、各々の最小値を利用してメ
ンバシップ値を適合度w3 をこの最小値にする。
【0046】図8(2)に示したように、規則(2)に
対しては、ラジエータグリル22の開閉を表すメンバシ
ップ関数f21及びフロントクロスメンバ44の開閉を
表すメンバシップ関数f22を適合度w2 、w3 でカッ
トした斜線部の集合W21、W22になる。同様に、規
則(3)に対しては、図8(3)に示したように斜線部
の集合W31、W32なる。
【0047】図8(4)に示したように、ラジエータグ
リル22の開閉の場合には、規則(2)及び規則(3)
斜線部の集合W21、W31を合成した斜線部の集合W
1になる。同様に、フロントクロスメンバ44の開閉の
場合には、規則(2)及び規則(3)斜線部の集合W2
2、W32を合成した斜線部の集合W2になる。そし
て、この集合W1、W2の重心を求める。求めた各々の
重心値が、ラジエータグリル22の開状態或いは閉状態
の一方の領域に含まれるので、その領域をラジエータグ
リル22の開閉を定める開閉状態とする。同様に、フロ
ントクロスメンバ44の開閉状態を決定する。したがっ
て、外気温度TAがta1と、冷却水温度Tがt1の場
合には、ラジエータグリル22を開け、フロントクロス
メンバ44を開けるように決定される。
【0048】このように、外気温度ta1と、冷却水温
度t1とに基づいて、ラジエータグリル22の開閉、フ
ロントクロスメンバ44の開閉が制御される。これによ
り、主に外気温度が高い場合には、フロントクロスメン
バ44の開閉状態に付される重みが大きく、例えば、フ
ロントクロスメンバ44を開放状態として、F3の外気
を取り込むようにすると、ラジエータ32に供給される
外気は、ラジエータグリル22を通過しクーラコンデン
サ34によって温められた外気のみによる外気の供給で
はなくフロントクロスメンバ44を通過した外気によっ
てラジエータ32には新鮮な外気が供給され、オーバー
ヒートを防止することができる。また、このラジエータ
グリル22の開閉状態は、外気温度と冷却水温とから適
正に開閉されるため、車両前方へは新鮮な外気が供給さ
れ、クーラコンデンサ及びラジエータは適正に熱交換が
成される。
【0049】以上説明したように本実施例では、外気温
度、冷却水温度に基づいて各々のファジィ規則に対応し
た適合度wiが求められる。この求めた適合度wiに応
じてラジエータグリル22の開閉、及びフロントクロス
メンバ44の開閉状態を示す集合Wi(ただし、i=1
〜2)が推論結果として得られ、この重心を求めること
により、現在の外気温度、及び冷却水温度に対する最適
なラジエータグリル22の開閉状態、及びフロントクロ
スメンバ44の開閉状態が決定される。
【0050】したがって、外気温度に応じてラジエータ
グリル22及びフロントクロスメンバ44が開閉される
ことによって、ラジエータ及びクーラコンデンサには、
適正な冷却効果が得られる外気が供給され、冷却水温に
応じてラジエータグリル22及びフロントクロスメンバ
44を開閉することによって冷却効果が必要なラジエー
タグリル22及びフロントクロスメンバ44を開閉す
る。このように、外気温度及びエンジン負荷に応じてラ
ジエータグリル22及びフロントクロスメンバ44の開
閉、負荷電源のオンオフ制御を行なっているため、ラジ
エータ32による冷却水の熱交換は適正になされ、効率
よくエンジン及び他の被冷却体を冷却することができ、
急激な温度変化を防ぐことができる。
【0051】〔第2実施例〕次に、本発明に係る可動グ
リルの第2実施例を図面を参照して説明する。
【0052】なお、第2実施例は、車両の速度、及びエ
ンジン負荷が入力された状態によって、ラジメータグリ
ル22、フロントクロスメンバ44、及び負荷電源を遮
断するものである。本実施例では、エンジン負荷として
エンジン冷却水温T及び温度上昇率Rを用いている。ま
た、負荷電源の遮断には、例えば、吸い込みファン33
の駆動を停止させることにより行なうことができる。ま
た、第2実施例の構成は、上記第1実施例と略同様であ
るので同一部分には略号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0053】図9に示すように、ファジイ推論装置70
には、第1実施例と同様にファジイルール記憶部が接続
されている。ファジイ推論装置70には、エンジン負荷
センサ(本実施例では冷却水温計64)からの出力がサ
ンプルホールド回路74Bを介して入力されるように接
続されている。また、この冷却水温計64から出力され
た信号は水温上昇率計数回路68に入力され、冷却水温
の温度上昇率が計数されて、サンプルホールド回路74
Cを介してファジイ推論装置70に出力される。車速セ
ンサ66は、サンプルホールド回路74Dに接続されて
おり、走行時の車速が、ファジイ推論装置70に入力さ
れるようになっている。
【0054】また、ファジイ推論装置70は、第1実施
例と同様に、外部の装置との入出力を行なう入出力回路
(I/O)76に接続されており、I/O76は、各々
増幅回路78A、78B、78Cを介してモータ56、
モータ42、エンジン負荷電源のオンオフ回路55に接
続されている。
【0055】次に、第2実施例のファジィ推論規則につ
いて説明する。ファジィ推論規則としては、if〜th
en〜の形で以下の(1)〜(6)の6つの規則を用い
る。 (1)もし,車両の速度が中速度以下であると共に冷却
水温度Tが少し高くかつ温度上昇率が小さいまたは下降
するならば、ラジエータグリル22を閉める共にフロン
トクロスメンバ44を閉じる。 (2)もし,車両の速度が中速度以下であると共に冷却
水温度Tが少し高くかつ温度上昇率が中程度であるなら
ば、ラジエータグリル22を閉める共にフロントクロス
メンバ44を開ける。 (3)もし,車両の速度が中速度以下であると共に冷却
水温度Tが少し高くかつ温度上昇率が大きいならば、ラ
ジエータグリル22を開ける共にフロントクロスメンバ
44を開ける。 (4)もし,車両の速度が高速度であると共に冷却水温
度Tが非常に高くかつ温度上昇率が小さいまたは下降す
るならば、ラジエータグリル22を閉める共にフロント
クロスメンバ44を開け、エンジン負荷は遮断しない。 (5)もし,車両の速度が高速度であると共に冷却水温
度Tが非常に高くかつ温度上昇率が中程度ならば、ラジ
エータグリル22を閉める共にフロントクロスメンバ4
4を開け、エンジン負荷を遮断する。 (6)もし,車両の速度が高速度であると共に冷却水温
度Tが非常に高くかつ温度上昇率が大きいならば、ラジ
エータグリル22を開ける共にフロントクロスメンバ4
4を開け、エンジン負荷を遮断する。
【0056】なお、上記車速が高速度、中速度以下であ
るという言語値は図10(1)に示すメンバシップ関数
によって定量化される。関数ZRは、車両の速度が低速
度という言語値を定量化するものであり、車速がV1か
らV2まで徐々に一致度が減少すると共にV2以上では
一致度が0になる特性である。関数PS及び関数PLは
車両の速度が中速度という言語値を定量化するものであ
る。関数PSは、車速VがV1から徐々に一致度が増加
しV2で一致度が1になると共にV2からV3まで徐々
に一致度が減少する特性である。関数PLは、車速がV
2から徐々に一致度が増加しV3で一致度が1になると
共にV3からV4まで徐々に一致度が減少する特性であ
る。なお、関数PS及び関数PLを、車速VがV1から
徐々に一致度が増加しV2で一致度が1になると共にV
2からV3まで一致度が1でありかつV3からV4まで
徐々に一致度が減少する特性である、1つの関数にして
もよい。関数PVLは、車速が高速度という言語値を定
量化するものであり、車速がV3から徐々に一致度が増
加しV4で一致度が1となると共にV4以上では一致度
が1となる特性である。
【0057】同様に、冷却水温度Tが少し高い、非常に
高いの言語値は図10(2)に示すメンバシップ関数に
よって定量化される。関数ZRは、冷却温度が温度T1
から温度T2まで徐々に一致度が減少し、温度T2以上
では一致度が0となる特性である。関数PSは、冷却温
度が温度T1から徐々に一致度が増加し温度T2で一致
度が1となり、温度T2から温度T3まで徐々に一致度
が減少する特性である。関数PLは、冷却温度が温度T
2から徐々に一致度が増加し温度T3で一致度が1とな
り、温度T3以上では一致度が1となる特性である。
【0058】同様に、冷却水温度Tの温度上昇率が小さ
い、温度上昇率が中程度、及び温度上昇率が大きいとい
う図10(3)に示すメンバシップ関数によって定量化
される。関数ZRは、冷却温度の温度上昇率が−R1か
ら徐々に一致度が増加し温度上昇率0で一致度が1とな
り、温度上昇率0からR1まで徐々に一致度が減少する
特性である。関数PSは、温度上昇率がR1から徐々に
一致度が増加しR2で一致度が1となり、R2からR3
まで徐々に一致度が減少する特性である。関数PLは、
温度上昇率がR2から徐々に一致度が増加しR3で一致
度が1となり、R3以上では一致度が1となる特性であ
る。また、関数NSは、温度上昇率が0から徐々に下が
るに従って一致度が増加し−R1で一致度が1となり、
−R1以下では一致度が1となる特性である。
【0059】また、上記ラジエータグリル22の開閉、
フロントクロスメンバ44の開閉、及びエンジン負荷の
遮断という言語値は、上記第1実施例と同様に所定のメ
ンバシップ関数F1、F2、F3を有している。また、
各メンバシップ関数F1、F2、F3は、条件に応じた
メンバシップ関数fi1、fi2、fi3(i=1〜
6、上記規則の数と同数)を各々有している。
【0060】上記のようにして定められたメンバシップ
関数、フロントクロスメンバ44及びラジエータグリル
の開閉、並びにエンジン負荷を遮断する条件は予め制御
装置60のROMに記憶されている。
【0061】次に、図11を参照して上記のメンバシッ
プ関数を用いてラジエータグリル22、フロントクロス
メンバ44及びエンジン負荷の遮断を制御する第2実施
例の制御ルーチンを説明する。ステップ100において
冷却水温度T計64で検出された冷却水温度T、車速セ
ンサ66で検出された車速Vを取り込む。なお、このス
テップ200では、冷却水温度T計64で検出された冷
却水温度Tに基づいて水温上昇率計数回路68によって
算出された温度上昇率Rも同時に取り込まれる。次のス
テップ202では、上記で説明したファジィ推論則
(1)〜(6)にしたがって図10(1)〜(3)に示
すメンバシップ関数に基づいて測定温度T、温度上昇率
Rおよび車速Vに対応する一致度、すなわち、判定条件
との一致度を演算し、ステップ204において規則
(1)〜(6)の各々に対して一致度の論理積つまり一
致度の最小値wi、すなわち測定温度T、温度上昇率R
および車速Vに対する適合度を演算する。この各測定温
度に対する適合度はラジエータグリル22、及びフロン
トクロスメンバ44の開閉状態、並びに負荷電源の遮断
状態の各々の反映度を表す。
【0062】例えば、車速がv1、冷却水温度がt1、
温度上昇率がr1の場合には、図12(1)に示したよ
うに、車速v1に対するメンバシップ関数は関数PS及
びPLによって一致度が演算される。同様に、冷却水温
度t1に対するメンバシップ関数は関数PS及びPLに
よって一致度が演算され、温度上昇率r1に対するメン
バシップ関数は関数PS及びPLによって一致度が演算
される。これにより、車速v1及び冷却水温度t1に対
する一致度は関数PLの方が大きくなり、上記規則
(2)及び(3)についての推論結果の重みが大きくな
る。したがって、図12(2)に示したように、規則
(2)に対しては車速v1に対する一致度と、冷却水温
度t1に対する一致度と、温度上昇率r1に対する一致
度との最小値を利用し、適合度w2 はこの最小値にす
る。規則(3)に対しても同様であり、図12(3)に
示したように、各々の最小値を利用してメンバシップ値
を適合度w 3 をこの最小値にする。上記推論結果の重み
が大きくなるファジイ規則(2)、(3)の場合につい
て説明したが、上記規則の(1)〜(6)の全てについ
て適合度を算出することにより、更に微細な推論を行な
うことができる。したがって、規則(1)〜(6)に対
して、測定温度Tに対する一致度、温度上昇率Rおよび
車速Vに対する一致度、の最小値を利用し、この最小値
を適合度w1 〜w6 にする。
【0063】すなわち、次のステップ206では、上記
規則毎に推論結果を算出する。すなわち、ラジエータグ
リル22の開閉、フロントクロスメンバ44の開閉、及
びエンジン負荷の遮断を定量化するメンバシップ関数f
i1、fi2、fi3(ただし、i=1〜6)を有する
集合の各々に対し適合度w1 〜w6 によって重み付けさ
れた集合を求める。つまり、適合度w1〜w6 とメンバ
シップ関数fi1、fi2、fi3の各々との論理積、
すなわち、最小値からなる集合Wi1、Wi2、Wi3
を求める。
【0064】図12(2)に示したように、規則(2)
に対しては、ラジエータグリル22の開閉を表すメンバ
シップ関数f22及びフロントクロスメンバ44の開閉
を表すメンバシップ関数f21を適合度w2 、w3 でカ
ットした斜線部の集合W21、W22になる。同様に、
規則(3)に対しては、図12(3)に示したように斜
線部の集合W31、W32なる。
【0065】次のステップ208では、規則毎に算出さ
れた推論結果から総合的な推論結果を算出する。すなわ
ち、求めた各々の集合Wi1、Wi2、Wi3を総和
し、推論結果である集合W1、W2、W3を求める。ス
テップ210では、集合W1、W2、W3の重心を求
め、求めた各々の重心値から、ラジエータグリル22の
開閉状態、フロントクロスメンバ44の開閉状態、及び
エンジン負荷の遮断するか否かを決定する。
【0066】すなわち、図12(4)に示したように、
ラジエータグリル22の開閉の場合には、規則(2)及
び規則(3)斜線部の集合W21、W31を合成した斜
線部の集合W1になる。同様に、フロントクロスメンバ
44の開閉の場合には、規則(2)及び規則(3)斜線
部の集合W22、W32を合成した斜線部の集合W2に
なる。この集合W2、W3の重心を求め、求めた各々の
重心値から、フロントクロスメンバ44の開閉状態、ラ
ジエータグリル22の開閉状態を決定する。したがっ
て、車速Vが中速度V1、冷却水温度が少し高い温度T
1、温度上昇率Rが中程度の場合には、ラジエータグリ
ル22を開け、フロントクロスメンバ44を開けること
が決定される。このとき、エンジン負荷を遮断するとい
う集合W3は条件に適合する項目が希薄なため空集合と
なる。
【0067】そして、ステップ212では、決定された
ラジエータグリル22の開閉状態、フロントクロスメン
バ44の開閉状態、及びエンジン負荷の遮断に応じてモ
ータ42、56、及びエンジン負荷(負荷電源のオンオ
フ)の各々を制御する。
【0068】上記の例では、車速Vが速度v1、冷却水
温度t1、温度上昇率r1という場合について説明した
が、車速Vが高速の場合には、上記規則(4)〜(6)
による推論の重みが大きくなる。すなわち、高速走行中
では、主に、冷却水温度Tの温度上昇率Rに応じて負荷
電源の遮断、ラジエータグリル22及びフロントクロス
メンバ44の開閉に反映させている。
【0069】ここで、車両の構造から、ラジエータグリ
ル22の開閉及びフロントクロスメンバ44の開閉によ
って温度の影響を受ける主な部位が決定される。すなわ
ち、本実施例では、図3から理解されるように、ラジエ
ータグリル22の開閉によっての外気供給は主にクーラ
コンデンサ34の冷却に寄与し、フロントクロスメンバ
44の開閉に応じて外気の供給は、ラジエータ32の冷
却に重み寄与する。また、上記ラジエータグリル及びフ
ロントクロスメンバの通風孔が開放されていると車速に
応じて車両内部へ供給される外気の流量が多くなること
はが理解される。したがって、車速が高速の場合には、
上記ラジエータグリル22及びフロントクロスメンバ4
4が開放されると車速が低速の場合より外気の流量が多
くなり、新鮮な外気の吸い込みが増加する。このため、
高速時のラジエータグリル22及びフロントクロスメン
バ44の開閉による冷却水の温度影響は大きくなる。
【0070】これにより、車速が高速の時には、フロン
トクロスメンバ44を開けることのみによっても、充分
なラジエータの冷却効果を得ることができるため、エン
ジン負荷(冷却水温度、温度上昇率等)に基づいて不必
要な時にラジエータグリル22を閉じることによって、
車体内部への外気の流入が阻止され、空力抵抗の向上が
図れる。
【0071】したがって、負荷電源の遮断、フロントク
ロスメンバ44及びラジエータグリル22の開閉等を示
すメンバシップ関数を適正に設定することにより、最適
なフロントクロスメンバ44及びラジエータグリル22
の開閉制御を行なうことができる。
【0072】このように、車両の高速時において、冷却
水温度及び温度上昇率Rに応じて、ラジエータグリル2
2の開閉状態、フロントクロスメンバ44の開閉状態、
及びエンジン負荷の遮断状態に重み付けがなされて、各
々が制御される。このため、ラジエータグリル22が、
閉止状態(図3の実線の状態)となると、車体内部への
外気の流入が阻止され空力特性が向上し、走行安定性、
燃費等を向上すると共に、冷却媒体(ラジエータ、クー
ラコンデンサ)を冷却することの必要に応じて開放状態
(図3の想像線の状態)となって、外気を取込みオーバ
ーヒートを防止することができる。また、メンバパネル
50が作動するフロントクロスメンバ44においても、
同様に閉止状態(図4の実線の状態)および開放状態
(図4の想像線の状態)となる。更に、高速時におい
て、負荷電源を遮断することにより、エンジンへの負荷
が軽減し、燃費の向上が図れる。
【0073】以上説明したように本実施例によれば、車
速、冷却水温度T及び温度上昇率に応じてラジエータグ
リル22及びフロントクロスメンバ44の開閉、負荷電
源のオンオフ制御を行なっているため、ラジエータ32
による冷却水の熱交換は適正になされ、効率よくエンジ
ン及び他の被冷却体(例えば、ラジエータ、クーラコン
デンサ)を冷却することができる。
【0074】なお、本発明者は、上記実験を行ないラジ
エータ32の前方にフレッシュエアーを導入することが
でき、ラジエータ32の前方の雰囲気温度が低下し、エ
ンジン冷却性能が大幅(約3°C)向上することを確認
している。
【0075】また、発明者は、車両の高速時にラジエー
タグリル22及びフロントクロスメンバ44の開閉、負
荷電源のオンオフ制御を行なうというエアロモードを設
定することにより、高速時の空力特性が向上するという
ことを実験により確認している〔空気抵抗係数(CD
値が0.013改善された〕。また、上記構成による実
験を行なうことによりダウンフォースも改善され操縦安
定性にも寄与するということを実験によって確認してい
る〔揚力係数(CL)値が0.018改善された〕。
【0076】〔第3実施例〕上記車両の速度Vを更に細
分化し、以下に示すファジイ推論規則を追加することに
よって、更に細やかな制御を行なうことができる。この
場合を第3実施例として説明する。
【0077】第3実施例に追加するファジイ推論規則
は、車速が中速度という言語値を中低速度と中高速度と
に細分化したものであり、 (7)もし,車速が中高速度であると共に冷却水温度T
が非常に高くかつ温度上昇率が小さいまたは下降するな
らば、ラジエータグリル22を閉める共にフロントクロ
スメンバ44を閉め、エンジン負荷は遮断しない (8)もし,車速が中高速度であると共に冷却水温度T
が非常に高くかつ温度上昇率が中程度ならば、ラジエー
タグリル22を閉める共にフロントクロスメンバ44を
閉め、エンジン負荷を遮断するである。
【0078】なお、上記車両の速度が高速度、中高速
度、中速度以下であるという言語値は上記第2実施例と
同様に、図10(1)に示すメンバシップ関数によって
定量化され、冷却水温度Tが少し高い、非常に高い冷却
水温度Tの温度上昇率が小さい、温度上昇率が中程度、
及び温度上昇率が大きいという言語値は図10(2)及
び図10(3)に示すメンバシップ関数によって定量化
される。これらのメンバシップ関数を図13(1)に示
した。なお、上記車両の速度が高速度、中低速度、中高
速度という言語値は第2実施例における関数PS及び関
数PLに対応させることができる。
【0079】このメンバシップ関数を利用し、例えば、
車速Vが速度v2、冷却水温度が温度t2、及び温度上
昇率Rが上昇率r2の場合には、図13(1)に示した
ように、車速v2に対するメンバシップ関数は関数PL
及びPVLによって一致度が演算される。同様に、冷却
水温度が温度t2に対するメンバシップ関数は関数PS
及び関数PLによって一致度が演算され、温度上昇率R
が上昇率r2に対するメンバシップ関数は関数ZR及び
関数PSによって一致度が演算される。ここで、上記規
則(5)及び規則(7)の重みが大きな場合には、図1
3(2)に示したように、規則(7)に対しては車速V
に対する一致度と、冷却水温度に対する一致度と、温度
上昇率Rに対する一致度と、の最小値を利用し、適合度
7 はこの最小値にする。規則(5)に対しても同様
で、図13(3)に示したように、各々の最小値を利用
してメンバシップ値を適合度w5をこの最小値にする。
【0080】これにより、各規則に対する一致度は、図
13(2)に示したように、規則(7)に対してはラジ
エータグリル22の開閉、フロントクロスメンバ44の
開閉、及びエンジン負荷の遮断状態を表すメンバシップ
関数を適合度w7 でカットした斜線部の集合になる。同
様に、規則(5)に対しては、図13(5)に示したよ
うに斜線部の各々の集合になる。
【0081】したがって、ラジエータグリル22の開閉
状態は、図13上下方向の規則(5)及び規則(7)に
対する斜線部の集合を合成した集合で表され、同様に、
フロントクロスメンバ44の開閉状態は、規則(5)及
び規則(7)に対する斜線部の集合を合成した集合で表
され、エンジン負荷の遮断状態は、規則(5)及び規則
(7)に対する斜線部の集合を合成した集合で表され
る。これらの集合の各々重心を求め、求めた各々の重心
値から、ラジエータグリル22を閉じる、フロントクロ
スメンバ44を開ける及びエンジン負荷を遮断しないこ
とが決定される。これにより、高速走行時において、エ
ンジン負荷を遮断しないという条件が導かれるが、冷却
水の温度Tの温度上昇率Rが小さいまたは低下している
と推論されるため、フロントクロスメンバ44の開放の
みによって、ラジエータ32は外気で適正に冷却するこ
とができる。
【0082】また、例えば、車速Vが速度v3、冷却水
温度が温度t3、温度上昇率Rが上昇率r3の場合につ
いて、上記規則(5)、規則(6)及び規則(8)につ
いて説明すると、図14(2)に示したように、規則
(8)に対しては車速Vに対する一致度と、冷却水温度
に対する一致度と、温度上昇率Rに対する一致度と、の
最小値を利用し、適合度w8 はこの最小値にする。規則
(5)に対しても同様であり、図14(3)に示したよ
うに、各々の最小値を利用してメンバシップ値を適合度
5 をこの最小値にする。また、規則(6)に対し、図
14(4)に示したように、各々の最小値を利用してメ
ンバシップ値を適合度w6 をこの最小値にする。
【0083】これにより、各規則に対する一致度は、規
則(8)に対しては図14(2)に示したように、ラジ
エータグリル22の開閉、フロントクロスメンバ44の
開閉、及びエンジン負荷の遮断状態を表すメンバシップ
関数の各々を適合度w8 でカットした斜線部の集合にな
る。同様に、規則(5)に対しては、図14(3)に示
したように斜線部の集合になり、規則(6)に対して
は、図14(4)に示した斜線部の集合になる。
【0084】したがって、ラジエータグリル22の開閉
状態は、メンバシップ関数の規則(5)、(6)及び
(8)に対する斜線部の集合を合成した集合で表され、
同様に、フロントクロスメンバ44の開閉状態は、規則
(5)、(6)及び(8)に対する斜線部の集合を合成
した集合で表され、エンジン負荷の遮断状態は、規則
(5)、(6)及び(8)対する斜線部の集合を合成し
た集合で表される。この各集合の重心を求め、求めた各
々の重心値から、ラジエータグリル22を開ける、フロ
ントクロスメンバ44を開ける及びエンジン負荷を遮断
することが決定される。
【0085】このように、高速度で車両が走行し、冷却
水温度が高くかつ冷却水温度の上昇率Rが大きな場合に
は、負荷電源を遮断することにより、エンジンへの負荷
(電気負荷等)を軽減させることができ、かつ、ラジエ
ータグリル22及びフロントクロスパネル44を開放す
ることにより、外気によって冷却水の温度を低下させる
ことができる。
【0086】以上説明したことにより、第3実施例で
は、高速時におけるエンジン負荷(電気負荷)を遮断及
び遮断しないことの重みによる制御が行なわれるため、
効率良くエンジンを駆動させることができ、燃費の向上
が図れる。また、車両の走行速度を細分化したことによ
り、車速に拘わらず安定した走行性能を得ることができ
る。
【0087】〔第4実施例〕次に、第4実施例として、
空力性能を重視する場合及びエアコンディショナの空調
性能を重視する場合についての例を説明する。本実施例
では、以下に示すファジイ推論規則を追加する。
【0088】(空力性能を重視) (A)もし、車両の速度が中高速度であると共に冷却水
温度Tが低くかつ温度上昇率が低いならば、ラジエータ
グリル22を閉める共にフロントクロスメンバ44を閉
め、エンジン負荷は遮断しない。 (B)もし、車両の速度が高速度であると共に冷却水温
度Tが低くかつ温度上昇率が低いならば、ラジエータグ
リル22を閉める共にフロントクロスメンバ44を閉
め、エンジン負荷は遮断しない。
【0089】(エアコンディショナの空調性能を重視) (C)もし、車両の速度が低速度であると共に冷却水温
度Tが低くかつ温度上昇率が中程度ならば、ラジエータ
グリル22を閉める共にフロントクロスメンバ44を閉
め、エンジン負荷は遮断しない。 (D)もし、車両の速度が中低速度であると共に冷却水
温度Tが低くかつ温度上昇率が大きいならば、ラジエー
タグリル22を開ける共にフロントクロスメンバ44を
開け、エンジン負荷は遮断しない。
【0090】なお、上記推論規則に用いる言語値は上記
第2及び第3実施例と同様であるため、詳細な説明は省
略し、このメンバシップ関数を図15(1)に示した。
【0091】このメンバシップ関数を利用し、例えば、
車速Vが速度v4、冷却水温度が温度t4、及び温度上
昇率Rが上昇率r4の場合について、上記規則(A)及
び規則(B)について説明する。図15(2)に示した
ように、規則(A)に対しては車速v4に対する一致度
と、冷却水温度t4に対する一致度と、温度上昇率r4
に対する一致度と、の最小値を利用し、適合度wA はこ
の最小値にする。規則(B)に対しても同様であり、図
15(3)に示したように、各々の最小値を利用してメ
ンバシップ値を適合度wB をこの最小値にする。
【0092】これにより、各規則に対する一致度は、図
15(2)に示したように、規則(A)に対してはラジ
エータグリル22の開閉を表すメンバシップ関数、フロ
ントクロスメンバ44の開閉を表すメンバシップ関数、
及びエンジン負荷の遮断状態を表すメンバシップ関数を
適合度wA でカットした斜線部の集合になる。同様に、
規則(B)に対しては、図15(5)に示したように斜
線部の集合になる。
【0093】これにより、ラジエータグリル22の開
閉、フロントクロスメンバ44の開閉、及びエンジン負
荷の遮断状態の各々に対応する上記斜線部の集合を合成
しその集合の各々重心を求め、求めた各々の重心値か
ら、ラジエータグリル22を閉じる、フロントクロスメ
ンバ44を閉じる及びエンジン負荷を遮断しないことが
決定される。
【0094】この高速度で車両が走行するときにおい
て、フロントクロスメンバ44を開けてからラジエータ
グリル22を開ける制御を行なうことによって、ラジエ
ータグリル22から供給される外気の流れるタイミング
が遅延される。ラジエータグリル22は閉じられている
ことによって、車両内部への不要な外気の流入を防ぐこ
とができるため、空力性能を確保することができる。
【0095】また、車速Vが速度v5、冷却水温度が温
度t4、及び温度上昇率Rが上昇率r5の場合につい
て、上記規則(C)及び規則(D)を参照して説明す
る。図15(4)に示したように、規則(C)に対して
は車速v5に対する一致度と、冷却水温度t4に対する
一致度と、温度上昇率r5に対する一致度と、の最小値
を利用し、適合度wC はこの最小値にする。規則(D)
に対しても同様であり、図15(5)に示したように、
各々の最小値を利用してメンバシップ値を適合度w D
この最小値にする。
【0096】これにより、各規則に対する一致度は、図
15(4)に示したように、規則(C)に対してはラジ
エータグリル22の開閉を表すメンバシップ関数、フロ
ントクロスメンバ44の開閉を表すメンバシップ関数、
及びエンジン負荷の遮断状態を表すメンバシップ関数を
適合度wC でカットした斜線部の集合になる。同様に、
規則(D)に対しては、図15(5)に示したように斜
線部の集合になる。
【0097】これにより、この斜線部の集合を合成し、
重心を求めて、ラジエータグリル22を開け、フロント
クロスメンバ44を開ける及びエンジン負荷を遮断しな
いことが決定される。
【0098】このとき、低速走行中において、冷房の効
果を確保するためには、ラジエータグリル22を開けて
からフロントクロスメンバ44を開ける制御を行なう。
すなわち、先ずラジエータグリル22を開けることによ
り、クーラコンデンサ34への外気供給を行なってエア
コンディショナの冷却性能の確保を図り、次いでラジエ
ータに外気が供給されるようにフロントクロスメンバ4
4を開けて適正に冷却水温度の低下を図ることができ
る。
【0099】以上説明したように本実施例によれば、車
速及びエンジン負荷に応じて、ラジエータグリル22、
フロントクロスメンバ44の開閉、及び負荷電源のオン
オフ制御を行なっているため、ラジエータ32による冷
却水の熱交換率は適正になされ、効率よくエンジンを冷
却することができる。また、空力性能を重視するための
規則を追加することにより、高速走行時における燃費の
向上が図れ、また、エアコンディショナ等の空調性能を
重視するための規則を追加することにより、エアコンデ
ィショナ等の冷却性能の確保ができ快適な車内空間の実
現が図れる。
【0100】なお、上記では、可動グリルを開閉させる
例について説明したが、適合度に応じた可動グリルの開
閉を定めておいて可動グリルの開度を制御してもよい。
【0101】また、上記実施例では、一致度の最小値を
適合度とする、論理積によるファジィ推論について説明
したが一致度の積を演算して適合度を求める例(代数積
によるファジィ推論)を用いてもよい。更に一致度より
適合度を求める他のファジィ推論の合成規則を用いても
よい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明によれば、環境条件とエンジン負荷条件との一致度
から、複数の可動グリルそれぞれの開閉状態に対する重
み付けを行なって複数の可動グリルそれぞれの開閉を決
定し制御するため、僅かな温度の相違や外気温度と冷却
媒体の温度との関係に対し、適切に複数の可動グリルそ
れぞれの開閉を開閉することができることにより、車両
前方には新鮮な外気が供給され、被冷却体の冷却に安定
した冷却効果が得られる、という効果が得られる。
【0103】請求項2に記載した発明によれば、車両の
速度及びエンジンの負荷との一致度から、複数の可動グ
リルそれぞれの開閉状態に対する重み付けを行ない、複
数の可動グリルそれぞれの開閉を決定し制御するため、
適切に複数の可動グリルそれぞれを開閉することがで
き、被冷却体の冷却に安定した冷却効果が得られ、更
に、高速時には少なくとも1つの可動グリルの閉止によ
って空力抵抗が改善されて操縦安定性が得られる、とい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の可動グリルが適用された車体
前部を示す車体斜め前方から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の自動車の前部車体のラジエ
ータグリル近傍を示す側断面(図1の2−2線断面)図
である。
【図3】本発明の一実施例の自動車の前部車体構造を示
す側断面(図1の4−4線断面)図である。
【図4】本発明の一実施例の自動車の前部車体構造のフ
ロントクロスメンバ近傍を示す側断面図である。
【図5】第1実施例に利用した制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】第1実施例の可動グリル制御ルーチンを示す流
れ図である。
【図7】(1)は第1実施例に利用した外気温度に対す
るメンバシップ関数を示す線図、(2)は第1実施例に
利用したエンジン負荷(冷却水温度T)に対するメンバ
シップ関数を示す線図である。
【図8】(1)は第1実施例に利用したメンバシップ関
数等を示す線図、(2)、(3)は第1実施例における
推論過程を示したイメージ図、(4)は推論結果を示し
たイメージ図である。
【図9】第2実施例に利用した制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】(1)は第2実施例の車速に対するメンバシ
ップ関数を示す線図、(2)は第2実施例の冷却温度に
対するメンバシップ関数を示す線図、(3)は第2実施
例の冷却温度の温度上昇率に対するメンバシップ関数を
示す線図である。
【図11】第2実施例の可動グリル制御ルーチンを示す
流れ図である。
【図12】(1)は第2実施例に利用したメンバシップ
関数を示す線図、(2)、(3)は第2実施例における
推論過程を示したイメージ図、(4)は推論結果を示し
たイメージ図である。
【図13】(1)は第3実施例に利用したメンバシップ
関数を示す線図、(2)、(3)は第3実施例における
推論過程を示したイメージ図である。
【図14】(1)は第3実施例に利用したメンバシップ
関数を示す線図、(2)、(3)は第3実施例における
他の推論過程を示したイメージ図である。
【図15】(1)は第4実施例に利用したメンバシップ
関数を示す線図、(2)、(3)は第4実施例における
推論過程を示したイメージ図である。
【符号の説明】
10 車体 20 外気取入口 22 ラジエータグリル(可動グリル) 44 フロントクロスメンバ(可動グリル) 60 制御装置(制御手段) 62 温度計(環境条件検出手段) 64 冷却水温度計(エンジン負荷条件検出手段) 66 車速センサ(車速検出手段) 70 ファジイ推論装置(演算手段) 72 ファジイルール記憶部(記憶手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 務 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 炭谷 圭二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気を取り入れるために開閉制御される
    複数の可動グリルの制御装置において、 環境条件を検出する環境条件検出手段と、 エンジン負荷条件を検出するエンジン負荷条件検出手段
    と、 環境条件及びエンジン負荷条件が各々対応する言語値を
    満している程大きくなりかつ満さない程小さくなる一致
    度を定める条件を備えた複数の判定条件と該複数の判定
    条件の各々に対して定めた前記複数の可動グリルそれぞ
    れの開閉状態とを記憶した記憶手段と、 検出された環境条件及びエンジン負荷条件と前記記憶手
    段に記憶された複数の判定条件とに基づいて検出された
    環境条件及びエンジン負荷条件に対する一致度を求め、
    求めた一致度を合成して各判定条件に対する適合度を演
    算する演算手段と、 前記演算手段によって求めた適合度に応じて前記記憶手
    段に記憶された複数の判定条件の各々に対する前記複数
    の可動グリルそれぞれの開閉状態に重みを付し、前記複
    数の可動グリルそれぞれの開閉状態を合成することによ
    り前記複数の可動グリルそれぞれの開閉状態を決定し、
    決定された開閉状態に応じて前記複数の可動グリルそれ
    ぞれを開閉する制御手段と、 を備えたことを特徴とする可動グリルの制御装置。
  2. 【請求項2】 外気を取り入れるために開閉制御される
    複数の可動グリルの制御装置において、 車速を検出する車速検出手段と、 エンジン負荷条件を検出するエンジン負荷条件検出手段
    と、 車速及びエンジン負荷条件が各々対応する言語値を満し
    ている程大きくなりかつ満さない程小さくなる一致度を
    定める条件を備えた複数の判定条件と該複数の判定条件
    の各々に対して定めた前記複数の可動グリルそれぞれの
    開閉状態とを記憶した記憶手段と、 検出された車速及びエンジン負荷条件と前記記憶手段に
    記憶された複数の判定条件とに基づいて検出された車速
    及びエンジン負荷条件に対する一致度を求め、求めた一
    致度を合成して各判定条件に対する適合度を演算する演
    算手段と、 前記演算手段によって求めた適合度に応じて前記記憶手
    段に記憶された複数の判定条件の各々に対する前記複数
    の可動グリルそれぞれの開閉状態に重みを付し、前記複
    数の可動グリルそれぞれの開閉状態を合成することによ
    り前記複数の可動グリルそれぞれの開閉状態を決定し、
    決定された開閉状態に応じて前記複数の可動グリルそれ
    ぞれを開閉する制御手段と、 を備えたことを特徴とする可動グリルの制御装置。
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